JPH08318542A - 発泡成形体の製造方法及び発泡成形体 - Google Patents

発泡成形体の製造方法及び発泡成形体

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JPH08318542A
JPH08318542A JP7128003A JP12800395A JPH08318542A JP H08318542 A JPH08318542 A JP H08318542A JP 7128003 A JP7128003 A JP 7128003A JP 12800395 A JP12800395 A JP 12800395A JP H08318542 A JPH08318542 A JP H08318542A
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Toru Shima
徹 嶋
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武男 山岡
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 剛性,耐衝撃性,表面平滑性,寸法安定性に
優れ、軽量かつ均一発泡で木材の代替品として有用な発
泡成形体を効率よく製造する方法を提供すること。 【構成】 容積を変更しうるキャビティをもつ金型の該
キャビティ内にガスを注入し、そのガス圧を充填すべき
成形材料が発泡しない値に維持した状態で、熱可塑性樹
脂50〜90重量%及び板状フィラーと繊維状フィラー
とからなるフィラー50〜10重量%を含有する発泡性
樹脂材料をキャビティに溶融射出充填したのち、キャビ
ティ容積を拡大するとともに、ガスを排出して発泡さ
せ、次いで場合によりキャビティ容積を縮小させて圧縮
することにより、発泡成形体を効率よく製造する方法で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、発泡成形体の製造方法
及び発泡成形体に関するものである。さらに詳しくは、
本発明は、剛性,耐衝撃性,表面平滑性,寸法安定性及
び加工性などに優れ、軽量かつ均一発泡でベニヤ合板な
どの木材の代替品として有用な発泡成形体を効率よく製
造する方法、及び上記特性を有する発泡成形体に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、自然環境の破壊を防止する目的で
森林の保護が叫ばれており、そのため木材の代替品の必
要性が高まっている。この木材の代替品としては、木材
のように軽量で剛性があり、かつ釘打ちや鋸による切断
や切削加工が可能であるなどの性質を有することが要求
され、このようなものとして、合成樹脂からなる発泡成
形体が着目されてきた。従来、木材代替用発泡成形体と
して、例えばタルク,ガラス短繊維(3mm以下),ウ
ィスカーなどを含有するポリプロピレン発泡体が検討さ
れてきた。しかしながら、これらのポリプロピレン発泡
体においては、発泡倍率を1.5〜3.0倍程度に上げると
曲げ弾性率が急激に低下するとともに、表面外観が著し
く悪くなる上、発泡ムラも出やすく、かつ大きな気泡が
発生し、均一発泡成形が著しく困難となるなど、好まし
くない事態を招来する。一方、フィラーの含有量を増す
と曲げ弾性率は大きくなるものの、重量が増加して木材
の代替として使用しにくくなり、かつ発泡成形性も悪化
する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来の木材代替用発泡成形体がもつ欠点を克服し、剛
性,耐衝撃性,表面平滑性,寸法安定性(反り)に優
れ、釘打や鋸による切断や切削加工が可能である上、軽
量かつ均一発泡でベニヤ合板などの木材の代替品として
有用な発泡成形体を提供することを目的とするものであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、木材の代
替品として有用な発泡成形体について、鋭意研究を重ね
た結果、熱可塑性樹脂及び板状フィラーと繊維状フィラ
ーとからなるフィラーを所定の割合で含有する発泡性樹
脂材料を、キャビティ容積を変更しうる金型を用い、特
定の方法で射出発泡成形することにより、前記性状を有
する発泡成形体が効率よく得られることを見出した。本
発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。す
なわち、本発明は(A)熱可塑性樹脂50〜90重量%
及び(B)板状フィラーと繊維状フィラーとからなるフ
ィラー50〜10重量%を含有する発泡成形体を射出発
泡成形により製造するに当たり、成形材料として(A)
成分と(B)成分とを上記割合で含有する発泡性樹脂材
料を用いるとともに、容積を変更しうるキャビティをも
つ金型の該キャビティ内にガスを注入し、そのガス圧を
充填すべき上記成形材料が発泡しない大きさに維持した
状態にて、該成形材料を溶融射出充填したのち、キャビ
ティ容積を拡大するとともに、ガスを排出して発泡させ
ること、あるいは場合により、その後キャビティ容積を
縮小させて圧縮することを特徴とする発泡成形体の製造
方法を提供するものである。また、本発明は、(A)熱
可塑性樹脂50〜90重量%及び(B)板状フィラーと
繊維状フィラーとからなるフィラー50〜10重量%を
