JP2012215064A - 床用化粧シート及び床用化粧材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基材シート上に、少なくとも透明性樹脂層及び表面保護層を有する床用化粧シートであって、(1)前記透明性樹脂層は、前記表面保護層の下層に積層されており、且つマルテンス硬さが20N/mm2以上であり、(2)前記表面保護層は、層厚が15〜40μmであり、且つマルテンス硬さが70超〜140N/mm2である。
【選択図】図2
Description
1.基材シート上に、少なくとも透明性樹脂層及び表面保護層を有する床用化粧シートであって、
(1)前記透明性樹脂層は、前記表面保護層の下層に積層されており、且つマルテンス硬さが20N/mm2以上であり、
(2)前記表面保護層は、層厚が15〜40μmであり、且つマルテンス硬さが70超〜140N/mm2である、
ことを特徴とする床用化粧シート。
2.前記表面保護層が、電離放射線硬化型樹脂を含有する、前記項1に記載の床用化粧シート。
3.前記透明性樹脂層の厚さが、150μm未満である、前記項1又は2に記載の床用化粧シート。
4.前記項1〜3のいずれかに記載の床用化粧シートの基材シート側を被着材に貼り合わせてなる床用化粧材。
(1)前記透明性樹脂層は、前記表面保護層の下層に積層されており、且つマルテンス硬さが20N/mm2以上であり、
(2)前記表面保護層は、層厚が15〜40μmであり、且つマルテンス硬さが70超〜140N/mm2である、
ことを特徴とする。
マルテンス硬さ
本明細書におけるマルテンス硬さは、表面皮膜物性試験機(PICODENTOR HM-500、株式会社フィッシャー・インストルメンツ製)を用いて測定される値であり、具体的な測定方法は次の通りである。
本発明の床用化粧シートは、基材シートを備えており、その表面(おもて面)に表面保護層及び透明性樹脂層が積層される。
前述の基材シートの裏面には、必要に応じて、裏面プライマー層(プライマー層B)を設けても良い。例えば、基材シートと被着材とを接着して床用化粧材を作製する際に有利である。なお、本発明の床用化粧シートに後述するバッカー層が設けられている場合は、当該裏面プライマー層が基材シートとバッカー層(バッカー層のおもて面に接着剤層Bが設けられている場合は当該層も含む)とを接着する際に有利である。
本発明の床用化粧シートは、所望により、基材シートの表面(おもて面)に、絵柄模様層を設けてもよい。
本発明の床用化粧シートは、所望により、絵柄模様層と透明性樹脂層との間に基材シートの表面(おもて面)に、接着剤層(接着剤層A)を設けてもよい。
本発明の床用化粧シートは、基材シートの表面(おもて面)と表面保護層の間に、透明性樹脂層が積層される。
本発明の床用化粧シートでは、所望により、透明性樹脂層と表面保護層の間にプライマー層(プライマー層A)を設けてもよい。プライマー層は、透明性樹脂層と表面保護層との接着性(密着性)を高める機能を有する。また、表面保護層の延伸部に微細な割れや白化を生じにくくする効果を有する。また、プライマー層を設けることにより、前記表面保護層の形成を容易することができる。前記プライマー層は、透明性のものであれば特に限定されず、無色透明、着色透明、半透明等のいずれも含む。
本発明の床用化粧シートは、基材シートの表面(おもて面)に、透明性樹脂層及び表面保護層が順に積層される。
本発明の床用化粧シートを構成する各層の積層は、例えば、(ア)基材シートの裏面に裏面プライマー層を設け、(イ)基材シートのおもて面に絵柄模様層を印刷により形成し、(ウ)当該絵柄印刷模様層上に接着剤層を形成し、(エ)当該接着剤層の上に特定のマルテンス硬さを有する本発明の透明性樹脂層を押出しラミネート方式で積層し、(オ)当該透明性樹脂層の表面にコロナ放電処理を施した後、プライマー層を形成し、(カ)その表面にロールコート方式により特定の層厚及びマルテンス硬さを有する本発明の表面保護層を塗工し、必要であれば、電子線を照射することにより、行うことができる。
床用化粧シートは、表面保護層側からエンボス加工が施されていてもよい。
