JP4273877B2 - 床材 - Google Patents

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本発明は、戸建て住宅やマンション、アパート、保養所、オフィスビル、店舗等の建築物における室内床面に使用するための床材に関するものである。
現在、戸建て住宅等の建築物における室内床面用の床材としては、木質系フローリング材が最も広く流行している。この木質系フローリング材とは、厚み5〜15mm程度の天然木材の無垢板や、厚み5〜15mm程度の積層合板等の木質基材上に、厚み数百μm乃至数mm程度の天然木材の突板を貼着したもの、或いはそれらの塗装品等である。
これらの天然木材を使用した木質系フローリング材は、その表面の意匠が天然木材の木目という、最も自然で親しみやすく美麗な意匠であることから、従来広く消費者に受け容れられている。しかし、日光に当たると変色し易いことや、水に濡れると膨れや割れ、反り、腐蝕、突板の剥離等を起こし易く、特に浴室脱衣所や洗面所、厨房等の様な水廻りの部位への使用には問題があること、天然素材なので色調や木目形状などの品質や価格、供給量などが不安定であることなどの問題点も指摘されている。
特に近年では、地球環境保護問題への社会的関心が高まるにつれて、環境破壊に繋がる天然木材の大量消費は白眼視される様になり、床材などの建築材料の分野においても、資源のリサイクル利用への取り組みが求められる様になっている。しかし、木質系フローリング材を再度床材としてリサイクル利用することは、技術的にも経済的にも極めて困難であり、せいぜい粉砕してパーティクルボード用原料としてリサイクル利用される程度に留まっているが、これも近年の急激な供給増に見合った用途開発が進まないために過剰在庫を抱え、リサイクル利用は行き詰まりの状況にあり、大半は埋め立てや焼却による最終処分が行われているのが現状である。
そこで、床材を使用後に再度、同種の床材の原料として再利用可能な、リサイクル適性のある床材の開発が、社会的に強く要望される様になっている。こうした要望に応えるものとして、本発明者らは既に、熱可塑性樹脂と木質系充填剤を含有する木質樹脂成形体の表面に、該木質樹脂成形体に含有される熱可塑性樹脂と同系の熱可塑性樹脂を主体とする化粧シートを積層してなる床材を提案した(特許文献1参照)。
この床材は、熱可塑性樹脂を主成分とするので耐水性や耐候性に優れ、物性的にも意匠的にも品質の安定した製品を大量供給可能であり、切削や釘打ち等の加工性も木質系フローリング材と同等であり、しかも、使用後はそのまま粉砕して前記木質樹脂成形体の成形材料として再利用できるという、優れたリサイクル適性を備えたものである。
また、本発明者らはさらに、水系又は溶剤系接着剤による接着性や、天然木材に似た暖かい触感を与える断熱性、快い歩行感を与える弾力性等の改善を目的として、前記木質樹脂成形体を発泡させてなる木質樹脂発泡成形体を基材とした床材をも、既に提案した(特許文献2参照)。
しかしながら、その後の試作検討の結果、上記した木質樹脂発泡成形体を使用した床材にも、以下の様な問題点があることが判明した。すなわち、木質樹脂発泡成形体が熱可塑性樹脂と木質材料とからなることにより、火炎加熱による燃焼試験を行った場合、自己消火性に劣り、防炎性に欠ける問題があった。
難燃性の付与について、通常はハロゲン系、リン系あるいは無機系の難燃剤などを成形時に添加する手法が用いられる。しかしながら、より高度の難燃性を付与しようと考えた場合に、単に難燃剤の添加量を多くするというだけでは、難燃性の向上は必ずしも十分ではないのみならず、床材の基材としての機械的物性の低下や、木質樹脂組成物の成形時の流動特定の低下による成形速度の低下、成形後のエージング時における難燃剤のブリードアウト等の種々の問題があり、木質樹脂発泡成形体を基材とした床材の難燃性向上手法としては必ずしも適切ではない。
特開2001−353815号公報 特開2002−120347号公報
本発明は、従来の技術における上記の様な問題点を解決するためになされたものであり、木質感やリサイクル適性に優れた木質樹脂発泡成形体を基材とした床材であって、難燃剤の添加量を過剰に増やすことなく、より高い難燃性を付与した床材を提供しようとするものである。