含有し、表面未発泡層を有するととも、実質上径2mm
以上の気泡を有さず、かつ発泡倍率が1.3〜3.0である
ことを特徴とする発泡成形体をも提供するものである。
【0005】本発明においては、成形材料として発泡性
樹脂材料が用いられる。この発泡性樹脂材料は、(A)
熱可塑性樹脂及び(B)板状フィラーと繊維状フィラー
とからなるフィラーを含有する樹脂材料と発泡剤とから
なるものであって、この発泡性樹脂材料を射出発泡成形
することにより、発泡成形体が製造される。上記樹脂材
料において、(A)成分として用いられる熱可塑性樹脂
としては、得られる発泡成形体の物性及びコストなどの
面から、ポリオレフィン系樹脂が好適である。このポリ
オレフィン系樹脂としては、射出発泡成形しうるもので
あればよく、特に制限されず、様々なものを用いること
ができ、例えば高密度ポリエチレン,中密度ポリエチレ
ン,低密度ポリエチレン,線状低密度ポリエチレンなど
のポリエチレン系樹脂、アイソタクチックポリプロピレ
ン,シンジオタクチックポリプロピレンなどのポリプロ
ピレン系樹脂、ポリブテン−1;4−メチルペンテン−
1樹脂などを用いることができる。また、エチレン−プ
ロピレン共重合体,エチレン−プロピレン−ブテン−1
三元共重合体,エチレン−酢酸ビニル共重合体,エチレ
ン−塩化ビニル共重合体,プロピレン−塩化ビニル共重
合体など、オレフィン類の共重合体やオレフィンと他の
ビニルモノマーとの共重合体も用いることができる。
【0006】これらのポリオレフィン系樹脂の中で、成
形性及び物性の面から、ポリエチレン系樹脂及びポリプ
ロピレン系樹脂が好ましく、特にポリプロピレン系樹脂
が好適である。このポリプロピレン系樹脂としては、結
晶性プロピレン−エチレン共重合体及びプロピレン単独
重合体と結晶性プロピレン−エチレン共重合体とのブレ
ンド物が好ましい。特にエチレン単位2〜15重量%、
好ましくは3〜10重量%を含有するプロピレン−エチ
レンブロック共重合体は、耐衝撃強度や剛性などの機械
的性質及び耐熱性に優れる発泡成形体を与えるので好適
である。このポリプロピレン系樹脂は、メルトインデッ
クス(MI)が0.3〜60g/10分の範囲にあるもの
が好ましい。MIが0.3g/10分未満では成形性に劣
り、60g/10分を超えると得られる発泡成形体の機
械物性が低下し、好ましくない。成形性及び機械物性の
バランスの面から、特に好ましいMIは0.5〜60g/
10分、とりわけ1〜40g/10分の範囲である。
【0007】また、ポリエチレン系樹脂としては、高密
度ポリエチレン、特に密度0.950〜0.970g/cm
3 の高密度ポリエチレンが好ましく、このものは寒冷地
での使用に適しているので、発泡成形体を寒冷地で使用
する場合には、この高密度ポリエチレンを用いるのが有
利である。上記ポリエチレン系樹脂は、MIが0.1〜3
0g/10分の範囲にあるものが好ましい。このMIが
0.1g/10分未満では成形性に劣り、30g/10分
を超えると得られる発泡成形体の機械物性が低下し、好
ましくない。成形性及び機械物性のバランスの面から、
特に好ましいMIは0.2〜20g/10分の範囲であ
る。本発明においては、該(A)成分の熱可塑性樹脂は
一種用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよ
い。
【0008】一方、樹脂材料において、(B)成分とし
て用いられるフィラーは、板状フィラーと繊維状フィラ
ーとからなるものであって、板状フィラーとしては、例
えばタルク,マイカ,アルミナ,カオリンクレー,酸化
鉄,水酸化アルミニウム,二硫化モリブデン,バライ
ト,蛭石,ロウ石クレーなどが挙げられる。これらの中
で、得られる発泡成形体の物性面などから、タルク及び
マイカが好ましい。これらの板状フィラーは単独で用い
てもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。この
板状フィラーは、成形性及び得られる発泡成形体の重量
や物性などのバランスの面から、比重が好ましくは2〜
6、特に2.5〜2.9の範囲にあるものが好適であり、ま
た成形性及び得られる発泡成形体の物性などのバランス
の面から、平均粒径が好ましくは0.1〜1,000μm、
より好ましくは0.1〜500μm、特に0.5〜250μ
mの範囲にあるものが好適である。板状フィラーとし
て、タルクやマイカを使用する場合には、樹脂材料中で
の分散性及び得られる発泡成形体の衝撃強度や剛性など
の面から、平均粒径が0.5〜500μmの範囲にあるも
のが好ましく、特に0.8〜250μmの範囲にあるもの
が好適である。
【0009】一方、繊維状フィラーとしては、例えば繊
維状の塩基性マグネシウムオキシサルフェート,水酸化
マグネシウム,硼酸マグネシウム,炭酸カルシウム,チ
タン酸カリウム、さらにはガラス繊維,炭素繊維,硼素
繊維,炭化ケイ素繊維や、アルミニウム繊維,ステンレ
ス繊維,銅繊維,黄銅繊維,ニッケル繊維などの金属繊
維、ポリアミド繊維,ポリエステル繊維,ポリアリレー
ト繊維,ポリイミド繊維などの有機繊維などが挙げられ
るが、これらの中で、得られる発泡成形体の物性などの
面から、特に繊維状塩基性マグネシウムオキシサルフェ
ート及びガラス繊維が好適である。上記繊維状フィラー
は単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いて
