JP3996914B2 - 木粉樹脂押出成形品の製造方法 - Google Patents

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本発明は、木粉とオレフィン系樹脂との混合組成物を押出成形して得られる木粉樹脂押出成形品の製造方法に関するものである。
木粉と樹脂との混合組成物を成形して得られる木粉樹脂成形品は、外観に木質感を現出できると共に退色や腐食に対する耐性にも優れており、すなわち木材と樹脂の長所を兼ね備えるものであり、また木粉には建築廃材の粉砕物も使用可能で環境への配慮もあり、近年、内装材のみならず外装材にも広く普及が進むと共にその研究、発明も盛んに行われている。この木粉樹脂成形品を得る製造方法としては、たとえば操作が簡単で生産性にも優れた押出成形が採用されることが多い。木粉樹脂押出成形品6の製造方法としては、図4(a)のように、木粉2と樹脂との混合組成物3を押出成形機7で押出成形をし、押出成形機7から出た中間成形物5を引取機12にて引き取りつつ、この中間成形物5をサイジング装置8でサイジングをして成形し、所定形状の木粉樹脂押出成形品6を得るといったものである。
なお、一概に木粉樹脂押出成形品6といっても用途に応じて様々なタイプのものがあり、たとえば、木粉2と樹脂との混合組成物3に発泡剤を配合させないことで得られる高強度且つ高硬度を備え耐キャスター性を向上させた木粉樹脂押出成形品6や、木粉2と樹脂との混合組成物3に配合した発泡剤を発泡させて重量を軽くし且つ釘を打込み易くした木質樹脂発泡押出成形品6aがある。
ところで、混合組成物3を構成する樹脂には、従来から種々の樹脂を用いているが、たとえばオレフィン系樹脂1を用いる場合が知られている(たとえば、特許文献1参照)。この特許文献1は、発泡剤の発泡による気泡4を効率よく内在させて軽量で加工性にも優れた木質樹脂発泡押出成形品6aを得ようとするものである。詳しくは、特許文献1では、オレフィン系樹脂1と共に混合組成物3の構成物となる木粉2に150μm以下の粒径の木粉2を用い、混合組成物3に1.0〜10重量%の発泡剤を配合し、図4(b)のように、発泡剤を配合した混合組成物3に押出成形金型7aにて押出成形を施して中間成形物5を得て、この中間成形物5にサイジング金型8aにてサイジングを施して、発泡剤を発泡させてなる木粉樹脂発泡押出成形品6aを得たことが開示されている。つまり、この特許文献1では、混合組成物3に1.0〜10重量%の発泡剤及び粉径150μm以下の木粉2を配合したことで、図4(c)のように、発泡剤の発泡による気泡4を中間成形物5の内部に閉じ込めるようにし、上記気泡4を効率よく内在させた木粉樹脂発泡押出成形品6aを得ているのである。なお、図4(c)では図4(b)に対応した混合組成物や各成形物の状態を示している。このように、特許文献1では、最終的に得られたものとしては発泡剤の発泡による気泡4が内在された木粉樹脂発泡押出成形品6aであって、高強度且つ高硬度を備え耐キャスター性を向上させた木粉樹脂押出成形品6が得られるものではない。
また、オレフィン系樹脂1を使用して高強度且つ高硬度を備え耐キャスター性を向上させた木粉樹脂押出成形品6を製造しようとした場合には、オレフィン系樹脂1のサイジング金型8aでの成形性に難があることから、得られた木粉樹脂押出成形品6の寸法精度に安定性を確保できなく、また生産性も高くできないものであった。つまり、現状では、高強度且つ高硬度を備え耐キャスター性を向上させた木粉樹脂押出成形品6を製造するのに、オレフィン系樹脂1を用いて行う場合には、得られる木粉樹脂押出成形品6に高い寸法精度を備えることができないのであった。
