JP5978668B2 - 床用化粧シート及び床用化粧材 - Google Patents

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Description

本発明は、床用化粧シート及び床用化粧材に関する。
従来から、床用化粧シートの耐傷性を向上させるために、表面保護層に電離放射線硬化型樹脂を塗工し、硬化させる方法が知られている。しかし、この様な床用化粧シートであっても、表面保護層に全く傷が付かないものではなく、高荷重条件下で傷付き試験を行うと、傷が付くという問題があった。
また、床用化粧シートの高荷重条件下での耐傷性を更に向上させるために、表面保護層層厚を厚くして、硬さを向上する方法が知られている。しかし、表面保護層の層厚を厚くして硬くし過ぎると、落下物等に対する耐衝撃性が悪くなるので、塗膜が割れるという問題があった。
一方、耐衝撃性を向上させるために、表面保護層に柔らかい樹脂を用いると、耐傷性、耐汚染性が低下してしまう。
また、表面保護層の厚みを厚くすると、表面保護層を形成するための樹脂組成物に含まれる溶剤が乾燥し難くなり、その結果、当該溶剤が表面保護層中に残留するという問題があった。
耐衝撃性や、耐傷性を改善した化粧シートとして、基材シート上に2層以上の樹脂層が積層され、下層を形成する樹脂のガラス転移点が、上層を形成する樹脂のガラス転移点より低い化粧シートが提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
しかし、これらの化粧シートは、表面保護層の層構成が十分に検討されておらず、また、表面保護層として用いられる層の硬さ、厚みが検討されていない。これらの化粧シートを床材として使用しても、耐衝撃性を悪化させることなく、耐汚染性、及び耐傷性にも優れた性質を示すことができないという問題があった。
特開2001−287314号公報 特開2004−314496号公報 特開2005−119020号公報
本発明は、耐衝撃性を悪化させることなく、耐汚染性、及び耐傷性、特に、高荷重条件下での耐傷性にも優れ、且つ、表面保護層での溶剤の残留が抑制された床用化粧シート及び床用化粧材を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、床用化粧シートが第1表面保護層と、第2表面保護層とを有し、これらが、それぞれ特定の層厚とマルテンス硬さを示し、これらの層厚の合計が特定の値を示すことにより上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の床用化粧シートに関する。
1.基材シート上に、少なくとも透明性樹脂層、第1表面保護層、及び第2表面保護層この順に有する床用化粧シートであって、
前記第1表面保護層、及び前記第2表面保護層が、電離放射線硬化型樹脂を含有し、
(1)前記第1表面保護層は、層厚が5〜20μmであり、且つマルテンス硬さが40〜100N/mmであり、
(2)前記第2表面保護層は、層厚が5〜20μmであり、且つマルテンス硬さが110〜160N/mmであり、
(3)前記第1表面保護層の層厚と、前記第2表面保護層の層厚との合計が20〜40μmである
ことを特徴とする床用化粧シート。
2.前記第1表面保護層は、熱可塑性樹脂を含有する、上記項1に記載の床用化粧シート。
3.前記熱可塑性樹脂は、アクリル系樹脂及びセルロース系樹脂から選択される少なくとも1種である、上記項2に記載の床用化粧シート。
4.前記熱可塑性樹脂は、重量平均分子量が4000〜16000である、上記項2又は3に記載の床用化粧シート。
5.前記熱可塑性樹脂は、重量平均分子量が10000〜16000である、上記項2又は3に記載の床用化粧シート。
.前記熱可塑性樹脂は、ガラス転移温度が10〜120℃である、上記項2〜のいずれかに記載の床用化粧シート。
.前記第1表面保護層と、前記第2表面保護層との間に、更に、プライマー層を有する、上記項1〜のいずれかに記載の床用化粧シート。
.上記項1〜のいずれかに記載の床用化粧シートの基材シート側被着材を有する床用化粧材。
以下、本発明の床材用化粧シート及び床用化粧材について詳細に説明する。
本発明の床材用化粧シートは、基材シート上に、少なくとも透明性樹脂層、第1表面保護層、及び第2表面保護層がこの順に積層された床用化粧シートであって、
前記第1表面保護層、及び前記第2表面保護層が、電離放射線硬化型樹脂を含有し、
(1)前記第1表面保護層は、層厚が5〜20μmであり、且つマルテンス硬さが40〜100N/mmであり、
(2)前記第2表面保護層は、層厚が5〜20μmであり、且つマルテンス硬さが110〜160N/mmであり、
(3)前記第1表面保護層の層厚と、前記第2表面保護層の層厚との合計が20〜40μmであることを特徴とする。
上記特徴を有する本発明の床用化粧シートは、第1表面保護層の上層として積層される第2表面保護層のマルテンス硬さが110〜160N/mmであるので硬く、耐傷性、特に、高荷重条件下での耐傷性に優れ、耐汚染性にも優れている。また、第2表面保護層の層厚が5〜20μmに限定されているため、層厚が厚すぎることに起因する耐衝撃性の低下による割れが抑制されている。また、第2表面保護層の下層として積層される第1表面保護層のマルテンス硬さが40〜100N/mmであるので柔らかく、耐衝撃性に優れている。また、第1表面保護層の層厚が5〜20μmに限定されているため、柔らか過ぎず、表面からの衝撃による大きいへこみが抑制され、耐傷性に優れている。更に、第1表面保護層の層厚と、第2表面保護層の層厚との合計が20〜40μmであるので、床用化粧シートに要求される高荷重条件下での耐傷性、耐汚染性、及び耐衝撃性を全て満足することが可能となる。上記第1表面保護層、及び上記第2表面保護層が、電離放射線硬化型樹脂を含有するので、耐衝撃性、耐汚染性、及び耐傷性に優れた床用化粧シートを容易に得ることができる。更に、第1表面保護層、及び第2表面保護層の層厚が上述した構成であるので、第1表面保護層、及び第2表面保護層中の溶剤の残留を抑制することが可能となる。
なお、本明細書におけるマルテンス硬さは、表面皮膜物性試験機(PICODENTOR HM−500、株式会社フィッシャー・インストルメンツ製)を用いて測定される値であり、具体的な測定方法は、以下の通りである。
即ち、上記測定方法では、図1(a)に示されるダイヤモンド圧子(ビッカーズ圧子)を用いて、図1(b)に示すように測定試料にダイヤモンド圧子を押し込み、表面にできたピラミッド形のくぼみの対角線の長さからその表面積A(mm)を計算し、試験荷重F(N)を割ることにより硬さを求める。押し込み条件は、室温(実験室環境温度)において、図1(c)に示される通り、先ず0〜5mNまでの負荷を10秒間で加え、次に5mNの負荷で5秒間保持し、最後に5〜0mNまでの除荷を10秒間で行う。そして、表面積A、試験荷重Fに基づきF/Aにより求められる硬度が、上記マルテンス硬さ(N/mm)である。
