JP2008081887A - 発泡壁紙 - Google Patents

発泡壁紙 Download PDF

Info

Publication number
JP2008081887A
JP2008081887A JP2006263240A JP2006263240A JP2008081887A JP 2008081887 A JP2008081887 A JP 2008081887A JP 2006263240 A JP2006263240 A JP 2006263240A JP 2006263240 A JP2006263240 A JP 2006263240A JP 2008081887 A JP2008081887 A JP 2008081887A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin layer
foamed
foaming agent
foaming
wallpaper
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006263240A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiaki Nezu
義昭 根津
Kazuhiro Takahashi
一弘 高橋
Hiroyuki Motono
裕幸 本野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2006263240A priority Critical patent/JP2008081887A/ja
Publication of JP2008081887A publication Critical patent/JP2008081887A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Synthetic Leather, Interior Materials Or Flexible Sheet Materials (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

【課題】エチレン−メタクリル酸共重合体を樹脂成分として含有し、且つ、アゾジカルボンアミド系発泡剤を含有する樹脂組成物の溶融押出しによって発泡剤含有樹脂層を形成し、更に発泡剤含有樹脂層を発泡させて発泡樹脂層を形成することにより得られる発泡壁紙であって、発泡樹脂層の変色がなく、且つ、製膜性が良好な発泡壁紙を提供する。
【解決手段】紙質基材上に少なくとも発泡樹脂層を有する発泡壁紙であって、
(1)前記発泡樹脂層は、熱分解型発泡剤を含有する発泡剤含有樹脂層を発泡させることにより形成され、
(2)前記発泡剤含有樹脂層は、熱分解型発泡剤としてアゾジカルボンアミド系発泡剤を含有し、樹脂成分としてエチレン−メタクリル酸共重合体を含有し、更に発泡助剤としてジペンタエリスリトールを含有する樹脂組成物を押出し製膜することにより形成される、ことを特徴とする発泡壁紙。
【選択図】なし

