JP2003011277A - 化粧材 - Google Patents

化粧材

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JP2003011277A
JP2003011277A JP2001198671A JP2001198671A JP2003011277A JP 2003011277 A JP2003011277 A JP 2003011277A JP 2001198671 A JP2001198671 A JP 2001198671A JP 2001198671 A JP2001198671 A JP 2001198671A JP 2003011277 A JP2003011277 A JP 2003011277A
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layer
resin
sheet
decorative
wood
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JP2001198671A
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English (en)
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Hiromasa Togasaki
浩昌 戸賀崎
Atsushi Makiguchi
篤 巻口
Shigemiki Kato
茂幹 加藤
Yukio Suzuki
幸雄 鈴木
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Toppan Inc
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Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】木質基材の表面に化粧シートを具備してなる化
粧材において、従来の木質系床材と同等の表面意匠や歩
行性、触感等を有しながら、表面の耐傷付き性や耐キャ
スター性にも優れた化粧材を提供する。 【解決手段】木質基材1と化粧シート3との間に硬質シ
ート層2を設け、表面硬度をデュロメーター硬さ試験タ
イプD(JIS K 6253)にて60以上とする。
化粧シート3は熱可塑性樹脂層31、34を主体とし、
その表面には、2液硬化型ウレタン系リコート性樹脂層
35を介して、減摩剤364を含有し、表面に減摩剤3
64の突出による微細凸部を有する電離放射線硬化型樹
脂からなる表面保護層36を設ける。木質基材1の裏面
には、透湿度が3〜30g/m2・24hの防湿シート
4を貼着する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、戸建て住宅、アパ
ート、マンション、保養所、店舗等の建築物における床
材、壁材、天井材、階段踏板、建具等の建築資材や家具
材等として使用するための化粧材に関するものであり、
就中、特に床材として好適に使用される化粧材に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】現在、戸建て住宅、アパート、マンショ
ン、保養所、店舗等の建築物における室内床面用の床材
としては、木質系フローリング材が最も広く流行してい
る。この木質系フローリング材とは具体的には、厚さ6
〜12mm程度の天然木材の無垢板や、厚さ6〜12m
m程度の積層合板等の木質基材上に、厚み数百μm乃至
数mm程度の天然木材の突板を貼着したもの、或いはそ
れらの塗装品などである。
【0003】これらの天然木材を使用した木質系フロー
リング材は、日光による変色等の耐候性の問題や、表面
に傷が付き易く耐水性も弱い等の問題があるにも拘わら
ず、その表面の意匠が天然木材の木目という、最も自然
で親しみ易く美麗な意匠であることが最大の強みとなっ
て、耐候性の弱さは天然物ゆえに大目に見られ、表面の
傷付きや劣化は表面の研磨・塗装による補修で対応する
ことで許容されて、消費者に広く受け入れられている現
状がある。
【0004】しかるに、上記木質系フローリング材は、
その表面意匠が天然木材に依存するため、色調や木目模
様などの意匠品質の安定した製品を安定的に大量生産す
ることが困難であるという問題点がある。資源が比較的
に豊富なオーク材(楢材)であれば現在のところ大きな
問題はないが、消費者の多様な嗜好に合わせて、例えば
バーチ材(樺材)やチェリー材(桜材)などを使用して
ライト調(淡色系)の意匠の製品を品揃えに加えようと
すると、世界的にも木材資源が不足していることから、
意匠品質の安定した製品の大量供給は非常に困難であ
る。
【0005】こうした問題点に鑑みて、表面の意匠の付
与手段として、上記した天然木材の突板に代えて、木目
模様等を印刷等により人工的に表現した意匠が付与され
た化粧シートを使用した床材も、既に提案されている。
係る床材は、表面意匠の自由度や安定性に優れることは
勿論、化粧シートが合成材料であることから耐候性や耐
水性にも優れるなどの利点があるが、反面、その表面が
化粧シートという、天然木材の突板と比較すれば遥かに
平滑且つ均質な材料であるために、表面の一部に傷がつ
くと相対的に目立ち易いという問題がある。
【0006】また、近年では室内調度の洋風化やバリア
フリー化に伴い、キャスター付きの家具や車椅子等の室
内での使用もますます増加しつつある。ところが、積層
合板等の木質基材を用いた従来の床材は、小面積に大荷
重が掛かりつつ車輪が転動する際に、その軌跡に沿って
凹みが残るという、いわゆる耐キャスター性の不足とい
う問題がある。
【0007】この耐キャスター性の問題は、突板又は化
粧シートの表面に、硬質樹脂の塗装等により表面保護層
を形成しても、解決が困難なのが実情である。その理由
は、キャスター等の車輪の幅は表面保護層の膜厚と比較
すれば遥かに広いので、車輪による圧力は表面保護層に
よって分散されることなく、実質上直接に木質基材に掛
かってくるためと考えられる。
【0008】そこで、耐キャスター性の問題を解決する
