JP5011635B2 - 化粧材 - Google Patents

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本発明は、落下衝撃に対して耐性を有する化粧材に関し、更に詳しくは、落下衝撃に対して耐性を有する床材、あるいは、デスクやキャビネットの天板等に使用可能な化粧材に関するものである。
従来から、木質系基材に化粧シートを貼着した床材等の化粧材が知られている。該化粧材に用いられる前記化粧シートとしては、その求められる表面物性、すなわち、耐擦傷性や耐汚染性を確保する意味から、通常は表面に硬化型樹脂からなる表面保護層が設けられている。また、それに用いられる前記木質系基材としては、通常はラワン材を用いた合板が用いられているが、このような合板からなる化粧材はキャスター付き家具のキャスター部、あるいは、椅子や机等の脚部先端部に荷重が掛かった場合に、その表面に傷が付いたり、あるいは、凹んだりし易いという問題や合板表面の凹凸がそのまま化粧シート表面に現出して意匠性を損ない易いという問題があった(たとえば、特許文献1参照)。
そこで、木質系基材として前記化粧シートを貼着する側の前記合板の面に中密度繊維板、いわゆるMDFを積層した複合材を用いた化粧材が採用されるようになり、上記した合板からなる木質系基材を用いた化粧材の問題を解決することができたが、このような中密度繊維板を用いた複合材からなる化粧材は合板単体からなる化粧材に比べて、それだけコストが高い上に、中密度繊維板は水を吸収して膨らみ、床面に波打ちが生じ易いために、水が床に飛散し易い台所等の床には特に使い難いという問題があった。
特開2001−193267号公報
そこで本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、第1の目的とするところは、水の影響を受け難く、耐擦傷性や耐汚染性等の表面物性を有すると共に、特に耐落下衝撃性において優れる化粧材、特に床材、あるいは、デスクやキャビネット等の天板を手ごろなコストで提供することであり、第2の目的とするところは、凹凸の少ない平滑性に優れた外観を有する化粧材、特に床材、あるいは、デスクやキャビネット等の天板を手ごろなコストで提供することである。
本発明者は、上記課題を達成するために、請求項1記載の本発明は、合板の一方の面側に電離放射線硬化型樹脂からなる表面保護層が設けられた化粧シートを有する化粧材において、前記合板と前記化粧シートの間に無機微粒子を含有した硬化型樹脂からなる衝撃分散層を有することを特徴とするものである。
また、請求項記載の本発明は、請求項記載の化粧材において、前記無機微粒子が3.0〜9.0のモース硬度を有するものであることを特徴とするものである。
また、請求項記載の本発明は、請求項1記載の化粧材において、前記化粧シートが合成樹脂製シート基材からなることを特徴とするものである。
また、請求項記載の本発明は、請求項記載の化粧材において、前記合成樹脂製シート基材がオレフィン系熱可塑性樹脂からなることを特徴とするものである。
また、請求項記載の本発明は、請求項3、4のいずれかに記載の化粧材において、前記表面保護層が前記合成樹脂製シート基材にアクリル樹脂とウレタン樹脂の共重合体とイソシアネートとから形成されたプライマー層を介して形成されていることを特徴とするものである。
また、請求項記載の本発明は、請求項1記載の化粧材において、記化粧シートが紙系シート基材からなることを特徴とするものである。
また、請求項記載の本発明は、請求項1〜6のいずれかに記載の化粧材において、前記表面保護層が微粒子を含有した層であることを特徴とするものである。
本発明の化粧材は、水が浸透しても膨らむことはなく、特に耐落下衝撃性において優れる共に表面平滑性においても優れるという効果を奏する。
上記の本発明について、図面等を用いて以下に詳しく説明する。
図1は本発明にかかる化粧材の第1実施形態の層構成を図解的に示す図、図2は図1に示す化粧材に落下衝撃が加わった場合の衝撃分散層の機能を図解的に説明する要部拡大図、図3は本発明にかかる化粧材の第2実施形態の層構成を図解的に示す図、図4は本発明の化粧材を構成する化粧シートの第1実施態様を図解的に示す層構成図、図5は本発明の化粧材を構成する化粧シートの第2実施態様を図解的に示す層構成図、図6は本発明の化粧材を構成する化粧シートの第3実施態様を図解的に示す層構成図であり、図中の1,1’は化粧材、2は化粧シート、3,9は接着剤層、4は無機微粒子を分散させた接着剤層、5,5’,5”はプライマー層、6は凹凸模様、7はワイピングインキ、8は絵柄印刷層、8’はベタ柄印刷層、21は表面保護層、22は合成樹脂製透明シート、22’は合成樹脂製シート、23は紙系シート、41は衝撃分散層、42は合板、αは無機微粒子、βは微粒子をそれぞれ示す。
図1は本発明にかかる化粧材の第1実施形態の層構成を図解的に示す図であって、化粧材1は合板42の一方の面に衝撃分散層41と接着剤層3と電離放射線硬化型樹脂からなる表面保護層21を有する化粧シート2とを順に積層したものである。前記合板42としては、たとえば、ラワン材や松材からなる合板を挙げることができ、繊維方向が異なる単板を一層毎に複数層、たとえば、3層、5層、7層を配置したものであって、表層の繊維方向が合板の長手方向と平行に構成されたもの、あるいは、表層の繊維方向が合板の長手方向と直交する方向に構成されたものの、いずれであってもよいものである。また、図示はしないが、前記合板42の側端部には雌実、雄実からなる実部が設けられ、化粧材1同士の前記雌実、前記雄実を嵌合させて化粧材1が床下地上に敷設される。