もよい。この繊維状フィラーは、取扱い性,分散性及び
得られる発泡成形体の剛性などの面から、繊維長が3m
m以上、好ましくは3〜15mm、より好ましくは5〜
12mmの範囲にあり、かつ繊維径が3〜40μm、好
ましくは6〜30μm、より好ましくは9〜20μmの
範囲にあるものである。
【0010】このような形状の長繊維状フィラーを発泡
成形体中に比較的長い繊維状に維持して均質に分散させ
るには、熱可塑性樹脂と該繊維状フィラーとを含有する
ペレットからなるマスターバッチを予め作製し、このも
のを用いて樹脂材料を調製するのが好ましい。このマス
ターバッチは、特に、ペレット長さに等しい繊維長さを
有するペレットが好ましく、例えば以下のようにして作
製することができる。まず、上記繊維状フィラーを、樹
脂との濡れ性や接着性などを良好なものとするために、
所望により表面処理剤で予め処理しておく。この表面処
理剤としては、例えば、シラン系,チタネート系,アル
ミニウム系,クロム系,ジルコニウム系,ボラン系カッ
プリング剤などが挙げられるが、これらの中でシラン系
カップリング剤及びチタネート系カップリング剤が好ま
しく、特にシラン系カップリング剤が好適である。
【0011】このシラン系カップリング剤としては、例
えば、トリエトキシシラン,ビニルトリス(β−メトキ
シエトキシ)シラン,γ−メタクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン,γ−グリシドキシプロピルトリメトキ
シシラン,β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エ
チルトリメトキシシラン,N−β−(アミノエチル)−
γ−アミノプロピルトリメトキシシラン,N−β−(ア
ミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシ
ラン,γ−アミノプロピルトリエトキシシラン,N−フ
ェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン,γ−
メルカプトプロピルトリメトキシシラン,γ−クロロプ
ロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。これらの
中でもγ−アミノプロピルトリエトキシシラン,N−β
−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシ
シランなどのアミノシラン類が好適である。
【0012】該繊維状フィラーを、前記表面処理剤で処
理する方法については、特に制限はなく、従来慣用され
ている方法、例えば、水溶液法,有機溶媒法,スプレー
法など、任意の方法を用いることができる。このように
して、表面処理剤で予め処理された繊維状フィラーを、
適当な収束剤を用いて、好ましくは100〜10000
本、より好ましくは300〜5000本の範囲で収束し
た繊維束を用いるのが望ましい。該収束剤としては、例
えば、ウレタン系,アクリル系,ブタジエン系,エポキ
シ系などがあり、いずれも用いることができるが、これ
らの中でウレタン系が好ましい。このウレタン系収束剤
は、通常ジイソシアネート化合物と多価アルコールとの
重付加反応により得られるポリイソシアネートを50重
量%以上の割合で含有するものであって、油変性型,湿
気硬化型,ブロック型などの一液タイプ、及び触媒硬化
型,ポリオール硬化型などの二液タイプがあるが、いず
れも用いることができる。
【0013】このようにして得られた繊維束は、樹脂の
含浸性を向上させるために、所望により該繊維束に、予
め有機過酸化物や発泡剤を付着させておいてもよい。こ
こで、有機過酸化物としては、100℃での半減期が1
0秒以上,好ましくは150℃での半減期が10秒以
上、より好ましくは150℃での半減期が30秒以上で
あるものが好適である。100℃での半減期が10秒未
満のものでは、ダイス内で有機過酸化物が早く消失して
しまい、繊維束に接する樹脂を低分子量化することがで
きず、含浸性を向上させることができないおそれがあ
る。
【0014】このような有機過酸化物は、例えば、ケト
ンパーオキシド類,ハイドロパーオキシド類,ジアシル
パーオキシド類,ジアルキルパーオキシド類,パーオキ
シケタール類,アルキルパーエステル類,パーカーボネ
ート類などであり、代表例としては、ケトンパーオキシ
ド類として、メチルエチルケトンパーオキシド,メチル
イソブチルケトンパーオキシドなどが、ハイドロパーオ
キシド類として、ジイソプロピルベンゼンハイドロパー
オキシドなどが、ジアシルパーオキシド類として、イソ
ブチルパーオキシド,アセチルパーオキシドなどが、ジ
アルキルパーオキシド類として、2,5−ジメチル−
2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン,1,
3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼ
ンなどが、パーオキシケタール類として、1,1−ジ−
t−ブチルパーオキシシクロヘキサンなどが、アルキル
パーエステル類として、t−ブチルパーオキシアセテー
ト,t−ブチルパーオキシベンゾエートなどが、パーカ
ーボネート類として、t−ブチルパーオキシイソプロピ
ルカーボネートなどが挙げられる。
