JP2000218747A - 化粧シート及びその製造方法 - Google Patents

化粧シート及びその製造方法

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JP2000218747A
JP2000218747A JP11024734A JP2473499A JP2000218747A JP 2000218747 A JP2000218747 A JP 2000218747A JP 11024734 A JP11024734 A JP 11024734A JP 2473499 A JP2473499 A JP 2473499A JP 2000218747 A JP2000218747 A JP 2000218747A
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foamed resin
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foamed
decorative sheet
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JP11024734A
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Kazuhiko Shimizu
和彦 清水
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 焼却などするときに塩化水素ガス等の有害な
ガスの発生を可能な限り抑えることができ、かつ、ボリ
ュウム感があると共に風合いがよく、また、表面強度も
強く、耐候性や耐磨耗性、耐薬品性、耐汚染性等に優れ
た美麗な印刷絵柄と凹凸模様を有する意匠性に優れた比
較的低コストな化粧シート及びその製造方法を提供する
ことを目的とするものである。 【解決手段】 紙からなる基材層と、発泡剤、ラジカル
捕捉剤、無機充填剤およびオレフィン系熱可塑性樹脂を
主体とする第1発泡樹脂層と、絵柄層と、ラジカル捕捉
剤、紫外線吸収剤、発泡剤およびオレフィン系熱可塑性
樹脂を主体とする第2発泡樹脂層とが順次設けられると
共に、前記第2発泡樹脂層側から前記第1発泡樹脂層に
かけて凹凸模様が施されていることを特徴とする化粧シ
ート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、家屋等の壁や天井
等に用いられる化粧シートに関し、更に詳しくは、意匠
性に優れると共に環境に優しい化粧シート及びその製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、塩化ビニル樹脂層を紙基材上に形
成し、この塩化ビニル樹脂層上に絵柄層を設け、前記塩
化ビニル樹脂層を発泡させるなどして凹凸模様を施し
た、いわゆる塩ビ化粧シートが広く利用されている。し
かし、この塩ビ化粧シートは焼却処分をすると、焼却時
に塩化水素ガス等の有害なガスを発生するために、一般
の焼却炉では焼却処分ができないといった廃材処理の問
題や、火災時にはこの塩化水素ガス等の有害なガスを吸
引することによる中毒といった問題があり、この塩ビ化
粧シートに代わる化粧シートが望まれるようになってき
た。
【0003】そこで、塩化ビニル樹脂を含まない、すな
わち、塩化ビニル樹脂層に代えてアクリル系樹脂やオレ
フィン系樹脂等からなる非塩ビの樹脂層を設け、この非
塩ビの樹脂層を発泡させるなどして凹凸模様を施した非
塩ビ化粧シートが用いられるようになってきた。
【0004】しかし、従来の塩ビ化粧シートに比べて、
アクリル系樹脂を用いた非塩ビ化粧シートはコストが高
いという問題、あるいは、耐薬品性において劣るという
問題があり、また、オレフィン系樹脂を用いた非塩ビ化
粧シートは耐汚染性や耐熱性、耐薬品性において優れる
ものの、耐候性や耐磨耗性等において劣るという問題が
ある。特に、耐候性については屋外からの日光に暴露さ
れると、前記オレフィン系樹脂が劣化するために、前記
オレフィン系樹脂と隣接する各層との層間接着強度が経
時的に低下するという問題がある。
【0005】一方、近年になって、従来の化粧シートよ
りボリュウム感があると共に風合いがよく、また、表面
強度の強い化粧シートが要望されるようになってきた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、上記
問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすると
ころは、焼却などするときに塩化水素ガス等の有害なガ
スの発生を可能な限り抑えることができ、かつ、ボリュ
ウム感があると共に風合いがよく、また、表面強度も強
く、耐候性や耐磨耗性、耐薬品性、耐汚染性等に優れる
と共に美麗な印刷絵柄と凹凸模様を有する意匠性に優れ
た比較的低コストな化粧シート及びその製造方法を提供
することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記のよう
な問題点を解決すべく種々研究した結果、請求項1記載
の本発明の化粧シートは、紙からなる基材層と、発泡
剤、ラジカル捕捉剤、無機充填剤およびオレフィン系熱
可塑性樹脂を主体とする第1発泡樹脂層と、絵柄層と、
ラジカル捕捉剤、紫外線吸収剤、発泡剤およびオレフィ
ン系熱可塑性樹脂を主体とする第2発泡樹脂層とが順次
設けられると共に、前記第2発泡樹脂層側から前記第1
発泡樹脂層にかけて凹凸模様が施されていることを特徴
