JP2003049530A - 床材及びその製造方法 - Google Patents

床材及びその製造方法

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JP2003049530A
JP2003049530A JP2001237422A JP2001237422A JP2003049530A JP 2003049530 A JP2003049530 A JP 2003049530A JP 2001237422 A JP2001237422 A JP 2001237422A JP 2001237422 A JP2001237422 A JP 2001237422A JP 2003049530 A JP2003049530 A JP 2003049530A
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base material
resin
decorative sheet
layer
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JP2001237422A
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English (en)
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Atsushi Makiguchi
篤 巻口
Hiromasa Togasaki
浩昌 戸賀崎
Shigemiki Kato
茂幹 加藤
Hitoshi Suzuki
仁 鈴木
Yukio Suzuki
幸雄 鈴木
Hiroshi Shibata
洋 柴田
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Toppan Inc
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Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来の木質系フローリング材と同等の意匠性を
有し、しかも、個々の床材の表面は勿論のこと、床材同
士の継ぎ目部分においても、優れた耐水性を有する床材
及びその製造方法を提供する。 【解決手段】平板状の床材用基材3の上面11から、そ
の全外周における側面13、15の少なくとも上側の一
部131、151にかけて連続して、熱可塑性樹脂製の
化粧シート2が積層されてなる床材である。床材用基材
3の上面11に溝模様18が設けられている場合には、
該溝模様18の凹部の内面に沿って化粧シート2を積層
する。床材用基材3と化粧シート2との積層は、真空成
形法若しくはソフトラッピング法によることが望まし
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、戸建て住宅、アパ
ート、マンション、保養所、店舗等の建築物における室
内床面に使用するための床材、及び当該床材の製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、戸建て住宅、アパート、マンショ
ン、保養所、店舗等の建築物における室内床面用の床材
としては、木質系フローリング材が最も広く流行してい
る。この木質系フローリング材とは具体的には、厚み6
〜15mm程度の天然木材の無垢板や、厚み6〜15m
m程度の積層合板等の木質基材上に、厚み数百μm及至
数mm程度の天然木材の突板を貼着したもの、或いはそ
れらの塗装品等である。
【0003】これらの天然木材を使用した木質系フロー
リング材は、日光による変色等の耐候性の問題や、表面
に傷が付き易く耐水性も弱い等の問題が有るにも拘わら
ず、その表面の意匠が天然木材の木目という、最も自然
で親しみやすく美麗な意匠であることが最大の強みとな
って、耐候性の弱さは天然物ゆえに大目に見られ、表面
の傷付きは研磨・塗装による補修で対応することで許容
されて、消費者に広く受け入れられている現状がある。
【0004】しかるに、上記木質系フローリング材は、
表面化粧材として天然木突板が使われているため、本質
的に耐水性が弱く、例えば浴室脱衣所や洗面所、厨房の
流し台近傍等の様に、床面が水に濡れる機会の多い箇所
に使用すると、水分が突板層やその下の木質基材にしみ
込みやすく、突板層の膨れや木質基材からの剥離、床材
全体としての反り等が発生し易いという問題点があっ
た。
【0005】また、上記木質系フローリング材は、その
表面意匠が天然木材に依存するため、色調や木目模様な
どの意匠品質の安定した製品を安定的に大量生産するこ
とが困難であるという問題点がある。資源が比較的に豊
富なオーク材(楢材)であれば現在のところ問題はない
が、消費者の多様な嗜好に合わせて、例えばバーチ材
(樺材)やチェリー材(桜材)、メープル材(楓材)な
どを使用してライト調(淡色系)の意匠の製品を品揃え
に加えようとすると、世界的にも木材資源が不足してい
ることから、意匠品質の安定した製品の大量供給は非常
に困難であるという問題点もあった。
【0006】こうした問題点に鑑みて、表面の意匠の付
与手段として、上記した天然木材の突板に代えて、木目
模様等を印刷等により人工的に表現した意匠が付与され
た、合成樹脂フィルム等からなる化粧シートを使用した
床材も、既に提案されている。係る床材は、表面意匠の
自由度や安定性に優れることは勿論、化粧シートが合成
材料であることから耐候性や耐水性にも優れるなどの利
点がある。
【0007】ところが、上記の如くして、木質基材の表
面に合成樹脂製の化粧シートを貼着して床材を構成して
も、これを多数敷き詰めて施工した床面は、床材同士の
継ぎ目から水分が容易に滲み込むことができるので、こ
うして継ぎ目から滲み込んだ水分が木質基材を膨潤さ
せ、継ぎ目付近からの化粧シートの膨れや剥離、継ぎ目
付近の湿潤部における黴や腐朽、滲み込んだ水分の作用
による床材の反り等の問題が発生する場合がある。
【0008】上記の問題は、床材同士の継ぎ目に合成樹
脂等によるシーリング処理を施すことで解決することも
可能である。しかし、この方法では、床面に多数敷き詰
めた床材の相互間の全ての継ぎ目にシーリング処理を施
す必要が生じ、床材の施工に非常に手間がかかり、ま
た、施工後はシーリング剤が乾燥硬化するまでの間、施
工箇所への立ち入りが出来なくなるため、住宅等の建築
にあたり次工程での他の箇所の施工への制約ともなるな
ど、施工性面で著しい問題がある。
【0009】また、上記したシーリング処理によってシ
ーリング剤で塞がれた床材間の継ぎ目は、従来の木質系
フローリング材によるシーリング処理のない施工面と外
観上異なるものとなってしまうことに加え、床材とシー
リング剤との色彩や艶を整合させることの困難性もあっ
て、施工した床面の意匠性を減殺する結果ともなってし
まい兼ねないという問題もある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術
における上記した問題点を解決すべくなされたものであ
り、従来の木質系フローリング材と同等の意匠性を有
し、しかも、個々の床材の表面は勿論のこと、床材同士
の継ぎ目部分においても、優れた耐水性を有する床材及
びその製造方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の床材は、平板状
の床材用基材の上面に、熱可塑性樹脂製の化粧シートが
積層されてなる床材において、前記化粧シートが、前記
