JP4655601B2 - 木質樹脂成形体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、床材、壁材、天井材等の建築材、建具、家電品の表面材等に用いられる木質樹脂成形体、及びそれを用いた化粧材に関するものであり、特に、賃貸マンション、アパート、オフィスビル、店舗、学生寮等の様なリフォームによる貼り替えサイクルの短い用途にも好適な、寸法精度に優れ、施工性に優れた床材をはじめとする木質樹脂成形体及びそれを用いた化粧材に関する。
現在、戸建て住宅等の建築物における室内床面用の床材としては、木質系フローリング材が最も広く流行している。しかし水に濡れると膨れや割れ、反り、腐蝕を起こし易く、特に浴室脱衣所や洗面所の様な水廻りの部位への使用には問題があることが指摘されている。また、オフィスビルや店舗では、凹みなどの耐傷性に問題があることも指摘されている。そこで近年では、熱可塑性樹脂と木質系充填材を主原料とした、耐水性、耐候性、耐腐食性、耐傷性等の強度に優れる木質樹脂建材が提案されている。
しかしながら、これらの木質系建材は異形押出成形にて製造されるのが一般的であり、木質系充填材を多く添加した場合や、発泡成形とした場合、成形品の細部の忠実な形状が得られず、寸法精度に劣り、内部残留応力により、ひけや反りなどの変形が起こり、物理強度に劣るなどの問題があった。さらには、一般的には異形押出成形時の成形サイクルが遅く、生産効率も低いという問題があった。
以下に、本発明の技術に関連する公知の特許文献を記載する。
特開平08−318542号公報
本発明は前記問題点を解決するためになされたものであり、その課題とするところは、少なくとも熱可塑性樹脂と木質系充填材を含有し、嵌合部を有する木質樹脂成形体において、成形体の細部の忠実な形状が得られ、寸法精度が良く、内部残留応力が少なく、ひけや反りなどの変形が起こり難く、物理強度に優れ、異形押出成形時の成形サイクルが早く生産効率が高い木質樹脂成形体及びそれを用いた化粧材を提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の請求項1に係る発明は、少なくとも熱可塑性樹脂と木質系充填材を含有し、嵌合部を有する木質樹脂成形体の製造方法において、少なくとも前記熱可塑性樹脂と前記木質系充填材を含有する木質樹脂を金型空間内に射出充填する工程と、前記金型空間内を圧縮して、表面低発泡層を形成する工程と、前記金型空間内を拡大しながら、少なくとも前記熱可塑性樹脂と前記木質系充填材を含有する木質樹脂を前記金型空間内に射出充填し、内部発泡層を形成する工程と、前記金型空間内を冷却して、前記木質樹脂を冷却固化し、前記表面低発泡層と前記内部発泡層を有する木質樹脂成形体を成形する工程とを具備することを特徴とする木質樹脂成形体の製造方法である。
本発明の請求項1に係る発明は、少なくとも熱可塑性樹脂と木質系充填材を含有し、嵌合部を有する木質樹脂成形体が、射出圧縮成形により成形されているので、嵌合部をはじめとする木質樹脂成形体の全体の形状や寸法の安定性が優れた木質樹脂成形体を提供することが可能となった。
また本発明の請求項2に係る発明は、上記請求項1に係る木質樹脂成形体が、発泡成形体であるので、形状や寸法の安定性に優れ、さらには軽量で、且つ施工時等の加工性に優れる木質樹脂成形体を提供することが可能となった。
また本発明の請求項3に係る発明は、上記請求項1又は2に係る木質樹脂成形体は、木質系充填材を含有する部分における木質系充填材の配合比率が、前記熱可塑性樹脂100重量部に対して10〜500重量部であるので、成形性に優れるだけでなく、木質感、断熱性、切削や釘打ち等の加工性が良く、軽量で優れたリサイクル性を併せ持つ木質樹脂成形体を提供することが可能となった。
