JP2008240423A - 床材 - Google Patents
床材 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2008240423A JP2008240423A JP2007084250A JP2007084250A JP2008240423A JP 2008240423 A JP2008240423 A JP 2008240423A JP 2007084250 A JP2007084250 A JP 2007084250A JP 2007084250 A JP2007084250 A JP 2007084250A JP 2008240423 A JP2008240423 A JP 2008240423A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- layer
- decorative
- flooring
- decorative layer
- resin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Landscapes
- Floor Finish (AREA)
Abstract
【課題】 合板と、バッカー材の一方の面に化粧層を備えた化粧材とを化粧層が表出するように接着剤層を介して積層し、前記化粧層の表面から合板の内部にまで至る凹溝部を形成すると共に、該凹溝部も表出面を覆うように塗膜層を形成してなる床材おいて、前記塗膜層が密着性(接着性)に優れ、かつ、意匠性や耐水性に優れた床材を提供することである。
【解決手段】 合板と、バッカー材の一方の面に化粧層を備えた化粧材とを化粧層が表出するように接着剤層を介して積層し、前記化粧層の表面から合板の内部にまで至る凹溝部を形成すると共に、該凹溝部も表出面を覆うように塗膜層を形成してなる床材あって、前記凹溝部内の前記バッカー材の最も化粧層側の位置における接線に対して垂直な方向の前記塗膜層の膜厚が50μm以上であることを特徴とする床材。
【選択図】 図1
【解決手段】 合板と、バッカー材の一方の面に化粧層を備えた化粧材とを化粧層が表出するように接着剤層を介して積層し、前記化粧層の表面から合板の内部にまで至る凹溝部を形成すると共に、該凹溝部も表出面を覆うように塗膜層を形成してなる床材あって、前記凹溝部内の前記バッカー材の最も化粧層側の位置における接線に対して垂直な方向の前記塗膜層の膜厚が50μm以上であることを特徴とする床材。
【選択図】 図1
Description
本発明は、床材に関し、さらに詳しくは、意匠性の向上や耐水性の向上のために床材に施される凹溝に設けられる塗膜層に関するものである。
従来、突板単板を木質系基材に貼着し、意匠性向上を目的として突板単板の接合部に合致させて切削加工等によりV溝のような凹溝部を形成し、該凹溝部に突板単板と木質系基材との間の色調差から生じる違和感をなくし、意匠性を向上させる目的で着色塗料を塗布した床材が提供されている。また必要に応じて前記凹溝部の耐水性を向上させる目的で前記凹溝部に耐水性の無色ないし着色塗料を塗布した床材が提供されている。
また、近年、突板単板に用いられる上質な原木の不足、あるいは、資源保護や地球環境保護の高まりから、突板単板に代えて化粧シートを木質系基材に貼着した床材が使用されるようになってきた。この化粧シートを木質系基材に貼着した床材の場合においても、突板単板を用いた床材と同様に床材表面に、切削加工等によりV溝のような凹溝部を形成して擬似目地を設ける手法が一般的に採られると共に、意匠性や耐水性を向上させる目的で前記凹溝部に耐水性などの無色ないし着色塗料を塗布した床材が提供されている(たとえば、特許文献1参照)。
また、近年、室内調度品の洋風化やバリアーフリー化に伴い、キャスター付きの家具や車椅子等の室内での使用も益々増加しつつあり、上記した突板単板や化粧シートを木質系基材に貼着した床材に代えて、キャスター等の荷重による凹みが残らないような(耐キャスター性)床用化粧シートが提供されている(たとえば、特許文献2参照)。
特許文献2に開示された床用化粧シートは、化粧シートの裏面に硬質シート層を設け、これにより耐キャスター性を向上させるようにした床用化粧シートである。前記硬質シート層としては、可撓性や加工性、リサイクル適性などを考慮すると熱可塑性樹脂シートが最も好ましいものであるが、この種の床用化粧シートにおいても、突板単板を用いた床材と同様に、床用化粧シートの表面に、切削加工等によりV溝のような凹溝部を形成して擬似目地を設ける手法が一般的に採られるものである。そして、前記凹溝部に無色ないし着色塗料が一般的に塗布されて意匠性や耐水性の向上が図られているものである。
しかしながら、前記硬質シート層は、表層を構成する化粧シートよりも厚みが厚く、V溝のような凹溝部の表出面に無色ないし着色塗料を塗布する場合において、たとえば、前記硬質シート層がオレフィン系樹脂からなる場合には、無色ないし着色塗料を塗布して形成される無色ないし着色塗膜と前記硬質シート層との密着性(接着性)が悪く、この密着性(接着性)を向上させるために、通常は凹溝部にコロナ放電処理等の易接着処理が施されるものであるが、この易接着処理は別途処理機を準備して設置する必要があると共に、製造工程が増える可能性もあり、易接着処理を何等施すことなく、すなわち、何等従来の製造工程を変更することなく、密着性(接着性)に優れた無色ないし着色塗膜形成が望まれ、これを達成するために、試行錯誤を繰り返した結果、V溝のような凹溝部に無色ないし着色塗料を塗布して形成される無色ないし着色塗膜の厚みを凹溝部の特定箇所において一定以上の厚みとすることで、密着性(接着性)に優れた塗膜を得ることができることを見出して本発明に至ったものである。
特開2002−339557号公報
特開2003−34011号公報
そこで本発明は、合板と、バッカー材の一方の面に化粧層を備えた化粧材とを化粧層が表出するように接着剤層を介して積層し、前記化粧層の表面から合板の内部にまで至る凹溝部を形成すると共に、該凹溝部も表出面を覆うように塗膜層を形成してなる床材おいて、前記塗膜層が密着性(接着性)に優れ、かつ、意匠性や耐水性に優れた床材を提供することである。
本発明者は、上記課題を達成するために、請求項1記載の本発明は、合板と、バッカー材の一方の面に化粧層を備えた化粧材とを化粧層が表出するように接着剤層を介して積層し、前記化粧層の表面から合板の内部にまで至る凹溝部を形成すると共に、該凹溝部の表出面を覆うように塗膜層を形成してなる床材あって、前記凹溝部内の前記バッカー材の最も化粧層側の位置における接線に対して垂直な方向の前記塗膜層の膜厚が50μm以上であることを特徴とするものである。
