JP2010229788A - 床用化粧材 - Google Patents

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Yasuhiro Matsukawa
康宏 松川
Hiroaki Nakayama
寛章 中山
Toshishige Kayahara
利成 茅原
Masanori Ueno
将徳 上野
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Abstract

【課題】耐傷性等の床材性能を維持しつつ、切削性が良好で且つ優れた歩行感を有する床用化粧材を提供する。
【解決手段】1層又は複数層からなる木質基材上に、発泡層及び床材用化粧シートが順に積層された床用化粧材であって、該木質基材中の発泡層に接する層の比重が0.6以上であり、該発泡層の厚みが0.5 mm以下であり且つ発泡セル体積が0.001〜0.055 mm3であり、さらに前記発泡層の比重が0.05〜0.7、引張弾性率が3〜20 MPaである床用化粧材。
【選択図】図1

Description

本発明は、床用化粧材に関する。
従来、床用化粧材は合板、中密度繊維板(MDF)、パーティクルボード等の木質系基材に突板や化粧シートを設けたものである。床用化粧材は、家具などが置かれると共に、近年の室内調度品の洋風化やバリアーフリー化に伴い、キャスター付きの家具や車椅子等の室内での使用も益々増加しつつあり、これらの対応、すなわち、跡形が残らない耐性を備えた床材、あるいは、硬くて重い落下物による凹みが生じない耐性を備えた床材が要望されている。
現在、床用化粧材の基材として一般的に使用されているラワン合板は、資源保護や温暖化防止などの地球環境保護のため、伐採が制限されており、価格の高騰及び調達が困難な状況にある。
その対応として植林材やJISで規定されている基材 (中密度繊維板(MDF)、高密度繊維板(HDF)、パーティクルボード等)の使用が検討されている。しかしながら、JISで規定されている基材に関しては、床材用としての硬さは十分に得られる(耐傷性フロアレベル)ものの、特にシート床材のように化粧シートをラミネートしたものにおいては、硬すぎるため素足で歩行する場合に疲れやすいといった課題がある。
このような欠点を解決するために、特許文献1に記載されているような基材と化粧シートの間に発泡層を設けた床用化粧材を用いることが考えられる。
但し、発泡体は、床材としての性能や床材を加工する場合の切削性(特に溝切削及び面取り)に悪影響を及ぼす。
従って、耐傷性フロアとしての性能を維持しつつ、床加工性(切削性)が良好で且つ優れた歩行感(適度なクッション性及び疲れやすさの低減)を有する床材の開発が望まれている。
特開2004−76476号公報
本発明は、耐傷性等の床材性能を維持しつつ、切削性が良好で且つ優れた歩行感を有する床用化粧材を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、1層又は複数層からなる木質基材中の発泡層に接する層の比重を0.6以上、該発泡層の厚みを0.5 mm以上且つ発泡セル体積を0.001〜0.055 mm3にした場合には、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の床材用化粧シートに関する。
項1.1層又は複数層からなる木質基材上に、発泡層及び床材用化粧シートが順に積層された床用化粧材であって、該木質基材中の発泡層に接する層の比重が0.6以上であり、該発泡層の厚みが0.5 mm以下であり且つ発泡セル体積が0.001〜0.055 mm3である床用化粧材。
項2.前記発泡層の比重が0.05〜0.7である、項1に記載の床用化粧材。
項3.前記発泡層の引張弾性率が3〜20 MPaである、項1又は2に記載の床用化粧材。
項4.溝加工及び/又は面取り加工されている、項1〜3のいずれか一項に記載の床用化粧材。
項5.木質基材の裏面に防湿シートがラミネートされている、項1〜4のいずれか一項に記載の床用化粧材。
以下、本発明の床用化粧材について説明する。
床用化粧材
本発明の床用化粧材は、1層又は複数層からなる木質基材上に、発泡層及び床材用化粧シートが順に積層された床用化粧材であって、該木質基材中の発泡層に接する層の比重が0.6以上であり、該発泡層の厚みが0.5 mm以下であり且つ発泡セル体積が0.001〜0.055 mm3であることを特徴とする。
上記特徴を有する本発明の床用化粧材は、耐傷性等の床材性能を維持しつつ、切削性が良好で且つ優れた歩行感を有する。
図1及び2に、本発明の床材用化粧シートの概略断面図(一例)を示す。
以下、本発明の床用化粧材の各層について説明する。
木質基材
木質基材は、1層又は複数層のどちらの構成であってもよいが、複数層である場合は、2〜6層であることが好ましい。
木質基材としては、ラワン代替材料を用いる。つまり、従来のラワン合板等に置き換わる材料であって、例えば、中密度木質繊維板(MDF)、高密度木質繊維板(HDF)、パーティクルボード(PB)、針葉樹合板、早成樹合板等の少なくとも1種を用いる。早成樹としては、ポプラ、ファルカタ、アカシア、カメレレ、ユーカリ、ターミナリア等が挙げられる。木質基材中の発泡層に接する層については、比重が0.6以上、好ましくは0.7〜1.0となる材料を用いる。この範囲より低いと床材性能に劣る。