床材用基材の上面から、前記床材用基材の全外周におけ
る側面の少なくとも上側の一部にかけて、連続して積層
されてなることを特徴とするものである。
【0012】また本発明の床材は、前記床材用基材の外
周における少なくとも一部の側面には実加工が施されて
おり、前記化粧シートは、前記床材用基材の上面から、
該実加工による実部の上面、該実部と前記上面との間の
側面、及び、該実部に対応する溝部と前記上面との間の
側面にかけて、連続して積層されてなることを特徴とす
るものである。
【0013】また本発明の床材は、前記床材用基材の上
面には溝模様が施されており、前記化粧シートは該溝模
様部において、該溝模様による凹部の内面に沿うように
積層されてなることを特徴とするものである。
【0014】また本発明の床材は、前記床用基材が木質
系基材であることを特徴とするものである。
【0015】また本発明の床材は、前記床用基材が、木
質基材上に、表面硬度がデュロメーター硬さ試験タイプ
D(JIS K 6253)にて60以上である硬質シ
ート層が積層されてなることを特徴とするものである。
【0016】また本発明の床材の製造方法は、上記のい
ずれかの床材を製造する方法であって、前記床材用基材
の表面に、前記熱可塑性樹脂製の化粧シートを、真空成
形法又はソフトラッピング法により積層することを特徴
とするものである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の床材及びその製造
方法の実施の形態を、図面を参照しつつ詳細に説明す
る。図1は、本発明の床材の実施の形態を示す斜視図で
あり、図2〜5は、それぞれ本発明の床材の各種の実施
の形態を示す断面図である。
【0018】本発明の床材は、図1に例示する様に、外
形略平板状のものであり、その形状は一般的には矩形状
とされる場合が多いが、その他例えば正三角形状、正六
角形状、或いは複雑多角形状等、要するに1種又は2種
以上の組み合わせにより平面を埋め尽くすことが可能な
幾何学的形状であれば良い。図1の例では、外周部が4
つの側面12、13、14、15により囲繞された矩形
状とされている。
【0019】そして、本発明の床材にあっては、その断
面図を図2に例示する様に、平板状の床材用基材3の上
面11に、表面化粧のための熱可塑性樹脂製の化粧シー
ト2が積層されると共に、該化粧シート2は、前記床材
用基材3の全外周において、側面12、13、14、1
5の少なくとも上側の一部121、131、141、1
51(側面12、14における化粧シート2の積層部分
である上側の一部121、141については図示してい
ないが、図1に示した実施の形態においては概念的に
は、図2における符号の内、13を12、131を12
1、15を14、151を141と読み替えれば良い。
以下、図3〜図5についても同様である)にかけて、床
材用基材3の上面11から連続して積層されている。
【0020】従って、本発明の床材を多数、互いに側面
同士(側面12と側面14、側面13と側面15)を突
き合わせて敷き詰めると、床材同士の継ぎ目においてそ
の上面11側の部分が、各側面12、13、14、15
の上側の一部121、131、141、151に積層さ
れた、耐水性に優れた熱可塑性樹脂製の化粧シート2面
同士が突き合わされた構造となるので、この継ぎ目から
の水分の滲み込みが抑えられる結果、滲み込んだ水分の
影響による床材用基材3の膨潤や反り、化粧シート2の
膨れや剥離などの発生が、効果的に防止される。
【0021】上記の目的を十分に達成するためには、床
材用基材3の各側面12、13、14、15において化
粧シート2が積層された上側の一部121、131、1
41、151の部分の幅は、あまり狭すぎると水分の滲
み込みを十分に抑えることができなくなるので、少なく
とも1mm以上とすることが好ましく、2mm以上とす
ればさらに好ましい。
【0022】化粧シート2と床材用基材3との積層にあ
たり、その両者の層間には必要に応じて、適宜の接着剤
が使用される。この接着剤の種類としては、例えばエチ
レン−酢酸ビニル共重合体樹脂系水性エマルジョン接着
剤や、二液硬化型ウレタン樹脂系接着剤、湿気硬化型ホ
ットメルト接着剤等、従来公知のものが適宜使用可能で
あり、本発明において特に限定されるものではない。
【0023】本発明の如き床材には一般に、その側面1
2、13、14、15において突き合わされる他の床材
との緊結のために、実加工が施される場合が多い。図1
に示した例では、外形略矩形状の床材における隣り合う
二つの側面13、14に、凸条状の実部16が形成され
ると共に、それらと相対する二つの側面15、12に
は、前記実部16に対応してこれと嵌合するように、凹
溝状の溝部17が形成されている。
【0024】実加工は、本発明の床材における全ての側
面に施されるとは限らない。例えば、長尺の矩形状の床
材にあっては、その相対する二つの長辺のうち一方の長
辺の側面13には実部16、他方の長辺の側面15には
溝部17を形成し、残る相対する二つの短辺の側面1
2、14は、実加工による実部16や溝部17の形成を
施さずに、平面状のままとする場合もある。その他、矩
形状以外の場合には、施工時の床材同士の緊結性を考慮
して、実加工の位置が適宜設計される。
【0025】上記の様に、外周の全部又は一部の側面に
実加工が施される場合には、当該実加工が施された側面
13、15において、化粧シート2が積層される部分
が、図3に例示する様に、実部16が形成された側面1
3においては、床材用基材3の上面11と実部16との
間の側面131と、実部16の上面161とを、溝部1
7が形成された側面15においては、床材用基材3の上
面11と溝部17との間の側面152を、それぞれ含む
様に構成することが望ましい。
【0026】床材同士の実部16と溝部17とを嵌合さ
せて緊結した状態では、床施工面の歪みの影響や歩行者
又は載置物等の重量の影響により、継ぎ目が上側に開く
様な歪みが発生することがあっても、実部16と溝部1
7とが嵌合している限り、その継ぎ目部における側面で
ある、上面11と実部16との間の側面132及び、上
面11と溝部17との間の側面152と、その継ぎ目部
の底面である、実部16の上面161が、全て化粧シー
ト2によって覆われていれば、この継ぎ目部からの水分
の滲み込みを防ぐことができるからである。
【0027】勿論、可能な場合には、例えば溝部17の
上側内面(実部16の上面161と接する部分)及び/
又は実部16の側面(突出面)にまで化粧シート2を積
層すれば、更に水密性は向上するし、例えば図4に示す
様に、実部16の外表面や溝部17の内表面を含む側面
13、15の全体に化粧シート2を積層すれば、床材同
士の継ぎ目部分からの水分の滲み込みをほぼ完全に遮断
することもできる。但し、一般的には、床材は使用中に
その継ぎ目部分で大きく動くものではないので、施工の
際に床材同士が十分に密着する様に緊結して施工してお
けば、図2又は図3に示す形態でも実用上十分な耐水性
が得られる場合が多い。
【0028】本発明の床材の上面11には、従来の木質
系フローリング材と同等の外観意匠性を付与するため等
の目的により、所望の適宜の形状に溝模様18を形成す
ることができる。溝模様18は、表面が平滑な床材用基
材3の上面11に化粧シート2を積層した後に、該化粧
シート2の表面から切削加工等により設けることも可能
である。
【0029】しかし、該切削加工等により化粧シート2
が溝模様18部で寸断されると、その切削面から水分が
滲み込んで膨れや反り、化粧シート2の剥離等を発生す