また、請求項2記載の本発明は、請求項1記載の床材において、前記化粧層の表層に硬化型樹脂からなる表面保護層が形成されていることを特徴とするものである。
また、請求項3記載の本発明は、請求項1記載の床材において、その表層に硬化型樹脂からなる表面保護層が形成されていることを特徴とするものである。
また、請求項4記載の本発明は、請求項1記載の床材において、前記化粧層が合成樹脂製シート基材からなることを特徴とするものである。
また、請求項5記載の本発明は、請求項4記載の床材において、前記合成樹脂製シート基材がオレフィン系熱可塑性樹脂からなることを特徴とするものである。
また、請求項6記載の本発明は、請求項1記載の床材において、前記化粧層が紙系シート基材からなることを特徴とするものである。
また、請求項7記載の本発明は、請求項1記載の床材において、前記化粧層が突板単板からなることを特徴とするものである。
また、請求項8記載の本発明は、請求項2、3のいずれかに記載の床材において、前記表面保護層が微粒子を含有してなる層であることを特徴とするものである。
本発明の床材は、床材の表面側に凹溝部を有する床材であって、凹溝部の表出面を覆うように塗料を塗布して形成される無色ないし着色塗膜がコロナ放電処理等の易接着処理を施すことなく、密着性(接着性)において優れた性能を示し、また、意匠性や耐水性においても優れた効果を奏するものである。
上記の本発明について、図面等を用いて以下に詳述する。
図1は本発明にかかる床材の基本的な層構成の要部を図解的に示す図、図2は本発明にかかる床材を構成する化粧層の第1実施形態を図解的に示す層構成図、図3は本発明にかかる床材を構成する化粧層の第2実施形態を図解的に示す層構成図、図4は本発明にかかる床材を構成する化粧層の第3実施形態を図解的に示す層構成図であり、図中の1は床材、2は化粧層、3,3’は接着剤層、4は合板、5,5’,5”はプライマー層、6は凹陥模様、7はワイピングインキ、8は絵柄印刷層、8’はベタ柄印刷層、9はバッカー材、10は着色塗膜層、11は化粧材、12は凹溝部、21は表面保護層、22は合成樹脂製透明層、22’は合成樹脂層、23は紙系シート、αは微粒子、Tは着色塗膜層の特定部位の膜厚をそれぞれ示す。
図1は本発明にかかる床材の基本的な層構成の要部を図解的に示す図、図2は本発明にかかる床材を構成する化粧層の第1実施形態を図解的に示す層構成図、図3は本発明にかかる床材を構成する化粧層の第2実施形態を図解的に示す層構成図、図4は本発明にかかる床材を構成する化粧層の第3実施形態を図解的に示す層構成図であり、図中の1は床材、2は化粧層、3,3’は接着剤層、4は合板、5,5’,5”はプライマー層、6は凹陥模様、7はワイピングインキ、8は絵柄印刷層、8’はベタ柄印刷層、9はバッカー材、10は着色塗膜層、11は化粧材、12は凹溝部、21は表面保護層、22は合成樹脂製透明層、22’は合成樹脂層、23は紙系シート、αは微粒子、Tは着色塗膜層の特定部位の膜厚をそれぞれ示す。
図1は本発明にかかる床材の基本的な層構成の要部を図解的に示す図であって、床材1は合板4上にバッカー材9の一方の面に、表層に硬化型樹脂からなる表面保護層21を有する化粧層2を備えた化粧材11を前記表面保護層21が表出するように接着剤層3を介して積層し、前記表面保護層21側から前記合板4の内部にまで至るV字状の凹溝部12を形成し、該凹溝部11の表出面を覆うように着色塗膜層10を形成すると共に、前記着色塗膜層10の膜厚Tが前記凹溝部12内の前記バッカー材9の最も化粧層側の位置における接線に対して垂直な方向(図1上、破線で表示)において50μm以上に構成したものである。このように構成した前記着色塗膜層Tは密着性(接着性)に優れたものとすることができ、また、床材としても意匠性や耐水性に優れたものとすることができる。前記着色塗膜層Tは、たとえば、顔料等で適宜の色に着色した二液硬化型ウレタン系樹脂をディスペンサー等の手段を用いて形成すればよいものである。
また、前記合板4としては、たとえば、ラワン材等からなる合板、あるいは、松材などの針葉樹合板等を挙げることができ、繊維方向が異なる単板を一層毎に複数層、たとえば、3層、5層、7層を配置したものであって、表層の繊維方向が合板の長手方向と平行に構成されたもの、あるいは、表層の繊維方向が合板の長手方向と直交する方向に構成されたものの、いずれであってもよいものである。また、図示はしないが、前記合板4の側端部には雌実、雄実からなる実部が設けられ、床材1同士の前記雌実、前記雄実を嵌合させて床材1が床下地上に敷設されるものである。
また、前記バッカー材9としては、昨今の環境問題を考慮してハロゲン元素を分子構造中に含まない樹脂が適当であり、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリメチレン、ポリメチルペンテン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエチレンナフタレート−イソフタレート共重合体、ポリイミド、ポリスチレン、ポリアミド、ABS等の樹脂からなるシート、あるいは、結晶性ポリエチレンテレフタレートシート(いわゆるC−PET)や非晶性ポリエチレンテレフタレートシート(いわゆるA−PET)、あるいは、耐熱性の高いポリアルキレンテレフタレートシート〔いわゆる、イーストマンケミカルカンパニー製PET−G(商品名)〕などを例示することができ、厚さとしては概ね200〜500μmが適当である。これらのシートは単層であってもよいし、複層であってもよいし、また、用いる樹脂は単独であってもよいし、混合物であってもよいが、ポリエステル系シートが好ましい。また、前記バッカー材9は必要な面に、必要に応じてコロナ放電処理、オゾン処理、プラズマ処理等の易接着処理を施すことができる。
また、前記接着剤層3としては、ポリオール成分とイソシアネート成分からなる2液硬化型ポリウレタン系接着剤を用いて周知のドライラミネーション法で形成すればよい。前記ポリオール成分としては、ポリエステルポリオール、ポリエステルポリウレタンポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエーテルポリウレタンポリオール等を挙げることができ、イソシアネート成分としては、TDI、MDI、HDI、PIDI、XDI等のジイソシアネートおよびこれらを出発原料とする変性体を挙げることができるし、また、塗布量や作業性および作業環境を考慮すると、コスト高とはなるものの湿気硬化型ホットメルト接着剤を適用してもよいものである。
