JP4843926B2 - 壁紙 - Google Patents

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Description

本発明は、建築物の内装材、特に壁装材として好適に用いられる壁紙に関する。
従来、建築物の内装材等に使用されている壁紙としては、紙基材の上に塩化ビニル樹脂を形成したいわゆる塩化ビニル壁紙が広く利用されている。ところが、近年では塩化ビニルを使用しない化粧シートが考えられており、発泡させたポリオレフィンを用いた壁紙(いわゆる非塩ビ樹脂壁紙)が提案されている。
ところが、ポリオレフィン系壁紙では、表面強度が塩化ビニルに比べて低いという欠点がある。そのため、この問題を改善すべく種々の方法が提案されている。
例えば、1)発泡層を省略する方法、2)印刷層の上の最表層にエチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)フィルムをラミネートする方法(特許文献1)、3)印刷層の上の最表層に非ハロゲン系フィルムをラミネートする方法(特許文献2)、4)印刷層の上の最表層にエチレン−酢酸ビニル共重合体等のエマルジョンコートを付与する方法、5)発泡層の発泡倍率を低倍率とする方法、6)発泡層を2層化し、上層(絵柄層側)の発泡層の倍率を下げる方法(特許文献3)、7)発泡層と印刷層との間に非発泡層を形成する方法(特許文献4)等が知られている。
実開昭59−172797号公報 特開2003−200513号公報 特開2001−277407号公報 特開平10−278199号公報
しかしながら、これらの従来技術では、その壁紙における表面強度は十分なものとは言えず、さらなる改善が必要である。ところで、表面強度の評価方法としては、1)引っ掻き試験、2)摩耗試験の2つ方法があるが、特に後者の試験で良好な結果がでるように品質を改善する必要がある。
摩耗試験による特性を改善する方法としては、例えばイ)化粧層(絵柄層)の上に摩耗に耐える丈夫で滑り性の良いフィルム層を形成する方法、ロ)通常の樹脂を用いて厚みのある樹脂層を形成し、耐用年数を稼いで耐久性を付与する方法等が考えられる。
しかしながら、上記イ)の方法では、強度に優れる結晶性フィルム(エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリプロピレン、ポリエチレン等)を用いることができるが、壁紙を施工する際に不具合(例えば端部カール等)が生じやすいという欠点がある。
また、上記ロ)の方法では、樹脂層の厚さが厚くなれば、それだけ不燃性が低くなり、不燃規格(準不燃)をクリアできなくなる。
従って、本発明の主な目的は、高い表面強度を有するとともに、優れた難燃性を有する非塩化ビニル系の壁紙を提供することにある。
本発明者は、上記の問題点を解決するために鋭意研究を重ねた結果、発泡体層の形成に特定の樹脂組成物を用いることにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記の壁紙に係る。
1. 繊維質基材シート上に少なくとも樹脂成分がポリオレフィン系樹脂からなる発泡樹脂層、絵柄層及び表面保護層を順に有する壁紙であって、
(1)前記発泡樹脂層には、炭酸カルシウムが10〜70重量%含まれ、
(2)前記基材シートを除く壁紙の最大厚みが0.4mm以上であり、
(3)前記表面保護層の厚みが0.02mm以上であり、かつ前記表面保護層を形成する樹脂がナイロン樹脂であり、
(4)発泡樹脂層が電子線によって架橋されており、
(5)ISO5660発熱性試験法に基づきデンプン系糊を固形分60g/m以上で準不燃石膏ボード基材に壁紙を積層した状態で10分間の総発熱量が8MJ/m以下である、
ことを特徴とする壁紙。
2. 発泡樹脂層が、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びエチレン−メタクリル酸メチル共重合体の少なくとも1種の樹脂を含み、かつ、架橋されている、前記項1に記載の壁紙。
本発明によれば、特定量のフィラーを含む発泡樹脂層を採用しているので、じこれまでのポリオレフィン系壁紙と同程度の物性を維持しつつ、優れた難燃性を発揮する壁紙を提供することができる。
このような特長をもつ本発明の壁紙は、従来の塩化ビニル系壁紙の代替品として好適である。
本発明の壁紙は、繊維質基材シート上に少なくとも発泡樹脂層、絵柄層及び表面保護層を順に有する壁紙であって、
(1)前記発泡樹脂層には、着色顔料以外の無機フィラーが10〜70重量%含まれ、
(2)前記基材シートを除く壁紙の最大厚みが0.4mm以上であり、
(3)前記表面保護層の厚みが0.02mm以上であり、
