JP6403937B2 - 床用化粧材 - Google Patents

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本発明は、床用化粧材に関する。
従来、家屋の床用化粧材(例えば、フロア用台板)に用いられる木質系化粧板としては、良質な原木から得られる木質合板(例えば、広葉樹のラワン合板)の上面に接着剤を介して、天然木の意匠を有する化粧シートを貼着したものが知られている。
木質合板としては、上記広葉樹のラワン合板が多用されているが、近年、天然資源の窮乏、木材伐採制限等により原木が入手し難く、材料不足が進んでいる。この問題は、特にラワン等の広葉樹にとって深刻である。そのため、ラワン合板に代えて使用できる木質合板の開発が進められている。ラワン代替材料としては、針葉樹合板、早成樹合板(植林木合板)等が用いられている。これらの合板は、ラワン合板と比べると低比重であることから剛性度が低くなり、特に比重0.55以下のいわゆる低比重木質合板の場合には耐凹み性(
後述する耐キャスター性及び耐衝撃性)が不十分であるという問題がある。このような問題を解決するために、各種方法が検討されている。
特許文献1には、上記ラワン代替材料に樹脂含浸紙を貼り合わせた化粧材用基材が記載されている。この基材は、面にかかる力(例えばキャスターなどによる力)に関する耐性(以下、耐キャスター性ともいう)に優れる。しかしながら、かかる基材は物を落とした時には依然として凹みやすく、しかも衝撃に対して割れやすいという問題がある。耐衝撃性を付与するために、前記樹脂含浸紙の紙坪量と樹脂含浸率を大きくすることが挙げられるが、樹脂含浸紙は合板と比較して水分を吸収した時の寸法変化量が小さい。そのため、かかる方法では、樹脂含浸紙がラワン代替材料の水分吸収による寸法変化に対して追従できなくなる。このため、化粧材用基材全体が反りやすくなる。特に、比重0.55以下の低比重木質合板は、高比重木質合板と比較して剛性が低いため、上記反りやすい傾向は顕著となる。
また、特許文献2には、上記ラワン代替材料に、膜厚が大きく、かつ弾性のある合成樹脂からなる化粧シートを貼り合わせた床用化粧材が記載されている。この床用化粧材は、耐衝撃性に優れる。しかしながら、かかる床用化粧材は、耐キャスター性に対しては不十分であるという問題がある。この耐キャスター性を付与するために、前記化粧シートを硬くすることが挙げられるが、かかる方法では衝撃による割れが発生しやすくなる。また、耐キャスター性付与のために前記化粧シートを厚くすることも挙げられるが、かかる方法では、温度変化の際に発生する化粧シートの線膨張によってシート応力が大きくなり、特に低比重木質合板を使用する場合には当該合板が破壊されてしまう。
また、上記ラワン代替材料の表層部分に中密度繊維板(木粉を接着剤で固め、成形したもの。以下、MDFともいう。)を貼り合わせた化粧材用基材が知られている。この化粧材用基材は、耐キャスター性及び耐衝撃性に優れる。しかしながら、MDFは、合板と比較して水分を吸収した時の寸法変化量が大きいので、基材全体が反りやすいという問題がある。
特開2007-077763号公報 特開2006-132212号公報
本発明は、比重0.55以下の木質合板を用いる場合でも、優れた耐キャスター性及び耐衝撃性を有し、かつ、寸法安定性及び寒熱による温度変化後における木質合板の耐割れ性にも優れた床用化粧材を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、特定の樹脂含浸紙及び特定の化粧シートを比重0.55以下の木質合板上に積層する場合には、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の床用化粧材に関する。
1.比重が0.55g/cm以下の木質合板に接着剤層、樹脂含浸紙及び化粧シートが順に積層された床用化粧材であって、
(1)前記化粧シートの厚みが0.3〜0.6mmであり、
(2)前記化粧シートの引張弾性率が1000〜2500MPaであり、
(3)前記樹脂含浸紙を構成する原紙の紙坪量が200〜300g/mであり、
(4)前記樹脂含浸紙の樹脂含浸率が30〜100%であり、
(5)前記樹脂含浸紙の引張弾性率が4500MPa以上であり、
(6)前記樹脂含浸紙を構成する樹脂と、前記接着剤層に含まれる樹脂とが同一の樹脂である、
ことを特徴とする、床用化粧材。2.前記化粧シートの上降伏点荷重が9kgf以上である、上記項1に記載
の床用化粧材。
3.前記化粧シートの降伏伸び率が3〜8%である、上記項1又は2に記載の床用化粧材。
4.床用化粧材の製造方法であって、
(I)比重が0.55g/cm以下の木質合板上に、接着剤層を介して未硬化樹脂含浸紙を積層し、積層体を得る工程1、
(II)前記積層体を熱圧成形することにより、前記未硬化樹脂含浸紙に含まれる樹脂を硬化させ、樹脂含浸紙とする工程2、及び
(III)前記樹脂含浸紙上に、化粧シートを積層する工程3
を有し、
(1)前記化粧シートの厚みが0.3〜0.6mmであり、
(2)前記化粧シートの引張弾性率が1000〜2500MPaであり、
(3)前記樹脂含浸紙を構成する原紙の紙坪量が200〜300g/mであり、
(4)前記樹脂含浸紙の樹脂含浸率が30〜100%であり、
(5)前記樹脂含浸紙の引張弾性率が4500MPa以上であり、
(6)前記樹脂含浸紙を構成する樹脂と、前記接着剤層に含まれる樹脂とが同一の樹脂である、
ことを特徴とする製造方法。
以下、本発明の床用化粧材について詳細に説明する。
≪本発明の床用化粧材≫
本発明の床用化粧材は、比重が0.55g/cm以下の木質合板に樹脂含浸紙及び化粧シートが順に積層された床用化粧材であって、
(1) 前記化粧シートの厚みが0.3〜0.6mmであり、
(2) 前記化粧シートの引張弾性率が1000〜2500MPaであり、
(3) 前記樹脂含浸紙を構成する前記原紙の紙坪量が100〜300g/mであり、
(4) 前記樹脂含浸紙の樹脂含浸率が30〜100%であり、
(5) 前記樹脂含浸紙の引張弾性率が4500MPa以上である、
ことを特徴とする。
上記特徴を有する本発明の床用化粧材は、特に上記(1)〜(5)の要件を全て満足することにより、比重0.55以下の木質合板を用いる場合でも、優れた耐キャスター性及び耐衝撃性(衝撃による耐割れ性及び耐凹み性)を有し、かつ、寸法安定性及び寒熱(寒暖)による温度変化後における木質合板の耐割れ性にも優れる。
以下、本発明の床用化粧材を構成する各層について説明する。
木質合板
本発明で用いる木質合板は、比重0.55以下(単位g/cm3)のいわゆる低比重木質合板である。
この木質合板としては、従来、ラワン代替合板として知られている針葉樹合板、植林木合板等が挙げられる。具体的には、針葉樹としては、例えば、椴松、唐松等が挙げられる。また、植林木としては、ポプラ、ファルカタ、アカシア、カメレレ、ユーカリ、ターミナリア等が挙げられる。本発明で用いる木質合板は、比重0.55以下、特に0.3〜0.5程度の低比重合板を用いることを前提としている。