前記接着剤層3の塗布量としては、固形分として概ね35〜65g/m2、好ましくは45〜55g/m2である。接着剤の塗布面は、前記バッカー材9の面であってもよいし、前記合板4の面であってもよいものである。
次に、硬化型樹脂からなる表面保護層21を表層に有する化粧層2について説明する。図2は本発明にかかる床材を構成する化粧層の第1実施形態を図解的に示す層構成図であって、化粧層2は合成樹脂製シート基材としての合成樹脂製透明層22の一方の面にエンボス加工を施して凹陥模様6を設け、その上からワイピング処理を施して前記凹陥模様6の凹部内にワイピングインキ7を充填した後に、表出面全面にプライマー層5を設け、該プライマー層5上に硬化型樹脂からなる表面保護層21を形成すると共に前記合成樹脂製透明層22の他方の面にプライマー層5’を介して絵柄印刷層8、ベタ柄印刷層8’を順に印刷形成したものである。この化粧層2は該化粧層2の前記ベタ柄印刷層8’と前記バッカー材9とが前記接着剤層3で説明した、ポリオール成分とイソシアネート成分からなる2液硬化型ポリウレタン系接着剤で形成した接着剤層(図示せず)を介して積層されて化粧材11となる。
図3は本発明にかかる床材を構成する化粧層の第2実施形態を図解的に示す層構成図であって、化粧層2は合成樹脂製シート基材としての合成樹脂層22’の少なくとも一方の面にプライマー層5”を設け、該プライマー層5”上にベタ柄印刷層8’、絵柄印刷層8を順に印刷形成し、さらに前記絵柄印刷層8側の面全面に前記接着剤層3で説明した、ポリオール成分とイソシアネート成分からなる2液硬化型ポリウレタン系接着剤で形成した接着剤層3’を介して合成樹脂製透明層22が積層され、該合成樹脂製透明層22の表面にエンボス加工を施して凹陥模様6を設け、その後、図2に示したと同様に、凹陥模様6の上からワイピング処理を施して前記凹陥模様6の凹部内にワイピングインキ7を充填し、さらに表面にプライマー層5を設け、該プライマー層5上に硬化型樹脂からなる表面保護層21を形成したものである。この化粧層2は該化粧層2の前記合成樹脂層22’と前記バッカー材9とが前記接着剤層3で説明した、ポリオール成分とイソシアネート成分からなる2液硬化型ポリウレタン系接着剤で形成した接着剤層(図示せず)を介して積層されて化粧材11となる。なお、図2、3に示した化粧層2は、エンボス加工とワイピング処理を施した実施態様を示したが、これらは必要に応じて設ければよいものであり、必須ではない。
図4は本発明にかかる床材を構成する化粧層の第3実施形態を図解的に示す層構成図であって、化粧層2は紙系シート基材としての紙系シート23の一方の面にベタ柄印刷層8’、絵柄印刷層8を順に印刷形成し、さらに前記絵柄印刷層8側の面全面に微粒子αを含有した硬化型樹脂からなる表面保護層21を形成したものである。この化粧層2は該化粧層2の前記紙系シート23と前記バッカー材9とが前記接着剤層3で説明した、ポリオール成分とイソシアネート成分からなる2液硬化型ポリウレタン系接着剤で形成した接着剤層(図示せず)を介して積層されて化粧材11となる。
次に、前記化粧層2を構成する諸材料について説明する。まず、前記合成樹脂製透明層22および前記合成樹脂層22’としては、加工適性に優れ、燃焼時に有害なガスを発生しないことなどから、飽和ポリエステル樹脂や低密度ポリエチレン(線状低密度ポリエチレンを含む)、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ホモポリプロピレン、エチレンαオレフィン共重合体、ポリメチルペンテン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、あるいは、これらの混合物等のオレフィン系熱可塑性樹脂を挙げることができるが、比較的安価であることを考慮すると前記オレフィン系熱可塑性樹脂が好ましい。前記合成樹脂製透明層22および前記合成樹脂層22’は未延伸の状態、あるいは、一軸ないし二軸方向に延伸した状態のいずれの状態であってもよいものであって、厚さとしては概ね60〜300μm程度である。また、これらのシートは必要に応じて必要な面にコロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理等の周知の易接着処理を施してもよいものである。
また、前記紙系シート23としては、薄葉紙、クラフト紙、チタン紙、リンター紙、板紙、石膏ボード紙、上質紙、コート紙、アート紙、硫酸紙、グラシン紙、パーチメント紙、パラフィン紙、和紙等を挙げることができるし、ガラス繊維、石綿、チタン酸カリウム繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、炭素繊維等の無機質繊維、ポリエステル、ビニロン等の有機樹脂等を用いた織布ないし不織布等を挙げることができる。
また、前記絵柄印刷層8および前記ベタ柄印刷層8’としては、グラビア印刷法、オフセット印刷法、シルクスクリーン印刷法等の周知の印刷法でインキを用いて形成することができる。前記絵柄印刷層8としては、たとえば、木目模様、石目模様、布目模様、皮紋模様、幾何学模様、文字、記号、線画、各種抽象模様柄であり、前記ベタ柄印刷層8’としては隠蔽性を有する着色インキでベタ印刷したものである。図2〜4においては、前記絵柄印刷層8と前記ベタ柄印刷層8’の両印刷層を設けた構成を示したが、いずれか一方の構成であってもよいものである。
また、前記絵柄印刷層8および前記ベタ柄印刷層8’を形成するインキとしては、ビヒクルとして塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等の塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、イソシアネートとポリオールとからなるポリウレタン、ポリアクリル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、セルロース系樹脂、ポリアミド樹脂等を1種ないし2種以上混合して用い、これに顔料、溶剤、各種補助剤等を加えてインキ化したものを用いることができ、環境問題を考慮すると、ポリエステル、イソシアネートとポリオールからなるポリウレタン、ポリアクリル、ポリ酢酸ビニル、セルロース系樹脂、ポリアミド系樹脂等の1種ないし2種以上混合した非塩素系のビヒクルが適当であり、より好ましくはポリエステル、イソシアネートとポリオールからなるポリウレタン、ポリアクリル、ポリアミド系樹脂等の1種ないし2種以上混合したものである。また、前記ワイピングインキ7についても、上記したインキを用いればよいものである。