ために、床材の基材として前述した木質基材に代えて、
より硬度が高く凹みにくい、例えば鉄板又はアルミニウ
ム板等の金属基材や、陶磁器板又はコンクリート板等の
無機質基材などを採用することも考えられる。しかしな
がら、係る基材を使用した床材は、その基材が木質基材
と比較して遥かに硬質で熱伝導性も高いので、床面を歩
行した時のクッション性に欠け歩行感に劣り、肌に触れ
た時にひんやりとする冷触感を有するなどの短所があ
り、特に室内では素足で生活する習慣の根強い我が国に
おいては、容易に受け入れられるものではないのが現実
である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術
における上記した問題点を解決すべくなされたものであ
り、従来の木質系床材と同等の表面意匠や歩行性、触感
等を有しながら、表面の耐傷付き性や耐キャスター性に
も優れた化粧材を提供することを目的とするものであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の化粧材は、木質
基材の表面に化粧シートを具備してなる化粧材におい
て、前記木質基材と前記化粧シートとの間に、前記木質
基材及び前記化粧シートのいずれよりも高硬度の材質か
らなる硬質シート層が設けられてなり、化粧材の表面硬
度が、デュロメーター硬さ試験タイプD(JIS K
6253)にて60以上であることを特徴とするもので
ある。
【0011】また本発明の化粧材は、前記硬質シート層
の表面硬度が、デュロメーター硬さ試験タイプD(JI
S K 6253)にて60以上であることを特徴とす
るものである。
【0012】また本発明の化粧材は、前記化粧シートが
熱可塑性樹脂層を主体として構成されており、該熱可塑
性樹脂層の表面には、2液硬化型ウレタン系リコート性
樹脂層を介して、電離放射線硬化型樹脂からなる表面保
護層が設けられており、該表面保護層には減摩剤が添加
されていると共に、該表面保護層の表面には、該減摩剤
の突出による微細凸部を有することを特徴とするもので
ある。
【0013】また本発明の化粧材は、前記木質基材の裏
面に、透湿度が3〜30g/m2・24hである防湿シ
ートを具備することを特徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の化粧材の実施の形
態を、図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は、本発
明の化粧材の実施の形態を示す側断面図である。
【0015】本発明の化粧材は、例えば図1に示す様
に、積層合板などの木質基材1の表面上に、該木質基材
1及び後述する化粧シート3のいずれよりも硬度の高い
材質からなる硬質シート層2と、表面意匠の付与のため
の化粧シート3とが順次積層された積層体によって構成
されており、その表面硬度が、デュロメーター硬さ試験
タイプD(JIS K 6253)にて60以上である
ことを特徴としている。
【0016】木質基材1は、複数枚(通例奇数枚)の木
材単板をその繊維方向を交互に直交させて積層接着して
なる積層合板がその代表的なものであり、該木材単板の
材種としては、ラワン材等の広葉樹材やパイン材(松
材)等の針葉樹材のいずれか若しくはそれらの混合であ
っても良い。最表面の木材単板として、例えばクルイン
材、カプール材、メンクラン材等、シリカ分を多く含み
硬質で耐久性の高い南洋材系の材種を使用すれば、更に
表面硬度や耐キャスター性等に優れた化粧板が得られ
る。
【0017】積層合板の他にも、例えば単板積層材、配
向性ボード、パーティクルボード、配向性ボード等、従
来公知の各種の木質系ボード類を任意に使用することが
できる。木質基材1の厚みは5〜15mm程度であり、
その表面及び/又は裏面に厚み0.3〜1mm程度の単
板を積層しても良い。
【0018】硬質シート層2は、上記木質基材1及び後
述する化粧シート3のいずれよりも高硬度の材質からな
る厚み0.5〜3mm程度のシート状体であればよく、
その材質は特に問わないが、デュロメーター硬さ試験タ
イプD(JIS K 6253)にて60以上、より好
ましくは65以上の表面硬度を有する材質であることが
望ましい。
【0019】硬質シート層2の具体的な材質としては、
木質系材料の中でも特に硬度の高いもの、例えば圧縮木
材、樹脂含浸木材、無機含浸木材、高密度繊維板、中密
度繊維板の高密度表層部分などや、木質系材料以外では
窯業系不燃板(例.ダイライト(登録商標:大建工業
(株)製))などの無機質系材料、熱硬化性樹脂含浸紙
(木材パルプ繊維紙やケナフ繊維紙、合成又は半合成繊
維紙等の紙類にジアリルフタレート樹脂、フェノール樹
脂、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させたも
の)、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂シート類などを挙
げることができる。
【0020】上記のうち、熱可塑性樹脂シート類は単体
物では一般に硬度が不足するので、適宜の充填剤を添加
して表面硬度を強化したものを使用することが望まし
い。充填剤としては具体的には、例えば炭酸カルシウ
ム、タルク、クレー、ガラス粉末、ガラス繊維、金属粉
等の無機系充填剤や、木粉、紙粉等の有機系充填剤など
である。表面硬度の強化には高充填化が必要であり、熱
可塑性樹脂100重量部当たり150〜400重量部程
度の充填剤を配合することが望ましい。
【0021】上記熱可塑性樹脂の種類には特に制限はな
く、例えばポリオレフィン系樹脂(ポリプロピレン、ポ
リエチレン、オレフィン系ゴム等)などを好適に使用す
ることができる。中でも硬度の高いポリプロピレン樹
脂、特にホモポリプロピレン樹脂などが好ましく、これ
に木粉(平均粒径0.005〜0.05mm程度)を添
加して押出成形したシートなどが硬質シート層2として
好適に使用可能である。なお、硬質シート層2の表面硬
度に支障のない範囲であれば、公知の化学的及び/又は
物理的手法により発泡させてもよい。
【0022】化粧シート3は、化粧板の表面に所望の意