また、前記衝撃分散層41としては、合板と接着する樹脂であれば熱可塑性樹脂であっても、また、硬化型樹脂であってもよく、特に制限はないが、好ましくは、温度等の環境変化に左右され難い硬化型樹脂、たとえば、アクリル系樹脂、フェノール系樹脂、尿素系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂等であり、これらをビヒクルとして、適宜の溶媒で溶液化し、これに無機微粒子αを分散させたものを、たとえば、ロールコート法等の周知の塗布方法で前記合板42の一方の面に塗布・乾燥することにより形成することができる(硬化型樹脂の場合には、さらに硬化させることにより形成することができる)。なお、前記衝撃分散層41は必要に応じて顔料等で着色してもよいものである。
前記無機微粒子αとしては、モース硬度が3.0〜9.0の範囲のものが好ましく、その材料としては特に制限することなく用いることができ、例示するならば、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、シリカ、ガラスビーズ等を挙げることができ、これらは1種あるいはそれ以上を混合して用いてもよいものである。モース硬度が3.0未満の場合は柔らかすぎるために、また、モース硬度が9.0超の場合は硬すぎるために、いずれも衝撃がストレートに合板42に伝播する可能性が高く、前記衝撃分散層41の機能を果たし難くなる。また、前記無機微粒子αの粒径および分散量としては、前記衝撃分散層41内でその厚さ方向に前記無機微粒子αが積層構造となることが好ましく、その粒径および分散量を考慮する必要がある。前記衝撃分散層41としては合板の凹凸を吸収して合板の凹凸面に比べて平滑な表出面とする必要性から乾燥後に40g/m2となるように塗布することが好ましい。また、コストを考慮すると乾燥後の塗布量として60g/m2以下とすることが好ましいものである。粒径としては、概ね0.5〜10μmの範囲のものから選択し、分散量としては樹脂100重量部に対して100〜350重量部の範囲で分散させるのが適当である。また、分散させる前記無機微粒子αの粒径は、上記した範囲内で単一の粒径のものを分散させたものよりも上記した範囲内で大きい粒径と小さい粒径を適宜の配合で混合したものを分散させたもので前記衝撃分散層41を形成する方が、耐衝撃性において優れたものとすることができる。これは大きい粒径の間に小さい粒径の無機微粒子αが配置され、いわゆる石垣のような最密充填構造を採るためであると考えられる。なお、粒径は平均粒径の意味である。
次に、後述する電離放射線硬化型樹脂からなる表面保護層21を有する化粧シート2と前記衝撃分散層41とを貼着する前記接着剤層3について説明する。前記接着剤層3としては、ポリオール成分とイソシアネート成分からなる2液硬化型ポリウレタン系接着剤を用いて周知のドライラミネーション法やウエットラミネーションで形成すればよい。前記ポリオール成分としては、ポリエステルポリオール、ポリエステルポリウレタンポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエーテルポリウレタンポリオール等を挙げることができ、イソシアネート成分としては、TDI、MDI、HDI、PIDI、XDI等のジイソシアネートおよびこれらを出発原料とする変性体を挙げることができる。また、特開昭64−14287号公報に開示されているような、ポリイソシアネートにポリエステルポリオールとポリブタジエン骨格を有するポリオールとを任意の順序で加えて付加反応させて得られたポリエステル骨格とポリブタジエン骨格とがウレタン結合により結合された構造を有し、かつ、分子末端にイソシアネート基を有する結晶性ウレタンプレポリマー、あるいは、特開平2−305882号公報に開示されているような、ポリカーボネート系ポリオールとポリイソシアネートを反応させて得られる分子中に2個以上のイソシアネート基を有するポリカーボネート系ウレタンプレポリマー、ポリエステル系ポリオールとポリイソシアネートを反応させて得られる分子中に2個以上のイソシアネート基を有するポリエステル系ウレタンプレポリマー等の湿気硬化型ホットメルト接着剤を用いてもよいものである。前記接着剤層3の塗布量としては、固形分として概ね10〜50g/m2、好ましくは25〜40g/m2であり、接着剤の塗布面は、後述する化粧シート2の前記表面保護層21の反対面であってもよいし、前記衝撃分散層41面であってもよいものである。
このように構成した化粧材1は、後述する前記化粧シート2側から落下衝撃が加わると、図2に示すように、落下衝撃力Fは前記衝撃分散層41に分散されて積層構造をとっている無機微粒子αにより、前記衝撃力Fが合板42にF1(図2上は前記衝撃力Fが4方向に分割された衝撃力F1)として伝播されるために、合板42に対する衝撃力が緩和され、耐落下衝撃性を向上させることができ、合板の凹みひいては化粧材の凹みを少なくすることができる。
