JP5549098B2 - 発泡壁紙 - Google Patents
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Description
(1)発泡樹脂層は、発泡剤含有樹脂層を発泡させることにより形成されており、
(2)非発泡樹脂層は、線状低密度ポリエチレン樹脂及びエチレン−αオレフィン共重合体を含有している、ことを特徴とする壁装用化粧シート。」が記載されている。
1.基材上に少なくとも発泡樹脂層と非発泡樹脂層Aとを順に有する発泡壁紙であって、
前記発泡樹脂層は、発泡剤含有樹脂層を8倍以上に発泡させることにより形成され、
前記発泡剤含有樹脂層は、樹脂成分が、密度が0.88〜0.93g/cm3であり、融点が80〜110℃であるエチレン−αオレフィン共重合体からなり、
前記非発泡樹脂層Aは、樹脂成分が、密度が0.88〜0.93g/cm3であり、融点が80〜110℃であるエチレン−αオレフィン共重合体からなる
ことを特徴とする発泡壁紙。
2.前記エチレン−αオレフィン共重合体は、メタロセン触媒を用いて重合された、上記項1に記載の発泡壁紙。
3.前記エチレン−αオレフィン共重合体は、メルトフローレートが10〜50g/10分である、上記項1又は2に記載の発泡壁紙。
4.前記発泡樹脂層は、見かけ比重が0.05〜0.2g/cm3である、上記項1〜3のいずれかに記載の発泡壁紙。
5.前記発泡樹脂層は、電子線照射により樹脂架橋されている、上記項1〜4のいずれかに記載の発泡壁紙。
6.前記発泡剤含有樹脂層は架橋剤を含有する、上記項1〜5のいずれかに記載の発泡壁紙。
7.前記基材と前記発泡樹脂層との間に更に非発泡樹脂層Bが形成されている、上記項1〜6のいずれかに記載の発泡壁紙。
8.最表面層の上からエンボス加工が施されている、上記項1〜7のいずれかに記載の発泡壁紙。
9.基材上に少なくとも発泡剤含有樹脂層と非発泡樹脂層Aとを順に有する、発泡壁紙の発泡前の積層体であって、
前記発泡剤含有樹脂層は、樹脂成分が、密度が0.88〜0.93g/cm3であり、融点が80〜110℃であるエチレン−αオレフィン共重合体からなり、且つ、8倍以上に発泡させることにより発泡樹脂層を形成するための発泡剤含有樹脂層であり、
前記非発泡樹脂層Aは、樹脂成分が、密度が0.88〜0.93g/cm3であり、融点が80〜110℃であるエチレン−αオレフィン共重合体からなる
ことを特徴とする発泡壁紙の発泡前の積層体。
10.前記発泡剤含有樹脂層は、電子線照射により樹脂架橋されている、上記項9に記載の発泡壁紙の発泡前の積層体。
基材は、発泡壁紙の基材として適した機械強度、耐熱性等を有する限り特に限定されず、例えば、樹脂シート、繊維質シート(紙等)などが一般に使用できる。
本発明では、必要に応じて基材と発泡樹脂層との間に非発泡樹脂層(非発泡樹脂層B)が形成されていてもよい。特に、非発泡樹脂層Bが接着剤層として形成される場合は、優れた密着性を得ることができる。非発泡樹脂層Bとしては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等を好適に用いることができる。なお、前記EVAの他、非発泡樹脂層Bにも後述する非発泡樹脂層Aと同じエチレン−αオレフィン共重合体を用いてもよい。特に非発泡樹脂層A、発泡樹脂層及び非発泡樹脂層Bの全ての樹脂成分をエチレン−αオレフィン共重合体とすることにより、樹脂のリサイクル性を高めることができる。
発泡樹脂層は、発泡剤含有樹脂層が発泡することにより形成された層である。発泡剤含有樹脂層は、発泡剤の作用により発泡するもの(例えば加熱された際に発泡するもの)であれば限定されないが、当該樹脂層に水素結合が含まれないようなモノマーの組み合わせから得られる樹脂を用いることが好ましい。従って、例えばエチレンとOH基又はCOOH基を有しないモノマーとの組み合わせから得られるエチレン共重合体を好適に用いることができる。かかる見地より、エチレン共重合体としては、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−メチルメタクリレート(EMMA)、エチレン−エチルアクリレート(EEA)、エチレン−メチルアクリレート(EMA)等が使用できる。