特開2001−192489号公報
本発明は上記の従来の問題点に鑑みて発明したものであって、高強度且つ高硬度を備え耐キャスター性を向上させた木粉樹脂押出成形品を製造する際に、オレフィン系樹脂を材料に用いても寸法精度高く且つ生産性の高い木粉樹脂押出成形品の製造を可能にする木粉樹脂押出成形品の製造方法を提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するために本発明の請求項1に係る木粉樹脂押出成形品の製造方法は、オレフィン系樹脂1を15〜45重量%、平均粒径20〜80メッシュの木粉2を50〜80重量%、上記木粉2とオレフィン系樹脂1とを密着させるための相溶化剤、溶融張力向上作用を有する添加剤を混合した混合組成物3に発泡剤を0.1〜1.0重量%配合し、この発泡剤配合の混合組成物3に押出成形を施して中間成形物5を成形し、中間成形物5を発泡剤の発泡によってサイジング装置8のサイジング金型8aの断面形状よりも膨張させ且つクッション性を備えさせ、次いでこの中間成形物5を引取機12によって引き取らせ、この中間成形物5をサイジング装置8のサイジング金型8aに導入する際に中間成形物5の内部に存する発泡剤の発泡による気泡4を木粉2間の隙間Sから外方へ放出させ、その上で、上記クッション性を利用して中間成形物5をサイジング金型8aの内部に馴染ませて上記中間成形物5にサイジングを施し、木粉樹脂押出成形品6を得るようにしたことを特徴とする。
これによると、オレフィン系樹脂1と共に混合組成物3を構成する木粉2に平均粒径20〜80メッシュの木粉2を使用したために、この混合組成物3にあっては木粉2の間に比較的大きな隙間Sが生じている状態とすることができ、更にこの混合組成物3に発泡剤を0.1〜1.0重量%配合したことで、この発泡剤配合の混合組成物3に押出成形を施した中間成形物5にあっては発泡剤の発泡で適度のクッション性を備えることができ、しかして、サイジング金型8aへの中間成形物5の導入時にはこの中間成形物5は上記クッション性によってサイジング金型8aの内面に密着するように馴染んで良好な成形が為されるのであって寸法精度の高い木粉樹脂押出成形品6を得ることができるのであり、同時にこのサイジング金型8aへの中間成形物5の導入時の中間成形物5への加圧によって、発泡剤の発泡による気泡4を比較的大きな隙間Sが形成された木粉2の間から中間成形物5の外方へ放出できて、最終的に気泡4を殆ど残留させない、高強度且つ高硬度を備え耐キャスター性を向上させた木粉樹脂押出成形品6を得ることができるのである。このように、オレフィン系樹脂1を材料とするものであっても、寸法精度が高く、且つ、高強度且つ高硬度を備え耐キャスター性を向上させた木粉樹脂押出成形品6を得ることができるのである。
また、請求項2に係る木粉樹脂押出成形品の製造方法は、請求項1において、上記中間成形物5の形状を中空形状にしたことを特徴とする。これによると、中間成形物5の表面積を増やすことができて、発泡剤による気泡4の放出を行い易くでき、気泡4の残留を更に無くした木粉樹脂押出成形品6を得ることができるのである。
本発明は、オレフィン系樹脂を材料とするものであっても、高強度且つ高硬度を備え耐キャスター性を向上させた木粉樹脂押出成形品を、寸法精度を高く且つ生産性も高くして得ることができるという効果を有する。
本発明の実施形態の例は、高い生産性のもと、寸法精度が高く、高強度且つ高硬度を備え耐キャスター性を向上させた木粉樹脂押出成形品6を得るための製造方法であり、木粉樹脂押出成形品6の材料として、生産プロセス時にのみ機能する適宜量の発泡剤を配合したことや、平均粒径を規定した木粉2を用いたことに特徴を有している。以下、説明する。
