JP2012061745A - 発泡積層シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基材1上に少なくとも発泡樹脂層3を有する発泡積層シートであって、(1)前記発泡樹脂層3は、発泡剤含有樹脂層を発泡させることにより形成され、(2)前記発泡剤含有樹脂層は、ポリエチレン及びエチレン−αオレフィン共重合体、アゾ系熱分解型発泡剤、並びにペンタエリスリトールを含有する樹脂組成物を製膜することにより形成される、ことを特徴とする発泡積層シート。
【選択図】図1
Description
1. 基材上に少なくとも発泡樹脂層を有する発泡積層シートであって、
(1)前記発泡樹脂層は、発泡剤含有樹脂層を発泡させることにより形成され、
(2)前記発泡剤含有樹脂層は、ポリエチレン及びエチレン−αオレフィン共重合体、アゾ系熱分解型発泡剤、並びにペンタエリスリトールを含有する樹脂組成物を製膜することにより形成される、
ことを特徴とする発泡積層シート。
2. 前記発泡剤含有樹脂層は、金属系化合物からなる発泡助剤を含有する、上記項1に記載の発泡積層シート。
3. 発泡樹脂層のおもて面に更に、(メタ)アクリル酸を共重合体成分として有しないエチレン系重合体又は共重合体からなる非発泡樹脂層Aが形成される、上記項1又は2に記載の発泡積層シート。
4. 前記非発泡樹脂層Aは、ポリエチレン、炭素数が4以上のαオレフィンの共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂成分を含有する、上記項3に記載の発泡積層シート。
5. 前記発泡剤含有樹脂層を構成する樹脂組成物は、樹脂成分100重量部に対して、ペンタエリスリトールを0.01〜10重量部含有する、上記項1〜4のいずれかに記載の発泡積層シート。
6. 前記アゾ系熱分解型発泡剤が、アゾジカルボンアミドである上記項1〜5のいずれかに記載の発泡積層シート。
7. 基材と発泡樹脂層との間に更に非発泡樹脂層Bが形成されている、上記項1〜6のいずれかに記載の発泡積層シート。
8. 発泡積層シートの最表面層の上からエンボス加工が施されている、上記項1〜7のいずれかに記載の発泡積層シート。
9. 前記基材が繊維質シートからなる上記項1〜8のいずれかに記載の発泡積層シート。
本発明の発泡積層シートは、基材上に少なくとも発泡樹脂層を有する発泡積層シートであって、
(1)前記発泡樹脂層は、発泡剤含有樹脂層を発泡させることにより形成され、
(2)前記発泡剤含有樹脂層は、ポリエチレン及びエチレン−αオレフィン共重合体、アゾ系熱分解型発泡剤、並びにペンタエリスリトールを含有する樹脂組成物を製膜することにより形成されることを特徴とする。
基材は、積層シート基材として適した機械強度、耐熱性等を有する限り特に限定されず、例えば、樹脂シート、繊維質シート(例えば、紙、不織布等。単に繊維質ともいう。)などが一般に使用できる。
本発明では、必要に応じて基材と発泡樹脂層との間に非発泡樹脂層(非発泡樹脂層B)が形成されていてもよい。特に、非発泡樹脂層Bが接着剤層として形成される場合は、基材と発泡樹脂層との優れた密着性が得られる。
発泡樹脂層は、一般に発泡剤含有樹脂層を発泡させることにより形成される。
発泡剤含有樹脂層の樹脂成分として、ポリエチレン及びエチレン−αオレフィン共重合体を必須成分とする。各成分の混合割合は限定的ではないが、例えば、ポリエチレン100重量部に対してエチレン−αオレフィン共重合体を1〜150重量部含有することが好ましく、10〜100重量部含有することがより好ましい。ポリエチレン及びエチレン−αオレフィン共重合体は、MFRが10〜40g/10minであることが好ましい。ポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合体のMFRが上記範囲内であると、発泡剤を含有した樹脂組成物の押し出し製膜時の温度上昇が少なく、非発泡状態で製膜できるため、後工程の印刷工程において、平滑な面に印刷処理をすることができ、柄抜け等が少ない、意匠性に優れた印刷物を得ることができる。MFRが大きすぎる場合は、樹脂が軟らかすぎることにより、形成される発泡体の耐スクラッチ性が不十分となるおそれがある。