木質基材の厚みは特に限定的ではないが、2〜15mm程度が好ましく、2〜12mm程度がより好ましい。
発泡層
発泡層としては、従来公知の任意の樹脂発泡手法を採ることができる。そのような方法としては、例えば、(1)熱可塑性樹脂のペレット又はビーズにガスを含浸させ、押出し機で加熱・溶融し、ダイを出たところで発泡成形する方法、(2)熱可塑性樹脂のペレット又はビーズを押出し機にて、加熱・溶融し、その中へガスを注入、混練し、ダイを出たところで発泡成形する方法、(3)発泡剤を含んだ熱可塑性樹脂のペレット又はビーズを押出し機で加熱・溶融し、ダイから吐出したときは未発泡のシート成型をし、後加工で加熱又は電子線の照射により発泡および架橋させる方法、(4)熱可塑性樹脂のペレットと成型温度で分解してガスを発生する化学発泡剤を混合し、押出し機で加熱・溶融し、ダイ出口で発泡成形する方法などが挙げられる。
発泡剤としては、アゾジカーボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、N−N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の熱分解型、または、アクリロニトリル等の樹脂球殻中にヘキサン、イソブタン等の熱膨張製気体を封入したマイクロカプセル型を挙げることができる。添加量としては、樹脂分100重量部に1〜10重量部である。
熱可塑性樹脂としては、たとえば、低密度ポリエチレン(線状低密度ポリエチレンを含む)、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ホモポリプロピレン、エチレンαオレフィン共重合体、ポリメチルペンテン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、エチレン−エチルアクリレート共重合体やこれらの酸変性物、アイオノマー樹脂、あるいは、これらの混合物等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエチレンナフタレート−イソフタレート共重合体等のポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ABS樹脂等が挙げられ、中でもポリオレフィン系樹脂が好ましい。
なお、発泡層の厚みとしては、0.5 mm以下のものを用いるが、好ましくは0.2〜0.5 mmである。この範囲より厚いと切削性及び床材性能に劣る。
また、発泡層の発泡セル体積は、0.001〜0.055 mm3のものを用いるが、好ましくは0.004〜0.02 mm3である。この範囲より低いと歩行感に劣り、この範囲より高いと歩行感及び床材性能に劣る。
ここで、発泡セル体積とは、発泡セルと言われる発泡層内にある気泡の体積のうち、大きいものから順に5つ計測したセル体積の平均値である。
発泡セル体積の測定方法;直方体の発泡体の一面と隣接する面の100倍拡大観察より、2×3mmの範囲において、大きいものから順に5つの各2辺(巾・高さ)を計測し、1辺を除いた3辺より直方体の体積を求める。直方体と同体積の立方体の1辺を求め、内接する球の体積(セルの体積)を求める。
1.一面の2辺AとB、隣接面より2辺AとCを大きいものから順に5つ計測する。
2.求めた4辺から異なる辺3つにより、直方体の体積を求める。
3.直方体と同体積の立方体の1辺を3乗根より求める。
4.立方体に内接する球の体積を求めた値を発泡セル体積(最大セル体積)とする。
上記1〜3より、式(A×B×C)(1/3)=Rから立方体の1辺Rが求められる。それに内接する球の体積を、式4/3×π×(R/2)から求めると、発泡セル体積が得られる。
発泡層の比重は、0.05〜0.7が好ましく、特に0.08〜0.3が好ましい。比重がこの範囲であると歩行感により優れる。
発泡層の引張弾性率は、3〜20 MPaが好ましく、特に5〜15 MPaが好ましい。引張弾性率がこの範囲であると歩行感及び床材性能により優れる。
床材用化粧シート
発泡層のおもて面には床材用化粧シートが積層されている。床材用化粧シートは限定的ではないが、例えば、基材シート上に絵柄層(ベタインキ層・柄インキ層)、透明性樹脂層及び表面保護層を順に有するものが好ましい。以下、この床材用化粧シートを例示的に説明する。
基材シートとしては、1)薄紙,上質紙,クラフト紙,和紙,チタン紙,樹脂含浸紙,紙間強化紙等の紙、2)木質繊維,ガラス繊維,石綿,ポリエステル繊維,ビニロン繊維,レーヨン繊維等からなる織布又は不織布、3)ポリオレフィン,ポリエステル,ポリアクリル,ポリアミド,ポリウレタン,ポリスチレン等の合成樹脂製シート、の1種又は2種以上の積層体が挙げられる。
基材シートの厚さは、20〜300μm程度が好ましい。基材シートは、必要に応じて着色されていてもよい。また、表面にコロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理等の表面処理が施されていてもよい。