る原因となり易い。そこで、図2〜5に例示した様に、
化粧シート2の積層前に、床材用基材3の上面11に、
切削加工等の適宜の方法により溝模様18を形成してお
き、その溝模様18の内面に沿わせるようにして、床材
用基材3の上面11全面に化粧シート2を積層した構成
とすることが望ましい。
【0030】本発明において、床材用基材3と化粧シー
ト2との積層方法は特に限定されるものではなく、例え
ば通常のロールラミネート法や平圧プレス法等であって
も良いが、上述の如く、平板状の床材用基材3の上面1
1から、全外周における側面12、13、14、15の
少なくとも上側の一部121、131、141、151
にかけて、また溝模様18を有する場合には該溝模様1
8の凹部の内面に沿って、熱可塑性樹脂製の化粧シート
2を連続して積層するためには、床材用基材3への化粧
シート2の積層方法として、真空成形法またはソフトラ
ッピング法を用いることが最も望ましい。
【0031】上記真空成形法とは、周知の如く、被貼着
体である床材用基材3の上面11の上方に、熱可塑性樹
脂製の化粧シート2を水平に展張し、該化粧シート2を
加熱して軟化させた後、化粧シート2の下側の空間を減
圧すると共に、化粧シート2の上側の空間を加圧し、そ
の圧力差によって化粧シート2を床材用基材3の表面に
押圧して、化粧シート2を床材用基材3の表面形状に沿
って成形しつつ積層する方法である。
【0032】この方法によれば、化粧シート2を床材用
基材3の上面に積層できることは勿論のこと、床材用基
材3の外周部においては、その側面12、13、14、
15に沿って回り込む用に、化粧シート2が成形されな
がら積層されるので、図2や図3に例示する様に、床材
用基材3の上面11から、側面12、13、14、15
の上側の少なくとも一部121、131、141、15
1にかけて、或いは更に実部16の上面161や溝部1
7の上端部に至る側面152にまで、連続して化粧シー
ト2を積層することが容易に可能である。
【0033】さらに、床材用基材3の上面11に溝模様
18が設けられている場合にあっても、化粧シート2を
溝模様18の凹部の内面に沿わせて成形しつつ積層する
ことができる。なお、図1に例示する様に、溝模様18
による凹部の全てが床材用基材3の側面12、13、1
4、15に通じている場合には、通常の真空成形法であ
っても良いが、側面12、13、14、15に通じてい
ない孤立した凹部を含む溝模様18が設けられている場
合には、床材用基材3上に展張した化粧シート2の両側
の空間を一旦十分に減圧した後、化粧シート2の上側の
空間のみを加圧する方法によれば、溝模様18の凹部に
空気を巻き込むことなく、良好に成形可能である。
【0034】また、上記ソフトラッピング法とは、これ
も周知の如く、被貼着体である床材用基材3を一定方向
に搬送しつつ、その上面11に熱可塑性樹脂製の化粧シ
ート2を、前記搬送の方向に直交する回転軸を有する、
シリコーンゴムロール等の柔軟な耐熱性弾性体ロールを
使用して、加熱しつつ押圧することにより、化粧シート
2を床材用基材3の表面形状に沿って成形しつつ積層す
る方法である。
【0035】この方法によれば、床材用基材3の外周部
において、耐熱性弾性体ロールの変形によって、化粧シ
ート2が側面12、13、14、15に回り込む様に成
形されながら積層されるので、図2や図3に例示する様
に、床材用基材3の上面11から、側面12、13、1
4、15の上側の少なくとも一部121、131、14
1、151にかけて、或いは更に実部16の上面161
や溝部17の上端部に至る側面152にまで、連続して
化粧シート2を積層することが容易に可能である。
【0036】また、床材用基材3が上面11に溝模様1
8を有する場合にあっても、化粧シート2が耐熱性弾性
体ロールの圧力によって溝模様18の凹部の内部に押し
込まれる結果、化粧シート2を該凹部の内面に沿わせて
成形しつつ積層することができる。
【0037】なお、溝模様18が深すぎたり、実部16
の段差が大きすぎたりして、耐熱性弾性体ロールの圧力
のみによっては、溝模様18の凹部の内面や実部16の
上面にまで化粧シート2を十分に沿わせることが困難な
場合には、周知の通常のラッピング法におけると同様、
係る複雑形状部分において小型の押圧ロールによって小
面積ずつ段階的に積層する方法を併用しても良い。
【0038】また、床材用基材3の搬送方向の前端部及
び/又は後端部において、化粧シート2が側面方向へ十
分に回り込まない場合には、当該箇所で耐熱性弾性体ロ
ールを、床材用基材3の上面11上における位置よりも
下方へ押し下げることによって、前端部及び/又は後端
部における側面及び/又は実部上面に十分に密着させて
積層させる様にすることも可能である。
【0039】本発明において、床材用基材3及び熱可塑
性樹脂製の化粧シート2の材質には、一切制限はなく、
従来より類似の床材に使用されているものと同様の材質
から適宜選択して使用すれば良い。
【0040】床材用基材3の材質として最も代表的なの
は、積層合板等の木質基材である。積層合板は、複数枚
(通常奇数枚)の木材単板をその繊維方向を交互に直交
させて積層接着してなるものであり、該木材単板の材種
としては、ラワン材等の広葉樹材やパイン材(松材)等
の針葉樹材のいずれかもしくはそれらの混合であっても
良い。最表面の木材単板として、例えばクルイン材、カ
プール材、メンクラン材等、シリカ分を含み硬質で耐久
性の高い南洋材系の材種を使用すれば、更に表面強度や
耐キャスター性等に優れた床材が得られる。積層合板の
他にも、例えば単板積層材、配向性ボード、パーティク
ルボード、高密度繊維板等、従来公知の各種の木質系ボ
ード類を任意に使用することができる。
【0041】木質基材以外にも、例えば陶磁器又はコン
クリート板等の無機質系基材、鉄、アルミニウム、真
鍮、ステンレス鋼等の金属系基材、熱可塑性樹脂の異形
押出成形体や繊維強化プラスチック(FRP)等の合成
樹脂系基材等を使用することもできる。なお、金属系基
材や合成樹脂系基材には一般に、水分の滲み込みによる
膨潤や反り等の問題はないが、これらの基材についても
本発明を適用すれば、床材用基材3と化粧シート2との
剥離の防止や、床材用基材3の錆・腐食・経時劣化等の
防止などには有効である。
【0042】上記した各種の材質のうち、実加工や施工
現場での切断・釘打ち等の加工性や、肌に触れた時の暖
かい触感、適度の弾性による歩行感、経済性などの各面
で、最も有利なのはやはり、積層合板などの木質基材で
ある。しかし、近年になって住宅等の室内でのキャスタ
ー付き家具や車椅子等の利用が増加するにつれて、木質
基材を用いた床材はキャスターの軌跡に沿って凹み傷が
残り易い問題が指摘されている。この問題を回避するた
めには、図5に示す様に、木質系基材31上に、該木質
系基材31や化粧シート2よりも高硬度の材質からなる
硬質シート層32を積層してなる積層体を、床材用基材
3として使用すると良い。
【0043】硬質シート層32は、硬度の高い材質、望
ましくは表面硬度がデュロメーター硬さ試験タイプD
(JIS K 6253)にて60以上、より望ましく
は65以上の材質からなる、厚みが0.5〜3mm程度
のシート状体であればよく、その具体的な材質は特に問
わない。
【0044】硬質シート層32に用いる材質の具体例を
挙げれば、木質系材料の中でも特に硬度の高いもの、例
えば圧縮木材、樹脂含浸木材、無機含浸木材、高密度繊
維板、中密度繊維板の高密度表層部分などや、木質系材
料では窯業系不燃板などの無機質系材料、熱硬化性樹脂