図3は本発明にかかる化粧材の第2実施形態の層構成を図解的に示す図であって、化粧材1’は合板42の一方の面に無機微粒子αを分散させた接着剤層4と電離放射線硬化型樹脂からなる表面保護層21を有する化粧シート2とを順に積層したものである。前記接着剤層4は、上記した第1実施形態における前記接着剤層3で説明したものと同じ接着剤を用いて形成することができ、この接着剤層4に分散する無機微粒子αについても上記で説明したものと同じ種類で同じ粒径のものを用いることができ、分散量についても上記と同様である。また、塗布量としては接着力と無機微粒子αが前記接着剤層4の厚さ方向に積層構造をとるように塗布量を調節すればよいものであるが、概ね乾燥後に40〜100g/m2となるように塗布すればよい。接着剤の塗布面は、後述する化粧シート2の前記表面保護層21の反対面であってもよいし、前記合板42面であってもよいものである。このように構成した化粧材1’は前記接着剤層4が第1実施形態で説明した前記衝撃分散層41と同じ働きをするために、耐落下衝撃性を向上させることができ、合板の凹みひいては化粧材の凹みを少なくすることができる。なお、前記接着剤層4は必要に応じて顔料等で着色してもよいものである。
次に、電離放射線硬化型樹脂からなる表面保護層21を有する化粧シート2について説明する。図4は本発明の化粧材を構成する化粧シートの第1実施態様を図解的に示す層構成図であって、化粧シート2は合成樹脂製シート基材としての合成樹脂製透明シート22の一方の面にエンボス加工を施して凹凸模様6を設け、その上からワイピング処理を施して前記凹凸模様6の凹部内にワイピングインキ7を充填した後に、表出面全面にプライマー層5を設け、該プライマー層5上に電離放射線硬化型樹脂からなる表面保護層21を形成すると共に前記合成樹脂製透明シート22の他方の面にプライマー層5’を介して絵柄印刷層8、ベタ柄印刷層8’を順に印刷形成したものである。この化粧シート2は該化粧シート2の前記ベタ柄印刷層8’と第1実施形態としての前記衝撃分散層41とが前記接着剤層3を介して貼合されるなり、あるいは、前記化粧シート2の前記ベタ柄印刷層8’と第2実施形態としての前記合板42とが前記接着剤層4を介して貼合される。
図5は本発明の化粧材を構成する化粧シートの第2実施態様を図解的に示す層構成図であって、化粧シート2は合成樹脂製シート基材としての合成樹脂製シート22’の少なくとも一方の面にプライマー層5”を設け、該プライマー層5”上にベタ柄印刷層8’、絵柄印刷層8を順に印刷形成し、さらに前記絵柄印刷層8側の面全面に前記接着剤層3で説明した、ポリオール成分とイソシアネート成分からなる2液硬化型ポリウレタン系接着剤で形成した接着剤層9を介して合成樹脂製透明シート22が周知のドライラミネーション法で貼合され、該合成樹脂製透明シート22の表面にエンボス加工を施して凹凸模様6を設け、その後、図4に示したと同様に、凹凸模様6の上からワイピング処理を施して前記凹凸模様6の凹部内にワイピングインキ7を充填し、さらに表面にプライマー層5を設け、該プライマー層5上に電離放射線硬化型樹脂からなる表面保護層21を形成したものである。この化粧シート2は該化粧シート2の前記合成樹脂製シート22’と第1実施形態としての前記衝撃分散層41とが前記接着剤層3を介して貼合されるなり、あるいは、前記化粧シート2の前記合成樹脂製シート22’と第2実施形態としての前記合板42とが接着剤層4を介して貼合される。前記合成樹脂製シート22’は、一般的には着色シートが用いられるが、無着色シートであってもよい。なお、図4、5に示した化粧シートは、エンボス加工とワイピング処理した実施態様を示したが、本発明に供する化粧シートはこれに限るものではなく、表面平滑性に優れた鏡面仕上げの化粧シートであってもよいものである。
図6は本発明の化粧材を構成する化粧シートの第3実施態様を図解的に示す層構成図であって、化粧シート2は紙系シート基材としての紙系シート23の一方の面にベタ柄印刷層8’、絵柄印刷層8を順に印刷形成し、さらに前記絵柄印刷層8側の面全面に後述する微粒子βを含有した電離放射線硬化型樹脂からなる表面保護層21を形成したものである。この化粧シート2は該化粧シート2の前記紙系シート23と第1実施形態としての前記衝撃分散層41とが前記接着剤層3を介して貼合されるなり、あるいは、前記化粧シート2の前記紙系シート23と第2実施形態としての前記合板42とが前記接着剤層4を介して貼合される。
次に、前記化粧シート2を構成する諸材料について説明する。まず、前記合成樹脂製透明シート22および前記合成樹脂製シート22’としては、加工適性に優れ、燃焼時に有害なガスを発生しないことなどから、飽和ポリエステル樹脂や低密度ポリエチレン(線状低密度ポリエチレンを含む)、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ホモポリプロピレン、エチレンαオレフィン共重合体、ポリメチルペンテン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、あるいは、これらの混合物等のオレフィン系熱可塑性樹脂を挙げることができるが、比較的安価であることを考慮すると前記オレフィン系熱可塑性樹脂が好ましい。前記合成樹脂製透明シート22および前記合成樹脂製シート22’は未延伸の状態、あるいは、一軸ないし二軸方向に延伸した状態のいずれの状態であってもよいものであって、厚さとしては概ね60〜300μm程度である。また、これらのシートは必要に応じて必要な面にコロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理等の周知の易接着処理を施してもよいものである。