木質合板の厚さは限定的ではないが、3〜15mm程度が好ましく、10〜15mm程度がより好ましい。また、木質合板を構成する木質単板の積層数(プライ数)も限定的ではないが、通常3〜7枚が好ましく、5〜7枚がより好ましい。
合板作製時に用いる接着剤としては限定されず、公知の木工用接着剤が広く使用できる。接着剤としては、例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、アイオノマー、ブタジエン・アクリルニトリルゴム、ネオプレンゴム、天然ゴム等を有効成分とする接着剤が挙げられる。
樹脂含浸紙
木質合板のおもて面には、樹脂含浸紙(樹脂含浸紙A)が積層されている。なお、本明細書では、特に断りがない場合、樹脂含浸紙とは樹脂が熱硬化した後の樹脂含浸紙をいう。即ち、樹脂含浸紙は、未硬化の樹脂含浸紙中の熱硬化性樹脂を、熱によって硬化させることにより得られるものである。また、前記未硬化の樹脂含浸紙は、樹脂含浸用原紙(以下、単に原紙ともいう)に未硬化の熱硬化性樹脂が含浸している。
本発明では、前記樹脂含浸紙を構成する原紙の紙坪量が100〜300g/m2であり、樹脂含浸率が30〜100%であり、樹脂含浸紙の引張弾性率が4500MPa以上である樹脂含浸紙を使用する。
樹脂含浸率とは、単位紙坪量(g/m2)に対する樹脂の重量(g)の割合を示す。具体的には、紙坪量が100g/m2である原紙に対して樹脂50gを含浸した樹脂含浸紙は、樹脂含浸率50%(=[50g]÷[100 g/m2]×100)の樹脂含浸紙と表すことができる。
本発明で使用する樹脂含浸紙の樹脂含浸率は30〜100%であるため、化粧シートを貼り合わせるための接着剤と強固に接着することができる。樹脂含浸率が30%未満であると樹脂含浸紙に含まれる樹脂量(原紙に入り込む樹脂量)が少ないため、床用化粧材として使用する際に求められる層間強度を得ることができず、結果として優れた耐キャスター性を得られない場合がある。100%を超えると、優れた寸法安定性を得られない場合がある。また、100%を超える場合、熱硬化後の樹脂含浸紙には上記接着剤と強固に接着する際に必要な紙質部分が残っておらず、結果として化粧シートと強固に接着することができない場合もある。樹脂含浸率は40〜80%が好ましい。
本発明で使用する樹脂含浸紙を構成する原紙の紙坪量は、100〜300g/m2である。原紙の紙坪量が100g/m2未満であると耐キャスター性に優れた床用化粧材を得ることができない場合があり、300g/m2を超えると樹脂の熱硬化時に発生する樹脂含浸紙の硬化収縮により、木質合板に反りが発生する場合がある。原紙の紙坪量は150〜250 g/m2が好ましい。
樹脂含浸紙に用いる樹脂含浸用原紙としては、紙坪量が100〜300g/m2であれば特に限定されないが、薄葉紙、クラフト紙、チタン紙等の紙基材や綿布、又は各種素材からなる織布や不織布等の布基材を挙げることができる。
樹脂含浸紙を構成する樹脂として、熱硬化性樹脂を使用する。具体的には、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂(2液硬化型ポリウレタンも含む)、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、珪素樹脂、ポリシロキサン樹脂等の熱硬化性樹脂を使用することができる。樹脂は1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。上記樹脂には必要に応じて、架橋剤、重合開始剤等の硬化剤、または、重合促進剤を添加して用いる。たとえば、硬化剤としては、イソシアネートまたは有機スルホン酸塩等が不飽和ポリエステル樹脂やポリウレタン樹脂等に添加され、有機アミン等がエポキシ樹脂に添加され、メチルエチルケトンパーオキサイド等の過酸化物やアゾイソブチルニトリル等のラジカル開始剤が不飽和ポリエステル樹脂には添加される。また、上記列挙した樹脂を主成分とする熱硬化性樹脂組成物(接着剤等)も使用できる。本明細書において、例えば、フェノール樹脂を主成分とする樹脂組成物は、主成分のみを特定してフェノール系樹脂とも略記できる。
樹脂含浸用原紙に樹脂を含浸させて未硬化の樹脂含浸紙(未硬化樹脂含浸紙)を得る方法としては、溶液化した樹脂を浸漬法、ロールコート法、グラビアコート法等の周知の両面ないし片面塗布により含浸させると共に乾燥させればよい。
木質合板上に樹脂含浸紙を積層する方法としては、例えば未硬化の樹脂含浸紙を木質合板に載置して熱圧成形することが挙げられる。
熱圧成形の際の温度、圧力及び時間については、床用化粧材として問題なく使用できる程度に木質合板と樹脂含浸紙が接着されていれば特に限定されず、適宜設定することができる。例えば、樹脂含浸紙に含まれる樹脂がフェノール系樹脂であって、温度140℃で圧力7kg/cm2の場合は、4分間程度で熱圧成形を完了することができる。
熱硬化後の樹脂含浸紙の引張弾性率は、4500MPa以上である。前記引張弾性率が4500MPa未満であると、耐キャスター性能に優れた床用化粧材を得ることができない場合がある。好ましい引張弾性率は、4500〜8000MPaである。
本発明において、樹脂含浸紙の引張弾性率は、JIS K6734の規定に従って測定した値である。具体的には、引張試験機(テンシロン万能試験機RTC−1250A)を用いて、図2に示す形状に打ち抜かれた試験サンプル(基材シート)の両端(図2のA及びB)を、50mm/minの速度で引っ張ったときの引張弾性率(MPa)を測定することにより求めた値である。
熱硬化後の樹脂含浸紙の引張弾性率は、樹脂の硬化の程度、原紙の種類、樹脂の種類、樹脂含浸率等を適宜設定することにより、調整することができる。例えば、熱圧成形によって木質合板上に樹脂含浸紙を積層する場合、樹脂の硬化の程度を調整する方法として、熱圧成形の際の温度、圧力、時間等を適宜設定することが挙げられる。
木質合板上に樹脂含浸紙を積層する際は、公知の接着剤が使用できる。接着剤としては、例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、アイオノマー、ブタジエン・アクリロニトリルゴム、ネオプレンゴム、天然ゴム、フェノール、メラミン、尿素等を有効成分とする接着剤が挙げられる。なかでも、フェノール、メラミン及び尿素からなる群から選ばれた少なくとも1種の熱硬化型接着剤が好ましい。接着剤層(接着剤層A)の厚さは限定的ではないが、0.1〜50μm程度が好ましい。
化粧シート
樹脂含浸紙のおもて面には化粧シートが積層されている。本発明の化粧シートの各層は主に合成樹脂で構成される。
本発明で使用する化粧シートの厚み(厚さ)は、0.3〜0.6mmである。化粧シートの厚みが0.3mm未満であると耐衝撃性(衝撃による耐凹み性)に優れた床用化粧材を得ることができない場合があり、0.6mmを超えると優れた寸法安定性が得られず、しかも寒熱の繰り返しによって木質合板に割れが生じる場合がある。化粧シートの厚みは0.35〜0.5mmが好ましい。