Description

本発明は、壁面の装飾に有用な、発泡壁紙に関する。
従来、発泡壁紙(発泡化粧シート)としては、紙質基材(裏打紙)に塩化ビニル樹脂の発泡樹脂層を形成したものが知られている。近年では、環境に配慮して発泡樹脂層には、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)、アクリル樹脂、オレフィン系樹脂などの、ハロゲンを含有しない樹脂が用いられてきている(特許文献1〜3等)。
発泡壁紙には、優れた表面強度(例えば耐スクラッチ性)を有することが求められる。そのため、表面強度を高めるために、発泡樹脂層に含まれる樹脂成分として、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)を用いることが提案されている。
発泡樹脂層は、例えば、熱分解型発泡剤を含有する発泡剤含有樹脂層を加熱により発泡させることにより形成される。そして、発泡剤含有樹脂層は、例えば、押出し法によれば、熱分解型発泡剤を含有する樹脂組成物を溶融押出しにより製膜することにより形成される。
上記押出し法によって発泡剤含有樹脂層を形成し、それを発泡させて発泡樹脂層とする場合には、次のような問題がある。即ち、樹脂成分としてEMAAを用いる場合には、熱分解型発泡剤としてアゾジカルボンアミド(ADCA)系の発泡剤を用いる場合が多いが、この発泡剤はそのままでは分解温度が高いため、分解温度を低下させるために発泡助剤を併用することが多い。そして、発泡助剤としては、例えば、金属塩系の発泡助剤(例えば、ステアリン酸亜鉛、酸化亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム等)が知られているが、このような金属塩系の発泡助剤はEMAAとの組み合わせでは十分に発泡助剤としての効果を発揮できないという問題がある。つまり、発泡剤の分解温度を有意に低下させることができない。また、金属塩系の発泡助剤は、発泡工程において、発泡樹脂層に変色を生じさせる場合もある。他方、金属塩系以外の発泡助剤としては、例えば、尿素や多価アルコール系の発泡助剤があるが、これらを用いる場合には、発泡剤の分解温度を過度に低下させる傾向があるため、樹脂組成物を押出し製膜して発泡剤含有樹脂層を形成する際に異常発泡(押出し機内での早期発泡)を引き起こすという問題がある。
従って、EMAAを樹脂成分として含有し、且つ、ADCA系発泡剤を含有する樹脂組成物の溶融押出しによって発泡剤含有樹脂層を形成し、更に発泡剤含有樹脂層を発泡させて発泡樹脂層を形成することにより得られる発泡壁紙であって、発泡樹脂層の変色がなく、且つ、製膜性が良好な発泡壁紙の開発が望まれている。
特開平6−47875号公報 特開2000−255011号公報 特開2001−347611号公報
本発明は、EMAAを樹脂成分として含有し、且つ、ADCA系発泡剤を含有する樹脂組成物の溶融押出しによって発泡剤含有樹脂層を形成し、更に発泡剤含有樹脂層を発泡させて発泡樹脂層を形成することにより得られる発泡壁紙であって、発泡樹脂層の変色がなく、且つ、製膜性が良好な発泡壁紙を提供する。
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、発泡助剤として特定の化合物を用いる場合には、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の発泡壁紙に関する。
1. 紙質基材上に少なくとも発泡樹脂層を有する発泡壁紙であって、
(1)前記発泡樹脂層は、熱分解型発泡剤を含有する発泡剤含有樹脂層を発泡させることにより形成され、
(2)前記発泡剤含有樹脂層は、熱分解型発泡剤としてアゾジカルボンアミド系発泡剤を含有し、樹脂成分としてエチレン−メタクリル酸共重合体を含有し、更に発泡助剤としてジペンタエリスリトールを含有する樹脂組成物を押出し製膜することにより形成される、ことを特徴とする発泡壁紙。
2. 樹脂組成物は、樹脂成分100重量部に対して、アゾジカルボンアミド系発泡剤を3〜8重量部含有し、且つ、ジペンタエリスリトールを1〜8重量部含有する、上記項1に記載の発泡壁紙。
3. 発泡樹脂層のおもて面に更に非発泡樹脂層Aが形成されている、上記項1又は2に記載の発泡壁紙。
4. 紙質基材と発泡樹脂層との間に更に非発泡樹脂層Bが形成されている、上記項1〜3のいずれかに記載の発泡壁紙。
5. 発泡壁紙の最表面層の上からエンボス加工が施されている、上記項1〜4のいずれかに記載の発泡壁紙。

