JP6430434B2 - 床用化粧材 - Google Patents
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Description
さらに、複層台板に加工後であっても、合板の含水率が経時的に変化した場合、早材と晩材とで収縮の度合いや膨張の度合いが異なるため、経時的に表面凹凸を生じ易い。
このため、合板の上に上述した木質板を積層して複層台板としても、下層の合板の表面凹凸が、上層の木質板の表面に表出する、いわゆる合板映出を生じるという問題もあった。
されておらず、反りや引き曲がり、及び、合板映出の抑制が十分ではなかった。特に、これらの化粧板を床材として使用していくうちに、木質繊維板と、合板の含水率が変化することによる、経時的な反り、引き曲がり、及び、合板映出を抑制することができなかった。
1.1%含水率変化当たりの寸法変化率が異なる、少なくとも2種以上の木質基材が積層された木質層を有し、前記木質層の表面に化粧シートが積層されており、前記木質層の裏面に防湿フィルムが積層されている床用化粧材であって、
前記木質層は、少なくとも該木質層の最表面層として積層される第1の木質基材と、該第1の木質基材の直下に積層される第2の木質基材とを有し、前記第1の木質基材は、1%含水率変化当たりの寸法変化率が0.045%以上であり、
前記第2の木質基材は、1%含水率変化当たりの寸法変化率が0.020%以下であり、
前記第1の木質基材の平均含水率が6〜9質量%であり、
前記第2の木質基材の平均含水率が8〜12質量%であり、
前記第2の木質基材の平均含水率が、第1の木質基材の平均含水率より1質量%以上3質量%未満高く、
前記木質層は、前記第2の木質基材の下に、更に、第3の木質基材を有し、前記第3の木質基材は、第1の木質基材と同一の木質基材であり、
前記化粧シート、及び、防湿フィルムは、透湿度が2.5g/m2・24時間以下である
ことを特徴とする床用化粧材。
2.前記第2の木質基材は、平均比重が0.55g/cm3以下である、項1に記載の床用化粧材。
3.前記第1の木質基材は、中密度木質繊維板(MDF)、高密度木質繊維板(HDF)、又は、パーティクルボード(PB)である、項1又は2に記載の床用化粧材。
4.前記第1の木質基材は、厚みが1.0〜3.0mmである、項1〜3のいずれかに記載の床用化粧材。
5.前記防湿フィルムは、少なくとも合成樹脂製基材層と、蒸着層とを有する、項1〜4のいずれかに記載の床用化粧材。
6.項1〜5のいずれかに記載の床用化粧材と、透湿度が15g/m2・24時間以下のフィルムとを有することを特徴とする床用化粧材梱包品。
上記化粧シート、及び、防湿フィルムは、透湿度が7g/m2・24時間以下である
ことを特徴とする。
なお、透湿度は、JIS Z0208(透湿度試験方法(カップ法))に準じて温度40℃、湿度90%RH環境下での測定値である。以下、本明細書における透湿度は当該条件における測定値を示す。
<木質層>
本発明の床用化粧材は、1%含水率変化当たりの寸法変化率が異なる、少なくとも2種以上の木質基材が積層された木質層を有する。上記木質層は、上記構成を備えていれば特に限定されないが、図1のように、少なくとも上記木質層の最表面層として積層される第1の木質基材と、上記第1の木質基材の直下に積層される第2の木質基材とを有することが好ましい。
上記第1の木質基材としては、木質層の表面を形成するのに適した硬度と、外観品質とを備えた木質基材であれば特に限定されないが、例えば、中密度木質繊維板(MDF)、高密度木質繊維板(HDF)、パーティクルボード(PB)等が挙げられる。中でも、 表面品質(平滑性)及び耐傷性に優れる点で中密度木質繊維板(MDF)及び高密度木質繊維板(HDF)を用いることが好ましい。
なお、本明細書における「1%含水率当たりの寸法変化率」は、次の手順により測定される寸法変化率である。
(1)縦300mm×横303mmにカットした四角形の木質基材の試験片を用意する。(2)常温(25℃)環境下、試験片の現在の寸法(四辺の長さ)をノギスで測定する。(3)試験片を40℃オーブン(湿度フリー、dry雰囲気≒0%)に1週間放置する。
(4)1週間後、試験片の重量と寸法(四辺の長さ)をノギスで測定する。
(5)両条件の測定データから1%含水率変化当たりの寸法変化率を測定する。
