JP2008248050A - 化粧部材およびそれを用いた化粧材 - Google Patents

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Abstract

【課題】 耐水性、耐凹み性に優れ、触感や歩行感が良く、防音性能においても優れ、かつ、建築物の内装や建具等の表面材として十分な耐久性を有する化粧部材およびそれを用いた化粧板を提供することであり、さらには、優れたリサイクル性を有し、また、廃棄後、焼却処分される際に炭酸ガスの発生量の少ない化粧部材およびそれを用いた化粧材を提供することである。
【解決手段】 天然物に由来する樹脂を含有してなる熱可塑性樹脂に木質系充填剤を配合した樹脂組成物を成形してなる木粉樹脂成形体からなることを特徴とする化粧部材。また、前記化粧部材の一方の表面に、表面保護層を有する化粧シートが積層されていることを特徴とする化粧材。
【選択図】 図1

Description

本発明は、床材、壁材、天井材等の建築物の内装、建具等の表面材などに用いられる化粧部材およびそれを用いた化粧材に関し、さらに詳しくは、リサイクル性に優れ、焼却廃棄時に炭酸ガスの発生量の少ない化粧部材およびそれを用いた化粧材に関するものである。
従来、化粧材は合板、中密度繊維板、パーティクルボード等の木質系基材に、突板や化粧シートを設けたものである。その中でも特に床材は、家具などが置かれると共に、近年の室内調度品の洋風化やバリアーフリー化に伴い、キャスター付きの家具や車椅子等の室内での使用も益々増加しつつあり、これらの対応、すなわち、跡形が残らない耐性を備えた床材、あるいは、硬くて重い落下物による凹みが生じない耐性を備えた床材が要望されている。また、他方においては、素足で歩くこともあり、触感や歩行感の良い床材、あるいは、階下に対する防音性能なども要望されている。
現在、床材は、合板等の木質系基材に表面材として突板を貼着したもの、あるいは、表面材として化粧シートを貼着したものが一般的である。表面材として突板を用いたものは、キャスターや落下物で容易に凹みが生じ易いという欠点があり、最近では合板等の木質系基材の上に中密度繊維板(MDF)を貼り、その上に突板を貼着し、突板表面を塗装した耐凹み性を改善した床材が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
しかしながら、MDFは耐水性が悪く、湿潤環境下において目割れや膨れなどの問題が発生し易いという問題があると共に、表面に突板を用いるために色合わせのための塗装が必要であり、作業が煩雑であると共に、意匠的にも選択の幅が狭いという問題がある。
このような特許文献1が抱える問題を解決するものとして、表面材として突板に代えて熱可塑性樹脂からなる化粧シートを合板等の木質系基材に貼着した床材が提案されている(たとえば、特許文献2参照)。しかし、特許文献2に開示された床材は、特許文献1に開示された床材に比べて、表面材が熱可塑性樹脂からなる化粧シートであるために、使用後のリサイクルが困難であるという問題がある。
また、特許文献1、2の両方の抱える問題を解決するものとして、木質系基材に代えて、熱可塑性合成樹脂に木粉などの木質系充填剤を配合した基材を用い、これに前記熱可塑性合成樹脂と同系の熱可塑性合成樹脂からなる化粧シートを積層した床材に代表されるような化粧材が提案されている(たとえば、特許文献3参照)。
特許文献3に開示された化粧板は、同系の熱可塑性合成樹脂からなる基材と化粧シートとからなるものであり、また、基材が木粉などの木質系充填剤を配合したものであり、硬度があり、耐凹み性において優れると共に、リサイクル性においても優れるものである。
しかしながら、床材、壁材、天井材等の建築物の内装、建具等の表面材などに用いられる化粧部材およびそれを用いた化粧材のリサイクルルートが確立されていない現状、また、リサイクルルートが確立されたとしても、リサイクルされるたびに、樹脂に対して加熱、溶融、成形等の処理が加えられるので、床材等の化粧材として要求される弾性、各種強度等の諸物性を確保することができず、半永久的なリサイクルはあり得ず、最終的には廃棄処分されることになる。処分の形態としては、埋め立てが可能であるが、埋め立て用地確保の問題があり、極力、焼却処分による灰分のみを埋め立てることが望まれている。また、焼却処分においては、焼却により発生する炭酸ガスによる地球温暖化の問題がある。
特開平07−314406号公報 登実第3051530号公報 特開2001−353815号公報
そこで本発明は、耐水性、耐凹み性に優れ、触感や歩行感が良く、防音性能においても優れ、かつ、建築物の内装や建具等の表面材として十分な耐久性を有する化粧部材およびそれを用いた化粧板を提供することであり、さらには、優れたリサイクル性を有し、また、廃棄後、焼却処分される際に炭酸ガスの発生量の少ない化粧部材およびそれを用いた化粧材を提供することである。
本発明者は、上記課題を達成するために、請求項1記載の本発明の化粧部材は、天然物に由来する樹脂を含有してなる熱可塑性樹脂に木質系充填剤を配合した樹脂組成物を成形してなる木粉樹脂成形体からなることを特徴とするものである。
また、請求項2記載の本発明の化粧材は、請求項1記載の化粧部材の一方の表面に、表面保護層を有する化粧シートが積層されていることを特徴とするものである。
また、請求項3記載の本発明は、請求項2記載の化粧材において、前記化粧材の少なくとも一方の面に発泡層が設けられていることを特徴とするものである。
また、請求項4記載の本発明の化粧部材は、天然物に由来する樹脂を含有してなる熱可塑性樹脂に木質系充填剤を配合した樹脂組成物を成形してなる木粉樹脂成形体が異型押出成形体であって、押出し成形時に少なくともその一方の面の表層に発泡層を備えてなることを特徴とするものである。
また、請求項5記載の本発明の化粧材は、請求項4記載の化粧部材の一方の表面に、表面保護層を有する化粧シートが積層されていることを特徴とするものである。
また、請求項6記載の本発明は、請求項2、5のいずれかに記載の化粧材において、前記化粧シートが基材層と前記表面保護層とからなり、前記基材層と前記表面保護層との間に印刷層が設けられ、前記基材層が天然物に由来する樹脂を含有してなる熱可塑性樹脂からなることを特徴とするものである。
また、請求項7記載の本発明は、請求項6記載の化粧材において、前記印刷層と前記表面保護層との間に合成樹脂製透明樹脂層が設けられ、該合成樹脂製透明樹脂層が天然物に由来する樹脂を含有してなる熱可塑性樹脂からなることを特徴とするものである。
また、請求項8記載の本発明は、請求項3、4のいずれかに記載の化粧材において、前記発泡層が天然物に由来する樹脂を含有してなる熱可塑性樹脂からなることを特徴とするものである。
また、請求項9記載の本発明は、請求項3、4、8のいずれかに記載の化粧材において、前記発泡層の発泡倍率が1.5倍以上20倍以下の範囲であることを特徴とするものである。
また、請求項10記載の本発明は、請求項3、4、8のいずれかに記載の化粧材において、前記発泡層の圧縮硬さが60〜800kPaであることを特徴とするものである。