【0015】これらの有機過酸化物は、それぞれ単独で
用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、その付着量は、繊維束に対して、0.01〜5重量
%の範囲にあるのが望ましい。この量が0.01重量%未
満では、接触した樹脂が充分に低分子化せず、含浸が不
充分になり、引出し速度を大きくした場合、所望のマス
ターバッチが得られにくい。また、5重量%を超える
と、その量の割には効果の向上がみられず、むしろ経済
的に不利となる。樹脂の低分子化の効果及び経済性の面
から、より好ましい付着量は0.05〜3重量%の範囲で
あり、特に0.1〜1重量%の範囲が好ましい。また、所
望により繊維束に付着させる発泡剤としては、例えば、
アゾビスホルムアルデヒド,アゾジカルボンアミド,
N,N−ジニトロソペンタメチレンテトラミン,アゾビ
スイソブチロニトリル,p,p, −オキシビス(ベンゼ
ンスルホニルヒドラジド),トリヒドラゾトリアジン,
p−トルエンスルホニルヒドラジド,p−トルエンスル
ホニルセミカルバジドなどが挙げられる。
【0016】これらの発泡剤は、それぞれ単独で用いて
もよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、
その付着量は、繊維束に対して、1〜20重量%の範囲
にあるのが望ましい。この付着量が1重量%未満では、
接触した樹脂中での発泡が少なく、樹脂の含浸性を充分
に向上させることができないし、20重量%を超える
と、その量の割には効果の向上がみられず、むしろ経済
的に不利となるとともに、ストランド中に気泡が入り、
安定してストランドが得られなくなる場合がある。含浸
性の向上,経済性及びストランドの安定な作成などの面
から、好ましい付着量は2〜18重量%の範囲であり、
特に3〜15重量%の範囲が好ましい。次に、このよう
にして、予め有機過酸化物や発泡剤を付着させた繊維束
をダイス内に供給し、押出機より供給される溶融熱可塑
性樹脂中に引き入れ、該繊維束に熱可塑性樹脂を含浸さ
せたのち、ダイスから引出し、冷却することにより、マ
スターバッチを製造する。この際、溶融熱可塑性樹脂の
温度は、樹脂の種類により異なるが、一般に200〜3
00℃程度である。この際用いられるダイスについては
特に制限はないが、繊維束に対する樹脂の含浸性を向上
させるために、引出し抵抗が大幅に向上しない程度に、
先端部を細くしたノズル部を設け、圧力がかかるように
工夫したもの、あるいは繊維束を広げる作用を示すスプ
レダーを設置したものなどが好ましい。
【0017】ダイスから引出したストランドは、冷却後
引取り機にて引き取ったのち、カッターにより3mm以
上、好ましくは3〜15mm、より好ましくは5〜12
mmの範囲に切断してペレット化する。したがって、こ
こで得られるペレット中の繊維状フィラーの長さは、ペ
レットと同じ長さ(つまり、3mm以上、好ましくは3
〜15mm、より好ましくは5〜12mmの範囲)であ
る。このようにして得られたマスターバッチにおける繊
維状フィラーと樹脂成分との含有割合は、繊維状フィラ
ーが30〜80重量%で、樹脂成分が70〜20重量%
の範囲にあるのが好ましい。繊維状フィラーの含有量が
30重量%未満では、繊維状フィラー量が不足し、定量
的に引出すことが困難であり、80重量%を超えると、
樹脂の含浸が困難となる。樹脂の含浸性及び引出し性の
面から、特に繊維状フィラーが40〜70重量%で、樹
脂成分が60〜30重量%の範囲にあるのが好ましい。
本発明においては、(B)成分のフィラー中の繊維状フ
ィラーの含有量は、特に制限はなく、状況に応じて適宜
選定すればよいが、5〜95重量%の範囲が好ましい。
この含有量が5重量%未満では得られる発泡成形体の剛
性が不充分となるおそれがあり、また95重量%を超え
ると発泡成形体に反りが生じる傾向がみられるととも
に、製造コストが高くなる。発泡成形体の剛性、寸法安
定性及びコストなどの面から、(B)成分のフィラー中
の繊維状フィラーの好ましい含有量は10〜60重量%
の範囲であり、特に15〜50重量%の範囲が好適であ
る。
【0018】本発明で用いられる樹脂材料においては、
(A)成分の熱可塑性樹脂と(B)成分のフィラーとの
含有割合は、それぞれ50〜90重量%及び50〜10
重量%の範囲にあることが必要である。(A)成分の含
有量が50重量%未満では成形性に劣る上、得られる発
泡成形体は比重が大きくなり、かつ外観が悪くなるおそ
れがあり、また、90重量%を超えると得られる発泡成
形体の剛性が低下する。成形性及び得られる発泡成形体
の軽量性,剛性,外観などの面から、(A)成分と
(B)成分の好ましい含有割合は、それぞれ55〜70
重量%及び45〜30重量%の範囲である。さらに、樹
脂材料中の繊維状フィラーの含有量は、得られる発泡成
形体の剛性,寸法安定性及びコストなどの面から、特に
4〜20重量%の範囲が好ましい。本発明で用いられる
樹脂材料には、前記(A)成分の熱可塑性樹脂及び
(B)成分のフィラーと共に、必要に応じ、各種添加
剤、例えば滑剤,酸化防止剤,帯電防止剤,紫外線吸収
剤,光安定剤,難燃剤,離型剤,着色剤などを含有させ
ることができる。
【0019】ここで、滑剤としては、例えば流動パラフ
ィン,天然パラフィン,ワックスなどの炭化水素類、ス
テアリン酸,パルミチン酸,オレイン酸,ミリスチン