なお、本明細書における「平均比重」は、木質基材を30×30cmの大きさで裁断して重量を測定し、裁断された木質基材の体積で除すことにより算出される値である。
即ち、床用化粧材側面には、他の床用化粧材と並設して床面に施工するために、側面両側にサネ加工が施されている場合がある。上記のように床用化粧材をカットすると、サネ加工が施されている側面と、平坦な(カット面の)側面とを有する床用化粧材となる。
ここで、サネ加工が施されている側面が凸になる状態に引き曲がりを生じた場合、当該サネ加工が施されている側面が、他の床用化粧材の側面と、凸部の頂点一点で接することになる。このため、カットされた床用化粧材の位置決めが難しく、歪んだ状態で施工してしまうと矯正し難いため、施工が困難になる。
一方、サネ加工が施されている側面が凹になる状態に引き曲がりを生じた場合、当該サネ加工が施されている側面が、他の床用化粧材の側面と、凹部の両端二点で接することに
なる。このため、引き曲がりが生じていても、カットされた床用化粧材の位置決めが可能であり、施工がそれ程困難にならない。
従って、カットした床用化粧材が引き曲がりを生じる場合、サネ加工が施されている側面が凹になる方が、凸になるよりも好ましい。
なお、本明細書における木質基材の平均含水率及び含水率差(以下、「含水率差」は、木質基材の周辺部と中央部の含水率差を示す。)は次の手順で測定される値である。
(A)図4に示す通り、縦303mm×横1818mmの木質基材を用意する。
(B)木質基材の周辺から5cmの範囲を周辺部とし、それよりも内側を中央部とする。図4に1〜35で示されるように均等に5cm×5cmのサンプルを35個採取し、全乾法により含水率を測定する。全乾法とは、各サンプルを105℃のオーブンに3日間放置した後、下記算出式から各サンプルの含水率を測定する方法である。放置前を処理前、放置後を処理後と言う。
含水率(質量%)={(処理前重量−処理後重量)/処理後重量}×100
(C)35個のサンプルの平均値を「平均含水率」とする。
(D)中央部のサンプル(15個)の平均値から周辺部のサンプル(20個)の平均値を引いた値を「含水率差」とする。
上記第2の木質基材としては、第1の木質基材と、1%含水率当たりの寸法変化率が異なり、木質層を形成するのに適した剛性を示すものであれば特に限定されないが、ラワン代替材料を用いることが好ましい。すなわち、従来のラワン合板等に置き換わる材料であって、例えば、針葉樹合板、早成樹合板等の少なくとも1種を用いることが好ましい。上記早成樹としては、ポプラ、ファルカタ、アカシア、カメレレ、ユーカリ、ターミナリア等が挙げられる。また、上記針葉樹としては、椴松、唐松等が挙げられる。中でも、外観品質に優れる点で、椴松を用いることがより好ましい。
また、第2の木質基材は、平均比重が0.55g/cm3以下であることが好ましい。
化粧材をカットして用いる場合でも反りや引き曲がりの発生を抑制することができる。なお、床用化粧材をカットして用いる場合としては、具体的には、床用化粧材を施工する部屋の隅部分(壁際又は柱の周辺)に施工する場合が想定される。
即ち、第1の木質基材として、1%含水率変化当たりの寸法変化率が0.030%以上のものを用い、第2の木質基材として、1%含水率変化当たりの寸法変化率が0.025%以下のものを用いた場合、各木質基材の平均含水率の変化に起因する寸法変化量は、第1の木質基材の方が大きい。
ここで、各木質基材の寸法変化は、主に、乾燥等により平均含水率が減少し、収縮することに起因する。上記構成のように、第1の木質基材の平均含水率を、第2の木質基材の平均含水率よりも予め低く設定しておけば、乾燥等による平均含水率の変化は、第1の木質基材の方が小さくなる。よって、第1の木質基材の寸法変化量を小さくすることができ、第1の木質基材の寸法変化量と、第2の木質基材の寸法変化量との差を小さくすることができる。
従って、第2の木質基材の平均含水率が、第1の木質基材の平均含水率より1質量%以上高い構成とすることで、床用化粧材の反りや引き曲がりを抑制することができる。
上記谷反りとは、床用化粧材の端部が上方向に向かって反る反りである。一般に、床用化粧材が谷反りを生じると、床面に施工した際に、各床用化粧材の端部が上方向に持ち上がり、並接して施工された床用化粧材との間に段差を生じる。このため、歩行者が床面を歩行する際に、つまづいたり、ガタつきを生じたりするおそれがある。また、このような段差は目立つので、床面の意匠性を損ねるおそれもある。