とするものである。このように構成することにより、焼
却などするときに塩化水素ガス等の有害なガスの発生を
可能な限り抑えることができ、また、オレフィン系熱可
塑性樹脂からなる第1発泡樹脂層及び第2発泡樹脂層が
経時的に劣化することなく、その結果、前記第1発泡樹
脂層と前記第2発泡樹脂層と隣接する層の層間接着強度
が従来の塩ビ化粧シートに比べて遜色のない非塩ビ化粧
シートを得ることができると共に、ボリュウム感と風合
いに優れた非塩ビ化粧シートを得ることができる。
【0008】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載する化粧シートにおいて、前記化粧シートにおい
て、前記基材層と前記第1発泡樹脂層との層間、および
/または、前記第1発泡樹脂層と前記絵柄層との層間、
および/または、前記絵柄層と前記第2発泡樹脂層との
層間に接着剤層が設けられていることを特徴とするもの
である。このように構成することにより、前記第1発泡
樹脂層及び前記第2発泡樹脂層と隣接する各層の層間接
着強度をより一層強いものとすることができる。
【0009】また、請求項3に記載の発明は、請求項
1、2のいずれかに記載する化粧シートにおいて、前記
第2発泡樹脂層上にイソシアネート基を有する樹脂から
なる表面層が形成されていることを特徴とするものであ
る。このように構成することにより、耐磨耗性、耐薬品
性、耐汚染性等に一層優れた化粧シートを得ることがで
きる。
【0010】また、請求項4に記載の発明は、請求項1
〜3のいずれかに記載する化粧シートにおいて、前記化
粧シートを構成する各層の中で、少なくとも前記基材
層、前記第1発泡樹脂層、前記第2発泡樹脂層、前記表
面層には塩素を有する物質が含まれていないことを特徴
とするものである。このように構成することにより、塩
化水素ガス等の有害なガスの発生を可能な限り抑えるこ
とができる。
【0011】また、請求項5に記載の発明は、請求項1
に記載する化粧シートにおいて、前記発泡剤がカプセル
発泡剤であることを特徴とするものである。このように
構成することにより、均一な発泡セルからなる発泡樹脂
層を容易に形成することができる。
【0012】また、請求項6に記載の発明は、請求項1
に記載する化粧シートにおいて、前記ラジカル捕捉剤が
ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤であることを特徴と
するものである。このように構成することにより、耐候
性を向上させることができ、紫外線による黄変や劣化を
防止することができる。
【0013】また、請求項7に記載の発明の化粧シート
の製造方法は、紙からなる基材層上に加熱溶融した発泡
剤、ラジカル捕捉剤、無機充填剤およびオレフィン系熱
可塑性樹脂を主体とする第1発泡層形成組成物を押出機
により未発泡の状態で押し出して積層し、積層した前記
第1発泡層形成組成物上に印刷を施して絵柄層を設けて
後に、加熱発泡炉で前記第1発泡層形成組成物を発泡さ
せて第1発泡樹脂層を形成し、次いで前記絵柄層上にラ
ジカル捕捉剤、紫外線吸収剤、発泡剤およびオレフィン
系熱可塑性樹脂を主体とする第2発泡層形成組成物を押
出機により未発泡の状態で押し出して積層し、その後加
熱発泡炉で前記第2発泡層形成組成物を発泡させて第2
発泡樹脂層を形成すると同時に前記第2発泡樹脂層側か
らエンボス版で凹凸を施して後に冷却することにより、
前記第2発泡樹脂層から前記第1発泡樹脂層にかけて凹
凸模様を形成することを特徴とするものである。このよ
うに第1発泡樹脂層と第2発泡樹脂層を逐次発泡させて
製造することにより、なだらかな凹凸模様とすることが
でき、主に石目柄や布目柄等の抽象柄に好適な凹凸模様
を得ることができる。
【0014】また、請求項8に記載の発明の化粧シート
の製造方法は、紙からなる基材層上に加熱溶融した発泡
剤、ラジカル捕捉剤、無機充填剤およびオレフィン系熱
可塑性樹脂を主体とする第1発泡樹脂層形成組成物を押
出機により未発泡の状態で押し出して積層し、積層した
前記第1発泡樹脂層形成組成物上に印刷を施して絵柄層
を設けて後に、該絵柄層上にラジカル捕捉剤、紫外線吸
収剤、発泡剤およびオレフィン系熱可塑性樹脂を主体と
する第2発泡樹脂層形成組成物を押出機により未発泡の
状態で押し出して積層し、その後加熱発泡炉で前記第1
発泡樹脂層形成組成物と前記第2発泡樹脂層形成組成物
とを同時に発泡させて第1発泡樹脂層と第2発泡樹脂層
とを形成し、前記第2発泡樹脂層側からエンボス版で凹
凸を施して後に冷却することにより、前記第2発泡樹脂
層から前記第1発泡樹脂層にかけて凹凸模様を形成する
ことを特徴とするものである。このように第1発泡樹脂
層と第2発泡樹脂層とを同時発泡させて製造することに
より、第1発泡樹脂層までシャープな凹凸を形成するこ
とができ、木目柄等に好適な凹凸模様を得ることができ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】上記の本発明について、図面等を
用いて以下に更に詳しく説明する。まず、図1は本発明
の化粧シートの第1の実施形態の層構成図、図2は本発
明の化粧シートの第2の実施形態の層構成図、図3は本
発明の化粧シートの第3の実施形態の層構成図である。
図中の1,11,21は化粧シート、2は紙基材、3は第1
発泡樹脂層、4は絵柄層、5は第2発泡樹脂層、6は凹
凸模様、7は接着剤層、8は表面層をそれぞれ示す。
【0016】図1は本発明の化粧シートの第1の実施形
態の層構成図を示したものであり、本発明の化粧シート
1は、紙基材2上に発泡剤、ラジカル捕捉剤、充填剤お