絵柄層は、柄インキ層及び/又はベタインキ層から構成される。絵柄層は、グラビア印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷等の印刷法により形成できる。柄インキ層の模様は、例えば、木目模様、石目模様、布目模様、皮紋模様、幾何学模様、文字、記号、線画、各種抽象模様等が挙げられる。ベタインキ層は、着色インキのベタ印刷により得られる。絵柄層は、柄インキ層及びベタインキ層の片方又は両方から構成される。
絵柄層に用いるインキとしては、ビヒクルとして、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等の塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、イソシアネートとポリオールからなるポリウレタン、ポリアクリル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、セルロース系樹脂、ポリアミド系樹脂等を1種又は2種以上混合して用い、これに顔料、溶剤、各種補助剤等を加えてインキ化したものが使用できる。この中でも、環境問題、被印刷面との密着性等の観点より、ポリエステル、イソシアネートとポリオールからなるポリウレタン、ポリアクリル、ポリアミド系樹脂等の1種又は2種以上の混合物が好ましい。
透明性樹脂層は、透明性の樹脂層であれば特に限定されず、例えば、透明性の熱可塑性樹脂により好適に形成できる。
具体的には、軟質、半硬質又は硬質ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル等が挙げられる。上記の中でも、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂が好ましい。
透明性樹脂層は、着色されていてもよい。この場合は、熱可塑性樹脂に着色剤を添加すればよい。着色剤としては、絵柄層で用いる顔料又は染料が使用できる。
透明性樹脂層には、充填剤、艶消し剤、発泡剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、ラジカル捕捉剤、軟質成分(例えば、ゴム)等の各種の添加剤を含めてもよい。
表面保護層(透明性表面保護層)は、床材用化粧シートに要求される耐擦傷性、耐摩耗性、耐水性、耐汚染性等の表面物性を付与するために設けられる。この表面保護層を形成する樹脂としては、熱硬化型樹脂又は電離放射線硬化型樹脂等の硬化型樹脂が好ましい。特に、電離放射線硬化型樹脂は高い表面硬度、生産性等の観点から好ましい。
熱硬化型樹脂としては、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂(2液硬化型ポリウレタンも含む)、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、珪素樹脂、ポリシロキサン樹脂等が挙げられる。
上記樹脂には、架橋剤、重合開始剤等の硬化剤、重合促進剤を添加することができる。例えば、硬化剤としてはイソシアネート、有機スルホン酸塩等が不飽和ポリエステル樹脂やポリウレタン樹脂等に添加でき、有機アミン等がエポキシ樹脂に添加でき、メチルエチルケトンパーオキサイド等の過酸化物、アゾイソブチルニトリル等のラジカル開始剤が不飽和ポリエステル樹脂に添加できる。
熱硬化型樹脂で表面保護層を形成する方法としては、例えば、熱硬化型樹脂の溶液をロールコート法、グラビアコート法等の塗布法で塗布し、乾燥・硬化させる方法が挙げられる。溶液の塗布量としては、固形分で概ね5〜30μm、好ましくは5〜20μm程度である。
電離放射線硬化型樹脂は、電離放射線の照射により架橋重合反応を生じ、3次元の高分子構造に変化する樹脂であれば限定されない。例えば、電離放射線の照射により架橋可能な重合性不飽和結合又はエポキシ基を分子中に有するプレポリマー、オリゴマー及びモノマーの1種以上が使用できる。例えば、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート等のアクリレート樹脂;シロキサン等のケイ素樹脂;ポリエステル樹脂;エポキシ樹脂などが挙げられる。
電離放射線としては、可視光線、紫外線(近紫外線、真空紫外線等)、X線、電子線、イオン線等があるが、この中でも、紫外線、電子線が望ましい。
紫外線源としては、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク灯、ブラックライト蛍光灯、メタルハライドランプ灯の光源が使用できる。紫外線の波長としては、190〜380nm程度である。
電子線源としては、例えば、コッククロフトワルト型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器が使用できる。電子線のエネルギーとしては、100〜1000keV程度が好ましく、100〜300keV程度がより好ましい。電子線の照射量は、2〜15Mrad程度が好ましい。
電離放射線硬化型樹脂は電子線を照射すれば十分に硬化するが、紫外線を照射して硬化させる場合には、光重合開始剤(増感剤)を添加することが好ましい。
