JP2002356980A - クッション性床材とその製造方法 - Google Patents

クッション性床材とその製造方法

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JP2002356980A
JP2002356980A JP2001187824A JP2001187824A JP2002356980A JP 2002356980 A JP2002356980 A JP 2002356980A JP 2001187824 A JP2001187824 A JP 2001187824A JP 2001187824 A JP2001187824 A JP 2001187824A JP 2002356980 A JP2002356980 A JP 2002356980A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 均一で微細な発泡セルが形成された発泡状態
の良い裏面層を有するクッション性床材とその製造方
法、並びに、全体が発泡状態の良いクッション性床材を
提供する。 【解決手段】 熱分解性発泡剤で発泡された裏面層2が
無発泡の表面層1に溶着されたクッション性床材10で
あって、裏面層2は主成分の熱可塑性樹脂に少なくとも
発泡改良剤を含んだ構成とする。また、床材全体に発泡
改良剤を含有させ熱分解性発泡剤で発泡させた構成とし
てもよい。いずれも発泡改良剤によって発泡状態が良く
なり、均一で微細な発泡セルを形成できる。前者の床材
10の製造方法は、熱分解性発泡剤と発泡改良剤を含ん
だ裏面層形成用混合物と、表面層形成用材料とを積層し
て、発泡剤の熱分解温度より低温で溶着した後、熱分解
温度以上の温度で裏面層側から加熱し、裏面層を効率良
く発泡させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂製の
クッション性床材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ビルの通路や室内の床面に
は、塩化ビニル樹脂製の単層構造の床材や、表面層と裏
面層を積層一体化した積層構造の床材が貼付けられてい
る。また最近では、塩化ビニル樹脂製の床材に代えて、
火災時に有害な塩素ガスや塩化水素ガスを出さないオレ
フィン系樹脂製の床材も開発されている。けれども、こ
れらの床材は無発泡であるため、重量が大きく、クッシ
ョン性(弾力性)に劣るという問題があった。
【0003】そこで、本出願人は、熱可塑性樹脂を主成
分とする無発泡の表面層と、熱可塑性樹脂を主成分とす
る低発泡の裏面層とを積層一体化してなる床材を開発し
た。この床材は、低発泡の裏面層が、熱可塑性樹脂を主
成分とするペレットと発泡剤との混合物を加熱により軟
化溶融させると同時に発泡させて表面層に溶着したもの
であるため、表面層と裏面層との耐剥離強度が大きく、
比較的軽量であり、クッション性が適度でソフトな歩行
感を有するものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
床材は、裏面層の発泡効率があまり良くないという問題
があり、また、微細な気泡が形成されにくく、気泡の均
一性も充分ではないという問題があった。一方、単層構
造の床材においても、均一で微細な気泡を有するクッシ
ョン性の適度な床材の開発が望まれている。
【0005】本発明は、上記の問題を解決し得るクッシ
ョン性床材とその製造方法を提供すること、並びに、上
記の要望に応え得るクッション性を提供することを目的
としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の請求項1に係るクッション性床材は、熱可
塑性樹脂を主成分とする無発泡の表面層と、この表面層
に溶着され且つ熱分解性発泡剤によって発泡された裏面
層とからなる床材であって、裏面層は熱可塑性樹脂を主
成分とし、他の成分として少なくとも発泡改良剤を含ん
でいることを特徴とするものであり、本発明の請求項2
に係るクッション性床材は、熱可塑性樹脂を主成分とす
る無発泡の表面層と、この表面層に溶着され且つ熱分解
性発泡剤によって発泡された熱可塑性樹脂を主成分とす
る裏面層とからなる床材であって、裏面層の発泡倍率が
2〜7倍、発泡セル径が50〜500μmであることを
特徴とするものであり、本発明の請求項3に係るクッシ