また、前記紙系シート23としては、薄葉紙、クラフト紙、チタン紙、リンター紙、板紙、石膏ボード紙、上質紙、コート紙、アート紙、硫酸紙、グラシン紙、パーチメント紙、パラフィン紙、和紙、ラテックス含浸紙等を挙げることができるし、ガラス繊維、石綿、チタン酸カリウム繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、炭素繊維等の無機質繊維、ポリエステル、ビニロン等の有機樹脂等を用いた織布ないし不織布等を挙げることができる。
また、前記絵柄印刷層8および前記ベタ柄印刷層8’としては、グラビア印刷法、オフセット印刷法、シルクスクリーン印刷法等の周知の印刷法でインキを用いて形成することができる。前記絵柄印刷層8としては、たとえば、木目模様、石目模様、布目模様、皮紋模様、幾何学模様、文字、記号、線画、各種抽象模様柄であり、前記ベタ柄印刷層8’としては隠蔽性を有する着色インキでベタ印刷したものである。図4〜6においては、前記絵柄印刷層8と前記ベタ柄印刷層8’の両印刷層を設けた構成を示したが、いずれか一方の構成であってもよいものである。
また、前記絵柄印刷層8および前記ベタ柄印刷層8’を形成するインキとしては、ビヒクルとして塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等の塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、イソシアネートとポリオールとからなるポリウレタン、ポリアクリル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、セルロース系樹脂、ポリアミド樹脂等を1種ないし2種以上混合して用い、これに顔料、溶剤、各種補助剤等を加えてインキ化したものを用いることができ、環境問題を考慮すると、ポリエステル、イソシアネートとポリオールからなるポリウレタン、ポリアクリル、ポリ酢酸ビニル、セルロース系樹脂、ポリアミド系樹脂等の1種ないし2種以上混合した非塩素系のビヒクルが適当であり、より好ましくはポリエステル、イソシアネートとポリオールからなるポリウレタン、ポリアクリル、ポリアミド系樹脂等の1種ないし2種以上混合したものである。また、前記ワイピングインキ7についても、上記したインキを用いればよいものである。
次に、前記表面保護層21を形成する電離放射線硬化型樹脂について説明する。電離放射線硬化型樹脂としては、分子中に、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基等のラジカル重合性不飽和基、またはエポキシ基等のカチオン重合性官能基を有する単量体、プレポリマーまたはポリマーからなる。これら単量体、プレポリマーまたはポリマーは、単体で用いるか、あるいは、複数種混合して用いる。なお、本明細書で(メタ)アクリレートとは、アクリレートないしメタアクリレートの意味で用いる。また、電離放射線とは、電磁波ないし荷電粒子線のうち分子を重合あるいは架橋し得るエネルギー量子を有するものを意味し、通常は紫外線ないし電子線である。
ラジカル重合性不飽和基を有するプレポリマーとしては、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、トリアジン(メタ)アクリレート、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。このプレポリマーは、通常、分子量が10000程度以下のものが用いられる。分子量が10000を超えると硬化した樹脂層の耐擦傷性、耐摩耗性、耐薬品性、耐熱性等の表面物性が不足する。上記のアクリレートとメタアクリレートとは共用し得るが、電離放射線での架橋硬化速度という点ではアクリレートの方が速いため、高速度、短時間で能率よく硬化させるという目的ではアクリレートの方が有利である。
カチオン重合性官能基を有するプレポリマーとしては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、脂環型エポキシ樹脂等のエポキシ系樹脂、脂肪族系ビニルエーテル、芳香族系ビニルエーテル、ウレタン系ビニルエーテル、エステル系ビニルエーテル等のビニルエーテル系樹脂、環状エーテル化合物、スピロ化合物等のプレポリマーが挙げられる。
ラジカル重合性不飽和基を有する単量体の例としては、(メタ)アクリレート化合物の単官能単量体として、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシブチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2エチルヘキシル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジベンジルアミノエチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルハイドロゲンテレフタレート等が挙げられる。