また本発明の請求項4に係る発明は、上記請求項1乃至3のいずれか1項に係る木質樹脂成形体の表面の一部面もしくは全面に、該木質樹脂発泡成形体に含有される熱可塑性樹脂と同種の熱可塑性樹脂を主体とする化粧シートが積層されているので、意匠性に優れ、且つリサイクルにおける樹脂の再生が容易であって、良好なリサイクル性を併せ持つ木質樹脂成形体を提供することが可能となった。
以下に、本発明の木質樹脂成形体を図面に基づき詳細に説明すれば、本発明の木質樹脂成形体は、少なくとも、熱可塑性樹脂と木質系充填材を含有した木質樹脂を、射出圧縮成形により成形加工されて成形されており、嵌合部を有する形状となっている。
本発明の木質樹脂成形体に使用される熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエステル ポリアミド、ポリビニルアルコール、アクリル、ポリ塩化ビニル等の樹脂から適宜選択が可能である。また、焼却時のダイオキシンの発生や埋め立て時等の環境ホルモン物質の流出、部材としての耐候性や耐熱性、薬品や溶剤に対する耐性等の性能を満たすためにはポリオレフィン系樹脂が好適である。
ここで用いられるポリオレフィンとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリイソプレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−αオレフイン共重合体、プロピレン−αオレフイン共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体や、これらを接着性の向上の目的で酸変性したもの、あるいはアイオノマー等から適宜選択が可能であって、単一でも複数種の混合でも構わない。
また、特に極性のある木質系充填材(親水性)との接着性を高めるためには、酸変成した樹脂の配合比を高めて、樹脂自体に極性を持たせたものを使用しても良い。
本発明の木質樹脂成形体に使用される木質系充填材の素材としては、特に制限されることなく選択が可能であるが、一般的には、木材をカッターミルなどによって破断し、これをボールミルやインペラーミルなどにより粉砕して、微粉状にした木粉などを用いる。
使用する木質系充填材の平均粒径は1〜200μmが好ましく、10〜150μmであることが、さらに好ましい。平均粒径が1μm未満のものは、取り扱いが困難である上に特に木質系充填材の配合量が多い場合は、樹脂への分散が悪いと、製造される木質樹脂成形体に機械強度の低下が発生する。また、平均粒径が200μmより大きいものは、成形品の均質性に劣り、機械的強度が低下する。さらには成形品の表面状態でも平面性が得られ難くなる。
また、本発明における木質系充填材としては、前述の木粉に限定されるものではなく、木質系の繊維構造物全てを包含するものであり、木質樹脂成形体の利用の目的に応じて、例えば、ケナフ、バガス、バンブー、あるいは故紙等を選択しても良い。
また、本発明の木質樹脂成形体には、必要に応じて熱安定剤、酸中和剤、紫外線吸収剤、光安定剤、顔料、染料などの着色剤、充填剤、帯電防止剤、滑剤、造核剤、難燃剤、ブロッキング防止剤、脱水剤、半透明化のための光散乱剤、艶調整剤等を添加することもできる。
これらの添加剤のうち熱安定剤としてはヒンダードフェノール系熱安定剤、硫黄系熱安定剤、リン系熱安定剤等、また、酸中和剤としてはステアリン酸金属塩、ハイドロタルサイト等、紫外線吸収剤としてはベンゾトリアゾール系、ベンゾエート系、ベンゾフェノン系、トリアジン系等があり、光安定剤としてはヒンダードアミン系等がある。
難燃剤としてはハロゲン系難燃剤、リン系難燃剤、塩素系難燃剤等があり、充填剤としては炭酸カルシウム、シリカ、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、アルミナ、タルク、マイカ、珪酸マグネシウム、チタン酸カリウム、硫酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化鉄、カーボンブラック、金属粉等がある。