匠を付与するために設けられるものであって、その材質
や構成には特に限定はなく、紙又は合成樹脂シート等に
印刷等により所望の意匠が付与されてなる、従来公知の
各種の化粧シートから適宜選択して使用することができ
る。中でも、本発明の目的とする床材などの化粧材に要
求される耐摩耗性や耐擦傷性、耐溶剤性、耐候性、耐水
性、耐油性等の面からは、熱可塑性樹脂層を主体として
構成される熱可塑性樹脂系の化粧シートを使用すること
が最も望ましい。
【0023】上記熱可塑性樹脂系の化粧シートとは更に
具体的には、熱可塑性樹脂からなる不透明な基材シート
の表面に絵柄層を設けたものや、熱可塑性樹脂からなる
透明な基材シートの裏面及び/又は絵柄層を設けたも
の、それらの表面に表面保護層を設けたものなどの単層
構成の化粧シートであっても良いが、図1に示した様
に、透明又は不透明の熱可塑性樹脂からなる基材シート
31上に、絵柄層32を介して、透明な熱可塑性樹脂か
らなる透明樹脂層34を設けてなる、複層構成の化粧シ
ートが、その意匠性、接着適性、耐候性、耐溶剤性、耐
摩耗性等の各種の面で最も好適である。なお、絵柄層3
2は、基材シート31と透明樹脂層34との層間に設け
るほか、基材シート31の裏面や、透明樹脂層34の表
面に設けることも勿論差し支えない。
【0024】化粧シート3の主体である、基材シート3
1や透明樹脂層34を構成する熱可塑性樹脂としては、
例えばポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエ
ステル樹脂、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー樹
脂系等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタ
レート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、共重合ポ
リエステル樹脂(例.1,4−シクロヘキサンジメタノ
ール共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂である通称
PET−G樹脂)、非晶質ポリエステル樹脂等のポリエ
ステル系樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリメチル
メタクリレート樹脂等のアクリル樹脂、ポリ塩化ビニル
樹脂等を使用することができる。
【0025】中でも、床材として表面物性や加工性、経
済性、廃棄製(焼却も含む)等を考慮すると、ポリオレ
フィン系樹脂が望ましい。具体的には、表面強度や耐摩
耗性に優れたポリプロピレン、又は、ポリプロピレン系
共重合体が最も望ましいが、その他、ポリエチレン、ポ
リメチルペンテン、ポリブテン、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、エチレン−(メタ)アクリレート共重合体、
ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー等のオレフィン
系単独重合体又は共重合体等を使用することができる。
これらは単体であっても、同種又は異種の複数層の積層
体であっても良い。
【0026】基材シート31は、公知の着色剤の添加に
より着色されていても良いし、着色されていなくても良
い。基材シート31及び透明樹脂層34の厚みは60〜
150μm程度が望ましい。また、透明樹脂層34の表
面には、例えば導管柄、抽象柄、微細万線パターン等の
エンボスによる凹凸模様が施されていても良い。
【0027】基材シート31と透明樹脂層34との積層
方法としては、例えば、適宜の接着層33を介したドラ
イラミネート法又はウエットラミネート法や、接着剤層
33を介した又は介さない熱ラミネート法、高周波ラミ
ネート法、透明熱可塑性樹脂を溶融状態で押し出すと同
時に積層する押出ラミネート法等が適用可能である。押
出ラミネート法にあっては、必要に応じて、接着剤層3
3としての酸変性オレフィン系樹脂又はオレフィン−
(メタ)アクリレート共重合体樹脂等の接着性樹脂層
を、透明樹脂層34との共押出にて同時に積層形成して
もよい。また、当該積層に先立ち、基材シート31と透
明樹脂層34との接着面に、例えば、コロナ放電、オゾ
ン処理、プラズマ処理、電離放射線処理、酸処理、アル
カリ処理、または、アンカー処理等の易接着化の為の表
面処理を施しておくこともできる。
【0028】絵柄層32は、所望の意匠の絵柄を印刷等
によって表現したものであり、その絵柄の種類や構成材
料、形成方法等に関しては一切制限はない。一般的に
は、絵柄としては例えば木目柄や石目柄、布目柄、抽象
柄、幾何学模様、文字又は記号、或いはそれらの組合せ
等であり、単色無地(ベタ)であっても勿論構わない。
基材シート31の隠蔽性が不十分である場合には、意匠
絵柄と併用して若しくは単独で、不透明顔料を大量に含
有する隠蔽ベタ層を設けることもできる。
【0029】絵柄層32の構成材料は、染料又は顔料等
の着色剤を合成樹脂等の展色剤と共に適宜の溶剤中に溶
解又は分散した印刷インキ又は塗料等を使用するのが一
般的である。着色顔料としては例えば酸化チタン、酸化
亜鉛、酸化鉄(弁柄、黄色酸化鉄、鉄黒)、コバルトブ
ルー、カーボンブラック等の無機顔料や、アゾ顔料、レ
ーキ顔料、アントラキノン顔料、フタロシアニン顔料、
イソインドリノン顔料、イミダゾロン顔料等の有機顔料
等、展色剤としては例えばウレタン系樹脂、アクリル系
樹脂、ポリエステル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体樹脂、繊維素誘導体等を使用することができる。
【0030】絵柄層32の形成方法としては、例えばグ
ラビア印刷法、オフセット印刷法、グラビアオフセット
印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、転写印刷
法、静電印刷法、インクジェット印刷法等の各種印刷方
法や、ベタ状の場合には例えばグラビアコート法、ナイ
フコート法、エアーナイフコート法、ロールコート法、