また、本明細書では、当該層以外の層の硬さの影響を回避するために表面保護層及び透明性樹脂層の断面のマルテンス硬さを測定した。これに際し、床用化粧シートを樹脂(冷間硬化タイプのエポキシ2液硬化樹脂)で包埋し、室温で24時間以上放置して硬化させた後、硬化した埋包サンプルを機械研磨して表面保護層及び透明性樹脂層の断面を露出させ、各層の断面に(無機充填材等の微粒子が表面保護層中に含まれる場合には当該微粒子を避けた位置に)ダイヤモンド圧子を押し込むことにより各層の断面のマルテンス硬さを測定した。
表面保護層
本発明の床用化粧シートは、基材シート上に、少なくとも透明性樹脂層、第1表面保護層、及び第2表面保護層がこの順に積層される。
(第1表面保護層)
上記第1表面保護層は、床用化粧シート表面に耐衝撃性を付与し、第1表面保護層中の溶剤の残留を抑制するという理由から、層厚が5〜20μmである。10〜20μmであることが好ましく、10〜15μmであることがより好ましい。
上記第1表面保護層は、床用化粧シート表面に耐衝撃性を付与するという理由から、マルテンス硬さは、40〜100N/mmである。40〜70N/mmであることが好ましく、40〜50N/mmであることがより好ましい。
なお、マルテンス硬さは、1)異なる硬さを有する2種以上の樹脂を混合する、2)樹脂にエラストマーを混合する、等によって適宜設定することができる。また、上記第1表面保護層は、電離放射線硬化型樹脂を用いているので、1分子内に有する重合性の官能基の数を変更したり異なる官能基数を有する樹脂を混合して用いたりする等によってマルテンス硬さを所望の値に調整することもできる。
第1表面保護層は電離放射線硬化型樹脂を含有する。実質的には、電離放射線硬化型樹脂から形成されているものが好ましい。電離放射線硬化型樹脂を含有する樹脂により第1表面保護層を形成する場合には、化粧シートの耐衝撃性、耐傷性を高め易い。
電離放射線硬化型樹脂としては特に限定されず、紫外線、電子線等の電離放射線の照射により重合架橋反応可能な官能基を分子中に含むプレポリマー(オリゴマーを含む)及び/又はモノマーを主成分とする透明性樹脂が使用できる。これらのプレポリマー又はモノマーは、単体又は複数を混合して使用できる。硬化反応は、通常、架橋硬化反応である。
具体的には、前記プレポリマー又はモノマーとしては、分子中に(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基等のラジカル重合性不飽和基、エポキシ基等のカチオン重合性官能基等を有する化合物が挙げられる。また、ポリエンとポリチオールとの組み合わせによるポリエン/チオール系のプレポリマーも好ましい。ここで、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基又はメタクリロイル基の意味である。
ラジカル重合性不飽和基を有するプレポリマーとしては、例えば、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、トリアジン(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの分子量としては、通常250〜100000程度が好ましい。ラジカル重合性不飽和基を有するモノマーとしては、例えば、単官能モノマーとして、メチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、多官能モノマーとしては、例えば、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイドトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
カチオン重合性官能基を有するプレポリマーとしては、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ化合物等のエポキシ系樹脂、脂肪酸系ビニルエーテル、芳香族系ビニルエーテル等のビニルエーテル系樹脂のプレポリマーが挙げられる。また、チオールとしては、例えば、トリメチロールプロパントリチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラチオグリコレート等のポリチオールが挙げられる。ポリエンとしては、例えば、ジオール及びジイソシアネートによるポリウレタンの両端にアリルアルコールを付加したものが挙げられる。
電離放射線硬化型樹脂を硬化させるために用いる電離放射線としては、電離放射線硬化型樹脂(組成物)中の分子を硬化反応させ得るエネルギーを有する電磁波又は荷電粒子が用いられる。通常は紫外線又は電子線を用いればよいが、可視光線、X線、イオン線等を用いてもよい。
紫外線源としては、例えば、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク灯、ブラックライト、メタルハライドランプ等の光源が使用できる。紫外線の波長としては、通常190〜380nmが好ましい。
電子線源としては、例えば、コッククロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、又は直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器が使用できる。その中でも、特に100〜1000keV、好ましくは100〜300keVのエネルギーをもつ電子を照射できるものが好ましい。
第1表面保護層は、必要に応じて、可塑剤、安定剤、充填剤、分散剤、染料、顔料等の着色剤、溶剤等を含んでもよい。
また、第1表面保護層には熱可塑性樹脂を含有することができる。熱可塑性樹脂を含有することにより、第2表面保護層との密着性を向上することが可能となる。
上記熱可塑性樹脂は、アクリル系樹脂及びセルロース系樹脂から選択される少なくとも1種であることが好ましい。上記熱可塑性樹脂としてアクリル系樹脂及びセルロース系樹脂から選択される少なくとも1種を用いることにより、第1表面保護層と、第2表面保護層との密着性を、更に向上させることができる。
即ち、上記熱可塑性樹脂としてアクリル系樹脂及びセルロース系樹脂から選択される少なくとも1種を用いることにより、第1表面保護層に架橋阻害を生じさせ、第2表面保護層との架橋を促進させることができる。
また、第1表面保護層の耐溶剤性を低下させることができ、第2表面保護層に用いられる溶剤により第1表面保護層の表面が粗くなり、当該粗い第1表面保護層の表面に第2表面保護層が積層されることにより密着性が向上する、いわゆる溶剤アタックによるアンカー効果を促進させることができる。
上記アクリル系樹脂としては、ポリウレタン−ポリアクリル系樹脂、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリウレタン−ポリアクリル系樹脂変性又は混合樹脂、ポリエステル−アクリレート系樹脂等が挙げられる。