ョン性床材は、熱可塑性樹脂を主成分とする無発泡の表
面層と、この表面層に溶着され且つ熱分解性発泡剤によ
って発泡された裏面層とからなる床材であって、裏面層
は熱可塑性樹脂を主成分とし、他の成分として少なくと
も発泡改良剤を含んでおり、その発泡倍率が2〜7倍、
発泡セル径が50〜500μmであることを特徴とする
ものであり、本発明の請求項4に係るクッション性床材
は、上記請求項1又は3の床材において、その裏面層に
含まれている発泡改良剤が、リチウム化合物及び亜鉛化
合物のいずれか一方又は双方と、クエン酸塩であること
を特徴とするものであり、本発明の請求項5に係るクッ
ション性床材は、上記請求項1〜4のいずれかの床材に
おいて、その表面層と裏面層との間に繊維層が介在され
ていることを特徴とするものである。
【0007】そして、本発明の請求項6に係るクッショ
ン性床材は、熱分解性発泡剤によって発泡された熱可塑
性樹脂を主成分とする床材であって、他の成分として少
なくとも発泡改良剤が含まれており、その発泡倍率が2
〜7倍、発泡セル径が50〜500μmであることを特
徴とするものであり、本発明の請求項7に係るクッショ
ン性床材は、上記請求項6の床材において、その裏面に
繊維層が設けられていることを特徴とするものであり、
本発明の請求項8に係るクッション性床材は、上記請求
項6又は7の床材において、その裏面にプライマー層が
設けられていることを特徴とするものである。
【0008】また、本発明の請求項9に係るクッション
性床材の製造方法は、熱可塑性樹脂を主成分とするペレ
ットに、熱分解性発泡剤と発泡改良剤を混合するか、又
は、熱分解性発泡剤と発泡改良剤を含んだ熱可塑性樹脂
の粉状マスターバッチを混合することによって、裏面層
形成用混合物を調製し、この裏面層形成用混合物からな
る第一層の上に、熱可塑性樹脂を主成分とする表面層形
成用材料からなる第二層を積層して、熱分解性発泡剤の
熱分解温度より低い温度で加熱することにより、第一層
と第二層を軟化溶融させて互いに溶着し、更に第一層側
から熱分解性発泡剤の熱分解温度以上の温度で加熱して
第一層を発泡させることを特徴とするものであり、本発
明の請求項10に係る製造方法は、上記請求項9の製造
方法において用いる発泡改良剤が、リチウム化合物及び
亜鉛化合物のいずれか一方又は双方と、クエン酸塩であ
ることを特徴とするものであり、本発明の請求項11に
係る製造方法は、上記請求項9又は10の製造方法にお
いて第一層と第二層を積層するときに両層の間に繊維層
を挟み込むことを特徴とするものである。
【0009】本発明の請求項1,3に係るクッション性
床材のように裏面層に発泡改良剤を含むものは、請求項
9の製造方法によってクッション性床材を製造すると
き、発泡剤の熱分解による第一層の発泡工程において、
発泡改良剤の働きにより均一で微細な発泡セルが第一層
(裏面層)に形成されるため、発泡状態が良好な裏面層
を備えたクッション性床材を得ることが可能となる。し
かも、請求項9の製造方法のように、第一層と第二層の
溶着工程と、第一層の発泡工程を分離し、発泡工程で第
一層側から加熱して発泡させると、発泡改良剤が含まれ
ていることと相俟って、効率良く第一層(裏面層)を発
泡させることが可能となる。発泡改良剤としては、請求
項4,10に記載されたリチウム化合物及び亜鉛化合物
のいずれか一方又は双方と、クエン酸塩とを併用するの
が特に有効である。
【0010】そして、請求項2,3のクッション性床材
のように裏面層の発泡倍率が2〜7倍、発泡セル径が5
0〜500μmであると、裏面層が脆弱化せず、発泡セ
ルが実質的に均一で微細な独立発泡セルとなり、適度な
クッション性が発揮されるため、歩行感がソフトな高品
質のクッション性床材が得られる。
【0011】また、請求項11の製造方法のように、第
一層と第二層を積層するときに両層の間に繊維層を挟み
込むことによって、請求項5の如き表面層と裏面層との
間に繊維層が介在するクッション性床材を製造すると、
繊維層の補強作用によってクッション性床材の引張り強
度、引裂き強度、寸法安定性などが向上するだけでな
く、第一層(裏面層)の発泡工程において発泡剤の分解
ガスが繊維層の空隙を通って排気されるため、分解ガス
が第二層(表面層)まで浸入して発泡させる心配がなく
なる。
【0012】一方、請求項6のクッション性床材のよう
に発泡改良剤が含まれ、発泡倍率が2〜7倍、発泡セル
径が50〜500μmであると、発泡セルが実質的に均