酸,ベヘニン酸などの高級脂肪酸のメチル,エチル,プ
ロピル,ブチルなどの低級アルキルエステル類、上記高
級脂肪酸のアミド類、高級脂肪族アルコールやポリアル
キレングリコールなどのアルコール類、ステアリン酸カ
ルシウム,ステアリン酸バリウムなどの金属石ケン類、
シリコーンオイルや変性シリコーンオイルなどのシリコ
ーンオイル類などが挙げられる。酸化防止剤としては、
例えば2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール;ブチ
ル化ヒドロキシアニソール;2,6−ジ−t−ブチル−
4−エチルフェノール;ステアリル−β−(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト;2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブ
チルフェノール);2,2’−メチレンビス(4−エチ
ル−6−t−ブチルフェノール);4,4’−チオビス
(3−メチル−6−t−ブチルフェノール);4,4’
−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノ
ール);テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕
メタン;1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロ
キシ−5−t−ブチルフェニル)ブタンなどのフェノー
ル化合物、フェニル−α−ナフチルアミン;N,N’−
ジフェニル−p−フェニレンジアミンなどのアミン化合
物、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト;トリス
(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト;ト
リフェニルホスファイト;トリオクタデシルホスファイ
ト;ジフェニルイソデシルホスファイトなどのリン系化
合物、ジラウリルチオジプロピオネート;ジミリスチル
チオジプロピネート;ジステアリルチオジプロピオネー
トなどの硫黄化合物などが挙げられる。
【0020】帯電防止剤としては、例えばポリオキシエ
チレンアルキルアミン,ポリオキシエチレンアルキルア
ミドなどの非イオン性、アルキルスルオネート,アルキ
ルベンゼンスルホネートなどのアニオン性、第四級アン
モニウムクロリド,第四級アンモニウムサルフェートな
どのカチオン性、アルキルベタイン型,アルキルイミダ
ゾリン型などの両性帯電防止剤などが挙げられる。紫外
線吸収剤としては、例えばフェニルサリシレート;p−
t−ブチルフェニルサリシレートなどのサリチル酸系、
2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン;2-ヒドロキシ−
4−メトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系、
2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾト
リアゾール;2−(2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフ
ェニル)ベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール
系紫外線吸収剤などが挙げられ、光安定剤としては、例
えばビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリ
ジン)セバケート;4−ベンゾイロキシ−2,2,6,
6−テトラメチルピペリジン;テトラキス(2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,
3,4−ブタンテトラカルボキシレートなどのヒンダー
ドアミン系光安定剤などが挙げられる。
【0021】難燃剤としては、例えばポリトリブロモス
チレン,デカブロモジフェニルエーテル,テトラブロモ
ビスフェノールAなどのハロゲン系、リン酸アンモニウ
ム,トリクレジルホスフェート,トリエチルホスフェー
ト,酸性リン酸エステルなどのリン系、酸化スズ,三酸
化アンチモンなどの無機系難燃剤などが挙げられ、離型
剤としては、例えばカルバナワックス,パラフィンワッ
クス,シリコーンオイルなどが挙げられる。さらに、着
色剤としては、通常プラスチックの着色に用いられるも
の、例えばアントラキノン系,インジゴイド系,アゾ系
などの染料、Zn,Pb,Ti,Fe,As,Mg,A
l,Co,Crなどの金属の酸化物,硫化物,硫酸塩
や、カドミウム系顔料,カーボンブラックなどの無機系
顔料、不溶性アゾ系顔料,溶性アゾ系顔料,縮合アゾ系
顔料,フタロシアニン系顔料,建染染料系顔料,キナク
リドン系顔料などの有機系顔料などが挙げられる。本発
明で用いる樹脂材料の調製方法については特に制限はな
く、溶剤を使用する方法やドライブレンド法などを用い
ることができるが、操作が簡便でコスト的に有利な点か
ら、ドライブレンド法が好ましい。このドライブレンド
法としては、例えば、前記(A)成分の熱可塑性樹脂,
(B)成分のフィラー及び必要に応じて用いられる各種
添加剤を、バンバリーミキサー,単軸スクリュー押出
機,二軸スクリュー押出機,二軸混練機などを用いて、
