JP4417453B2 - 化粧シートの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築物の壁や天井等に貼る壁紙などの内装用化粧シートに関し、さらに詳しくは、表面に絵柄や凹凸模様等を有し、あたり傷が付き難く、破れ難い化粧シートおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、建築物の内装等に用いられる化粧シートとしては、難燃紙等を基材として、この上に塩化ビニル樹脂からなる発泡樹脂層を設けたもの、あるいは、これに絵柄層や凹凸模様を設けたものが一般に用いられている。しかし、この塩化ビニル樹脂を用いた化粧シートは、焼却時に塩化水素ガス等の有害なガスが発生するために、一般の焼却炉では焼却処分することができないといった廃材処理の問題や火災時にはこの塩化水素ガス等の有害なガスを吸引して中毒になるといった問題があり、塩化ビニル樹脂を用いた化粧シートの使用を避けるようになってきた。
【0003】
そこで、近年、この塩化ビニル樹脂を用いた化粧シートに替わって、非塩素系の樹脂、たとえば、アクリル系樹脂やポリエチレン,ポリプロピレン,ポリブテン,ポリブタジエン,ポリイソプレン等のポリオレフィンの1種ないしエチレン,プロピレン,ブテン,ブタジエン、イソプレン等のオレフィンの2種以上の共重合体、あるいは、炭素数が4以上のαオレフィンの共重合体(線状低密度ポリエチレン)、あるいは、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物等のオレフィン系樹脂、あるいは、これらの混合樹脂が用いられるようになってきた。
【0004】
しかし、これらの非塩素系樹脂を発泡樹脂層に用いた化粧シートは、いずれもあたり傷が付き易く、破れ易いという問題があると共に、発泡樹脂層の発泡セルにバラツキが生じ、均一な発泡セルを有する発泡樹脂層が得られないという問題があり、この問題を改善したものとして、絵柄層上にエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物フィルムを貼合した構成(基材/発泡樹脂層/絵柄層/エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物)からなる化粧シートが考案された。
【0005】
この絵柄層上にエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物フィルムを貼合した化粧シートは、上記の当たり傷が付き易く、破れ易いという問題を解決するものであったが、製造コストが高くつくと共に、化粧シートとしては表面の艶がありすぎるものであった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであって、環境に優しく、発泡樹脂層が均一な発泡セルからなり、当たり傷が付き難く、破れ難い化粧シートを提供すると共に、前記化粧シートを比較的安価に製造する方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記のような問題点を解決するために、請求項1記載の本発明の化粧シートの製造方法は、難燃剤、あるいは、無機充填剤が添加されている紙基材からなる基材層上に、少なくとも発泡剤、難燃剤、顔料を主体とする添加剤を含むオレフィン系熱可塑性樹脂からなる発泡樹脂層と、前記発泡樹脂層上に直接アイオノマー樹脂からなる被覆樹脂層が順に設けられている化粧シートの製造方法であって、前記発泡樹脂層と前記被覆樹脂層が共押出しにより形成されてなることを特徴とするものである。このように構成することにより、基材層上に前記発泡樹脂層と前記被覆樹脂層とを一工程で形成することができ、安価に製造することができる。また、このような構成された化粧シートは、耐衝撃強度が高いなど機械的性質に優れたアイオノマー樹脂の特性により、当たり傷が付き難く、破れ難い化粧シートとすることができると共に、発泡樹脂層が表出しないため、発泡樹脂層の発泡効率を高めることができ、発泡セルのバラツキの少ないほぼ一様な形状の発泡樹脂層を有する化粧シートとすることができ、ボリューム感のある化粧シートとすることができる。また、基材層に難燃性を付与することができる。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載する化粧シートの製造方法において、前記被覆樹脂層上に絵柄層と、保護層を順に設ける工程を含むことを特徴とするものである。このように構成することにより、意匠性に優れると共に、当たり傷が付き難く、破れ難い化粧シートすることができる。