よびオレフィン系熱可塑性樹脂を主体とする第1発泡樹
脂層3を形成し、該発泡樹脂層3上に絵柄層4を形成
し、前記絵柄層4上にラジカル捕捉剤、紫外線吸収剤お
よびオレフィン系熱可塑性樹脂を主体とする第2発泡樹
脂層5を形成し、前記第2発泡樹脂層5側から前記第1
発泡樹脂層3にかけて凹凸模様6を施したものである。
【0017】このように化粧シート1の層構成中に第1
発泡樹脂層3と第2発泡樹脂層5の2つの発泡樹脂層を
設けることにより、ボリュウム感と風合いに優れた化粧
シートとすることができると共に、第2発泡樹脂層5が
形成されていることにより、耐候性や耐薬品性、耐磨耗
性に優れた化粧シートとすることができる。
【0018】本発明に用いる前記紙基材2としては、ス
ルファニルグアナジンや燐酸グアニジンなどの水溶性難
燃剤を含浸させたパルプ主体の難燃紙、あるいは、水酸
化アルミニウムや水酸化マグネシウムなどの無機質剤を
混抄した無機質紙などの通常壁紙用裏打紙といわれてい
るものを用いることができ、その坪量としては50〜300
g/m2が適当である。
【0019】次に、本発明の第1発泡樹脂層3は、発泡
剤、光安定剤としてのラジカル捕捉剤、無機充填剤およ
びオレフィン系熱可塑性樹脂を主体とする組成物からな
るものであって、前記オレフィン系熱可塑性樹脂として
は、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブ
テン、ポリブタジエン、ポリイソプレン等のポリオレフ
ィンの1種ないしエチレン、プロピレン、ブテン、ブタ
ジエン、イソプレン等のオレフィンの2種以上の共重合
体、あるいは、炭素数が4以上のαオレフィンの共重合
体(線状低密度ポリエチレン)、あるいは、エチレン−
アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重
合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン
−メタクリル酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、あるい
は、これらの混合樹脂を挙げることができる。ここで第
1発泡樹脂層3を形成する樹脂をオレフィン系熱可塑性
樹脂に限定したのは、従来の塩ビ化粧シートと同等な柔
軟性、低温での加工性、意匠性を有し、耐薬品性、耐溶
剤性、耐汚染性においては従来の塩ビ化粧シートに優れ
ると共に、比較的低コストな化粧シートとすることがで
きるからである。
【0020】また、本発明の第1発泡樹脂層3に用いる
発泡剤としては、低沸点の炭化水素を内包した熱膨張型
カプセル発泡剤が好適である。この理由としては、前記
熱膨張型カプセル発泡剤は、その膨張温度がほぼ一定し
ていると共に膨張率もほぼ一定であり、均一な発泡セル
からなる発泡層を容易に形成することができるからであ
る。前記熱膨張型カプセル発泡剤のシェルの材質として
は、塩化ビニリデン・アクリロニトリル共重合体、アク
リロニトリル・アクリル系共重合体、ニトリル系共重合
体等を用いることができ、内包する低沸点の炭化水素と
してはペンタン、イソペンタン、ブタン、イソブタン、
ノルマルヘキサン等を用いることができるが、環境にや
さしいこととTダイ押出機で押し出すことを考慮する
と、シェル材質はアクリル系共重合体、内包する炭化水
素はペンタンが好ましい。また、本発明の第1発泡樹脂
層3に用いる発泡剤としては前記熱膨張型カプセル発泡
剤のほかに、アゾジカルボンアミド等のアゾ系化合物の
熱分解型発泡剤を用いることもできる。また、発泡剤の
オレフィン系熱可塑性樹脂に対する混合量は、要求され
る意匠性により適宜決めればよいが、概ね前記オレフィ
ン系熱可塑性樹脂100重量部に対して0.5 〜15重量部が
適当である。
【0021】また、前記第1発泡樹脂層3はオレフィン
系熱可塑性樹脂からなるものであって、このオレフィン
系熱可塑性樹脂は太陽光(紫外線)により経時的に劣化
する性質を有し、この経時的劣化を防止する目的で本発
明の第1発泡樹脂層3にはラジカル捕捉剤を添加する。
このラジカル捕捉剤としては、ビス−(2,2,6,6
−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス−
(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピ
ペリジル)セバケート、ビス−(1,2,2,6,6−
ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1,2,
2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル−トリデシ
ル−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、
テトラギス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピ
ペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシ
レート等の他に、たとえば、特公平4−82625号公
報に開示されている化合物などのヒンダードアミン系ラ
ジカル捕捉剤が好適である。この理由としては、ヒンダ
ードアミン系ラジカル捕捉剤は、テトラアルキルピペリ
ジンを母核に持ち、紫外線で発生するラジカルを捕捉す
るラジカル捕捉作用がある他に、ヒドロペルオキシド
(ROOH)の不活性作用等の各種作用機構により、そ