床用化粧シートには、基材シートの裏面にバッカー層を設けても良い。バッカー層を設けることにより、耐衝撃性に優れるだけでなく、耐傷性(特に部分的に荷重が掛かった場合の凹み傷)にも優れる。ただし、本発明の床用化粧シートは、バッカー層を形成しなくとも、十分な耐衝撃性を確保できる。
当該プライマー層Cの成分、形成方法、厚み等の各内容は、上述の裏面プライマー層(プライマー層B)と同様である。
本発明の床用化粧シートの裏面に、被着材を貼り合わせて、接合することにより、床用化粧材とすることができる。
実施例1〜85及び比較例1〜55
60μm厚の着色ポリプロピレンフィルムからなる基材シートの裏面にプライマー層(プライマー層B)を設けた。次いで、基材シートのおもて面に絵柄模様層を印刷により形成し、さらに当該絵柄印刷模様層上に接着剤層(接着剤層A)を形成した。当該接着剤層の上に80μm厚の透明性樹脂層(ポリプロピレン系樹脂配合)を押出しラミネート方式で積層した。この透明性樹脂層の表面にコロナ放電処理を施した後、2液硬化型ウレタン樹脂を塗工することによりプライマー層(プライマー層A)を形成した。
・6官能脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマー 20重量部
・マット剤(11μmシリカ) 14重量部
以下、透明性樹脂層のマルテンス硬さと層厚と、表面保護層のマルテンス硬さと層厚を振り、実施例(実施例1〜85)および比較例(比較例1〜55)とした。
a(マルテンス硬さ50N/mm2):ホモPP、結晶化温度130℃
b(マルテンス硬さ30N/mm2):ランダムPP、結晶化温度100℃
c(マルテンス硬さ20N/mm2):ランダムPP70重量部+オレフィン系エラストマー30重量部、結晶化温度90℃
前記電離放射線硬化型樹脂を構成する成分として、以下の成分を使用した。
・2官能ウレタンアクリレートオリゴマーα(ポリオール成分がポリエステルジオール、ガラス転移点:25℃、分子量1500)
・2官能ウレタンアクリレートオリゴマーβ(ポリオール成分がポリエステルジオール、ガラス転移点:25℃、分子量1200)
・2官能ウレタンアクリレートオリゴマーγ(ポリオール成分がポリエーテルジオール、ガラス転移点:−55℃、分子量5000)
・6官能脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマー(ガラス転移点:200℃以上、分子量1500、共栄社化学株式会社製UA306H)
ただし、2官能ウレタンアクリレートオリゴマーとは、1分子中にラジカル重合性のアクリロイル基を2つ有するウレタンアクリレートオリゴマーを意味するものとする。また、6官能脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマーとは、1分子中にラジカル重合性のアクリロイル基を6つ有するウレタンアクリレートオリゴマーを意味するものとする。
裏面プライマー層(プライマー層B)を形成しない以外は、上記実施例18と同様にして床用化粧シートSを得た後、さらに当該床用化粧シートに対して表面保護層側からエンボス加工を施すことによって、床用化粧シート(床用化粧シートT)を作製した。表面保護層の断面方向のマルテンス硬さは110N/mm2(10点の測定値の平均値)であり、透明性樹脂層の断面方向のマルテンス硬さは30N/mm2(3点の測定値の平均値)であった。
バッカー層の層厚を代える以外は上記実施例86の床用化粧シートと同様にして、実施例87及び88の床用化粧シートを作製した。
基材シートの裏面にプライマー層Bを設ける以外は、上記床用化粧シートTと同様にして、床用化粧シート(床用化粧シートU)を作製した。
バッカー層の材質及び/又は層厚を代える以外は上記実施例89の床用化粧シートと同様にして、実施例90〜92の床用化粧シートを作製した。
下記各種試験は、作製した床用化粧シートを厚さ2.7mmの中密度木質繊維板(MDF)上に貼り合わせて行ったものである。
<評価試験例1 (耐傷性:ホフマンスクラッチ試験)>