含浸紙(木材パルプ繊維紙やケナフ繊維紙、合成又は半
合成繊維紙等の紙類にジアリルフタレート樹脂、フェノ
ール樹脂、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させた
もの)、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂シート類等を挙
げることができる。中でも、加工性やリサイクル性等を
考慮すると、熱可塑性樹脂シート類を使用することが最
も望ましい。
【0045】但し、熱可塑性樹脂シート類は単体物では
一般に硬度が不足するので、適宜の充填剤を添加して表
面強度を強化した物を使用することが望ましい。充填剤
としては具体的には、例えば炭酸カルシウム、タルク、
クレー、ガラス粉末、ガラス繊維、金属粉等の無機系充
填剤や、木粉、紙粉等の有機充填剤などである。その配
合量は通常、熱可塑性樹脂100重量部当たり5〜40
0重量部程度であるが、表面硬度の強化には高充填化が
必要であり、より好ましくは熱可塑性樹脂100重量部
当たり150〜400重量部程度の充填剤を配合するこ
とが望ましい。
【0046】上記熱可塑性樹脂の種類には特に制限はな
く、例えばポリオレフィン系樹脂(ポリプロピレン、ポ
リエチレン、オレフィン系ゴム等)などを好適に使用す
ることができる。中でも硬度の高いポリプロピレン樹
脂、特にホモポリプロピレン樹脂などが好ましく、これ
に木粉(平均粒径0.005〜0.3mm程度)を添加
して押出成形したシートなどが、硬質シート層32とし
て好適に使用可能である。尚、硬質シート層2の耐水性
や表面強度に支障のない範囲であれば、公知の化学的及
び/又は物理的手法により発泡させても良い。
【0047】化粧シート2は、本発明の床材の表面に所
望の意匠や耐摩耗性、耐擦傷性、耐溶剤性、耐候性、耐
油性等の表面物性を付与すると共に、床材用基材3の露
出面を覆って耐水性を付与するために設けられるもので
あって、本発明においては、床材用基材3の側面上部に
回り込ませたり、溝模様18の凹部の内面に沿わせたり
して積層するために、熱可塑性樹脂製の化粧シート2を
使用する。
【0048】上記熱可塑性樹脂製の化粧シート2とは更
に具体的には、熱可塑性樹脂からなる不透明な基材シー
トの表面に絵柄層を設けたものや、熱可塑性樹脂からな
らる透明な基材シートの裏面及び/又は絵柄層を設けた
もの、それらの表面に表面保護層を設けたものなどの単
層構成の化粧シートであっても良いが、図6に示した様
に、透明又は不透明の熱可塑性樹脂からなる基材シート
21上に、絵柄層22を介して、透明な熱可塑性樹脂か
らなる透明樹脂層24を設けてなる、複層構成の化粧シ
ート2が、その意匠性、接着適性、耐候性、耐溶剤性、
耐摩耗性等の各種の面で最も好適である。なお、絵柄層
22は、基材シート21と透明樹脂層24との層間に設
けるほか、透明樹脂層24の表面や、基材シート21が
透明である場合にはその裏面などに設けることも勿論差
し支えない。
【0049】化粧シート2には、床材用基材3の表面の
好ましくない色彩や色ムラ、欠陥等を隠蔽して意匠性を
高めるために、隠蔽性が要求される場合が多い。化粧シ
ート2に隠蔽性を付与するには、絵柄層22より裏面側
の熱可塑性樹脂層、すなわち図6に示した例では基材シ
ート21に、酸化チタンや酸化亜鉛、カーボンブラッ
ク、酸化鉄等の不透明顔料を添加して、隠蔽性に着色し
ておくことが最も有効である。その他、後述する様に不
透明印刷インキ等により隠蔽層を形成したり、これらを
併用することもできる。
【0050】化粧シート2の主体である、基材シート2
1や透明樹脂層24を構成する熱可塑性樹脂としては、
例えばポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ア
クリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹
脂、ポリ塩化ビニル樹脂等を使用することができる。中
でも、床材としての表面物性や加工性、経済性、廃棄性
(焼却性も含む)等を考慮すると、ポリオレフィン系樹
脂及び/又はポリエステル系樹脂を使用することが望ま
しい。
【0051】上記ポリオレフィン系樹脂としては、例え
ばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメ
チルペンテン等のポリオレフィン樹脂や、エチレン−プ
ロピレン共重合体樹脂、エチレン−プロピレン−ブテン
共重合体樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エ
チレン−ビニルアルコール共重合体樹脂、エチレン−
(メタ)アクリル酸共重合体樹脂、その金属中和物(所
謂アイオノマー樹脂)、エチレン−(メタ)アクリレー
ト共重合体樹脂等のオレフィン系共重合体樹脂、オレフ
ィン系熱可塑性エラストマー樹脂等を挙げることができ
る。
【0052】また、上記ポリエステル系樹脂としては、
例えばポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレン
テレフタレート樹脂、ポリテトラメチレンテレフタレー
ト樹脂、ポリエチレンテレフタレート−イソフタレート
共重合体樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリカ
ーボネート樹脂等の結晶性ポリエステル樹脂や、ポリア
リレート樹脂、非晶質ポリエチレンテレフタレート樹脂
(所謂A−PET樹脂)、共重合ポリエステル樹脂
(例.1,4−シクロヘキサンジメタノール共重合ポリ
エチレンテレフタレート樹脂である所謂PET−G樹
脂)等の非晶質ポリエステル樹脂等を挙げることができ
る。
【0053】本発明の床材に用いる化粧シート2は、上
記した各種の熱可塑性樹脂から選ばれる複数種を適宜組
み合わせて構成することも可能である。床材として要求
される表面の耐傷付き性と、側面12、13、14、1
5や溝模様18の凹部内面などへの回り込み性との両立
を考慮すると、化粧シート2の表面側の層は耐傷付き性
に優れた硬質の樹脂から構成する一方、裏面側の層若し
くは中間層として、真空成形法又はソフトラッピング法
等による立体成形性に優れた軟質の樹脂からなる層を設
けた構成とすることが望ましい。
【0054】具体的には、図6に示した様に、基材シー
ト21と透明樹脂層24との2層の熱可塑性樹脂層を有
する2層構成の化粧シート2にあっては、表面側の透明
樹脂層24として硬度の高いポリプロピレン樹脂や結晶
性ポリエステル樹脂、裏面側の基材シート21として柔
軟性に優れた軟質ポリオレフィン系樹脂やオレフィン系
熱可塑性エラストマー樹脂、非晶質ポリエステル樹脂等
を組み合わせて構成することができる。
【0055】なお、上記軟質ポリオレフィン系樹脂とし
ては例えば、ポリプロピレン樹脂等の通常のポリオレフ
ィン系樹脂に、低密度ポリエチレン、アタクチックポリ
プロピレン、エチレン及びプロピレン以外のα−オレフ
ィン重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチ
レン−プロピレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム又は
その水素添加物等の軟質成分を添加又は共重合させて、
柔軟性を改善した樹脂などを使用することができる。
【0056】また、表面側の透明樹脂層24として結晶
性ポリエステル樹脂を使用する場合には、床材用基材3