の効果が発揮されると推定されており、多機能の安定剤
として優れた性能が得られるからである。このラジカル
捕捉剤の添加量としては前記オレフィン系熱可塑性樹脂
100 重量部に対して0.01〜3.0 重量部添加するのが適当
である。
【0022】また、本発明の第1発泡樹脂層3に用いる
無機充填剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグ
ネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、三酸化アン
チモン、酸化チタン等の無機物の1種ないし2種以上の
混合物を用いることができる。この無機充填剤を用いる
理由としては可燃性であるオレフィン系熱可塑性樹脂を
難燃性にするために必要であり、この無機充填剤の前記
オレフィン系熱可塑性樹脂に対する混合量は、前記オレ
フィン系熱可塑性樹脂100 重量部に対して少なくとも80
重量部は混合する必要がある。このように無機充填剤を
混合することにより、第1発泡樹脂層3に難燃性を付与
することができる。
【0023】また、本発明の第1発泡樹脂層3は、必要
に応じて顔料等を添加して着色しても構わない。この顔
料添加による着色は透明着色であってもよいし、また、
不透明(隠蔽)着色であっても構わない。
【0024】次に、本発明の絵柄層4は、一般的にはグ
ラビア印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷、
転写シートからの転写印刷等周知の印刷法によりインキ
にて形成することができる。印刷絵柄としては、木目
柄、石目柄、布目柄、皮紋柄、幾何学図形、文字、記
号、あるいは、全面ベタ等の印刷絵柄がある。インキと
しては、ビヒクルとして、塩素化ポリエチレン、塩素化
ポリプロピレン等の塩素化ポリオレフィン、ポリエステ
ル、イソシアネートとポリオールからなるポリウレタ
ン、アクリル、酢酸ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニル共
重合体、セルロース系樹脂、ポリアミド系樹脂等を1種
ないし2種以上混合して用い、これに顔料、溶剤、各種
補助剤等を加えてインキ化したものを用いることができ
るが、本発明の目的からしてポリエステル、イソシアネ
ートとポリオールからなるポリウレタン、アクリル、酢
酸ビニル、セルロース系樹脂、ポリアミド系樹脂等の1
種ないし2種以上混合した非塩素系樹脂が好適である。
【0025】次に、本発明の第2発泡樹脂層5は、ラジ
カル捕捉剤、紫外線吸収剤、発泡剤およびオレフィン系
熱可塑性樹脂を主体とする組成物からなるものであっ
て、この第2発泡樹脂層5に用いる各材料は、第1発泡
樹脂層3に用いる各材料と同じ材料を用いればよく説明
は省略するが、この第2発泡樹脂層5は本発明の化粧シ
ート1の表層を形成するものであり、耐候性はもとよ
り、表層としての基本物性、たとえば、耐磨耗性、耐薬
品性、耐汚染性が要求されると共に、この第2発泡樹脂
層5を通して絵柄層4が見える程度の透明性を有する必
要がある。そのために、上記のことを勘案すると、この
第2発泡樹脂層5の発泡倍率は、1.5 〜2.0倍、発泡後
の厚さは、15〜40μmが適当である。
【0026】また、この第2発泡樹脂層5にラジカル捕
捉剤と併用する紫外線吸収剤は、分子中にOH基を有す
る有機系の化合物を使用する。たとえば、2−(2'−ヒ
ドロキシ−3',5'−ジ−tert−ブチルフェニル)−
5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ
−3'−tert−ブチル−5'−メチルフェニル)−5−
クロロベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3'
−tert−アミル−5'−イソブチルフェニル)−5−
クロロベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3'
−イソブチル−5'−メチルフェニル)−5−クロロベン
ゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3'−イソブチ
ル−5'−プロピルフェニル)−5−クロロベンゾトリア
ゾール等の2'−ヒドロキシフェニル−5−クロロベンゾ
トリアゾール系紫外線吸収剤類、2−(2'−ヒドロキシ
−3',5'−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリ
アゾール、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール等の2'−ヒドロキシフェニルベ
ンゾトリアゾール系紫外線吸収剤類、2,2'−ジヒドロ
キシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロ
キシ−4,4'−ジメトキシベンゾフェノン、2,2',
4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノン等の2,2'−
ジヒドロキシベンゾフェノン系紫外線吸収剤類、2−ヒ
ドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒ
ドロキシベンゾフェノン等の2−ヒドロキシベンゾフェ
ノン系紫外線吸収剤類、サリチル酸フェニル、4−te
rt−ブチル−フェニル−サリシレート等のサリチル酸
エステル系紫外線吸収剤類、2−エチル−ヘキシル−2
−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、エチル−