本発明で使用する化粧シートの引張弾性率は、1000〜2500MPaである。前記引張弾性率が1000MPa未満であると耐衝撃性(衝撃による耐凹み性)に優れた床用化粧材を得ることができない場合があり、引張弾性率が2500MPaを超えると耐衝撃性(衝撃による耐割れ性及び/又は耐凹み性)に優れた床用化粧材を得ることができない場合がある。化粧シートの引張弾性率は1300〜2000MPaが好ましい。
本発明において、化粧シートの引張弾性率は、前述の樹脂含浸紙の引張弾性率の測定方法と同様の方法で測定した値である。
化粧シートの引張弾性率は、後述する透明性樹脂層、表面保護層、合成樹脂層(バッカー層)等の各層の有無、前記透明性樹脂層、表面保護層、合成樹脂層等を構成する樹脂の種類の選択、などを適宜選択することにより、調整することができる。
本発明で用いる化粧シートの層構成は限定的ではない。例えば、(1)いわゆるダブリング仕様の化粧シート(合成樹脂からなる基材シート上に絵柄模様層(ベタインキ層及び/又は柄インキ層)、接着剤層、透明性樹脂層、プライマー層及び表面保護層を順に有する化粧シート) (2)いわゆる単層仕様の化粧シート(ダブリング仕様において透明性樹脂層を設けない化粧シート)、(3)いわゆるバックプリント仕様の化粧シート(ダブリング仕様において基材シートを設けない化粧シート)のいずれも使用できる。
以下、上記(1)の化粧シートについて例示的に説明する。
基材シートとしては、ポリオレフィン,ポリエステル,ポリアクリル,ポリアミド,ポリウレタン,ポリスチレン等の合成樹脂製シート、の1種又は2種以上の積層体が挙げられる。
基材シートの厚さは、20〜300μm程度が好ましい。基材シートは、必要に応じて着色されていてもよい。また、表面にコロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理等の表面処理が施されていてもよい。
絵柄模様層は、柄インキ層及び/又はベタインキ層から構成される。絵柄模様層は、グラビア印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷等の印刷法により形成できる。柄インキ層の模様は、例えば、木目模様、石目模様、布目模様、皮紋模様、幾何学模様、文字、記号、線画、各種抽象模様等が挙げられる。また、ベタインキ層は、着色インキのベタ印刷により得られる。
絵柄模様層のインキとしては、ビヒクルとして、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等の塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、イソシアネートとポリオールからなるポリウレタン、ポリアクリル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、アクリル−ウレタン共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、セルロース系樹脂、ポリアミド系樹脂等を1種又は2種以上混合して用い、これに顔料、溶剤、各種補助剤等を加えてインキ化したものが使用できる。この中でも、環境問題、被印刷面との密着性等の観点より、ポリエステル、イソシアネートとポリオールからなるポリウレタン、ポリアクリル、ポリアミド系樹脂等の1種又は2種以上の混合物が好ましい。
接着剤層(接着剤層B)は、絵柄模様層と透明性樹脂層との間に設けられる。接着剤層は、例えば、2液硬化型ウレタン樹脂等の公知のドライラミネーション用接着剤を塗布・乾燥させることにより得られる。
接着剤層は、乾燥後の厚みが0.1〜30μm程度が好ましく、1〜20μm程度がより好ましい。
透明性樹脂層は、透明性の樹脂層であれば特に限定されず、例えば、透明性の熱可塑性樹脂により好適に形成できる。
具体的には、軟質、半硬質又は硬質ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー、ポリアクリル酸エステル、ポリメタアクリル酸エステル等が挙げられる。上記の中でも、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂が好ましい。
透明性樹脂層は、着色されていてもよい。この場合は、熱可塑性樹脂に着色剤を添加すればよい。着色剤としては、絵柄模様層で用いる顔料又は染料が使用できる。
透明性樹脂層には、充填剤、艶消し剤、発泡剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、ラジカル捕捉剤、軟質成分(例えば、ゴム)等の各種の添加剤を含めてもよい。
透明性樹脂層は、10〜150μm程度が好ましく、30〜100μm程度がより好ましい。
プライマー層は、透明性樹脂層と表面保護層の密着性を向上させるために設ける。プライマー層は透明又は半透明な層であり、絵柄模様層のビヒクルとして例示した樹脂を用いて形成することができる。
プライマー層は、0.5〜20μm程度が好ましく、1〜5μm程度がより好ましい。
表面保護層を構成する樹脂は、熱硬化型樹脂、電離放射線硬化型樹脂(例えば、電子線硬化型樹脂)等の硬化型樹脂が好ましい。特に電離放射線硬化型樹脂は、高い表面硬度、生産性等の観点から好ましい。
熱硬化型樹脂としては、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂(2液硬化型ポリウレタンも含む)、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、珪素樹脂、ポリシロキサン樹脂等が挙げられる。
上記樹脂には、架橋剤、重合開始剤等の硬化剤、重合促進剤を添加することができる。例えば、硬化剤としてはイソシアネート、有機スルホン酸塩等が不飽和ポリエステル樹脂やポリウレタン樹脂等に添加でき、有機アミン等がエポキシ樹脂に添加でき、メチルエチルケトンパーオキサイド等の過酸化物、アゾイソブチルニトリル等のラジカル開始剤が不飽和ポリエステル樹脂に添加できる。
熱硬化型樹脂で表面保護層を形成する方法は、例えば、熱硬化型樹脂の溶液をロールコート法、グラビアコート法等の塗布法で塗布し、乾燥・硬化させる方法が挙げられる。
電離放射線硬化型樹脂は、電離放射線の照射により架橋重合反応を生じ、3次元の高分子構造に変化する樹脂であれば限定されない。例えば、電離放射線の照射により架橋可能な重合性不飽和結合又はエポキシ基を分子中に有するプレポリマー、オリゴマー及びモノマーの1種以上が使用できる。例えば、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート等のアクリレート樹脂;シロキサン等のケイ素樹脂;ポリエステル樹脂;エポキシ樹脂などが挙げられる。
電離放射線としては、可視光線、紫外線(近紫外線、真空紫外線等)、X線、電子線、イオン線等があるが、この中でも、紫外線及び/又は電子線が望ましい。
紫外線源としては、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク灯、ブラックライト蛍光灯、メタルハライドランプ灯の光源が使用できる。紫外線の波長としては、190〜380nm程度である。