との積層前の化粧シート2の状態では、透明樹脂層24
を非晶状態の結晶性ポリエステル樹脂から構成してお
き、この化粧シート2を例えば真空成形法又はソフトラ
ッピング法等により床材用基材3に積層する時の熱によ
り、若しくは積層後の加熱により、透明樹脂層24を構
成している非晶状態の結晶性ポリエステル樹脂を部分的
に結晶化させる手法を採用すると、床材用基材3との積
層時には優れた成形性を発現させつつ、積層後には優れ
た耐傷付き性や耐溶剤性等の表面物性を発現させること
ができる。
【0057】上記の様に、基材シート21を柔軟性の高
い樹脂によって構成すると、成形性の面では有利である
が、基材シート21の表面に絵柄層22を印刷形成する
際に、基材シート21の耐熱性や耐溶剤性が不足する為
に、絵柄層22の印刷インキを乾燥させるための熱によ
り基材シート21が伸縮・反り・波打ち等を発生した
り、印刷インキに含有される溶剤によって基材シート2
1が侵されたりする場合がある。
【0058】上記の様な問題を回避するためには、図7
に示す様に、透明樹脂層24を基材シート21側の第一
透明樹脂層241とその表面側の第二透明樹脂層242
との2層に分けて設けた、3層構成の化粧シート2と
し、該第一透明樹脂層241を前述した様な柔軟性の高
い樹脂によって構成すれば、基材シート21として耐熱
性や耐溶剤性に優れた硬質の樹脂を採用して、絵柄層2
2の印刷適性を確保しつつ、成形性にも優れた化粧シー
ト2とすることができる。この場合、基材シート21及
び表面側の第二透明樹脂層242を構成する樹脂として
は、前述した2層構成の化粧シート2における透明樹脂
層24と同様の樹脂を採用することができ、これらは同
種の樹脂であっても相異なる樹脂であっても良い。
【0059】絵柄層22は、所望の意匠の絵柄を印刷等
によって表現したものであり、その絵柄の種類や構成材
料、形成方法等に関しては一切制限はない。一般的に
は、絵柄としては例えば木目柄や石目柄、布目柄、抽象
柄、幾何学模様、文字又は記号、或いはそれらの組み合
わせ等であり、単色無地(ベタ)であっても勿論かまわ
ない。基材シート21の隠蔽性が不十分である場合に
は、意匠絵柄と併用して若しくは単独で、不透明顔料を
大量に含有する隠蔽ベタ層を設けることもできる。
【0060】絵柄層22の構成材料は、染料又は顔料等
の着色剤を合成樹脂等の展色剤と共に適宜の溶剤中に溶
解又は分散した印刷インキ又は塗料等を使用するのが一
般的である。着色顔料としては例えば酸化チタン、酸化
亜鉛、酸化鉄(弁柄、黄色酸化鉄、鉄黒)コバルトブル
ー、カーボンブラック等の無機顔料や、アゾ顔料、イミ
ダゾロン顔料等の有機顔料等、展色剤としては例えばウ
レタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、繊維素誘導体等を
使用することができる。
【0061】絵柄層22の形成方法としては、例えばグ
ラビア印刷法、オフセット印刷法、グラビアオフセット
印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、転写印刷
法、正殿印刷法、インキジェット印刷法などの各種印刷
法や、ベタ状の場合には、グラビアコート、ナイフコー
ト法、エアーナイフコート法、ロールコート法、キスコ
ート法、ロッドコート法、ダイコート法、リップコート
法、コンマコート法、スプレーコート法、フローコート
法、ディップコート法等の各種塗工方法等が適宜使用可
能である。
【0062】絵柄層22の印刷形成に先立ち、その印刷
面、すなわち図6や図7に示した例では基材シート21
の表面に、例えばコロナ放電処理、オゾン処理、プラズ
マ処理、フレーム処理、電離放射線処理、酸処理、アル
カリ処理、プライマー又はアンカー処理等の易接着化の
ための表面処理を施しておくことにより、層間密着性の
向上を図ることもできる。
【0063】化粧シート2への意匠絵柄の付与方法とし
ては、上記した様な印刷又は塗工方法による代わりに、
無着色の熱可塑性樹脂と着色した熱可塑性樹脂を不十分
な混合状態でシート状に形成することにより、木目に類
似した着色模様を呈するようにした基材シート21とし
て使用することもできる。
【0064】化粧シート2を構成する各熱可塑性樹脂
層、すなわち基材シート21や透明樹脂層24(第一透
明樹脂層241、第二透明樹脂層242)の相互間の積
層方法としては、例えば、適宜の接着剤23を介したド
ライラミネート法、ウェットラミネート法や、接着剤層
23を介した又は介さない熱ラミネート法、高周波ラミ
ネート法、熱可塑性樹脂を溶融状態で押し出すと同時に
積層する押出ラミネート法等が適宜可能である。押出ラ
ミネート法にあっては、必要に応じて、接着剤層23と
しての酸変性オレフィン系樹脂又はオレフィン−(メ
タ)アクリレート共重合体樹脂等の接着性樹脂を共押出
にて同時に積層形成してもよい。
【0065】透明樹脂層24を複数層(第一透明樹脂層
241、第二透明樹脂層242)から構成する場合に
は、これらを共押出法により製膜すると、層間密着性に
優れたものが容易に得られるので好適である。例えば、
第一透明樹脂層241として共重合ポリエステル樹脂等
の非結晶性ポリエステル樹脂、第二透明樹脂層242と
して非晶質ポリエチレンテレフタレート樹脂等の非晶状
態の結晶性ポリエステル樹脂を共押出法により積層した
フィルムの場合等である。勿論、これらの共押出法によ
る積層製膜と同時に溶融状態で基材シート21上に積層
してもよい。
【0066】化粧シート2には、通常の類似の化粧シー
トの場合と同様に、透明樹脂層24の表面に表面保護層
25を形成したり、エンボス26を施したり、基材シー
ト21の裏面に易接着コート層27を形成したりしてお
くこともできる。
【0067】エンボス26は、例えば製膜後の樹脂シー
トの表面を加熱しつつエンボスロールを押圧するロール
エンボス法や、樹脂の押出製膜時の冷却ロールとしてエ
ンボス冷却ロールを使用して樹脂の冷却固化と同時にエ
ンボスを施す押出製膜同時エンボス法などにより、例え
ば木目導管柄、石目柄、布目柄、砂目柄、抽象柄等の所
望の絵柄状の凹凸が施される。
【0068】易接着コート層27は、床材用基材3との
積層時に使用される酢酸ビニル系やウレタン系等の汎用
接着剤に対する接着性を確保するためのもので、例えば
2液硬化型ウレタン系樹脂やアクリル系樹脂、エチレン
−酢酸ビニル共重合体樹脂等の易接着性樹脂組成物を主
体としたものが用いられ、これに粒径0.5〜5μm程
度のシリカ等の無機質粉体を添加することにより、投錨
効果による接着力の向上と共に、化粧シート2の巻取保
存時のブロッキングの防止を図ることもできる。
【0069】表面保護層25は、基材シート21や透明
樹脂層24を構成する熱可塑性樹脂よりも硬質且つ強靱
な材質である硬化型樹脂を使用することが望ましい。具
体的には、例えばウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、エ
ポキシ系樹脂、尿素系樹脂、不飽和ポリエステル系樹
脂、シリコーン系樹脂等の熱硬化型樹脂や、不飽和ポリ
エステル系樹脂、(メタ)アクリレート系樹脂等の電離
放射線硬化型樹脂などである。中でも、架橋密度が高く
硬質で耐摩耗性や耐擦傷性に優れた硬化被膜が得られる
電離放射線硬化型樹脂を使用することが最も望ましい。
【0070】上記電離放射線硬化型樹脂とは、紫外線又
は電子線等の電離放射線の照射により重合架橋反応可能
なラジカル重合性二重結合を分子中に少なくとも一つ有
するプレポリマー、オリゴマー及び/又はモノマーを適