(4)ISO5660発熱性試験法に基づきデンプン系糊を60g/m2以上で準不燃石膏ボード基材に壁紙を積層した状態で10分間の総発熱量が8MJ/m2以下である、
ことを特徴とする。
本発明の壁紙は、基材シートを除く壁紙の最大厚みが0.4mm以上(好ましくは0.5〜0.9mm)である。なお、最大厚みは、厚みが最大となる部分の厚みをいう。上記厚みの範囲に設定することよって、優れた表面強度とともに良好な難燃性を発揮することができる。
本発明の壁紙は、ISO5660発熱性試験法に基づきデンプン系糊を60g/m2以上で準不燃石膏ボード基材に壁紙を積層した状態で10分間の総発熱量が8MJ/m2以下である。
繊維質基材
繊維質基材シートとしては、例えば紙、不織布、織布等が用いられる。紙としては、難燃紙又は一般紙のいずれであっても良い。
難燃紙としては、紙の中に次のような難燃剤を含有させた紙である。難燃剤としては、例えば尿素、アンモニウム化合物等の窒素化合物、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の水酸化物(好ましくは水和物)のほか、自消性を有するリン又はハロゲン元素を含む難燃剤を好適に用いることができる。特に、水酸化マグネシウム等のように結晶水を含む化合物を配合することにより、燃焼分解時に結晶水の気化熱によって好適に難燃化を図ることができる。
不織布としては、例えば湿式不織布、乾式不織布等がある。湿式不織布としては、例えば抄紙式が挙げられる。また、乾式不織布としては、例えば接着剤式、機械結合式(ニードルパンチ、ステッチボンド)、スパンボンド式等が挙げられる。より具体的には、不織布として、レーヨン紙、パルプを混抄したもの、和紙、ガラス不織布、石綿不織布、ポリエステル不織布等を用いることができる。
発泡樹脂層
発泡樹脂層は、着色顔料以外の無機フィラーが10〜70重量%(好ましくは15〜50重量%)含む。かかる範囲に設定することによって、優れた表面強度のほか、良好な加工性(特にカッターによる切断時の加工性)等を得ることができる。
無機フィラーとしては、着色顔料以外のものであれば限定されず、例えば炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレー、タルク等の粉末(粒子)のほか、マイカ、シリカ、アルミナ、ケイソウ土、ケイ砂、シラスバルーンのような無機質中空体等のような各種の無機フィラーが挙げられる。これらは1種又は2種以上で用いることができる。
発泡樹脂層を構成する樹脂は限定されないが、特にポリオレフィン系樹脂であることが好ましい。ポリオレフィン系樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリイソプレン等のポリオレフィン;エチレン、プロピレン、ブテン、ブタジエン、イソプレン等のオレフィンの2種以上の共重合体;炭素数が4以上のαオレフィンの共重合体(線状低密度ポリエチレン);エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、あるいは、アイオノマー、あるいはこれらの1種又は2種以上を含む混合樹脂を挙げることができる。
本発明では、特に、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)及びエチレン−メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)の少なくとも1種が好ましい。EVA及びEMMAは特に限定されず、公知又は市販のものを使用することができる。特に、EVAは、酢酸ビニル成分(VA成分)が10〜30重量%(特に15〜25重量%)であるものが望ましい。また、EMMAは、メタクリル酸メチル成分(EMA成分)が5〜30重量%(特に10〜20重量%)であるものが望ましい。このような範囲のものを使用することによって、所望の発泡安定性及び発泡体の柔軟性がより効果的に得られる。
本発明では、樹脂成分としてEVA及びEMMA以外のものが含まれていても良い。例えば、ポリエチレン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・ブテン−1共重合体、ポリプロピレン、プロピレン・ブテン−1共重合体、ポリブテン−1、ブテン−1・プロピレン・エチレン・3元共重合体、ブテン−1・ヘキセン−1・オクテン−1・3元共重合体、ポリメチルペンテンのほか、特開平6−16832号公報、特公平6−23278号公報等に記載されたオレフィン系エラストマー等も使用できる。これらの樹脂は1種又は2種以上で用いることができる。