一で微細な独立発泡セルとなり、単層の床材でも脆弱化
せず、適度なクッション性が発揮されるため、歩行感が
ソフトな高品質のクッション性床材が得られる。そし
て、請求項7のクッション性床材のように裏面に繊維層
が設けられていると、該繊維層の補強作用によって床材
の引張強度や寸法安定性が向上するだけでなく、床面に
対する接着強度が向上する。また、請求項8のクッショ
ン性床材のように裏面にプライマー層が設けられている
と、該プライマー層によって床面に対する接着強度が向
上する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の具
体的な実施形態を詳述する。
【0014】図1は本発明の一実施形態に係るクッショ
ン性床材の概略断面図であって、このクッション性床材
10は、無発泡の表面層1と発泡した裏面層2との間に
補強用の繊維層3を介在させて積層一体化した構造を有
する。
【0015】表面層1は、熱可塑性樹脂を主成分とし、
これに無機質充填材、着色剤、安定剤等を含有させた厚
さ0.5〜3mm程度の無発泡の層であり、この表面層
1には滑止め用の凹凸模様1aが形成されている。主成
分の熱可塑性樹脂としては、ポリ塩化ビニルなどのビニ
ル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフ
ィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂などが単
独で又は適宜混合して使用される。
【0016】一方、裏面層2は、熱分解性発泡剤によっ
て発泡された厚さ0.5〜3mm程度の層であって、表
面層1と同様の熱可塑性樹脂を主成分とし、無機質充填
材、着色剤、安定剤等の他に、発泡改良剤が含まれてい
る。この裏面層2は、繊維層3の空隙を通して表面層1
に溶着しているため、接合強度が大きく容易に剥離する
ことはない。
【0017】裏面層2の発泡倍率は、熱分解性発泡剤の
量を加減することによって2〜7倍の範囲に調節するこ
とが好ましく、7倍より大きくなると、裏面層2の強度
低下が大きくなり、逆に、2倍より小さくなると、軽量
化やクッション性が不充分になる。
【0018】熱分解性発泡剤としては従来公知のものを
広く使用することが可能であるが、その中でも、ヒドラ
ジド系の発泡剤[例えば、P,P′−オキシビス(ベン
ゼンスルホニルヒドラジド)など]が好ましく使用され
る。この熱分解性発泡剤は、本発明の製造方法で調製さ
れる裏面層形成用混合物には含まれているが、発泡工程
で大部分が熱分解するため、クッション性床材の裏面層
2には実質的に含まれていない。裏面層形成用混合物に
おける熱分解性発泡剤の配合量は、裏面層2が上記の発
泡倍率となるように適宜調節することが大切である。具
体的な配合量は熱分解性発泡剤の種類や分解ガス発生量
等によって異なるが、例えば、上記のヒドラジド系発泡
剤を用いて発泡倍率が2〜7倍の裏面層2を形成する場
合には、裏面層形成用混合物中の熱可塑性樹脂100重
量部に対してヒドラジド系発泡剤を1〜4重量部の割合
で配合すればよい。
【0019】また、上記の発泡改良剤は、発泡効率や発
泡状態を改善し、均一で微細な発泡セルを形成するため
に含有させるものであって、好ましくは、リチウム化合
物及び亜鉛化合物のいずれか一方又は双方と、クエン酸
塩とが併用される。リチウム化合物としては炭酸リチウ
ムなどが、亜鉛化合物としては亜鉛華などが、クエン酸
塩としてはクエン酸ナトリウムなどが好適に使用され
る。リチウム化合物、亜鉛化合物、クエン酸塩のそれぞ
れの含有量は少量でよく、多くても熱分解性発泡剤と同
量もしくはそれ以下である。
【0020】このような発泡改良剤を熱分解性発泡剤と
併用すると、発泡セル径が50〜500μmと微細で均
一な独立発泡セルが形成され、この独立発泡セルによっ
て良好なクッション性が裏面層2に付与されるため、歩
行感のソフトな高品質のクッション性床材を得ることが
できる。発泡セル径が500μmより大きくなると、発
泡セルが壊れやすくなって裏面層2が連続発泡体に近づ
き、クッション性(弾力性)が低下してヘタリが生じや
すくなる。一方、50μmより小さい発泡セルは、発泡
改良剤を併用しても形成することは容易でない。
【0021】なお、分散性の極めて良好な熱分解性発泡
剤を選択使用することによって50〜500μmの微細
な独立発泡セルを形成できる場合は、発泡改良剤を併用