本例の木粉樹脂押出成形品6の主要な材料は、50〜80重量%の木粉2と15〜45重量%のオレフィン系樹脂1とが構成する。ここで、各成分の配合割合は後述する発泡剤配合の混合組成物3の総量を基準としている。オレフィン系樹脂1としては、具体的に、ポリプロピレンやポリエチレンまたはそれらの混合物を使用するのが一般的であるが、特に限定はしない。また、木粉2は、未使用の木材を破砕したバージンチップ、廃材のMDFを破砕したMDF粉、廃材のパーティクルボードを破砕したパーティクル粉など、木材を出発原料にしたものが用いられる。ただし、本例の木粉2としては、平均粒径が20〜80メッシュ(粒径850〜190μm)のものが使用される。なお、木粉2とオレフィン系樹脂1との混合比率にあっては、木粉2がオレフィン系樹脂1に比べて多過ぎると混合組成物3の表面がパサついて押出成形をしたときに中間成形物5の表面が荒れて木粉樹脂押出成形品6の良好な表面平滑性を得られず、また木粉2がオレフィン系樹脂1に比べて少な過ぎると押出成形後の中間成形物5の保形が困難になるといった事情があり、上述した混合比率が木粉樹脂押出成形品6の良好な生産性や仕上りを確保するのに適当である。
上記50〜80重量%の木粉2と15〜45重量%のオレフィン系樹脂1とを混錬機を用いて溶融混錬して混合組成物3を得るのであるが、その際には、木粉2とオレフィン系樹脂1とを密着させるための相溶化剤、溶融張力を向上させる添加剤を同時に配合させる。ここで、相溶化剤としては、たとえば一般に広く普及するポリプロピレンをマレイン酸で変性させた剤を使用しており、また、溶融張力を向上させる添加剤としては、天然ゴムやエチレンプロピレンゴム(EPDM)やエチレン酢酸ビニル共重合体などのゴム系や、高分子アクリルやアクリル変性ポリテトラフルオロエチレンなどの増粘剤系を使用している。このようにして得られた混合組成物3にあっては、構成する木粉2が20〜80メッシュの平均粒径であるために、図1(c)のように、木粉2の間には比較的大きな隙間Sが生じている状態とされている。
図1(a)のように、上記混合組成物3には押出成形機7によって押出成形が施されるのであるが、混合組成物3を押出成形機7に導入する直前にこの混合組成物3には発泡剤が配合される。この発泡剤としては、通常の樹脂の押出成形に用いられるような有機発泡剤、たとえばアゾ化合物系やスルホニルヒドラジド化合物が使用されるのであり、その配合量は0.1〜1.0重量%とされる。
上記発泡剤配合の混合組成物3に押出成形を施した中間成形物5は押出成形機7のダイから出されて製造工程の終端に配設された引取機12によって引取られる。この中間成形物5では木粉2やオレフィン系樹脂1と比較して充分少量の発泡剤が発泡することで、中間成形物5が押出成形金型7aの断面形状よりも多少膨張すると共に適度のクッション性が備えられる。そして、この発泡剤が発泡した状態にある中間成形物5には次に所定形状に成形させるサイジングが施される。この中間成形物5にサイジングを施すサイジング装置8にあっては、図1(b)のように押出成形金型7aの断面形状と略同形状のサイジング金型8aを有すると共に、図1(a)のようにサイジング金型8aの周囲には水などの冷却媒体を収容する冷却部8bを配設して形成されている。つまり、本例では中間成形物5には冷却と共にサイジングが施されているのである。