滑剤としては炭化水素系滑剤、脂肪酸、高級アルコール系、脂肪酸アマイド系、金属石鹸系、エステル系、フッ素系等、造核剤としてはカルボン酸金属塩系、ソルビトール系、リン酸エステル金属塩系等があり、顔料としては縮合アゾ、不溶性アゾ、キナクリドン、イソインドリン、アンスラキノン、イミダゾロン、コバルト、フタロシアニン、カーボン、酸化チタン、酸化鉄、雲母等のパール顔料等があり、これらの添加剤を任意の組み合わせで用いるのが一般的である。
即ち、本発明においては主旨を逸脱しない範囲で、熱可塑性樹脂の種類や木質系充填材の種類、その他の添加剤には、特に制限されるものではない。
本発明の木質樹脂成形体は、さらに、嵌合部の形状や寸法精度が要求されるため、射出圧縮成形にて成形するものである。
図1(a)は、射出圧縮成形用の金型の平面断面図であり、10は固定側(ノズル16側)モールドベース金型、11は金型開閉可動側モールドベース金型、12は油圧シリンダー、13は作動ロッド、14、15は弾性部材、21は固定側モールドベース金型10内に設置された固定キャビティブロック、22は金型開閉可動側モールドベース金型11内に設置された固定キャビティブロック、23は固定側モールドベース金型10内に設置された可動キャビティブロック、24は金型開閉可動側モールドベース金型11内に設置された可動キャビティブロックであり、各々キャビティブロック21、22、23、24により成形用型のキャビティ空間20が形成されていて、それぞれ前記モールドベース金型10、11は、互いにパーティングライン25にて分割、閉鎖可能であり、分割することによりキャビティ空間20が開放可能となっている。
図1(a)に示すように、まず、各々固定側(ノズル16が装着されるホットランナー1側)モールドベース金型10と開閉可動側モールドベース金型11とによる金型モールドベース金型内の定位置に固定された1組みの対向する固定キャビティブロック21、22に対して可動式の1組みの可動キャビティブロック23、24は、それらキャビティブロック21、22、23、24によって形成される金型空間20(キャビティ)における対向するキャビティブロック21、24の間を、予め最終製品形状より僅か開いた状態の位置に設定しておく。なお、可動式の1組みの可動キャビティブロック23、24は、水平方向に移動可能であってもよいし、垂直(上下)方向に移動可能であってもよい。
そして、その状態で、図1(b)に示すように、ホットランナー1(樹脂射出流路)のバルブ3を開放して、木質樹脂2をホットランナー1を経てゲート4から金型空間20(キャビティ)内に、ほぼ充満するように射出充填する。
続いて、この射出充填の過程と同時に、若しくはこの射出充填の過程中に、若しくはこの射出充填の過程よりも僅かにタイミングを遅らせて、図2(a)に示すように、バルブ3を閉鎖して、1組みの対向する固定キャビティブロック21、22に対して、1組みの可動キャビティブロック23、24を矢印方向に最終製品形状(木質樹脂成形体Aの形状)まで下降動作させ、金型空間20(キャビティ)内を縮小して木質樹脂2を圧縮し、キャビティ20内に木質樹脂2を充満させて、木質樹脂成形体Aを成形する。
続いて、キャビティ20内を冷却し、該キャビティ20内の木質樹脂2を冷却固化した後、開閉可動側モールドベース金型11をパーティングライン25にて固定側モールドベース金型10側から分離移動動作させることにより、該開閉可動側モールドベース金型11内にある固定キャビティブロック22と可動キャビティブロック24とを移動動作させて、キャビティ20を開放して、該キャビティ20内から図2(b)に示す木質樹脂成形体Aを取り出す。