2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、オクチ
ル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート等の
シアノアクリレート系紫外線吸収剤類等を用いることが
できる。これら紫外線吸収剤の添加量は、通常0.1 〜10
重量%程度である。また、本発明の目的からして、紫外
線吸収剤として非塩素系のベンゾトリアゾール系、ベン
ゾフェノン系、または、シアノアクリレート系が適当で
あり、中でも特に非塩素系のベンゾトリアゾール系が好
適である。なお、この紫外線吸収剤は、前記第1発泡樹
脂層3に添加してラジカル捕捉剤と併用してもよい。
【0027】さらに、この第2発泡樹脂層5には、必要
に応じて抗菌剤を添加して抗菌性をもたせることもでき
る。この第2発泡樹脂層5に添加する抗菌剤としては、
たとえば、活性炭、活性アルミナ、シリカゲル等の無機
系吸着剤、ゼオライト、ヒドロキシアパタイト、リン酸
ジルコニウム、リン酸チタン、チタン酸カリウム、含水
酸化ビスマス、含水酸化ジルコニウム、ハイドロタルサ
イド等の無機イオン交換体に銀イオン、または、銀イオ
ンの他に銅イオン、亜鉛イオンを併用して担持させた銀
系抗菌剤、あるいは、抗菌性のある無機塩類を酸化亜鉛
粒子に化合させた酸化亜鉛化合物等の周知のものを挙げ
ることができる。これら抗菌剤は、抗菌剤の有効面積な
どから平均粒径が10μm以下、好ましくは、0.01〜5μ
m程度のものが適当であり、その添加量としては、前記
第2発泡樹脂層5に用いるオレフィン系熱可塑性樹脂10
0 重量部に対して1〜10重量部が適当である。
【0028】次に、本発明の凹凸模様6は、化粧シート
1の絵柄層4に設ける印刷絵柄により、異なる形成方法
とすることも可能である。たとえば、印刷絵柄が木目柄
等のようにシャープさが要求される凹凸模様を形成する
方法として、紙からなる基材層上に加熱溶融した発泡
剤、ラジカル捕捉剤、無機充填剤およびオレフィン系熱
可塑性樹脂を主体とする第1発泡樹脂層形成組成物を押
出機により未発泡の状態で押し出して積層し、積層した
前記第1発泡樹脂層形成組成物上に印刷を施して絵柄層
4を設けて後に、該絵柄層4上にラジカル捕捉剤、紫外
線吸収剤、発泡剤およびオレフィン系熱可塑性樹脂を主
体とする第2発泡樹脂層形成組成物を押出機により未発
泡の状態で押し出して積層し、その後加熱発泡炉で前記
第1、および、第2発泡樹脂層形成組成物を同時に発泡
させて第1発泡樹脂層3と第2発泡樹脂層5とを形成す
ると同時に、前記第2発泡樹脂層側からエンボス版で凹
凸を施して後に冷却する方法を採ることにより、前記第
2発泡樹脂層から前記第1発泡樹脂層にかけてシャープ
な凹凸模様を形成することができる。
【0029】他方、印刷絵柄が石目柄や布目柄等の主に
抽象柄のようになだらかさが要求される凹凸模様を形成
する方法として、紙からなる基材層上に加熱溶融した発
泡剤、ラジカル捕捉剤、無機充填剤およびオレフィン系
熱可塑性樹脂を主体とする第1発泡樹脂層形成組成物を
押出機により未発泡の状態で押し出して積層し、積層し
た前記第1発泡樹脂層形成組成物上に印刷を施して絵柄
層4を設けて後に、加熱発泡炉で前記第1発泡樹脂層形
成組成物を発泡させて第1発泡樹脂層3を形成し、次い
で前記絵柄層4上にラジカル捕捉剤、紫外線吸収剤、発
泡剤およびオレフィン系熱可塑性樹脂を主体とする第2
発泡樹脂層形成組成物を押出機により未発泡の状態で押
し出して積層し、その後加熱発泡炉で前記第2発泡樹脂
層形成組成物を発泡させて第2発泡樹脂層5を形成する
と同時に前記第2発泡樹脂層5側からエンボス版で凹凸
を施して後に冷却する方法を採ることにより、前記第2
発泡樹脂層から前記第1発泡樹脂層にかけてなだらかな
凹凸模様を形成することができる。
【0030】この凹凸模様6の加工には周知の枚葉、あ
るいは、輪転式のエンボス機が用いられる。凹凸模様6
の形状としては、木目板導管溝、石板表面凹凸、布表面
テクスチュア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等が
ある。
【0031】図2は本発明の化粧シートの第2の実施形
態の層構成図を示したものであり、本発明の化粧シート
11は、図1で示した本発明の第1の実施形態の化粧シー
ト1の絵柄層4と第1発泡樹脂層3の層間に接着剤層7
を設けた構成からなるものであって、この接着剤層7以
外は、第1の実施形態の化粧シート1と同じ層構成であ
るので説明は省略するが、この接着剤層7は絵柄層4と
発泡樹脂層3の層間接着強度を高めるために設けるもの
である。
【0032】この接着剤層7に用いる樹脂としたは、イ
ソシアネート基を有する、たとえば、2液硬化型ウレタ
ン樹脂や1液湿気硬化型ウレタン樹脂等が適当である。
前記2液硬化型ウレタン樹脂は、ポリオールを主剤と
し、イソシアネートを架橋剤(硬化剤)とするウレタン
樹脂である。ポリオールとしては、分子中に2個以上の
水酸基を有するもので、たとえば、ポリエチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、アクリルポリオー
ル、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオー
ル、ポリカーボネートポリオール等が用いられる。ま
た、イソシアネートとしては、分子中に2個以上のイソ
シアネート基を有する多価イソシアネートが用いられ、