また、これらの樹脂以外にも、他の添加剤を必要に応じて配合することができる。例えば、難燃剤を入れて難燃性を付与することもできる。難燃剤としては、例えば尿素等の窒素化合物、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の水酸化物(特に結晶水を持つ化合物)、自消性を有するリン又はハロゲン元素を含む難燃剤等が適している。特に水酸化物のような化合物を配合することにより、燃焼分解時に結晶水の気化熱で難燃化を図ることができる。また、ポリオレフィン系樹脂に、窒素化合物とリン化合物からなる混合難燃化合物が25〜100重量部配合されていることが望ましい。その理由としては、ポリオレフィンとの相溶性が良好となり、熱安定性も良くなるからである。
また、ポリオレフィン系樹脂に柔軟性、耐衝撃性、易接着性を付与する目的で各種ゴム類を添加することもできる。
ゴム類としては、例えばジエン系ゴム、水素添加ジエン系ゴム、オレフィンエラストマー等が挙げられる。この中でも水素添加ジエン系ゴムが好ましい。水素添加ジエン系ゴムは、ジエン系ゴム分子の二重結合の少なくとも一部分に水素原子を付加させてなるもので、本発明においてはポリオレフィン系樹脂の改質材として、使用される。ポリオレフィン系樹脂の結晶化を抑え、柔軟性、透明性を高める役割がある。また、一般にポリオレフィン系樹脂にジエン系ゴムを添加するとジエン系ゴムの二重結合のため、耐候性・耐熱性はジエン系ゴム無添加のポリオレフィン系樹脂より低下するが、本発明では、ジエン系ゴムの二重結合を水素で飽和させるため、ポリオレフィン系樹脂の耐候性、耐熱性の低下も無く良好なものとなる。
ジエン系ゴムとしては、例えばイソプレンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、プロピレン・ブタジエンゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、アクリロニトリル・イソプレンゴム、スチレン・ブタジエンゴム等が挙げられる。本発明の目的からは、特にスチレン・ブタジエンゴム等が好ましい。
ゴム類の添加量としては、特に限定されないが、通常はポリオレフィン系樹脂100重量部に対し、1〜90重量部程度とすれば良い。
また、発泡樹脂層に着色顔料を添加して透明着色又は不透明着色を施すこともできる。着色顔料としては、公知又は市販のものを使用できる。例えば、チタン白、亜鉛華、弁柄、朱、群青、コバルトブルー、チタン黄、黄鉛、カーボンブラック等の無機顔料;イソインドリノン、ハンザイエローA、キナクリドン、パーマネントレッド4R、フタロシアニンブルー、インダスレンブリーRS、アニリンブラック等の有機顔料(染料も含む);アルミニウム、真鍮等の金属顔料;二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の箔粉からなる真珠光沢(パール)顔料等が挙げられる。これらは1種又は2種以上で用いることができる。また、これらは、用途に応じて、透明着色顔料又は不透明着色顔料のいずれかを選択することができる。これら顔料は、粉末又は鱗片状箔片として添加、分散すれば良い。
発泡樹脂層の形成は、上記樹脂、発泡剤及び必要に応じて架橋剤を含む樹脂組成物を用い、例えばTダイによる押出し法、カレンダー加工による方法、接着剤を用いるドライラミネートによる方法、ゾルコートによる方法等の公知の方法をいずれも採用することができる。この場合、樹脂組成物による層を繊維質基材上に直接形成し、積層体とする方法であっても良いし、あるいは樹脂組成物による層を単独で形成した後、これを繊維質基材に積層する方法等のいずれであっても良い。
発泡処理の方法は特に限定されず、公知の壁紙で採用されている方法に従えば良い。例えば、発泡する前の層を200〜240℃程度で加熱することにより実施することができる。
発泡剤は、公知又は市販のものを使用することができる。例えば、前記したポリオレフィン系樹脂のプラスチゾル、オルガノゾル等の組成物に起泡剤を添加し、プラネタリーミキサー等の攪拌機により攪拌して機械的に発泡させる場合は、市販の起泡剤を使用すれば良い。また、例えばアゾジカーボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物;パラトルエンスルホニルヒドラジド、オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド等のスルホニルヒドラジド系化合物;N,N′−ジニトロソペンタメチレンテトラミン等のニトロソ化合物;炭酸アンモニウム、ソジウムボロンハイドライト、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム等の熱分解型発泡剤のほか、アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸メチル等からなる樹脂皮殻にヘキサン、ヘプタン、ブタン、空気等の熱膨張性気体を内包させたマイクロカプセル型発泡剤等を用いることができる。これらは1種又は2種以上で用いることができる。