以下、本発明の発泡壁紙について詳細に説明する。
1.発泡壁紙
本発明の発泡壁紙は、紙質基材上に少なくとも発泡樹脂層を有する発泡壁紙であって、
(1)前記発泡樹脂層は、熱分解型発泡剤を含有する発泡剤含有樹脂層を発泡させることにより形成され、
(2)前記発泡剤含有樹脂層は、熱分解型発泡剤としてアゾジカルボンアミド(ADCA)系発泡剤を含有し、樹脂成分としてエチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)を含有し、更に発泡助剤としてジペンタエリスリトールを含有する樹脂組成物を押出し製膜することにより形成される、ことを特徴とする。
上記特徴を有する本発明の発泡壁紙は、発泡助剤としてジペンタエリスリトールを使用するため、樹脂組成物を押出し製膜するに際し、熱分解型発泡剤の異常発泡を抑制できる。また、金属系発泡助剤を使用しなくても良いため、発泡樹脂層に変色を生じさせ難い上、熱分解型発泡剤の分解温度を有意に低下させることができる。即ち、本発明の発泡壁紙は、変色に基づく意匠性の低下がなく、しかも押出し特性(発泡壁紙の生産性)が良好である。
紙質基材
紙質基材の材質は、壁紙基材として適した機械強度、耐熱性等を有する限り特に限定されず、繊維質シートが一般に使用できる。
具体的には、繊維質シートの中でも、難燃紙(パルプ主体のシートをスルファミン酸グアニジン、リン酸グアジニン等の難燃剤で処理したもの);水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の無機添加剤を含む無機質紙;上質紙;薄用紙などが挙げられる。
紙質基材の坪量は限定的ではないが、50〜300g/m程度が好ましく、50〜80g/m程度がより好ましい。
非発泡樹脂層B
本発明では、必要に応じて紙質基材と発泡樹脂層との間に非発泡樹脂層(非発泡樹脂層B)が形成されていてもよい。特に、非発泡樹脂層Bが接着剤層として形成される場合は、紙質基材と発泡樹脂層との優れた密着性が得られる。
非発泡樹脂層Bとしては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等を好適に用いることができる。非発泡樹脂層Bは樹脂成分以外に公知の添加剤を含んでもよいが、樹脂成分の含有量が70〜100重量%となるように配合することが好ましい。
非発泡樹脂層Bの厚みは限定的ではないが、10〜50μm程度が好ましく、特に10〜20μm程度がより好ましい。
発泡樹脂層
発泡樹脂層は、熱分解型発泡剤を含有する発泡剤含有樹脂層を発泡させることにより形成される。そして、発泡剤含有樹脂層は、熱分解型発泡剤としてADCA系発泡剤を含有し、樹脂成分としてEMAAを含有し、更に発泡助剤としてジペンタエリスリトールを含有する樹脂組成物を押出し製膜することにより形成される。
樹脂組成物に含まれる樹脂成分としては、実質的にEMAAのみでよいが、必要により、更に他の樹脂成分を添加してもよい。樹脂成分を実質的にEMAAのみとすることにより、発泡壁紙の表面強度を高めることができる。EMAAのメタクリル酸含有量(MAA含有量)は限定的ではないが、特に15重量%以下が好ましく、10〜15重量%がより好ましい。
熱分解型発泡剤としてはADCAを含有する。実質的にADCAのみでよいが、必要に応じて、分解温度が同程度の発泡剤を併用することもできる。
熱分解型発泡剤の含有量は、発泡剤の種類、発泡倍率(発泡剤含有樹脂層の厚さに対する発泡樹脂層の厚さ)等に応じて適宜設定できる。発泡倍率は1.5倍以上が好ましく、3〜7倍程度がより好ましい。この観点からは、熱分解型発泡剤の含有量は、樹脂成分100重量部に対して1〜20重量部程度が好ましい。
発泡助剤としては、ジペンタエリスリトールを用いる。実質的にジペンタエリスリトールのみでよいが、本発明の効果を妨げない範囲において他の発泡助剤を併用してもよい。発泡助剤の含有量は限定的ではないが、樹脂組成物に含まれる樹脂成分100重量部に対して1〜8重量部程度が好ましく、2〜5重量部程度がより好ましい。
樹脂組成物には、各種添加剤を加えてもよい。例えば、無機充填剤、顔料及びセル調整剤などである。その他、安定剤、滑剤等も添加剤として用いることができる。
発泡樹脂層の発泡状態(例えば、発泡セルの大きさ、発泡セル密度等)は限定されず、発泡壁紙の種類、用途等に応じて適宜設計することができる。
セル調整剤は、例えばステアリン酸亜鉛等の金属石鹸等を使用することができる。セル調整剤の含有量は、樹脂成分100重量部に対して、0.3〜10重量部程度が好ましく、1〜5重量部程度がより好ましい。
無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、三酸化アンチモン、ホウ酸亜鉛、モリブデン化合物等が挙げられる。無機充填剤を含むことにより、目透き抑制効果、表面特性向上効果等が得られる。無機充填剤の含有量は、樹脂成分100重量部に対して0〜100重量部程度が好ましく、20〜70重量部程度がより好ましい。