本発明の床材は、熱可塑性樹脂と木質系充填剤とを含有し、且つ発泡している木質樹脂発泡成形体と、前記木質樹脂発泡成形体の表面に積層された化粧シートと、を備え、前記木質樹脂発泡成形体は、未架橋の熱可塑性樹脂と木質系充填剤とを混練して熱可塑性樹脂に木質系充填剤を分散させ、上記混練した熱可塑性樹脂と木質系充填剤とを発泡成形し、上記発泡成形後に放射線を照射することにより熱可塑性樹脂を架橋することにより、形成されることを特徴とする床材である。
本発明の床材は、熱可塑性樹脂及び木質系充填剤を含む木質樹脂発泡成形体を基材とし、その表面に該基材の主成分である熱可塑性樹脂と同系の熱可塑性樹脂からなる化粧シートを積層してなることにより、木質感や切削性、リサイクル適性に優れていることに加え、前記木質樹脂発泡成形体に放射線を照射することにより、前記熱可塑性樹脂を架橋することにより、難燃剤の添加量を極度に増す必要なく、極めて高い難燃性が付与された床材を容易に得ることができるという実用上の顕著な利点を有するものである。
本発明の床材の基本構成は、図1に示す様に、熱可塑性樹脂11と、木質系充填剤12との混合物を、発泡(内部に気泡13が存在)させつつ成形してなる、木質樹脂発泡成形体1の表面に、前記熱可塑性樹脂11と同系の熱可塑性樹脂からなる化粧シート2が積層されてなるものである。
そして、前記木質樹脂発泡成形体1が、発泡成形後に電子線又はγ線等の放射線が照射され、熱可塑性樹脂11が架橋構造を有していることが、本発明においては重要である。
放射線架橋とは、高分子化合物に放射線を照射することにより、イオン化と励起、電子の熱安定化、イオン中和、ラジカル開裂等の初期過程を経て発生した高分子ラジカルが再結合することにより、高分子化合物に架橋構造が付与されることを意味する。
上記のとおり、放射線の照射により熱可塑性樹脂11に架橋構造を付与することにより、照射を行わない場合と比較して、難燃性に優れた床材を得ることが可能である。
通常難燃性を付与するために、ハロゲン系、リン系あるいは無機系の難燃剤などを成形時に添加する手法が用いられる。しかしながら、より高度の難燃性を付与しようと考えた場合には、一般的には単に難燃剤の使用量を多くするというだけで、床材の基材としての機械的物性の低下や、木質樹脂組成物の成形時の流動特定の低下による成形速度の低下、成形後のエージング時における難燃剤のブリードアウト等の種々の問題が危惧される。
しかしながら、本発明による、放射線照射による架橋構造の付与に基づく難燃性付与を利用することで、より高い難燃性を付与した床材を得ることが可能である。さらに、上記した各種の難燃剤を、上記した問題を発生しない範囲での添加を併用することにより、さらに高い難燃性を付与した床材を得ることが可能である。
本発明において、木質樹脂発泡成形体1に添加する難燃剤としては、有機系難燃剤としては、リン酸エステル、縮合リン酸エステルなどが使用できる。また、無機系難燃剤としては、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ホウ酸亜鉛などのホウ酸化合物、三酸化アンチモン、五酸化アンチモンなどが使用できる。
本発明において、木質樹脂発泡成形体1に使用する熱可塑性樹脂11としては、例えばポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリビニル系樹脂、アクリル系樹脂、繊維素誘導体等、従来公知の各種の熱可塑性樹脂から適宜選択が可能であるが、焼却時の塩化水素ガスやダイオキシン等の有害物質の発生や埋め立て時の環境ホルモンの流出等の問題に鑑みると、非ハロゲン系樹脂を使用することが望ましく、中でも、床材として要求される機械的強度や耐候性、耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性等の性能を満たすためには、ポリオレフィン系樹脂を使用することが最も望ましい。
上記ポリオレフィン系樹脂としては例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリイソプレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体、プロピレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体や、これらを接着性の向上の目的で酸変性したもの、あるいはアイオノマー等から適宜選択が可能で、単一でも複数種の混合でも構わない。