発泡剤の添加量は、使用する発泡剤の種類、発泡方法等により適宜設定すれば良いが、一般的にはポリオレフィン系樹脂100重量部に対して1〜10重量部程度とすれば良い。
熱分解型発泡剤を用いて発泡体層とする場合には、発泡剤とともに必要に応じて発泡促進剤を添加することができる。発泡促進剤は使用する熱分解型発泡剤の熱分解、気体発生反応を促進する物質を使用すれば良い。例えば、発泡剤としてアゾジカーボンアミド等のアゾ化合物を用いる場合は、発泡促進剤として二塩基性硫酸鉛、三塩基性硫酸鉛、三塩基性マレイン酸鉛、二塩基性フタル酸鉛、ステアリン酸鉛、亜鉛華、尿素、シュウ酸、エタノールアミン等の少なくとも1種用いることができる。また、発泡剤としてN,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミンを用いる場合は、発泡促進剤としてシュウ酸、サリチル酸、無水フタル酸、尿素、エチレングリコール、ホウ酸、安息香酸等を少なくとも1種用いることができる。
発泡樹脂層の厚み(発泡後の厚み)は、特に制限されないが、一般的には400〜900μm程度とすれば良い。また、発泡樹脂層は、発泡倍率の限定は特にないが、通常は5倍以上、好ましくは6倍以上(特に6〜10倍程度)とする。上記範囲であれば、所望の表面強度、加工性等をより確実に得ることができる。
また、発泡樹脂層を架橋する場合は、発泡樹脂層を形成した後、発泡樹脂層が未発泡の状態で架橋処理を実施すれば良い。架橋処理をする場合、架橋剤を用いることができる。架橋剤は、ポリオレフィン系樹脂を架橋するものであれば良く、用いるポリオレフィン系樹脂の種類等に応じて適宜選択すれば良い。本発明では、特にアクリルモノマー等を好適に用いることができる。
架橋処理の方法は限定されないが、特に電離放射線による架橋処理(硬化処理)が好ましい。例えば、繊維質基材シート上に上記樹脂組成物による層を形成し、発泡適性粘度の温度範囲を広くするために、電子線等の電離放射線を照射して架橋させる。これにより、生産性が安定する上、表面の発泡シートは電子線で架橋されているので、表面がより硬くなり、表面に傷が付きにくくなる。
なお、電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち分子を重合・架橋し得るエネルギー量子を有するものを意味し、通常は紫外線、電子線等が用いられる。紫外線源としては、例えば超高圧水銀燈、高圧水銀燈、低圧水銀燈、カーボンアーク、ブラックライトランプ、メタルハライドランプ等の光源を用いることができる。また、電子線源としては、例えばコックロフトワルトン型、バンデグラフ型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、あるいは直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器を用れば良い。強度としては、通常100〜1000keV程度、好ましくは100〜300keVのエネルギーをもつ電子を照射すれば良い。
絵柄層
絵柄層は、一般的にはグラビア印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷等の公知の印刷法によりインキにて形成することができる。
印刷絵の図柄としては、例えば木目柄、石目柄、布目柄、皮紋柄、幾何学図形、文字、記号、あるいは、全面ベタ等の印刷絵柄が挙げられる。
印刷インキとしては、ビヒクルとして、例えば塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等の塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、イソシアネートとポリオールからなるポリウレタン、アクリル、酢酸ビニル、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、セルロース系樹脂、ポリアミド系樹脂等を1種又は2種以上混合して用い、これに顔料、溶剤、各種補助剤等を加えてインキ化したものを用いることができる。特に、本発明では、ポリエステル、イソシアネートとポリオールからなるポリウレタン、アクリル、酢酸ビニル、セルロース系樹脂、ポリアミド系樹脂等の1種ないし2種以上混合した非塩素系樹脂が好ましい。
表面保護層