顔料については、例えば酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、黒色酸化鉄、黄色酸化鉄、黄鉛、モリブデートオレンジ、カドミウムイエロー、ニッケルチタンイエロー、クロムチタンイエロー、酸化鉄(弁柄)、カドミウムレッド、群青、紺青、コバルトブルー、酸化クロム、コバルトグリーン、アルミニウム粉、ブロンズ粉、雲母チタン、硫化亜鉛等の無機顔料;例えば、アニリンブラック、ペリレンブラック、アゾ系(アゾレーキ、不溶性アゾ、縮合アゾ)、多環式(イソインドリノン、イソインドリン、キノフタロン、ペリノン、フラバントロン、アントラピリミジン、アントラキノン、キナクリドン、ペリレン、ジケトピロロピロール、ジブロムアンザントロン、ジオキサジン、チオインジゴ、フタロシアニン、インダントロン、ハロゲン化フタロシアニン)等の有機顔料が挙げられる。顔料の含有量は、樹脂成分100重量部に対して10〜50重量部程度が好ましく、15〜30重量部程度がより好ましい。
発泡剤含有樹脂層を発泡させる方法としては、後記の製造方法に記載された方法に従って実施すれば良い。
非発泡樹脂層A
発泡樹脂層のおもて面には、更に非発泡樹脂層Aを形成してもよい。
非発泡樹脂層(非発泡樹脂層A)は、主として発泡樹脂層を保護するものである。本発明では、アクリル酸(CH=CHCOOH)及びメタクリル酸(CH=C(CH)COOH)の少なくとも1種をモノマーとして得られる重合体を樹脂成分として含む樹脂組成物により形成された層を非発泡樹脂層とすることが好ましい。
前記樹脂成分としては、例えばアクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも1種のモノマーとエチレンとの組み合わせにより得られる共重合体を樹脂成分として好適に用いることができる。より具体的には、EMAA、エチレン−アクリル酸共重合体及びアイオノマー樹脂の少なくとも1種を用いることが望ましい。アイオノマー樹脂としては、EMAA及び/又はエチレン−アクリル酸共重合体の分子間をナトリウム、亜鉛等の金属のイオンで分子間結合した構造を有する樹脂が使用できる。このような樹脂成分を用いる場合には、特に樹脂中の水素結合等に起因する強固な層を形成することができるので、優れた耐スクラッチ性、耐摩耗性等を得ることができる。これらは、公知又は市販のものを使用することができる。
前記共重合体におけるアクリル酸又はメタクリル酸の含有量は4〜15重量%程度であることが好ましい。このような樹脂も市販品を使用することができる。前記樹脂組成物には、公知の添加剤を配合することもできる。
非発泡樹脂層の厚みは限定的ではないが、10〜50μm程度が好ましく、特に10〜20μm程度がより好ましい。
また、樹脂組成物中の前記樹脂成分の含有量は限定的ではないが、通常70〜100重量%の範囲内で適宜設定することが好ましい。
絵柄模様層
本発明では、非発泡樹脂層Aのおもて面に必要に応じて絵柄模様層を有してもよい。
絵柄模様層は、発泡壁紙に意匠性を付与する。絵柄模様としては、例えば木目模様、石目模様、砂目模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、布目模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、抽象模様等が挙げられる。絵柄模様は、発泡壁紙の種類に応じて選択できる。
絵柄模様層は、例えば、非発泡樹脂層Aのおもて面に絵柄模様を印刷することで形成できる。なお、絵柄模様層を形成する際には、必要に応じてあらかじめプライマー層を形成しても良い。印刷手法としては、例えば、グラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷等が挙げられる。印刷インキとしては、着色剤、結着材樹脂、溶剤(又は分散媒)を含む印刷インキが使用できる。これらのインキは公知又は市販のものを使用しても良い。
着色剤としては、例えば、前記の発泡剤含有樹脂層で使用されるような顔料を適宜使用することができる。
結着材樹脂は、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アルキド系樹脂、石油系樹脂、ケトン樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、繊維素誘導体、ゴム系樹脂等が挙げられる。
溶剤(又は分散媒)としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の石油系有機溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−2−メトキシエチル、酢酸−2−エトキシエチル等のエステル系有機溶剤;メチルアルコール、エチルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール系有機溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系有機溶剤;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系有機溶剤、;ジクロロメタン、四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等の塩素系有機溶剤;水などが挙げられる。