中でも、床材として要求される剛性や表面硬度、寸法安定性などの面で、ホモポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、プロピレン−α−オレフィン共重合体などのポリプロピレン系樹脂が最も適している。
また特に、接着性を高めるためには、例えばマレイン酸等の不飽和カルボン酸又はその無水物をグラフト共重合させたポリエチレン又はポリプロピレン等の様に、酸変性した樹脂の配合比を高め、樹脂自体に極性を持たせると共に、木質系充填剤との接着性を高めることが望ましい。
また、本発明においては、木質樹脂発泡成形体1は発泡させる必要があるので、熱可塑性樹脂11に発泡性が要求される。発泡性を良くするためには一般に、熱可塑性樹脂11の溶融張力が高いことが望ましく、特に木質系充填剤12を高充填したときのガス抜けなどが気になる場合は、電子線架橋による長鎖分岐を導入したグレードの利用や、分子量分布のコントロール、また溶融張力を上昇させるフッ素系添加剤のブレンドなど公知の方法で必要に応じて溶融張力を調整することが望ましい。
本発明において、木質樹脂発泡成形体1に使用される木質系充填剤12の素材としては、特に制限されることなく選択が可能であるが、一般的には木材をカッターミルなどによって破断し、これをボールミルやインペラーミルなどにより粉砕して、微粉状にしたもの(木分)などを用いる。
木質系充填剤12の平均粒径は1〜200μm、好ましくは10〜150μmであることが重要である。平均粒径が1μm未満のものは、取り扱いが困難であるうえに、特に木質系充填剤の配合量が多い場合は、樹脂への分散が悪いと、製造される木質樹脂発泡成形体1に機械的強度の低下が発生する。また、200μmより大きいと、成形品の均質性、平面性、機械的強度が低下する。
また、木質系充填剤12の配合量については、熱可塑性樹脂11の100重量部に対して、10重量部から300重量部まで適宜選択が可能であるが、成形性や均質性を高めるために、木質系充填剤12は、熱可塑性樹脂11の100重量部に対して20〜200重量部、より好ましくは30〜150重量部の配合量とすることが望ましい。
木質系充填剤12の配合量が多すぎると、床材の曲げ弾性率が上がり、しなやかさが失われるために、施工性が悪化したり(特に、隅部への施工時や一枚交換時に、床材を撓ませて施工することが難しくなる)、曲げた時に割れ易くなる。一方、少なすぎると、線膨張係数が大きくなり、寸法安定性が低下するために、温度変化によって、床材同士の間の目隙きや、床材同士の突き上げによる浮き等を発生したりする原因となるからである。
本発明において、木質樹脂発泡成形体1を成形するための発泡性木質樹脂組成物には、上記熱可塑性樹脂11と木質系充填剤12の他に、発泡剤が添加されて、成形過程において発泡される。
本発明において、木質樹脂発泡成形体1の成形及び発泡方法は特に問わず、例えば押出成形法、カレンダー成形法、射出成形法、注型成形法等、従来公知の方法を任意に採用することができる。また、発泡倍率の異なる複数層の積層体とする場合にあっては、発泡剤の配合量を変えた複数種の発泡性木質樹脂組成物をそれぞれ別途に押出成形法又は射出成形法等により成形した後に貼り合わせる方法や、複数種の発泡性木質樹脂組成物を使用した逐次押出法又は共押出法、単一種類の発泡性木質樹脂組成物を使用して単一の工程で連続的且つ安定的に成形可能なセルカ成形法などが挙げられる。
本発明において、木質樹脂発泡成形体1の成形に使用する発泡性木質樹脂組成物には、必要に応じて熱安定剤、酸中和剤、紫外線吸収剤、滑剤、造核剤、顔料、ブロッキング防止剤、脱水剤、半透明化のための光散乱剤、艶調整剤等を添加することもできる。
これらの添加剤のうち熱安定剤としてはヒンダードフェノール系、硫黄系、リン系等、酸中和剤としてはステアリン酸金属塩、ハイドロタルサイト等、紫外線吸収剤としてはベンゾトリアゾール系、ベンゾエート系、ベンゾフェノン系、トリアジン系等があり、光安定剤としてはヒンダードアミン系等がある。
滑剤としては炭化水素系滑剤、脂肪酸、高級アルコール系、脂肪酸アマイド系、金属石鹸系、エステル系、フッ素系等、造核剤としてはカルボン酸金属塩系、ソルビトール系、リン酸エステル金属塩系等があり、顔料としては縮合アゾ、不溶性アゾ、キナクリドン、イソインドリノン、アンスラキノン、イミダゾロン、コバルト、フタロシアニン、カーボン、酸化チタン、酸化鉄、雲母等のパール顔料等があり、これらの添加剤を任意の組み合わせで用いるのが一般的である。