【0009】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1、2のいずれかに記載の化粧シートの製造方法において、前記基材層の反対側に位置する最も外側の層から前記発泡樹脂層にかけて凹凸模様を施すことを特徴とするものである。このように構成することにより、様々な形状のシャープな凹凸模様を形成することができる
【0012】
【発明の実施の形態】
上記の本発明の化粧シートについて、以下に詳しく説明する。
本発明の基材層に用いる紙基材としては、スルファニルグアナジンや燐酸グアニジンなどの水溶性難燃剤を含浸させたパルプ主体の難燃紙、あるいは、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムなどの無機質剤を混抄した無機質紙など、一般的に難燃紙と言われるものを用いることができる。この坪量としては、50〜300g/m2 が適当である。
【0013】
また、本発明の発泡樹脂層に用いるオレフィン系熱可塑性樹脂層としては、たとえば、ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリブテン,ポリブタジエン,ポリイソプレン等のポリオレフィンの1種ないしエチレン,プロピレン,ブテン,ブタジエン、イソプレン等のオレフィンの2種以上の共重合体、あるいは、炭素数が4以上のαオレフィンの共重合体(線状低密度ポリエチレン)、あるいは、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物等のオレフィン系樹脂、あるいは、これらの混合樹脂を用いることができる。
【0014】
また、本発明の発泡樹脂層に用いる発泡剤としては、低沸点の炭化水素を内包した熱膨張型カプセル発泡剤を用いることができるが、低コストであると共に、難燃性や自己消火性に優れ、前記発泡樹脂層3に難燃性を付与することができる点等からアゾジカルボンアミド、アゾビスホルムアミド等のアゾ系化合物の熱分解型発泡剤が好適である。なお、前記熱分解型発泡剤の前記オレフィン系熱可塑性樹脂に対する混合量は、要求される意匠により適宜決めればよいが、概ね前記オレフィン系熱可塑性樹脂100 重量部に対して0.5 〜10重量部が適当である。
【0015】
また、本発明の発泡樹脂層に用いる難燃剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、酸化チタン等の無機物の1種ないし2種以上の混合物からなるものを挙げることができる。この発泡樹脂層に難燃剤を用いる理由としては、前記発泡樹脂層がオレフィン系熱可塑性樹脂から構成されており、このオレフィン系熱可塑性樹脂は可燃性であり、これにより形成される発泡樹脂層もまた可燃性の層となる。しかし、化粧シートは通常少なくとも難燃性が要求され、オレフィン系熱可塑性樹脂からなる前記発泡樹脂層に難燃剤を添加することにより、この発泡樹脂層に難燃性を付与するものである。この難燃剤の前記オレフィン系熱可塑性樹脂に対する添加量は、化粧シートとして必要とされる難燃性を確保できればよく、前記オレフィン系熱可塑性樹脂100 重量部に対して、概ね50〜200 重量部が適当である。その他、リン酸エステル、シリコーンパウダー等の難燃剤を挙げることができる。
【0016】
また、本発明の発泡樹脂層に用いる顔料としては、有機顔料、無機顔料等のいずれであってもよく、要するに意匠に合わせて任意に用いればよいが、高隠蔽顔料である必要があり、無機顔料、たとえば、二酸化チタン、亜鉛華、弁柄、朱、コバルトブルー、チタン黄、黄鉛、カーボンブラック、あるいは、アルミニウム、真鍮等の金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の箔粉からなる真珠光沢(パール)顔料等が一般的に好適である。これらは、粉状あるいは鱗片状箔片として、前記発泡樹脂層に用いられるオレフィン系熱可塑性樹脂に添加、分散せしめられる。
【0017】
また、本発明の被覆樹脂層に用いるアイオノマーとしては、Tダイ押出機で押し出し可能なものであって、特に、低温で流動性のよい〔メルトインデックス(MI)の高い〕ものが適当であり、たとえば、三井・デユポンポリケミカル(株)の銘柄である「ハイミラン1702」、「ハイミラン1652」等が適当である。
【0018】