たとえば、2−4トリレンジイソシアネート、キシレン
ジイソシアネート、4−4ジフェニルメタンジイソシア
ネート等の芳香族イソシアネート、あるいは、ヘキサメ
チレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネー
ト、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフ
ェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族(ないしは脂
環族)イソシアネートが用いられる。あるいは、上記各
種イソシアネートの付加体、または、多量体を用いるこ
ともできる。たとえば、トリレンジイソシアネートの付
加体、トリレンジイソシアネートの3量体等がある。
【0033】他方、1液湿気硬化型ウレタン樹脂は、分
子末端にイソシアネート基を有するプレポリマーを必須
成分とする組成物である。前記プレポリマーは、通常は
分子両末端に各イソシアネート基を1個以上有するポリ
イソシアネートプレポリマーであり、室温で固体の熱可
塑性樹脂の状態にあるものである。イソシアネート基同
士が空気中の水分により反応して鎖延長反応を起こし、
その結果、分子鎖中に尿素結合を有する反応物を生じ、
この尿素結合にさらに分子末端のイソシアネート基が反
応して、ビウレット結合を起こして分岐し架橋反応を起
こす。
【0034】分子末端にイソシアネート基を有するプレ
ポリマーの分子鎖の骨格構造は任意であるが、具体的に
はウレタン結合を有するポリウレタン骨格、エステル結
合を有するポリエステル骨格、ポリブタジエン骨格等で
あり、適宜これら1種ないし2種以上の骨格構造を採用
する。なお、分子鎖中にウレタン結合がある場合は、こ
のウレタン結合とも末端イソシアネート基が反応して、
アロファネート結合を生じ、このアロファネート結合に
よっても架橋反応を起こす。
【0035】この接着剤層7の形成方法としては、2液
硬化型ウレタン樹脂、あるいは、1液湿気硬化型ウレタ
ン樹脂を溶液化したものを、周知のグラビア印刷法、ロ
ールコート法等の塗工方法で未発泡の状態の時の第1発
泡樹脂層4上に塗工することにより形成することができ
るし、また、1液湿気硬化型ウレタン樹脂の場合は加熱
溶融した前記1液湿気硬化型ウレタン樹脂を周知のロー
ルコート法、押し出しコート法等の塗工方法で上記同様
に塗工することにより形成することができる。この接着
剤層7の塗工量としてはドライ時で0.05〜10g/m2
適当である。
【0036】また、図示はしないが、この接着剤層7
は、第1発泡樹脂層3と紙基材層2との層間に設けても
よく、また、第2発泡樹脂層5と絵柄層4との層間に設
けてもよく、このように第1発泡樹脂層3と紙基材層
2、あるいは、第2発泡樹脂層5と絵柄層4との層間に
設けた場合には当然のことであるが、接着剤層を設けな
い場合に比べて各層間の接着強度を一層強固にすること
ができる。
【0037】また、本発明の化粧シートにあっては、光
安定剤としてのラジカル捕捉剤、あるいは、紫外線吸収
剤が、たとえば、絵柄層、接着剤層等のいずれの層に添
加されていても構わない。
【0038】図3は本発明の化粧シートの第3の実施形
態の層構成図を示したものであり、本発明の化粧シート
21は、図1で示した本発明の第1の実施形態の化粧シー
ト1の第2発泡樹脂層5上に表面層8を設けた構成から
なる以外は本発明の第1の実施形態の化粧シート1と同
じであり説明は省略するが、このように、第2発泡樹脂
層5上に表面層8を設けることにより、第1の実施形態
の化粧シート1に比べて尚一層良好な耐磨耗性、耐薬品
性、耐汚染性等を化粧シートに付与することができる。
また、第1の実施形態の化粧シート1においては、前記
第2発泡樹脂層5が表出するために、化粧シートとして
の要求物性を持たせる意味から前記第2発泡樹脂層5の
層厚さや発泡倍率に適当な範囲を設けたが、本発明の第
3の実施形態の化粧シート21においては、表面層8によ
り前記第2発泡樹脂層5が覆われて直接表出しないため
に、前記第2発泡樹脂層5の層厚さや発泡倍率は常識の
範囲で任意に設定することができる。
【0039】また、前記表面層8を形成するものとして
は、エポキシ系樹脂でも一定の効果を得ることができる
が、好ましくはイソシアネート基を有する樹脂を用いて
形成するのがよい。この樹脂としては、2液硬化型ウレ
タン樹脂や1液湿気硬化型ウレタン樹脂等が挙げられ
る。これらの樹脂については、接着剤層で説明したもの
と同じものを用いることができると共に、形成方法につ
いても接着剤層で説明した方法と同じ方法で形成するこ
とができるので説明は省略するが、この表面層8の厚さ
としては、ドライ時で0.5 〜100 μm、通常は1〜10μ
m程度である。
【0040】ところで、表面層8をエポキシ系樹脂より
もイソシアネート基を有する樹脂で形成する方が好まし
い理由としては、前記表面層8で覆われて前記表面層8
より紙基材2側にくる層中に、分子中にOH基を有する有
機系の紫外線吸収剤を用いることにより、紫外線吸収剤
が表面層8にしみだしてきても、紫外線吸収剤のOH基と
表面層8のイソシアネート基とがウレタン結合し、表面
層8中に捕捉されるので、紫外線吸収剤が表面層8上へ
経時的にしみだして、表面層8の表面を汚染することを
防止することができる。特に、有機系の紫外線吸収剤が
しみだし易いオレフィン系樹脂の場合に有効である。こ
の効果は、接着剤層7を設けた場合にも言えることであ
る。また、第3の実施形態に第2の実施形態と同様に印
刷絵柄層4と第1発泡樹脂層3との層間に接着剤層7を