ここで、サイジング金型8aへの中間成形物5の導入時には、発泡剤の発泡によって中間成形物5に備えられたクッション性によって、中間成形物5はサイジング金型8aの内部にくまなく広がり、つまり中間成形物5はサイジング金型8aに馴染むのであり、寸法精度の高い木粉樹脂押出成形品6を得ることができるのである。なお、本例の工程終端に配置された引取機12では、図1(a)のように引取機12が備えるローラ12aを利用して上記木粉樹脂押出成形品6に表面化粧シート13が圧着され、木粉樹脂押出成形品6に仕上げが施されている。
ところで、中間成形物5で発泡剤が発泡して形成される気泡4がそのまま木粉樹脂押出成形品6に残留してしまうと、いわゆる木粉樹脂発泡押出成形品6aとなってしまい、高強度且つ高硬度を備え耐キャスター性を向上させた木粉樹脂押出成形品6を得ることはできない。しかしながら、本例では、この高強度且つ高硬度を備え耐キャスター性を向上させた木粉樹脂押出成形品6を得るために、発泡剤の発泡による気泡4の除去が特に何らの製造工程を加えるまでもなく図られている。つまり、本例では、木粉2に平均粒径20〜80メッシュ(粒径850〜190μm)のものが使用されているので、中間成形物5に含有する木粉2間に大きな隙間Sを形成できるようにされている。つまり、サイジング金型8aへの中間成形物5の導入時の中間成形物5への加圧によると、中間成形物5の内部に存する発泡剤の発泡による気泡4は上記木粉2間の隙間Sを通って中間成形物5の外方へと放出されるのであり(図1(c)の点線矢印参照)、最終的には、気泡4を殆ど残留させない、高強度且つ高硬度を備え耐キャスター性を向上させた木粉樹脂押出成形品6を得ることができるのである。
更に言うと、本例では、図1(b)のように、押出成形後の中間成形物5に中空部9を備えるようにしている。つまり、中空部9によって中間成形物5の表面積が増大しているのであり、しかして、発泡剤の発泡による気泡4の中間成形物5からの放出が行われ易くされており、したがって、木粉樹脂押出成形品6における気泡4の残留の更なる低減化が図られているのである。
また、発泡剤を配合した混合組成物3を押出成形する際にかかる押出成形金型7a内の圧力(型内圧)と押出成形が施されて押出成形金型7aを出た後の中間成形物5にかかる圧力(外気圧)との圧力差を極力小さくすることも発泡度を抑える意味で好ましい。また、たとえば図2のように、押出成形機7のダイの長さ(ダイランド7b)を長く形成し、ダイの内部に中間成形物5を位置させた状態で発泡剤の発泡を行わせるようにしても好ましく、これによると、中間成形物5の形状を保持しつつ発泡剤の発泡を行わせることができ、木粉樹脂押出成形品6の寸法精度向上に資することができる。また、発泡剤の発泡を安定させて且つ木粉樹脂押出成形品6の表面平滑性を高めるために、押出成形機7にベントを設けることも好ましい。また、木粉樹脂押出成形品6の表面平滑性や生産スピードを上げて生産性を高めるために、滑剤を配合させることも好ましい。また、木粉2の一部を他のフィラー(たとえば、マイカやワラストナイトなどの無機フィラー)で置き換えることも、顔料にて着色させることも、また表面化粧シート13を貼着しないでも好ましく、これによると木粉樹脂押出成形品6に多種の外観を得ることができる。
上述のようにして得られた、寸法精度が良好で且つ生産性の高い、高強度且つ高硬度を備え耐キャスター性を有する木粉樹脂押出成形品6にあっては、床、壁、造作部材、カウンター、ドアなどの建物の内装材に使用可能であるのは勿論、サイディング、フェンス構成部材、ウッドデッキなどの建物の外装材にも広く使用することができるのである。
次に本発明を実施例によって具体的に説明する。
[実施例1]