上記アクリル系樹脂としては、具体的には、N−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロイミド、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、イソボニルアクリレート等が挙げられる。
上記セルロース系樹脂としては、セルロースエステル、セルロースアセテート、セルロースニトレート、セルロースアセテートブチレート、セルロースエーテル等が挙げられ、中でも、第1表面保護層と第2表面保護層との密着性をより向上させることができる点で、セルロースアセテートブチレートを用いることがより好ましい。
上記熱可塑性樹脂の含有量は、第1表面保護層を形成する樹脂組成物100重量部に対して、0.5〜5.0重量部であることが好ましく、1.0〜2.0重量部であることがより好ましい。上記熱可塑性樹脂の含有量が多すぎると、電子照射線を照射しても、第1表面保護層が十分に硬化しないおそれがある。上記熱可塑性樹脂の含有量が少なすぎると、第1表面保護層と第2表面保護層との密着性を向上させるという、熱可塑性樹脂を添加することによる効果を十分に発揮できないおそれがある。
上記熱可塑性樹脂は、ガラス転移温度(以下、Tgと表す。)が10〜120℃であることが好ましく、50〜120℃であることがより好ましい。Tgが高過ぎると、耐溶剤性が上がり、第1表面保護層と第2表面保護層との密着性を向上させるとの効果を十分に発揮できないおそれがあり、低過ぎると、第1表面保護層に含有される電離放射線硬化型樹脂との相溶性に劣り、第1表面保護層が白濁するおそれがある。
また、上記熱可塑性樹脂は、重量平均分子量が4000〜16000であることが好ましく、10000〜16000であることがより好ましい。重量平均分子量が大き過ぎると、第1表面保護層に含有される電離放射線硬化型樹脂に含まれる溶剤が乾燥し難くなって残留溶剤量が増加し、電子照射線を照射しても、第1表面保護層が十分に硬化しないおそれがある。重量平均分子量が小さ過ぎると、第1表面保護層に含有される電離放射線硬化型樹脂との相溶性に劣り、第1表面保護層が白濁するおそれがある。
第1表面保護層は、例えば、透明性ポリプロピレン系樹脂層の上に電離放射線硬化型樹脂又は電離放射線硬化型樹脂を含む2液硬化型ウレタン系樹脂をグラビアコート、ロールコート等の公知の塗工法により塗工後、樹脂を硬化させることにより形成できる。電離放射線硬化型樹脂の場合には、電子線照射により樹脂硬化する。
2液硬化型ウレタン系樹脂としては特に限定されないが、中でも主剤としてOH基を有するポリオール成分(アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、エポキシポリオール等)と、硬化剤成分であるイソシアネート成分(トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、メタキシレンジイソシアネート等)とを含むものが使用できる。
(第2表面保護層)
上記第2表面保護層は、比較的高荷重での耐傷付き性を発揮しつつ、表面保護層がもろくならず耐衝撃性に優れ、さらに耐汚染性にも優れ、また、第2表面保護層の溶剤の残留を抑制するという理由から、層厚が5〜20μmである。10〜20μmであることが好ましく、10〜15μmであることがより好ましい。
上記第2表面保護層は、比較的高荷重での耐傷付き性を発揮しつつ、表面保護層がもろくならず耐衝撃性に優れ、さらに耐汚染性にも優れるという理由から、マルテンス硬さは、110〜160N/mmである。かかる範囲の中でも、110〜130N/mmであることが好ましい。
第2表面保護層の他の構成は、上述した第1表面保護層と同一である。
上記第1表面保護層の層厚と、第2表面保護層の層厚との合計は、20〜40μmである。層厚の合計を上記範囲とすることにより、表面保護層が、床用化粧シートに要求される高荷重条件下での耐傷性、耐汚染性、及び耐衝撃性を全て満足することが可能となり、更に、第1表面保護層、及び、第2表面保護層中の溶剤の残留を抑制することが可能となる。
上記第1表面保護層の層厚と、第2表面保護層の層厚との合計は、25〜35μmであることが好ましい。
基材シート
本発明の床用化粧シートは、基材シートを備えており、その表面(おもて面)に透明性樹脂層、上記第1表面保護層、及び第2表面保護層が積層される。
基材シートとしては、例えば、熱可塑性樹脂により形成されたものが好適である。具体的には、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー、ポリアクリル酸エステル、ポリメタアクリル酸エステル等が挙げられる。上記の中でもポリプロピレン等のポリオレフィンが好ましい。
基材シートは、着色されていても良い。この場合は、上記のような熱可塑性樹脂に対して着色材(顔料又は染料)を添加して着色することができる。着色材としては、例えば、二酸化チタン、カーボンブラック、酸化鉄等の無機顔料、フタロシアニンブルー等の有機顔料のほか、各種の染料も使用することができる。これらは、公知又は市販のものから1種又は2種以上を選ぶことができる。また、着色材の添加量も、所望の色合い等に応じて適宜設定すれば良い。
基材シートには、必要に応じて、充填剤、艶消し剤、発泡剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤等の各種の添加剤が含まれていても良い。
充填剤としては、例えば、シリカ、クレー、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、三酸化アンチモン、ホウ酸亜鉛、モリブデン化合物等が挙げられる。充填剤を含むことにより、目透き抑制効果、表面特性向上効果等が得られる。充填剤の含有量は、樹脂成分100重量部に対して0〜100重量部程度が好ましく、10〜50重量部程度がより好ましい。
基材シートの厚みは、最終製品の用途、使用方法等により適宜設定できるが、一般には50〜250μmが好ましい。
基材シートは、必要に応じて、絵柄模様層を形成するインキの密着性を高めるために表面(おもて面)にコロナ放電処理を施してもよい。コロナ放電処理の方法・条件は、公知の方法に従って実施すれば良い。また、必要に応じて、基材シートの裏面にコロナ放電処理を施してもよい。
裏面プライマー層
前述の基材シートの裏面には、必要に応じて、裏面プライマー層を設けても良い。例えば、基材シートと被着材とを接着して床用化粧材を作製する際に有利である。
裏面プライマー層は、公知のプライマー剤を基材シートの裏面に塗布することにより形成できる。プライマー剤としては、例えば、アクリル変性ウレタン樹脂(アクリルウレタン系樹脂)等からなるウレタン樹脂系プライマー剤、ウレタン−セルロース系樹脂(例えば、ウレタンと硝化綿の混合物にヘキサメチレンジイソシアネートを添加してなる樹脂)からなるプライマー剤、アクリルとウレタンのブロック共重合体からなる樹脂系プライマー剤等が挙げられる。プライマーには、必要に応じて、添加剤を配合してもよい。添加剤としては、例えば、炭酸カルシウム、クレー等の充填剤、水酸化マグネシウム等の難燃剤、酸化防止剤、滑剤、発泡剤、紫外線吸収剤、光安定剤などが挙げられる。添加剤の配合量は、製品特性に応じて適宜設定できる。