キスコート法、ロッドコート法、ダイコート法、リップ
コート法、コンマコート法、スプレーコート法、フロー
コート法、ディップコート法等の各種塗工方法等が適宜
使用可能である。また、係る印刷又は塗工方法による代
わりに、無着色の熱可塑性樹脂と着色した熱可塑性樹
脂、若しくは、色調の異なる複数色に着色した熱可塑性
樹脂を、不十分な混合状態でシート状に成形することに
より、木目に類似した着色模様を呈するようにしたシー
トを基材シート31として使用することもできる。
【0031】化粧シート3の表面には、基材シート31
や絵柄層32、透明樹脂層34等を外部からの物理的、
化学的な攻撃から保護するために、表面保護層36を設
けることもできる。表面保護層36は、基材シート31
や透明樹脂層34を構成する熱可塑性樹脂よりも硬質且
つ強靱な材質である硬化型樹脂を使用することが望まし
い。具体的には、例えばウレタン系樹脂、メラミン系樹
脂、エポキシ系樹脂、尿素系樹脂、不飽和ポリエステル
系樹脂、シリコーン系樹脂等の熱硬化型樹脂や、不飽和
ポリエステル系樹脂、(メタ)アクリレート系樹脂等の
電離放射線硬化型樹脂などである。中でも、架橋密度が
高く硬質で耐摩耗性や耐擦傷性に優れた硬化被膜が得ら
れる電離放射線硬化型樹脂を使用することが最も望まし
い。
【0032】上記電離放射線硬化型樹脂とは、紫外線又
は電子線等の電離放射線の照射により重合架橋反応可能
なラジカル重合性二重結合を分子中に少なくとも一つ有
するプレポリマー、オリゴマー及び/又はモノマーを適
宜配合してなるものである。係るプレポリマー、オリゴ
マーとしては、ポリエステルアクリレート、ウレタンア
クリレート、エポキシアクリレート、ポリエーテルアク
リレート、ポリオールアクリレート等のアクリレート
類、ポリエステルメタクリレート、ウレタンメタクリレ
ート、エポキシメタクリレート、ポリエーテルメタクリ
レート、ポリオールメタクリレート等のメタクリレート
類が挙げられる。モノマーとしては、n−アルキルアク
リレート、イソ・プロピルアクリレート、イソ・ブチル
アクリレート、t−ブチルアクリレート、シクロヘキシ
ルアクリレート、β−ヒドロキシエチルアクリレート、
ジエチレングリコールアクリレート、ポリエチレングリ
コールアクリレート、β−ヒドロキシプロピルアクリレ
ート、グリシジルアクリレート、エチレングリコールジ
アクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、
トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレン
グリコールジアクリレート、ジアルキルアミノエチルア
クリレート、2−シアノエチルアクリレート、β−エト
キシ・エチルアクリレート、アリールアクリレート、ベ
ンゾイルオキシエチルアクリレート、ベンジルアクリレ
ート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシ・ジ
エチレングリコールアクリレート、2−ヒドロキシ−3
−フェノキシプロピルアクリレート、テトラヒドロフル
フリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアルコー
ルとε−カプロラクトン付加物アクリレート、イソ・ボ
ロニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル
アクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレー
ト、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9
−ノナンジオールジアクリレート、ネオ・ペンチルグリ
コールジアクリレート、トリエチレングリコールジアク
リレート、テトレエチレングリコールジアクリレート、
ポリエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレ
ングリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネ
オペンチルグリコールジアクリレート、アセタールグリ
コールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペン
チルグリコールとε−カプロラクトン付加物ジアクリレ
ート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリ
メチロールプロパン・ポリエトキシレイト・トリアクリ
レート、トリメチロールプロパン・ポリプロポキシレイ
ト・トリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアク
リレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレー
ト、ジペンタエリスリトールとε−カプロラクトン付加
物ヘキサアクリレート、アクリロキシエチルフォスフェ
ート、フロロアルキルアクリレート、スルホプロピルア
クリレート、等のアクリレートモノマー類や、メチルメ
タクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタク
リレート、イソプロピルメタクリレート、ブチルメタク
リレート、イソ・ブチルメタクリレート、セカンダリー
・ブチルメタクリレート、ターシャリー・ブチルメタク
リレート、ヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリ
レート、イソ・オクチルメタクリレート、2−エチルヘ
キシルメタクリレート、デシルメタクリレート、ラウリ
ルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、2−ヒ
ドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピ
ルメタクリレート、2−ジメチルアミノエチルメタクリ
レート、2−ジエチルアミノエチルメタクリレート、2
−ターシャリー・ブチルアミノエチルメタクリレート、