ラジカル重合性不飽和基を有する樹脂系の場合の光重合開始剤は、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、ミヒラーケトン、ジフェニルサルファイド、ジベンジルジサルファイド、ジエチルオキサイト、トリフェニルビイミダゾール、イソプロピル−N,N−ジメチルアミノベンゾエート等の少なくとも1種が使用できる。また、カチオン重合性官能基を有する樹脂系の場合は、例えば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、メタロセン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル、フリールオキシスルホキソニウムジアリルヨードシル塩等の少なくとも1種が使用できる。
光重合開始剤の添加量は特に限定されないが、一般に電離放射線硬化型樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部程度である。
電離放射線硬化型樹脂で保護層を形成する方法としては、例えば、電離放射線硬化型樹脂の溶液をグラビアコート法、ロールコート法等の塗布法で塗布すればよい。溶液の塗布量としては、固形分として概ね5〜30μm、好ましくは5〜20μm程度である。
電離放射線硬化型樹脂から形成された表面保護層に、耐擦傷性、耐摩耗性をさらに付与する場合には、無機充填材を配合すればよい。無機充填材としては、例えば、粉末状の酸化アルミニウム、炭化珪素、二酸化珪素、チタン酸カルシウム、チタン酸バリウム、マグネシウムパイロボレート、酸化亜鉛、窒化珪素、酸化ジルコニウム、酸化クロム、酸化鉄、窒化硼素、ダイアモンド、金剛砂、ガラス繊維等が挙げられる。
無機充填材の添加量としては、電離放射線硬化型樹脂100重量部に対して1〜80重量部程度である。
各層の積層は、例えば、基材シートの一方の面に絵柄層(ベタインキ層、柄インキ層)を順に印刷により形成後、絵柄層上に2液硬化型ウレタン樹脂等の公知のドライラミネーション用接着剤を介して透明性樹脂層をドライラミネーション法、Tダイ押出し法等で積層し、さらに表面保護層を形成する方法により行える。
表面保護層側からエンボス加工を施すことにより凹凸模様を形成してもよい。凹凸模様は、加熱プレス、ヘアライン加工等により形成できる。凹凸模様としては、導管溝、石板表面凹凸、布表面テクスチュア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等が挙げられる。
上記床材用化粧シートは、最下層(木質基材と接着する層)に厚さ100μm以上の合成樹脂層(いわゆるバッカー層)を有していてもよい。なお、バッカー層は、床用化粧材において衝撃吸収等を目的とした緩衝層を意味する。バッカー層を構成する材料としては、例えば、ポリプロピレン、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリメチレン、ポリメチルペンテン、ポリエチレンテレフタレート、耐熱性の高いポリアルキレンテレフタレート〔例えば、エチレングリコールの一部を1,4−シクロヘキサンジメタノールやジエチレングリコール等で置換したポリエチレンテレフタレートである、いわゆる商品名PET−G(イーストマンケミカルカンパニー製)〕、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンナフタレート−イソフタレート共重合体、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリイミド、ポリスチレン、ポリアミド、ABS等が挙げられる。これらの樹脂は単独又は2種以上で使用できる。バッカー層の厚さの上限は限定的ではないが、600μmが適当である。
上記木質系基材、発泡層及び床材用化粧シートは、接着剤を介して接着できる。接着剤としては、例えば、ウレタン系、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、アイオノマー、ブタジエン・アクリルニトリルゴム、ネオプレンゴム、天然ゴム等を有効成分とする接着剤が挙げられる。接着剤層の厚さは限定的ではないが、0.1〜50μm程度が好ましい。
また、上記接着剤を介して接着する方法以外に、発泡層と床材用化粧シートの主成分の樹脂に同一の樹脂を用い、床材用化粧シートに発泡層(発泡層状態あるいは未発泡層状態で押出し後加工での発泡)を押出すと同時にラミネート(熱融着)する方法も挙げられる。
(防湿シート)
防湿シートは、木質基材の裏面に設けられることが好ましい。防湿シートは、温度40℃、湿度90%における透湿度が7g/m・24時間以下のものが好ましい。防湿シートは限定されないが、例えば、ポリエチレン,ポリプロピレン等のオレフィン系熱可塑性樹脂、ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート,ポリエチレンナフタレート等のエステル系熱可塑性樹脂などの合成樹脂製フィルムが使用できる。この中でも、特に少なくとも合成樹脂製基材層と蒸着層とを有するものが好ましい。以下、この態様について例示して説明する。