また、前記アイオノマーには、必要に応じて帯電防止剤を添加して前記被覆樹脂層を帯電防止効果をもたせた層としてもよい。この帯電防止剤としては、周知の化合物を挙げることができ、たとえば、ノニオン系化合物として、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノール、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、脂肪酸ソルビタンエステル、脂肪酸ポリエチレングリコールエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸ソルビタンエステル、脂肪酸グリセリンエステル、アルキルポリエチレンイミン、また、アニオン系化合物として、脂肪酸アミン系、アルキル燐酸エステル塩系、ポリオキシエチレンアルキル燐酸エステル塩系、アルキル硫酸エステル塩系、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩系等の化合物、また、カチオン系化合物として、アルキルアミン塩系、アルキル第4級アンモニウム塩系、アルキルイミダゾリン誘導体系等の化合物、また、両性型化合物として、アルキルベタイン型、アルキルイミダゾリン型、N−アルキルβ−アラニン型等の化合物を挙げることができる。前記アイオノマーに帯電防止剤を添加する理由としては、前記アイオノマーが帯電し易い性質を有し、ゴミや埃を呼び寄せる恐れがあるためである。
【0019】
また、本発明の絵柄層の形成は、一般的にはグラビア印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷、転写シートからの転写印刷等周知の印刷法によりインキにて形成することができる。印刷絵柄としては、木目柄、石目柄、布目柄、皮紋柄、幾何学図形、文字、記号、あるいは、全面ベタ等の印刷絵柄がある。インキとしては、ビヒクルとして、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等の塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、イソシアネートとポリオールからなるポリウレタン、ポリアクリル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、セルロース系樹脂、ポリアミド系樹脂等を1種ないし2種以上混合して用い、これに顔料、溶剤、各種補助剤等を加えてインキ化したものを用いることができるが、環境に優しい化粧シートを考慮すると、ポリエステル、イソシアネートとポリオールからなるポリウレタン、ポリアクリル、ポリ酢酸ビニル、セルロース系樹脂、ポリアミド系樹脂等の1種ないし2種以上混合した非塩素系のビヒクルが好適である。また、前記絵柄層を前記被覆樹脂層上に形成するに際しては、前記絵柄層に用いるインキと前記被覆樹脂層との接着性を向上させる目的で前記被覆樹脂層にコロナ放電処理を施してもよいし、接着剤層としてアンカーコート剤等を塗工する処理を施してもよいし、あるいは、これら両方の処理を施してもよい。
【0020】
また、本発明の保護層は、本発明の化粧シートに耐スクラッチ性、耐薬品性、耐汚染性等を付与するために設けられるものであり、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂等の熱硬化型樹脂が適当であるが、特に本発明においては、イソシアネート基を有する2液硬化型ウレタン樹脂、ないし、1液湿気硬化型ウレタン樹脂が後述する理由により好適である。この保護層の厚さとしては0.5 〜100 μm、通常は1〜10μm程度である。
【0021】
2液硬化型ウレタン樹脂は、ポリオールを主剤とし、イソシアネートを架橋剤(硬化剤)とするウレタン樹脂である。ポリオールとしては、分子中に2個以上の水酸基を有するもので、たとえば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール等を用いることができる。また、イソシアネートとしては、分子中に2個以上のイソシアネート基を有する多価イソシアネートを用いることができる。たとえば、2−4トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、4−4ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、あるいは、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族(ないしは脂環族)イソシアネートを用いることができる。あるいはまた、上記各種イソシアネートの付加体、または、多量体を用いることもできる。たとえば、トリレンジイソシアネートの付加体、トリレンジイソシアネートの3量体(トリマー)等である。
【0022】
1液湿気硬化型ウレタン樹脂は、分子末端にイソシアネート基を有するプレポリマーを必須成分とする組成物である。前記プレポリマーは、通常は分子両末端に各々イソシアネート基を1個以上有するポリイソシアネートプレポリマーであり、室温で固体の熱可塑性樹脂の状態にあるものである。イソシアネート基同士が空気中の水分により反応して鎖延長反応を起こして、その結果、分子鎖中に尿素結合を有する反応物を生じて、この尿素結合にさらに分子末端のイソシアネート基が反応して、ビウレット結合を起こして分岐し、架橋反応を起こす。