本発明によれば、耐水性、耐凹み性に優れ、触感や歩行感が良く、防音性能においても優れ、かつ、建築物の内装や建具等の表面材として十分な耐久性を有し、さらに、廃棄後、焼却処分されたとしても、植物が固定化した炭酸ガスを排出することになり、それだけ石化資源による排出を抑制することができ、地球温暖化の防止に寄与できる。また、リサイクルルートが確立されれば、リサイクルも可能である。
上記の本発明について、図面等を用いて以下に詳述する。
図1は本発明にかかる化粧材の一実施例の層構成を図解的に示す図、図2は本発明にかかる化粧材を構成する化粧シートの第1実施形態を図解的に示す層構成図、図3は本発明にかかる化粧材を構成する化粧シートの第2実施形態を図解的に示す層構成図、図4は本発明にかかる化粧材を構成する化粧シートの第3実施形態を図解的に示す層構成図であり、図中の1は化粧材、2は化粧シート、3は接着剤層、4は化粧部材、5,5’,5”はプライマー層、6は凹陥模様、7はワイピングインキ、8は絵柄印刷層、8’はベタ柄印刷層、10は発泡層、20は基材層、21は表面保護層、22は合成樹脂製透明樹脂層、22’は合成樹脂層をそれぞれ示す。
図1は本発明にかかる化粧材の一実施例の層構成を図解的に示す図であって、化粧材1は木粉樹脂成形体からなる化粧部材4の一方の面に接着剤層3を介して基材層20の表層に表面保護層21を有する化粧シート2が積層され、他方の面に接着剤層3を介して発泡層10が積層されたものである。また、前記化粧材1を床材として用いる場合には、図示はしないが、前記化粧部材4の側端部に雌実、雄実からなる実部が設けられ、床材同士の雌実と雄実を嵌合させて床下地上に敷設されるものである。
図2は本発明にかかる化粧材を構成する化粧シートの第1実施形態を図解的に示す層構成図であって、化粧シート2は基材層20としての合成樹脂製透明樹脂層22の一方の面にエンボス加工を施して凹陥模様6を設け、その上からワイピング処理を施して前記凹陥模様6の凹部内にワイピングインキ7を充填した後に、表出面全面にプライマー層5を設け、該プライマー層5上に硬化型樹脂からなる表面保護層21を形成すると共に前記合成樹脂製透明樹脂層22の他方の面にプライマー層5’を介して絵柄印刷層8、ベタ柄印刷層8’を順に印刷形成したものである。この化粧シート2は該化粧シート2の前記ベタ柄印刷層8’と前記化粧部材4とが前記接着剤層3を介して積層される。
図3は本発明にかかる化粧材を構成する化粧シートの第2実施形態を図解的に示す層構成図であって、化粧シート2は基材層20としての合成樹脂層22’の少なくとも一方の面にプライマー層5”を設け、該プライマー層5”上にベタ柄印刷層8’、絵柄印刷層8を順に印刷形成し、さらに前記絵柄印刷層8側の面全面に接着剤層3’を介して合成樹脂製透明樹脂層22が積層され、該合成樹脂製透明樹脂層22の表面にエンボス加工を施して凹陥模様6を設け、その後、図2に示したと同様に、凹陥模様6の上からワイピング処理を施して前記凹陥模様6の凹部内にワイピングインキ7を充填し、さらに表面にプライマー層5を設け、該プライマー層5上に硬化型樹脂からなる表面保護層21を形成したものである。この化粧シート2は該化粧シート2の前記合成樹脂層22’と前記化粧部材4とが前記接着剤層3を介して積層される。
図4は本発明にかかる化粧材を構成する化粧シートの第3実施形態を図解的に示す層構成図であって、化粧シート2は基材層20としての合成樹脂層22’の少なくとも一方の面にプライマー層5’を設け、該プライマー層5’上にベタ柄印刷層8’、絵柄印刷層8を順に印刷形成し、前記絵柄印刷層8側の面全面にプライマー層5を設け、該プライマー層5上に硬化型樹脂からなる表面保護層21を形成したものである。この化粧シート2は該化粧シート2の前記合成樹脂層22’と前記化粧部材4とが前記接着剤層3を介して積層される。なお、図2、3に示した化粧シート2は、エンボス加工とワイピング処理を施した実施態様を示したが、これらは必須ではなく、必要に応じて設ければよいものである。
前記化粧部材4、前記基材層20、合成樹脂製透明樹脂層22、および、前記発泡層10に用いる熱可塑性樹脂としては、たとえば、低密度ポリエチレン(線状低密度ポリエチレンを含む),中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ホモポリプロピレン、エチレンαオレフィン共重合体、ポリメチルペンテン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、エチレン−エチルアクリレート共重合体やこれらの酸変性物、アイオノマー樹脂、あるいは、これらの混合物等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエチレンナフタレート−イソフタレート共重合体等のポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ABS樹脂等の非ハロゲン系樹脂が焼却時の塩化水素ガスやダイオキシン等の有害物質の発生や、埋め立て処分時の内分泌攪乱物質(いわゆる、環境ホルモン)の溶出などの問題を考慮すると適当であるが、中でも、化粧部材4としての耐候性や耐熱性、耐薬品性等の諸耐性において優れると共にコスト面でも比較的安価で、入手も容易であるなどの点からポリオレフィン系樹脂が好ましい。
また、上記した熱可塑性樹脂に含有させる天然物に由来する樹脂としては、天然物から得られるモノマーを重合してなる樹脂をいい、たとえば、トウモロコシ、ジャガイモ、サトウキビなどの農作物から得られるでんぷんを発酵させ、生成する乳酸を重合させたポリ乳酸系樹脂等が好適に挙げられる。また、でんぷんを発酵させて得たコハク酸、さらには、これを水添して得た1,4−ブタンジオール、乳酸等を原料にして得られるポリサクシネート系樹脂等が好適に挙げられる。なお、ここで用いられる農作物は廃棄部分を利用することにより、農作物の廃棄物を有効活用することができ、その他廃紙、生ゴミなどから抽出したでんぷんを利用することもできる。また、食料、飼料にならない規格外のものを利用することも好ましい。
本発明で好適に使用されるポリ乳酸系樹脂の数平均分子量としては、5万以上であることが好ましく、さらには7万以上であることが好ましい。数平均分子量の上限は特にないが、製造上の制約から、通常100万以下、好ましくは50万以下である。ポリ乳酸系樹脂としては、ポリ−L−乳酸を主成分とするものが特に好適である。なお、ポリ−L−乳酸中には、一部ポリ−D−乳酸を含んでいてもよいものである。また、このポリ乳酸系樹脂にさらに成形加工適性を付与する必要がある場合には、ポリ乳酸系樹脂をハードセグメントとし、これに例えばε−カプロラクタム等のソフトセグメントを組み合わせることが好ましい。ここで用いるε−カプロラクタムの重量平均分子量は、1〜10万程度のものが好ましい。ここで、ハードセグメントとソフトセグメントは共重合体としてもよいし、単に混合してもよく、また、ハードセグメントとソフトセグメントの混合比は、1/9〜9/1(重合比)程度であることが好ましい。上記、ポリ乳酸系樹脂は生分解性プラスチックとして知られるが、本発明では建材としての耐久性を高めるために、ポリ乳酸系樹脂を用いた前記化粧部材4、前記基材層20、合成樹脂製透明樹脂層22、および、発泡層10中に紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、架橋助剤等を導入するか、あるいは、化粧材1ないし化粧シート2の表面に紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤などを配合した樹脂等でオーバーコート処理し、生分解性を抑制することが好ましい。