実施例及び比較例で作製した床用化粧シートの耐傷性を、ホフマンスクラッチ試験機(BYK-Gardnar製)を用いて確認した。具体的には、床用化粧シートの表面保護層に対して、45度の角度で接するようにスクラッチ刃(直径7mmの円柱のエッジ部)をセットし、該スクラッチ刃を引っ張るように移動させて表面を擦った。その際、300〜1500g荷重の範囲で100gずつスクラッチ刃にかける荷重を変化させて、前記表面保護層に傷が発生するか否かを確認した。評価基準は、以下の通りである。
◎:1000g荷重において、傷が見られないもの
○:500g荷重において、傷が見られないもの
×:500g荷重において、傷が明らかに目立つもの
実施例及び比較例で作製した床用化粧シートの耐傷性を、水平な面に試験片を置き、10円硬貨を用い、45°の角度で試験片上を引き掻き、表面を観察する、というコインスクラッチ試験により確認した。その際、1〜5kg荷重の範囲で1kgずつ10円硬貨にかける荷重を変化させて、前記表面保護層に傷が発生するか否かを確認した。評価基準は、以下の通りである。
◎:荷重4kg荷重において、傷が見られないもの
○:荷重2kg荷重において、傷が見られないもの
×:荷重2kg荷重において、傷が明らかに目立つもの
<評価試験例3 (耐衝撃性:デュポン衝撃試験)>
実施例及び比較例で作製した床用化粧シートの耐衝撃性を、デュポン衝撃試験機(JIS K5600−5−3に準拠)を用いて評価した。具体的には、200mmの高さから規定重量の錘を床用化粧シート表面に落下させて床用化粧シートに割れが生ずるか否かを確認した。評価基準は、以下の通りである。
○:200mmの高さから落下させて、目視により、床用化粧シートの割れが観察できなかったもの
△:200mmの高さから落下させて、目視により、床用化粧シートにやや割れが認められたもの
×:200mmの高さから落下させて、目視により、床用化粧シートの割れが明らかに認められたもの
<評価試験例4 (耐汚染性)>
実施例及び比較例で作製した床用化粧シートの耐汚染性を、JAS汚染A試験の規定に準じて評価した。具体的には床用化粧シートを切断して10cm角としたものを試験片とし、これを水平に置いた後、試験片の表面保護層面に一般市販品事務用青色インキ及び黒色速乾性インキ(JIS S 6037 マーキングペンに定めるもの)、並びに、赤色クレヨン(JIS S 6026に定めるもの)で、夫々幅10mmで10cm長さの直線を描き、4時間放置した後、一般市販品事務用青色インキ、赤色クレヨンは中性洗剤を含浸した布で拭取り、黒色速乾性インキはエタノールを含浸した布で拭き取り、観察した。評価基準は、以下の通りである。
○:10cm長さの直線が拭き取れたもの
△:10cm長さの直線がやや拭き取れないもの
×:10cm長さの直線が明らかに拭き取れないもの
実施例18及び86〜92で作製した床用化粧シートの耐傷性を、テンシロン万能試験機(RTC−1310A、株式会社オリエンテック製)を用いて評価した。具体的には、直径20mmφの鉄製円柱治具を45°傾けた状態で試験サンプルの表面にセットし、上記テンシロン万能試験機にて80Nの荷重が加わるまで押し込み、当該荷重を外した後に形成された凹みの深さ(凹み深さ)を測定した。評価基準は、以下の通りである。
◎:凹み深さが10μm未満
○:凹み深さが10μm以上30μm未満
△:凹み深さが30μm以上50μm未満
×:凹み深さが50μm以上
なお、静圧荷重試験は、△以上が製品として合格である。
Claims (4)
- 基材シート上に、少なくとも透明性樹脂層及び表面保護層を有する床用化粧シートであって、
(1)前記透明性樹脂層は、前記表面保護層の下層に積層されており、且つマルテンス硬さが20N/mm2以上であり、
(2)前記表面保護層は、層厚が15〜40μmであり、且つマルテンス硬さが70超〜140N/mm2である、
ことを特徴とする床用化粧シート。 - 前記表面保護層が、電離放射線硬化型樹脂を含有する、請求項1に記載の床用化粧シート。
- 前記透明性樹脂層の厚さが、150μm未満である、請求項1又は2に記載の床用化粧シート。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の床用化粧シートの基材シート側を被着材に貼り合わせてなる床用化粧材。
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