グリシジルメタクリレート、アリルメタクリレート、シ
クロヘキシルメタクリレート、フェニールメタクリレー
ト、ノニールフェニールメタクリレート、ベンジルメタ
クリレート、ジシクロペンテニルメタクリレート、ボル
ニルメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタク
リレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、
エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリ
コールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメ
タクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレ
ート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ネオ
ペンチルグリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサ
ンジオールジメタクリレート、ジプロピレングリコール
ジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタク
リレート、グリセロールメタクリレート、メタクリロキ
シエチルフォスフェート、ビス・メタクリロキシエチル
フォスフェート、等のメタクリレートモノマー類が挙げ
られる。
【0033】表面保護層36の厚みや形成方法には特に
制限はなく、目的とする機能性を発現すべき機能性材料
の特性に合わせて適宜設計すればよい。一般的には、表
面保護層36の厚みは1〜100μm程度、更に好まし
くは5〜50μm程度の範囲内とするのが良い。表面保
護層36の形成方法としては、例えばロールコート法、
ナイフコート法、エアーナイフコート法、ダイコート
法、リップコート法、コンマコート法、キスコート法、
フローコート法、ディップコート法、グラビアコート
法、グラビアリバースコート法、マイクログラビアコー
ト法等の各種のコーティング法から任意に選択すればよ
い。
【0034】上記電離放射線硬化型樹脂の塗工被膜を紫
外線の照射によって硬化させる場合には、当該電離放射
線硬化型樹脂には、例えばベンゾイン、ベンゾインメチ
ルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベン
ゾイン又はそのアルキルエーテル類、アセトフェノン、
2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1
−ヒドロキシシクロヘキシルアセトフェノン等のアセト
フェノン類、チオキサントン、2,4−ジイソプロピル
チオキサントン等のチオキサントン類、アセトフェノン
ジメチルケタール、ベンジルメチルケタール等のケター
ル類、ベンゾフェノン、4,4−ビスメチルアミノベン
ゾフェノン等のベンゾフェノン類、アゾ化合物等から選
ばれる1種以上の光ラジカル重合開始剤が添加される。
また必要に応じて、例えばトリエタノールアミン、メチ
ルジエタノールアミン等の第3級アミン類、2−ジメチ
ルアミノエチル安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸
エチル等の安息香酸誘導体等から選ばれる1種以上の光
増感剤が併用される。
【0035】さらに、上記電離放射線硬化型樹脂には副
成分として、着色剤、充填剤、艶消剤、消泡剤、離型
剤、耐磨剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、紫外線吸収
剤、光安定剤、熱安定剤、酸化防止剤、抗菌剤、防黴
剤、希釈溶剤その他の添加物を、必要に応じて適宜添加
しても良い。希釈溶剤を含有する電離放射線硬化型樹脂
の塗工液を使用する場合には、塗工後希釈溶剤を揮発除
去した後に電離放射線を照射して硬化させることが望ま
しい。
【0036】表面保護層36を構成する電離放射線硬化
型樹脂の硬化の為に使用する電離放射線の種類は特に限
定されず、要するに電離放射線硬化型樹脂又はそれに添
加された光ラジカル重合開始剤又は増感剤等に作用して
これらを電離(ラジカル化)させ、ラジカル重合反応を
開始せしめるに十分なエネルギーを有する電離放射線で
あれば良く、具体的には、例えば可視光線、紫外線、X
線、γ線等の電磁波や、電子線、α線、β線等の荷電粒
子線等が考えられるが、感度や硬化能力、照射装置(光
源・線源)の簡便性等から見て、最も実用性の高いのは
紫外線又は電子線である。
【0037】紫外線照射の光源としては、超高圧水銀
灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、メタルハライドランプ、
カーボンアーク灯等の光源が適用できる。照射量は、5
0〜1000mJ/cm2が好ましい。50mJ/cm2
未満では硬化不十分のおそれがある一方、1000mJ
/cm2を越えると熱可塑性シートの劣化の原因となる
からである。通常この処理は50〜500m/minの
ライン速度で可能であるから極めて生産効率が高い。
【0038】電子線照射の線源としては、コックロフト
ワルトン型、ハンデグラフ型、共振変圧器型、絶縁コア
変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各
種の電子線加速器を使用した電子線照射装置が適用でき
る。電子線照射装置より照射する電子線の加速電圧は1
50〜250kV、照射量は0.5〜5Mrad程度が
良い。0.5Mrad未満では硬化不十分のおそれがあ
る一方、5Mradを越えると熱可塑性シート1の劣化
の原因となるからである。通常この処理は50〜500
m/minのライン速度で可能であるから極めて生産効
率が高い。
【0039】表面保護層36には、目的とする化粧材の
用途に応じて、所望の任意の機能性を有する材料を適宜
使用又は添加することができる。具体的には、例えば汚
染防止機能、抗菌機能、防黴機能、防虫機能、消臭機
能、ホルムアルデヒド除去機能、芳香機能、吸放湿機