表面保護層は、壁紙に耐スクラッチ性、耐摩耗性、耐汚染性等の表面物性を付与することができる。
表面保護層を形成する樹脂は限定的でないが、特に耐スクラッチ性、耐摩耗性、耐汚染性等に優れるという点でナイロン樹脂が好ましい。ナイロン樹脂とは、主鎖にアミド結合を持つ重合体で、ジアミンと二塩基酸の重縮合、ラクタムの開環重合、アミノカルボンの重縮合などによって得られるポリアミド樹脂のうち線状のものをナイロン樹脂という。ナイロン樹脂にはナイロンmn(mはジアミン、nは二塩基酸のそれぞれの炭素原子数)とナイロンn(nはω−アミノ酸又はラクタムの炭素原子数)の二つのタイプがある。これら高機能性プラスチックの一つであるナイロン樹脂は、結晶性の線状高分子であり、分子鎖中に特異なアミド結合−CONH−が存在するため、種々の優れた性質(耐衝撃性、耐摩耗性、自己消火性)を有する。
表面保護層の形成方法としては、例えば前記樹脂を加熱溶融したものを押出しコート法等の塗工手段を用いて塗工したり、あるいは前記樹脂をフイルム化したものを周知のドライラミネーション法等で貼合することにより形成することができる。
本発明の壁紙では、表面保護層の厚みを0.01mm以上とし、好ましくは0.05〜0.12mmとする。これにより、優れた表面強度等を得ることができる。
また、必要に応じて表面保護層の上から凹凸模様の形成することもできる。凹凸模様は、周知の枚葉あるいは輪転式のエンボス機を用いて化粧シートが加熱された状態にあるときに、最も外側の層からエンボス版で凹凸を施して後に冷却することにより、表面保護層から前記発泡樹脂層にかけて凹凸を形成することができる。この凹凸模様の形状としては、例えば木目板導管溝、石板表面凹凸、布表面テクスチュア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等が挙げられる。
その他の層
本発明の壁紙では、前記の各層のほか、必要に応じて他の層(接着剤層、プライマー層等)が含まれていても良い。
接着剤層は、例えば公知のアクリル系、ウレタン系等の接着剤を使用することができる。
プライマー層(又はアンカー層)としては、例えばアクリル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、ポリウレタン、塩素化ポリプロピレン、塩素化ポリエチレン等を使用することができる。特に、特にアクリル、塩素化ポリプロピレン等が望ましい。
アクリルとしては、例えばポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸プロピル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチル・(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、(メタ)アクリル酸エチル・(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸メチル共重合体、スチレン・(メタ)アクリル酸メチル共重合体等の(メタ)アクリル酸エステルを含む単独又は共重合体からなるアクリル樹脂のことである。但し、(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタアクリルを意味するものとし、以下同様である。
ポリウレタンとはポリオール(多価アルコール)を主剤とし、イソシアネートを架橋剤(硬化剤)とする組成物である。
ポリオールとしては、分子中に2個以上の水酸基を有するもので、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール等が用いられる。
また、イソシアネートとしては、分子中に2個以上のイソシアネート基を有する多価イソシアネートが用いられる。例えば、2−4トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、4−4ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、或いはヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族(乃至は脂環族)イソシアネートが用いられる。
壁紙の製造方法
本発明の壁紙の製造方法は、各層を前記のような形成方法に従って実施すれば良い。例えば、1)発泡剤、難燃剤、二酸化チタン、無機フィラー及びEVA又はEMMAを含む樹脂組成物を加熱溶融押出しして未発泡状態の発泡樹脂層を形成し、2)未発泡状態の発泡樹脂層の露出面にコロナ放電処理を施すとともに、コロナ放電処理を施した面にグラビア印刷にて絵柄層を形成し、3)絵柄層全面に対して、加熱溶融押出により未延伸ナイロン樹脂からなる表面保護層を形成した後、4)このものを加熱発泡炉で前記未発泡の発泡樹脂層を発泡させるとともに、前記表面保護層側から前記発泡樹脂層にかけて、エンボス版にて凹凸模様を形成後、冷却することにより、壁紙を得ることができる。