また、天然物に由来する樹脂として、ポリ乳酸系樹脂以外の樹脂として、ポリサクシネートも好適に用いることができ、数平均分子量が2万〜10万程度のものが適当であり、さらには3万〜10万の範囲のものが好ましい。また、ガラス転移温度(Tg)が−50〜0℃程度のものが好ましい。ポリサクシネートにおいても、ポリ乳酸系樹脂と同様に、生分解性を抑制し、耐久性を高めるために、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、架橋助剤等を導入するか、あるいは、化粧材1ないし化粧シート2の表面に紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤などを配合した樹脂等でオーバーコート処理し、生分解性を抑制することが好ましい。本発明で用い得るポリサクシネートとして、具体的には、ポリエチレンサクシネート、ポリプロピレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリペンタンサクシネート、ポリへキサンサクシネート等が好適に挙げられる。このように、化粧材1の主要な構成部分をすべてポリオレフィン系樹脂と天然物に由来する樹脂とすることにより、リサイクル性に優れたものとすることができると共に、焼却処分されたとしても、植物が固定化した炭酸ガスを排出することになり、それだけ石化資源による排出を抑制することができ、地球温暖化の防止に寄与できる。
上述のように、化粧材1や化粧シート2の生分解性を抑制し、化粧材1や化粧シート2の耐久性を高めるための添加剤として、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤などが用いられる。紫外線吸収剤としては、有機系紫外線吸収剤と無機系紫外線吸収剤があり、有機系紫外線吸収剤として、たとえば、トリアジン系、具体的には、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5[(ヘキシル)オキシ]−フェノール、2−ジ−n−ブチルアミノ−4,6−ジメルカプト−s-トリアジンなど;ベンゾトリアゾール系、具体的には、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、ポリエチレングリコールの3−[3−(ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオン酸エステルなどが挙げられる。
また、光安定剤としては、たとえば、ヒンダードアミン系、具体的には2−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2’−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレートなどが挙げられる。なお、紫外線吸収剤や光安定剤として、分子内に(メタ)アクリロイル基などの重合性基を有する反応性の紫外線吸収剤や光安定剤を用いることもできる。
次に、酸化防止剤としては、たとえば、フェノール系酸化防止剤、具体的には2,6−ジターシャリーブチル−p−クレゾール、2,5−ジターシャリーアミルハイドロキノン、2,5−ジターシャリーブチルハイドロキノン、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−ターシャリーブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−ターシャリーブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−ターシャリーブチルフェノール)、4,4’−チオ−ビス(6−ターシャリーブチル−m−クレゾール)など;アミン系酸化防止剤、たとえば、ジフェニルアミン誘導体、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジハイドロキノリンなどが挙げられる。
また、前記化粧シート2の基材層20,20’には、上記添加剤以外にも、必要に応じ、顔料、染料、充填剤、発泡剤、難燃剤等を添加することができる。たとえば、充填剤としては、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレー、タルク等の粉末が用いられ、必要に応じて適量添加する。難燃剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の粉末が用いられ、これらは、難燃性を付与する必要がある場合に添加する。添加量は基材シート100質量部に対して10〜150質量部程度である。
また、前記化粧部材4、前記基材層20,20’、および、前記発泡層10を構成する樹脂の比率として、前記化粧部材4および前記発泡層10においては、熱可塑性樹脂(天然物に由来する樹脂以外の樹脂)が1〜55重量%であって、天然物に由来する樹脂が99〜45重量%が適当であり、また、前記基材層20,20’においては、熱可塑性樹脂(天然物に由来する樹脂以外の樹脂)が0〜100重量%であって、天然物に由来する樹脂が100〜0重量%が適当である。また、前記合成樹脂製透明樹脂層22は無色透明、着色透明、あるいは、半透明であってもよいし、前記合成樹脂層22’は無色透明であってもよいし、着色された透明、不透明のいずれであってもよいものである。
また、前記化粧部材4に配合される木質系充填剤としては、基本的には天然の木材を主原料として製造された粉状、粒状ないし短繊維状の充填剤であれば特に限定されるものではなく、従来公知のものから任意に選択できるが、一般的には、木材をカッターミル等によって破断し、これをボールミルやインペラーミルなどのより粉砕して微粉状にした木粉などが好適に挙げられ、平均粒径としては概ね数μmから数百μmであり、木質系充填剤の配合量は、樹脂分100重量部に対して10〜70重量部、好ましくは20〜60重量部である。なお、樹脂分に対する木質系充填剤の配合割合により、木粉樹脂成形体の機械的強度、均質性、平面性等を得るための木質系充填剤の使用する平均粒径は適宜選択すべきである。
また、前記化粧部材4の成形方法としては、射出形成法や押出成形法等の従来公知の成形方法を採ることができるし、また、前記基材層20をシート化する方法についても従来公知のシート化法を採ることができ、未延伸の状態、あるいは、一軸ないし二軸方向に延伸した状態のいずれの状態であってもよいものであって、厚さとしては概ね60〜300μm程度である。また、これらのシートは必要に応じて必要な面にコロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理等の周知の易接着処理を施してもよいものである。