する必要はない。
【0022】表面層1と裏面層2の間の補強用の繊維層
3は、クッション性床材10の引張り強度、引裂き強
度、寸法安定性等を向上させると共に、発泡時の分解ガ
スのガス抜き層の役目を果たすものであり、例えばガラ
ス繊維等の無機繊維やプラスチック繊維等の有機繊維か
らなる不織布や織布等が使用され、特にガラス繊維の不
織布は厚みが薄く強度や変形の自由度等の点で最適なも
のである。
【0023】この繊維層3は、裏面層2の層内に埋設し
たり、裏面層2の下面に半埋入状態で付着させてもよ
く、後者のようにガラス不織布3を裏面層2の下面に半
埋入状態で付着させると、床面に対する接着性を向上さ
せることができる。また、この繊維層3は省略してもよ
い。
【0024】次に、上記のクッション性床材を製造する
本発明の製造方法の実施形態について説明する。
【0025】まず、裏面層形成用混合物を調製する。こ
の裏面層形成用混合物には二種類があり、その一つは、
主成分の熱可塑性樹脂に無機質充填材、着色剤、安定剤
等を配合して造粒したペレットに、前記の熱分解性発泡
剤と前記の発泡改良剤を均一に混合して調製した裏面層
形成用混合物である。他の一つは、前記の熱分解性発泡
剤と前記の発泡改良剤を含有させた熱可塑性樹脂の粉状
マスターバッチを、上記のペレットに均一に混合して調
製した裏面層形成用混合物である。
【0026】本発明の製造方法においては、どちらの裏
面層形成用混合物を使用してもよいが、混合のしやすさ
等を勘案すれば、後者の粉状マスターバッチをペレット
に混合した裏面層形成用混合物を使用する方がよく、そ
の場合は、粉状マスターバッチのベース樹脂によってペ
レット間の空隙が充填された構造の裏面層が形成される
ため、残留凹みの少ないクッション性床材を得ることが
できるといった利点もある。なお、粉状マスターバッチ
のベースとなる熱可塑性樹脂は、裏面層2の主成分であ
る熱可塑性樹脂と同一又は相溶性に富む樹脂を使用する
ことが大切である。
【0027】次いで、調製した裏面層形成用混合物を搬
送ベルト上に散布して一定厚みの第一層を形成し、その
上に表面層形成用材料からなる第二層を積層する。第二
層の表面層形成用材料としては、主成分の熱可塑性樹脂
に無機質充填材、着色剤、安定剤等を配合した無発泡の
シートやペレットが使用される。無発泡のシートは第一
層の上に重ねるだけでよく、また、ペレットの場合は第
一層の上に散布して一定厚みの第二層を形成すればよ
い。なお、表面層1と裏面層2の間に補強用の繊維層3
が介在されたクッション性床材10を製造する場合は、
この第一層と第二層を積層するときに両層の間に繊維層
3を挟み込む。
【0028】第一層と第二層の積層が終わると、この積
層体を加熱炉内へ搬入し、熱分解性発泡剤の熱分解温度
より低い温度で加熱する。このように加熱すると、熱分
解性発泡剤が分解することなく、第一層の裏面層形成用
混合物の熱可塑性樹脂が軟化溶融してシート化されると
共に、第二層のシートやペレットも軟化溶融し、ペレッ
トはシート化される。そして、第一層と第二層が溶着す
る。このとき、第一層と第二層との間に補強用の繊維層
が挟み込まれていると、該繊維層の空隙部を通じて第一
層と第二層が溶着する。
【0029】溶着が終わると、この積層体を次の加熱発
泡工程に移して、熱分解性発泡剤の分解温度以上の温度
で第一層側から加熱する。このように第一層側から加熱
すると、第一層に含まれる発泡剤がすみやかに熱分解し
て多量の分解ガスを発生し、発泡改良剤との相乗的な作
用によって、第一層が効率良く発泡し、均一で微細な発
泡セルが第一層全体に形成される。そして、第一層と第
二層の間に補強繊維層が挟み込まれていると、分解ガス
が繊維層の空隙を通じて排気されるため、第二層までも
分解ガスの侵入によって発泡することはなくなる。
【0030】このようにして製造されたクッション床材
は、必要に応じてエンボスロールに通されて表面層に凹
凸模様が形成され、更にトリミングが施されて最終的な
製品となる。
【0031】なお、上記実施形態の製造方法では、搬送
ベルト上に裏面層形成用混合物を散布して第一層を形成
し、その上に表面層形成用材料を重ねて第二層を積層し
ているが、これとは逆に、搬送ベルト上に表面層形成用
材料を載置して第二層を形成し、その上に裏面層形成用
混合物を散布して第一層を積層するようにしてもよい。
【0032】図2は、本発明に係るクッション性床材の
他の実施形態を示す概略断面図である。