次に、前記表面保護層21について説明する。この表面保護層21は化粧層2に要求される耐擦傷性、耐摩耗性、耐汚染性、耐水性、耐候性等の表面物性を付与するために設けられるものであり、この表面保護層21を形成する樹脂としては、熱硬化型樹脂ないし電離放射線硬化型樹脂等の硬化型樹脂を用いて形成するのが適当であるが、より好ましくは表面硬度が硬く、生産性に優れるなどから電離放射線硬化型樹脂である。
熱硬化型樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂(2液硬化型ポリウレタンも含む)、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、珪素樹脂、ポリシロキサン樹脂等を挙げることができる。上記樹脂には必要に応じて、架橋剤、重合開始剤等の硬化剤、または、重合促進剤を添加して用いる。たとえば、硬化剤としては、イソシアネートまたは有機スルホン酸塩等が不飽和ポリエステル樹脂やポリウレタン樹脂等に添加され、有機アミン等がエポキシ樹脂に添加され、メチルエチルケトンパーオキサイド等の過酸化物やアゾイソブチルニトリル等のラジカル開始剤は不飽和ポリエステル樹脂に添加される。上記熱硬化型樹脂で表面保護層を形成する方法としては、たとえば、上記した熱硬化型樹脂を溶液化し、ロールコート法、グラビアコート法等の周知の塗布法で前記合成樹脂製透明層22あるいは前記紙系基材23の所定の面に塗布し、乾燥すると共に硬化させることにより形成することができる。表面保護層の塗布量としては、固形分で概ね5〜200g/m2が適当であり、好ましくは5〜30g/m2である。
また、電離放射線硬化型樹脂としては、分子中に、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基等のラジカル重合性不飽和基、またはエポキシ基等のカチオン重合性官能基を有する単量体、プレポリマーまたはポリマーからなる。これら単量体、プレポリマーまたはポリマーは、単体で用いるか、あるいは、複数種混合して用いる。なお、本明細書で(メタ)アクリレートとは、アクリレートないしメタアクリレートの意味で用いる。また、電離放射線とは、電磁波ないし荷電粒子線のうち分子を重合あるいは架橋し得るエネルギー量子を有するものを意味し、通常は紫外線ないし電子線である。
ラジカル重合性不飽和基を有するプレポリマーとしては、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、トリアジン(メタ)アクリレート、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。このプレポリマーは、通常、分子量が10000程度以下のものが用いられる。分子量が10000を超えると硬化した樹脂層の耐擦傷性、耐摩耗性、耐薬品性、耐熱性等の表面物性が不足する。上記のアクリレートとメタアクリレートとは共用し得るが、電離放射線での架橋硬化速度という点ではアクリレートの方が速いため、高速度、短時間で能率よく硬化させるという目的ではアクリレートの方が有利である。
カチオン重合性官能基を有するプレポリマーとしては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、脂環型エポキシ樹脂等のエポキシ系樹脂、脂肪族系ビニルエーテル、芳香族系ビニルエーテル、ウレタン系ビニルエーテル、エステル系ビニルエーテル等のビニルエーテル系樹脂、環状エーテル化合物、スピロ化合物等のプレポリマーが挙げられる。
ラジカル重合性不飽和基を有する単量体の例としては、(メタ)アクリレート化合物の単官能単量体として、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシブチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2エチルヘキシル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジベンジルアミノエチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルハイドロゲンテレフタレート等が挙げられる。
また、ラジカル重合性不飽和基を有する多官能単量体として、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノール−A−ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイドトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセリンポリエチレンオキサイドトリ(メタ)アクリレート、トリス(メタ)アクリロイルオキシエチルフォスフェート等が挙げられる。
カチオン重合性官能基を有する単量体は、上記カチオン重合性官能基を有するプレポリマーの単量体を用いることができる。
上記した電離放射線硬化型樹脂を、紫外線を照射することにより硬化させる場合には、増感剤として光重合開始剤を添加する。ラジカル重合性不飽和基を有する樹脂系の場合の光重合開始剤は、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、ミヒラーケトン、ジフェニルサルファイド、ジベンジルジサルファイド、ジエチルオキサイト、トリフェニルビイミダゾール、イソプロピル−N,N−ジメチルアミノベンゾエート等を単独ないし混合して用いることができる。また、カチオン重合性官能基を有する樹脂系の場合は、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、メタロセン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル、フリールオキシキソニウムジアリルヨードシル塩等を単独ないし混合物として用いることができる。なお、これら光重合開始剤の添加量は、一般に、電離放射線硬化型樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部程度である。前記表面保護層21の形成方法としては、前記した電離放射線硬化型樹脂を溶液化し、グラビアコート法やロールコート法等の周知の塗布方法で前記合成樹脂製透明層22あるいは前記紙系基材23の所定の面に塗布することにより形成することができる。塗布量としては、固形分として概ね5〜200g/m2が適当であり、好ましくは5〜30g/m2である。