混合する方法を挙げることができるが、各成分が均質に
分散、混合した樹脂材料が容易に得られる点から以下に
示す方法が好適である。すなわち、予め板状フィラーと
熱可塑性樹脂とを含有するマスターバッチ及び繊維状フ
ィラーと熱可塑性樹脂とを含有するマスターバッチを、
上記混練機を用いてそれぞれ調製しておき、これらのマ
スターバッチと熱可塑性樹脂と必要に応じて用いられる
各種添加剤とを混合することにより、各成分が均質に分
散、混合した樹脂材料を調製することができ、この樹脂
材料を発泡成形することにより、所望の物性を有する発
泡成形体が容易に得られる。なお、必要に応じて用いら
れる各種添加剤は、板状フィラー含有マスターバッチ及
び/又は繊維状フィラー含有マスターバッチの調製の際
に添加してもよい。
【0022】本発明の方法においては、このようにして
調製された樹脂材料を射出発泡成形して発泡成形体を製
造する。この発泡成形には物理発泡と化学発泡とがあ
り、前者の物理発泡の場合、蒸発型発泡剤あるいは揮発
性発泡剤と称される物理的発泡剤を使用し、圧縮ガスの
放圧あるいは蒸発性気体の気化などの物理的変化を利用
して発泡させる。この物理的発泡剤としては、例えば脂
肪族炭化水素,塩素化脂肪族炭化水素,フッ素化脂肪族
炭化水素,不活性ガスなどが挙げられる。一方、化学発
泡の場合、分解型発泡剤と称される発泡剤を使用し、化
学分解により発生するガスを利用して発泡を行う。この
分解型発泡剤としては、例えば炭酸水素ナトリウムなど
の無機発泡剤、アゾ系,ニトロソ系,ヒドラジド系,ト
リアジン系など、具体的にはアゾビスホルムアルデヒ
ド;アゾビスイソブチロニトリル;アゾジカルボンアミ
ド;N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン,
p,p’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジ
ド);p−トルエンスルホニルヒドラジド;p−トルエ
ンスルホニルセミカルバジド;トリヒドラゾトリアジン
などの有機発泡剤が挙げられる。これらの発泡剤の中
で、特に有機発泡剤が好適である。上記発泡剤の使用量
は、使用する発泡剤の種類や所望の発泡倍率などに応じ
て適宜選定される。
【0023】次に、本発明における射出発泡成形の方法
について、添付図面に従って説明すると、図1は、本発
明の方法により発泡成形体を製造するための一例の工程
概略図である。本発明においては、金型として、キャビ
ティ容積を変更しうるもの、すなわちキャビティ容積を
拡大及び縮小できるものが用いられる。まず、この金型
のキャビティ容積を所定の値に設定する。この場合、図
1−(a)で示すようにキャビティの厚さ(H0 )を発
泡成形体の所望の肉厚(H1 )よりも薄くなるようにコ
アを前進させて金型を閉じたのち、ガスを注入する。こ
のガスとしては、例えば窒素や空気などが好ましく用い
られる。次いで図1−(b)で示すように、ガス圧を、
充填される発泡性樹脂材料が発泡しない大きさに維持し
た状態で、前記樹脂材料と発泡剤とからなる発泡性樹脂
材料を溶融射出充填する。この際、キャビティ内のガス
圧力は、充填される発泡性樹脂材料が発泡しない大きさ
であればよく、特に制限はないが、1.0〜1.5MPaの
範囲が好ましい。このガス圧力が1.0MPa未満ではガ
ス圧力の効果が不充分となり、表面のざらつきや発泡剤
残渣の粉の付着が多くなる傾向がみられる。なお、発泡
剤残渣の粉については、発泡剤の選定により、ある程度
の対応が可能である。一方、ガス圧力が1.5MPaを超
えると、ゲート部からのガスの逆流によりゲート付近に
大気泡が発生するおそれがある上、Oリングの寿命の低
下やガス消費量の増大をもたらし、好ましくない。キャ
ビティ内のガス圧力を前記範囲に保持することにより、
成形体表面の発泡じわの発生が抑制されるとともに、ス
キン層が形成される。なお、ガス圧力の調整を容易にす
るために、圧力リリーフ弁を設けることが好ましい。ま
た、発泡性樹脂材料の射出充填時の温度は、使用する熱
可塑性樹脂及び発泡剤の種類などにより異なるが、熱可
塑性樹脂としてポリプロピレン系樹脂を用いる場合に
は、通常180〜260℃の範囲である。
【0024】次に、発泡性樹脂材料の溶融射出充填が完
了したのち、図1−(c)で示されるように、キャビテ
ィ容積を拡大する、すなわちコアを後退させてキャビテ
ィの厚さをH1 にするとともにガスを排出して発泡させ
る。ガスの排出は、コアの後退開始時に行うのが有利で
ある。コアの後退開始前にガスを排出すると成形体の表
面のざらつきや発泡剤残渣の粉の付着が多くなるなど、
外観不良が生じ、好ましくない。なお、コアの後退開始
時より、1〜2秒間遅れてガスを排出しても、発泡成形
体の外観や発泡均一性に特に影響は認められない。しか
し、脱圧(ガスの排出)を行わずに金型を開くと一気に
大発泡が生じ、成形体に穴が開いたり、Oリングがはず
れたりすることがある。さらに、コアの後退開始は、発
泡性樹脂材料の充填完了と同時に、又は充填完了後2秒
以内に実施するのが好ましい。コアの後退を発泡性樹脂
材料の充填完了より早く開始すると発泡成形体に発泡ム
ラや表面のざらつきが生じ、また充填完了後2秒より遅
れてコアを後退させると、未発泡のスキン層は厚くなる
ものの、端部の発泡が不足し、形状転写性が低下する