また、前記発泡層10としては、従来公知の任意の樹脂発泡手法を採ることができるが、熱可塑性樹脂等に発泡剤を添加して発泡させる発泡手法が簡便に安定した発泡状態が得られるので好ましい。発泡剤としては、アゾジカーボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、N−N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の熱分解型、または、アクリロニトリル等の樹脂球殻中にヘキサン、イソブタン等の熱膨張製気体を封入したマイクロカプセル型を挙げることができる。添加量としては、樹脂分100重量部に1〜10重量部である。なお、前記発泡層10の発泡倍率としては、低すぎると触感や歩行感が悪く、防音性能においても劣り、高すぎると柔らかすぎて逆にクッション効果が薄れたり、耐凹み性が悪くなるので、1.2倍以上20倍以下の範囲内とすることが適当であり、好ましくは1.5倍以上15倍以下の範囲である。また、前記発泡層10の圧縮硬さも、上記発泡倍率と同様に、クッション性、触感や歩行感、遮音性等に大きく影響するものであり、高すぎても低すぎても適度なクッション性、触感や歩行感、遮音性等を得ることができないので、60〜800kPa(JIS K 6767)の範囲内で設計することが好ましい。
また、前記絵柄印刷層8および前記ベタ柄印刷層8’としては、グラビア印刷法、オフセット印刷法、シルクスクリーン印刷法等の周知の印刷法でインキを用いて形成することができる。前記絵柄印刷層8としては、たとえば、木目模様、石目模様、布目模様、皮紋模様、幾何学模様、文字、記号、線画、各種抽象模様柄であり、前記ベタ柄印刷層8’としては隠蔽性を有する着色インキでベタ印刷したものである。図2〜4においては、前記絵柄印刷層8と前記ベタ柄印刷層8’の両印刷層を設けた構成を示したが、いずれか一方の構成であってもよいものである。
また、前記絵柄印刷層8および前記ベタ柄印刷層8’を形成するインキとしては、ビヒクルとして塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等の塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、イソシアネートとポリオールとからなるポリウレタン、ポリアクリル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、セルロース系樹脂、ポリアミド樹脂等を1種ないし2種以上混合して用い、これに顔料、溶剤、各種補助剤等を加えてインキ化したものを用いることができ、環境問題を考慮すると、ポリエステル、イソシアネートとポリオールからなるポリウレタン、ポリアクリル、ポリ酢酸ビニル、セルロース系樹脂、ポリアミド系樹脂等の1種ないし2種以上混合した非塩素系のビヒクルが適当であり、より好ましくはポリエステル、イソシアネートとポリオールからなるポリウレタン、ポリアクリル、ポリアミド系樹脂等の1種ないし2種以上混合したものである。また、前記ワイピングインキ7についても、上記したインキを用いればよいものである。
次に、前記表面保護層21について説明する。この表面保護層21は化粧シート2に要求される耐擦傷性、耐摩耗性、耐汚染性、耐水性、耐候性等の表面物性を付与するために設けられるものであり、この表面保護層21を形成する樹脂としては、熱硬化型樹脂ないし電離放射線硬化型樹脂等の硬化型樹脂を用いて形成するのが適当であるが、より好ましくは表面硬度が硬く、生産性に優れるなどから電離放射線硬化型樹脂である。
熱硬化型樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂(2液硬化型ポリウレタンも含む)、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、珪素樹脂、ポリシロキサン樹脂等を挙げることができる。上記樹脂には必要に応じて、架橋剤、重合開始剤等の硬化剤、または、重合促進剤を添加して用いる。たとえば、硬化剤としては、イソシアネートまたは有機スルホン酸塩等が不飽和ポリエステル樹脂やポリウレタン樹脂等に添加され、有機アミン等がエポキシ樹脂に添加され、メチルエチルケトンパーオキサイド等の過酸化物やアゾイソブチルニトリル等のラジカル開始剤は不飽和ポリエステル樹脂に添加される。上記熱硬化型樹脂で表面保護層を形成する方法としては、たとえば、上記した熱硬化型樹脂を溶液化し、ロールコート法、グラビアコート法等の周知の塗布法で前記基材層20等の所定の面に塗布し、乾燥すると共に硬化させることにより形成することができる。表面保護層の塗布量としては概ね5〜200g/m2が適当である。
また、電離放射線硬化型樹脂としては、分子中に、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基等のラジカル重合性不飽和基、またはエポキシ基等のカチオン重合性官能基を有する単量体、プレポリマーまたはポリマーからなる。これら単量体、プレポリマーまたはポリマーは、単体で用いるか、あるいは、複数種混合して用いる。なお、本明細書で(メタ)アクリレートとは、アクリレートないしメタアクリレートの意味で用いる。また、電離放射線とは、電磁波ないし荷電粒子線のうち分子を重合あるいは架橋し得るエネルギー量子を有するものを意味し、通常は紫外線ないし電子線である。
ラジカル重合性不飽和基を有するプレポリマーとしては、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、トリアジン(メタ)アクリレート、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。このプレポリマーは、通常、分子量が10000程度以下のものが用いられる。分子量が10000を超えると硬化した樹脂層の耐擦傷性、耐摩耗性、耐薬品性、耐熱性等の表面物性が不足する。上記のアクリレートとメタアクリレートとは共用し得るが、電離放射線での架橋硬化速度という点ではアクリレートの方が速いため、高速度、短時間で能率よく硬化させるという目的ではアクリレートの方が有利である。
カチオン重合性官能基を有するプレポリマーとしては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、脂環型エポキシ樹脂等のエポキシ系樹脂、脂肪族系ビニルエーテル、芳香族系ビニルエーテル、ウレタン系ビニルエーテル、エステル系ビニルエーテル等のビニルエーテル系樹脂、環状エーテル化合物、スピロ化合物等のプレポリマーが挙げられる。
ラジカル重合性不飽和基を有する単量体の例としては、(メタ)アクリレート化合物の単官能単量体として、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシブチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2エチルヘキシル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジベンジルアミノエチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルハイドロゲンテレフタレート等が挙げられる。