裏面プライマー層の厚みは特に限定されないが、通常0.1〜10μm、好ましくは1〜5μm程度である。
絵柄模様層形成用プライマー層
また、前述の基材シートの表面(おもて面)には、必要に応じて、絵柄模様層形成用プライマー層を設けても良い。例えば、基材シートと絵柄模様層とを接着して床用化粧材を作製する際に有利である。
絵柄模様層形成用プライマー層は、公知のプライマー剤を基材シートの表面(おもて面)に塗布することにより形成できる。プライマー剤としては、上述の裏面プライマー層に用いるものと同一のものを使用できる。
絵柄模様層形成用プライマー層の厚みは特に限定されないが、通常0.1〜10μm、好ましくは1〜5μm程度である。
絵柄模様層
本発明の床用化粧シートは、所望により、基材シートの表面(おもて面)に、絵柄模様層を設けてもよい。
絵柄模様層は、床用化粧シートに所望の絵柄(意匠)を付与するものであり、絵柄の種類等は限定的ではない。例えば、木目模様、石目模様、砂目模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、布目模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、抽象模様等が挙げられる。
絵柄層の形成方法は特に限定されず、例えば、公知の着色剤(染料又は顔料)を結着材樹脂とともに溶剤(又は分散媒)中に溶解(又は分散)して得られるインキを用いた印刷法により、基材シート表面に形成すればよい。
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、チタン白、亜鉛華、弁柄、紺青、カドミウムレッド等の無機顔料;アゾ顔料、レーキ顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、フタロシアニン顔料、イソインドリノン顔料、ジオキサジン顔料等の有機顔料;アルミニウム粉、ブロンズ粉等の金属粉顔料;酸化チタン被覆雲母、酸化塩化ビスマス等の真珠光沢顔料;蛍光顔料;夜光顔料等が挙げられる。これらの着色剤は、単独又は2種以上を混合して使用できる。これらの着色剤には、シリカ等のフィラー、有機ビーズ等の体質顔料、中和剤、界面活性剤等がさらに配合してもよい。
結着材樹脂としては、ポリエステル系ウレタン樹脂、親水性処理されたポリエステル系ウレタン樹脂のほか、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリビニルアセテート、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリスチレン−アクリレート共重合体、ロジン誘導体、スチレン−無水マレイン酸共重合体のアルコール付加物、セルロース系樹脂なども併用できる。
より具体的には、例えば、ポリウレタン−ポリアクリル系樹脂、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸系樹脂、ポリエチレンオキシド系樹脂、ポリN−ビニルピロリドン系樹脂、水溶性ポリエステル系樹脂、水溶性ポリアミド系樹脂、水溶性アミノ系樹脂、水溶性フェノール系樹脂、その他の水溶性合成樹脂;ポリヌクレオチド、ポリペプチド、多糖類等の水溶性天然高分子;等を使用できる。また、例えば、天然ゴム、合成ゴム、ポリ酢酸ビニル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン−ポリアクリル系樹脂変性又は混合樹脂、その他の樹脂も使用できる。上記結着材樹脂は、単独又は2種以上で使用できる。
絵柄模様層の形成に用いる印刷法としては、例えば、グラビア印刷法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、静電印刷法、インクジェット印刷法等が挙げられる。また、全面ベタ状の絵柄模様層(これを着色隠蔽層とも言う)を形成する場合には、例えば、グラビアコート法、グラビアリバースコート法、ロールコート法、ナイフコート法、エアーナイフコート法、ダイコート法、リップコート法、コンマコート法、キスコート法、フローコート法、ディップコート法等の各種コーティング法も挙げられる。
上記以外にも、例えば、手描き法、墨流し法、写真法、転写法、レーザービーム描画法、電子ビーム描画法、金属等の部分蒸着法、エッチング法などを用いたり、他の形成方法と組み合わせて用いたりしてもよい。
絵柄層の厚みは特に限定されず、製品特性に応じて適宜設定できるが、塗工時の層厚は1〜15μm程度、乾燥後の層厚は0.1〜10μm程度である。
接着剤層
本発明の床用化粧シートは、所望により、絵柄模様層と透明性樹脂層との間に、接着剤層を設けてもよい。
接着剤層は、絵柄層が認識できる限り、透明でも半透明でもよい。また、接着剤層で使用する接着剤は、特に限定されず、絵柄層又は透明性樹脂層を構成する成分等に応じて適宜選択することができる。床用化粧シートの分野で公知の接着剤としては、例えば、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂等の熱可塑性樹脂、ウレタン系樹脂等の熱硬化性樹脂等が挙げられる。これら接着剤は1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いる。また、イソシアネートを硬化剤とする二液硬化型ポリウレタン樹脂又はポリエステル樹脂も適用し得る。
また、必要に応じ、コロナ放電処理、プラズマ処理、脱脂処理、表面粗面化処理等の公知の易接着処理を接着面に施すこともできる。
接着剤層は、例えば、接着剤を絵柄模様層の上に塗布後、一度乾燥し、それから、透明性樹脂を積層することにより形成できる。接着剤の塗布方法は特に限定されず、例えば、ロールコート、カーテンフローコート、ワイヤーバーコート、リバースコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、エアーナイフコート、キスコート、ブレードコート、スムースコート、コンマコート等の方法が採用できる。
接着剤層の厚みは、透明性保護層、使用する接着剤の種類等によって異なるが、一般的には0.1〜30μm程度とすれば良い。
透明性樹脂層
本発明の床用化粧シートは、基材シートの表面(おもて面)と第1表面保護層との間に、透明性樹脂層が積層される。
透明性樹脂層を構成する樹脂は、下層に絵柄模様層がある場合は透明であるか、下層の絵柄模様層が視認できる範囲内で半透明であれば、制限されない。その様な樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー、ポリメチルペンテン、ポリアクリル酸エステル、ポリメタアクリル酸エステル、ポリカーボネート、セルローストリアセテート等が挙げられる。上記樹脂は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。また、これらの樹脂を主成分とする共重合体も使用できる。