(特に端部がまるくなる)傾向がみられる。また、コア
後退時間は、コアを移動させるための油圧ユニットの油
圧特性や金型コアの動作抵抗などによって変化するが、
コア後退を完了した後も油圧をかけつづけると金型のコ
アバック機構に負荷がかかりすぎるため、コアが所定の
後退完了位置まで移動する時間を予め実測しておき、そ
の時間に合わせるようにするのが有利である。このよう
にして、均一な高発泡が可能となり(発泡はスキン層よ
り内部で行われる)、外観及び発泡均一性に優れた発泡
成形体が得られる。
【0025】本発明においては、上記の操作を完了後、
発泡成形体の大きさ,厚み,形状によっては、必要に応
じ、図1−(d)で示されるように、キャビティ容積を
縮小させる、すなわち発泡成形体の所望の肉厚(H)ま
でコアを前進させて圧縮させたのち(ただし、H>
0 )、冷却し、発泡成形体を取り出す。この圧縮操作
により、発泡成形体の肉厚精度が向上するとともに反り
が低減する。この圧縮操作は、コア後退完了後1〜2秒
経過したのち開始するのが望ましい。これにより、コア
後退の時間のバラツキを吸収し、発泡のバラツキをなく
すことができる。また、平板状の発泡成形体の場合、例
えば工事現場などで、該発泡成形体を渡して上に人が乗
ることがあるが、フィラー含有発泡成形体は、通常ウエ
ルド強度が不充分であるため、1点ゲート方式で射出発
泡成形するのが有利である。さらに、ゲート径は3〜6
mm程度が好ましい。このゲート径が3mm未満ではゲ
ート通過時の発泡が問題となることがあり、またゲート
の流動抵抗が大きく、充填時間が長くなるおそれがあ
る。一方、ゲート径が6mmを超えると安定した成形が
できにくくなる傾向がみられる。
【0026】本発明はまた、発泡成形体をも提供するも
のであり、この発泡成形体は、前記(A)成分の熱可塑
性樹脂50〜90重量%及び前記(B)成分の板状フィ
ラーと繊維状フィラーとからなるフィラー50〜10重
量%を含有するものであって、表面未発泡層を有すると
ともに、実質上径2mm以上の気泡を有さず、かつ発泡
倍率が1.3〜3.0の範囲のものである。発泡倍率が1.3
未満では軽量性が損なわれ、一方3.0を超えると剛性が
低下する。特に、ベニヤ合板の代替品として用いる場
合、軽量性及び剛性のバランスの面から、発泡倍率は1.
5〜2.2の範囲が好適であり、また、曲げ弾性率は23,
000kg/cm2 以上が望ましい。本発明の発泡成形
体は、剛性,耐熱衝性,表面平滑性,寸法安定性に優
れ、軽量かつ均一発泡であるとともに、釘打ちや鋸によ
る切断・切削加工が可能であり、ベニヤ合板などの木材
の代替品として有用である。本発明の発泡成形体を製造
する方法については、上記性状を有するものが得られる
方法であればよく特に制限されず、様々な方法を用いる
ことができるが、前記した本発明の方法を用いることに
より、所望の性状を有する発泡成形体を容易に製造する
ことができる。
【0027】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定され
るものではない。
【0028】実施例1 ポリプロピレンとガラス長繊維とのマスターバッチ「モ
ストロンL6010P」〔出光石油化学(株)製、ガラ
ス長繊維;繊維長8〜9mm,含有量60重量%〕9重
量部、ポリプロピレンとタルクとのマスターバッチ「H
MB−78F」〔浅田製粉(株)製、タルク含有量70
重量%〕43重量部及びポリプロピレン「J785H」
〔出光石油化学(株)製、MI10g/10分(230
℃,2.16kgf)〕48重量部を混練して樹脂材料
(比重1.18)を得たのち、この100重量部に、発泡
剤マスターバッチ「EE206」〔永和化成工業(株)
製〕3重量部を配合して発泡性樹脂材料を調製した。次
に、金型のキャビティ厚さを6.6mmに設定し、キャビ
ティ内に窒素を注入して圧力を1.3MPaに保持しなが
ら、上記発泡性樹脂材料を230℃にて溶融射出充填し
た。なお、金型のキャビティは縦1800mm、横60
0mmである。次いで、充填完了と同時に、コアをキャ
ビティ厚さが14mmになるように後退させた。この
際、コアの後退開始と同時にキャビティ内のガスを排出
し、発泡させた。コア後退完了2秒後に、キャビティ厚
さが12mmになるようにコアを前進させて圧縮したの
ち、冷却し、金型より平板状の発泡成形体(600×1
800×12mm)を取り出した。なお、ゲートは5m
mφ1点である。この発泡成形体は、発泡倍率1.8,重
量8.5kg,曲げ弾性率(JIS K−7203に準拠
して測定)24,000kg/cm2 であった。また、均
一発泡で径2mm以上の気泡がなく、外観は良好で表面
が平滑であった。
【0029】実施例2〜6 第1表に示す配合組成で樹脂材料を得たのち、実施例1
と同様にして発泡性樹脂材料を調製した。次いで、実施
例2,3,4及び6は実施例1と全く同様にして平板状
の発泡成形体(600×1800×12mm)を作成し
た。また、実施例5は、金型の初期のキャビティ厚さを
7.5mmとした以外は、実施例1と同様にして平板状の
発泡成形体(600×1800×12mm)を作成し
た。これらの発泡成形体の物性を第1表に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】(注) 1)モストロンL6010P:ポリプロピレンとガラス
長繊維とのマスターバッチ、出光石油化学(株)製、ガ