合成樹脂製基材層としては、ポリエチレン,ポリプロピレン,エチレン−プロピレン共重合体,エチレン−ビニルアルコール共重合体,これらの混合物等のオレフィン系熱可塑性樹脂;ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート,ポリエチレンナフタレート,ポリエチレンナフタレート−イソフタレート共重合体,ポリカーボネート,ポリアリレート等のエステル系熱可塑性樹脂;ポリメタアクリル酸メチル,ポリメタアクリル酸エチル,ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系熱可塑性樹脂;ポリイミド、ポリウレタン、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂等の非ハロゲン系熱可塑性樹脂などが挙げられる。
合成樹脂製基材層は、一軸又は二軸方向に延伸したシートであっても、未延伸であってもよい。合成樹脂製基材層は、更に蒸着層が積層されることが好ましく、蒸着層が形成される基材としての位置付けから、機械的強度が強く、寸法安定性に優れるなどの理由から二軸方向に延伸したシートが好ましい。合成樹脂製基材層の厚さは、概ね9〜25μmが適当である。
蒸着層としては、アルミニウムに代表される金属薄膜からなる無機物の蒸着層、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化アルミニウムに代表される無機酸化物薄膜からなる無機酸化物蒸着層が挙げられる。蒸着層は、真空蒸着法、プラズマ活性化化学反応蒸着法等の周知の蒸着法で、合成樹脂製基材層に形成される。より好ましくは、蒸着層が透明である無機酸化物蒸着層である。
蒸着層のガスバリアー性を一層向上させる目的で、蒸着層上に表面コート層を設けてもよい。表面コート層としては、ポリビニルアルコール系樹脂が挙げられる。また、一般式R M(OR(ただし、式中、R、Rは炭素数1〜8の有機基を表し、Mは金属原子を表し、nは0以上の整数を表し、mは1以上の整数を表し、n+mはMの原子価を表す)で表される少なくとも1種以上のアルコキシドと、ポリビニルアルコール系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコール共重合体とを含有し、更にゾル−ゲル法触媒、酸、水及び有機溶剤の存在下でゾルゲル法によって重縮合して調製される組成物が挙げられる。また、ポリビニルアルコール及びエチレン・ビニルアルコール共重合体を組み合わせることによって、ガスバリア性、耐水性、耐候性などが著しく向上する。上記組成物にはシランカップリング剤等を添加してもよい。これらの樹脂又は組成物を蒸着層上にロールコート法、グラビアコート法等の周知の塗布方法で塗布することにより表面コート層が得られる。表面コート層は蒸着層の保護層としても機能し、その厚さは概ね1〜10μmが適当である。
上記合成樹脂製基材層及び/又は上記表面コート層は、必要に応じて、コロナ処理等の表面処理を施すことができる。このような表面処理によって、更に隣接層との接着強度を高めることができる。
本発明では、合成樹脂製基材層と蒸着層との間、並びに防湿シートの片面又は両面に更にプライマー層を設けてもよい。従って、防湿シートの好適な態様は、例えば、「合成樹脂製基材層/プライマー層/蒸着層/表面コート層」の態様であり、更に、当該防湿シートの片面又は両面にプライマー層を設けた態様でも良い。
これらのプライマー層は、合成樹脂製基材層と蒸着層との密着性を高めるためや、防湿シートを他の層に積層する際の密着性を高めるために設ける。
このようなプライマー層に用いる樹脂としては、エステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール系樹脂、ニトロセルロース系樹脂等を挙げることができ、これらの樹脂は単独又は混合して使用できる。プライマー層の形成は、ロールコート法やグラビア印刷法等の適宜の塗布手段を用いて行える。
この中でも、プライマー層は、(i)アクリル樹脂とウレタン樹脂との共重合体と(ii)イソシアネートとから形成するのが好ましい。即ち、(i)のアクリル樹脂とウレタン樹脂との共重合体は、末端に水酸基を有するアクリル重合体成分(成分A)、両末端に水酸基を有するポリエステルポリオール成分(成分B)、ジイソシアネート成分(成分C)を配合して反応させてプレポリマーとなし、該プレポリマーに更にジアミンなどの鎖延長剤(成分D)を添加して鎖延長することで得られるものである。この反応によりポリエステルウレタンが形成されると共にアクリル重合体成分が分子中に導入され、末端に水酸基を有するアクリル−ポリエステルウレタン共重合体が形成される。このアクリル−ポリエステルウレタン共重合体の末端の水酸基を(ii)のイソシアネートと反応させて硬化させて形成する。
前記成分Aは、末端に水酸基を有する直鎖状のアクリル酸エステル重合体が用いられる。具体的には、末端に水酸基を有する直鎖状のポリメチルメタクリレート(PMMA)が耐候性(特に光劣化に対する特性)に優れ、ウレタンと共重合させるのが容易である点から好ましい。前記成分Aは、共重合体においてアクリル樹脂成分となるものであり、分子量5000〜7000(重量平均分子量)のものが耐候性、接着性が特に良好であるために好ましく用いられる。また、前記成分Aは、両末端に水酸基を有するもののみを用いてもよいが、片末端に共役二重結合が残っているものを上記の両末端に水酸基を有するものと混合して用いてもよい。