また、ラジカル重合性不飽和基を有する多官能単量体として、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノール−A−ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイドトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセリンポリエチレンオキサイドトリ(メタ)アクリレート、トリス(メタ)アクリロイルオキシエチルフォスフェート等が挙げられる。
カチオン重合性官能基を有する単量体は、上記カチオン重合性官能基を有するプレポリマーの単量体を用いることができる。
上記した電離放射線硬化型樹脂を、紫外線を照射することにより硬化させる場合には、増感剤として光重合開始剤を添加する。ラジカル重合性不飽和基を有する樹脂系の場合の光重合開始剤は、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、ミヒラーケトン、ジフェニルサルファイド、ジベンジルジサルファイド、ジエチルオキサイト、トリフェニルビイミダゾール、イソプロピル−N,N−ジメチルアミノベンゾエート等を単独ないし混合して用いることができる。また、カチオン重合性官能基を有する樹脂系の場合は、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、メタロセン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル、フリールオキシキソニウムジアリルヨードシル塩等を単独ないし混合物として用いることができる。なお、これら光重合開始剤の添加量は、一般に、電離放射線硬化型樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部程度である。前記表面保護層21の形成方法としては、前記した電離放射線硬化型樹脂を溶液化し、グラビアコート法やロールコート法等の周知の塗布方法で前記基材層20等の所定の面に塗布することにより形成することができる。塗布量としては、固形分として概ね5〜200g/m2が適当である。
次に、前記表面保護層21に、一層の耐擦傷性や耐摩耗性を付与する場合には、酸化アルミニウム、炭化珪素、二酸化珪素、チタン酸カルシウム、チタン酸バリウム、マグネシウムパイロボレート、酸化亜鉛、窒化珪素、酸化ジルコニウム、酸化クロム、酸化鉄、窒化硼素、ダイヤモンド、金剛砂、黒鉛等の無機粒子、あるいは、架橋アクリル等の合成樹脂からなるビーズなどの有機粒子等の微粒子を加えることにより達成することができる。前記微粒子は微粒子表面に突起や角のあるものでもよいが、突起や角のない真球状、楕円上、あるいは、これらに近い形状が加工適性の点から、また、靴底等を摩耗させない点等から好ましい。前記微粒子の平均粒子径としては、前記表面保護層21の塗膜厚さにより選択して用いる必要があるが、基本的には前記微粒子が前記表面保護層21から一部表出するように選択すべきであり、通常、平均粒径としては5〜100μm程度のものである。また、前記微粒子の硬化型樹脂100重量部に対する割合は1〜50重量部、好ましくは5〜20重量部である。
また、前記表面保護層21には、要求される物性に応じて、たとえば、ベンゾトリアゾール系,ベンゾフェノン系,トリアジン系等の周知の有機系紫外線吸収剤や平均粒径が5〜120nm程度の二酸化チタン,酸化セリウム,酸化亜鉛等の無機系紫外線吸収剤、あるいは、ヒンダードアミン系等の周知の光安定剤、あるいは、帯電防止剤、レべリング剤等の周知の添加剤を添加することができる。
次に、前記プライマー層5、5’、5”について説明する。前記プライマー層5は
前記基材層20としての合成樹脂製透明樹脂層22と前記表面保護層21の接着強度を向上させる目的で設けるものであり、前記プライマー層5’は前記基材層20としての合成樹脂製透明樹脂層22あるいは前記基材層20としての合成樹脂層22’と前記絵柄印刷層8ならびに前記ベタ柄印刷層8’との接着強度を向上させる目的で設けるものであり、前記プライマー層5”は前記基材層20としての合成樹脂層22’と前記絵柄印刷層8ならびに前記ベタ柄印刷層8’との接着強度を向上させる目的で設けるものである。以下、前記プライマー層5、5’、5”を総称してプライマー層と呼称する。このプライマー層としては、(i)アクリル樹脂とウレタン樹脂との共重合体と、(ii)イソシアネートとからなる樹脂で形成されたものである。すなわち、(i)のアクリル樹脂とウレタン樹脂との共重合体は、末端に水酸基を有するアクリル重合体成分(成分A)、両末端に水酸基を有するポリエステルポリオール成分(成分B)、ジイソシアネート成分(成分C)を配合して反応させてプレポリマーとなし、該プレポリマーにさらにジアミンなどの鎖延長剤(成分D)を添加して鎖延長することで得られるものである。この反応によりポリエステルウレタンが形成されると共にアクリル重合体成分が分子中に導入され、末端に水酸基を有するアクリル−ポリエステルウレタン共重合体が形成される。このアクリル−ポリエステルウレタン共重合体の末端の水酸基を(ii)のイソシアネートと反応させて硬化させたものが前記プライマー層である。
前記成分Aは、末端に水酸基を有する直鎖状のアクリル酸エステル重合体が用いられる。具体的には、末端に水酸基を有する直鎖状のポリメチルメタクリレート(PMMA)が耐候性(特に光劣化に対する特性)に優れ、ウレタンと共重合させて相溶化するのが容易である点から好ましい。前記成分Aは、共重合体においてアクリル樹脂成分となるものであり、分子量5000〜7000(重量平均分子量)のものが耐候性、接着性が特に良好であるために好ましく用いられる。また、前記成分Aは、両末端に水酸基を有するもののみを用いてもよいが、片末端に共役二重結合が残っているものを上記の両末端に水酸基を有するものと混合して用いてもよいものである。共役二重結合が残っているアクリル重合体を混合することにより、前記プライマー層と接する層、たとえば、前記表面保護層21の電離放射線硬化型樹脂とアクリル重合体の共役二重結合が反応するために電離放射線硬化型樹脂との間の接着性を向上させることができる。
前記成分Bは、ジイソシアネートと反応してポリエステルウレタンを形成し、共重合体においてウレタン樹脂成分を構成するものである。前記成分Bは、両末端に水酸基を有するポリエステルジオールが用いられる。このポリエステルジオールとしては、芳香族ないしスピロ環骨格を有するジオール化合物とラクトン化合物ないしその誘導体、またはエポキシ化合物との付加反応生成物、二塩基酸とジオールとの縮合生成物、および、環状エステル化合物から誘導されるポリエステル化合物等を挙げることができる。上記ジオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、メチルペンテンジオール等の短鎖ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環族短鎖ジオール等を挙げることができる。また、上記二塩基酸としては、アジピン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等を挙げることができる。ポリエステルポリオールとして好ましいのは、酸成分としてアジピン酸ないしアジピン酸とテレフタル酸の混合物、特にアジピン酸が好ましく、ジオール成分として3−メチルペンタンジオールおよび1,4−シクロヘキサンジメタノールを用いたアジペート系ポリエステルである。