絵柄模様層の厚みは、絵柄模様の種類より異なるが、一般には0.1〜10μm程度とすることが好ましい。
表面保護層(オーバーコート層)
本発明では、絵柄模様層の表面に艶調整及び/又は絵柄模様層の保護を意図して表面保護層を有してもよい。表面保護層の種類は限定的ではない。艶調整を目的とする表面保護層であれば、例えば、シリカなどの既知フィラーを含む表面保護層がある。表面保護層の形成方法としては、グラビア印刷などの公知の方法が採用できる。なお、絵柄模様層と表面保護層との密着性が十分に得られない場合には、絵柄模様層の表面を易接着処理(プライマー処理)した後に表面保護層を設けることもできる。
発泡壁紙の表面強度(耐スクラッチ性など)、耐汚染性、絵柄模様層の保護等を目的として表面保護層を形成する場合には、電離放射線硬化型樹脂を樹脂成分として含有するものが好適である。電離放射線硬化型樹脂としては、電子線照射によってラジカル重合(硬化)するものが好ましい。
表面保護層の厚みは限定的ではないが、0.1〜15μm程度が好ましい。
エンボス
本発明では、適宜エンボス模様を付してもよい。この場合、発泡壁紙の最表面層(紙質基材と反対側)の上からエンボス加工すれば良い。エンボス加工は、エンボス版の押圧等、公知の手段により実施することができる。例えば、最表面層が表面保護層である場合は、そのおもて面を加熱軟化後、エンボス版を押圧することにより所望のエンボス模様を賦型できる。エンボス模様としては、例えば木目板導管溝、石板表面凹凸、布表面テクスチャア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等がある。
2.発泡壁紙の製造方法
発泡壁紙の製造方法は特に限定されない。例えば、紙質基材上に発泡樹脂層と非発泡樹脂層Aとを有する発泡壁紙は、紙質基材上に発泡剤含有樹脂層と非発泡樹脂層Aとを同時溶融押出しにより製膜後、加熱により発泡剤含有樹脂層を発泡樹脂層とすることにより得られる。
同時溶融押出しには、2層の同時成膜が可能なマルチマニホールドタイプのTダイを用いることができる。この場合、発泡剤含有樹脂層を形成するための樹脂組成物及び非発泡樹脂層を形成するための樹脂組成物をそれぞれ別個のシリンダー中に入れ、2種2層を同時に押出し成膜・積層すればよい。この方法では、同時押出し積層体は、紙質基材上に同時積層(成膜)する。紙質基材上に押出しと同時に積層された樹脂層は、熱溶融により接着性を有するため紙質基材と接着される。
なお、予め2種2層を同時成膜した積層体を用意して、それを紙質基材上に載せて、熱ラミネートすることにより紙質基材と接着してもよい。
なお、発泡剤含有樹脂層を形成する樹脂組成物に無機充填剤が含まれる場合であって、発泡剤含有樹脂層を押出し成形により形成する場合には、押出し成形機の押出し口(いわゆるダイス)に無機充填剤の残渣(いわゆる目やに)が発生し易く、これがシート表面の異物となり易い。そのため、発泡剤含有樹脂層を形成する樹脂組成物に無機充填剤が含まれる場合には、上記非発泡樹脂層A及び非発泡樹脂層Bを、発泡剤含有樹脂層とともに同時押出し成形することが好ましい。同時押出し成形は、例えば、マルチマニホールドタイプのTダイを用いることにより行える。このように発泡剤含有樹脂層を非発泡樹脂層によって挟み込んだ態様で同時押出し成形することにより、前記目やにの発生を抑制することができる。
紙質基材上に同時積層後は、発泡剤含有樹脂層を加熱することにより発泡樹脂層を形成する。加熱条件は、熱分解型発泡剤の分解により発泡樹脂層が形成される条件ならば限定されない。加熱温度は200〜220℃程度、加熱時間は30〜45秒程度である。なお、参考として、ジペンタエリスリトールを含まない場合には240℃で35〜50秒程度の加熱条件が必要となる。
前記加熱処理の前に、電子線照射を行ってもよい。これにより樹脂成分を架橋できるため、発泡壁紙の表面強度、発泡程度等を制御することができる。電子線のエネルギーは、150〜250kV程度が好ましい。照射量は、1〜7Mrad程度が好ましい。電子線源としては、公知の電子線照射装置が使用できる。なお、架橋は、化学架橋剤(架橋剤又は架橋助剤ともいう。)を用いて実施することもできる。
電子線照射を行う場合には、前記組成物中に架橋剤を含有してもよい。架橋剤としては、電子線照射による架橋を促進するものであればよい。例えば、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等の多官能性モノマー、オリゴマーなどが挙げられる。架橋剤は、樹脂成分100重量部に対して0〜10重量部程度とすることが好ましく、特に1〜4重量部とすることがより好ましい。