前記成分Bは、ジイソシアネートと反応してポリエステルウレタンを形成し、共重合体においてウレタン樹脂成分を構成する。前記成分Bは、両末端に水酸基を有するポリエステルジオールが用いられる。このポリエステルジオールとしては、芳香族又はスピロ環骨格を有するジオール化合物とラクトン化合物又はその誘導体、又はエポキシ化合物との付加反応生成物、二塩基酸とジオールとの縮合生成物、及び、環状エステル化合物から誘導されるポリエステル化合物等を挙げることができる。上記ジオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、メチルペンテンジオール等の短鎖ジオール;1,4−シクロへキサンジメタノール等の脂環族短鎖ジオール等を挙げることができる。また、二塩基酸としては、アジピン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等を挙げることができる。ポリエステルポリオールとして好ましいのは、酸成分としてアジピン酸又はアジピン酸とテレフタル酸の混合物、特にアジピン酸が好ましく、ジオール成分として3−メチルペンテンジオール及び1,4−シクロへキサンジメタノールを用いたアジペート系ポリエステルである。
前記プライマー層において、前記成分Bと前記成分Cとが反応して形成されるウレタン樹脂成分は、前記プライマー層に柔軟性を与え、接着性向上に寄与する。また、アクリル重合体からなるアクリル樹脂成分は、前記プライマー層において耐候性および耐ブロッキング性に寄与する。ウレタン樹脂において、前記成分Bの分子量は前記プライマー層に柔軟性を十分に発揮可能なウレタン樹脂が得られる範囲であればよく、アジピン酸又はアジピン酸とテレフタル酸の混合物と、3−メチルペンタンジオール及び1,4−シクロへキサンジメタノールからなるポリエステルジオールの場合、500〜5000(重量平均分子量)が好ましい。
前記成分Cは、1分子中に2個のイソシアネート基を有する脂肪族又は脂環族のジイソシアネート化合物が用いられる。このジイソシアネートとしては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、2,2,4(2,4,4)−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4’−シクロヘキシルジイソシアネート等を挙げることができる。ジイソシアネート成分としては、イソホロンジイソシアネートが物性及びコストの点で好ましい。上記の成分A〜Cを反応させる場合のアクリル重合体、ポリエステルポリオールおよび後述する鎖延長剤の合計の水酸基(アミノ基の場合もある)と、イソシアネート基の当量比はイソシアネート基が過剰となるようにする。
上記の三成分A、B、Cを60〜120℃で2〜10時間程度反応させると、ジイソシアネートのイソシアネート基がポリエステルポリオール末端の水酸基と反応してポリエステルウレタン樹脂成分が形成されると共にアクリル重合体末端の水酸基にジイソシアネートが付加した化合物も混在し、過剰のイソシアネート基及び水酸基が残存した状態のプレポリマーが形成される。このプレポリマーに鎖延長剤として、例えば、イソホロンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等のジアミンを加えてイソシアネート基を前記鎖延長剤と反応させ、鎖延長することでアクリル重合体成分がポリエステルウレタンの分子中に導入され、末端に水酸基を有する(i)のアクリル−ポリエステルウレタン共重合体を得ることができる。
(i)のアクリル−ポリエステルウレタン共重合体に、(ii)のイソシアネートを加えると共に、塗布法、乾燥後の塗布量を考慮して必要な粘度に調節した塗布液となし、グラビアコート法、ロールコート法等の周知の塗布法で塗布することにより前記プライマー層を形成すればよいものである。また、(ii)のイソシアネートとしては、(i)のアクリル−ポリエステルウレタン共重合体の水酸基と反応して架橋硬化させることが可能なものであればよく、たとえば、2価以上の脂肪族ないし芳香族イソシアネートが使用でき、特に熱変色防止、耐候性の点から脂肪族イソシアネートが望ましい。具体的には、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートの単量体、これらの2量体、3量体などの多量体、或いは、これらのイソシアネートをポリオールに付加した誘導体(アダクト体)のようなポリイソシアネートなどを挙げることができる。
なお、前記プライマー層の乾燥後の塗布量としては、1〜20g/mであり、好ましくは1〜5g/mである。また、前記プライマー層は、必要に応じてシリカ粉末などの充填剤、光安定剤、着色剤等の添加剤を添加した層としてもよいものである。
上記防湿シートを木質基材に積層する際は、公知の接着剤が使用できる。接着剤としては、例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、アイオノマー、ブタジエン・アクリルニトリルゴム、ネオプレンゴム、天然ゴム等を有効成分とする接着剤が挙げられる。接着剤層の厚さは限定的ではないが、0.1〜50μm程度が好ましい。