前記プライマー層において、前記成分Bと前記成分Cとが反応して形成されるウレタン樹脂成分は、前記プライマー層に柔軟性を与え、前記合成樹脂製透明樹脂層22あるいは前記合成樹脂層22’との接着性に寄与する。また、アクリル重合体からなるアクリル樹脂成分は、前記プライマー層において耐候性および耐ブロッキング性に寄与する。ウレタン樹脂において、前記成分Bの分子量は前記プライマー層に柔軟性を十分に発揮可能なウレタン樹脂が得られる範囲であればよく、アジピン酸ないしアジピン酸とテレフタル酸の混合物と、3−メチルペンタンジオールおよび1,4−シクロヘキサンジメタノールからなるポリエステルジオールの場合、500〜5000(重量平均分子量)が好ましい。
前記成分Cは、1分子中に2個のイソシアネート基を有する脂肪族ないし脂環族のジイソシアネート化合物が用いられる。このジイソシアネートとしては、たとえば、テトラメチレンジイソシアネート、2,2,4(2,4,4)−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4’−シクロヘキシルジイソシアネート等を挙げることができる。ジイソシアネート成分としては、イソホロンジイソシアネートが物性およびコストが優れる点で好ましい。上記の成分A〜Cを反応させる場合のアクリル重合体、ポリエステルポリオールおよび後述する鎖延長剤の合計の水酸基(アミノ基の場合もある)と、イソシアネート基の当量比はイソシアネート基が過剰となるようにする。
上記の三成分A、B、Cを60〜120℃で2〜10時間程度反応させると、ジイソシアネートのイソシアネート基がポリエステルポリオール末端の水酸基と反応してポリエステルウレタン樹脂成分が形成されると共にアクリル重合体末端の水酸基にジイソシアネートが付加した化合物も混在し、過剰のイソシアネート基および水酸基が残存した状態のプレポリマーが形成される。このプレポリマーに鎖延長剤として、たとえば、イソホロンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等のジアミンを加えてイソシアネート基を前記鎖延長剤と反応させ、鎖延長することでアクリル重合体成分がポリエステルウレタンの分子中に導入され、末端に水酸基を有する(i)のアクリル−ポリエステルウレタン共重合体を得ることができる。
(i)のアクリル−ポリエステルウレタン共重合体に、(ii)のイソシアネートを加えると共に、塗布法、乾燥後の塗布量を考慮して必要な粘度に調節した塗布液となし、グラビアコート法、ロールコート法等の周知の塗布法で塗布することにより前記プライマー層を形成することができる。プライマー層の乾燥後の塗布量としては、1〜20g/m2であり、好ましくは1〜5g/m2である。また、このプライマー層は、必要に応じてシリカ粉末などの充填剤、光安定剤、着色剤等の添加剤を添加した層としてもよいものである。また、(ii)のイソシアネートとしては、(i)のアクリル−ポリエステルウレタン共重合体の水酸基と反応して架橋硬化させることが可能なものであればよく、たとえば、2価以上の脂肪族ないし芳香族イソシアネートが使用でき、特に熱変色防止、耐候性の点から脂肪族イソシアネートが望ましい。具体的には、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートの単量体、または、これらの2量体、3量体などの多量体、あるいは、これらのイソシアネートをポリオールに付加した誘導体(アダクト体)のようなポリイソシアネートなどを挙げることができる。なお、図2〜図4の化粧シート2においては、プライマー層(図2〜4上、符号5、5’、5”で示した層)を設けた構成のものを示したが、これは、本発明の化粧材1を床材として用い、しかも床材としての高レベルの要求に応える仕様であり、床材としての要求レベルが低い場合、あるいは、床材以外の用途の化粧材1として用いる場合には、これらプライマー層(図2〜4上、符号5、5’、5”で示した層)は必ず設けなければならないものでもない。
また、前記凹陥模様6は加熱プレスやヘアライン加工などにより形成することができ、その模様としては、たとえば、導管溝、石板表面凹凸、布表面テクスチュア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝、鏡面等である。
また、前記接着剤層3としては、ポリオール成分とイソシアネート成分からなる2液硬化型ポリウレタン系接着剤を用いて周知のドライラミネーション法で形成すればよい。前記ポリオール成分としては、ポリエステルポリオール、ポリエステルポリウレタンポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエーテルポリウレタンポリオール等を挙げることができ、イソシアネート成分としては、TDI、MDI、HDI、PIDI、XDI等のジイソシアネートおよびこれらを出発原料とする変性体を挙げることができるが、塗布量や作業性および作業環境を考慮すると、湿気硬化型ホットメルト接着剤が好ましい。
湿気硬化型ホットメルト接着剤は、分子末端にイソシアネート基を有するプレポリマーを必須成分とする組成物である。前記プレポリマーは、通常は分子両末端にイソシアネート基をそれぞれ1個以上有するポリイソシアネートプレポリマーであり、常温で固体の熱可塑性樹脂の状態にあるものである。イソシアネート基同士が空気中の水分により反応して鎖延長反応を起こし、分子鎖中に尿素結合を有する反応物を生じ、この尿素結合にさらに分子末端のイソシアネート基が反応し、ビューレット結合を起こして分岐し、架橋反応を起こす。分子末端にイソシアネート基を有するプレポリマーの分子鎖の骨格構造は任意であるが、具体的には、ウレタン結合を有するポリウレタン骨格、エステル結合を有するポリエステル骨格、ポリブタジエン骨格等である。これらの1種ないし2種以上の骨格構造を適宜採用することにより、接着剤物性を調整することができる。なお、分子鎖中にウレタン結合がある場合は、このウレタン結合とも末端イソシアネート基が反応して、アロファネート結合を生じ、このアロファネート結合によっても架橋反応を起こす。