電離放射線硬化型樹脂を含有する表面保護層を形成した場合には、電子線照射によって表面保護層を硬化させることができる。このような電子線照射は、発泡剤含有樹脂層に含まれる樹脂を架橋させるために行う電子線照射と同時(同処理)とできる。つまり、発泡剤含有樹脂層、非発泡樹脂層、絵柄模様層及び電離放射線硬化型樹脂を含有する表面保護層を順に形成後、電子線照射を行って、発泡剤含有樹脂層に含まれる樹脂を架橋するとともに表面保護層に含まれる樹脂を硬化させることができる。
絵柄模様層を有する発泡壁紙を製造する場合には、上記加熱処理前に非発泡樹脂層の表面に絵柄模様層を形成することが好ましい。絵柄模様層の形成方法は、前記の通りとすれば良い。
本発明の発泡壁紙は、発泡助剤としてジペンタエリスリトールを使用するため、樹脂組成物を押出し製膜するに際し、熱分解型発泡剤の異常発泡を抑制できる。また、金属系発泡助剤を使用しなくても良いため、発泡樹脂層に変色を生じさせ難い上、熱分解型発泡剤の分解温度を有意に低下させることができる。即ち、本発明の発泡壁紙は、変色に基づく意匠性の低下がなく、しかも押出し特性(発泡壁紙の生産性)が良好である。
以下に実施例及び比較例を示して本発明をより詳しく説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。
実施例1
3種3層マルチマニホールドTダイ押出し機を用いて、非発泡樹脂層A/発泡剤含有樹脂層/非発泡樹脂層Bの順に厚み10μm/100μm/10μmになるように裏打紙に押出し製膜した。これにより、非発泡樹脂層A/発泡剤含有樹脂層/非発泡樹脂層B/裏打紙からなる積層体を得た。
裏打紙としては、「NI−65A(日本製紙製)」を用意し、これを90℃に加熱した後、上記3層を押出し製膜した。
押出し条件は、非発泡樹脂層Aを形成するための樹脂を収容したシリンダー温度は115℃とし、発泡剤含有樹脂層を形成するための樹脂組成物を収容したシリンダー温度は110℃とし、非発泡樹脂層Bを形成するための樹脂を収容したシリンダー温度は100℃とした。また、ダイス温度はいずれも110℃とした。
上記積層体に対して、非発泡樹脂層Aの側から電子線(200KV,3Mrad)を照射して特に発泡剤含有樹脂層と非発泡樹脂層Aとを樹脂架橋した。また、非発泡樹脂層A上にコロナ放電処理を行った。
次に、非発泡樹脂層A上にEVA系水性エマルジョンを塗布(2g/m)してプライマー層を形成し、更に水性インキ「ハイドリック」(大日精化工業製)により布目絵柄を印刷した。
次に、布目絵柄を印刷した積層体をギアオーブンで加熱(220℃×35秒)し、発泡剤含有樹脂層を発泡させた。
最後に、上記発泡体に対して布目パターンの凹凸エンボスを施して発泡壁紙を得た。
各層は、それぞれ以下の成分を用いて形成した。
非発泡樹脂層Aは、EMAA「ニュクレルN1560、三井・デュポン ポリケミカル製」により形成した。
発泡剤含有樹脂層は、EMAA「ニュクレルN035C、三井・デュポン ポリケミカル製」80重量部、EMAA「ニュクレルN1050H、三井・デュポン ポリケミカル製」20重量部、炭酸カルシウム「ホワイトンH、東洋ファインケミカル製」40重量部、二酸化チタン「R−108、デュポン製」20重量部、ADCA発泡剤「ビニホールAC#3、永和化成工業製」4.5重量部及び発泡助剤「ジペンタエリスリトール」4.5重量部からなる樹脂組成物により形成した。
非発泡樹脂層Bは、EVA「エバフレックスEV150、三井・デュポン ポリケミカル製」により形成した。
比較例1
発泡助剤をステアリン酸亜鉛4重量部とした以外は、実施例1と同様にして発泡壁紙を得た。
比較例2
発泡助剤を酸化亜鉛4重量部とした以外は、実施例1と同様にして発泡壁紙を得た。
比較例3
発泡助剤をステアリン酸マグネシウム4重量部とした以外は、実施例1と同様にして発泡壁紙を得た。
比較例4
発泡助剤をステアリン酸カルシウム4重量部とした以外は、実施例1と同様にして発泡壁紙を得た。
比較例5
発泡助剤を尿素0.5重量部とした以外は、実施例1と同様にして発泡壁紙を得た。
比較例6
発泡助剤をグリセリン(多価アルコール)2重量部とした以外は、実施例1と同様にして発泡壁紙を得た。
比較例7
発泡助剤をジエチレングリコール(多価アルコール)2重量部とした以外は、実施例1と同様にして発泡壁紙を得た。
比較例8
発泡助剤を使用しない以外は、実施例1と同様にして発泡壁紙を得た。
試験例1
実施例及び比較例で作製した発泡壁紙に関して、1)発泡剤含有樹脂層の製膜性、2)発泡工程での発泡樹脂層の変色の有無、3)発泡特性を評価した。結果を下記表1に示す。
1)製造時の製膜性は、機内発泡(押出し製膜前の押出し機シリンダー内での早期発泡)が無く、正常に製膜できた場合を○と評価し、機内発泡が生じて正常に製膜できなかった場合を×と評価した。
2)発泡樹脂層の変色の有無は、発泡樹脂層を肉眼観察することにより評価した。変色が認められなかったものを○と評価し、変色が認められたものを×と評価した。
3)発泡特性は、上記発泡工程(220℃×35秒)を経ることにより、正常な発泡樹脂層(発泡倍率:4倍以上)が形成されたものを○と評価し、正常な発泡樹脂層が形成されなかったものを×と評価した。
Figure 2008081887
〔比較例5、6は製膜時に機内発泡が生じたため、後続の発泡工程では発泡特性の評価を省略した。〕