電子線源としては、例えば、コッククロフトワルト型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器が使用できる。電子線のエネルギーとしては、100〜1000keV程度が好ましく、100〜300keV程度がより好ましい。電子線の照射量は、2〜15Mrad程度が好ましい。
電離放射線硬化型樹脂は電子線を照射すれば十分に硬化するが、紫外線を照射して硬化させる場合には、光重合開始剤(増感剤)を添加することが好ましい。
ラジカル重合性不飽和基を有する樹脂系の場合の光重合開始剤は、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、ミヒラーケトン、ジフェニルサルファイド、ジベンジルジサルファイド、ジエチルオキサイト、トリフェニルビイミダゾール、イソプロピル−N,N−ジメチルアミノベンゾエート等の少なくとも1種が使用できる。また、カチオン重合性官能基を有する樹脂系の場合は、例えば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、メタロセン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル、フリールオキシスルホキソニウムジアリルヨードシル塩等の少なくとも1種が使用できる。
光重合開始剤の添加量は特に限定されないが、一般に電離放射線硬化型樹脂100質量部に対して0.1〜10質量部程度である。
電離放射線硬化型樹脂で表面保護層を形成する方法としては、例えば、電離放射線硬化型樹脂の溶液をグラビアコート法、ロールコート法等の塗布法で塗布すればよい。
表面保護層の厚さは、通常0.1〜50μm、好ましくは1〜20μm程度である。
電離放射線硬化型樹脂から形成された表面保護層に、耐擦傷性、耐摩耗性をさらに付与する場合には、無機充填材を配合すればよい。無機充填材としては、例えば、粉末状の酸化アルミニウム、炭化珪素、二酸化珪素、チタン酸カルシウム、チタン酸バリウム、マグネシウムパイロボレート、酸化亜鉛、窒化珪素、酸化ジルコニウム、酸化クロム、酸化鉄、窒化硼素、ダイヤモンド、金剛砂、タルク、ガラス繊維等が挙げられる。
無機充填材の添加量としては、電離放射線硬化型樹脂100質量部に対して1〜80質量部程度である。
化粧シートを構成する各層の積層は、例えば、基材シートの一方の面に絵柄模様層(ベタインキ層、柄インキ層)を印刷により形成後、絵柄模様層上に2液硬化型ウレタン樹脂等の公知のドライラミネーション用接着剤(透明性の接着剤層)を介して透明性樹脂層をドライラミネーション法、Tダイ押出し法等で積層し、更にプライマー層を介して透明性の表面保護層を積層する方法により行える。
透明性樹脂層もしくは表面保護層側からエンボス加工を施して凹凸模様を形成してもよい。凹凸模様は、加熱プレス、ヘアライン加工等により形成できる。凹凸模様としては、導管溝、石板表面凹凸、布表面テクスチュア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等が挙げられる。
上記化粧シートは、最下層(基材シートの裏面)に合成樹脂層(バッカー層)を有していてもよい。なお、合成樹脂層は、床用化粧材において衝撃吸収等を目的とした緩衝層を意味する。
合成樹脂層を構成する樹脂は限定的ではないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリメチレン、ポリメチルベンゼン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエチレンナフタレート−イソフタレート共重合体、ポリイミド、ポリスチレン、ポリアミド、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS)等が挙げられる。この中でも、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等が好ましい。これらの樹脂は単独又は2種以上で使用できる。
合成樹脂層の厚さは限定的ではないが、下限値としては80μmが好ましく、上限値としては500μmが好ましい。より好ましい合成樹脂層の厚さは200〜450μmである。
合成樹脂層は、単層であっても良いし、2層以上からなる構成であっても良い。2層以上とする場合、その積層方法は、例えば、押し出し法等の公知の方法を適宜選択して積層することができる。
合成樹脂層には、必要に応じて無機充填剤を配合してもよい。無機充填剤は、表面保護層に添加し得る無機充填材として列挙したものが使用できる。また、必要に応じて、耐候剤、可塑剤、安定剤、分散剤、染料、顔料等の着色剤 等を含んでもよい。
無機充填剤を配合する場合、無機充填剤の含有量は限定的ではないが、合成樹脂層に含まれる樹脂成分100質量部に対して10〜100質量部が好ましく、30〜50質量部がより好ましい。かかる範囲の含有量とすることにより、合成樹脂層の厚さが比較的厚い場合でも応力を緩和して反りの発生を効果的に抑制することができる。なお、無機充填剤の含有量が多すぎると、合成樹脂層の生産時に不具合が生じたり、合成樹脂層と基材シート裏面との層間密着強度が経時的に低下し易くなったりするおそれがある。
本発明で用いる化粧シートは上降伏点荷重又は最大点荷重が9kgf以上が好ましく、その中でも18kgf以上がより好ましく、特に18〜40kgfが好ましい。かかる範囲の荷重特性に設定することによって、より優れた耐衝撃性、耐キャスター性等の耐凹み性が得られる。
なお、本明細書における上降伏点荷重及び最大点荷重は、JIS K6734の試験方法に倣ってダンベル型試験片状(図2参照)に打ち抜いた化粧シートを用意し、25℃の温度環境下、引張圧縮試験機(オリエンテック株式会社製:テンシロンRTC-1250A)を用い、引張速度50mm/分、チャック間距離80mmの条件で測定して得られた値である。
引張圧縮試験機を用いて試験した場合の荷重−伸び曲線の例を図3(a)、(b)に示す。図3(a)のように上降伏点荷重及b及び最大点荷重dの両方が存在する場合は上降伏点荷重bの値により荷重特性を評価する。これに対し、図3(b)のように上降伏点荷重bが存在しない場合には、最大点荷重dの値により荷重特性を評価する。
本発明で用いる化粧シートは、降伏伸び率が3〜8%であることが好ましい。かかる範囲の降伏伸び率に設定することによって、より優れた耐衝撃性、耐キャスター性等の耐凹み性が得られる。
なお、本明細書における上記降伏伸び率は、JIS K6734の規定に従って測定した値である。具体的には、引張試験機(テンシロン万能試験機RTC−1250A)を用いて、図2に示す形状に打ち抜かれた試験サンプル(基材シート)の両端(図2のA及びB)を、50mm/minの速度で引っ張ったときの降伏伸び率(%)を測定することにより求めた値である。
合成樹脂層は、合成樹脂層を構成する樹脂又は樹脂組成物を、カレンダー法、インフレーション法、押し出し法等によりフィルム状に形成することにより得られる。