また、発泡の手法についても公知の手法がいずれも利用できる。一般的には、熱分解や化学反応によってガスを発生する化学発泡と、低沸点の液体に熱をかけて気化させる物理発泡とに分類でき、化学発泡剤としては無機系の重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウム、ホウ化水素ナトリウム、軽金属、アジド化合物等、また有機発泡剤としてはアゾ系、ニトロソ系、ヒドラジド系等が、任意の組み合わせで使用できる。
また、特に2倍を超える高発泡倍率での発泡には主に物理発泡が用いられ、発泡剤としては炭酸ガスや脂肪族炭化水素が主に用いられる。また、物理発泡に際しても発泡体のセル形状を整えるため化学発泡剤を併用することが多い。
木質樹脂発泡成形体の発泡倍率は、低すぎると発泡させることによる効果に乏しく、高すぎると、放射線架橋によっても要求される硬度が得られないため、1.1〜10.0倍、より好ましくは1.3〜8.0倍の範囲内とすることが望ましい。
本発明において、発泡性木質樹脂組成物を構成する熱可塑性樹脂11、木質系充填剤12、発泡剤及びその他の添加剤の混練については、特に方法を問わないが、バンバリーミキサーによって混練し、ペレタイザーでペレット化する方法や、2軸押出混練機によって混合、ペレット化する方法などが一般的である。また、木質系充填剤12は、含水率が大きいと、ペレタイズ時に発泡の原因となるために、混練前に予め乾燥機やホッパードライヤーで含水率を8%以下に抑えることが望ましい。
本発明においては、発泡成形された木質樹脂発泡成形体1に放射線を照射する工程が必要である。放射線としては、60Coから放射されるγ線や電子線が用いられる。γ線は透過力に優れ、電子線は電子加速器で出力を大きくすることが容易である。どちらを用いるかに関しては特に規定するものではないが、例えば木質樹脂発泡成形体1の表面部分のみを架橋させて傾斜構造を付与するような場合には電子線の照射が有効であり、逆に木質樹脂発泡成形体1の厚み方向に均一に架橋構造を導入させたい場合にはγ線の照射が有効である。
放射線の照射時の温度に関しては、放射線架橋が熱可塑性樹脂11の非晶部に発生したラジカルの再結合反応による事を考慮すると、非晶部の樹脂分子のミクロブラウン運動が開始されるガラス転移温度以上である必要がある。また、放射線架橋は空気中の酸素による阻害を受け易い為に、放射線の照射は酸素を含まない不活性気体中又は真空中で行うことが望ましい。放射線の照射線量としては一般的には1〜100kGy程度が望ましい。
より少ない照射線量で放射線架橋を発生させるためには、1分子中に2個以上の不飽和結合を有する多官能性モノマーの添加が有効である。具体的には、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、ヘキサンジオールジアクリレート、グリセリン−α−アリルエーテル等の中から適宜選択が可能であり、熱安定性の点からトリアリルイソシアヌレートが特に好ましい。
上記木質樹脂発泡成形体1の表面に、該木質樹脂発泡成形体1に含有される熱可塑性樹脂11と同系の熱可塑性樹脂を主体とする化粧シート2が積層されて、本発明の床材が構成される。上記同系の熱可塑性樹脂としては、木質樹脂発泡成形体1に含有される熱可塑性樹脂11に対して、混合しても大きな物性変化を伴わずにリサイクルが可能であることが重要である。
具体的には、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリイソプレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−αオレフィン共重合体、プロピレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体や、これらを接着性の向上を目的として酸変性したもの、アイオノマー等、或いはそれらの混合物、共重合体等、各種のポリオレフィン系樹脂の中から適宜選択が可能であり、これらの中から選ばれる同種又は異種の樹脂を、木質樹脂発泡成形体1用及び化粧シート2用の熱可塑性樹脂として使用することができる。
