JP4910835B2 - 発泡壁紙 - Google Patents

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Description

本発明は、発泡壁紙に関する。
従来、発泡壁紙としては、紙質基材上に樹脂成分として塩化ビニル樹脂を含有する発泡樹脂層を積層したものが知られている。近年では、環境に配慮し、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、アクリル樹脂、オレフィン系樹脂等のハロゲンを含有しない樹脂を樹脂成分として含有する発泡樹脂層を積層したものもある(特許文献1〜3等)。
発泡壁紙には表面強度(特に耐スクラッチ性)が要求される。このため、近年では更に、発泡樹脂層のおもて面に非発泡樹脂層である表面保護層が設けられる場合が多い。表面保護層としては、表面強度の発現に有利なエチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)を樹脂成分として含む非発泡樹脂層が知られている。また、発泡壁紙の更なる表面強度の発現を期待して、発泡樹脂層に含まれる樹脂成分としてもEMAAを用いる場合もある。
しかしながら、樹脂成分としてEMAAを用いる場合には、次の問題がある。それは、EMAAを含有する場合には、表面強度の発現には有利になる反面、発泡壁紙の柔軟性が低下するために発泡壁紙のコシが強く、施工性が低下するという問題がある。とりわけ、施工対象に角部や湾曲部が含まれる場合には、施工性が低下し易い。
この問題点に鑑み、表面強度及び施工性が良好な、発泡壁紙の開発が望まれている。
特開平6−47875号公報 特開2000−255011号公報 特開2001−347611号公報
本発明は、表面強度及び施工性が良好な、発泡壁紙を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、樹脂成分としてEMAAを含有する樹脂層に更に特定の成分を含有する場合には、表面強度を損なうことなく施工性を改善できるために、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の発泡壁紙に関する。
1.紙質基材上に発泡樹脂層及び非発泡樹脂層1が順に積層されている発泡壁紙であって、発泡樹脂層及び非発泡樹脂層1の少なくとも1層は、樹脂成分としてエチレン−メタクリル酸共重合体及びエチレン−αオレフィン共重合体を含有し、且つ、エチレン−αオレフィン共重合体は樹脂成分中20〜50重量%含有されていることを特徴とする発泡壁紙。
2.紙質基材と発泡樹脂層との間に非発泡樹脂層2を更に有する、上記項1に記載の発泡壁紙。
3.表面にエンボス加工が施されている、上記項1又は2に記載の発泡壁紙。
以下、本発明の発泡壁紙について詳細に説明する。
本発明の発泡壁紙は、紙質基材上に発泡樹脂層及び非発泡樹脂層1が順に積層されている発泡壁紙であって、発泡樹脂層及び非発泡樹脂層1の少なくとも1層は、樹脂成分としてエチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)及びエチレン−αオレフィン共重合体を含有することを特徴とする。
上記特徴を有する本発明の発泡壁紙は、発泡樹脂層及び非発泡樹脂層1の少なくとも1層がEMAAを含有するため、良好な表面強度を有する。特に非発泡樹脂層1は表面保護層としての役割を有しているため、非発泡樹脂層1にEMAAが含有される場合には、表面特性を良好なものとし易い。また、本発明の発泡壁紙は、EMAAを含有する層に更にエチレン−αオレフィン共重合体も含有するため、EMAAに基づく表面強度特性を阻害せず、EMAAを含有する層の柔軟性が改善されている。つまり、発泡壁紙のコシの強さが緩和されているため、施工対象に角部や湾曲部が含まれる場合であっても施工し易い。即ち、本発明の発泡壁紙は、EMAAを含有することに基づく良好な表面強度を維持しながら良好な施工性も有する。
以下、本発明の発泡壁紙を層ごとに分けて説明する。
紙質基材
紙質基材は、壁紙基材として適した機械強度、耐熱性等を有する限り特に限定されず、繊維質シートが一般に使用できる。
具体的には、繊維質シートの中でも、難燃紙(パルプ主体のシートをスルファミン酸グアニジン、リン酸グアジニン等の難燃剤で処理したもの);水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の無機添加剤を含む無機質紙;上質紙;薄用紙などが挙げられる。
紙質基材の坪量は限定的ではないが、50〜300g/m程度が好ましく、50〜80g/m程度がより好ましい。
発泡樹脂層