能、超親水性機能、導電機能、マイナスイオン発生機能
等を挙げることができ、これらの二つ以上の機能を兼ね
備えても良い。これらの機能性を有する材料としては、
それぞれ公知の任意の材料を適宜使用することができ
る。
【0040】表面保護層36に用いられる電離放射線硬
化型樹脂等の硬化型樹脂は、架橋密度が高く、それ自体
のバルクの硬度は十分に高いものが得られるが、本発明
の如き化粧材におけるその被膜の厚みは、通例高々10
0μm程度かそれ以下であるから、熱可塑性樹脂層上に
当該被膜が形成された状態でのデュロメーター硬さはさ
ほど高いものではなく、本発明の目的とする60以上と
いった表面硬度を達成することは、一般に極めて困難で
ある。これが、本発明において上記目的の表面硬度を達
成するために、木質基材1と化粧シート3との間に硬質
シート層2を導入した所以である。
【0041】表面保護層36は1層のみの構成に限定さ
れるものではなく、2層以上を積層して設けることも勿
論可能である。図1に示した例では、表面保護層36は
透明樹脂層34側から順に、下塗層361、中塗層36
2及び上塗層363の3層によって構成されている。こ
れらの複数層の表面保護層36(361、362、36
3)を構成する樹脂の種類は、同一であっても相異なっ
ていてもよい。但し、電離放射線硬化型樹脂を使用する
場合には、これらの複数層の全てを電離放射線硬化型樹
脂を少なくとも含有する樹脂によって構成すると共に、
そのより上側の層の形成前には下側の層は未硬化若しく
は不完全硬化の状態に留め、全ての層の形成後に全体を
電離放射線の照射により完全硬化させることが、層間密
着性の確保のために最も望ましい。
【0042】表面保護層36には、耐摩耗性の向上のた
めに減摩剤364を添加することができる。減摩剤36
4としては、例えばアルミナ、ダイヤモンド、炭化珪
素、シリカ、ガラス、ジルコニア、ゼオライト、シラス
バルーン、珪藻土等、少なくとも表面保護層36の主成
分である樹脂よりも高硬度の材質からなる、平均粒径5
〜50μm程度の粉粒体が用いられる。減摩剤364と
表面保護層36の膜厚との関係を適宜設計することによ
り、減摩剤364が表面保護層36の平均表面より突出
して、表面保護層36の表面に微細凸状部を形成する様
に構成すると、得られる化粧材の表面硬度や耐摩耗性、
耐擦傷性等を更に向上させると共に、化粧材の表面に耐
滑り性(滑り止め性)を付与することもできる。
【0043】但し、減摩剤364が表面保護層36の表
面に突出した状態で露出していると、例えば本発明の化
粧材を床材として使用した場合に、その上を歩行する人
の靴下の裏面を摩耗させたり、子供が転んだ時に膝小僧
をすりむいたりするという問題が発生する虞がある。そ
こで、表面保護層36を複数層から構成すると共に、減
摩剤はその最上層(図1に示す例では上塗層363)以
外の層(同.中塗層362)に添加しておき、その層の
平均表面より突出した減摩剤364の表面を覆う様に、
減摩剤364が添加されていない最上層(同.上塗層3
63)を設けることが望ましい。この様にすると、表面
保護層36の平均表面からの減摩剤364の突出による
微細凸部がなす鋭い表面凹凸が、最上層の表面保護層3
6(同.上塗層363)によって鈍化される結果、上記
した接触物の摩耗の低減のほか、表面に触れた時のざら
つきや、視覚的な過度の艶消感(粉っぽさ)などをも軽
減することができる。
【0044】化粧シート3の表面に電離放射線硬化型樹
脂からなる表面保護層36を設けるにあたり、該表面保
護層36の形成面、すなわち図1に示す例では透明樹脂
層34の表面、と電離放射線硬化型樹脂からなる表面保
護層36との間に、十分な密着性を確保する必要があ
る。そのためには、透明樹脂層34の表面に例えばコロ
ナ放電処理又はオゾン処理等の表面活性化処理を施す
か、若しくは、透明樹脂層34を構成する熱可塑性樹脂
と、表面保護層36を構成する電離放射線硬化型樹脂と
の双方に対して密着性の優れた樹脂組成物からなるリコ
ート性樹脂層35を、透明樹脂層34の表面に設けてお
くことが望ましい。
【0045】リコート性樹脂層35としては、例えばウ
レタン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、尿
素樹脂、アルキド系樹脂、ポリエステル系樹脂等の熱硬
化性樹脂を使用することが望ましく、中でもポリオール
化合物とイソシアネート化合物との配合による2液硬化
型ウレタン系樹脂を使用することが最も望ましい。ポリ
オール化合物としては、例えばアクリルポリオール化合
物、ポリエーテルポリオール化合物、ポリエステルポリ
オール化合物等が使用可能であるが、中でも熱可塑性樹
脂及び電離放射線硬化型樹脂との密着性と内部凝集力と
のバランスの面から、ポリエステルポリオール化合物を
使用することが最も望ましい。
【0046】リコート性樹脂層35の塗布量は、乾燥後
で0.1〜2.0g/m2程度とすることが望ましい。
リコート性樹脂層35の形成方法としては、例えばグラ
ビアコート法、マイクログラビアコート法、ロールコー
ト法、ナイフコート法、エアーナイフコート法、リップ
コート法、ダイコート法等、従来公知の各種の塗工方法
を任意に採用することができる。
【0047】化粧シート3を硬質シート層2上に積層す
るにあたり、該積層用の接着剤との接着性を十分に確保
する目的で、必要に応じて化粧シート3の裏面、すなわ
ち図1に示す例における基材シート31の裏面に、プラ
イマー層37を設けておくこともできる。その材質とし
ては、例えばウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合体系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系
樹脂等の易接着性樹脂組成物を使用することができる。
また、プライマー層37に例えばシリカ等の無機質微粉
末を添加しておくと、プライマー層37の表面が粗面化
することにより、投錨効果による接着性の向上を図るこ
とができるほか、化粧シート3の巻取保存時のブロッキ
ングの防止にも有効である。
【0048】本発明の化粧板を住宅等の建築物における