積層される化粧シート2について重要な点は、上記した通り主に木質樹脂発泡成形体1に含有される熱可塑性樹脂11と同系の熱可塑性樹脂を用いることと、木目、石目、布目、抽象柄などの意匠の印刷が施されていることで、化粧シート自体の構成については何ら制約を受けるものではない。
この化粧シート2は、例えば着色シートに印刷を施した単層化粧シート、着色シートに印刷を施したシートに透明シートをドライラミネート法、エクストルージョンラミネート法、熱ラミネート法などによって貼り合わせた複層の化粧シートや、透明シートの裏面に印刷を施したバック刷りの単層化粧シートなどから用途に応じて適宜選択が可能である。
このとき化粧シート2に十分な隠蔽性があれば安定した意匠の再現が達成され、逆に化粧シート2が透明性を有する場合には木質樹脂発泡成形体1の木質感を活かした意匠表現が可能になる。
化粧シート2の木目柄等のパターン、絵柄、彩色等の印刷に用いるインキは、バインダーとしては硝化綿、セルロース、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、アクリル、ポリエステル系等の単独若しくは各変性物の中から適宜選択すればよい。これらは、水性、溶剤系、エマルジョンタイプのいずれでも問題なく、また1液タイプでも硬化剤を使用した2液タイプでも任意に選定可能である。さらに紫外線や電子線等の照射によりインキを硬化させることも可能である。
中でも最も一般的な方法は、ウレタン系のインキでイソシアネートで硬化させる方法である。これらバインダー以外には通常のインキに含まれている顔料、染料等の着色剤、体質顔料、溶剤、各種添加剤が添加されている。特によく用いられる顔料には縮合アゾ、不溶性アゾ、キナクリドン、イソインドリノン、アンスラキノン、イミダゾロン、コバルト、フタロシアニン、カーボン、酸化チタン、酸化鉄、雲母等のパール顔料等がある。
また、いずれの化粧シート2においても、木質樹脂発泡成形体1への貼り合わせのためのプライマーコートや、表面保護や艶調整のためのトップコート、エンボス法やグロスマット法による導管表現等が施されていても構わない。また、化粧シート2における熱可塑性樹脂層に用いる添加剤も、木質樹脂発泡成形体1におけると同様なものが適宜使用可能である。
化粧シート2の厚さは特に問わないが、0.05〜0.3mm程度の範囲内とされるのが通例である。化粧シート2と木質樹脂発泡成形体1との積層方法は特に問わず、例えば接着剤を介したドライラミネート法又はウェットラミネート法や、接着剤を介した又は介さない熱ラミネート法、超音波融着法や高周波融着法、木質樹脂発泡成形体1の発泡押出成形と同時に冷却サイジング金型内に化粧シート2を導入して貼り合わせる成形同時ラミネート法等、従来公知の方法を任意に用いることができる。
本発明において、化粧シート2が積層される木質樹脂発泡成形体1の表面とは、上面、下面及び側面を含む全表面を指すのでは必ずしもなく、少なくとも床面への施工時に露出面となる上面に積層されていれば良い。そして必要に応じて、上面から側面の一部または全部にかけて、或いは側面の全部を経て下面の一部にかけて、連続して積層した構成とすることもできる。側面の少なくとも上方の一部にかけて化粧シート2が積層されていると、床面に施工した際に、床材同士の隙間が目立ちにくくなる利点がある。
また、本発明の床材には、木質樹脂発泡成形体1の化粧シート2を積層していない面の一部もしくは全部に、前記木質樹脂発泡成形体1に含有される熱可塑性樹脂11と同系の熱可塑性樹脂を主体とする発泡層(図示せず)が積層されていてもよい。例えば、床材の裏面側に発泡層を積層しておくと、床下地面の不陸を吸収してがたつきを防止したり、床面への物品の衝突音や歩行音を吸収して騒音を防止したりするなどの効果がある。
上記発泡層の積層手法については公知の手法が利用でき、例えば木質樹脂発泡成形体1の成形用の発泡性木質樹脂組成物に用いた熱可塑性樹脂11と同系の熱可塑性樹脂に、上記熱分解や化学反応によってガスを発生する化学発泡剤又は低沸点の液体に熱をかけて気化させる物理発泡剤のいずれかの発泡剤によりシート状に発泡成形した発泡成形体を、木質樹脂発泡成形体1の化粧シート2を積層していない面の一部もしくは全部に貼り合わせることにより形成できる。