発泡樹脂層は、発泡壁紙にクッション性を付与する層であり、通常は発泡壁紙の厚さの大部分を占める。発泡樹脂層は、樹脂成分のほか、無機充填剤、顔料、架橋助剤等の添加剤を含んでもよく、このような発泡樹脂層は、発泡剤含有樹脂層を発泡させることにより形成されることが好ましい。
発泡剤含有樹脂層は、樹脂成分、発泡剤、その他の添加剤等を含む。樹脂成分としては限定的ではないが、例えば、エチレン共重合体樹脂が好ましい。この中でも、発泡剤含有樹脂層を溶融押出しにより形成する場合には、比較的低温で溶融押出しが可能であり、発泡剤の機内発泡(例えば、押出し機のシリンダ内での異常発泡)を抑制できる観点から、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)が好ましい。また、樹脂成分としてEMAAを単独又は他の樹脂との混合態様で用いることができる。
樹脂成分としてEMAAを含有する場合には、発泡樹脂層の柔軟性が低下して施工性が低下するおそれがある。そのため、柔軟性を改善するために、樹脂成分としてエチレン−αオレフィン共重合体を更に含有することが好ましい。αオレフィンとしては、例えば、プロピレン、ブテン、ヘキセン、オクテン、4−メチルペンテン等が挙げられる。このようにエチレン−αオレフィン共重合体を含有する場合には、エチレン−αオレフィン共重合体の含有量は、発泡剤含有樹脂層(発泡樹脂層)における樹脂成分中20〜50重量%程度が好ましく、30〜40重量%程度がより好ましい。
発泡剤としては、熱分解型発泡剤が好ましい。熱分解型発泡剤は、例えば、アゾジカルボンアミド(ADCA)、アゾビスホルムアミド等のアゾ系;オキシベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)、パラトルエンスルホニルヒドラジド等のビドラジド系などが挙げられる。熱分解型発泡剤の含有量は、発泡倍率等に応じて調整できる。通常は、発泡剤含有樹脂層における樹脂成分100重量部に対して1〜20重量部程度が好ましい。
その他の添加剤としては、例えば、無機充填剤、顔料、セル調整剤、架橋助剤等が挙げられる。
無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、三酸化アンチモン、ホウ酸亜鉛、モリブデン化合物等が挙げられる。
顔料としては、次のものが挙げられる。無機顔料としては、例えば、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、黒色酸化鉄、黄色酸化鉄、黄鉛、モリブデートオレンジ、カドミウムイエロー、ニッケルチタンイエロー、クロムチタンイエロー、酸化鉄(弁柄)、カドミウムレッド、群青、紺青、コバルトブルー、酸化クロム、コバルトグリーン、アルミニウム粉、ブロンズ粉、雲母チタン、硫化亜鉛等が挙げられる。有機顔料としては、例えば、アニリンブラック、ペリレンブラック、アゾ系(アゾレーキ、不溶性アゾ、縮合アゾ)、多環式(イソインドリノン、イソインドリン、キノフタロン、ペリノン、フラバントロン、アントラピリミジン、アントラキノン、キナクリドン、ペリレン、ジケトピロロピロール、ジブロムアンザントロン、ジオキサジン、チオインジゴ、フタロシアニン、インダントロン、ハロゲン化フタロシアニン)等が挙げられる。
セル調整剤としては、例えば、金属石鹸、亜鉛化合物等が挙げられる。
架橋助剤としては、アクリルモノマーなどが挙げられる。架橋助剤の添加量としては、発泡剤含有樹脂層における樹脂成分100重量部に対して0〜10重量部程度が好ましく、1〜4重量部がより好ましい。
発泡剤含有樹脂層の厚みは限定的ではないが、10〜200μm程度が好ましい。
発泡樹脂層は、発泡剤含有樹脂層を発泡させることにより得られる。熱分解型発泡剤は加熱により分解・発泡する。加熱条件は、熱分解型発泡剤の分解温度以上であれば限定されない。加熱温度は200〜300℃程度が好ましく、加熱時間は10〜40秒程度が好ましい。加熱に際しては、公知の発泡炉などが利用できる。発泡剤含有樹脂層に対する発泡樹脂層の発泡倍率は4〜10倍程度である。
発泡樹脂層は、単独又は後記非発泡樹脂層とともに、樹脂架橋されていてもよい。樹脂架橋の手段としては、例えば、電子線照射が挙げられる。樹脂架橋することにより、発泡壁紙の表面強度を調整することができるほか、発泡倍率を調整することができる。
発泡樹脂層は、紙質基材に直接積層されてもよく、後記非発泡樹脂層2(接着剤層)を介して積層されてもよい。
非発泡樹脂層1
非発泡樹脂層1は、表面保護層としての役割を有する。そのため、発泡壁紙に優れた表面強度を付与する層であることが望ましい。
非発泡樹脂層1の樹脂成分としては限定的ではないが、アクリル酸(CH=CHCOOH)及びメタクリル酸(CH=C(CH)COOH)の少なくとも1種をモノマーとして得られる重合体を樹脂成分とすることが好ましい。