上記の中でも、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂が好ましい。より好ましくは、立体規則性を有するポリオレフィン系樹脂である。ポリオレフィン系樹脂を用いる場合は、溶融ポリオレフィン系樹脂を押し出し法により透明性樹脂層を形成することが望ましい。
ポリオレフィン系樹脂としては単独重合体又は共重合体のいずれも使用することができる。例えばポリプロピレン系樹脂であれば、ホモポリプロピレン樹脂、ランダムポリプロピレン樹脂、ブロックポリプロピレン樹脂等が挙げられる。ポリオレフィン系樹脂は市販品(例えばポリプロピレン系樹脂であれば、プライムポリマー株式会社製(プライムTPO「J−5900」、プライムポリプロ「F219DA」)等)を使用することができる。
透明性樹脂層には、必要に応じて、充填剤、艶消し剤、発泡剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、ラジカル捕捉剤、軟質成分(例えばゴム)等の各種の添加剤が含まれていても良い。
透明性樹脂層の厚さは特に限定されないが、透明性樹脂層の厚みが薄すぎると耐摩耗性が低下する。また厚すぎると切削時に毛羽立つ等の問題が生じるという理由から、150μm未満が好ましく、40〜100μmがより好ましく、60〜80μmが更に好ましい。
透明性樹脂層は、必要に応じて、上層のプライマー層との密着性を高めるために表面(おもて面)にコロナ放電処理を施してもよい。
プライマー層
本発明の床用化粧シートでは、所望により、透明性樹脂層と第1表面保護層の間にプライマー層を設けてもよい。プライマー層は、透明性樹脂層と表面保護層との接着性(密着性)を高める機能を有する。また、表面保護層の延伸部に微細な割れや白化を生じにくくする効果を有する。また、プライマー層を設けることにより、前記表面保護層の形成が容易となる。前記プライマー層は、透明性のものであれば特に限定されず、無色透明、着色透明、半透明等のいずれも含む。
プライマー層は、公知の又は市販のプライマー剤を前記透明性樹脂層の上に塗布することにより形成できる。特に、前記プライマー層は、樹脂を架橋させることにより形成された層であることが好ましい。そのような層を形成するためのプライマー剤としては、例えば、アクリル変性ウレタン樹脂等からなるウレタン樹脂系プライマー剤、アクリルとウレタンのブロック共重合体からなる樹脂系プライマー剤等が挙げられる。これらプライマー剤は単独で又は2種以上を組み合わせて用いる。
プライマー層には、艶消し剤としてシリカを含有させてもよい。プライマー剤中におけるシリカの含有量は、樹脂成分100重量部に対して、0.1〜50重量部が好ましく、10〜40重量部がより好ましい。更に、必要に応じて、プライマー剤に公知の添加剤を含有させてもよい。例えば、プライマー剤にヘキサメチレンジイソシアネート系硬化剤を含有させることにより、前記透明性樹脂層と前記表面保護層との密着性をより向上させることができる。また、プライマー層には紫外線吸収剤、光安定剤等の各種の耐候性剤を加えてもよい。
プライマー層は、例えば直接コーティング法によって形成することができ、グラビアコート、グラビアリバースコート、グラビアオフセットコート、スピンコート、ロールコート、リバースロールコート、キスコート、ホイラーコート、ディップコート、シルクスクリーンによるベタコート、ワイヤーバーコート、フローコート、コンマコート、かけ流しコート、刷毛塗り、スプレーコート等を用いることができる。
プライマー層の厚さは0.1〜10μm程度であることが好ましい。0.1μm以上であると、表面保護層の割れ、破断、白化等を防ぐ効果を十分に発揮させることができる。一方、プライマー層の厚さが10μm以下であれば、プライマー層を塗工した際、塗膜の乾燥、硬化が安定であるので成形性が変動することが無く好ましい。以上の点からプライマー層の厚さは0.1〜10μmであることがより好ましい。
床用化粧シートの製造方法
本発明の床用化粧シートを構成する各層の積層は、例えば、(ア)基材シートの裏面に裏面プライマー層を設け、(イ)基材シートのおもて面に絵柄模様層を印刷により形成し、(ウ)当該絵柄印刷模様層上に接着剤層を形成し、(エ)当該接着剤層の上に透明性樹脂層を押出しラミネート方式で積層し、(オ)当該透明性樹脂層の表面にコロナ放電処理を施した後、プライマー層を形成し、(カ)その表面にグラビアコート方式により特定の層厚及びマルテンス硬さを有する本発明の第1表面保護層を形成する電離放射線硬化型樹脂を塗工し、電子線を照射し、(キ)更に、その表面にグラビアコート方式により特定の層厚及びマルテンス硬さを有する本発明の第2表面保護層を形成する電離放射線硬化型樹脂を塗工し、電子線を照射することにより、行うことができる。
エンボス加工
床用化粧シートは、透明性樹脂層側、第1表面保護層側、又は、第2表面保護層側からエンボス加工が施されていてもよい。
エンボス加工は、床用化粧シートに木目模様等の所望のテクスチャーを付与するために行う。例えば、表面保護層を加熱軟化させた後、所望の形の凹凸模様を有するエンボス版で加圧・賦形し、冷却固定することによりテクスチャーを付与する。エンボス加工は、公知の枚葉又は輪転式エンボス機で行える。エンボス加工の凹凸模様としては、例えば、木目導管溝、浮造模様(浮出した年輪の凹凸模様)、ヘアライン、砂目、梨地等が挙げられる。
エンボス加工を施した場合には、必要に応じて、エンボス凹部にワイピング加工によりインキを充填してもよい。例えば、エンボス凹部にドクターブレードで表面をかきながらインキを充填する。充填するインキ(ワイピングインキ)としては、通常は2液硬化型のウレタン樹脂をバインダーとするインキを用いることができる。特に木目導管溝凹凸に対してワイピング加工を行うことによって、より実際の木目に近い意匠を表現することにより商品価値を高めることができる。
バッカー層
床用化粧シートには、基材シートの裏面にバッカー層を設けても良い。
バッカー層を構成する樹脂としては、限定的ではないが、熱可塑性樹脂が好ましく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリメチレン、ポリメチルペンテン、ポリエチレンテレフタレート、アモルファスポリエチレンテレフタレート(A−PET)、耐熱性の高いポリアルキレンテレフタレート〔例えば、エチレングリコールの一部を1,4−シクロヘキサンジメタノールやジエチレングリコール等で置換したポリエチレンテレフタレートである、いわゆる商品名PET−G(イーストマンケミカルカンパニー製)〕、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンナフタレート−イソフタレート共重合体、ポリイミド、ポリスチレン、ポリアミド、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)等が挙げられる。これらの樹脂は単独又は2種以上を組み合わせて使用できる。