本発明の木質樹脂成形体は、建材用として床材や窓枠材などに使用されるが、成形品の経時変形をできるだけ小さくるるために成形品の内部応力を緩和すること、また嵌合部をはじめとする成形品の寸法精度を確保すること、木質系充填材を多く添加した場合の樹脂流動性の低下を補うことの問題から、例えば、特開平08−318542号公報(特許文献1)に記載の射出圧縮成形法を選択することが特に好適である。
木質系充填材と熱可塑性樹脂の混練については、特にその方法を問わないが、例えば、バンパリーミキサーによって混練し、ベレタイザーでベレット化する方法や、二軸押出混練機によって混合、ベレット化する方法が一般的である。また、木質系充填材は含水率が大きいと、ベレタイズ時に発泡の原因となるために、混練前に予め乾燥機やホッパードライヤーで含水率を8%以下に抑えておくことが好ましい。
本発明の木質樹脂成形体は、その木質樹脂成形体自体が発泡された状態の発泡樹脂成形体とすることができ、本発明の木質樹脂成形体を発泡樹脂成形体とすることにより軽量化できとともに、断熱効果や、保温効果、衝撃吸収効果を付与することができる。
例えば、本発明の発泡成形された木質樹脂成形体を床材に使用した場合には、その断熱効果、保温効果により素足で触れた時に不快な冷触感を緩和することができ、温か味のある温暖触感効果や、衝撃吸収効果により、歩行時の衝撃を吸収でき、歩行時の人体に与える負荷を低減でき、木質樹脂成形体の内装材加工等の施工時の切削加工性にも優れ、割れや欠けを防止する効果もある。また、軽量化により使用材料の重量を低減でき、製造コストを抑えることができ、施工時の作業性にも優れる。
本発明の発泡成形された木質樹脂成形体の成形方法としては、嵌合部の形状や寸法精度が要求されるために、射出圧縮成形にて成形するものである。
発泡成形された木質樹脂成形体の射出圧縮成形に使用される射出圧縮成形用の金型としては、図1(a)にて説明した金型と同様の金型が使用できる。
図3(a)に示すように、上記図1(a)にて説明した金型と同様の金型において、各々固定側(ノズル16が装着されるホットランナー1側)モールドベース金型10と開閉可動側モールドベース金型11とによる金型モールドベース金型内の定位置に固定された1組みの対向する固定キャビティブロック21、22に対して、可動式の1組みの可動キャビティブロック23、24は、それらキャビティブロック21、22、23、24によって形成される金型空間20(キャビティ)における対向するキャビティブロック21、24の間を、予め最終製品形状より僅か開いた状態の位置に設定しておく。なお、可動式の1組みの可動キャビティブロック23、24は、水平方向に移動可能であってもよいし、垂直(上下)方向に移動可能であってもよい。
そして、その状態で、図3(b)に示すように、ホットランナー1(樹脂射出流路)のバルブ3を開放して、化学発泡剤を適量混合させた木質樹脂2をホットランナー1を経てゲート4から金型空間20(キャビティ)内に、ほぼ充満するように射出充填する。
続いて、この射出充填の過程と同時に、若しくはこの射出充填の過程中に、若しくはこの射出充填の過程よりも僅かにタイミングを遅らせて、図3(c)に示すように、バルブ3を閉鎖して、1組みの対向する固定キャビティブロック21、22に対して、1組みの可動キャビティブロック23、24を矢印方向に最終製品形状(木質樹脂成形体Aの形状)よりも僅かに小さい形状まで下降動作させて、金型空間20(キャビティ)内を縮小して木質樹脂2を圧縮し、キャビティ20内に木質樹脂2を充満させて、表面低発泡層2aと高い寸法精度が要求される嵌合部とを有する比較的小さい発泡倍率で発泡された木質樹脂成形体Aを成形する。
続いて、図3(d)に示すように、バルブ3を開放して、可動キャビティ23、24を最終製品形状まで開きながら、さらに木質樹脂2の充填を継続する。この工程では金型空間20(キャピティ)の容量が拡大しながら充填されるため、比較的大きい発泡倍率で、木質樹脂成形体Aの内部にも内部発泡層2bを形成することができる。