宜配合してなるものである。係るプレポリマー、オリゴ
マーとしては、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウ
レタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリ
レート、メラミン(メタ)アクリレート、ポリエーテル
(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレー
ト等の(メタ)アクリレート系プレポリマー又はオリゴ
マー類等、モノマーとしては、メチル(メタ)アクリレ
ート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)ア
クリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、エ
チルヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート等の単官能(メタ)アクリレート
類や、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジ
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレング
リコールジ(メタ)アクリレート等の2官能(メタ)ア
クリレート類、トリメチロールプロパントリ(メタ)ア
クリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリ
レート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリ
レート等の多官能(メタ)アクリレート類等を挙げるこ
とができる。なお、ここで「(メタ)アクリレート」と
は、アクリレート又はメタクリレートという意味であ
る。
【0071】上記電離放射線硬化型樹脂の塗工被膜を紫
外線の照射によって硬化させる場合には、当該電離放射
線硬化型樹脂には、例えばベンゾイン類、アセトフェノ
ン類、チオキサントン類、ベンゾフェノン類、アゾ化合
物の光ラジカル重合開始剤が添加される。また必要に応
じて、例えばトリエタノールアミン等の第3級アミン類
や、2−ジメチルアミノ安息香酸エチル等の安息香酸誘
導体等の光増感剤が併用される。さらに、副成分とし
て、着色剤、充填剤、艶消剤、消泡剤、離型剤、耐磨
剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、光安定
剤、熱安定剤、酸化防止剤、抗菌剤、防黴剤、希釈溶剤
その他の添加物を、必要に応じて適宜含有させても良
い。
【0072】表面保護層25の厚みや形成方法には特に
制限はなく、目的とする床材の表面に要求される物性に
合わせて適宜設計すればよい。一般的には、表面保護層
36の厚みは1〜100μm程度、更に好ましくは5〜
50μm程度の範囲内とするのが良い。表面保護層25
の形成方法としては、例えばロールコート法、ナイフコ
ート法、エアーナイフコート法、ダイコート法、リップ
コート法、コンマコート法、キスコート法、フローコー
ト法、ディップコート法、グラビアコート法、グラビア
リバースコート法、マイクログラビアコート法等の各種
コーティング法から任意に選択すればよい。
【0073】表面保護層25には、耐摩耗性向上のため
に減摩剤を添加することもできる。減摩剤としては、例
えばアルミナ、ダイアモンド、炭化珪素、シリカ、ガラ
ス、ジルコニア、ゼオライト、シラスバルーン、珪藻土
等少なくとも表面保護層25の主成分である樹脂よりも
高硬度の材質からなる、平均粒径5〜50μm程度の粉
粒体が用いられる。減摩剤の粒径と表面保護層25の膜
厚との関係を適宜設計することにより、減摩剤が表面保
護層25の平均表面より突出して、表面保護層25の表
面に微細凸状部を形成する様に構成すると、得られる化
粧材の表面硬度や耐摩耗性、耐擦傷性等を更に向上させ
ると共に、床材の表面に耐滑り性(滑り止め性)を付与
することもできる。
【0074】但し、減摩剤が表面保護層25の表面に突
出した状態で露出していると、本発明の床材の上を歩行
する人の靴下の裏面を摩耗させたり、子供が転んだとき
に膝小僧をすりむいたりするという問題が発生する虞が
ある。そこで、表面保護層25を複数層から構成すると
共に、減摩剤はその最上層以外の層(例えば、下塗層及
び上塗層の2層構成における下塗層や、下塗層、中塗層
及び上塗層の3層構成における下塗層及び/又は中塗
層)に添加しておき、その層の平均表面より突出した減
摩剤の表面を覆うように、減摩剤が添加されていない最
上層(上塗層)を設けることが望ましい。この様にする
と、表面保護層25の平均表面から減摩剤の突出による
微細凸部がなす鋭い表面凹凸が、最上層の表面保護層
(上塗層)によって鈍化される結果、上記した接触物の
摩耗の低減のほか、表面に触れたときのざらつきや、視
覚的な過度の艶消し感(粉っぽさ)なども軽減すること
ができる。
【0075】本発明の床材の製造にあたり、表面保護層
25の形成は、化粧シート2の床材用基材3との積層前
であっても良いし、積層後であっても良い。また、その
一部(例えば下塗層)を積層前、残部(例えば上塗層)
を積層後という様に、複数層を積層前後に分けて形成す
ることもできる。化粧シート2の床材用基材3との積層
後に表面保護層25の一部又は全部を形成する方法によ
れば、巻取状での取扱いに適さない大塗布量の表面保護
層25を設ける場合にも容易に対応可能であるので、よ
り耐傷付き性等の表面物性に優れた床材を容易に製造で
きる利点がある。
【0076】化粧シート2の表面に表面保護層25を設
けるにあたり、該表面保護層25の形成面、すなわち図
6や図7に示す例では透明樹脂層24(第二透明樹脂層
242)の表面、と表面保護層25との間に、十分な密
着性を確保する必要がある。そのために、透明樹脂層2
4の表面に例えばコロナ放電処理又はオゾン処理等の表
面活性化処理を施すか、若しくは、透明樹脂層24を構
成する熱可塑性樹脂と、表面保護層25を構成する樹脂
との双方に対して密着性の優れた樹脂組成物からなるリ
コート性樹脂層を、透明樹脂層24の表面に設けておく
こともできる。
【0077】上記リコート性樹脂層としては、例えばウ
レタン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、尿
素樹脂、アルキド系樹脂、ポリエステル系樹脂等の熱硬
化性樹脂を使用することが望ましく、中でもポリオール
化合物とイソシアネート化合物との配合による二液硬化
型ウレタン系樹脂を使用することが最も望ましい。ポリ
オール化合物としては、例えばアクリルポリオール化合
物、ポリエーテルポリオール化合物、ポリエステルポリ
オール化合物等が使用可能であるが、中でも熱可塑性樹
脂及び電離放射線硬化型樹脂等の硬化型樹脂との密着性
と内部凝集力とのバランス面から、ポリエステルポリオ
ール化合物を使用することが最も望ましい。
【0078】この様に、透明樹脂層24と表面保護層2
5との間にリコート性樹脂層を設けた構成とすると、前
述した様に表面保護層25を化粧シート2の床材用基材
3との積層後に形成する場合の様に、工程の都合上、表
面保護層25の形成前の化粧シート2の作製から、床材
用基材3との積層後の表面保護層25の形成までの間
に、長期間が経過することがあっても、透明樹脂層24
と表面保護層25との間に十分な密着性が容易に得られ
る利点がある。
【0079】その他、本発明の床材には、床下の湿気の