オレフィン系樹脂1としてはMFR(メルトフローレイト)値40〜50g/10minのポリプロピレンを用い、木粉2としては平均粒径45メッシュのバージン木粉2を用い、相溶化剤としてはマレイン酸変性ポリプロピレンを用い、溶融張力を向上させる添加剤としてはアクリル変性ポリテトラフルオロエチレンを用い、発泡剤にはアゾジカーボンアミドを用いた。そして、上記オレフィン系樹脂1を30重量%、木粉2を65重量%、相溶化剤を3重量%、添加剤を1.5重量%を混錬機で混錬させて混合組成物3を得た。また、この混合組成物3には押出成形機7に導入する直前に0.5重量%の発泡剤を配合させた。押出成形機7としてはコニカル2軸押出機を用いた。上記押出成形機7にて行う押出成形は、押出成形金型7aの温度を190〜210℃とし、押出成形金型7aの圧力を15MPaとして行った。発泡剤を配合した混合組成物3に押出成形を施して中間成形物5を形成し、この中間成形物5にサイジングを施して成形し、木粉樹脂押出成形品6を得た。なお、中間成形物5及び木粉樹脂押出成形品6の形状としては、図3(a)のように縦幅30mmで且つ横幅150mmの縦断面矩形状の長尺の中実板材10とした。
[実施例2]
基本的に上記[実施例1]と同様にして木粉樹脂押出成形品6を製造した。なお、発泡剤を配合した混合組成物3に押出成形を施してできる中間成形物5及び、この中間成形物5にサイジングを施してできる木粉樹脂押出成形品6の形状としては、図3(b)のように縦幅30mmで且つ横幅150mmの縦断面矩形状で、上下左右の各外面から厚さ3mmを残すように内部に中空部9を形成してなる長尺の中空板材11とした。つまり、実施例1とは、中間成形物5や木粉樹脂押出成形品6の形状を異ならせて製造したものである。
[比較例1]
上記[実施例1]と同様の混合組成物3を得た上で、発泡剤を配合させずにこの混合組成物3に上記[実施例1]と同様に押出成形、サイジングを順に施して木粉樹脂押出成形品6を得た。
[比較例2]
上記[実施例1]と同様の混合組成物3を得た上で、この混合組成物3に発泡剤を2重量%配合し、この発泡剤を配合した混合組成物3に上記[実施例1]と同様に押出成形、サイジングを順に施して木粉樹脂押出成形品6を得た。
[比較例3]
平均粒径90〜110メッシュの木粉2を[実施例1]同様のオレフィン系樹脂1や各種添加剤と混錬して混合組成物3を得て、この混合組成物3に[実施例1]同様に発泡剤を配合し、押出成形、サイジングを順に施して木粉樹脂押出成形品6を得た。
上記の実施例や比較例の各木粉樹脂押出成形品6にかかる各種評価を下記の表1にまとめた。
Figure 0003996914
この表によると、各実施例にあっては、木粉樹脂押出成形品6の寸法誤差も良好に抑制されており、また、10分以上の安定生産が確認できた引出機の引出速度である安定引取速度も比較的速くて良好な生産性を備えており、また、図1(b)に示すように木粉樹脂押出成形品6の内部には若干の気泡4が残留するものの、得られた各木粉樹脂押出成形品6の比重は発泡剤の無い比較例1の木粉樹脂押出成形品6と略同等にでき、また、外観評価、耐キャスター性能も良好であることが分かった。
詳しくは、各実施例と比較例1とを比較すると、発泡剤の配合の有無の違いで、木粉樹脂押出成形品6の寸法精度が異なってくることが分かる。つまり、混合組成物3に発泡剤を配合しないと、サイジングで良好な成形が行われず、寸法精度が高い木粉樹脂押出成形品6が得られないのである。更に言うと、比較例1の木粉樹脂押出成形品6ではその外表面にひけや凹みなどが生じてしまって良好な外観を備えることもできなかった。