また、ラジカル重合性不飽和基を有する多官能単量体として、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノール−A−ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイドトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセリンポリエチレンオキサイドトリ(メタ)アクリレート、トリス(メタ)アクリロイルオキシエチルフォスフェート等が挙げられる。
カチオン重合性官能基を有する単量体は、上記カチオン重合性官能基を有するプレポリマーの単量体を用いることができる。
上記した電離放射線硬化型樹脂を、紫外線を照射することにより硬化させる場合には、増感剤として光重合開始剤を添加する。ラジカル重合性不飽和基を有する樹脂系の場合の光重合開始剤は、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、ベンゾイン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、ミヒラーケトン、ジフェニルサルファイド、ジベンジルジサルファイド、ジエチルオキサイト、トリフェニルビイミダゾール、イソプロピル−N,N−ジメチルアミノベンゾエート等を単独ないし混合して用いることができる。また、カチオン重合性官能基を有する樹脂系の場合は、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、メタロセン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル、フリールオキシキソニウムジアリルヨードシル塩等を単独ないし混合物として用いることができる。なお、これら光重合開始剤の添加量は、一般に、電離放射線硬化型樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部程度である。前記表面保護層21の形成方法としては、前記した電離放射線硬化型樹脂を溶液化し、グラビアコート法やロールコート法等の周知の塗布方法で前記合成樹脂製透明シート22あるいは前記紙系基材23の所定の面に塗布することにより形成することができる。塗布量としては、固形分として概ね5〜200g/m2が適当であり、好ましくは15〜30g/m2である。
次に、電離放射線硬化型樹脂からなる前記表面保護層21に、一層の耐擦傷性や耐摩耗性を付与する場合には、酸化アルミニウム、炭化珪素、二酸化珪素、チタン酸カルシウム、チタン酸バリウム、マグネシウムパイロボレート、酸化亜鉛、窒化珪素、酸化ジルコニウム、酸化クロム、酸化鉄、窒化硼素、ダイヤモンド、金剛砂、黒鉛等の無機粒子、あるいは、架橋アクリル等の合成樹脂からなるビーズなどの有機粒子等の微粒子β(図6参照)を加えることにより達成することができる。前記微粒子β(図6参照)は微粒子表面に突起や角のあるものでもよいが、突起や角のない真球状、楕円上、あるいは、これらに近い形状が加工適性の点から、また、靴底等を摩耗させない点等から好ましい。前記微粒子βの平均粒子径としては、前記表面保護層21の塗膜厚さにより選択して用いる必要があるが、基本的には前記微粒子βが前記表面保護層21から一部表出するように選択すべきであり、通常、平均粒径としては5〜100μm程度のものである。また、前記微粒子βの電離放射線硬化型樹脂100重量部に対する割合は1〜50重量部、好ましくは5〜20重量部である。なお、実施例においては、前記微粒子βを図6に示した第3実施態様の化粧シート2の表面保護層21にのみ含有させたものを示したが、図4、5の第1実施態様、第2実施態様の化粧シート2の前記表面保護層21に含有させてもよいものである。
次に、前記プライマー層5、5’、5”について説明する。前記プライマー層5は前記合成樹脂製透明シート22と前記表面保護層21との接着強度を向上させる目的で設けるものであり、前記プライマー層5’は前記合成樹脂製透明シート22と前記絵柄印刷層8ならびに前記ベタ柄印刷層8’との接着強度を向上させる目的で設けるものであり、前記プライマー層5”は前記合成樹脂製シート22’と前記ベタ柄印刷層8’との接着強度を向上させる目的で設けるものである。以下、前記プライマー層5、5’、5”を総称してプライマー層と呼称する。このプライマー層としては、(i)アクリル樹脂とウレタン樹脂との共重合体と、(ii)イソシアネートとからなる樹脂で形成されたものである。すなわち、(i)のアクリル樹脂とウレタン樹脂との共重合体は、末端に水酸基を有するアクリル重合体成分(成分A)、両末端に水酸基を有するポリエステルポリオール成分(成分B)、ジイソシアネート成分(成分C)を配合して反応させてプレポリマーとなし、該プレポリマーにさらにジアミンなどの鎖延長剤(成分D)を添加して鎖延長することで得られるものである。この反応によりポリエステルウレタンが形成されると共にアクリル重合体成分が分子中に導入され、末端に水酸基を有するアクリル−ポリエステルウレタン共重合体が形成される。このアクリル−ポリエステルウレタン共重合体の末端の水酸基を(ii)のイソシアネートと反応させて硬化させたものが前記プライマー層である。