化粧シート中の基材シートと合成樹脂層との接着方法は、例えば、2液硬化型ウレタン樹脂等の公知のドライラミネーション用接着剤を介したドライラミネーション法、Tダイ押し出し法による溶融樹脂の熱を利用した熱ラミネート法等が挙げられる。
本発明の床用化粧材は、上記木質合板上に上記樹脂含浸紙及び上記化粧シートが積層されている。
化粧シートを樹脂含浸紙に積層する際は、公知の接着剤を使用できる。接着剤としては、例えば、ポリオール成分とイソシアネート成分からなる2液硬化型ポリウレタン系接着剤、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、アイオノマー、ブタジエン・アクリロニトリルゴム、ネオプレンゴム、天然ゴム等を有効成分とする水系(水系エマルジョン)接着剤;PUR等の反応性ホットメルト系接着剤、などの接着剤が挙げられる。特に、水系接着剤を使用した場合、本発明では樹脂含浸率が30〜100%である樹脂含浸紙を使用するため、水系接着剤中の水分は床用化粧材の側面側だけでなく樹脂含浸紙面側からも蒸発乾燥することができる。そのため、好適に水系接着剤を使用することができる。
2液硬化型ポリウレタン系接着剤を使用する場合、前記ポリオール成分としては、ポリエステルポリオール、ポリエステルポリウレタンポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエーテルポリウレタンポリオール等を挙げることができ、イソシアネート成分としては、TDI、MDI、HDI、PIDI、XDI等のジイソシアネートおよびこれらを出発原料とする変性体を挙げることができる。塗布量や作業性および作業環境を考慮すると、エマルジョンタイプの硬化型接着剤が好ましく、湿気硬化型ホットメルト接着剤がより好ましい。
化粧シートと樹脂含浸紙とを介する前記接着剤層(接着剤層C)の厚さは限定的ではないが、0.1〜50μm程度が好ましい。
樹脂含浸紙(樹脂含浸紙B)
木質合板の裏面には、必要に応じて、樹脂含浸紙(樹脂含浸紙B)を設けてもよい。樹脂含浸紙Bを設けることによって、床用化粧材全体としての反りをより抑えることができる。なお、樹脂含浸紙Bとしては、上述の樹脂含浸紙Aと同様のものを使用することができる。
樹脂含浸紙Bを木質合板の裏面側に積層する方法は、上述した木質合板に樹脂含浸紙Aを積層する場合と同様である。また、樹脂含浸紙Bを木質合板に積層する際に接着剤を使用する場合、上述した木質合板と樹脂含浸紙Aとを接着させる接着剤と同様のものを使用することができる。
防湿フィルム
木質合板又は樹脂含浸紙Bの裏面には、必要に応じて防湿フィルムを積層してもよい。防湿フィルムは、湿度の影響による木質合板の経時的な反りや曲がりの発生を抑制するために用いる。防湿フィルムの透湿度は、温度40℃、湿度90%において7g/m2・24時間以下が好ましく、特に5g/m2・24時間以下が好ましい。
防湿フィルムは所望の透湿度を満たす限り限定されず、例えば、ポリエチレン,ポリプロピレン等のオレフィン系熱可塑性樹脂、ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート,ポリエチレンナフタレート等のエステル系熱可塑性樹脂などの合成樹脂製フィルムが使用できる。この中でも、特に少なくとも合成樹脂製基材層と蒸着層とを有するものが好ましい。以下、この態様について例示して説明する。
合成樹脂製基材層としては、ポリエチレン,ポリプロピレン,エチレン−プロピレン共重合体,エチレン−ビニルアルコール共重合体,これらの混合物等のオレフィン系熱可塑性樹脂;ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート,ポリエチレンナフタレート,ポリエチレンナフタレート−イソフタレート共重合体,ポリカーボネート,ポリアリレート等のエステル系熱可塑性樹脂;ポリメタアクリル酸メチル,ポリメタアクリル酸エチル,ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系熱可塑性樹脂;ポリイミド、ポリウレタン、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂)等の非ハロゲン系熱可塑性樹脂などが挙げられる。
合成樹脂製基材層は、一軸又は二軸方向に延伸したシートであっても、未延伸であってもよい。合成樹脂製基材層は、更に蒸着層が積層されることが好ましく、蒸着層が形成される基材としての位置付けから、機械的強度が強く、寸法安定性に優れるなどの理由から二軸方向に延伸したシートが好ましい。合成樹脂製基材層の厚さは、概ね9〜25μmが適当である。
蒸着層としては、アルミニウムに代表される金属薄膜からなる無機物の蒸着層、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化アルミニウムに代表される無機酸化物薄膜からなる無機酸化物蒸着層が挙げられる。蒸着層は、真空蒸着法、プラズマ活性化化学反応蒸着法等の周知の蒸着法で、合成樹脂製基材層に形成される。より好ましくは、蒸着層が透明である無機酸化物蒸着層である。
蒸着層のガスバリア性を一層向上させる目的で、蒸着層上に表面コート層を設けてもよい。表面コート層としては、ポリビニルアルコール系樹脂が挙げられる。また、一般式R1 nM(OR2)m(ただし、式中、R1、R2は炭素数1〜8の有機基を表し、Mは金属原子を表し、nは0以上の整数を表し、mは1以上の整数を表し、n+mはMの原子価を表す)で表される少なくとも1種以上のアルコキシドと、ポリビニルアルコール系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコール共重合体とを含有し、更にゾル−ゲル法触媒、酸、水及び有機溶剤の存在下でゾルゲル法によって重縮合して調製される組成物が挙げられる。また、ポリビニルアルコール及びエチレン・ビニルアルコール共重合体を組み合わせることによって、ガスバリア性、耐水性、耐候性などが著しく向上する。上記組成物にはシランカップリング剤等を添加してもよい。これらの樹脂又は組成物を蒸着層上にロールコート法、グラビアコート法等の周知の塗布方法で塗布することにより表面コート層が得られる。表面コート層は蒸着層の保護層としても機能し、その厚さは概ね1〜10μmが適当である。
上記合成樹脂製基材層及び/又は上記表面コート層は、必要に応じて、コロナ処理等の表面処理を施すことができる。このような表面処理によって、更に隣接層との接着強度を高めることができる。
本発明では、合成樹脂製基材層と蒸着層との間、並びに防湿フィルムの片面又は両面に更にプライマー層を設けてもよい。例えば、おもて面側から表面コート層、蒸着層、プライマー層及び合成樹脂製基材層を順に積層した防湿フィルムは好適な態様であり、更に、当該防湿フィルムの片面又は両面にプライマー層を設けた態様でも良い。
これらのプライマー層は、合成樹脂製基材層と蒸着層との密着性を高めるためや、防湿フィルムを他の層に積層する際の密着性を高めるために設ける。