また、各実施例と比較例2とを比較すると、発泡剤の配合量の違いで、安定引出速度や木粉樹脂押出成形品6の比重が異なってくることが分かる。木粉樹脂押出成形品6の比重が軽くなることは木粉樹脂押出成形品6の内部で気泡4が残留していることを示している。つまり、比較例2の最終成形品は、発泡剤を配合しない比較例1と比べて比重も軽くなっているから、内部に発泡剤の発泡による気泡4が多量に残留し、耐キャスター性能も有さない木粉樹脂発泡押出成形品6aとなっているのである。また、比較例2のように混合組成物3に発泡剤を配合し過ぎると、発泡剤の発泡によって中間成形物5に膨張が生じて溶融張力が低下し、したがって中間成形物5がサイジング内でちぎれ易く、結果、生産速度を上げることができないのである。更に言うと、比較例2の木粉樹脂押出成形品6では気泡4が外表面に現れて外表面が粗くなっていて良好な外観を備えることもできなかった。
また、各実施例と比較例3を比較すると、使用する木粉2の平均粒径の違いで、木粉樹脂押出成形品6の比重、すなわち木粉樹脂押出成形品6に残留する発泡剤による気泡4の量が異なってくることが分かる。つまり、平均粒径の小さい木粉2を用いると比較例3のように発泡剤の発泡による気泡4が中間成形物5から抜けにくく、平均粒径の大きい木粉2を用いると各実施例のように発泡剤の発泡による気泡4が中間成形物5から抜け易くなっているのが分かる。気泡4が中間成形物5から抜けにくい比較例3は、比較例2と同様に、最終成形品としては木粉樹脂発泡押出成形品6aとなっていると共に、各実施例と比較しても、生産性、外観共に劣っているのである。
また、実施例1と実施例2とを比較すると、形成する木粉樹脂押出成形品6の形状の違いで、木粉樹脂押出成形品6の寸法誤差が異なってくることが分かる。つまり、木粉樹脂押出成形品6に中空部9を設けて表面積を大きくすると、気泡4の中間成形物5からの放出が中空部9からも行われるようになって、寸法精度が向上しているのである。
本発明の実施の形態の例を説明する説明図であり、(a)は製造工程の流れを説明する説明図であり、(b)は製造工程の各部における縦断面図であり、(c)は製造工程の各部における成形物の拡大図である。 同上の他例の製造工程の流れを説明する説明図である。 (a)(b)は中間成形物の縦断面図である。 背景技術のの例を説明する説明図であり、(a)は製造工程の流れを説明する説明図であり、(b)は製造工程の各部における縦断面図であり、(c)は製造工程の各部における成形物の拡大図である。
符号の説明
1 オレフィン系樹脂
2 木粉
3 混合組成物
4 気泡
5 中間成形物
6 木粉樹脂押出成形品
7 押出成形機
7a 押出成形金型
7b ダイランド
8 サイジング装置
8a サイジング金型
8b 冷却部
9 中空部
S 隙間

Claims (2)

  1. オレフィン系樹脂を15〜45重量%、平均粒径20〜80メッシュの木粉を50〜80重量%、上記木粉とオレフィン系樹脂とを密着させるための相溶化剤、溶融張力向上作用を有する添加剤を混合した混合組成物に発泡剤を0.1〜1.0重量%配合し、この発泡剤配合の混合組成物に押出成形を施して中間成形物を成形し、中間成形物を発泡剤の発泡によってサイジング装置のサイジング金型の断面形状よりも膨張させ且つクッション性を備えさせ、次いでこの中間成形物を引取機によって引き取らせ、この中間成形物をサイジング装置のサイジング金型に導入する際に中間成形物の内部に存する発泡剤の発泡による気泡を木粉間の隙間から外方へ放出させ、その上で、上記クッション性を利用して中間成形物をサイジング金型の内部に馴染ませて上記中間成形物にサイジングを施し、木粉樹脂押出成形品を得るようにしたことを特徴とする木粉樹脂押出成形品の製造方法。
  2. 上記中間成形物の形状を中空形状にしたことを特徴とする請求項1記載の木粉樹脂押出成形品の製造方法。
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