本発明の床用化粧材は、例えば、最終製品の特性に応じて、裁断、テノーナーを用いてサネ加工、V字形状の条溝付与、四辺の面取り等を施してもよい。
本発明の床用化粧材は、耐傷フロアとしての性能を維持しつつ、切削性が良好で且つ優れた歩行感(適度なクッション性)も有している。
本発明における床用化粧材の概略断面図である。 本発明における床用化粧材の概略断面図である。 耐キャスター性試験機の概略構成図である。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明をより具体的に説明する。
実施例1
(床材用化粧シートの作製)
0.06mm厚の着色ポリプロピレンフィルムからなる樹脂シートの上に、アクリル−ウレタン系樹脂のインキを使用し、グラビア印刷法により固形分量が2g/m2となるように塗工してベタインキ層を形成した。
ベタインキ層の上に、アクリル−ウレタン系樹脂のインキを使用し、グラビア印刷法により、2μmの絵柄模様層を形成した。
さらに前記樹脂シートの絵柄模様層と反対側の表面にウレタン−セルロース系樹脂のインキをグラビア印刷法により固形分量が2g/m2となるように塗工して裏面プライマー層を形成した。
絵柄模様層の上に、ウレタン系ドライラミネート用接着剤を固形分量が3g/m2となるように塗工し、さらにポリプロピレン系樹脂をTダイ押出し機により加熱溶融押出しし、厚み3μmの透明性接着剤層及び厚み0.08mmの透明性樹脂層を形成した。
透明性樹脂層の上に、ウレタンアクリレート系電子線硬化型樹脂をロールコート法により固形分が15g/m2となるように塗工・乾燥し、電子線を照射して樹脂を硬化させて15μm厚の電子線硬化型透明性表面保護層を形成した。次いで透明性表面保護層側からエンボス加工を施して床材用化粧シート中間体を作製した。エンボス加工は、深さ30μm程度の木目導管模様とした。
以上の方法により、厚み160μmの床材用化粧シートを作製した。
(発泡層)
発泡セル体積が0.009mm、厚み0.5mmの発泡シート(東レペフ加工品株式会社製 トーレペフ 5Z005)の両面にコロナ処理を施し、床材用化粧シートの裏面に塗工している裏面プライマーを施した。
(床用化粧材の作製)
床材用化粧シートと発泡シートに、ウレタン系接着剤(固形分量8g/m2)を塗工し、発泡体付き床材用化粧シートを作製した。
上記で作製した発泡シート付き床材用化粧シート印刷面の裏側の発泡シート面に、パーティクルボード(表面比重0.8)を貼着させ床用化粧材を作製した。貼着にはウレタン変性エチレン・酢酸ビニル系エマルション接着剤(9g/尺wet)を利用した。
実施例2
実施例1の発泡シートに代えて、発泡セル体積が0.004mm、厚み0.2mmの発泡シート(東レペフ加工品株式会社製 トーレペフ 5S002)を用いた以外は、実施例1と同様にして床用化粧材を得た。
実施例3
実施例1の床材用化粧シートに代えて、透明性樹脂層の厚みが0.15mmである厚み230μmの床材用化粧シートを用いた以外は、実施例1と同様にして床用化粧材を得た。
実施例4
実施例1の床材用化粧シートに代えて、透明性樹脂層の厚みが0.2mmである厚み280μmの床材用化粧シートを用いた以外は、実施例1と同様にして床用化粧材を得た。
実施例5
実施例1の床材用化粧シートに代えて、裏面に0.25mm厚のポリプロピレン製バッカー層をラミネートした厚み410μmの床材用化粧シートを用い、基材裏面に下記の防湿シートを積層した以外は、実施例1と同様にして床用化粧材を得た。
(防湿シートの作製)
12μm厚さの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用意し、片面に2液硬化型ウレタン系樹脂からなるプライマー層を設けた。更にプライマー層の上にアルミニウム蒸着層を設けた。これにより得られるフィルムを「蒸着PETフィルム」と呼称する。
前記蒸着PETフィルム上にPVA/シリケート系からなる表面コート層を0.2g/m(乾燥状態)を形成し、積層体(合成樹脂製基材層(PET)/蒸着層/表面コート層)を作製した。前記積層体の両面を、コロナ放電処理した後、主剤(ウレタン樹脂及び硝化綿系樹脂の混合物)に硬化剤(イソシアネート)を添加した2液硬化型樹脂をグラビア印刷法にてそれぞれ固形分として5g/mの塗布量で塗布し、接着用プライマー層を両面に形成した。これにより防湿シートを得た。
実施例6
基材裏面に上記の防湿シートを積層した以外は、実施例1と同様にして床用化粧材を得た。
比較例1
実施例1の基材に代えて、合板(比重0.5)を用い、実施例1の発泡シートに代えて、発泡セル体積が0.004mm、厚み0.2mmの発泡シート(東レペフ加工品株式会社製 トーレペフ5S002)を用いた以外は、実施例1と同様にして床用化粧材を得た。
比較例2
実施例1の発泡シートに代えて、発泡セル体積が0.062mm、厚み0.5mmの発泡シート(東レペフ加工品株式会社製 トーレペフ 30020)を用いた以外は、実施例1と同様にして床用化粧材を得た。
比較例3