続いて、同図3(d)に示すバルブ3を閉鎖して、キャビティ20内を冷却し、該キャビティ20内の木質樹脂2を冷却固化した後、前述の図1(a)に示すように、開閉可動側モールドベース金型11をパーティングライン25にて固定側モールドベース金型10側から分離移動動作させることにより、該開閉可動側モールドベース金型11内にある固定キャビティブロック22と可動キャビティブロック24とを移動動作させて、キャビティ20を開放して、該キャビティ20内から図2(b)に示すものと同様の発泡された木質樹脂成形体Aを取り出す。
本発明の発泡された木質樹脂成形体は、建材用ととして床材や窓枠材などに使用されるが、成形品の経時変形をできるだけ小さくるるために成形品の内部応力を緩和すること、また嵌合部をはじめとする成形品の寸法精度を確保すること、木質系充填材を多く添加した場合の樹脂流動性の低下を補うことの問題から、例えば、特開平08−318542号公報(特許文献1)に記載の射出圧縮成形法を選択することが特に好適である。
また、本発明の木質樹脂成形体の発泡の手法についても、公知の手法がいずれも利用できる。一般的には、熱分解や化学反応によってガスを発生する化学発泡と、低沸点の液体
に熱を掛けて気化させる物理発泡に分類でき、化学発泡剤としては無機系の重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウム、ホウ化水素ナトリウム、軽金属、アジド化合物等、また有機発泡剤としてはアゾ系、ニトロソ系、ヒドラジド系等が、任意の組み合わせで使用できる。
また、特に二倍を超える高発泡倍率での発泡には、主に物理発泡が用いられ、発泡剤としては炭酸ガスや脂肪族炭化水素が主に用いられる。また、物理発泡に際しても、発泡体のセル形状を整えるため化学発泡剤を併用することが多い。
木質系充填材の配合量については、10重量部から500重量部まで、適宜選択が可能であるが、成型性や均質性を高めるために、木質系充填材は熱可塑性樹脂100重量部に対して、10〜200重量部、より好ましくは、15〜150重量部とすることが望ましい。
本発明の化粧材は、本発明の上記の木質樹脂成形体又は上記の発泡された木質樹脂成形体(木質発泡樹脂成形体)に、化粧シートが積層されているものである。
本発明の化粧材における木質樹脂成形体又は発泡された木質樹脂成形体(木質発泡樹脂成形体)に積層される化粧シートについて重要な点は、主に木質樹脂成形体に用いる熱可塑性樹脂と同種の熱可塑性樹脂材料を化粧シートの基材に用いることであり、化粧シート自体の積層構成については何ら制約を受けるものではない。
本発明の上記木質樹脂成形体又は木質発泡樹脂成形体に積層される化粧シートは、例えば、着色シートに印刷を施した単層化粧シート、着色シートに印刷を施したシートに透明シートをドライラミネート法、エクストルージョンラミネート法、熱ラミネート法などによって貼り合わせた復層の化粧シートや、透明シートの裏面に印刷を施した裏刷りの単層の化粧シートなどの化粧シートから、用途に応じて適宜選択が可能である。
木質樹脂成形体又は木質発泡樹脂成形体に化粧シートを積層する際には、化粧シートに十分な隠蔽性があれば安定した意匠の再現が達成され、逆に化粧シートが透明性を有する場合は、木質樹脂成形体又は木質発泡樹脂成形体自体の表面に備える木質感等の意匠表示を生かした意匠表現が可能になる。
化粧シートに施される木目柄等のパターン、絵柄、彩色等の印刷に用いるインキは、バインダーとしては硝化綿、セルロース、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、アクリル、ポリエステル系等の単独もしくは各変性物の中から適宜選択すればよい。これらは、水性系、油性系、水性溶剤系、油性溶剤系、エマルジョンタイプのいずれでも問題なく、また、一液硬化タイプでも、硬化剤を使用した二液反応硬化タイプでも任意に選定可能である。さらに、紫外線や電子線等の照射によりインキを硬化させることも可能である。