前記成分Aは、末端に水酸基を有する直鎖状のアクリル酸エステル重合体が用いられる。具体的には、末端に水酸基を有する直鎖状のポリメチルメタクリレート(PMMA)が耐候性(特に光劣化に対する特性)に優れ、ウレタンと共重合させて相溶化するのが容易である点から好ましい。前記成分Aは、共重合体においてアクリル樹脂成分となるものであり、分子量5000〜7000(重量平均分子量)のものが耐候性、接着性が特に良好であるために好ましく用いられる。また、前記成分Aは、両末端に水酸基を有するもののみを用いてもよいが、片末端に共役二重結合が残っているものを上記の両末端に水酸基を有するものと混合して用いてもよいものである。共役二重結合が残っているアクリル重合体を混合することにより、前記プライマー層と接する層、たとえば、前記表面保護層21の電離放射線硬化型樹脂とアクリル重合体の共役二重結合が反応するために電離放射線硬化型樹脂との間の接着性を向上させることができる。
前記成分Bは、ジイソシアネートと反応してポリエステルウレタンを形成し、共重合体においてウレタン樹脂成分を構成するものである。前記成分Bは、両末端に水酸基を有するポリエステルジオールが用いられる。このポリエステルジオールとしては、芳香族ないしスピロ環骨格を有するジオール化合物とラクトン化合物ないしその誘導体、またはエポキシ化合物との付加反応生成物、二塩基酸とジオールとの縮合生成物、および、環状エステル化合物から誘導されるポリエステル化合物等を挙げることができる。上記ジオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、メチルペンテンジオール等の短鎖ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環族短鎖ジオール等を挙げることができる。また、上記二塩基酸としては、アジピン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等を挙げることができる。ポリエステルポリオールとして好ましいのは、酸成分としてアジピン酸ないしアジピン酸とテレフタル酸の混合物、特にアジピン酸が好ましく、ジオール成分として3−メチルペンタンジオールおよび1,4−シクロヘキサンジメタノールを用いたアジペート系ポリエステルである。
前記プライマー層において、前記成分Bと前記成分Cとが反応して形成されるウレタン樹脂成分は、前記プライマー層に柔軟性を与え、前記合成樹脂製透明シート22あるいは前記合成樹脂製シート22’との接着性に寄与する。また、アクリル重合体からなるアクリル樹脂成分は、前記プライマー層において耐候性および耐ブロッキング性に寄与する。ウレタン樹脂において、前記成分Bの分子量は前記プライマー層に柔軟性を十分に発揮可能なウレタン樹脂が得られる範囲であればよく、アジピン酸ないしアジピン酸とテレフタル酸の混合物と、3−メチルペンタンジオールおよび1,4−シクロヘキサンジメタノールからなるポリエステルジオールの場合、500〜5000(重量平均分子量)が好ましい。
前記成分Cは、1分子中に2個のイソシアネート基を有する脂肪族ないし脂環族のジイソシアネート化合物が用いられる。このジイソシアネートとしては、たとえば、テトラ目チレンジイソシアネート、2,2,4(2,4,4)−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4’−シクロヘキシルジイソシアネート等を挙げることができる。ジイソシアネート成分としては、イソホロンジイソシアネートが物性およびコストが優れる点で好ましい。上記の成分A〜Cを反応させる場合のアクリル重合体、ポリエステルポリオールおよび後述する鎖延長剤の合計の水酸基(アミノ基の場合もある)と、イソシアネート基の当量比はイソシアネート基が過剰となるようにする。
上記の三成分A、B、Cを60〜120℃で2〜10時間程度反応させると、ジイソシアネートのイソシアネート基がポリエステルポリオール末端の水酸基と反応してポリエステルウレタン樹脂成分が形成されると共にアクリル重合体末端の水酸基にジイソシアネートが付加した化合物も混在し、過剰のイソシアネート基および水酸基が残存した状態のプレポリマーが形成される。このプレポリマーに鎖延長剤として、たとえば、イソホロンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等のジアミンを加えてイソシアネート基を前記鎖延長剤と反応させ、鎖延長することでアクリル重合体成分がポリエステルウレタンの分子中に導入され、末端に水酸基を有する(i)のアクリル−ポリエステルウレタン共重合体を得ることができる。
(i)のアクリル−ポリエステルウレタン共重合体に、(ii)のイソシアネートを加えると共に、塗布法、乾燥後の塗布量を考慮して必要な粘度に調節した塗布液となし、グラビアコート法、ロールコート法等の周知の塗布法で塗布することにより前記プライマー層を形成することができる。プライマー層の乾燥後の塗布量としては、1〜20g/m2であり、好ましくは1〜5g/m2である。また、このプライマー層は、必要に応じてシリカ粉末などの充填剤、光安定剤、着色剤等の添加剤を添加した層としてもよいものである。また、(ii)のイソシアネートとしては、(i)のアクリル−ポリエステルウレタン共重合体の水酸基と反応して架橋硬化させることが可能なものであればよく、たとえば、2価以上の脂肪族ないし芳香族イソシアネートが使用でき、特に熱変色防止、耐候性の点から脂肪族イソシアネートが望ましい。具体的には、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートの単量体、または、これらの2量体、3量体などの多量体、あるいは、これらのイソシアネートをポリオールに付加した誘導体(アダクト体)のようなポリイソシアネートなどを挙げることができる。