影響や、環境の温湿度変化による湿気移動の影響によ
る、床材の伸縮や反りの発生等を防止するために、床材
用基材3の裏面に防湿シートを積層したり、床下地面の
不陸の吸収やガタツキ防止、断熱性、防音性、防振性等
の付与を目的として、床材用基材3の裏面に発泡層を積
層したりしてもよい。
【0080】上記防湿シートは、厚み10〜100μm
程度の防湿性樹脂層を主体として、必要に応じてその表
面/又は裏面に、例えば薄葉紙、樹脂含浸紙、紙間強化
紙等の紙層を積層したシートなどであり、上記防湿性樹
脂層としては、例えばポリエチレン(高密度ポリエチレ
ン、低密度ポリエチレン)等のポリオレフィン系樹脂
や、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリフッ
化ビニリデン樹脂等の透湿性の低い疎水性熱可塑性樹脂
を好適に使用することができる。防湿シートの透湿度は
一般的には、3〜30g/m2・24h程度とすること
が望ましい。また、上記紙層に含窒素化合物等のホルム
アルデヒド捕捉剤を含有させることにより、積層合板等
の木質基材が発散するホルムアルデヒドの捕捉除去機能
を付与することも可能である。
【0081】上記発泡層としては、例えばポリエチレン
(高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン)等のポリ
オレフィン系樹脂や、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレ
ン樹脂等を公知の発泡剤で発泡させたものや、軟質ポリ
ウレタンフォーム等であり、発泡倍率は2倍〜20倍程
度、厚みは2〜12mm程度のシート状のものを使用す
ることができる。なお、発泡層は、床材用基材3の裏面
に積層された防湿シートの裏面に積層しても良いし、防
湿シートを設けずに直接床材用基材3の裏面に積層して
も良い。
【0082】
【実施例】以下に、本発明の化粧材の具体的な実施例及
び比較例を挙げ、本発明をより詳細に説明する。
【0083】実施例1 厚み70μmの着色非結晶性共重合ポリエステル樹脂シ
ート(理研ビニル工業株式会社製「リベスター」)を基
材シートとして、その表面に、ウレタン樹脂系印刷イン
キを使用してグラビア印刷法により隠蔽層及びチェリー
(桜)柄の木目の絵柄層を順次印刷形成し、更に2液ウ
レタン樹脂系アンカー剤を乾燥後の塗布量1g/m2
塗布した後、該塗布面に、エチレン−エチルアクリレー
ト系接着性樹脂と、光安定剤0.2重量%及び紫外線吸
収剤0.3重量%を添加したホモポリプロピレン樹脂と
を、厚みがそれぞれ20μm及び80μmになるよう
に、接着性樹脂層面を基材シート側に向けて共押出ラミ
ネートして透明樹脂層を形成すると同時に、金属製エン
ボス冷却ロールにて該透明樹脂層の表面に導管柄のエン
ボスを施した。冷却固化後、表面に二液硬化型ウレタン
樹脂系リコート性塗料をグラビアコート法にて乾燥後の
塗布量2g/m2に施し、一方裏面に、シリカ粉末を配
合したウレタン樹脂プライマー剤をグラビアコート法に
て乾燥後の塗布量1g/m2に施して、表面保護層の形
成前の化粧シートを作製した。
【0084】図1に示す様に、上面にルーター加工によ
る幅2mm、深さ1mmの断面V字状の溝模様が施さ
れ、側面に実加工(実部・溝部の厚さ、上下面と実部・
溝部との段差ともに4mm)が施された、縦300mm
×横600mm×厚さ12mmの積層合板からなる床材
用基材を用意した。この床材用基材の上面、溝模様の内
面、及び全外周の側面における上面から3mmまでの部
分に、イソシアネート硬化剤を配合した変性酢酸ビニル
樹脂系エマルジョン接着剤を塗布し、指触乾燥後、上記
化粧シートを、ゴム硬度40度のシリコーンゴム製ロー
ルを使用したソフトラッピング法により、図2に示す様
に、床材用基材の接着剤塗布部である上面、溝模様の内
面、及び全外周の側面における上面から3mmまでの部
分に亘って連続して積層し、不要部分の化粧シートをカ
ッターにて切除した。
【0085】しかる後、床材用基材上の化粧シートの表
面に、減摩剤が添加されていないウレタン系紫外線硬化
型樹脂と、減摩剤として粒径10〜50μmの鱗片状炭
化珪素を主剤樹脂100重量部あたり20重量部添加し
たエポキシ系紫外線硬化型塗料と、減摩剤が添加されて
いないポリエステル系紫外線硬化型塗料とを、硬化後の
塗布量がそれぞれ1g/m2、22g/m2及び13g/
2となるように、順次フローコート法により塗工し、
紫外線の照射により硬化させて、本発明の床材を作製し
た。
【0086】実施例2 厚み70μmの着色無延伸ポリエチレン樹脂シート(理
研ビニル工業株式会社製)を基材シートとして、その表
面に、ウレタン樹脂系インキにてグラビア印刷法により
隠蔽層及びバーチ(樺)柄の木目の絵柄層を順次印刷形
成し、更に二液ウレタン樹脂系アンカー剤を乾燥後の塗
布量1g/m2に塗布した後、該塗布面に、光安定剤
0.2重量%及び紫外線吸収剤0.3重量%を添加した
透明非結晶性1,4−シクロヘキサンジメタノール共重
合ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET−G)と、
光安定剤0.2重量%及び紫外線吸収剤0.3重量%添
加した透明結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂(P
ET)とを、厚みがそれぞれ80μm及び20μmとな
るように、しかも後者を結晶化させない条件で、前者を
基材シート側に向けて共押出しラミネートして、厚み8
0μmの透明非結晶性1,4−シクロヘキサンジメタノ
ール共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET−
G)からなる第一透明樹脂層と、厚み20μmの非晶状
態の透明結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂(A−
PET)からなる第二透明樹脂層との2層からなる透明
樹脂層を形成すると同時に、該透明樹脂層の表面に金属
製エンボス冷却ロールにて導管柄のエンボスを施した。
冷却固化後、表面に二液硬化型ウレタン樹脂系リコート
性塗料をグラビアコート法にて乾燥後の塗布量2g/m
2に施し、一方裏面に、シリカ粉末を配合したウレタン
樹脂プライマー剤をグラビアコート法にて乾燥後の塗布
量1g/m2に施して、表面保護層の形成前の化粧シー
トを作製した。
【0087】ホモポリプロピレン樹脂90重量部、無水
マレイン酸グラフト重合ホモプロピレン樹脂10重量
部、平均粒径20μmの木粉(木材をカッターミルで破
断し、これをボールミルにより粉砕して微粉状にしたも
の)200重量部を2軸押出混練機によって混合、ペレ
ット化して得た木質樹脂組成物を、押出成形法により厚
さ2mmのシート状に成形し、表面強度がデュロメータ
ー硬さ試験タイプD(JIS K 6253)にて67
である硬質シート層を作製した。
【0088】厚さ12mmの積層合板の上面に上記硬質
シート層を積層した積層板の上面に、ルーター加工によ
り幅2mm、深さ1mmの断面V字状の溝模様を施し、
側面に実加工(実部・溝部の厚さ、上下面と実部・溝部
との段差ともに4mm)を施して、図1に示す形状の縦
300mm×横600mm×厚さ14mmの床材用基材
を用意した。この床材用基材の上面、溝模様の内面、全
外周の側面における上面と実部又は溝部との間の側面、
及び実部の上面に、イソシアネート硬化剤を配合した変
性酢酸ビニル樹脂系エマルジョン接着剤を塗布し、指触