【0023】
分子末端にイソシアネート基を有するプレポリマーの分子鎖の骨格構造は任意であるが、具体的には、ウレタン結合を有するポリウレタン骨格、エステル結合を有するポリエステル骨格、ポリブタジエン骨格等である。適宜これら1種ないし2種以上の骨格構造を採用する。なお、分子鎖中にウレタン結合がある場合は、このウレタン結合とも末端イソシアネート基が反応して、アロファネート結合を生じて、このアロファネート結合によっても架橋反応を起こす。
【0024】
次に、本発明の化粧シートを構成する発泡樹脂層、被覆樹脂層、絵柄層の各層に、必要に応じて紫外線吸収剤を添加してもよい。本発明に用いる紫外線吸収剤としては、分子中にOH基を有する有機系の化合物を使用する。たとえば、2−(2'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3'−tert−ブチル−5'−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3'−tert−アミル−5'−イソブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3'−イソブチル−5'−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3'−イソブチル−5'−プロピルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等の2'−ヒドロキシフェニル−5−クロロベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤類、2−(2'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等の2'−ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤類、2,2'−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4,4'−ジメトキシベンゾフェノン、2,2',4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノン等の2,2'−ジヒドロキシベンゾフェノン系紫外線吸収剤類、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン等の2−ヒドロキシベンゾフェノン系紫外線吸収剤類、サリチル酸フェニル、4−tert−ブチル−フェニル−サリシレート等のサリチル酸エステル系紫外線吸収剤類、2−エチル−ヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、オクチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート等のシアノアクリレート系紫外線吸収剤類等を用いることができる。なお、これら紫外線吸収剤の添加量は、通常、各層を形成する樹脂100 重量部に対して、0.1 〜10重量部程度である。
【0025】
また、紫外線による各層の劣化を尚一層防止し、耐候性を向上させるために、他の光安定剤としてラジカル捕捉剤を併用して用いるのが好適である。このラジカル捕捉剤としては、ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤が好ましい。この理由としては、ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤は、テトラアルキルピペリジンを母核に持ち、紫外線で発生するラジカルを捕捉するラジカル捕捉作用がある他に、ヒドロペルオキシド(ROOH)の不活性作用等の各種作用機構によりその効果が発揮されると推定されており、多機能の安定剤として優れた性能が得られる。ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤の具体例としては、ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル−トリデシル−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラギス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート等の他、たとえば、特公平4−82625号公報に開示されている化合物などのヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤を挙げることができる。このヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤の添加量としては前記シートを構成する熱可塑性樹脂100 重量部に対して0.01〜3.0 重量部添加するのが適当である。