ポリイソシアネートプレポリマーの具体例としては、たとえば、ポリオールに過剰のイソシアネートを反応させた分子末端にイソシアネート基を有し、かつ、分子鎖中にウレタン結合を有するポリウレタン骨格の、ウレタンプレポリマーがある。また、特開昭64−14287号公報に開示されているような、ポリイソシアネートにポリエステルポリオールとポリブタジエン骨格を有するポリオールとを任意の順序で加えて付加反応させて得られたポリエステル骨格とポリブタジエン骨格とがウレタン結合により結合された構造を有し、かつ、分子末端にイソシアネート基を有する結晶性ウレタンプレポリマー、あるいは、特開平2−305882号公報に開示されているような、ポリカーボネート系ポリオールとポリイソシアネートを反応させて得られる分子中に2個以上のイソシアネート基を有するポリカーボネート系ウレタンプレポリマー、ポリエステル系ポリオールとポリイソシアネートを反応させて得られる分子中に2個以上のイソシアネート基を有するポリエステル系ウレタンプレポリマー等が挙げられる。
また、湿気硬化型ホットメルト接着剤としては、上記した各種ポリイソシアネートプレポリマーの他に、各種物性を調節するために、上記した必須反応成分に、必要に応じて、熱可塑性樹脂、粘着付与剤、可塑剤、充填剤等の各種副材料を添加することもできる。これらの副材料としては、たとえば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、低分子量ポリエチレン、変性ポリオレフィン、アタクチックポリプロピレン、線状ポリエステル、エチレン−エチルアクリレート(EAA)、エチレン−メタクリレート(EMA)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)等の熱可塑性樹脂、テルペン−フェノール樹脂、アビエチン酸ロジンエステル等の粘着付与剤、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、アルミナ等の微粉末からなる充填剤(体質顔料)、着色顔料、硬化触媒、水分除去剤、貯蔵安定剤、老化防止剤等である。
上記した湿気硬化型ホットメルト接着剤の塗布量は、固形分として概ね10〜50g/m2、好ましくは25〜40g/m2である。接着剤の塗布面は、化粧シート2の前記表面保護層21の反対面であってもよいし、前記化粧部材4面であってもよいものである。
なお、図3に示す前記接着剤層3’は、湿気硬化型ホットメルト接着剤を用いて形成してもよいが、ポリオール成分とイソシアネート成分からなる通常の2液硬化型ポリウレタン系接着剤を用いてロールコート法、グラビアコート法等の周知の塗布法で形成すればよいものである。
なお、実施例においては、前記発泡層10を前記化粧部材4とは別ものとして示したが、たとえば、前記化粧部材4を成形する際に、少なくとも2層以上の多層共押出法にて成形することにより、前記化粧部材4の一方の面、ないし、両方の面に発泡層を設けた構成とし、別ものとしての発泡層を設ける工程を削除してもよいものである。
次に、本発明について、以下に実施例を挙げてさらに詳しく説明する。
〔化粧部材Aの作製〕
ポリ−L−乳酸を主成分とする樹脂50重量部、ホモタイプのポリプロピレン45重量部、マレイン酸変性ポリプロピレン5重量部に木粉(平均粒径:30μm)40重量部を添加し、2軸押出し混練機によって混合ペレット化した樹脂組成物を作製した。該樹脂組成物を異型押出し成形法にて断面が厚さ10mm×幅150mmで左右両端に接合用の雌実と雄実を備えた床材形状に押出し成形した化粧部材を作製した。
〔化粧部材Bの作製〕
ポリ−L−乳酸を主成分とする樹脂50重量部、ホモタイプのポリプロピレン45重量部、マレイン酸変性ポリプロピレン5重量部に木粉(平均粒径:30μm)40重量部を添加し、2軸押出し混練機によって混合ペレット化した樹脂組成物を作製した。該樹脂組成物を3層異型共押出し成形法にて表面層1mmおよび裏面層2mmの部分のみを発泡倍率1.6倍(圧縮硬さ750kPa)に発泡させた厚さ10mm×幅150mmで左右両端に接合用の雌実と雄実を備えた床材形状に押出し成形した化粧部材を作製した。
〔化粧部材Cの作製〕
ホモタイプのポリプロピレン90量部、マレイン酸変性ポリプロピレン10重量部に木粉(平均粒径:30μm)40重量部を添加し、2軸押出し混練機によって混合ペレット化した樹脂組成物を作製した。該樹脂組成物を異型押出し成形法にて断面が厚さ10mm×幅150mmで左右両端に接合用の雌実と雄実を備えた床材形状に押出し成形した化粧部材Cを作製した。
〔化粧部材Dの作製〕
ホモタイプのポリプロピレン90量部、マレイン酸変性ポリプロピレン10重量部に木粉(平均粒径:30μm)40重量部を添加し、2軸押出し混練機によって混合ペレット化した樹脂組成物を作製した。該樹脂組成物を3層異型共押出し成形法にて表面層1mmおよび裏面層2mmの部分のみを発泡倍率1.6倍(圧縮硬さ750kPa)に発泡させた厚さ10mm×幅150mmで左右両端に接合用の雌実と雄実を備えた床材形状に押出し成形した化粧部材を作製した。
〔化粧部材Eの作製〕
ホモタイプのポリプロピレン90量部、マレイン酸変性ポリプロピレン10重量部に木粉(平均粒径:30μm)40重量部を添加し、2軸押出し混練機によって混合ペレット化した樹脂組成物を作製した。該樹脂組成物を3層異型共押出し成形法にて裏面層3mmの部分のみを発泡倍率1.6倍(圧縮硬さ750kPa)に発泡させた厚さ10mm×幅150mmで左右両端に接合用の雌実と雄実を備えた床材形状に押出し成形した化粧部材を作製した。
〔化粧シートAの作製〕
両面コロナ放電処理を施した150μm厚さの着色ポリプロピレン系フィルムの一方の面に2液硬化型ウレタン系印刷インキでベタ柄印刷層と該ベタ柄印刷層上に木目柄の絵柄印刷層をグラビア印刷法で形成した後に、該印刷層面全面にアクリル/ウレタンブロック共重合体を主剤とし、硬化剤としてイソシアネートを添加した2液硬化型ウレタン系樹脂を塗布して透明プライマー層(固形分として1g/m2)を形成し、さらに前記透明プライマー層面全面に、ウレタンアクリレート系電離放射線硬化型樹脂を塗布すると共に電子線〔加速電圧:175KeV、照射量:50kGy〕を照射して透明な表面保護層(固形分として15g/m2)を形成した化粧シートAを作製した。
〔化粧シートBの作製〕
ポリ−L−乳酸を主成分とする樹脂50重量部とホモタイプのポリプロピレン45重量部とマレイン酸変性ポリプロピレン5重量部と顔料8重量部からなる混合樹脂でシート化された60μm厚さの着色樹脂シートの両面にコロナ放電処理を施した後に、表面側に2液硬化型ウレタン樹脂をビヒクルとし、酸化チタンを主な着色剤とする印刷インキを用いてグラビア印刷し、2μm厚さのベタ柄印刷層を形成した。その上にアクリル樹脂をビヒクルとし、アゾ顔料を主成分とする着色剤を含有する印刷インキを用いて、木目模様の絵柄印刷層をグラビア印刷にて形成した。その後に、裏面側にウレタン系樹脂をバインダーとしたプライマー層をグラビア印刷した中間シートを作製した。次に、前記中間シートの印刷面全面に2液硬化型ポリエステルウレタン樹脂からなる塗液を塗布して、厚さ3μmの接着剤層を形成し、さらに、前記接着剤層面全面に5000重量ppmのベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を添加したポリ−L−乳酸を主成分とする樹脂50重量部とホモタイプのポリプロピレン45重量部とマレイン酸変性ポリプロピレン5重量部からなる混合樹脂をTダイ押出機で加熱溶融押出しして、80μm厚さの合成樹脂製透明樹脂層を形成し、次いで前記合成樹脂製透明樹脂層面全面に、イソホロンジイソシアネートと水素添加ジフェニルメタンジイソシアネートを用いたアクリル/ウレタンブロック共重合体を主剤とし、硬化剤としてヘキサメチレンジイソシアネートを添加した2液硬化型ウレタン系樹脂を塗布して透明プライマー層(固形分として2g/m2)を形成し、さらに前記透明プライマー層面全面に、3官能アクリレートモノマーであるエチレンオキサイド変性トリメチロールプロパンエチレンオキサイドトリアクリレートを60重量部と6官能アクリレートモノマーであるジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを40重量部からなる電子線硬化型樹脂組成物を、グラビアコート法で塗布すると共に電子線〔加速電圧:175KeV、照射量:50kGy〕を照射して透明な表面保護層(固形分として5g/m2)を形成し、さらに、表面保護層側からエンボス加工を行い、木目導管も凹陥模様を賦型した化粧シートBを作製した。