Claims (5)

  1. 紙質基材上に少なくとも発泡樹脂層を有する発泡壁紙であって、
    (1)前記発泡樹脂層は、熱分解型発泡剤を含有する発泡剤含有樹脂層を発泡させることにより形成され、
    (2)前記発泡剤含有樹脂層は、熱分解型発泡剤としてアゾジカルボンアミド系発泡剤を含有し、樹脂成分としてエチレン−メタクリル酸共重合体を含有し、更に発泡助剤としてジペンタエリスリトールを含有する樹脂組成物を押出し製膜することにより形成される、ことを特徴とする発泡壁紙。
  2. 樹脂組成物は、樹脂成分100重量部に対して、アゾジカルボンアミド系発泡剤を3〜8重量部含有し、且つ、ジペンタエリスリトールを1〜8重量部含有する、請求項1に記載の発泡壁紙。
  3. 発泡樹脂層のおもて面に更に非発泡樹脂層Aが形成されている、請求項1又は2に記載の発泡壁紙。
  4. 紙質基材と発泡樹脂層との間に更に非発泡樹脂層Bが形成されている、請求項1〜3のいずれかに記載の発泡壁紙。
  5. 発泡壁紙の最表面層の上からエンボス加工が施されている、請求項1〜4のいずれかに記載の発泡壁紙。
JP2006263240A 2006-09-27 2006-09-27 発泡壁紙 Pending JP2008081887A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006263240A JP2008081887A (ja) 2006-09-27 2006-09-27 発泡壁紙