設けてもよい。
【0041】
【実施例】実施例1 坪量140g/m2 の難燃性裏打紙(紀州製紙製E-140SRS)を
用い、この表面に表1に示す配合の第1発泡樹脂層形成
組成物を未発泡の状態でTダイから90g/m2となるように
押し出し、押し出した前記第1発泡樹脂層形成組成物上
に2液硬化型ウレタン樹脂をドライ時に2g/m2となるよ
うに周知のグラビア印刷法で塗工すると共に、該塗工面
にアクリル−ウレタン樹脂(プレポリマーとしてアクリ
ルポリオールを用い、イソシアネートと反応してウレタ
ン結合を形成させる2液反応型樹脂をいう)からなる印
刷インキでグラビア印刷して布目柄の絵柄層を形成して
後に加熱発泡炉(170 ℃で1分)で前記第1発泡樹脂層
形成組成物を発泡させて第1発泡樹脂層を形成し、その
後前記布目柄絵柄層上に表2に示す配合の第2発泡樹脂
層形成組成物を未発泡の状態でTダイから10g/m2となる
ように押し出すと共に加熱発泡炉(170 ℃で1分)で第
2発泡樹脂層形成組成物を発泡させて第2発泡樹脂層を
形成し、前記第2発泡樹脂層側から加熱ヒーターで少な
くとも表面温度が190 ℃になるように加熱すると共に、
布目模様のエンボス版にてエンボス加工を行い、本発明
の一実施例の化粧シートを得た。
【0042】
【0043】
【0044】得られた本発明の化粧シートは、ボリュウ
ム感があると共に、なだらかな凹凸模様により布目とし
ての意匠性に優れたものとなった。
【0045】実施例2 坪量140g/m2 の難燃性裏打紙(紀州製紙製E-140SRS)を
用い、この表面に表1に示す配合の第1発泡樹脂層形成
組成物を未発泡の状態でTダイから90g/m2となるように
押し出し、押し出した前記第1発泡樹脂層形成組成物上
に2液硬化型ウレタン樹脂をドライ時に2g/m2となるよ
うに周知のグラビア印刷法で塗工すると共に、該塗工面
にアクリル−ウレタン樹脂(プレポリマーとしてアクリ
ルポリオールを用い、イソシアネートと反応してウレタ
ン結合を形成させる2液反応型樹脂をいう)からなる印
刷インキでグラビア印刷して木目柄の絵柄層を形成し、
次に、この絵柄層上に表2に示す配合の第2発泡樹脂層
形成組成物を未発泡の状態でTダイから10g/m2となるよ
うに押し出すと共に加熱発泡炉(170 ℃で1分)で第1
発泡樹脂層形成組成物と第2発泡樹脂層形成組成物とを
同時に発泡させて第1発泡樹脂層および第2発泡樹脂層
を形成し、前記第2発泡樹脂層側から加熱ヒーターで少
なくとも表面温度が190 ℃になるように加熱すると共
に、木目模様のエンボス版にてエンボス加工を行い、本
発明の一実施例の化粧シートを得た。
【0046】得られた本発明の化粧シートは、ボリュウ
ム感があると共に、シャープな凹凸模様により木目とし
ての意匠性に優れたものとなった。
【0047】実施例3 坪量140g/m2 の難燃性裏打紙(紀州製紙製E-140SRS)を
用い、この表面に表1に示す配合の第1発泡樹脂層形成
組成物を未発泡の状態でTダイから90g/m2となるように
押し出し、押し出した前記第1発泡樹脂層形成組成物上
に2液硬化型ウレタン樹脂をドライ時に2g/m2となるよ
うに周知のグラビア印刷法で塗工すると共に、該塗工面
にアクリル−ウレタン樹脂(プレポリマーとしてアクリ
ルポリオールを用い、イソシアネートと反応してウレタ
ン結合を形成させる2液反応型樹脂をいう)からなる印
刷インキでグラビア印刷して木目柄の絵柄層を形成し、
次に、この絵柄層上に表2に示す配合の第2発泡樹脂層
形成組成物を未発泡の状態でTダイから10g/m2となるよ
うに押し出し、押し出した前記第2発泡樹脂層形成組成
物上に2液硬化型ウレタン樹脂をドライ時に2g/m2とな
るように周知のグラビア印刷法で塗工して表面層を形成
して後に、加熱発泡炉(170 ℃で1分)で第1発泡樹脂
層形成組成物と第2発泡樹脂層形成組成物とを同時に発
泡させて第1発泡樹脂層および第2発泡樹脂層を形成
し、前記第2発泡樹脂層側から加熱ヒーターで少なくと
も表面温度が190 ℃になるように加熱すると共に、木目
模様のエンボス版にてエンボス加工を行い、本発明の一
実施例の化粧シートを得た。
【0048】得られた本発明の化粧シートは、実施例2
同様にボリュウム感があると共に、シャープな凹凸模様
により木目としての意匠性に優れたものとなった。ま
た、表面層を形成したことにより、一層良好な耐磨耗
性、耐薬品性、耐汚染性等を有する化粧シートを得るこ
とができた。
【0049】
【発明の効果】本発明の化粧シートは、今まで縷々説明
してきたが、焼却などするときに塩化水素ガス等の有害
なガスの発生を可能な限り抑えることができ、かつ、ボ
リュウム感があると共に風合いがよく、また、表面強度
も強く、耐候性や耐磨耗性、耐薬品性、耐汚染性等に優
れると共に美麗な印刷絵柄と凹凸模様を有する意匠性に
優れた化粧シートを比較的低コストで提供することがで
きるという効果を奏するものである。また、2つの発泡
樹脂層の発泡を逐次発泡する製造方法により、抽象柄に
適したなだらかな凹凸模様を形成することができ、ま
た、2つの発泡樹脂層の発泡を同時発泡する製造方法に
より、木目柄に適したシャープな凹凸模様を形成するこ
とができるという効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化粧シートの第1の実施形態の層構成
図である。
【図2】本発明の化粧シートの第2の実施形態の層構成
図である。
【図3】本発明の化粧シートの第3の実施形態の層構成
図である。
【符号の説明】