本発明の床用化粧材は、第2の木質基材の平均含水率と、第1の木質基材の平均含水率とを上記構成とすることで、上層である第1の木質基材の寸法変化量(収縮)を、その下層に積層される第2の木質基材の寸法変化量(収縮)より小さくすることにより、床用化粧材端部の上方向への反りを抑制することができる。
従って、第2の木質基材の平均含水率が、第1の木質基材の平均含水率より1質量%以上高い構成とすることで、床用化粧材にとって好ましくない谷反りを抑制することができる。
本発明の床用化粧材を構成する木質層は、図2に示すように、上記第2の木質基材の下
に、更に、第3の木質基材を有するものであってもよい。上記第3の木質基材としては、木質層を形成するのに適した剛性を示すものであれば特に限定されず、所望の木質基材を用いることができる。
即ち、上記構成とすることで、第1の木質基材の反りの度合いと、第3の木質基材の反りの度合いとを同等とすることができ、木質層表面に積層される第1の木質基材の端部が上方向に反ろうとした場合であっても、第3の木質基材の端部が下方向に反ろうとすることで、反りが相殺され、結果として床用化粧材の反りを抑制することができる。
また、第3の木質基材は、平均比重が0.6〜0.9g/cm3であることが好ましく、0.7〜0.8g/cm3であることがより好ましい。上記平均比重があまりに小さいと、床材に必要な剛性度や耐傷付性を示さなくなるおそれがあり、あまりに大きいと、床用化粧材の重量が重くなり、施工時の労力が増大し、また、運搬が困難になるおそれがある。
る。
第1の木質基材のおもて面には化粧シートが積層されている。上記化粧シートとしては、温度40℃、湿度90%における透湿度が7g/m2・24時間以下のものが用いられる。5g/m2・24時間以下のものが好ましい。化粧シートの構造は限定的ではないが、例えば、基材シート上に絵柄層(ベタインキ層・柄インキ層)、透明性樹脂層及び表面保護層を順に有するものが好ましい。以下、この化粧シートを例示的に説明する。
具体的には、軟質、半硬質又は硬質ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル等が挙げられる。上記の中でも、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂が好ましい。
透明性樹脂層には、充填剤、艶消し剤、発泡剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、ラジカル捕捉剤、軟質成分(例えば、ゴム)等の各種の添加剤を含めてもよい。
紫外線源としては、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク灯、ブラックライト蛍光灯、メタルハライドランプ灯の光源が使用できる。紫外線の波長としては、190〜380nm程度である。
レン・アクリル酸共重合体、アイオノマー、ブタジエン・アクリルニトリルゴム、ネオプレンゴム、天然ゴム等を有効成分とする接着剤が挙げられる。接着剤層の厚さは限定的ではないが、0.1〜50μm程度が好ましい。
防湿フィルムは、木質層の裏面に設けられる。本発明では、防湿フィルムは、温度40℃、湿度90%における透湿度が7g/m2・24時間以下のものを用いる。その中でも透湿度が5g/m2・24時間以下のものが好ましい。
このようなプライマー層に用いる樹脂としては、エステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール系樹脂、ニトロセルロース系樹脂等を挙げることができ、これらの樹脂は単独又は混合して使用できる。プライマー層の形成は、ロールコート法やグラビア印刷法等の適宜の塗布手段を用いて行える。
レンゴム、天然ゴム等を有効成分とする接着剤が挙げられる。接着剤層の厚さは限定的ではないが、0.1〜50μm程度が好ましい。