本発明の発泡剤含有樹脂層は、発泡剤として、少なくともアゾ系熱分解型発泡剤を含有する。例えば、アゾジカルボンアミド(ADCA)、アゾビスホルムアミド、バリウムアゾジカルボキシレート、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系熱分解型発泡剤が挙げられる。なかでも、樹脂加工中の耐熱安定性、発泡時における発生ガス量の観点から、アゾジカルボンアミドが好ましい。アゾ系熱分解型発泡剤は、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明では、発泡剤含有樹脂層にペンタエリスリトールを含有する。ペンタエリスリトールを含有することによって、アゾ系熱分解型発泡剤によって発生する発泡後の発泡樹脂層の黄変色が低減され、さらに経時変色が低減された発泡積層シートを提供することができる。ペンタエリスリトールの含有量は、樹脂組成物に含まれる樹脂成分100重量部に対して0.01〜10重量部が好ましく、0.05〜3重量部がより好ましい。
本発明では、必要に応じて、発泡助剤を使用することができる。発泡助剤としては、特に限定されないが、発泡剤としてアゾ系熱分解型発泡剤を使用する場合には、金属系化合物からなる発泡助剤が好適に使用される。金属系化合物からなる発泡助剤として、亜鉛系発泡助剤を使用する場合、上記アゾ系熱分解型発泡剤の発泡温度の低下に寄与し、発泡温度を有意に低減することができる。このことは、発泡積層シートの生産性向上に寄与する。
本発明では、必要に応じて、発泡剤含有樹脂層に無機充填剤を含有しても良い。無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、三酸化アンチモン、ホウ酸亜鉛、モリブデン化合物等が挙げられる。無機充填剤を含むことにより、目透き抑制効果、表面特性向上効果等が得られる。無機充填剤の含有量は、樹脂成分100重量部に対して0〜100重量部程度が好ましく、20〜70重量部程度がより好ましい。なお、無機充填剤は、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明では、必要に応じて、発泡剤含有樹脂層に顔料を含有しても良い。顔料については、例えば酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、黒色酸化鉄、黄色酸化鉄、黄鉛、モリブデートオレンジ、カドミウムイエロー、ニッケルチタンイエロー、クロムチタンイエロー、酸化鉄(弁柄)、カドミウムレッド、群青、紺青、コバルトブルー、酸化クロム、コバルトグリーン、アルミニウム粉、ブロンズ粉、雲母チタン、硫化亜鉛等の無機顔料;例えば、アニリンブラック、ペリレンブラック、アゾ系(アゾレーキ、不溶性アゾ、縮合アゾ)、多環式(イソインドリノン、イソインドリン、キノフタロン、ペリノン、フラバントロン、アントラピリミジン、アントラキノン、キナクリドン、ペリレン、ジケトピロロピロール、ジブロムアンザントロン、ジオキサジン、チオインジゴ、フタロシアニン、インダントロン、ハロゲン化フタロシアニン)等の有機顔料が挙げられる。顔料の含有量は、樹脂成分100重量部に対して10〜50重量部程度が好ましく、15〜30重量部程度がより好ましい。なお、顔料は、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
発泡樹脂層のおもて面には、必要に応じて、非発泡樹脂層(非発泡樹脂層A)を形成することができる。
本発明では、非発泡樹脂層Aのおもて面に必要に応じて絵柄模様層を有してもよい。
本発明では、絵柄模様層の表面に艶調整及び/又は絵柄模様層の保護を意図して表面保護層を有してもよい。表面保護層の種類は限定的ではない。艶調整を目的とする表面保護層であれば、例えば、シリカなどの既知フィラーを含む表面保護層がある。表面保護層の形成方法としては、グラビア印刷などの公知の方法が採用できる。なお、絵柄模様層と表面保護層との密着性が十分に得られない場合には、絵柄模様層の表面を易接着処理(プライマー処理)した後に表面保護層を設けることもできる。