このようなプライマー層に用いる樹脂としては、エステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール系樹脂、ニトロセルロース系樹脂等を挙げることができ、これらの樹脂は単独又は混合して使用できる。プライマー層の形成は、ロールコート法やグラビア印刷法等の適宜の塗布手段を用いて行える。
この中でも、プライマー層は、(i)アクリル樹脂とウレタン樹脂との共重合体と(ii)イソシアネートとから形成するのが好ましい。即ち、(i)のアクリル樹脂とウレタン樹脂との共重合体は、末端に水酸基を有するアクリル重合体成分(成分A)、両末端に水酸基を有するポリエステルポリオール成分(成分B)、ジイソシアネート成分(成分C)を配合して反応させてプレポリマーとなし、該プレポリマーに更にジアミンなどの鎖延長剤(成分D)を添加して鎖延長することで得られるものである。この反応によりポリエステルウレタンが形成されると共にアクリル重合体成分が分子中に導入され、末端に水酸基を有するアクリル−ポリエステルウレタン共重合体が形成される。このアクリル−ポリエステルウレタン共重合体の末端の水酸基を(ii)のイソシアネートと反応させて硬化させて形成する。
前記成分Aは、末端に水酸基を有する直鎖状のアクリル酸エステル重合体が用いられる。具体的には、末端に水酸基を有する直鎖状のポリメチルメタクリレート(PMMA)が耐候性(特に光劣化に対する特性)に優れ、ウレタンと共重合させるのが容易である点から好ましい。前記成分Aは、共重合体においてアクリル樹脂成分となるものであり、分子量5000〜7000(重量平均分子量)のものが耐候性、接着性が特に良好であるために好ましく用いられる。また、前記成分Aは、両末端に水酸基を有するもののみを用いてもよいが、片末端に共役二重結合が残っているものを上記の両末端に水酸基を有するものと混合して用いてもよい。
前記成分Bは、ジイソシアネートと反応してポリエステルウレタンを形成し、共重合体においてウレタン樹脂成分を構成する。前記成分Bは、両末端に水酸基を有するポリエステルジオールが用いられる。このポリエステルジオールとしては、芳香族又はスピロ環骨格を有するジオール化合物とラクトン化合物又はその誘導体、又はエポキシ化合物との付加反応生成物、二塩基酸とジオールとの縮合生成物、及び、環状エステル化合物から誘導されるポリエステル化合物等を挙げることができる。上記ジオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、メチルペンテンジオール等の短鎖ジオール;1, 4−シクロへキサンジメタノール等の脂環族短鎖ジオール等を挙げることができる。また、二塩基酸としては、アジピン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等を挙げることができる。ポリエステルポリオールとして好ましいのは、酸成分としてアジピン酸又はアジピン酸とテレフタル酸の混合物、特にアジピン酸が好ましく、ジオール成分として3−メチルペンテンジオール及び1,4−シクロへキサンジメタノールを用いたアジペート系ポリエステルである。
前記プライマー層において、前記成分Bと前記成分Cとが反応して形成されるウレタン樹脂成分は、前記プライマー層に柔軟性を与え、接着性向上に寄与する。また、アクリル重合体からなるアクリル樹脂成分は、前記プライマー層において耐候性および耐ブロッキング性に寄与する。ウレタン樹脂において、前記成分Bの分子量は前記プライマー層に柔軟性を十分に発揮可能なウレタン樹脂が得られる範囲であればよく、アジピン酸又はアジピン酸とテレフタル酸の混合物と、3−メチルペンタンジオール及び1, 4−シクロへキサンジメタノールからなるポリエステルジオールの場合、500〜5000(重量平均分子量)が好ましい。
前記成分Cは、1分子中に2個のイソシアネート基を有する脂肪族又は脂環族のジイソシアネート化合物が用いられる。このジイソシアネートとしては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、2, 2, 4 (2, 4, 4)−1, 6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4, 4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1, 4’−シクロヘキシルジイソシアネート等を挙げることができる。ジイソシアネート成分としては、イソホロンジイソシアネートが物性及びコストの点で好ましい。上記の成分A〜Cを反応させる場合のアクリル重合体、ポリエステルポリオールおよび後述する鎖延長剤の合計の水酸基(アミノ基の場合もある)と、イソシアネート基の当量比はイソシアネート基が過剰となるようにする。
上記の三成分A、B、Cを60〜120℃で2〜10時間程度反応させると、ジイソシアネートのイソシアネート基がポリエステルポリオール末端の水酸基と反応してポリエステルウレタン樹脂成分が形成されると共にアクリル重合体末端の水酸基にジイソシアネートが付加した化合物も混在し、過剰のイソシアネート基及び水酸基が残存した状態のプレポリマーが形成される。このプレポリマーに鎖延長剤として、例えば、イソホロンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等のジアミンを加えてイソシアネート基を前記鎖延長剤と反応させ、鎖延長することでアクリル重合体成分がポリエステルウレタンの分子中に導入され、末端に水酸基を有する(i)のアクリル−ポリエステルウレタン共重合体を得ることができる。
(i)のアクリル−ポリエステルウレタン共重合体に、(ii)のイソシアネートを加えると共に、塗布法、乾燥後の塗布量を考慮して必要な粘度に調節した塗布液となし、グラビアコート法、ロールコート法等の周知の塗布法で塗布することにより前記プライマー層を形成すればよいものである。また、(ii)のイソシアネートとしては、(i)のアクリル−ポリエステルウレタン共重合体の水酸基と反応して架橋硬化させることが可能なものであればよく、たとえば、2価以上の脂肪族ないし芳香族イソシアネートが使用でき、特に熱変色防止、耐候性の点から脂肪族イソシアネートが望ましい。具体的には、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4, 4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートの単量体、これらの2量体、3量体などの多量体、或いは、これらのイソシアネートをポリオールに付加した誘導体(アダクト体)のようなポリイソシアネートなどを挙げることができる。
なお、前記プライマー層の乾燥後の塗布量としては、1〜20g/m2であり、好ましくは1〜5g/mである。また、前記プライマー層は、必要に応じてシリカ粉末などの充填剤、光安定剤、着色剤等の添加剤を添加した層としてもよいものである。