乾燥後、上記化粧シートを、シリコーンゴム製メンブレ
ンを使用した真空成形法により、図3に示す様に、床材
用基材の接着剤塗布部である上面、溝模様の内面、全外
周の側面における上面と実部又は溝部との間の側面、及
び実部の上面に亘って連続して積層し、不要部分の化粧
シートをカッターにて切除した。しかる後、上記実施例
1と同様の要領により表面保護層を形成して、本発明の
床材を作製した。
【0089】比較例1 上記実施例1において、床材用基材と化粧シートとの積
層時に、床材用基材の側面部分への接着剤の塗布を省略
すると共に、両者の積層を、ソフトラッピング法に代え
て通常の平圧プレス法で行い、その他は上記実施例1と
同様の要領にて、床材用基材の側面部分には化粧シート
が積層されず、上面のみに化粧シートが積層された床材
を作製した。
【0090】比較例2 上記実施例2において、床材用基材と化粧シートとの積
層時に、床材用基材の側面部分及び実部への接着剤の塗
布を省略すると共に、両者の積層を、真空成形法に代え
て通常のロールラミネート法で行い、その他は上記実施
例2と同様の要領にて、床材用基材の側面部分及び実部
には化粧シートが積層されず、上面のみに化粧シートが
積層された床材を作製した。
【0091】性能比較 上記実施例1〜2及び比較例1〜2の床材を、床下地面
であるコンクリートスラブ面上に多数敷き詰めて施工し
た床面に、床材同士の継ぎ目部分にかかる様に、コップ
1杯分の水をこぼし、絞っていないぬれ雑巾で被覆し
て、常温で24時間放置した。その結果、実施例1〜2
の床材には特に目立った外観の変化は見られなかった
が、比較例1〜2の床材は、床材同士の継ぎ目部分で化
粧シートが床材用基材から剥離してめくれたり、継ぎ目
部分の近傍で化粧シートが部分的に剥離して膨れたりす
るなどの変化が観察された。
【0092】
【発明の効果】以上詳述の通り、本発明の床材は、平板
状の床材用基材の上面から、その全外周における側面の
少なくとも上側の一部にかけて連続して、熱可塑性樹脂
製の化粧シートが積層されているので、この床材を床下
地面上に敷き詰めて施工した際に、床材同士の継ぎ目部
分において、床材同士が耐水性に優れた熱可塑性樹脂製
の化粧シート面同士で突き合わされるため、床材同士の
継ぎ目部分から床材用基材の内部や床材用基材と化粧シ
ートとの界面への水分の滲み込みが発生しにくく、従っ
て当該水分の滲み込みによる化粧シートの剥離や膨れ、
床材用基材の伸縮や反り、黴や腐朽等による劣化などが
効果的に防止されるので、床材用基材として木質基材等
の様に耐水性に劣る材質を使用しても、水分が付着する
機会の多い箇所に施工された場合でも長期に亘り表面の
意匠性を保持することのできる、きわめて耐水性に優れ
た床材を提供することができる。
【0093】特に、床材用基材と化粧シートとの積層方
法として、真空成形法又はソフトラッピング法を採用す
ることにより、床材用基材の上面からその全外周におけ
る側面部分や実部等にまで連続しての化粧シートの積層
が容易に可能であるので、上記した耐水性に優れた床材
を容易に製造することができる。さらに、床材用基材の
上面に溝模様が施されている場合にあっても、該溝模様
の凹部の内面に沿うように連続して化粧シートを積層す
ることも容易に可能であるから、例えば従来の天然木突
板を使用した木質系フローリングの外観を模した溝模様
を上面に有する床材にあっても、該溝模様の凹部におけ
る耐水性を十分に確保した床材を容易に製造することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の床材の実施の形態の一例を示す斜視図
である。
【図2】本発明の床材の実施の形態の一例を示す断面図
である。
【図3】本発明の床材の実施の形態の一例を示す断面図
である。
【図4】本発明の床材の実施の形態の一例を示す断面図
である。
【図5】本発明の床材の実施の形態の一例を示す断面図
である。
【図6】本発明の床材の実施の形態に用いられる化粧シ
ートの一例を示す断面図である。
【図7】本発明の床材の実施の形態の用いられる化粧シ
ートの一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1…床材 11…上面 12、13、14、15…側面 131、151…側面の上側の一部 132…上面と実部との間の側面 152…上面と溝部との間の側面 16…実部 161…実部の上面 17…溝部 18…溝模様 2…化粧シート 21…基材シート 22…絵柄層 23…接着剤層 24…透明樹脂層 241…第一透明樹脂層 242…第二透明樹脂層 25…表面保護層 26…エンボス 27…易接着コート層 3…床材用基材 31…木質基材 32…硬質シート層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 仁 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内 (72)発明者 鈴木 幸雄 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内 (72)発明者 柴田 洋 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内 Fターム(参考) 2B002 AA03 AA06 AA11 DA01 2B250 AA05 BA05 BA06 DA03 FA28 GA07

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平板状の床材用基材の上面に、熱可塑性樹
    脂製の化粧シートが積層されてなる床材において、前記
    化粧シートが、前記床材用基材の上面から、前記床材用
    基材の全外周における側面の少なくとも上側の一部にか
    けて、連続して積層されてなることを特徴とする床材。
  2. 【請求項2】前記床材用基材の外周における少なくとも
    一部の側面には実加工が施されており、前記化粧シート
    は、前記床材用基材の上面から、該実加工による実部の
    上面、該実部と前記上面との間の側面、及び、該実部に
    対応する溝部と前記上面との間の側面にかけて、連続し
    て積層されてなることを特徴とする請求項1に記載の床
    材。
  3. 【請求項3】前記床材用基材の上面には溝模様が施され
    ており、前記化粧シートは該溝模様部において、該溝模
    様による凹部の内面に沿うように積層されてなることを
    特徴とする請求項1又は2に記載の床材。
  4. 【請求項4】前記床用基材が木質系基材であることを特
    徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の床材。
  5. 【請求項5】前記床用基材が、木質基材上に、表面硬度
    がデュロメーター硬さ試験タイプD(JIS K 62
    53)にて60以上である硬質シート層が積層されてな
    ることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の床
    材。
  6. 【請求項6】請求項1〜5に記載の床材を製造する方法
    であって、前記床材用基材の表面に、前記熱可塑性樹脂
    製の化粧シートを、真空成形法又はソフトラッピング法
    により積層することを特徴とする床材の製造方法。
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