前記樹脂成分としては、例えばアクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも1種をモノマーとエチレンとの組み合わせにより得られる共重合体を樹脂成分として好適に用いることができる。より具体的には、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−アクリル酸共重合体及びアイオノマー樹脂の少なくとも1種を用いることが望ましい。このような樹脂成分を用いる場合には、特に樹脂中の水素結合等に起因する強固な層を形成することができるので、優れた表面強度(耐スクラッチ性等)を得ることができる。これらは、公知又は市販のものを使用することができる。
前記共重合体におけるアクリル酸又はメタクリル酸の含有量は4〜15重量%程度であることが好ましい。このような樹脂も市販品を使用することができる。
本発明では、非発泡樹脂層1の樹脂成分として特にEMAAを含有することが望ましく、同時にエチレン−αオレフィン共重合体も含有することが好ましい。このような配合とすれば、EMAAを含有することに基づいて、優れた表面強度が得られるとともに、エチレン−αオレフィン共重合体の併用により層の柔軟性も得られる。優れた表面強度を維持しつつ、柔軟性を改善するためには、エチレン−αオレフィン共重合体の含有量は、非発泡樹脂層1の樹脂成分中20〜50重量%程度が好ましく、30〜40重量%程度が好ましい。エチレン−αオレフィン共重合体の含有量が、非発泡樹脂層1の樹脂成分中50重量%を超える場合には、非発泡樹脂層1の表面強度が低下するおそれがある。なお、樹脂成分としては、実質的にEMAAとエチレン−αオレフィン共重合体との2成分でよい。
非発泡樹脂層1の厚さは限定的ではないが、5〜30μm程度が好ましく、10〜15μm程度が好ましい。
非発泡樹脂層2(接着剤層)
本発明では、必要に応じて紙質基材と発泡樹脂層との間に非発泡樹脂層(非発泡樹脂層2)が形成されていても良い。特に非発泡樹脂層2が接着剤層として形成される場合は、優れた密着性を得ることができる。非発泡樹脂層2に含まれる樹脂成分は限定的ではないが、前記密着性向上の観点からは、EVAが好ましい。非発泡樹脂層2は樹脂成分以外に公知の添加剤を含んでもよいが、樹脂成分の含有量が70〜100重量%となるように配合することが好ましい。
非発泡樹脂層2の厚みは限定的ではないが、5〜30μm程度が好ましく、10〜15μm程度が好ましい。
絵柄模様層
本発明の発泡壁紙は、非発泡樹脂層1のおもて面に、必要に応じて絵柄模様層を有してもよい。
絵柄模様層は、発泡壁紙に意匠性を付与する。絵柄模様としては、例えば木目模様、石目模様、砂目模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、布目模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、抽象模様等が挙げられる。絵柄模様は、発泡壁紙の種類に応じて選択できる。
絵柄模様層は、例えば、絵柄模様を印刷することで形成できる。印刷手法としては、グラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷等が挙げられる。印刷インキとしては、着色剤、結着材樹脂、溶剤を含む印刷インキが使用できる。これらのインキは公知又は市販のものを使用しても良い。
着色剤としては、例えば、前記の発泡剤含有樹脂層で使用されるような顔料を適宜使用することができる。
結着材樹脂は、基材シートの種類に応じて設定できる。例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アルキド系樹脂、石油系樹脂、ケトン樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、繊維素誘導体、ゴム系樹脂等が挙げられる。
溶剤(又は分散媒)としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の石油系有機溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−2−メトキシエチル、酢酸−2−エトキシエチル等のエステル系有機溶剤;メチルアルコール、エチルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール系有機溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系有機溶剤;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系有機溶剤、;ジクロロメタン、四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等の塩素系有機溶剤;水などが挙げられる。