上記製造方法としては、例えば、1%含水率変化当たりの寸法変化率が異なる少なくとも2種以上の木質基材が積層された木質層を有し、前記木質層の表面に化粧シートが積層され、上記木質層の裏面に防湿フィルムが積層されている床用化粧材の製造方法であって、(1)上記木質基材間に接着剤を塗布して積層し、木質基材積層体を作製する工程1と、(2)上記木質基材積層体に圧力をかけて、木質層を形成する工程2と、(3)上記木質層の表面に化粧シートを接着する工程3と、(4)上記木質層の裏面に防湿フィルムを接着する工程4とを含み、上記化粧シート、及び、防湿フィルムは、透湿度が7g/m2・24時間以下であり、上記工程2は、0.098〜0.490MPaの圧力条件で行われる製造方法が挙げられる。
以下、この製造方法について、例示的に説明する。
上記工程1は、木質基材間に接着剤を塗布して積層し、木質基材積層体を作製する工程である。
工程1に用いられる木質基材としては、上述した木質基材を使用することができる。木質基材積層体を積層して木質基材積層体を作製する方法としては、従来公知の積層方法を用いることができる。
上記接着剤としては、例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、アイオノマー、ブタジエン・アクリルニトリルゴム、ネオプレンゴム、天然ゴム等を有効成分とする水性の接着剤が挙げられる。接着剤層の厚さは限定的ではないが、0.1〜50μm程度が好ましい。
工程2は、上記木質基材積層体に圧力をかけて、木質層を形成する工程である。
上記木質基材積層体に圧力をかける方法としては、特に限定されず、従来公知の方法により圧力をかけることができる。上記木質基材積層体に圧力をかける方法としては、例えば、コールドプレス機にてプレスする方法が挙げられる。
また、上記圧力が高すぎると、第2の木質基材の表面の早材、晩材の比重差に起因する表面凹凸が、積層された第1の木質基材に強く押し付けられることで、第1の木質基材の表面に浮き出てしまい、合板映出が生じるおそれがある。
工程3は、上記木質層の表面に化粧シートを接着する工程である。
工程3に用いられる化粧シートとしては、上述の化粧シートを用いることができる。
上記木質層の表面に化粧シートを接着する方法としては、特に限定されず、従来公知の方法により接着することができる。
工程4は、上記木質層の裏面に防湿フィルムを接着する工程である。
工程4に用いられる防湿フィルムは、上述の防湿フィルムを用いることができる。
上記木質層の裏面に防湿フィルムを接着する方法としては、特に限定されず、従来公知の方法により接着することができる。上記木質層の裏面に防湿フィルムを接着する方法としては、接着剤で貼り合わせる方法が挙げられる。
上記他の工程としては、例えば、上記工程1〜4によって得られた床用化粧材を、ギャングソーで所望の大きさにカットする工程、テノーナーにて、サネ加工、端部面取り部、及び、V溝加工部に、2液硬化型ウレタン樹脂等を含む塗料を塗布する工程等が挙げられる。
このような工程を有することで、各工程から、次工程へ移行するまでに、長時間経過した場合であっても、木質基材の平均含水率が変化することを抑制することが可能となる。
上記フィルムとしては、上述のフィルムを用いることができる。
このような工程を有することで、製造された床用化粧材の木口(側面)から水分が浸透することを抑制し、床用化粧材の経時的な反りや引き曲がり、合板映出の発生を抑制することが可能となる。
上記フィルムとしては、上述のフィルムを用いることができる。
なお、本明細書において、「1尺」とは303mmを示し、「尺角」とは縦303mm×横303mmで表される平面の面積を示す。
(1)第2の木質基材として、1%含水率変化当たりの寸法変化率0.020%、平均含水率9質量%の9mm厚針葉樹合板(椴松)を用意した。この表面に水性酢ビ系接着剤を約10g/尺角塗布して、第1の木質基材として用意した、1%含水率変化当たりの寸法変化率0.045%、平均含水率7質量%の2.7mm厚MDFを積層して木質基材積層体を作製した。これを繰り返し、50セットの木質基材積層体(MDF/針葉樹合板)を作製して、これらを順に堆積した。
(2)上記木質基材積層体を堆積したものを、コールドプレス機にてプレス圧0.294MPaの条件下で30分間プレスして、50セットの木質層を作製した。
(3)各セットの木質層の裏面(針葉樹合板側)に中央理化工業製接着剤(BA−10L/BA−11B)を用いて防湿フィルム(蒸着フィルム)を貼り合わせた。
(4)木質層の表面側には、化粧シートを、中央理化工業製接着剤(BA−10L/BA−11B)を用いて貼り合わせた。この状態を化粧板と称する。