壁材や床材等として使用する場合、壁内部や床下の湿気
の影響を受けたり、環境の温湿度変化による湿気移動の
影響を受けたりして、化粧板に反りが発生する場合があ
る。この反りの発生を効果的に防止するためには、本発
明の化粧板における木質基材1の裏面に防湿シート4を
貼り合わせると良い。防湿シート4としては、厚み10
〜100μm程度の防湿性樹脂層42を主体とし、必要
に応じて、その表面及び/又は裏面に、例えば薄葉紙、
樹脂含浸紙、紙間強化紙等の紙層41及び/又は43を
積層したシートなどを使用することができる。
【0049】尚、上記防湿性樹脂層42としては、例え
ばポリエチレン(高密度ポリエチレン、低密度ポリエチ
レン)等のポリオレフィン系樹脂や、ポリ塩化ビニル樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂等の
透湿度の低い疎水性熱可塑性樹脂を好適に使用すること
ができる。防湿シート4の透湿度(これは近似的に防湿
性樹脂層42の透湿度に略等しい)は、3〜30g/m
2・24h程度とすることが望ましい。
【0050】上記防湿シート4における紙層41及び/
又は43には必要に応じて、例えばジシアンジアミドや
メラミン等のアミノ化合物、尿素、バルビツール酸、セ
ミカルバジッド塩酸塩等のアマイド類、グルタミン酸、
グリシン、アラニン等のアミノ酸類、ヒドラゾベンゼ
ン、プロピオン酸ヒドラジド、カルボヒドラジド、アジ
ピン酸ジヒドラジド等のヒドラジン誘導体等の含窒素化
合物に代表されるホルムアルデヒド捕捉剤を含有させる
ことにより、積層合板等の木質基材1が発散するホルム
アルデヒドの捕捉除去機能を付与することも可能であ
る。
【0051】本発明の化粧材の製造にあたり、木質基材
1、硬質シート層2、化粧シート3及び必要に応じて設
けられる防湿シート4の相互間の積層方法は、本発明に
おいて特に限定されるものではなく、接着剤層51、5
2、53を用いた通常の接着法(ウェットラミネート
法)やドライラミネート法、接着剤を用いるか又は用い
ない熱ラミネート法、高周波ラミネート法等、従来公知
の積層方法を任意に採用すれば良い。木質基材1とその
隣接層である硬質シート層2や防湿シート4との接着に
は、例えば水性塩化酢酸ビニル樹脂系接着剤や2液型水
性ウレタン樹脂系接着剤などを用いた接着方法が好適で
ある。
【0052】また、化粧シート3の表面保護層36は、
木質基材1や硬質シート層2との積層前に予め設けられ
ていても良いし、表面保護層36の形成前の化粧シート
3を木質基材1や硬質シート層2と積層した後に、該化
粧シート3の表面に表面保護層36を設けることもでき
る。後者の方法によれば、巻取り等のシートとしての取
扱いに適さない高塗布量の表面保護層36を設ける必要
がある場合にも十分に対応可能であり、より優れた表面
硬度や耐摩耗性、耐擦傷性を有する化粧材を容易に得る
ことができる利点がある。
【0053】この場合、表面保護層36の形成前の化粧
シート3の表面、すなわち図1に示す例における透明樹
脂層34の表面に、前述したリコート性樹脂層35を設
けておくと、工程の都合上、表面保護層36の形成前の
化粧シート3の作製から、木質基材1や硬質シート2と
の積層後の表面保護層36の形成までの間に、長期間が
経過することがあっても、透明樹脂層34と表面保護層
36との間に十分な密着性が容易に得られる利点があ
る。
【0054】
【実施例】以下に、本発明の化粧材の具体的な実施例を
挙げ、本発明をより詳細に説明する。
【0055】厚み80μmの着色無延伸ポリエチレン樹
脂シートを基材シート31として、その表面にコロナ処
理を施して濡れ指数380μN/cm(38dyn/c
m)以上に調整し、その表面にウレタン樹脂系インキに
てグラビア印刷法により隠蔽層及びチェリー柄の絵柄層
32を順次印刷形成し、2液ウレタン樹脂系アンカー剤
を乾燥後の塗布量1g/m2塗布した。次に該アンカー
剤塗布面上に、エチレン−エチルアクリレート共重合体
系接着性樹脂層20μmと、光安定剤0.2重量%及び
紫外線吸収剤0.3重量%を添加したホモポリプロピレ
ン樹脂80μmとを、共押出しラミネートして、接着剤
層33及び透明樹脂層34を形成すると同時に、該透明
樹脂層34の表面に金属製エンボスロールにて導管柄の
エンボスを施した。冷却固化後、該透明樹脂層34の表
面にコロナ処理を施して濡れ指数を380μN/cm
(38dyn/cm)以上に調整し、該表面全体に、ポ
リエステルポリオール化合物とイソシアネート化合物と
の配合による2液硬化型ウレタン樹脂系リコート性塗料
を、グラビアコート法にて乾燥後の塗布量2g/m2
施してリコート性樹脂層35を形成した後、基材シート
31の裏面に、シリカ粉末を配合したウレタン樹脂プラ
イマー剤をグラビアコート法にて乾燥後の塗布量1g/
2に施してプライマー層37を形成して、表面保護層
36の形成前の化粧シートを作製し、これをロール状に
巻き取った。
【0056】ホモポリプロピレン樹脂90重量部、無水
マレイン酸グラフト重合ホモポリプロピレン樹脂10重
量部、平均粒径20μmの木粉(木材をカッターミルで
破断し、これをボールミルにより粉砕して微粉状にした
もの)200重量部を2軸押出混練機によって混合、ペ
レット化して得た木質樹脂組成物を、押出成形法により
厚さ2mmのシート状に成形し、表面硬度がデュロメー
ター硬さ試験タイプD(JIS K 6253)にて6
7である硬質シート層2を作製した。一方、坪量30g
/m2の紙間強化紙2枚の間に、高密度ポリエチレン樹
脂を厚み40μmに押出積層して、透湿度が約10g/
2・24hである防湿シート4を作製した。
【0057】厚み12mmの汎用の針葉樹系合板からな
る木質基材1の表面に上記硬質シート層2を、該硬質シ
ート層2の表面に上記表面保護層36の形成前の化粧シ
ート3のプライマー層面を、前記木質基材1の裏面に上
記防湿シート4を、それぞれ水性ウレタン樹脂系接着剤
にて貼り合わせた。しかる後、化粧シート3のリコート
性樹脂層35面に、減摩剤が添加されていないウレタン
系紫外線硬化型樹脂と、減摩剤364として粒径10〜