バッカー層の厚みは、最終製品の用途、使用方法等により適宜設定できるが、一般には50〜800μmが好ましい。
バッカー層には、必要に応じ、コロナ放電処理、プラズマ処理、脱脂処理、表面粗面化処理等の公知の易接着処理を接着面に施すこともできる。
バッカー層を形成する方法としては、例えば、カレンダー法、インフレーション法、Tダイ押し出し法等により透明性接着剤層の上にラミネートしてもよく、また既成のフィルムを用いてもよい。
ただし、本発明の床用化粧シートは、バッカー層を形成しなくとも、十分な耐衝撃性を確保できる。
床用化粧材
本発明の床材用化粧シートの基材シート側を被着材を貼り合わせて、接合することにより、床用化粧材とすることができる。
各種被着材の材質は特に限定されず、例えば、無機非金属系、金属系、木質系、プラスチック系等の材質が挙げられる。具体的には、無機非金属系では、例えば、抄造セメント、押出しセメント、スラグセメント、ALC(軽量気泡コンクリート)、GRC(ガラス繊維強化コンクリート)、パルプセメント、木片セメント、石綿セメント、硅酸カルシウム、石膏、石膏スラグ等の非陶磁器窯業系材料、土器、陶器、磁器、セッ器、硝子、琺瑯等のセラミックス材料などが挙げられる。金属系では、例えば、鉄、アルミニウム、銅等の金属材料(金属鋼板)が挙げられる。木質系では、例えば、杉、檜、樫、ラワン、チーク等からなる単板、合板、パーティクルボード、繊維板、集成材等が挙げられる。プラスチック系では、例えば、ポリプロピレン、ABS樹脂、フェノール樹脂等の樹脂材料が挙げられる。
このような被着体の形状は特に限定されず、通常はフローリング等への設置を考慮して平板とすればよい。
被着材と化粧シートとを貼り合わせるには、例えば接着剤を用いることができる。接着剤としては、例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、アイオノマー、ブタジエン・アクリルニトリルゴム、ネオプレンゴム、天然ゴム等を有効成分とする公知の接着剤が使用できる。
被着材と化粧シートとの接合後は、例えば、最終製品の特性に応じて、裁断、テノーナーを用いてサネ加工、V字形状の条溝付与、四辺の面取り等を施してもよい。
本発明の床用化粧シートは、電離放射線硬化型樹脂を含有し、層厚及びマルテンス硬さが特定の範囲である、第1表面保護層と第2表面保護層とを備え、第1表面保護層の層厚と第2表面保護層の層厚との合計を特定の範囲としているので、耐衝撃性を悪化させることなく、耐汚染性、及び耐傷性、特に、高荷重条件下での耐傷性にも優れ、且つ、表面保護層での溶剤の残留が抑制される。
本明細書におけるマルテンス硬さの測定に用いるダイヤモンド圧子(a)、押し込み操作の模式図(b)及び押し込み荷重と変位の一例(c)を示す図である。 本発明の床用化粧シート及び床用化粧材の実施形態の一例(層構成概念図)を示す図である。
次に、実験例を示して本発明を具体的に説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。
実施例及び比較例
(実施例1)
60μm厚の着色ポリプロピレンフィルムからなる基材シートの両面にコロナ放電処理を施し、裏面に厚さ2μmの裏面プライマー層を形成した。次いで、基材シートのおもて面に、厚さ2μmの絵柄模様層を印刷により形成し、さらに、当該絵柄印刷模様層上に透明性接着剤層を形成した。当該透明性接着剤層の上に、透明性熱可塑性ポリオレフィンをTダイ押出し機により加熱溶融押出しし、厚さ80μmの透明性樹脂層を形成した。この透明性樹脂層の表面にコロナ放電処理を施した後、2液硬化型ウレタン樹脂(ウレタン・アクリル共重合体)を塗工することによりプライマー層を形成した。
その表面に下記の組成を主成分とする電離放射線硬化型樹脂をグラビアコート方式により5μmの厚さで塗工し、乾燥させて、未硬化の電離放射線硬化型樹脂層を形成した。次いで、酸素濃度100ppm以下の雰囲気中で、未硬化の電離放射線硬化型樹脂層に対して、電子線照射装置を用いて、加速電圧175keV、2Mrad(20kGy)の条件で電子線を照射して硬化させることにより、第1表面保護層を形成した。
更に、第1表面保護層の表面に、下記の組成を主成分とする電離放射線硬化型樹脂をグラビアコート方式により15μmの厚さで塗工し、乾燥させて、未硬化の電離放射線硬化型樹脂層を形成した。次いで、酸素濃度100ppm以下の雰囲気中で、未硬化の電離放射線硬化型樹脂層に対して、電子線照射装置を用いて、加速電圧175keV、5Mrad(50kGy)の条件で電子線を照射して硬化させることにより、第2表面保護層を形成した。
上記電離放射線硬化型樹脂の主成分の組成は、以下の通りである。
第1表面保護層
・2官能ウレタンアクリレートオリゴマーA(重量平均分子量1500)100重量部
・マット剤(平均粒径11μmシリカ) 8重量部
・溶剤(酢酸エチル) 100重量部
第2表面保護層
・2官能ウレタンアクリレートオリゴマーA(重量平均分子量1500)80.0重量部
・6官能ウレタンアクリレートオリゴマー(重量平均分子量1500)20.0重量部
・マット剤(平均粒径11μmシリカ) 8重量部
・溶剤(酢酸エチル) 100重量部
以上のようにして、実施例1の床用化粧シートを作製した。第1表面保護層の断面方向のマルテンス硬さは40N/mm(10点の測定値の平均値)であり、第2透明性樹脂層の断面方向のマルテンス硬さは110N/mm(10点の測定値の平均値)であった。
(実施例2〜13、比較例1〜13)
第1表面保護層、及び第2表面保護層の層厚を表2及び3のように変更した以外は実施例1と同様にして、実施例2〜13、及び比較例1〜13の床用化粧シートを作製した。
(実施例14〜28、比較例14〜33)
第1表面保護層、及び第2表面保護層の、層厚、並びに、マルテンス硬さを表4及び5のように変更した以外は実施例1と同様にして、実施例14〜28、及び比較例14〜33の床用化粧シートを作製した。
(比較例34〜51)
表面保護層を1層とし、該表面保護層の層厚、及びマルテンス硬さを表6のようにした以外は実施例1と同様にして比較例34〜51の床用化粧シートを作製した。
上記実施例、及び比較例に用いられる電離放射線硬化型樹脂を構成する成分として、以下の成分を使用した。
・2官能ウレタンアクリレートオリゴマーA(重量平均分子量1500)Tg=25℃
・2官能ウレタンアクリレートオリゴマーB(重量平均分子量5000)Tg=−55℃
・6官能ウレタンアクリレートオリゴマー(重量平均分子量1500)Tg=200℃以上
ただし、2官能ウレタンアクリレートオリゴマーとは、1分子中にラジカル重合性のアクリロイル基を2つ有するウレタンアクリレートオリゴマーを意味するものとする。また、6官能ウレタンアクリレートオリゴマーとは、1分子中にラジカル重合性のアクリロイル基を6つ有するウレタンアクリレートオリゴマーを意味するものとする。
(評価方法)
下記(1)〜(4)の試験については、作製した床用化粧シートを厚さ2.7mmの中密度木質繊維板(MDF)上に貼り合わせて行った。また、下記(5)の試験については、作製した床用化粧シートをMDFに貼り合わせずに用いた。