上記で作製した化粧部材Aの一方の面に、上記で作製した化粧シートAを表面保護層が表出するように、かつ、他方の面に2mm厚さで5倍発泡の発泡ポリエチレンシートを湿気硬化型ホットメルト接着剤を介して積層して本発明の化粧材を作製した。
化粧シートAを化粧シートBに代えた以外は実施例1と同様して本発明の化粧材を作製した。
2mm厚さで5倍発泡の発泡ポリエチレンシートを、ポリ−L−乳酸を主成分とする樹脂50重量部とポリエチレン45重量部とマレイン酸変性ポリエチレン5重量部からなる混合樹脂を用いて、2mm厚さで5倍発泡の発泡シートに代えた以外は実施例1と同様にして本発明の化粧材を作製した。
2mm厚さで5倍発泡の発泡ポリエチレンシートを、ポリ−L−乳酸を主成分とする樹脂50重量部とポリエチレン45重量部とマレイン酸変性ポリエチレン5重量部からなる混合樹脂を用いて、2mm厚さで5倍発泡の発泡シートに代えた以外は実施例2同様にして本発明の化粧材を作製した。
上記で作製した化粧部材Bの表面層側に化粧シートAを表面保護層が表出するように湿気硬化型ホットメルト接着剤を介して積層して本発明の化粧材を作製した。
[比較例1]
上記で作製した化粧部材Cの一方の面に、上記で作製した化粧シートAを表面保護層が表出するように、かつ、他方の面の2mm厚さで5倍発泡の発泡ポリエチレンシートを湿気硬化型ホットメルト接着剤を介して積層して比較例とする化粧材を作製した。
[比較例2]
上記で作製した化粧部材Dの表面層側に化粧シートAを表面保護層が表出するように湿気硬化型ホットメルト接着剤を介して積層して比較例とする化粧材を作製した。
[比較例3]
上記で作製した化粧部材Eの表面層側に化粧シートAを表面保護層が表出するように湿気硬化型ホットメルト接着剤を介して積層して比較例とする化粧材を作製した。
次に、実施例1〜5、および、比較例1〜3の化粧材について、(α)廃棄焼却時石化CO2発生率、(β)耐凹み性、(γ)衝撃音遮断性、について下記評価方法で評価し、その結果を表1に纏めて示した。
Figure 2008248050
〔評価方法〕
・(α)廃棄焼却時石化CO2発生率:廃棄焼却時に二酸化炭素として発生する1m2当たりの化粧材に占める石油化学に由来する材料の重量割合を廃棄焼却時石化CO2発生率として示した。
・(β)耐凹み性:直径が260mmで120度間隔にポリアミド製車輪(直径が75mm、幅が25mm)を3個設けた治具に90kgの荷重を掛けて20rpmのスピードで前記治具を5分間ごとに回転方向を逆転させて1000回転させた試験を行ない、その時の化粧材の凹み深さ(単位:mm)を測定した。凹み深さが小さい程、耐キャスター性に優れる。なお、評価基準として、凹み深さ1mm未満を良として○印で示し、1mm以上を不良として×印で示した。
・(γ)衝撃音遮断性:JIS A 1418−1「建築物の現場における床衝撃音レベルの測定方法」に準じて評価した。
表1からも明らかなように、本発明の化粧材は原料として天然物を使用するので、化石資源を節約することができると共に、廃棄後、焼却処分される際に石油化学に由来する材料からの炭酸ガスの発生量を抑制することができる。また、耐凹み性、衝撃音遮断性においても優れた性能を有するものである。また、本発明の化粧材は表面保護層に硬化型樹脂からなる表面保護層を用いていることや紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤等を添加した樹脂層を備えていること、あるいは、化粧部材が木粉樹脂成形体からなることなどにより、耐水性、耐汚染性、耐摩耗性、耐候性など建材として十分な耐久性を有する。
本発明にかかる化粧材の一実施例の層構成を図解的に示す図である。 本発明にかかる化粧材を構成する化粧シートの第1実施形態を図解的に示す層構成図である。 本発明にかかる化粧材を構成する化粧シートの第2実施形態を図解的に示す層構成図である。 本発明にかかる化粧材を構成する化粧シートの第3実施形態を図解的に示す層構成図である。
符号の説明
1 化粧材
2 化粧シート
3 接着剤層
4 化粧部材
5,5’,5” プライマー層
6 凹陥模様
7 ワイピングインキ
8 絵柄印刷層
8’ ベタ柄印刷層
10 発泡層
20 基材層
21 表面保護層
22 合成樹脂製透明樹脂層
22’ 合成樹脂層

Claims (10)

  1. 天然物に由来する樹脂を含有してなる熱可塑性樹脂に木質系充填剤を配合した樹脂組成物を成形してなる木粉樹脂成形体からなることを特徴とする化粧部材。
  2. 請求項1記載の化粧部材の一方の表面に、表面保護層を有する化粧シートが積層されていることを特徴とする化粧材。
  3. 前記化粧材の少なくとも一方の面に発泡層が設けられていることを特徴とする請求項2記載の化粧材。
  4. 天然物に由来する樹脂を含有してなる熱可塑性樹脂に木質系充填剤を配合した樹脂組成物を成形してなる木粉樹脂成形体が異型押出成形体であって、押出し成形時に少なくともその一方の面の表層に発泡層を備えてなることを特徴とする化粧部材。
  5. 請求項4記載の化粧部材の一方の表面に、表面保護層を有する化粧シートが積層されていることを特徴とする化粧材。
  6. 前記化粧シートが基材層と前記表面保護層とからなり、前記基材層と前記表面保護層との間に印刷層が設けられ、前記基材層が天然物に由来する樹脂を含有してなる熱可塑性樹脂からなることを特徴とする請求項2、5のいずれかに記載の化粧材。
  7. 前記印刷層と前記表面保護層との間に合成樹脂製透明樹脂層が設けられ、該合成樹脂製透明樹脂層が天然物に由来する樹脂を含有してなる熱可塑性樹脂からなることを特徴とする請求項6記載の化粧材。
  8. 前記発泡層が天然物に由来する樹脂を含有してなる熱可塑性樹脂からなることを特徴とする請求項3、4のいずれかに記載の化粧材。
  9. 前記発泡層の発泡倍率が1.5倍以上20倍以下の範囲であることを特徴とする請求項3、4、8のいずれかに記載の化粧材。
  10. 前記発泡層の圧縮硬さが60〜800kPaであることを特徴とする請求項3、4、8のいずれかに記載の化粧材。
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