次に、前記表面保護層21に、一層の耐擦傷性や耐摩耗性を付与する場合には、酸化アルミニウム、炭化珪素、二酸化珪素、チタン酸カルシウム、チタン酸バリウム、マグネシウムパイロボレート、酸化亜鉛、窒化珪素、酸化ジルコニウム、酸化クロム、酸化鉄、窒化硼素、ダイヤモンド、金剛砂、黒鉛等の無機粒子、あるいは、架橋アクリル等の合成樹脂からなるビーズなどの有機粒子等の微粒子α(図4参照)を加えることにより達成することができる。前記微粒子α(図4参照)は微粒子表面に突起や角のあるものでもよいが、突起や角のない真球状、楕円上、あるいは、これらに近い形状が加工適性の点から、また、靴底等を摩耗させない点等から好ましい。前記微粒子αの平均粒子径としては、前記表面保護層21の塗膜厚さにより選択して用いる必要があるが、基本的には前記微粒子αが前記表面保護層21から一部表出するように選択すべきであり、通常、平均粒径としては5〜100μm程度のものである。また、前記微粒子αの硬化型樹脂100重量部に対する割合は1〜50重量部、好ましくは5〜20重量部である。なお、実施例においては、前記微粒子αを図4に示した第3実施形態の化粧層2の表面保護層21にのみ含有させたものを示したが、図2、3の第1実施形態、第2実施形態の化粧層2の前記表面保護層21に含有させてもよいものである。
また、前記表面保護層21には、要求される物性に応じて、たとえば、ベンゾトリアゾール系,ベンゾフェノン系,トリアジン系等の周知の有機系紫外線吸収剤や平均粒径が5〜120nm程度の二酸化チタン,酸化セリウム,酸化亜鉛等の無機系紫外線吸収剤、あるいは、ヒンダードアミン系等の周知の光安定剤、あるいは、帯電防止剤、レべリング剤等の周知の添加剤を添加することができる。
次に、前記プライマー層5、5’、5”について説明する。前記プライマー層5は前記合成樹脂製透明シート22と前記表面保護層21との接着強度を向上させる目的で設けるものであり、前記プライマー層5’は前記合成樹脂製透明層22と前記絵柄印刷層8ならびに前記ベタ柄印刷層8’との接着強度を向上させる目的で設けるものであり、前記プライマー層5”は前記合成樹脂層22’と前記ベタ柄印刷層8’との接着強度を向上させる目的で設けるものである。以下、前記プライマー層5、5’、5”を総称してプライマー層と呼称する。このプライマー層としては、(i)アクリル樹脂とウレタン樹脂との共重合体と、(ii)イソシアネートとからなる樹脂で形成されたものである。すなわち、(i)のアクリル樹脂とウレタン樹脂との共重合体は、末端に水酸基を有するアクリル重合体成分(成分A)、両末端に水酸基を有するポリエステルポリオール成分(成分B)、ジイソシアネート成分(成分C)を配合して反応させてプレポリマーとなし、該プレポリマーにさらにジアミンなどの鎖延長剤(成分D)を添加して鎖延長することで得られるものである。この反応によりポリエステルウレタンが形成されると共にアクリル重合体成分が分子中に導入され、末端に水酸基を有するアクリル−ポリエステルウレタン共重合体が形成される。このアクリル−ポリエステルウレタン共重合体の末端の水酸基を(ii)のイソシアネートと反応させて硬化させたものが前記プライマー層である。
前記成分Aは、末端に水酸基を有する直鎖状のアクリル酸エステル重合体が用いられる。具体的には、末端に水酸基を有する直鎖状のポリメチルメタクリレート(PMMA)が耐候性(特に光劣化に対する特性)に優れ、ウレタンと共重合させて相溶化するのが容易である点から好ましい。前記成分Aは、共重合体においてアクリル樹脂成分となるものであり、分子量5000〜7000(重量平均分子量)のものが耐候性、接着性が特に良好であるために好ましく用いられる。また、前記成分Aは、両末端に水酸基を有するもののみを用いてもよいが、片末端に共役二重結合が残っているものを上記の両末端に水酸基を有するものと混合して用いてもよいものである。共役二重結合が残っているアクリル重合体を混合することにより、前記プライマー層と接する層、たとえば、前記表面保護層21の電離放射線硬化型樹脂とアクリル重合体の共役二重結合が反応するために電離放射線硬化型樹脂との間の接着性を向上させることができる。
前記成分Bは、ジイソシアネートと反応してポリエステルウレタンを形成し、共重合体においてウレタン樹脂成分を構成するものである。前記成分Bは、両末端に水酸基を有するポリエステルジオールが用いられる。このポリエステルジオールとしては、芳香族ないしスピロ環骨格を有するジオール化合物とラクトン化合物ないしその誘導体、またはエポキシ化合物との付加反応生成物、二塩基酸とジオールとの縮合生成物、および、環状エステル化合物から誘導されるポリエステル化合物等を挙げることができる。上記ジオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、メチルペンテンジオール等の短鎖ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環族短鎖ジオール等を挙げることができる。また、上記二塩基酸としては、アジピン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等を挙げることができる。ポリエステルポリオールとして好ましいのは、酸成分としてアジピン酸ないしアジピン酸とテレフタル酸の混合物、特にアジピン酸が好ましく、ジオール成分として3−メチルペンタンジオールおよび1,4−シクロヘキサンジメタノールを用いたアジペート系ポリエステルである。
前記プライマー層において、前記成分Bと前記成分Cとが反応して形成されるウレタン樹脂成分は、前記プライマー層に柔軟性を与え、前記合成樹脂製透明層22あるいは前記合成樹脂層22’との接着性に寄与する。また、アクリル重合体からなるアクリル樹脂成分は、前記プライマー層において耐候性および耐ブロッキング性に寄与する。ウレタン樹脂において、前記成分Bの分子量は前記プライマー層に柔軟性を十分に発揮可能なウレタン樹脂が得られる範囲であればよく、アジピン酸ないしアジピン酸とテレフタル酸の混合物と、3−メチルペンタンジオールおよび1,4−シクロヘキサンジメタノールからなるポリエステルジオールの場合、500〜5000(重量平均分子量)が好ましい。