絵柄模様層の厚みは、絵柄模様の種類より異なるが、一般には0.1〜10μm程度とすることが好ましい。
表面保護層(オーバーコート層)
本発明の発泡壁紙は、絵柄模様層の表面に艶調整及び/又は絵柄模様層の保護を意図して更なる表面保護層を形成してもよい。表面保護層の種類は限定的ではない。艶調整を目的とする表面保護層であれば、例えば、シリカなどの既知フィラーを含む表面保護層がある。表面保護層の形成方法としては、グラビア印刷などの公知の方法が採用できる。なお、絵柄模様層と表面保護層との密着性が十分に得られない場合には、絵柄模様層の表面を易接着処理(プライマー処理)した後に表面保護層を設けることもできる。
発泡壁紙の表面強度(耐スクラッチ性など)、耐汚染性、絵柄模様層の保護等を目的として表面保護層を形成する場合には、電離放射線硬化型樹脂を樹脂成分として含有するものが好適である。電離放射線硬化型樹脂としては、電子線照射によってラジカル重合(硬化)するものが好ましい。
電離放射線硬化型樹脂を含有する表面保護層を形成した場合には、電子線照射によって表面保護層を硬化させることができる。このような電子線照射は、発泡剤含有樹脂層に含まれる樹脂を架橋させるために行う電子線照射と同時(同処理)とできる。つまり、発泡剤含有樹脂層、絵柄模様層及び電離放射線硬化型樹脂を含有する表面保護層を順に形成後、電子線照射を行って、発泡剤含有樹脂層に含まれる樹脂を架橋するとともに表面保護層に含まれる樹脂を硬化させることができる。
表面保護層の厚みは絵柄模様の種類より異なるが、0.1〜15μm程度が好ましい。
エンボス
本発明シートは、そのおもて面からエンボス加工されていてもよい。エンボス加工は、エンボス版等の公知の手段により実施することができる。例えば、最表面層が非発泡樹脂層1である場合は、そのおもて面を加熱軟化後、エンボス版を押圧することにより所望のエンボス模様を賦型できる。エンボス模様としては、例えば木目板導管溝、石板表面凹凸、布表面テクスチャア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等がある。
発泡壁紙の製造方法
発泡壁紙の製造方法は特に限定されない。例えば、Tダイ押出し機による同時押出しが好適である。例えば、発泡壁紙が紙質基材上に発泡樹脂層と非発泡樹脂層1とを順に形成したものである場合には、2つの層に対応する溶融樹脂を同時に押出すことにより2層の同時成膜が可能なマルチマニホールドタイプのTダイを用いることができる。
この場合、発泡剤含有樹脂層を形成するための樹脂組成物及び非発泡樹脂層1を形成するための樹脂組成物をそれぞれ別個のシリンダー中に入れ、2種2層を同時に押出し成膜・積層すればよい。この方法では、同時押出し積層体は、紙質基材上に同時積層(成膜)する。紙質基材上に押出しと同時に積層された樹脂層は、熱溶融により接着性を有するため紙質基材と接着される。
なお、予め2種2層を同時成膜した積層体を用意して、それを紙質基材上に載せて、熱ラミネートすることにより紙質基材と接着してもよい。
なお、発泡剤含有樹脂層を形成する樹脂組成物に無機充填剤が含まれる場合であって、発泡剤含有樹脂層を押出し成形により形成する場合には、押出し成形機の押出し口(いわゆるダイス)に無機充填剤の残渣(いわゆる目やに)が発生し易く、これがシート表面の異物となり易い。そのため、発泡剤含有樹脂層を形成する樹脂組成物に無機充填剤が含まれる場合には、上記非発泡樹脂層1及び非発泡樹脂層2を、発泡剤含有樹脂層とともに同時押出し成形することが好ましい。同時押出し成形は、例えば、マルチマニホールドタイプのTダイを用いることにより行える。このように発泡剤含有樹脂層を非発泡樹脂層によって挟み込んだ態様で同時押出し成形することにより、前記目やにの発生を抑制することができる。
紙質基材上に同時積層後は、発泡剤含有樹脂層に電子線照射を行う。により樹脂成分を架橋できるとともに、ラジカル重合性材料をラジカル重合(硬化)できるため、壁装用化粧シートの表面強度、発泡程度等を制御することができる。電子線のエネルギーは、150〜250kV程度が好ましく、175〜200kV程度がより好ましい。照射量は、10〜100kGy程度が好ましく、10〜30kGy程度がより好ましい。電子線源としては、公知の電子線照射装置が使用できる。次に発泡剤含有樹脂層を加熱することにより発泡樹脂層を形成する。加熱条件は、前記の通りである。