中でも最も一般的な方法は、二液反応硬化タイプであり、ウレタン系のバインダーを用いたインキであり、イソシアネート系硬化剤で硬化させる方法である。これらバインダーを用いたインキ中には、バインダーの他に通常のインキに含まれている顔料、染料等の着色剤、体質顔料、溶剤、各種添加剤が添加されている。特によく用いられる顔料には、縮合アゾ、不溶性アゾ、キナクリドン、イソインドリン、アンスラキノン、イミダゾロン、コバルト、フタロシアニン、カーボン、酸化チタン、酸化鉄、雲母等のパール顔料等がある。
また、いずれの化粧シートにおいても、本発明の成形体への貼り合わせのためのプライ
マーコートや、表面保護や艶調整のためのトップコートや、エンボス法やグロスマット法等による導管表現等が施されていても構わない。また、化粧シートの熱可塑性樹脂層に用いる添加剤も本発明の成形体と同様なものが使用可能である。
また、本発明の木質樹脂成形体又は木質発泡樹脂成形体や、この木質樹脂成形体又は木質発泡樹脂成形体に化粧シートを貼り合わせた本発明の化粧材をリサイクルする場合は、回収した後の本発明品を破砕した後、破砕した本発明品に、必要に応じて木質系充填材、熱可塑性樹脂、各種添加剤などを加え、再度ペレット化することによって、再使用することが可能である。この場合も、特に、そのリサイクル方法は問わない。
以下に、本発明の具体的な実施例について説明する。
<実施例1>
下記配合からなる木質樹脂組成物を用い、図1(a)、図1(b)、図2(a)に示すように、射出圧縮成形法により、縦600mm×横75mm×厚さ6mmの横方向断面が図2(b)に示すような嵌合部5を有する板形状の実施例1による本発明の木質樹脂成形体Aを成形した。
(木質樹脂組成物の配合)
木粉(平均粒径100μm) 40重量部
ポリプロピレン樹脂(熱可塑性樹脂) 57重量部
アクリル変性ポリテトラフルオロエチレン系相溶化剤 1.5重量部
マレイン酸変性ポリプロピレン系相溶化剤 0.5重量部
(マレイン酸変性率10.4%)
ステアリン酸カルシウム 0.5重量部
脱水剤 0.5重量部
<実施例2>
下記配合からなる木質樹脂組成物を用い、図3(a)、図3(b)、図3(c)、図3(d)に示すように、射出圧縮成形法により、上記実施例1と同じ形状の横方向断面が図2(b)に示すような嵌合部5を有する板形状で、実施例2による内部に発泡層を有する本発明の木質発泡樹脂成形体Aを成形した。
(木質樹脂組成物の配合)
木粉(平均粒径100μm) 40重量部
ポリプロピレン樹脂(熱可塑性樹脂) 64重量部
アクリル変性ポリテトラフルオロエチレン系相溶化剤 1.5重量部
マレイン酸変性ポリプロピレン系相溶化剤 0.5重量部
(マレイン酸変性率10.4%)
ステアリン酸カルシウム 0.5重量部
脱水剤 0.5重量部
重曹−クエン酸系化学発泡剤 3重量部
<実施例3>
上記実施例1にて得られた木質樹脂成形体の金型可動側面(例えば、図2(b)に示す木質樹脂成形体のいずれの部位)に、コロナ放電処理を施した後、該木質樹脂成形体による化粧材用基材のコロナ放電処理された表面に、木目印刷が施されたポリプロピレン樹脂をシート基材とするポリプロピレン樹脂系の化粧シートをラッピング法にて積層して、実施例3による本発明による化粧材を作製した。
<実施例4>
上記実施例2にて得られた内部に発泡層を有する木質発泡樹脂成形体の金型可動側面(例えば、図2(b)に示す木質樹脂成形体のいずれの部位)に、コロナ放電処理を施した