前記成分Cは、1分子中に2個のイソシアネート基を有する脂肪族ないし脂環族のジイソシアネート化合物が用いられる。このジイソシアネートとしては、たとえば、テトラメチレンジイソシアネート、2,2,4(2,4,4)−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4’−シクロヘキシルジイソシアネート等を挙げることができる。ジイソシアネート成分としては、イソホロンジイソシアネートが物性およびコストが優れる点で好ましい。上記の成分A〜Cを反応させる場合のアクリル重合体、ポリエステルポリオールおよび後述する鎖延長剤の合計の水酸基(アミノ基の場合もある)と、イソシアネート基の当量比はイソシアネート基が過剰となるようにする。
上記の三成分A、B、Cを60〜120℃で2〜10時間程度反応させると、ジイソシアネートのイソシアネート基がポリエステルポリオール末端の水酸基と反応してポリエステルウレタン樹脂成分が形成されると共にアクリル重合体末端の水酸基にジイソシアネートが付加した化合物も混在し、過剰のイソシアネート基および水酸基が残存した状態のプレポリマーが形成される。このプレポリマーに鎖延長剤として、たとえば、イソホロンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等のジアミンを加えてイソシアネート基を前記鎖延長剤と反応させ、鎖延長することでアクリル重合体成分がポリエステルウレタンの分子中に導入され、末端に水酸基を有する(i)のアクリル−ポリエステルウレタン共重合体を得ることができる。
(i)のアクリル−ポリエステルウレタン共重合体に、(ii)のイソシアネートを加えると共に、塗布法、乾燥後の塗布量を考慮して必要な粘度に調節した塗布液となし、グラビアコート法、ロールコート法等の周知の塗布法で塗布することにより前記プライマー層を形成することができる。プライマー層の乾燥後の塗布量としては、1〜20g/m2であり、好ましくは1〜5g/m2である。また、このプライマー層は、必要に応じてシリカ粉末などの充填剤、光安定剤、着色剤等の添加剤を添加した層としてもよいものである。また、(ii)のイソシアネートとしては、(i)のアクリル−ポリエステルウレタン共重合体の水酸基と反応して架橋硬化させることが可能なものであればよく、たとえば、2価以上の脂肪族ないし芳香族イソシアネートが使用でき、特に熱変色防止、耐候性の点から脂肪族イソシアネートが望ましい。具体的には、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートの単量体、または、これらの2量体、3量体などの多量体、あるいは、これらのイソシアネートをポリオールに付加した誘導体(アダクト体)のようなポリイソシアネートなどを挙げることができる。なお、図2、図3の化粧層2においては、プライマー層(図2、3上、符号5、5’、5”で示した層)を設けた構成のものを示したが、これは、床材としての高レベルの要求に応える仕様であり、床材としての要求レベルが低い場合にはこれらプライマー層(図2、3上、符号5、5’、5”で示した層)は必ず設けなければならないものでもないし、また、図4において、前記紙系シート23と前記ベタ柄印刷層8’との間、あるいは、前記ベタ柄印刷層8’および前記絵柄印刷層8と前記表面保護層21との間に上記したプライマー層を設けて接着強度を向上させるなり、あるいは、前記ベタ柄印刷層8’および前記絵柄印刷層8の表面保護をするなりして高レベルの要求に応える仕様としてもよいものである。
また、前記凹陥模様6は加熱プレスやヘアライン加工などにより形成することができ、その模様としては、たとえば、導管溝、石板表面凹凸、布表面テクスチュア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝、鏡面等である。
なお、今までは、表層に表面保護層21を設けた化粧層2ということで説明してきたが、本発明の床材はこれに限ることはなく、たとえば、図2、3における前記プライマー層5および/ないし前記表面保護層21を形成する前の化粧層2をバッカー材9、および、合板4と積層し、凹溝部12を形成すると共に前記凹溝部12内の表出面を覆うように着色塗膜層10を設けた後に、前記プライマー層5および/ないし前記表面保護層21を設けるように構成してもよいし、また、図4における前記表面保護層21を形成する前の化粧層2をバッカー材9、および、合板4と積層し、凹溝部12を形成すると共に前記凹溝部12内の表出面を覆うように着色塗膜層10を設けた後に、前記表面保護層21を設けるように構成してもよいものである。また、図示はしないが、図2〜4に示した化粧層2に代えて、厚さが0.15〜0.7mm、好ましくは0.15〜0.3mmのカシ、ナラ、セン、ブナ、ケヤキ、カシ等の突板の裏面(合板側となる面)に干割れ防止や加工性を考慮して紙や不織布を貼合した突板化粧シートを用いてもよいし、突板のみを用いてもよいものである。この場合は、当然のことながら、表面保護層21は前記突板化粧シートとバッカー材9、および、合板4を積層し、凹溝部12を形成すると共に前記凹溝部12内の表出面を覆うように着色塗膜層10を設けた後に設けるものである。また、図示はしないが、図2〜4に示した化粧層2に代えて、合成樹脂製フィルム、たとえば、ポリプロピレンフィルムの一方の面に上記した突板を貼合して後に前記ポリプロピレンフィルム側からエンボス加工を施し、その後に前記ポリプロピレンフィルム面に硬化型樹脂からなる表面保護層を設けた合成樹脂製フィルムと突板とからなる積層化粧シートを用いてもよいものであるし、表面保護層は前記積層化粧シートをバッカー材9、および、合板4と積層し、凹溝部12を形成すると共に前記凹溝部12内の表出面を覆うように着色塗膜層10を設けた後に、形成してもよいものである。また、着色塗膜層10は、着色に限るものではなく、無色透明であってもよいし、着色については、透明、不透明のいずれであってもよいものである。また、今までは、前記凹溝部12をV字状として説明してきたが、溝形状はV字状に限ることはなく、U字状、断面四角形状、断面多角形状、断面R状(溝部に落ち込む角部が凸状の曲面状)など、任意の断面形状を採ることができる。また、一般的に凹溝部12の幅は0.05〜5mm程度であり、深さは0.5〜3mm程度である。