【0026】
なお、ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤を用いる場合には、前記ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤を添加する層はもとより、この層に隣接する層には塩素原子を含む物質(各層を構成する樹脂はもとより、各層に添加するすべての物質)を有さない方が好ましい。この理由としては、塩素原子を有する物質が存在すると紫外線、または、熱の作用で脱塩素反応により塩化水素ガスが発生し、これがヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤と反応してその作用を失活・阻害し、本来目的とした耐候性が得られないからである。それ故に、紫外線吸収剤としても非塩素系のものが適当である。
【0027】
また、上記したように紫外線吸収剤として分子中にOH基を有する有機系を使用し、保護層をイソシアネート基を有する樹脂で形成することにより、紫外線吸収剤が表面にしみ出してきたとしても、保護層中のイソシアネート基と紫外線吸収剤のOH基とがウレタン結合して、保護層中に捕捉されるので、紫外線吸収剤の経時的な表面へのしみ出しを防止することができる。
【0028】
次に、本発明の化粧シートに凹凸模様を形成する方法としては、周知の枚葉、あるいは、輪転式のエンボス機を用いて、化粧シートが加熱された状態にある時に、基材層の反対側に位置する最も外側の層側からエンボス版で凹凸を施して後に冷却することにより、前記最も外側の層から発泡樹脂層にかけて凹凸模様を形成することができる。この凹凸模様の形状としては、木目板導管溝、石板表面凹凸、布表面テクスチュア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等がある。
【0029】
上記の本発明について、以下に図面等を用いて、さらに詳しく説明する。
まず、図1は本発明にかかる化粧シートの第1の実施形態の層構成図、図2は本発明にかかる化粧シートの第2の実施形態の層構成図であり、図中の1,11は化粧シート、2は難燃剤が添加された紙基材、3は発泡樹脂層、4は被覆樹脂層、5は凹凸模様、6は絵柄層、7は保護層をそれぞれ示す。
【0030】
図1は本発明の化粧シートの第1の実施形態の層構成図を示したものであり、本発明の化粧シート1は、基材層としての難燃剤が添加された紙基材2上にオレフィン系熱可塑性樹脂からなる発泡樹脂層3と、アイオノマー樹脂からなる被覆樹脂層4とを順に形成し、前記被覆樹脂層4側から前記発泡樹脂層3にかけて凹凸模様5を施したものである。
【0031】
このように構成することにより、当たり傷が付き難く、破れ難い化粧シートとすることができると共に、前記発泡樹脂層3が表出しないため、前記発泡樹脂層3の発泡効率を高めることができ、発泡セルのバラツキの少ないほぼ一様な形状の発泡樹脂層を形成することができる。
【0032】
図2は本発明の化粧シートの第2の実施形態の層構成図であって、本発明の化粧シート11は、基材層としての難燃剤が添加された紙基材2上にオレフィン系熱可塑性樹脂からなる発泡樹脂層3と、アイオノマー樹脂からなる被覆樹脂層4とを順に形成し、前記被覆樹脂層4上に絵柄層6を設け、さらに該絵柄層6上全面に保護層7を設け、該保護層7側から前記発泡樹脂層3にかけて凹凸模様5を施したものである。このように前記保護層7を設けることにより、化粧シートの表面層に要求される耐スクラッチ性、耐汚染性、耐薬品性等の諸物性を付与することができる。
【0033】
次に、本発明の化粧シートの製造方法について、上記した第2の実施形態の化粧シート11を例に挙げて一実施例を説明する。まず、基材層としての難燃剤が添加された紙基材2上に、発泡剤、難燃剤、顔料を主体とする添加剤を含むオレフィン系熱可塑性樹脂からなる発泡樹脂層3と、アイオノマー樹脂からなる被覆樹脂層4とを、前記発泡樹脂層3が前記紙基材2と接するように2層で、かつ、前記発泡樹脂層3を未発泡の状態で共押出して積層体を作製し、該積層体の表出する前記被覆樹脂層4面にコロナ放電処理を施すと共に、該コロナ放電処理を施した面にグラビア印刷にて絵柄層6を形成し、該絵柄層6面全面にグラビア印刷にて保護層7を形成して後に、このものを加熱発泡炉で前記未発泡の発泡樹脂層3を発泡させて発泡樹脂層3となすと共に、前記保護層7側から前記発泡樹脂層3にかけて、エンボス版にて凹凸模様5を形成後、冷却することにより、化粧シート11を得ることができる。このように前記発泡樹脂層3と前記被覆樹脂層4とを共押出しにより形成することにより、前記発泡樹脂層3と前記被覆樹脂層4とを一度に形成することができ、極めて効率的である。