後、該木質発泡樹脂成形体による化粧材用基材のコロナ放電処理された表面に、木目印刷が施されたポリプロピレン樹脂をシート基材とするポリプロピレン樹脂系の化粧シートをラッピング法にて積層して、実施例4による本発明の化粧材を作製した。
<比較例1>
上記実施例1と同じ配合からなる材料を用い、異形の押出成形法により、幅75mm×厚さ6mmにて木質樹脂成形体を押し出し成形し、その押し出し流れ方向600mmで切断して、上記実施例1と同じ形状の横方向断面が図2(b)に示すような嵌合部5を有する板形状の比較例1による木質樹脂成形体Aを成形した。
<比較例2>
上記実施例2と同じ配合からなる材料を用い、異形押出成形法により、幅75mm×厚さ6mmにて木質発泡樹脂成形体を押し出し成形し、その押し出し流れ方向600mmで切断して、上記実施例2と同じ形状の横方向断面が図2(b)に示すような嵌合部5を有する板形状の比較例2による木質樹脂成形体Aを成形した。
<性能比較>
上記実施例1〜実施例4による各成形品と、比較例1〜比較例2による各成形品について、嵌合部5の寸法精度、成形品の長辺600mm方向での反り、成形品表面のひけ(厚みむら)を比較したところ、下記の通りであった。
実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 比較例1 比較例2
嵌合部寸法精度 良 良 良 良 不良 不良
長辺の反り 無し 無し 無し 無し やや有り やや有り
表面のひけ 無し 無し 無し 無し やや有り やや有り
<比較結果>
上記の性能比較の結果、実施例1〜4による本発明の木質樹脂成形体A及び木質発泡樹脂成形体A及び化粧材は、嵌合部5の寸法精度は良好であり、成形品の長辺600mm方向での反り、及び成形品表面のひけ(厚みむら)も全く見られなかった。
(a)〜(b)は、本発明の木質樹脂成形体の射出圧縮成形法による射出充填過程の一実施例を示す金型の平面断面図。 (a)は、本発明の木質樹脂成形体の射出圧縮成形法による射出充填過程の一実施例を示す金型の平面断面図、(b)は、その射出充填過程により得られた本発明の木質樹脂成成形体の側面図。 (a)〜(d)は、本発明の発泡された木質樹脂成形体の射出圧縮成形法による射出充填過程の一実施例を示す金型の平面断面図。
符号の説明
1…ホットランナー(樹脂射出流路)
2…木質樹脂
2a…木質樹脂成形体の表面低発泡層
2b…木質樹脂成形体の内部発泡層
3…開閉バルブ
4…ゲート
5…嵌合部
10…固定モールドベース金型(ノズル装着側)
11…可動モールドベース金型(金型開閉可動側)
12…油圧シリンダー
13…作動ロッド
14、15…弾性部材
16…射出ノズル
21…固定モールドベース金型側(ノズル装着側)の固定キャビティ部
22…可動モールドベース金型側(金型開閉可動側)の固定キャビティ部
23…固定モールドベース金型側(ノズル装着側)の可動キャビティ部
24…可動モールドベース金型側(金型開閉可動側)の可動キャビティ部
25…金型分割面(パーティング面、パーティングライン)

Claims (1)

  1. 少なくとも熱可塑性樹脂と木質系充填材を含有し、嵌合部を有する木質樹脂成形体の製造方法において、
    少なくとも前記熱可塑性樹脂と前記木質系充填材を含有する木質樹脂を金型空間内に射出充填する工程と、
    前記金型空間内を圧縮して、表面低発泡層を形成する工程と、
    前記金型空間内を拡大しながら、少なくとも前記熱可塑性樹脂と前記木質系充填材を含有する木質樹脂を前記金型空間内に射出充填し、内部発泡層を形成する工程と、
    前記金型空間内を冷却して、前記木質樹脂を冷却固化し、前記表面低発泡層と前記内部発泡層を有する木質樹脂成形体を成形する工程と
    を具備することを特徴とする木質樹脂成形体の製造方法。
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