次に、本発明について、以下に実施例を挙げてさらに詳しく説明する。
[化粧層の作製]
両面コロナ放電処理を施した60μm厚さの着色ポリプロピレン系フィルムの一方の面にグラビア印刷法でウレタン/硝化綿系プライマー層(固形分として2g/m2)を形成し、他方の面に2液硬化型ウレタン系印刷インキでベタ柄印刷層と該ベタ柄印刷層上に木目柄の絵柄印刷層をグラビア印刷法で形成した後に、前記絵柄印刷層面全面に2液硬化型ウレタン系樹脂からなる接着剤層(固形分として2g/m2)を形成し、該接着剤層面にベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤とヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤を添加したポリプロピレン系熱可塑性エラストマーをTダイ押出機で加熱溶融押出しして、80μm厚さの透明樹脂層を形成し、次いで前記透明樹脂層面に木目導管柄のエンボス版で凹陥模様を設けると共に、前記透明樹脂層面全面にアクリル/ウレタンブロック共重合体を主剤とし、硬化剤としてイソシアネートを添加した2液硬化型ウレタン系樹脂を塗布して透明プライマー層(固形分として1g/m2)を形成し、さらに前記透明プライマー層面全面に、ウレタンアクリレート系電離放射線硬化型樹脂を塗布すると共に電子線〔加速電圧:175KeV、照射量:5Mrad〕を照射して透明な表面保護層(固形分として15g/m2)を形成した化粧層となる化粧シートを作製した。
[化粧層の作製]
両面コロナ放電処理を施した60μm厚さの着色ポリプロピレン系フィルムの一方の面にグラビア印刷法でウレタン/硝化綿系プライマー層(固形分として2g/m2)を形成し、他方の面に2液硬化型ウレタン系印刷インキでベタ柄印刷層と該ベタ柄印刷層上に木目柄の絵柄印刷層をグラビア印刷法で形成した後に、前記絵柄印刷層面全面に2液硬化型ウレタン系樹脂からなる接着剤層(固形分として2g/m2)を形成し、該接着剤層面にベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤とヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤を添加したポリプロピレン系熱可塑性エラストマーをTダイ押出機で加熱溶融押出しして、80μm厚さの透明樹脂層を形成し、次いで前記透明樹脂層面に木目導管柄のエンボス版で凹陥模様を設けると共に、前記透明樹脂層面全面にアクリル/ウレタンブロック共重合体を主剤とし、硬化剤としてイソシアネートを添加した2液硬化型ウレタン系樹脂を塗布して透明プライマー層(固形分として1g/m2)を形成し、さらに前記透明プライマー層面全面に、ウレタンアクリレート系電離放射線硬化型樹脂を塗布すると共に電子線〔加速電圧:175KeV、照射量:5Mrad〕を照射して透明な表面保護層(固形分として15g/m2)を形成した化粧層となる化粧シートを作製した。
[床材の作製]
上記で作製した化粧シートとバッカー材としての250μm厚さの両面コロナ放電処理を施した未延伸ポリプロピレンシートと12mm厚さのラワン合板とを化粧シートの表面保護層が表出するようにウレタン系接着剤〔中央理化工業(株)製:BA−10L/BA−11B(商品名)=100/2.5をそれぞれ9g/尺2・wetとなるように塗布〕を介して積層して、化粧シート/接着剤層/バッカー材/接着剤層/合板からなる積層体を作製し、次いで、角度90度で溝幅が2mm、深さが1mmのV字状の凹溝部をテノーナーにて作製した凹溝部を有する床材を作製した。
上記で作製した化粧シートとバッカー材としての250μm厚さの両面コロナ放電処理を施した未延伸ポリプロピレンシートと12mm厚さのラワン合板とを化粧シートの表面保護層が表出するようにウレタン系接着剤〔中央理化工業(株)製:BA−10L/BA−11B(商品名)=100/2.5をそれぞれ9g/尺2・wetとなるように塗布〕を介して積層して、化粧シート/接着剤層/バッカー材/接着剤層/合板からなる積層体を作製し、次いで、角度90度で溝幅が2mm、深さが1mmのV字状の凹溝部をテノーナーにて作製した凹溝部を有する床材を作製した。
上記で作製した床材の凹溝部の表出面を覆うように、セピア色に着色された2液硬化型ウレタン系印刷インキをディスペンサーにて図1に示す符号Tで示す着色塗膜厚みが、
(1)2〜3μm
(2)30μm以上40μm未満
(3)40μm以上50μm未満
(4)50μm以上60μm未満
(5)60μm以上70μm未満
(6)70μm以上80μm未満
(7)80μm以上90μm未満
からなる7種類のテストサンプルを作製し、下記する評価方法で評価して、その結果を表1に纏めた示した。
(1)2〜3μm
(2)30μm以上40μm未満
(3)40μm以上50μm未満
(4)50μm以上60μm未満
(5)60μm以上70μm未満
(6)70μm以上80μm未満
(7)80μm以上90μm未満
からなる7種類のテストサンプルを作製し、下記する評価方法で評価して、その結果を表1に纏めた示した。
なお、図1の符号Tで示す着色塗膜厚みの測定は、凹溝部について5mm程度の幅でスライスして、デジタルマイクロスコープ〔KEYENCE製:VHX−100(商品名)〕にて、50〜100倍の倍率下で断面確認と厚み測定を行った。
表1からも明らかなように、図1に示す符号Tで示す着色塗膜厚みが、50μm以上であるテストサンプルは好ましい結果を示し、さらに、着色塗膜厚みが60μm以上において、最良の結果を示した。
1 床材
2 化粧層
3,3’ 接着剤層
4 合板
5,5’,5” プライマー層
6 凹陥模様
7 ワイピングインキ
8 絵柄印刷層
8’ ベタ柄印刷層
9 バッカー材
10 着色塗膜層
11 化粧材
12 凹溝部
21 表面保護層
22 合成樹脂製透明層
22’ 合成樹脂層
23 紙系シート
α 微粒子
T 着色塗膜層の特定部位の膜厚
2 化粧層
3,3’ 接着剤層
4 合板
5,5’,5” プライマー層
6 凹陥模様
7 ワイピングインキ
8 絵柄印刷層
8’ ベタ柄印刷層
9 バッカー材
10 着色塗膜層
11 化粧材
12 凹溝部
21 表面保護層
22 合成樹脂製透明層
22’ 合成樹脂層
23 紙系シート
α 微粒子
T 着色塗膜層の特定部位の膜厚
Claims (8)