なお、実施例1で用いられる化粧シートの作製は次の通りとした。即ち、両面にコロナ放電処理を施した60μmの厚さの着色ポリオレフィンフィルムの一方の面に、アクリルウレタン系樹脂からなる印刷インキで2μm厚さの絵柄印刷層を形成した。他方の面にウレタン−硝化綿混合樹脂100重量部にヘキサメチレンジイソシアネート5重量部を添加してなるプライマーを塗布して、2μmの厚さの裏面プライマー層を形成した。次いで、上記絵柄印刷層上に、アクリルポリオール−ウレタン混合樹脂100重量部にヘキサメチレンジイソシアネート11重量部を添加してなる接着剤を塗布し、3μm厚さの透明接着剤層を形成した。該透明接着剤層上に、Tダイ押出機でポリプロピレン系熱可塑性エラストマーを加熱溶融押出しして80μmの厚さの透明樹脂層を形成すると共に、該透明樹脂層上にアクリルポリオール−ウレタン混合樹脂100重量部にヘキサメチレンジイソシアネート6重量部を添加してなるプライマーを塗布して2μmの厚さの表面保護層用プライマー層を形成した。次いで、該表面保護層用プライマー層上に、アクリレート系電子線硬化型樹脂をグラビアコート法により固形分が15g/m2となるように塗布・乾燥した後に、電子線を照射して電子線硬化型樹脂からなる表面保護層を形成した。さらに、該表面保護層側からエンボス加工を施して、木目導管柄の凹凸模様が形成された160μm厚の化粧シートを作製した。
(5)化粧板をギャングソーで縦313mm×横1840mmの大きさにカットした。
(6)また、テノーナーにて、サネ加工、端部面取り加工及びV溝加工を行った。
(7)更に、塗装ラインにて端部面取り部及びV溝加工部に塗料(2液硬化型ウレタン樹脂を含む)を塗布した。
(8)また、上記(3)〜(6)の、防湿フィルムの貼り合わせ〜テノーナー加工までの仕掛品及び塗装後の最終製品梱包品を38μm厚のポリエチレンフィルム(PEフィルム
)で包むことで防湿処理を行い、床用化粧材を作製した。
防湿フィルムとして、30μm厚二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPPフィルム)を用いた以外は、実施例1と同様にして床用化粧材を作製した。
第2の木質基材として、植林木合板(ファルカタ、9mm厚)を使用し、防湿フィルムとして30μm厚OPPフィルムを用いた以外は、実施例1と同様にして床用化粧材を作
製した。
化粧シートとして、60μm厚の単層化粧シートを用いた以外は、実施例1と同様にして床用化粧材を作製した。単層化粧シートは以下の方法により作製した。即ち、60μm厚着色ポリオレフィンフィルムに絵柄印刷を施した後に、電離放射線硬化型樹脂を表面保護層として15μmの厚みでコートし、電子線を照射して表面保護層を硬化させ、80μm厚単層化粧シートを作製した。
MDFと針葉樹合板とを貼り合わせる際のプレス圧を0.490MPaとした以外は実施例1と同様にして床用化粧材を作製した。
MDFと針葉樹合板とを貼り合わせる際のプレス圧を0.686MPaとした以外は実施例1と同様にして床用化粧材を作製した。
MDFと針葉樹合板とを貼り合わせる際のプレス圧を0.098MPaとした以外は実施例1と同様にして床用化粧材を作製した。
第1の木質基材として、平均含水率6質量%のMDFを用いた以外は、実施例1と同様にして床用化粧材を作製した。
第1の木質基材として、平均含水率9質量%のMDFを用い、第2の木質基材として、平均含水率10質量%の植林木合板(ファルカタ)を用いた以外は、実施例1と同様にして床用化粧材を作製した。
第2の木質基材として、平均含水率8質量%の針葉樹合板を用いた以外は、実施例1と同様にして床用化粧材を作製した。
第1の木質基材として、平均含水率7質量%のMDFを半裁して1.2mm厚の厚みとしたものを用い、第2の木質基材として、10.8mm厚の針葉樹合板を用いた以外は、実施例1と同様にして床用化粧材を作製した。
第2の木質基材として、9.5mm厚植林木合板(ファルカタ)を用意し、その表裏面に1.2mm厚のMDF半裁品を貼り合わせて、第1の木質基材、及び、第3の木質基材とした以外は、実施例1と同様にして床用化粧材を作製した。
第1の木質基材として、平均含水率5質量%のMDFを用いた以外は、実施例1と同様にして床用化粧材を作製した。