防湿フィルムを木質合板又は樹脂含浸紙Bの裏面に積層する際は、公知の接着剤が使用できる。接着剤としては、例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、アイオノマー、ブタジエン・アクリルニトリルゴム、ネオプレンゴム、天然ゴム等を有効成分とする接着剤が挙げられる。接着剤層(接着剤層D)の厚さは限定的ではないが、0.1〜50μm程度が好ましい。
本発明の床用化粧材は、各種建築物の床面に施工する床用化粧材及び特殊用途として床暖房用途に用いる床用化粧材として適している。
本発明の床用化粧材は、特定の樹脂含浸紙及び特定の化粧シートを比重0.55以下の木質合板上に積層するため、比重0.55以下の木質合板を用いる場合でも、優れた耐キャスター性及び耐衝撃性を有し、かつ、寸法安定性及び寒熱による温度変化後における木質合板の耐割れ性にも優れる。
本発明の床用化粧材の一態様を示す模式図である。 JIS K6734の試験方法に倣ったダンベル型試験片の模式図である。 引張圧縮試験機を用いて試験した場合の荷重−伸び曲線の例を示す図である。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。
実施例1
≪化粧シートの作製≫
両面にコロナ放電処理を施した60μm厚さのポリプロピレンフィルムの一方の面に2液硬化型アクリルウレタン樹脂からなる印刷インキで2μm厚さの絵柄模様層を形成した。次に、当該絵柄模様層の上に、ウレタン樹脂系接着剤を固形分量が3 g/m2となるように塗布して、接着剤層を形成した。当該接着剤層上に、Tダイ押出し機でポリプロピレン系樹脂を加熱溶融押出しして80μm厚さの透明性樹脂層を形成した。次に、透明性樹脂層の表面にコロナ放電処理を施した後、当該コロナ放電処理を行った面に対して、固形分量が1 g/m2となるようにアクリルウレタン系樹脂を塗工することによりプライマー層を形成した。
当該プライマー層表面に対して、固形分量が15 g/m2となるようにウレタンアクリレート系電離放射線硬化型樹脂をロールコート法により塗布し、次いで酸素濃度200ppm以下の環境下において電子線照射装置を用いて、加速電圧125KeV、5Mradの条件で電子線を照射して硬化させることで表面保護層を形成した。次に、当該表面保護層側からエンボス加工により深さ30μmの木目導管柄の凹凸模様を形成することにより中間体シート(総厚さ:160μm)を作製した。
最後に前記中間体シートの裏面に、固形分量が3g/m2となるようにウレタン系接着剤を塗布した後、厚さが250μmとなるようにホモポリプロピレン系樹脂(A)層(バッカー層)を押出し同時ラミネートすることにより、化粧シート(総厚さ:410μm)を作製した。なお、ホモポリプロピレン系樹脂の溶融押出し時の樹脂温度は240℃であった。また、作製した前記化粧シートの引張弾性率をJIS K6734に従って測定したところ、1500MPaであった。
≪床用化粧材の作製≫
紙坪量が200 g/m2であるクラフト紙(樹脂含浸用原紙)に対してフェノール系樹脂を含浸させることにより、樹脂含浸率が50%である未硬化樹脂含浸紙を作製した。11.4mm厚のファルカタ合板(比重0.3、5プライ)にフェノール系接着剤を10g/尺角に塗布した上に、前記未硬化樹脂含浸紙を置き、熱圧プレス機にて140℃、7kg/cm2、4分間の条件にて熱圧成形した。これにより、ファルカタ合板及び樹脂含浸紙を有する積層体を得た。なお、樹脂含浸紙の引張弾性率をJIS K6734に従って測定したところ、6000MPaであった。
次いで、前記積層体中の樹脂含浸紙上に、水系接着剤(BA−10L/BA−11B、中央理化工業株式会社製)を介して化粧シートを貼り合わせた。なお、前記化粧シートは、当該化粧シートのバッカー層が前記水系接着剤と接するようにして貼り合わされた。これにより、床加工ラインにて幅303mm×長さ1818mmの床用化粧材を作製した。
実施例2
バッカー層として、厚さが140μmとなるようにホモポリプロピレン系樹脂(B)層を押出し同時ラミネートして得られる層を用いる以外は、実施例1と同様にして化粧シート及び床用化粧材を作製した(化粧シートの総厚さ:300μm)。なお、前記化粧シートの引張弾性率は1000MPaであった。
実施例3
バッカー層として、厚さが240μmの未延伸PETフィルムを用いる以外は、実施例1と同様にして化粧シート及び床用化粧材を作製した。なお、前記化粧シートの引張弾性率は2300MPaであった。
実施例4
実施例1と同様にして化粧シートを作製した。また、未硬化樹脂含浸紙として、紙坪量が100 g/m2であるクラフト紙に対して、樹脂含浸率が30%となるようにフェノール系樹脂を含浸させて得られる未硬化樹脂含浸紙を用いる以外は、実施例1と同様にして床用化粧材を作製した。なお、樹脂含浸紙の引張弾性率は4500MPaであった。
実施例5
実施例2と同様にして化粧シートを作製した。また、前記実施例2と同様の化粧シートを用いる以外は、実施例4と同様にして床用化粧材を作製した。
実施例6
バッカー層の厚さを440μmとする以外は、実施例1と同様にして化粧シート及び床用化粧材を作製した。
実施例7
バッカー層の厚さを140μmとする以外は、実施例1と同様にして化粧シートを作製した。また、未硬化樹脂含浸紙として、紙坪量が300 g/m2であるクラフト紙に対して、樹脂含浸率が100%となるようにフェノール系樹脂を含浸させて得られる未硬化樹脂含浸紙を用いる以外は、実施例1と同様にして床用化粧材を作製した。なお、樹脂含浸紙の引張弾性率は7500MPaであった。
実施例8
バッカー層の厚さを440μmとする以外は、実施例1と同様にして化粧シートを作製した。また、未硬化樹脂含浸紙として、実施例7に記載の未硬化樹脂含浸紙を用いる以外は、実施例1と同様にして床用化粧材を作製した。
比較例1
バッカー層の厚さを40μmとする以外は、実施例1と同様にして化粧シート及び床用化粧材を作製した。
比較例2
バッカー層の厚さを540μmとする以外は、実施例1と同様にして化粧シート及び床用化粧材を作製した。
比較例3
バッカー層として、厚さが240μmとなるようにランダムポリプロピレン系樹脂層を押出し同時ラミネートして得られる層を用いる以外は、実施例1と同様にして化粧シート及び床用化粧材を作製した。なお、前記化粧シートの引張弾性率は800MPaであった。
比較例4
バッカー層として、厚さが240μmの延伸PETフィルムを用いる以外は、実施例1と同様にして化粧シート及び床用化粧材を作製した。なお、前記化粧シートの引張弾性率は2700MPaであった。
比較例5
実施例1と同様にして化粧シートを作製した。また、未硬化樹脂含浸紙として、紙坪量が70g/m2であるクラフト紙に対して、樹脂含浸率が50%となるようにフェノール系樹脂を含浸させて得られる未硬化樹脂含浸紙を用いる以外は、実施例1と同様にして床用化粧材を作製した。なお、樹脂含浸紙の引張弾性率は6000MPaであった。
比較例6
実施例1と同様にして化粧シートを作製した。また、未硬化樹脂含浸紙として、紙坪量が200g/m2であるクラフト紙に対して、樹脂含浸率が20%となるようにフェノール系樹脂を含浸させて得られる未硬化樹脂含浸紙を用いる以外は、実施例1と同様にして床用化粧材を作製した。なお、樹脂含浸紙の引張弾性率は4000MPaであった。