【0033】このクッション性床材100は、床材全体
が熱分解性発泡剤により発泡された熱可塑性樹脂を主成
分とするものであって、無機質充填材、着色剤、安定剤
等の他に発泡改良剤が含まれている。そして、熱分解性
発泡剤の量を加減することによって発泡倍率が2〜7倍
に調整され、発泡改良剤の併用によって発泡セル径が5
0〜500μmと細かい均一な独立発泡セルが形成され
ている。従って、このクッション性床材100は、細か
い均一な独立発泡セルによって良好なクッション性が与
えられるため、歩行感がソフトであり、ヘタリが生じに
くい。
【0034】主成分の熱可塑性樹脂、熱分解性発泡剤、
発泡改良剤等は、前述のクッション性床材10の裏面層
2に用いたものと同じものが同じ配合割合で使用され
る。
【0035】更に、このクッション性床材100の裏面
にはプライマー層4が設けられている。このプライマー
層4は床面に対する接着性を高める役目を果たすもの
で、例えば、アクリル酸エステルエマルジョン、エチレ
ン−酢酸ビニルエマルジョン、酢酸ビニルエマルジョ
ン、変性アクリルエマルジョン、エポキシエマルジョ
ン、ウレタンエマルジョン等の接着性に優れたエマルジ
ョンタイプのプライマーを塗布、乾燥して形成したプラ
イマー層が好適である。このようなプライマー層4は、
床材の主成分樹脂が接着性の良くないオレフィン系樹脂
である場合に、特に有効である。なお、プライマー層4
を形成する前にクッション性床材100の裏面にコロナ
放電処理、プラズマ処理、電子線照射処理のいずれかの
処理を施すと、床材100とプライマー層4との接合強
度が向上するので好ましい。
【0036】上記のようなクッション性床材100は、
熱可塑性樹脂を主成分として無機質充填剤、着色剤、安
定剤等を配合したペレットに、熱分解性発泡剤と発泡改
良剤を混合するか、又は、熱分解性発泡剤と発泡改良剤
を含んだ熱可塑性樹脂の粉状マスターバッチを混合し
て、床材形成用混合物を調製し、この床材形成用混合物
の層を熱分解性発泡剤の熱分解温度より高い温度で加熱
して発泡させながらシーティングした後、その裏面にエ
マルジョンタイプのプライマーを塗布してプライマー層
4を形成することにより製造される。
【0037】また、上記のクッション性床材100のプ
ライマー層4に代えて、あるいは、プライマー層4と共
に、前述した繊維層3を床材裏面に半埋入状態で設ける
ようにしてもよく、その場合は、繊維層3によって床材
100の強度や寸法安定性が向上すると共に、繊維層3
のアンカー効果によって床面に対する接着性も向上する
利点がある。
【0038】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、表面層
と裏面層からなる本発明のクッション性床材は、発泡改
良剤の作用で裏面層の発泡状態が良く、均一で微細な独
立発泡セルが形成されており、適度なクッション性によ
ってソフトな歩行感が得られ、しかも、表面層と裏面層
が溶着しているため耐剥離強度が大きいといった効果を
奏する。そして、裏面層の発泡倍率が2〜7倍、発泡セ
ル径が50〜500μmであるクッション性床材も、同
様にクッション性が適度でソフトな歩行感が得られ、更
に、表面層と裏面層の間に補強繊維層を介在させたクッ
ション性床材は、引張り強度、引裂き強度、寸法安定性
等が向上するといった効果を併せて奏する。
【0039】また、全体が発泡した本発明のクッション
性床材も、発泡改良剤の作用により均一で微細な独立発
泡セルが形成されているため、適度なクッション性によ
ってソフトな歩行感が得られるといった効果を奏し、更
に、裏面にプライマー層や繊維層を設けたクッション性
床材は、床面に対する接着性が向上するといった効果を
併せて奏する。
【0040】一方、表面層と裏面層からなるクッション
性床材を製造する本発明の製造方法は、第一層(裏面
層)の発泡効率が良く、均一で微細な発泡セルをすみや
かに形成できるため、裏面層の発泡状態が良好なクッシ
ョン性床材を容易に製造できるといった効果を奏する。
そして、第一層と第二層の間に補強繊維層を挟み込む場
合は、第二層(表面層)への分解ガスの侵入を防止でき
るといった効果を併せて奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るクッション性床材の一実施形態を
示す概略断面図である。
【図2】本発明に係るクッション性床材の他の実施形態