50μmの鱗片状炭化珪素を主材樹脂100重量部当た
り20重量部添加したエポキシ系紫外線硬化型塗料と、
減摩剤が添加されていないポリエステル系紫外線硬化型
塗料とを、硬化後の塗布量がそれぞれ1g/m2、22
g/m2及び13g/m2となる様に順次塗工し、紫外線
を照射して硬化させて、下塗層361、中塗層362及
び上塗層363の3層からなり、中塗層362に添加し
た減摩剤364の突出による微細凸部が表面に形成され
た表面保護層36を設けて、表面硬度がデュロメーター
硬さ試験タイプD(JISK 6253)にて64であ
る本発明の化粧材を完成した。
【0058】
【発明の効果】本発明の化粧材は、木質基材と化粧シー
トとの間に硬質シート層を挟持させ、化粧材の表面硬度
をデュロメーター硬さ試験タイプD(JIS K 62
53)にて60以上としたことにより、表面強度が強
く、その表面上でキャスター付きの椅子、家具、家電製
品等を動かしたり、その表面に物品が落下等により衝突
したりすることがあっても、化粧材の表面に凹み傷が発
生しにくい。しかも、化粧材の本体部分である基材は木
質基材であるから、熱伝導性が低く、暖かい触感や断熱
性などに優れ、また、適度の緩衝性により床材として使
用した際の歩行感にも優れるなど、従来の木質系化粧材
の長所を兼ね備え、床材などとして実用的価値の高い化
粧材である。
【0059】しかも、該化粧材に表面意匠を付与するた
めの化粧シートには、天然資源が枯渇しつつあるバーチ
材やチェリー材等の高級材の森林伐採に頼らずとも、係
る高級材の木目等、所望の絵柄意匠が印刷により自由に
表現可能であるから、材料の調達の不安なく安定した品
質の製品を安価に大量生産可能であると共に、係る高級
材の森林伐採の抑制により地球環境保護問題の解決の一
端にもなる。更に、天然木材の突板に代えて合成材料か
らなる化粧シートを使用したことにより、耐水性や耐湿
性、耐候性等も格段に向上する。
【0060】また、裏面に防湿シートを積層することに
より、該防湿シートと表面の化粧シートとの間に木質基
材が挟み込まれた構造となり、壁内部や床下等の湿気の
影響や、環境の温湿度変化の影響も遮断されて、木質基
材と外部との間での水分の出入りがなく、木質基材の内
部で常に水分量のバランスが取れた状態となるため、湿
潤・乾燥による伸縮や反りが発生しにくいほか、湿気に
よる黴の発生や腐朽なども発生しにくく、耐久性にも優
れた化粧材となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化粧シートの実施の形態を示す側断面
図である。
【符号の説明】
1‥‥‥‥木質基材 2‥‥‥‥硬質シート層 3‥‥‥‥化粧シート 31‥‥‥基材シート 32‥‥‥絵柄層 33‥‥‥接着剤層 34‥‥‥透明樹脂層 35‥‥‥リコート性樹脂層 36‥‥‥表面保護層 361‥‥下塗層 362‥‥中塗層 363‥‥上塗層 364‥‥減摩剤 37‥‥‥プライマー層 4‥‥‥‥防湿シート 41‥‥‥紙層 42‥‥‥防湿樹脂層 43‥‥‥紙層 51‥‥‥接着剤層 52‥‥‥接着剤層 53‥‥‥接着剤層
【手続補正書】
【提出日】平成13年7月9日(2001.7.9)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】本発明の化粧材の実施の形態を示す側断面図で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) E04F 13/18 E04F 13/18 A 15/02 15/02 A 15/04 601 15/04 601B (72)発明者 鈴木 幸雄 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内 Fターム(参考) 2B002 AA03 CA01 DA01 DA02 DA03 2E110 AA02 AA57 AB03 AB04 AB05 BA05 GA33W GA33Y GB42W GB62Y 4F100 AA16E AK01B AK01E AK04D AK05A AK07C AK41E AK51D AK53D AL05C AL07C AP00A AP02A AS00B BA03 BA05 BA07 BA10A BA10B BA26 CA30E DD07E DE01C DE02E DG10A GB07 GB08 GB81 JB12D JB14E JB16B JD04A JK12 JK12B JK12C JK14 YY00 YY00A

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】木質基材の表面に化粧シートを具備してな
    る化粧材において、前記木質基材と前記化粧シートとの
    間に、前記木質基材及び前記化粧シートのいずれよりも
    高硬度の材質からなる硬質シート層が設けられてなり、
    化粧材の表面硬度が、デュロメーター硬さ試験タイプD
    (JIS K 6253)にて60以上であることを特
    徴とする化粧材。
  2. 【請求項2】前記硬質シート層の表面硬度が、デュロメ
    ーター硬さ試験タイプD(JISK 6253)にて6
    0以上であることを特徴とする請求項1に記載の化粧
    材。
  3. 【請求項3】前記化粧シートが熱可塑性樹脂層を主体と
    して構成されており、該熱可塑性樹脂層の表面には、2
    液硬化型ウレタン系リコート性樹脂層を介して、電離放
    射線硬化型樹脂からなる表面保護層が設けられており、
    該表面保護層には減摩剤が添加されていると共に、該表
    面保護層の表面には、該減摩剤の突出による微細凸部を
    有することを特徴とする請求項1又は2に記載の化粧
    材。
  4. 【請求項4】前記木質基材の裏面に、透湿度が3〜30
    g/m2・24hである防湿シートを具備することを特
    徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の化粧材。
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