本発明では、適宜エンボス模様を付してもよい。この場合、発泡積層シートの最表面層(基材と反対側)の上からエンボス加工すれば良い。エンボス加工は、エンボス版の押圧等、公知の手段により実施することができる。例えば、最表面層が表面保護層である場合は、そのおもて面を加熱軟化後、エンボス版を押圧することにより所望のエンボス模様を賦型できる。エンボス模様としては、例えば木目板導管溝、石板表面凹凸、布表面テクスチャア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等がある。
発泡積層シートの製造方法は特に限定されない。例えば、基材上に発泡樹脂層と非発泡樹脂層Aとを有する発泡積層シートは、基材上に発泡剤含有樹脂層と非発泡樹脂層Aとを同時溶融押出しにより製膜後、加熱により発泡剤含有樹脂層を発泡樹脂層とすることにより得られる。
3種3層マルチマニホールドTダイ押出し機を用いて、非発泡樹脂層A/発泡剤含有樹脂層/非発泡樹脂層Bの順に厚み10μm/60μm/10μmになるように裏打紙に押出し製膜した。これにより、非発泡樹脂層A/発泡剤含有樹脂層/非発泡樹脂層B/裏打紙からなる積層体を得た。
ポリエチレン樹脂「ペトロセン208、東ソー(株)製」50重量部、エチレン−αオレフィン共重合樹脂「LUMITAC54−1、東ソー(株)製」50重量部、二酸化チタン「タイペークCR−63、石原産業(株)製」30重量部、ADCA発泡剤「ユニフォームウルトラAZ3050I、大塚化学(株)製」6重量部、発泡助剤「MFX50J−3、大協化成工業(株)製」5.3重量部及びペンタエリスリトール0.4重量部からなる樹脂組成物により形成した。
非発泡樹脂層Aをポリエチレン樹脂「ペトロセン349、東ソー(株)製」とした以外は、実施例1と同様にして発泡積層シートを得た。
非発泡樹脂層AをEMAA樹脂「N1035、三井・デュポン ポリケミカル(株)製」とし、発泡剤含有樹脂層にペンタエリスリトールを使用しない以外は、実施例1と同様にして発泡積層シートを得た。
非発泡樹脂層Aをポリエチレン樹脂「ペトロセン349、東ソー(株)製」とし、発泡剤含有樹脂層にペンタエリスリトールを使用しない以外は、実施例1と同様にして発泡積層シートを得た。
実施例及び比較例で作製した発泡積層シートに関して、1)発泡積層シートの発泡による黄変色、2)発泡積層シートの耐候変色を評価した。結果を下記表1に示す。
2.非発泡樹脂層B
3.発泡樹脂層
4.非発泡樹脂層A
5.絵柄模様層
Claims (9)
- 基材上に少なくとも発泡樹脂層を有する発泡積層シートであって、
(1)前記発泡樹脂層は、発泡剤含有樹脂層を発泡させることにより形成され、
(2)前記発泡剤含有樹脂層は、ポリエチレン及びエチレン−αオレフィン共重合体、アゾ系熱分解型発泡剤、並びにペンタエリスリトールを含有する樹脂組成物を製膜することにより形成される、
ことを特徴とする発泡積層シート。 - 前記発泡剤含有樹脂層は、金属系化合物からなる発泡助剤を含有する、請求項1に記載の発泡積層シート。
- 発泡樹脂層のおもて面に更に、(メタ)アクリル酸を共重合体成分として有しないエチレン系重合体又は共重合体からなる非発泡樹脂層Aが形成される、請求項1又は2に記載の発泡積層シート。
- 前記非発泡樹脂層Aは、ポリエチレン、炭素数が4以上のαオレフィンの共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂成分を含有する、請求項3に記載の発泡積層シート。
- 前記発泡剤含有樹脂層を構成する樹脂組成物は、樹脂成分100重量部に対して、ペンタエリスリトールを0.01〜10重量部含有する、請求項1〜4のいずれかに記載の発泡積層シート。
- 前記アゾ系熱分解型発泡剤が、アゾジカルボンアミドである請求項1〜5のいずれかに記載の発泡積層シート。
- 基材と発泡樹脂層との間に更に非発泡樹脂層Bが形成されている、請求項1〜6のいずれかに記載の発泡積層シート。
- 発泡積層シートの最表面層の上からエンボス加工が施されている、請求項1〜7のいずれかに記載の発泡積層シート。
- 前記基材が繊維質シートからなる請求項1〜8のいずれかに記載の発泡積層シート。
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