を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 表面層 1a 凹凸模様 2 裏面層 3 補強繊維層 4 プライマー層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 9:00 B29L 31:10 31:10 C08L 57:00 C08L 57:00 B29C 67/22 Fターム(参考) 4F074 AA17 AA24 AA35 AC21 AC25 AD10 AG20 BC11 CA29 CC04X CC04Y CC32X CC32Y CE02 CE86 DA02 DA03 DA19 DA20 DA58 4F212 AB02 AB16 AB19 AD16 AG01 AG03 AH48 UA01 UA09 UB13 UB22 UC05 UC06 UG02

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性樹脂を主成分とする無発泡の表面
    層と、この表面層に溶着され且つ熱分解性発泡剤によっ
    て発泡された裏面層とからなる床材であって、裏面層は
    熱可塑性樹脂を主成分とし、他の成分として少なくとも
    発泡改良剤を含んでいることを特徴とするクッション性
    床材。
  2. 【請求項2】熱可塑性樹脂を主成分とする無発泡の表面
    層と、この表面層に溶着され且つ熱分解性発泡剤によっ
    て発泡された熱可塑性樹脂を主成分とする裏面層とから
    なる床材であって、裏面層の発泡倍率が2〜7倍、発泡
    セル径が50〜500μmであることを特徴とするクッ
    ション性床材。
  3. 【請求項3】熱可塑性樹脂を主成分とする無発泡の表面
    層と、この表面層に溶着され且つ熱分解性発泡剤によっ
    て発泡された裏面層とからなる床材であって、裏面層は
    熱可塑性樹脂を主成分とし、他の成分として少なくとも
    発泡改良剤を含んでおり、その発泡倍率が2〜7倍、発
    泡セル径が50〜500μmであることを特徴とするク
    ッション性床材。
  4. 【請求項4】裏面層に含まれている発泡改良剤が、リチ
    ウム化合物及び亜鉛化合物のいずれか一方又は双方と、
    クエン酸塩である請求項1又は請求項3に記載のクッシ
    ョン性床材。
  5. 【請求項5】表面層と裏面層との間に繊維層が介在され
    ている請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のクッ
    ション性床材。
  6. 【請求項6】熱分解性発泡剤によって発泡された熱可塑
    性樹脂を主成分とする床材であって、他の成分として少
    なくとも発泡改良剤が含まれており、その発泡倍率が2
    〜7倍、発泡セル径が50〜500μmであることを特
    徴とするクッション性床材。
  7. 【請求項7】裏面に繊維層が設けられている請求項6に
    記載のクッション性床材。
  8. 【請求項8】裏面にプライマー層が設けられている請求
    項6又は請求項7に記載のクッション性床材。
  9. 【請求項9】熱可塑性樹脂を主成分とするペレットに、
    熱分解性発泡剤と発泡改良剤を混合するか、又は、熱分
    解性発泡剤と発泡改良剤を含んだ熱可塑性樹脂の粉状マ
    スターバッチを混合することによって、裏面層形成用混
    合物を調製し、この裏面層形成用混合物からなる第一層
    と、熱可塑性樹脂を主成分とする表面層形成用材料から
    なる第二層を積層して、熱分解性発泡剤の熱分解温度よ
    り低い温度で加熱することにより、第一層及び第二層を
    軟化溶融させて互いに溶着し、更に第一層側から熱分解
    性発泡剤の熱分解温度以上の温度で加熱して第一層を発
    泡させることを特徴とするクッション性床材の製造方
    法。
  10. 【請求項10】発泡改良剤が、リチウム化合物及び亜鉛
    化合物のいずれか一方又は双方と、クエン酸塩である請
    求項9に記載の製造方法。
  11. 【請求項11】第一層と第二層を積層するときに両層の
    間に繊維層を挟み込む請求項9又は請求項10に記載の
    製造方法。
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