絵柄模様層を有する発泡壁紙を製造する場合には、上記加熱処理前に非発泡樹脂層の表面に絵柄模様層を形成することが好ましい。絵柄模様層の形成方法は、前記の通りとすれば良い。
本発明の発泡壁紙は、発泡樹脂層及び非発泡樹脂層1の少なくとも1層がEMAAを含有するため、良好な表面強度を有する。特に非発泡樹脂層1は表面保護層としての役割を有しているため、非発泡樹脂層1にEMAAが含有される場合には、表面特性を良好なものとし易い。また、本発明の発泡壁紙は、EMAAを含有する層に更にエチレン−αオレフィン共重合体も含有するため、EMAAに基づく表面強度特性を阻害せず、EMAAを含有する層の柔軟性が改善されている。つまり、発泡壁紙のコシの強さが緩和されているため、施工対象に角部や湾曲部が含まれる場合であっても施工し易い。即ち、本発明の発泡壁紙は、EMAAを含有することに基づく良好な表面強度を維持しながら良好な施工性も有する。
実施例1〜5及び比較例1〜3
樹脂成分、無機充填剤、顔料、熱分解型発泡剤、セル調整剤及び架橋助剤を混合して発泡剤含有樹脂層を形成するための樹脂組成物を調製した。各成分の配合割合を表1に示す。
Figure 0004910835
EMAA及びエチレン−αオレフィン共重合体を混合して非発泡樹脂層1を形成するための樹脂組成物を調製した。各成分の配合割合を実施例及び比較例に分けて表2に示す。なお、非発泡樹脂層1の厚みも併せて表2に示す。
Figure 0004910835
上記組成物を原紙(HPT−65北越製紙製)上にTダイ押出し機により溶融押出しし、発泡剤含有樹脂層及び非発泡樹脂層1を積層した。
樹脂シート側から電子線を照射(照射量:30kGy)して樹脂架橋させた。次いで、樹脂シート表面に絵柄模様層を形成後、220℃で30秒加熱することにより加熱発泡を行った。発泡樹脂層の厚さは90μmとした。樹脂シート側にはエンボス加工により更に凹凸模様を付与した。
上記過程を経て、発泡壁紙を作製した。
試験例1
実施例1〜5及び比較例1〜3で作製した発泡壁紙について、表面強度(耐擦傷性)及び施工性を評価した。
耐擦傷性については、日本壁装協会基準の表面強化商品性能表示における試験(表面強化試験)に基づいて評価した。評価は、変化がないものを5級、表面に少し変化があるものを4級、表面が破けて樹脂層および発泡層がみえるものを3級、表面が破けて基材層みえるもの(長さ1cm未満)を2級、表面が破けて基材層みえるもの(長さ1cm以上)を1級とした。
施工性については、壁紙職人に平面部、角部及び湾曲部の全てに対して発泡壁紙を貼り付けさせて、施工性を評価した。評価は、JIS A6921に従い、全てに対して施工性が良好なものを○、施工性が悪いものを×とした。
これらの評価結果を下記表3に示す。
Figure 0004910835
実施例6〜10及び比較例4〜6
樹脂成分、無機充填剤、顔料、熱分解型発泡剤、セル調整剤及び架橋助剤を混合して発泡剤含有樹脂層を形成するための樹脂組成物を調製した。各成分の配合割合を表4に示す。
Figure 0004910835
EMAA及びエチレン−αオレフィン共重合体を混合して非発泡樹脂層1を形成するための樹脂組成物を調製した。各成分の配合割合を実施例及び比較例に分けて表5に示す。なお、非発泡樹脂層1の厚みも併せて表5に示す。
Figure 0004910835
上記組成物を原紙(HPT−65北越製紙製)上にTダイ押出し機により溶融押出しし、発泡剤含有樹脂層及び非発泡樹脂層1を積層した。
樹脂シート側から電子線を照射(照射量:30kGy)して樹脂架橋させた。次いで、樹脂シート表面に絵柄模様層を形成後、220℃で30秒加熱することにより加熱発泡を行った。発泡樹脂層の厚さは90μmとした。樹脂シート側にはエンボス加工により更に凹凸模様を付与した。
上記過程を経て、発泡壁紙を作製した。
試験例2
実施例6〜10及び比較例4〜6で作製した発泡壁紙について、表面強度(耐擦傷性)及び施工性を評価した。評価方法及び評価基準については試験例1と同じである。
これらの評価結果を下記表6に示す。
Figure 0004910835

Claims (3)

  1. 紙質基材上に発泡樹脂層及び非発泡樹脂層1が順に積層されている発泡壁紙であって、発泡樹脂層及び非発泡樹脂層1の少なくとも1層は、樹脂成分としてエチレン−メタクリル酸共重合体及びエチレン−αオレフィン共重合体を含有し、且つ、エチレン−αオレフィン共重合体は樹脂成分中20〜50重量%含有されていることを特徴とする発泡壁紙。
  2. 紙質基材と発泡樹脂層との間に非発泡樹脂層2を更に有する、請求項1に記載の発泡壁紙。
  3. 表面にエンボス加工が施されている、請求項1又は2に記載の発泡壁紙。
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