- 合板と、バッカー材の一方の面に化粧層を備えた化粧材とを化粧層が表出するように接着剤層を介して積層し、前記化粧層の表面から合板の内部にまで至る凹溝部を形成すると共に、該凹溝部の表出面を覆うように塗膜層を形成してなる床材あって、前記凹溝部内の前記バッカー材の最も化粧層側の位置における接線に対して垂直な方向の前記塗膜層の膜厚が50μm以上であることを特徴とする床材。
- 前記化粧層の表層に硬化型樹脂からなる表面保護層が形成されていることを特徴とする請求項1記載の床材。
- 請求項1記載の床材において、その表層に硬化型樹脂からなる表面保護層が形成されていることを特徴とする床材。
- 前記化粧層が合成樹脂製シート基材からなることを特徴とする請求項1記載の床材。
- 前記合成樹脂製シート基材がオレフィン系熱可塑性樹脂からなることを特徴とする請求項4記載の床材。
- 前記化粧層が紙系シート基材からなることを特徴とする請求項1記載の床材。
- 前記化粧層が突板単板からなることを特徴とする請求項1記載の床材。
- 前記表面保護層が微粒子を含有してなる層であることを特徴とする請求項2、3のいずれかに記載の床材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007084250A JP2008240423A (ja) | 2007-03-28 | 2007-03-28 | 床材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007084250A JP2008240423A (ja) | 2007-03-28 | 2007-03-28 | 床材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008240423A true JP2008240423A (ja) | 2008-10-09 |
Family
ID=39912083
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007084250A Withdrawn JP2008240423A (ja) | 2007-03-28 | 2007-03-28 | 床材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008240423A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013047292A1 (ja) * | 2011-09-26 | 2013-04-04 | 大日本印刷株式会社 | 床用化粧材 |
JP2014051045A (ja) * | 2012-09-07 | 2014-03-20 | Dainippon Printing Co Ltd | 床用化粧材 |
JP2015040374A (ja) * | 2013-08-20 | 2015-03-02 | 株式会社トッパン・コスモ | 床材 |
-
2007
- 2007-03-28 JP JP2007084250A patent/JP2008240423A/ja not_active Withdrawn
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013047292A1 (ja) * | 2011-09-26 | 2013-04-04 | 大日本印刷株式会社 | 床用化粧材 |
JP2013083142A (ja) * | 2011-09-26 | 2013-05-09 | Dainippon Printing Co Ltd | 床用化粧材 |
CN103827414A (zh) * | 2011-09-26 | 2014-05-28 | 大日本印刷株式会社 | 地板用装饰材料 |
CN103827414B (zh) * | 2011-09-26 | 2016-10-12 | 大日本印刷株式会社 | 地板用装饰材料 |
TWI554394B (zh) * | 2011-09-26 | 2016-10-21 | Dainippon Printing Co Ltd | Floor decoration material |
JP2014051045A (ja) * | 2012-09-07 | 2014-03-20 | Dainippon Printing Co Ltd | 床用化粧材 |
JP2015040374A (ja) * | 2013-08-20 | 2015-03-02 | 株式会社トッパン・コスモ | 床材 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP7107347B2 (ja) | 防湿フィルム | |
JP4569720B2 (ja) | 床材用化粧材 | |
JP5145645B2 (ja) | 化粧シートおよびそれを用いた化粧板 | |
JP5360251B2 (ja) | 水性塗料 | |
JP4605844B2 (ja) | 床材用化粧材の製造方法 | |
JP4797692B2 (ja) | 床材 | |
JP2005264136A (ja) | 水性塗料 | |
JP2006207343A (ja) | 床材 | |
KR100707040B1 (ko) | 바닥재용 적층체 | |
JP3642994B2 (ja) | 床材用化粧材及びその製造方法 | |
JP2008082119A (ja) | 床材 | |
JP2006207346A (ja) | 床材 | |
JP5141008B2 (ja) | 化粧シートおよびそれを用いた化粧板 | |
JP2007077763A (ja) | 床材 | |
JP2008240423A (ja) | 床材 | |
JP4170989B2 (ja) | 床材用化粧材の製造方法 | |
JP2009074255A (ja) | 床材 | |
KR20090091188A (ko) | 화장 시트 및 그것을 사용한 화장판 | |
JP4815652B2 (ja) | 化粧材 | |
JP2006046053A (ja) | 床材 | |
JP5634656B2 (ja) | 床材 | |
JP2008018579A (ja) | 化粧シートおよびそれを用いた化粧板 | |
JP5256601B2 (ja) | 化粧シートおよびそれを用いた化粧板 | |
JP5011635B2 (ja) | 化粧材 | |
JP2007239445A (ja) | 床材 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20100601 |