なお、図4、図5の化粧シート2においては、プライマー層(図4、5上、符号5、5’、5”で示した層)を設けた構成のものを示したが、これは、化粧材としての高レベルの要求に応える仕様であり、化粧材としての要求レベルが低い場合にはこれらプライマー層(図4、5上、符号5、5’、5”で示した層)は必ず設けなければならないものでもないし、また、図6において、前記紙系シート23と前記ベタ柄印刷層8’との間、あるいは、前記ベタ柄印刷層8’および前記絵柄印刷層8と前記表面保護層21との間に上記したプライマー層を設けて接着強度を向上させるなり、あるいは、前記ベタ柄印刷層8’および前記絵柄印刷層8の表面保護をするなりして高レベルの要求に応える仕様としてもよいものである。
また、前記凹凸模様6は加熱プレスやヘアライン加工などにより形成することができ、その模様としては、たとえば、導管溝、石板表面凹凸、布表面テクスチュア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝、鏡面等である。
なお、今までは、表層に表面保護層21を設けた化粧シートを貼合するということで説明してきたが、本発明の化粧材はこれに限ることはなく、たとえば、図4、5における前記プライマー層5および/ないし前記表面保護層21を形成する前の化粧シート2を第1実施形態としての前記衝撃分散層41面、あるいは、第2実施形態としての前記合板42面に貼着して後に前記プライマー層5および/ないし前記表面保護層21を設けるように構成してもよいし、また、図6における前記表面保護層21を形成する前の化粧シート2を第1実施形態としての前記衝撃分散層41面、あるいは、第2実施形態としての前記合板42面に貼着して後に前記表面保護層21を設けるように構成してもよいものである。また、本発明の化粧材は、前記合板42の他方の面(化粧シート2を設ける面の反対面)に衝撃分散層41を設けた構成としてもよく、このように構成することにより、加工時や時間経過に伴う化粧材の反りや捩れを防止することができる。また、本発明の化粧材は、図示はしないが、図1に示した第1実施形態の化粧材において、前記接着剤層3を図3で示した前記接着剤層4としてもよいものである。このように構成することにより、一層落下衝撃に対する耐性に優れたものとすることができる。
次に、本発明について、以下に実施例を挙げてさらに詳しく説明する。
最初に、12mm厚さのラワン合板(5ply)の一方の面に、イソシアネート系硬化剤を添加した2液硬化型塗料〔アクリル系樹脂溶液(固形分30%)100重量部に炭酸カルシウム(平均粒径:0.63μm)100重量部を分散させた塗料〕を乾燥後に50g/m2となるようにロールコート法で塗布した後に60℃の乾燥炉に20分間投入して一方の面に衝撃分散層を形成した合板(以下、衝撃分散合板と呼称する)を作製した。
[第1実施態様の化粧シートの作製]
両面にコロナ放電処理を施した120μm厚さのポリプロピレンフィルム〔三菱化学エムケーブイ(株)製:150AG3(商品名)〕の一方の面(裏面)にアクリル−ウレタン樹脂(アクリルポリオール100重量部にヘキサメチレンジイソシアネート5重量部を添加した樹脂)溶液をグラビア印刷法で固形分が2g/m2となるように塗布して印刷用プライマー層を形成し、該印刷用プライマー層上にアクリル−ウレタン樹脂(アクリルポリオール100重量部にヘキサメチレンジイソシアネート5重量部を添加した樹脂)からなる印刷インキを用いてグラビア印刷法で木目模様の絵柄印刷層とベタ柄印刷層を形成した。その後、前記ポリプロピレンフィルムの他方の面(表面)に前記木目模様の絵柄印刷層の導管部に対応するようにエンボス版で凹部を設け、該凹部内にアクリル−ウレタン樹脂(アクリルポリオール100重量部にヘキサメチレンジイソシアネート5重量部を添加した樹脂)からなるセピア色のワイピングインキを充填して乾燥させると共に、その上にアクリル−ウレタン樹脂(アクリルポリオール100重量部にヘキサメチレンジイソシアネート5重量部を添加した樹脂)溶液をグラビア印刷法で固形分が2g/m2となるように塗布して表面保護層用プライマー層を形成し、その後に、該表面保護層用プライマー層上に電離放射線硬化型樹脂〔大日精化工業(株)製:EBF−04(商品名)〕をロールコート法で塗布・乾燥して後に電子線(175KeV、5Mrad)を照射して固形分が20g/m2の表面保護層を形成した第1実施態様の化粧シートを作製した。
[第3実施態様の化粧シートの作製]
50g/m2のアクリルラテックス含浸紙の一方の面にアクリル−ウレタン樹脂(アクリルポリオール100重量部にヘキサメチレンジイソシアネート5重量部を添加した樹脂)からなる印刷インキを用いてグラビア印刷法でベタ柄印刷層と木目模様の絵柄印刷層を形成した。その後、印刷面全面に球状の微粒子としてα−アルミナ〔昭和電工(株)製:AS−30(商品名)〕を15重量部添加した電離放射線硬化型樹脂〔大日精化工業(株)製:EBF−04(商品名)〕をロールコート法で塗布・乾燥して後に電子線(175KeV、5Mrad)を照射して固形分が30g/m2の表面保護層を形成した第3実施態様の化粧シートを作製した。
[実験例1]