1,11,21 化粧シート 2 紙基材 3 第1発泡樹脂層 4 印刷絵柄層 5 第2発泡樹脂層 6 凹凸模様 7 接着剤層 8 表面層
フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AA01B AA18B AA21B AH03B AH07B AK03B AK03D AK51C AK51E AK68B BA01B BA10A BA10D CA01D CA05B CA05D CA07D CA23B CB00 DD01 DE04B DE04D DG10A EH232 EJ022 EJ393 HB00C HB21 HB31C JB16B JB16D

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙からなる基材層と、発泡剤、ラジカル
    捕捉剤、無機充填剤およびオレフィン系熱可塑性樹脂を
    主体とする第1発泡樹脂層と、絵柄層と、ラジカル捕捉
    剤、紫外線吸収剤、発泡剤およびオレフィン系熱可塑性
    樹脂を主体とする第2発泡樹脂層とが順次設けられると
    共に、前記第2発泡樹脂層側から前記第1発泡樹脂層に
    かけて凹凸模様が施されていることを特徴とする化粧シ
    ート。
  2. 【請求項2】 前記化粧シートにおいて、前記基材層と
    前記第1発泡樹脂層との層間、および/または、前記第
    1発泡樹脂層と前記絵柄層との層間、および/または、
    前記絵柄層と前記第2発泡樹脂層との層間に接着剤層が
    設けられていることを特徴とする請求項1記載の化粧シ
    ート。
  3. 【請求項3】 前記化粧シートにおいて、前記第2発泡
    樹脂層上にイソシアネート基を有する樹脂からなる表面
    層が形成されていることを特徴とする請求項1、2のい
    ずれかに記載の化粧シート。
  4. 【請求項4】 前記化粧シートにおいて、前記化粧シー
    トを構成する各層の中で、少なくとも前記基材層、前記
    第1発泡樹脂層、前記第2発泡樹脂層、前記表面層には
    塩素を有する物質が含まれていないことを特徴とする請
    求項1〜3のいずれかに記載の化粧シート。
  5. 【請求項5】 前記化粧シートにおいて、前記発泡剤が
    カプセル発泡剤であることを特徴とする請求項1記載の
    化粧シート。
  6. 【請求項6】 前記化粧シートにおいて、前記ラジカル
    捕捉剤がヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤であること
    を特徴とする請求項1記載の化粧シート。
  7. 【請求項7】 紙からなる基材層上に加熱溶融した発泡
    剤、ラジカル捕捉剤、無機充填剤およびオレフィン系熱
    可塑性樹脂を主体とする第1発泡樹脂層形成組成物を押
    出機により未発泡の状態で押し出して積層し、積層した
    前記第1発泡樹脂層形成組成物上に印刷を施して絵柄層
    を設けて後に、加熱発泡炉で前記第1発泡樹脂層形成組
    成物を発泡させて第1発泡樹脂層を形成し、次いで前記
    絵柄層上にラジカル捕捉剤、紫外線吸収剤、発泡剤およ
    びオレフィン系熱可塑性樹脂を主体とする第2発泡樹脂
    層形成組成物を押出機により未発泡の状態で押し出して
    積層し、その後加熱発泡炉で前記第2発泡樹脂層形成組
    成物を発泡させて第2発泡樹脂層を形成すると同時に前
    記第2発泡樹脂層側からエンボス版で凹凸を施して後に
    冷却することにより、前記第2発泡樹脂層から前記第1
    発泡樹脂層にかけて凹凸模様を形成することを特徴とす
    る化粧シートの製造方法。
  8. 【請求項8】 紙からなる基材層上に加熱溶融した発泡
    剤、ラジカル捕捉剤、無機充填剤およびオレフィン系熱
    可塑性樹脂を主体とする第1発泡樹脂層形成組成物を押
    出機により未発泡の状態で押し出して積層し、積層した
    前記第1発泡樹脂層形成組成物上に印刷を施して絵柄層
    を設けて後に、該絵柄層上にラジカル捕捉剤、紫外線吸
    収剤、発泡剤およびオレフィン系熱可塑性樹脂を主体と
    する第2発泡樹脂層形成組成物を押出機により未発泡の
    状態で押し出して積層し、その後加熱発泡炉で前記第1
    発泡樹脂層形成組成物と前記第2発泡樹脂層形成組成物
    とを同時に発泡させて第1発泡樹脂層と第2発泡樹脂層
    とを形成し、前記第2発泡樹脂層側からエンボス版で凹
    凸を施して後に冷却することにより、前記第2発泡樹脂
    層から前記第1発泡樹脂層にかけて凹凸模様を形成する
    ことを特徴とする化粧シートの製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016190358A (ja) * 2015-03-31 2016-11-10 大日本印刷株式会社 発泡積層シート
JP2018158550A (ja) * 2017-03-23 2018-10-11 カシオ計算機株式会社 熱膨張性シート及び熱膨張性シートの製造方法
JP2020073345A (ja) * 2017-03-23 2020-05-14 カシオ計算機株式会社 熱膨張性シート及び立体画像の製造方法
WO2024071387A1 (en) * 2022-09-29 2024-04-04 Toppan Holdings Inc. Decorative sheet

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