(1)軽荷重耐傷性試験(ホフマンスクラッチ試験)
米国BYK−GARDNER社製のホフマンスクラッチ試験機を用いて試験を行った。具体的には、床用化粧シート表面に対して45°の角度で接するようにスクラッチ刃(φ7の円柱形の刃)をセットし、試験機を化粧材上で移動させた。徐々に荷重(錘)を高めていき、床用化粧シート表面に擦り傷、圧痕等が生じるまで試験を繰り返し行った。
評価基準は、以下の通りである。
○:1500g荷重以上において、傷が見られないもの
△:1000g荷重以上において、傷が見られないもの
×:1000g荷重未満において、傷が発生したもの
(2)高荷重耐傷性試験(コインスクラッチ試験)
コイン(10円玉)2枚を45°の角度で接するようにセットし(2点支持)、試験機を化粧材上で移動させた。徐々に荷重(錘)を高めていき、化粧シート表面に擦り傷、圧痕等が生じるまで試験を行った。
評価基準は、以下の通りである。
◎:7kg荷重において、傷が見られないもの
○:5kg荷重において、傷が見られないもの
△:4kg荷重において、傷が見られないもの
×:4kg荷重未満において、傷が発生したもの
(3)耐衝撃試験(デュポン衝撃試験)
JISK5600のデュポン衝撃試験に従って、実施例及び比較例で得られた床用化粧シート表面上に、半径6.3mmの半球形状の先端を有した撃ち型を静置させ、前記撃ち型上に500g荷重のおもりを高さ300mmから落下させることにより評価した。
評価基準は、以下の通りである。
○:300mmの高さから落下させて、目視により、床用化粧シートの割れが観察できなかったもの
△:300mmの高さから落下させて、目視により、床用化粧シートにやや割れが認められたもの
×:300mmの高さから落下させて、目視により、床用化粧シートの割れが明らかに認められたもの
(4)耐汚染性試験
実施例及び比較例で作製した床用化粧シートの耐汚染性を、以下の試験により評価した。即ち、パイロット社製赤インキを直接床用化粧シート上に塗布し、時計皿を被せた。6時間放置した後、エタノールを含浸した布で拭取り、観察した。
評価基準は、以下の通りである。
○:汚染残りが無かったもの
△:汚染残りが軽微であったもの
×:明らかな汚染残りがあったもの
(5)残留溶剤量試験
床用化粧シート作製から1時間以内に、該床用化粧シートを幅5cm、長さ10cmの長方形状に切断して試験片を作製した。上記試験片を、ガラス容器内に密閉し、120℃の温度で7分間過熱して、試験片に残留している溶剤を気化させることにより、該溶剤をガラス容器内に放散させた。ガラス容器内に気化された状態で存在する溶剤の量をガスクロマトグラフィーにより測定し、床用化粧シート1mあたりの溶剤量に換算することにより、残留溶剤量を測定した。
なお、ガスクロマトグラフィーの測定条件は、以下の通りである。
測定器具
装置:ヘッドスペースガスクロマトグラフ(島津製作所製 HSS−4A GC−17A)
カラム:DB−624(30m×0.53mmID 3μm)
サンプルサイズ:5cm×10cm 1枚
バイアルサイズ:27ml
分析条件
加熱追出:120℃−7min
オーブン:35℃−8min保持−9℃/min−135℃−10min
室温で29分までに検出された全成分(TVOC)の合算(単位:mg/mに換算)を残留溶剤量とした。
なお、未知の成分が存在する場合は、トルエン換算にて合算した。
評価基準は、以下の通りである。
○:残留溶剤料が500mg/m未満のもの
×:残留溶剤料が500mg/m以上のもの
表1に、第1表面保護層、及び第2表面保護層に用いた樹脂組成、及びマルテンス硬さを示す。表1において2官能A、2官能B、及び6官能は、それぞれ、2官能ウレタンアクリレートオリゴマーA、2官能ウレタンアクリレートオリゴマーB、6官能脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマーを表す。また、表1において、数値は重量部を表す。
Figure 0005978668
評価した結果を以下の表に示す。
表2及び3に、第1表面保護層のマルテンス硬さが40N/mm、且つ、第2表面保護層のマルテンス硬さが110N/mmである場合の試験例を示した。表2及び3では、第1表面保護層、及び第2表面保護層のマルテンス硬さを上記値に固定し、それぞれの層厚を変化させて、層厚が床用化粧シートの性能に及ぼす影響について試験を行った。
Figure 0005978668
Figure 0005978668
表2及び3から明らかなように、実施例1〜13では、第1表面保護層及び第2表面保護層のマルテンス硬さ、それぞれの層厚、並びに、第1表面保護層と第2表面保護層の層厚の合計が、適切な値となっているので、耐傷性、耐衝撃性、及び耐汚染性に優れていた。
一方、比較例2及び3の結果から、第1表面保護層の層厚が5μm未満であると、衝撃吸収性が悪く、第2表面保護層が割れを生じるため、耐衝撃性に劣ることが分かった。比較例1は、第1表面保護層の層厚が5μm未満であるが、第2表面層の層厚が15μmと薄いために硬過ぎず、割れを生じ難く、耐衝撃性の評価結果は○となった。
比較例1、4、及び6の結果から、第1表面保護層と第2表面保護層の層厚の合計が20μm未満であると、耐傷性に劣ることが分かった。
比較例8、10、及び12の結果から、第2表面保護層の層厚が5μm未満であると、耐傷性に劣ることが分かった。
比較例3、5、7、9、11、12、及び13の結果から、第1表面保護層、及び第2表面保護層のうち、どちらか一方の層厚が20μmを超えると、第1表面保護層、及び第2表面保護層に含まれる溶剤量が多くなり、床用化粧シートの溶剤の残留量が多くなることが分かった。
表4に、第1表面保護層の層厚、及び第2表面保護層の層厚が、15μmである場合の試験例を示した。表4では、第1表面保護層、及び第2表面保護層の層厚を上記値に固定し、それぞれのマルテンス硬さを変化させて、マルテンス硬さが床用化粧シートの性能に及ぼす影響について試験を行った。
Figure 0005978668
表4から明らかなように、実施例14〜16では、第1表面保護層及び第2表面保護層のマルテンス硬さ、それぞれの層厚、並びに、第1表面保護層と第2表面保護層の層厚の合計が、適切な値となっているので、耐傷性、耐衝撃性、及び耐汚染性に優れていた。
一方、比較例14〜17の結果から、第1表面保護層のマルテンス硬さが40N/mm未満であると、下層である第1表面保護層が柔らか過ぎて、へこみが大きいため、耐傷性に劣ることが分かった。
比較例14、18、20、及び22の結果から、第2表面保護層のマルテンス硬さが110N/mm未満であると、床用化粧シート表面が柔らか過ぎて汚れが付着し易く、耐汚染性に劣ることが分かった。
比較例17、19、21、及び25の結果から、第2表面保護層のマルテンス硬さが160N/mmを超えると、第2表面保護層が硬すぎて、割れを生じるため、耐衝撃性に劣ることが分かった。