本発明の床材をリサイクルする場合は、表面に積層された化粧シート2を剥離除去することなくそのまま粉砕し、必要に応じて木質系充填剤12、熱可塑性樹脂11、各種添加剤などを適宜添加して、再度ペレット化し、これを木質樹脂発泡成形体1の成形用材料として再利用することができる。この場合も、破砕物の混練方法やペレット化方法、成形方法等については、特に方法は問わない。また、再ペレット化する代わりに、破砕物をそのまま木質樹脂発泡成形体1の成形材料として成形機に投入したり、木質樹脂発泡成形体1の成形時に破砕物と共に木質系充填剤12や熱可塑性樹脂11を同時に成形機に投入し、成形機内で混練しつつ成形したりしても、勿論かまわない。
ホモポリプロピレン樹脂にマレイン酸変性ホモポリプロピレン樹脂が20重量%添加されてなるホモポリプロピレン系樹脂100重量部と、木材をカッターミルで破断し、これをボールミルにより粉砕して微粉状にした平均粒径100μmの木質系充填剤100重両部と、ステアリン酸カルシウム系滑剤5重量部とを、2軸押出混練機によって混合し、ペレット化して、木質樹脂組成物を作製した。この木質樹脂組成物100重量部に対してトリアリルイソシアヌレート及び重曹−クエン酸系発泡剤を各3重量部添加して、それを1軸押出機でセルカプロセスによって、発泡倍率2.0倍、厚さ6mm、幅300mmの断面長方形状に成形し、さらに表面にコロナ放電処理をして、木質樹脂発泡成形体を作製した。
上記木質樹脂発泡成形体に、500keV、150mAの電子線加速器を用い、照射線量20kGyの電子線照射を行った。
一方、ランダムポリプロピレンに酸化鉄、酸化チタン等の顔料を配合して製膜した厚さ100μmの着色ポリプロピレンシートにウレタン系インキで木目印刷をして、エクストルージョンラミネート法にてホモポリプロピレン樹脂を100μmの厚みでエンボス同時ラミネートし、この裏面にプライマーコートを、表面にトップコートを施して、ポリプロピレン系樹脂製の化粧シートを作製した。しかる後、この化粧シートを上記木質樹脂発泡成形体の表面にラッピング加工法にて貼り合わせて、本発明の床材を作製した。
上記実施例1において、上記木質樹脂組成物100重量部に対してさらに水酸化アルミニウム10重量部を添加し、それ以外は実施例1と同一の要領にて床材を作製した。
上記実施例2において、上記電子線照射の代わりに、60Coを線源とするγ線を照射線量20kGy照射し、それ以外は実施例2と同一の要領にて床材を作製した。
〔比較例1〕
上記実施例1において、木質樹脂発泡成形体に、電子線照射のプロセスを実施せず、それ以外は実施例1と同一の要領にて床材を作製した。
〔比較例2〕
上記実施例1において、上記木質樹脂組成物100重量部に対してさらに水酸化アルミニウム30重量部を添加し、成形後に電子線照射のプロセスを実施せず、それ以外は実施例1と同一の要領にて床材を作製した。
〔性能比較〕
以上のように作製した実施例1〜3及び比較例1、2の床材について、JIS L 1091 メッケルバーナー法に準拠し、燃焼試験を行った。バーナーで120秒加熱した後の残炎時間、残じん時間、および加熱15分後の発煙およびくすぶりの有無を評価し、その結果を下記の表1に示した。
Figure 0004273877
本発明により、熱可塑性樹脂及び木質系充填剤を含む木質樹脂発泡成形体を基材とし、その表面に該基材の主成分である熱可塑性樹脂と同系の熱可塑性樹脂からなる化粧シートを積層してなることにより、木質感や切削性、リサイクル適性に優れていることに加え、前記木質樹脂発泡成形体に放射線を照射することにより、前記熱可塑性樹脂を架橋することにより、高い難燃性を付与した床材を提供することができ、木質樹脂発泡成形体を基材とした床材の使用領域をさらに広げることが可能となった。
本発明の床材の実施の形態を示す側断面図である。
符号の説明
1 木質樹脂発泡成形体
11 熱可塑性樹脂
12 木質系充填剤
13 気泡
2 化粧シート

Claims (1)

  1. 熱可塑性樹脂と木質系充填剤とを含有し、且つ発泡している木質樹脂発泡成形体と、
    前記木質樹脂発泡成形体の表面に積層された化粧シートと、を備え、
    前記木質樹脂発泡成形体は、
    未架橋の熱可塑性樹脂と木質系充填剤とを混練して熱可塑性樹脂に木質系充填剤を分散させ、
    上記混練した熱可塑性樹脂と木質系充填剤とを発泡成形し、
    上記発泡成形後に放射線を照射することにより熱可塑性樹脂を架橋することにより、形成されること
    を特徴とする床材。
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