【0034】
【実施例】
上記の本発明について、以下に実施例を挙げて、さらに詳しく説明する。
実施例1
坪量70g/m2の難燃紙〔特種製紙(株)製: TT-70CD〕を用い、この表面に表1に示す配合の発泡樹脂層形成組成物と表2に示すアイオノマーからなる被覆樹脂層形成組成物とをTダイから2層で共押出して、難燃紙70g/m2/未発泡の発泡樹脂層120 μm/被覆樹脂層20μmからなる積層体を作製し、該積層体の前記被覆樹脂層面にコロナ放電処理を施して後に、該コロナ放電処理面にアクリル−ウレタン樹脂(プレポリマーとしてアクリルポリオールを用い、イソシアネートと反応してウレタン結合を形成させる2液反応型樹脂をいう)からなる印刷インキでグラビア印刷して砂目柄模様の絵柄層を形成し、該絵柄層面全面に2液硬化型ウレタン樹脂を周知のグラビア印刷法でドライ時に2g/m2となるように塗工して保護層を形成した。このものを加熱発泡炉(200 ℃で1分)で未発泡の発泡樹脂層を発泡させると共に、前記保護層側から砂目柄模様のエンボス版にてエンボス加工を行い、本発明の一実施例の化粧シートを得た。
【0035】
【表1】
Figure 0004417453
【0036】
【表2】
Figure 0004417453
【0037】
比較例1
坪量70g/m2の難燃紙〔特種製紙(株)製: TT-70CD〕を用い、この表面に表1に示す配合の発泡樹脂層形成組成物を単層で押し出して、難燃紙70g/m2/未発泡の発泡樹脂層140 μmからなる積層体を作製し、該積層体の前記未発泡の発泡樹脂層面にコロナ放電処理を施して後に、該コロナ放電処理面にアクリル−ウレタン樹脂(プレポリマーとしてアクリルポリオールを用い、イソシアネートと反応してウレタン結合を形成させる2液反応型樹脂をいう)からなる印刷インキでグラビア印刷して砂目柄模様の絵柄層を形成し、該絵柄層面全面に2液硬化型ウレタン樹脂を周知のグラビア印刷法でドライ時に2g/m2となるように塗工して保護層を形成した。このものを加熱発泡炉(200 ℃で1分)で未発泡の発泡樹脂層を発泡させると共に、前記保護層側から砂目柄模様のエンボス版にてエンボス加工を行い、比較例とする化粧シートを得た。
【0038】
上記で作製した実施例1および比較例1の化粧シートについて、JIS−L−0849の摩擦試験に沿い、1Kgの質量の摩擦子を用いた湿摩擦試験(過酷試験)を行い、そのテスト結果を表3にまとめて示した。
【0039】
【表3】
Figure 0004417453
【0040】
表3の結果からも明らかなように、本発明の実施例1は、比較例1に比較して湿摩擦に優れた化粧シートとすることができた。
【0041】
【発明の効果】
本発明の化粧シートは、今まで縷々説明してきたが、非塩素系樹脂を用いた構成とすることにより、環境に優しい化粧シートとすることができると共に、アイオノマー樹脂からなる被覆樹脂層を発泡樹脂層上に設けることにより、湿摩擦に優れ、当たり傷が付き難く破れ難い化粧シートとすることができる。また、発泡樹脂層上に被覆樹脂層を設けることにより、発泡効率が高く発泡セルのバラツキの少ない(発泡セルの均一な)発泡樹脂層を得ることができ、ボリュウム感のある化粧シートとすることができる。さらに、発泡樹脂層と被覆樹脂層とを2層で共押出しする製造方法をとることにより、生産性を向上させることができ、安価な製造コストで製造することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる化粧シートの第1の実施形態の層構成図である。
【図2】 本発明にかかる化粧シートの第2の実施形態の層構成図である。
【符号の説明】
1,11 化粧シート
2 難燃剤が添加された紙基材
3 発泡樹脂層
4 被覆樹脂層
5 凹凸模様
6 絵柄層
7 保護層

Claims (3)

  1. 難燃剤、あるいは、無機充填剤が添加されている紙基材からなる基材層上に、少なくとも発泡剤、難燃剤、顔料を主体とする添加剤を含むオレフィン系熱可塑性樹脂からなる発泡樹脂層と、前記発泡樹脂層上に直接アイオノマー樹脂からなる被覆樹脂層が順に設けられている化粧シートの製造方法であって、前記発泡樹脂層と前記被覆樹脂層が共押出しにより形成されてなることを特徴とする化粧シートの製造方法
  2. 前記被覆樹脂層上に絵柄層と、保護層を順に設ける工程を含むことを特徴とする請求項1記載の化粧シートの製造方法
  3. 前記基材層の反対側に位置する最も外側の層から前記発泡樹脂層にかけて凹凸模様を施すことを特徴とする請求項1、2のいずれかに記載の化粧シートの製造方法
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