比較例23〜25の結果から、第1表面保護層のマルテンス硬さが100N/mmを超えると、第1表面保護層が硬すぎて衝撃吸収性が悪く、耐衝撃性に劣ることが分かった。比較例22は、第1表面保護層のマルテンス硬さが100N/mmを超えるが、第2表面層のマルテンス硬さが100N/mmと柔らかいために、耐衝撃性の評価結果は△となった。
表5に、第1表面保護層、及び第2表面保護層のマルテンス硬さを表5に示す値とし、第1表面保護層の層厚、及び第2表面保護層の層厚を、5〜20μmの範囲で変化させた場合の試験例を示した。表5では、第1表面保護層、及び第2表面保護層について、マルテンス硬さ、及び層厚を変化させて、これらの物性が床用化粧シートの性能に及ぼす影響について試験を行った。
Figure 0005978668
表5から明らかなように、実施例17〜28では、第1表面保護層及び第2表面保護層のマルテンス硬さ、それぞれの層厚、並びに、第1表面保護層と第2表面保護層の層厚の合計が、適切な値となっているので、耐傷性、耐衝撃性、及び耐汚染性に優れていた。
一方、比較例26、28、30、及び32の結果から、第2表面保護層のマルテンス硬さが160N/mmを超えると、第2表面保護層が硬すぎて、割れを生じるため、耐衝撃性に劣ることが分かった。
比較例27、29、31、及び33の結果から、第2表面保護層のマルテンス硬さが160N/mmを超え、且つ、第2表面保護層の厚みが5〜10μm程度の薄さであると、耐傷性に劣ることが分かった。
表6に、表面保護層を1層とした場合の試験例を示した。
Figure 0005978668
表6から明らかなように、比較例実施例34〜51では、表面保護層が1層となっているので、耐傷性、耐衝撃性、及び耐汚染性を全て満たす床用化粧シートは得られないことが分かった。
本発明の床用化粧シートの第1表面保護層と第2表面保護層との密着性を評価するため、実施例29〜33の床用化粧シートを作製し、以下の塗膜密着性試験を行った。
(実施例29〜33)
実施例8の第1表面保護層を形成する樹脂組成物100重量部に対して、表7のアクリル系樹脂A〜D、及びセルロース系樹脂Eを1重量部配合した以外は上記実施例8と同様にして、実施例29〜33の床用化粧シートを作製した。
これらの実施例29〜33について、以下の塗膜密着性試験を行った。また、塗膜密着性試験に用いる実施例29〜33では、それぞれについて、第1表面保護層を形成してから第2表面保護層を形成するまでの間の時間(リードタイム)を、第1表面保護層形成直後、24時間後、72時間後とした3種類の床用化粧シートを作製した。
また、以下の塗膜密着性試験では、比較のために実施例8の床用化粧シートを、実施例29〜33と同様に作製したものについても試験を行った。
また、実施例29〜33のうち、第1表面保護層形成直後に第2表面保護層を形成した床用化粧シートについて、以下の塗膜密着性試験に併せて、上記(1)〜(5)の試験を行った。
(6)塗膜密着性試験
床用化粧シートの裏面全体に両面テープを貼着し、土台(金属製の平板)に圧着した。床用化粧シートのおもて面(表面保護層)に粘着テープ(ニチバン製「セロテープ(登録商標)」工業用24mm幅)を貼着し、綿布で擦って十分に密着させた。次に、貼着した粘着テープを剥離角45°で急激に剥離した。粘着テープの貼着と剥離とを3回繰り返した後、肉眼観察により表面保護層の剥離の有無を確認して評価した。
評価基準は、以下の通りである。
○:S−UV200時間照射後耐セロテープ(登録商標)試験によっても剥離しなかったもの
△:常態で耐セロテープ(登録商標)試験によっても剥離しなかったもの
×:常態で耐セロテープ(登録商標)試験によって剥離を生じたもの
なお、上記S−UV200時間照射は、以下の条件で行った。即ち、化粧シートについて促進耐候性試験としてJIS−B−7350に準じて試験を実施した。具体的には、サンシャインカーボンアーク灯式耐候性試験機を用い、照度60mW/cm、ブラックパネル温度63℃、槽内湿度50%Rh、湿潤サイクル20H/4Hの条件で、合計200時間実施した。
結果を表8に示す。
Figure 0005978668
Figure 0005978668
表8から明らかなように、実施例29〜33の床用化粧シートは、第1表面保護層がアクリル系樹脂、又はセルロース系樹脂を含有するので、塗膜密着性に優れていた。特に、実施例32及び33の床用化粧シートは、重量平均分子量が適切であるアクリル系樹脂、又はセルロース系樹脂を用いているので、リードタイムが第1表面保護層形成直後、24時間後、72時間後の全ての条件において優れた塗膜密着性を示した。
また、実施例29〜31の床用化粧シートは、実施例32及び33の床用化粧シートより、アクリル系樹脂の重量平均分子量が低いので、第1表面保護層に含有される電離放射線硬化型樹脂との相溶性に若干劣り、72時間後の塗膜密着性が若干劣っていた。
一方、実施例8の床用化粧シートは、第1表面保護層にアクリル系樹脂、及びセルロース系樹脂を含有しないので、リードタイムが第1表面保護層形成直後の条件では塗膜密着性に優れていたが、24時間後、及び72時間後の条件では、S−UV200時間照射後耐セロテープ(登録商標)試験において若干剥離を生じることが分かった。
1.床用化粧シート
2.裏面プライマー層
3.基材シート
4.絵柄模様層
5.接着剤層
6.透明性樹脂層
7.プライマー層
8.第1表面保護層
9.第2表面保護層

Claims (8)

  1. 基材シート上に、少なくとも透明性樹脂層、第1表面保護層、及び第2表面保護層この順に有する床用化粧シートであって、
    前記第1表面保護層、及び前記第2表面保護層が、電離放射線硬化型樹脂を含有し、
    (1)前記第1表面保護層は、層厚が5〜20μmであり、且つマルテンス硬さが40〜100N/mmであり、
    (2)前記第2表面保護層は、層厚が5〜20μmであり、且つマルテンス硬さが110〜160N/mmであり、
    (3)前記第1表面保護層の層厚と、前記第2表面保護層の層厚との合計が20〜40μmである
    ことを特徴とする床用化粧シート。
  2. 前記第1表面保護層は、熱可塑性樹脂を含有する、請求項1に記載の床用化粧シート。
  3. 前記熱可塑性樹脂は、アクリル系樹脂及びセルロース系樹脂から選択される少なくとも1種である、請求項2に記載の床用化粧シート。
  4. 前記熱可塑性樹脂は、重量平均分子量が4000〜16000である、請求項2又は3に記載の床用化粧シート。
  5. 前記熱可塑性樹脂は、重量平均分子量が10000〜16000である、請求項2又は3に記載の床用化粧シート。
  6. 前記熱可塑性樹脂は、ガラス転移温度が10〜120℃である、請求項2〜のいずれかに記載の床用化粧シート。
  7. 前記第1表面保護層と、前記第2表面保護層との間に、更に、プライマー層を有する、請求項1〜のいずれかに記載の床用化粧シート。
  8. 請求項1〜のいずれかに記載の床用化粧シートの基材シート側被着材を有する床用化粧材。
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