ラス繊維(GF);繊維長8〜9mm,含有量60重量
% 2)R350G:ポリプロピレンとガラス短繊維とのマ
スターバッチ、出光石油化学(株)製、ガラス繊維(G
F);平均繊維長1.5mm,含有量30重量% 3)HMB−78F:ポリプロピレンとタルクとのマス
ターバッチ、浅田製粉(株)製、タルク含有量70重量
% 4)MF−IMB:ポリプロピレンと塩基性マグネシウ
ムオキシサルフェートウィスカーとのマスターバッチ、
出光石油化学(株)製、ウィスカー含有量50重量% 5)J785H:出光石油化学(株)製ポリプロピレ
ン、MI10g/10分(230℃,2.16kgf)
【0033】比較例1 実施例1と同様にして発泡性樹脂材料を調製したのち、
通常の射出発泡成形法(キャビティ内にガスの注入を行
わず、かつコアの後退及び圧縮を行わない)に従って、
発泡成形体を作成したところ、発泡倍率が1.5までしか
成形できなかった。また、得られた発泡成形体は、発泡
が不均一で、径2.0mm以上の気泡が多く発生してお
り、かつ外観が不良で表面にざらつきがあった。
【0034】実施例7 実施例1における射出発泡成形において、最後の工程の
コアを前進させて圧縮する操作を行わなかったこと以外
は、実施例1と同様にして発泡成形体を作成した。な
お、この場合、キャビティの初期厚さを6.6mm、キャ
ビティを後退させた際のキャビティ厚さを12mmとし
た。得られた発泡成形体は、発泡倍率が1.8、重量が8.
5kg、曲げ弾性率が24,000kg/cm2 であっ
た。また、均一発泡で径2mm以上の気泡がなく、かつ
外観が良好で、表面は平滑であった。
【0035】
【発明の効果】本発明の方法によれば、剛性,耐衝撃
性,表面平滑性,寸法安定性に優れ、軽量かつ均一発泡
であるとともに、釘打ちや鋸による切断・切削加工が可
能であり、ベニヤ合板などの木材の代替品として有用な
フィラー含有熱可塑性樹脂製発泡成形体が効率よく得ら
れる。本発明の発泡成形体は、木材の代替品として、例
えば合板,コンクリート型枠,パレート用材料,仕切り
板などの用途、特に大型成形品用途に好適に用いられ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の方法により発泡成形体を製
造するための一例の工程図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 7/04 C08K 7/04 C08L 23/00 KEF C08L 23/00 KEF KFT KFT // B29K 23:00 105:04 105:06

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)熱可塑性樹脂50〜90重量%及
    び(B)板状フィラーと繊維状フィラーとからなるフィ
    ラー50〜10重量%を含有する発泡成形体を射出発泡
    成形により製造するに当たり、成形材料として(A)成
    分と(B)成分とを上記割合で含有する発泡性樹脂材料
    を用いるとともに、容積を変更しうるキャビティをもつ
    金型の該キャビティ内にガスを注入し、そのガス圧を充
    填すべき上記成形材料が発泡しない大きさに維持した状
    態にて、該成形材料を溶融射出充填したのち、キャビテ
    ィ容積を拡大するとともに、ガスを排出して発泡させる
    ことを特徴とする発泡成形体の製造方法。
  2. 【請求項2】 (A)熱可塑性樹脂50〜90重量%及
    び(B)板状フィラーと繊維状フィラーとからなるフィ
    ラー50〜10重量%を含有する発泡成形体を射出発泡
    成形により製造するに当たり、成形材料として(A)成
    分と(B)成分とを上記割合で含有する発泡性樹脂材料
    を用いるとともに、容積を変更しうるキャビティをもつ
    金型の該キャビティ内にガスを注入し、そのガス圧を充
    填すべき上記成形材料が発泡しない大きさに維持した状
    態にて、該成形材料を溶融射出充填したのち、キャビテ
    ィ容積を拡大するとともに、ガスを排出して発泡させ、
    しかるのちにキャビティ容積を縮小させて圧縮すること
    を特徴とする発泡成形体の製造方法。
  3. 【請求項3】 (A)成分の熱可塑性樹脂がポリオレフ
    ィン系樹脂である請求項1又は2記載の方法。
  4. 【請求項4】 (B)成分のフィラーにおいて、板状フ
    ィラーがタルク及び/又はマイカであり、かつ繊維状フ
    ィラーが塩基性マグネシウムオキシサルフェート及び/
    又はガラス繊維である請求項1又は2記載の方法。
  5. 【請求項5】 発泡性樹脂材料の調製において、繊維状
    フィラーとして、熱可塑性樹脂と繊維長3mm以上の繊
    維状フィラーとを含有するペレットを用いる請求項1又
    は2記載の方法。
  6. 【請求項6】 (A)熱可塑性樹脂50〜90重量%及
    び(B)板状フィラーと繊維状フィラーとからなるフィ
    ラー50〜10重量%を含有し、表面未発泡層を有する
    とともに、実質上径2mm以上の気泡を有さず、かつ発
    泡倍率が1.3〜3.0であることを特徴とする発泡成形
    体。
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