比較例7
実施例1と同様にして化粧シートを作製した。また、未硬化樹脂含浸紙として、紙坪量が300g/m2であるクラフト紙に対して、樹脂含浸率が150%となるようにフェノール系樹脂を含浸させて得られる未硬化樹脂含浸紙を用いる以外は、実施例1と同様にして床用化粧材を作製した。なお、樹脂含浸紙の引張弾性率は8000MPaであった。
比較例8
実施例1と同様にして化粧シートを作製した。また、未硬化樹脂含浸紙として、紙坪量が350 g/m2であるクラフト紙に対して、樹脂含浸率が50%となるようにフェノール系樹脂を含浸させて得られる未硬化樹脂含浸紙を用いる以外は、実施例1と同様にして床用化粧材を作製した。なお、樹脂含浸紙の引張弾性率は6000MPaであった。
比較例9
11.4mm厚のファルカタ合板にフェノール系接着剤を10g/尺角に塗布した上に、前記未硬化樹脂含浸紙を置き、熱圧プレス機にて120℃、7kg/cm2、1分間の条件にて熱圧成形する以外は、実施例1と同様にして化粧シート及び床用化粧材を作製した。なお、樹脂含浸紙の引張弾性率は4000MPaであった。
比較例10
バッカー層として、厚さが440μmとなるようにホモポリプロピレン系樹脂(A)層を押出し同時ラミネートして得られる層を用いる以外は、実施例1と同様にして化粧シートを作製した。次いで、化粧シートを水系接着剤(BA−10L/BA−11B、中央理化工業株式会社製)を介してファルカタ合板を貼り合わせた。なお、前記化粧シートは、当該化粧シートのバッカー層が前記水系接着剤と接するようにして貼り合わされた。これにより、床加工ラインにて幅303mm×長さ1818mmの床用化粧材を作製した。
比較例11
バッカー層として、厚さが540μmとなるようにホモポリプロピレン系樹脂(A)層を押出し同時ラミネートして得られる層を用いる以外は、比較例10と同様にして化粧シート及び床用化粧材を作製した。
なお、実施例1〜8及び比較例1〜11の床用化粧材の(i)化粧シート厚み、(ii)化粧シートの引張弾性率、(iii)原紙の紙坪量、(iv)樹脂含浸紙の含浸率、(v) 樹脂含浸紙の引張弾性率、(vi)合板の樹種については、以下の表1〜3に記載している。
試験例1(デュポン衝撃試験)
JIS K5600のデュポン衝撃試験に従って、実施例1〜8及び比較例1〜11の床用化粧材の表面上に、半径6.35mmの半球形状の先端を有した撃ち型を静止させ、前記撃ち型上に500g荷重のおもりを高さ30cmから10箇所に落下させることにより評価した。具体的には、(1)10箇所の平均凹み量、及び、(2)化粧シートの割れ数を評価した。基準は、次の通りとした。なお、△評価及び○評価を合格と判断した。
≪(1)平均凹み量評価基準≫
○:平均凹み深さが300μm以下
△:平均凹み深さが300μmよりも大きく、400μm以下
×:平均凹み深さが400μmよりも大きい
≪(2)化粧シートの割れ数評価基準≫
○:化粧シートの割れ数が3箇所以下
△:化粧シートの割れ数が4箇所〜6箇所
×:化粧シートの割れ数が7箇所以上
試験例2(耐キャスター性評価試験)
実施例1〜8及び比較例1〜11の床用化粧材を、以下の手順によって評価した。即ち、前記各床用化粧材の耐キャスター性を、床材疲労試験機No.159 (株式会社安田精機製作所)を使用して評価した。具体的には、双輪式キャスターに25kgの荷重を加えて、試験体表面を往復速度10m/min、往復回数25000回往復させた後の表面の凹み深さを評価した。評価基準は次の通りとした。なお、△評価及び○評価を合格と判断した。
○:凹み深さが50μm以下
△:凹み深さが50μmよりも大きく、100μm以下
×:凹み深さが100μmよりも大きい
試験例3(反り量評価試験)
実施例1〜8及び比較例1〜11の床用化粧材の経時的な変形(反り量)を測定した。具体的には、前記各床用化粧材をフロア用として施工を完成させた後の反り矢高量を測定した。評価基準は次の通りとした。なお、△評価及び○評価を合格と判断した。
○:長手方向の反り量が10mm以下
△:長手方向の反り量が10mmよりも大きく、15mm以下
×:長手方向の反り量が15mmよりも大きい
試験例4(寒熱繰り返し試験)
実施例1〜8及び比較例1〜11の床用化粧材に対して寒熱繰り返し試験を行った。具体的には、1×6尺サイズの各床用化粧材に対して、「80℃で2時間放置した後、−20℃で2時間放置すること」を1サイクルと定義した場合に、当該サイクルを10回(10サイクル)行った後、木質合板(基材)に対して割れが発生しているか否かを確認した。評価基準は次の通りとした。
○:木質合板に割れが発生している
×:木質合板に割れが発生していない
上記試験を行い、得られた結果を表1〜3に示す。
Figure 0006403937
Figure 0006403937
Figure 0006403937
1.木質合板
2.樹脂含浸紙
3.化粧シート

Claims (4)

  1. 比重が0.55g/cm以下の木質合板に接着剤層、樹脂含浸紙及び化粧シートが順に積層された床用化粧材であって、
    (1)前記化粧シートの厚みが0.3〜0.6mmであり、
    (2)前記化粧シートの引張弾性率が1000〜2500MPaであり、
    (3)前記樹脂含浸紙を構成する原紙の紙坪量が200〜300g/mであり、
    (4)前記樹脂含浸紙の樹脂含浸率が30〜100%であり、
    (5)前記樹脂含浸紙の引張弾性率が4500MPa以上であり、
    (6)前記樹脂含浸紙を構成する樹脂と、前記接着剤層に含まれる樹脂とが同一の樹脂である、
    ことを特徴とする、床用化粧材。
  2. 前記化粧シートの上降伏点荷重が9kgf以上である、請求項1に記載の床用化粧材。
  3. 前記化粧シートの降伏伸び率が3〜8%である、請求項1又は2に記載の床用化粧材。
  4. 床用化粧材の製造方法であって、
    (I)比重が0.55g/cm以下の木質合板上に、接着剤層を介して未硬化樹脂含浸紙を積層し、積層体を得る工程1、
    (II)前記積層体を熱圧成形することにより、前記未硬化樹脂含浸紙に含まれる樹脂を硬化させ、樹脂含浸紙とする工程2、及び
    (III)前記樹脂含浸紙上に、化粧シートを積層する工程3
    を有し、
    (1)前記化粧シートの厚みが0.3〜0.6mmであり、
    (2)前記化粧シートの引張弾性率が1000〜2500MPaであり、
    (3)前記樹脂含浸紙を構成する原紙の紙坪量が200〜300g/mであり、
    (4)前記樹脂含浸紙の樹脂含浸率が30〜100%であり、
    (5)前記樹脂含浸紙の引張弾性率が4500MPa以上であり、
    (6)前記樹脂含浸紙を構成する樹脂と、前記接着剤層に含まれる樹脂とが同一の樹脂である、
    ことを特徴とする製造方法。
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