上記で作製した衝撃分散合板の前記衝撃分散層面に接着剤〔中央理化工業(株)製:リカボンドBA−10L(100重量部)に対してBA−11B(2.5重量部)を添加した接着剤〕をロールコート法を用いて乾燥後に約41g/m2となるように塗布すると共に該塗布面に上記で作製した第1実施態様の化粧シートを接着剤面にベタ柄印刷層が位置するように貼合して化粧材を得た。
[実験例2]
上記で作製した衝撃分散合板の前記衝撃分散層面に接着剤〔中央理化工業(株)製:リカボンドBA−10L(100重量部)に対してBA−11B(2.5重量部)を添加した接着剤〕をロールコート法を用いて乾燥後に約41g/m2となるように塗布すると共に該塗布面に上記で作製した第3実施態様の化粧シートを接着剤面に紙面が位置するように貼合して化粧材を得た。
[実験例3]
別途用意した12mm厚さのラワン合板(5ply)の一方の面に無機微粒子を分散させた接着剤をロールコート法を用いて乾燥後に約85g/m2となるように塗布すると共に該塗布面に上記で作製した第1実施態様の化粧シートを接着剤面にベタ柄印刷層が位置するように貼合して化粧材を得た。
[実験例4]
別途用意した12mm厚さのラワン合板(5ply)の一方の面に無機微粒子を分散させた接着剤をロールコート法を用いて乾燥後に約85g/m2となるように塗布すると共に該塗布面に上記で作製した第3実施態様の化粧シートを接着剤面に紙面が位置するように貼合して化粧材を得た。なお、実施例3、4に記載した無機微粒子を分散させた接着剤とは、中央理化工業(株)製:リカボンドBA−10L(100重量部)にBA−11B(2.5重量部)を添加したもの100重量部に対して平均粒径が1μmと10μmの水酸化アルミニウムとを重量比で1対1で混合したものを100重量部分散させた接着剤である。
[実験例5]
別途用意した12mm厚さのラワン合板(5ply)の一方の面に接着剤〔中央理化工業(株)製:リカボンドBA−10L(100重量部)に対してBA−11B(2.5重量部)を添加した接着剤〕をロールコート法を用いて乾燥後に約41g/m2となるように塗布すると共に上記で作製した第1実施態様の化粧シートを前記表面保護層が表出するように貼合して化粧材を得た。
[実験例6]
別途用意した12mm厚さのラワン合板(5ply)の一方の面に接着剤〔中央理化工業(株)製:リカボンドBA−10L(100重量部)に対してBA−11B(2.5重量部)を添加した接着剤〕をロールコート法を用いて乾燥後に約41g/m2となるように塗布すると共に上記で作製した第3実施態様の化粧シートを前記表面保護層が表出するように貼合して化粧材を得た。
上記で作製した実験例1〜6の化粧材について、耐落下衝撃性を下記する評価方法で評価し、その結果を表1に示した。なお、耐落下衝撃性の評価方法としては、化粧シート側からデュポン式衝撃試験(重り:500g、落下高さ:300mm、打ち径R:6.3mm)を行い、その時の化粧材の凹み深さ(単位:μm)を測定した。凹み深さが小さい程、耐衝撃性に優れる。なお、表1の数値は、それぞれの化粧材について、10回衝撃試験をした平均値である。
Figure 0005011635
表1からも明らかなように、実験例1〜4の化粧材は、実験例5、6の化粧材に比べて耐落下衝撃性において、いずれも凹みの小さい優れた性能を示した。
本発明にかかる化粧材の第1実施形態の層構成を図解的に示す図である。 図1に示す化粧材に落下衝撃が加わった場合の衝撃分散層の機能を図解的に説明する要部拡大図である。 本発明にかかる化粧材の第2実施形態の層構成を図解的に示す図である。 本発明の化粧材を構成する化粧シートの第1実施態様を図解的に示す層構成図である。 本発明の化粧材を構成する化粧シートの第2実施態様を図解的に示す層構成図である。 本発明の化粧材を構成する化粧シートの第3実施態様を図解的に示す層構成図である。
符号の説明
1,1’ 化粧材
2 化粧シート
3,9 接着剤層
4 無機微粒子を分散させた接着剤層
5,5’,5” プライマー層
6 凹凸模様
7 ワイピングインキ
8 絵柄印刷層
8’ ベタ柄印刷層
21 表面保護層
22 合成樹脂製透明シート
22’ 合成樹脂製シート
23 紙系シート
41 衝撃分散層
42 合板
α 無機微粒子
β 微粒子

Claims (7)

  1. 合板の一方の面側に電離放射線硬化型樹脂からなる表面保護層が設けられた化粧シートを有する化粧材において、前記合板と前記化粧シートの間に無機微粒子を含有した硬化型樹脂からなる衝撃分散層を有することを特徴とする化粧材。
  2. 前記無機微粒子が3.0〜9.0のモース硬度を有するものであることを特徴とする請求項1記載の化粧材
  3. 前記化粧シートが合成樹脂製シート基材からなることを特徴とする請求項1記載の化粧材
  4. 前記合成樹脂製シート基材がオレフィン系熱可塑性樹脂からなることを特徴とする請求項3記載の化粧材
  5. 前記表面保護層が前記合成樹脂製シート基材にアクリル樹脂とウレタン樹脂の共重合体とイソシアネートとから形成されたプライマー層を介して形成されていることを特徴とする請求項3、4のいずれかに記載の化粧材
  6. 前記化粧シートが紙系シート基材からなることを特徴とする請求項1記載の化粧材
  7. 前記表面保護層が微粒子を含有した層であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の化粧材
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