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006263240A JP2008081887A (ja) 2006-09-27 2006-09-27 発泡壁紙

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008081887A true JP2008081887A (ja) 2008-04-10

Family

ID=39353024

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006263240A Pending JP2008081887A (ja) 2006-09-27 2006-09-27 発泡壁紙

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008081887A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010228416A (ja) * 2009-03-30 2010-10-14 Dainippon Printing Co Ltd 発泡化粧シート
JP2012061745A (ja) * 2010-09-16 2012-03-29 Dainippon Printing Co Ltd 発泡積層シート
JP2012140748A (ja) * 2012-03-16 2012-07-26 Dainippon Printing Co Ltd 防カビ性を有する発泡壁紙
JP2013173372A (ja) * 2013-05-29 2013-09-05 Dainippon Printing Co Ltd 発泡化粧シートの発泡前の積層体
JP2014069435A (ja) * 2012-09-28 2014-04-21 Dainippon Printing Co Ltd 積層シート及び発泡積層シート

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010228416A (ja) * 2009-03-30 2010-10-14 Dainippon Printing Co Ltd 発泡化粧シート
JP2012061745A (ja) * 2010-09-16 2012-03-29 Dainippon Printing Co Ltd 発泡積層シート
JP2012140748A (ja) * 2012-03-16 2012-07-26 Dainippon Printing Co Ltd 防カビ性を有する発泡壁紙
JP2014069435A (ja) * 2012-09-28 2014-04-21 Dainippon Printing Co Ltd 積層シート及び発泡積層シート
JP2013173372A (ja) * 2013-05-29 2013-09-05 Dainippon Printing Co Ltd 発泡化粧シートの発泡前の積層体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4006603B2 (ja) 発泡壁紙の製造方法
JP5292735B2 (ja) 壁装用化粧シート
JP4816370B2 (ja) 発泡壁紙
JP4816369B2 (ja) 発泡壁紙
JP4667151B2 (ja) 発泡壁紙
JP2007055229A (ja) 壁装用化粧シート
JP4811218B2 (ja) 発泡壁紙
JP4910836B2 (ja) 発泡壁紙
JP5569290B2 (ja) 発泡積層シート
JP2008081887A (ja) 発泡壁紙
JP4748014B2 (ja) 発泡壁紙
JP4893565B2 (ja) 発泡壁紙
JP4009873B2 (ja) 発泡壁紙
JP4775213B2 (ja) 発泡壁紙
JP4816368B2 (ja) 発泡壁紙
JP5488657B2 (ja) 壁装用化粧シートの発泡前の積層体
JP4910835B2 (ja) 発泡壁紙
JP2006307412A (ja) 壁装用化粧シート原反及び壁装用化粧シート
JP5617820B2 (ja) 発泡壁紙
JP5240351B2 (ja) 発泡壁紙
JP5287424B2 (ja) 発泡化粧シート
JP4905217B2 (ja) 発泡壁紙
JP2010229774A (ja) 発泡壁紙
JP5135700B2 (ja) 壁装用化粧シート原反及び壁装用化粧シート
JP5800066B2 (ja) 発泡積層シートの発泡前の積層体、発泡積層シートの発泡前の積層体の製造方法、及び発泡積層シートの製造方法