第1の木質基材として、平均含水率10質量%のMDFを用いた以外は、実施例1と同
様にして床用化粧材を作製した。
第2の木質基材として、平均含水率7質量%の針葉樹合板を用いた以外は、実施例1と同様にして床用化粧材を作製した。
仕掛品及び最終製品梱包品を30μm厚PEフィルム(透湿度:15g)で包んだ以外は、実施例1と同様にして床用化粧材を作製した。
仕掛品及び最終製品梱包品を蒸着フィルム(透湿度:1g)で包んだ以外は、実施例1と同様にして床用化粧材を作製した。
仕掛品及び最終製品梱包品をアルミ箔とPETフィルムを貼り合わせたフィルム(透湿度:0g)で包んだ以外は、実施例1と同様にして床用化粧材を作製した。
仕掛品及び最終製品梱包品を、12μm厚PEフィルムで2重に包んだ以外は、実施例1と同様にして床用化粧材を作製した。
化粧シートとして、80μm厚の単層化粧シートを用い、防湿フィルムとして、23g強化紙/PE(30μm)/23g強化紙の構成のものを用いた以外は、実施例1と同様にして床用化粧材を作製した。
木質層の裏面に、防湿フィルムを貼り合わせなかった以外は実施例1と同様にして床用化粧材を作製した。
実施例1〜15、及び、比較例1で作製した床用化粧材の、製造後の合板映出を、目視により評価した。
評価基準は次の通りとした。
○:合板映出が発生していない。
△:軽微な合板映出が発生している。
×:程度の強い合板映出が発生している。
結果を表1〜表3に示した。
実施例1〜15、及び、比較例1で作製した床用化粧材を、60℃の乾燥炉中に1分間放置し、床用化粧材の木質基材間の剥離(浮き)を、目視により評価した。
評価基準は次の通りとした。
○:基材間の剥離が発生していない。
△:軽微な剥離が発生している。
×:程度の強い剥離が発生している。
結果を表1〜表3に示した。
実施例1〜15、及び、比較例1で作製した床用化粧材を、40℃、90%RH雰囲気中に1週間放置し、合板映出を目視により評価した。
評価基準は次の通りとした。
○:合板映出が発生していない。
△:軽微な合板映出が発生している。
×:程度の強い合板映出が発生している。
結果を表1〜表3に示した。
実施例1〜15、及び、比較例1で作製した床用化粧材を、40℃、10%RH雰囲気中に1週間放置し、幅反り量を評価した。幅反り量の模式図を図3に示す。幅反り量は、隙間ゲージで測定し、化粧面側が凸となる状態を+表示とした。
評価基準は次の通りとした。
○:−0.6mm/1尺〜+0.6mm/1尺
△:−0.8mm/1尺〜−0.61mm/1尺、又は、+0.61mm/1尺〜+0.8mm/1尺
×:−0.81mm/1尺以下、又は、+0.81mm/1尺以上
結果を表1〜表3に示した。
実施例1、及び、16〜19の床用化粧材について、表面シートを水系接着剤(7g/尺角)にてラミネート後、積層して養生した。任意抜き取りの5枚全部において、長手方向の反り量が10mm/6尺以下となるまでの日数を評価した。
評価基準は次の通りとした。
○:3日以内
△:4〜5日
×:6日以上
結果を表4に示した。
実施例1、及び、16〜19で作製した床用化粧材(縦313mm×横1840mm)を梱包し、40℃、90%RH雰囲気中に2週間放置した。この床用化粧材を取り出し、中央部で約半分(縦150mm×横1840mm)にカットした。カットされた床用化粧材について、直線定規と隙間ゲージを用いて横方向の引き曲がり量を測定し、評価した。引き曲がり量の模式図を図3に示す。
測定はカット後30分以内に行った。引き曲がり量は、各サネ側(オスサネ、メスサネ)が凸になる状態を+表示とした。
評価基準は次の通りとした。
○:−0.5mm/6尺〜+0.5mm/6尺
△:−1mm/6尺以上−0.5mm/6尺未満、又は、+0.5mm/6尺を超え+0.8mm/6尺以下
×:−1mm/6尺未満、又は、+0.8mm/6尺を超える
結果を表4に示した。
表1の結果から、実施例1で得られた床用化粧材は、表面の化粧シート、及び、裏面の防湿フィルムの透湿度が適正であるので、合板映出や反りが十分に抑制され、木質基材間の剥離も十分に抑制されていた。また、実施例2〜4で得られた床用化粧材も、化粧シート、又は、防湿フィルムの透湿度が実施例1より大きいため、やや劣るが、合板映出や反りが抑制され、木質基材間の剥離も抑制されていた。一方、比較例1で得られた床用化粧材は、防湿フィルムの透湿度が高いため、反りや合板映出が発生した。