このように前記発泡樹脂層を未発泡の状態で溶融押出により形成することにより、絵柄層を鮮明に形成することができる。また、表面保護層として未延伸ナイロン樹脂を用いる場合には、特に、エンボス賦形性に優れ、シャープな凹凸模様を極めて効率的に得ることができる。また、表面保護層を形成する場合に、ナイロン樹脂と接着性樹脂の2層同時加熱溶融押出して、接着性樹脂が絵柄層と接するように設けることによって、より優れた密着性を得ることができる。
被着材
本発明の壁紙を貼りつけるための被着材としては特に制限されず、例えば石膏ボード、パーライトボード、襖、扉等の平板、曲面板等の板材、立体形状物品〔成形品〕等の各種形状の物品が対象となる。
これら各種被着材への積層方法としては、例えば1)接着剤層を間に介して被着材に加圧ローラーで加圧して積層する方法、2)被着材の表面に壁紙を間に接着剤層を介して対向乃至は載置し、被着材(成形品)側からの真空吸引による圧力差により壁紙を成形品表面に積層する、いわゆる真空プレス積層方法、3)円柱、多角柱等の柱に、壁紙4を間に接着剤層を介して供給しつつ、複数の向きの異なるローラーにより、柱状体を構成する複数の側面に順次壁紙を加圧接着して積層してゆく、いわゆるラッピング加工法等がある。特に、壁紙を凹凸立体物に貼り合わせる方法としては、ラッピング加工法が好ましい。
本発明の壁紙は、所定の成形加工等を施して、各種用途に用いる。例えば、壁、天井、床等建築物の内装、窓枠、扉、手摺等の建具の表面化粧、家具又は弱電・OA機器のキャビネットの表面化粧、自動車、電車等の車輛内装、航空機内装、窓硝子の化粧等の用途が挙げられる。
以下、実施例を示し、本発明についてより詳細に説明する。ただし、本発明の範囲は、実施例に限定されない。
実施例1
発泡体層を形成する樹脂組成物として、エチレン−酢酸共重合体(住友化学製「5053」,MFR70,VA20)100重量部、炭酸カルシウム(白石工業製「ホワイトンH」)30重量部、二酸化チタン(デュポン製「R108」)25重量部、発泡剤(永和化成製「ADCA#3」)3重量部、発泡剤(永和化成製「OBSH#5000」)1重量部及び安定剤(旭電化工業製「OF101」)5重量部の混練物を用いた。
まず、前記混練物を130℃に加熱し、Tダイ押し出しによって製膜し、基材である裏打ち紙上に積層することによって発泡樹脂層を形成した。発泡樹脂層に電子線を照射(175kv,8Mrad)することにより架橋処理を実施した。次に、2液硬化型ポリエステル系インキ(「FPGR」昭和インク工業所製)を用いて石目柄印刷をグラビア印刷法にて絵柄層の形成を行った。この絵柄層上に表面保護層を形成した。その後、加熱炉中にて230°Cで30秒加熱し、前記発泡樹脂層を7倍に発泡させることにより発泡樹脂層を形成した。これにより、各層の厚みが、基材100μm/発泡樹脂層560μm/絵柄層2μm/表面保護層20μmの壁紙を得た。
得られた壁紙について、ISO5660発熱性試験法に基づき市販デンプン系糊「ルーアマイルド」(ヤヨイ化学製)を固形分60g/m2以上で用いて準不燃石膏ボード基材に壁紙を積層した状態での10分間の総発熱量を測定した。その結果、発熱量は7.4MJ/m2であった。

Claims (2)

  1. 繊維質基材シート上に少なくとも樹脂成分がポリオレフィン系樹脂からなる発泡樹脂層、絵柄層及び表面保護層を順に有する壁紙であって、
    (1)前記発泡樹脂層には、炭酸カルシウムが10〜70重量%含まれ、
    (2)前記基材シートを除く壁紙の最大厚みが0.4mm以上であり、
    (3)前記表面保護層の厚みが0.02mm以上であり、かつ前記表面保護層を形成する樹脂がナイロン樹脂であり、
    (4)発泡樹脂層が電子線によって架橋されており、
    (5)ISO5660発熱性試験法に基づきデンプン系糊を固形分60g/m以上で準不燃石膏ボード基材に壁紙を積層した状態で10分間の総発熱量が8MJ/m以下である、
    ことを特徴とする壁紙。
  2. 発泡樹脂層が、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びエチレン−メタクリル酸メチル共重合体の少なくとも1種の樹脂を含み、かつ、架橋されている、請求項1に記載の壁紙。
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