実施例1の発泡シートに代えて、発泡セル体積が0.012mm、厚み1.0mmの発泡シート(東レペフ加工品株式会社製 トーレペフ 10010)を用いた以外は、実施例1と同様にして床用化粧材を得た。
比較例4
実施例1の発泡シートに代えて、エチレン−αオレフィン共重合体100重量部に対し、ADCA系発泡剤1部及びステアリン酸亜鉛発泡助剤1部を添加し、180μmのシートを作製し、温度220℃で発泡させて作製した発泡シートを用いた以外は、実施例1と同様にして床用化粧材を得た。
比較例5
実施例1の基材に代えて合板(比重0.5)を用い、発泡シートを用いなかった以外は、実施例1と同様にして床用化粧材を得た。
比較例6
発泡シートを用いなかった以外は、実施例1と同様にして床用化粧材を得た。
比較例7
実施例1の床材用化粧シートに代えて、裏面に0.25mm厚のポリプロピレン製バッカー層をラミネートした厚み410μmの床材用化粧シートを用い、発泡シートを用いなかった以外は、実施例1と同様にして床用化粧材を得た。
得られた床用化粧材について、以下の評価を行い、得られた結果を表1及び2に示した。
以下、試験方法を示す。
(デュポン衝撃試験)
床用化粧材の耐衝撃性をデュポン衝撃試験機(JIS K5600−5−3に準拠)を用いて評価した。具体的には、30cmの高さから500 gの錘を化粧材表面に落下させて凹み量を測定することにより評価した。凹み量が、400μm以下の場合、一般的な耐傷性カラーフロアと同等以上の床材性能を有していると判断した。
(耐キャスター試験)
床用化粧材について、耐キャスター性を、床材疲労試験機No.159-S(株)安田精機製作所を使用して評価した。
床材疲労試験機No.159-Sの概略構成図を図3に示した。
床材疲労試験機1000は、重り1001により荷重変更可能な加重部1002と、調節ハンドル1003と、キャスター固定台と、前記キャスター固定台の中央部に取り付けられた1個のキャスター1011と、試料固定台1013(直径55cm、厚さ10mm)(アルミ製)とを備えてなるものである。
使用したキャスターは、HANMMER CASTER社より入手した420SA−N(車輪:ナイロン製)(平均直径75mm、厚さ25mm)である。
試験する床材(試料)(5cm×20cm)を試料固定台1013に固定し、加重部1002に15kgの重り1001を乗せて、調節ハンドル1003により、床材の化粧層側の表面に、1個のキャスター1011を接触させ(総荷重25kg)、キャスター固定台を稼働し、8m/minの速度で1000往復させた。
凹み量が、80μm以下の場合、一般的な耐傷性カラーフロアと同等以上の床材性能を有していると判断した。
(切削性試験(V溝))
床用化粧材に対して床材用化粧シート側からルーター切削により溝を切削加工した。加工面を観察し、「○」を「毛羽立ちはほとんど認められない」、「×」を「毛羽立ちが顕著に認められる」と評価した。
(歩行感(適度なクッション性))
床用化粧材の表面と剛球の間にプレスケールを設置し、530 g鋼球を高さ200 mmから落下させ、鋼球と床材の設置面積を測定した。「△」を「耐傷性突き板フロア同等レベル」、「○」を「それ以上」、「×」を「それ以下」と評価した。
(反り試験)
床用化粧材を温度40℃、湿度90%の環境下に24時間放置した。
反りは、床材を短尺側に立てかけて(床材を平置きした場合の自重の影響を除く)、定規にて測定した。床材の反り量が20mm/6尺 以上を「×」、10mm/6尺以上20mm/6尺未満を「△」、0mm/6尺以上10mm/6尺未満を「○」とした。
Figure 2010229788
Figure 2010229788
(考 察)
表1、2から、比重の大きい木質基材上に発泡層、床材用化粧シートを順に積層し、当該発泡層の厚みおよび発泡セル体積を規定することにより、一般的な耐傷性カラーフロアと同等以上の床材性能および歩行感(クッション性)を有することが分かる。
また、木質基材裏面に防湿シートをラミネートすることにより、湿度変化による床材の反りを抑えることができることが分かる。
1000 耐キャスター試験装置
1001 重り
1002 荷重部
1003 調節ハンドル
1011 キャスター
1012 試料
1013 試料固定台

Claims (5)

1層又は複数層からなる木質基材上に、発泡層及び床材用化粧シートが順に積層された床用化粧材であって、該木質基材中の発泡層に接する層の比重が0.6以上であり、該発泡層の厚みが0.5 mm以下であり且つ発泡セル体積が0.001〜0.055 mm3である床用化粧材。
前記発泡層の比重が0.05〜0.7である、請求項1に記載の床用化粧材。
前記発泡層の引張弾性率が3〜20 MPaである、請求項1又は2に記載の床用化粧材。
溝加工及び/又は面取り加工されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の床用化粧材。
木質基材の裏面に防湿シートがラミネートされている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の床用化粧材。
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