表2の結果から、実施例1で得られた床用化粧材は、木質層を形成する際の圧力条件が適正であるため、合板映出や反りが十分に抑制され、木質基材間の剥離も十分に抑制されていた。また、実施例5、及び、6で得られた床用化粧材も、木質層を形成する際の圧力が実施例1より大きいため、初期外観品質(合板映出の評価)がやや劣るが、合板映出や反りが抑制され、木質基材間の剥離も抑制されていた。更に、実施例7で得られた床材も、木質層を形成する際の圧力が実施例1より小さいため、木質基材間の接着性評価におい
て劣るが、合板映出や反りが抑制されていた
表3の結果から、実施例1、及び、11で得られた床用化粧材は、第1の木質基材、及び、第2の木質基材の平均含水率が適正であり、且つ、第1の木質基材と、第2の木質基材との平均含水率の差も適正であるので、合板映出、及び、反りが十分に抑制されていた。また、実施例12の床用化粧材は、第1の木質基材と同一の材料で第3の木質基材が形成されているので、第1の木質基材の反りの度合いと、第3の木質基材の反りの度合いとを同等とすることができ、第2の木質基材を挟んで反りが相殺され、床用化粧材の反りが発生しなかった。また、合板映出も十分に抑制されていた。
表4の結果から、実施例1で得られた床用化粧材は、透湿度が適正なフィルムで梱包されていたので、必要養生日数が適切であり、環境試験後の引き曲がりが十分に抑制されていた。また、実施例16で得られた床用化粧材は、フィルムの透湿度が実施例1より大きいため、環境試験後の引き曲がりが若干発生したが、必要養生日数は適切であった。また、実施例17で得られた床用化粧材は、フィルムの透湿度が実施例1より小さいいため、必要養生日数が若干長いが、環境試験後の引き曲がりが十分に抑制されていた。実施例1
8で得られた床用化粧材は、フィルムの透湿度が0であるので、接着剤の水分が残存して接着性を発現し難くなり、次工程までの養生日数が若干多くなったが、環境試験後の引き曲がりが十分に抑制されていた。実施例19で得られた床用化粧材は、フィルムの透湿度が実施例1より大きいため、環境試験後の引き曲がりが若干発生したが、必要養生日数は適切であった。
2.木質層
21.第1の木質基材
22.第2の木質基材
23.第3の木質基材
3.化粧シート
4.防湿フィルム
Claims (6)
- 1%含水率変化当たりの寸法変化率が異なる、少なくとも2種以上の木質基材が積層された木質層を有し、前記木質層の表面に化粧シートが積層されており、前記木質層の裏面に防湿フィルムが積層されている床用化粧材であって、
前記木質層は、少なくとも該木質層の最表面層として積層される第1の木質基材と、該第1の木質基材の直下に積層される第2の木質基材とを有し、前記第1の木質基材は、1%含水率変化当たりの寸法変化率が0.045%以上であり、
前記第2の木質基材は、1%含水率変化当たりの寸法変化率が0.020%以下であり、
前記第1の木質基材の平均含水率が6〜9質量%であり、
前記第2の木質基材の平均含水率が8〜12質量%であり、
前記第2の木質基材の平均含水率が、第1の木質基材の平均含水率より1質量%以上3質量%未満高く、
前記木質層は、前記第2の木質基材の下に、更に、第3の木質基材を有し、前記第3の木質基材は、第1の木質基材と同一の木質基材であり、
前記化粧シート、及び、防湿フィルムは、透湿度が2.5g/m2・24時間以下である
ことを特徴とする床用化粧材。 - 前記第2の木質基材は、平均比重が0.55g/cm3以下である、請求項1に記載の床用化粧材。
- 前記第1の木質基材は、中密度木質繊維板(MDF)、高密度木質繊維板(HDF)、又は、パーティクルボード(PB)である、請求項1又は2に記載の床用化粧材。
- 前記第1の木質基材は、厚みが1.0〜3.0mmである、請求項1〜3のいずれかに記載の床用化粧材。
- 前記防湿フィルムは、少なくとも合成樹脂製基材層と、蒸着層とを有する、請求項1〜4のいずれかに記載の床用化粧材。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の床用化粧材と、透湿度が15g/m2・24時間以下のフィルムとを有することを特徴とする床用化粧材梱包品。
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