発泡樹脂層のおもて面には、更に非発泡樹脂層Aが形成される。
本発明では、非発泡樹脂層Aのおもて面に必要に応じて絵柄模様層を有してもよい。
本発明では、絵柄模様層の表面に艶調整及び/又は絵柄模様層の保護を意図して表面保護層を有してもよい。表面保護層の種類は限定的ではない。艶調整を目的とする表面保護層であれば、例えば、シリカなどの既知フィラーを含む表面保護層がある。表面保護層の形成方法としては、グラビア印刷などの公知の方法が採用できる。なお、絵柄模様層と表面保護層との密着性が十分に得られない場合には、絵柄模様層の表面を易接着処理(プライマー処理)した後に表面保護層を設けることもできる。
本発明では、適宜エンボス模様を付してもよい。この場合、発泡壁紙の最表面層(基材と反対側)の上からエンボス加工すれば良い。エンボス加工は、エンボス版の押圧等、公知の手段により実施することができる。例えば、最表面層が表面保護層である場合は、そのおもて面を加熱軟化後、エンボス版を押圧することにより所望のエンボス模様を賦型できる。エンボス模様としては、例えば木目板導管溝、石板表面凹凸、布表面テクスチャア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等がある。
発泡壁紙の製造方法は特に限定されない。例えば、紙等の基材上に発泡樹脂層と非発泡樹脂層Aとを有する発泡壁紙を製造するには、Tダイ押出し機による同時押出しが好適である。2つの層に対応する溶融樹脂を同時に押出すことにより2層の同時成膜が可能なマルチマニホールドタイプのTダイを用いることができる。この場合、発泡剤含有樹脂層を形成するための樹脂組成物及び非発泡樹脂層を形成するための樹脂組成物をそれぞれ別個のシリンダー中に入れ、2種2層を同時に押出し成膜・積層すればよい。この方法では、同時押出し積層体は、基材上に同時積層(成膜)する。基材上に押出しと同時に積層された樹脂層は、熱溶融により接着性を有するため基材と接着される。
3種3層マルチマニホールドTダイ押出し機を用いて、非発泡樹脂層A/発泡剤含有樹脂層/非発泡樹脂層Bの順に厚み10μm/50μm/10μmになるように基材(裏打紙)に押出し製膜した。これにより、非発泡樹脂層A/発泡剤含有樹脂層/非発泡樹脂層B/基材からなる積層体を得た。
発泡剤含有樹脂層を、エチレン−αオレフィン共重合体「カーネルKS560T(密度:0.898g/m2、MFR:16.5g/10分、融点:90℃)、日本ポリエチレン製」により形成した以外は実施例1と同様にして発泡壁紙を得た。
非発泡樹脂層Aを、エチレン−αオレフィン共重合体「カーネルKS560T(密度:0.898g/m2、MFR:16.5g/10分、融点:90℃)、日本ポリエチレン製」、発泡剤含有樹脂層をエチレン−αオレフィン共重合体「カーネルKS571(密度:0.907g/m2、MFR:12g/10分、融点:100℃)、日本ポリエチレン製」とした以外は実施例1と同様にして発泡壁紙を得た。
非発泡樹脂層A及び発泡剤含有樹脂層を以下の成分から形成した以外は実施例1と同様にして発泡壁紙を得た。
非発泡樹脂層Aを、HDPE(高密度ポリエチレン)「HJ490(密度0.958g/m2、MFR:20g/10分、融点:133℃)、日本ポリエチレン製」より形成し、非発泡樹脂層Aを形成するための樹脂を収容したシリンダー温度は140℃、ダイス温度を140℃としたこと以外は比較例1と同様にして発泡壁紙を得た。
実施例及び比較例で得られた発泡壁紙について、製膜時の異常発泡、発泡壁紙の表面物性(耐傷性、耐へこみ性)、耐カール性を調べた。各試験方法及び評価基準は、次の通りとした。
(異常発泡)
上記温度条件で押し出した積層体のうち、発泡剤含有樹脂層に微発泡(シリンダー、ダイス通過時の異常発泡によるムラ状の欠点)が認められないものを○、認められるものを×と評価した。上記微発泡は、製膜時の温度(シリンダー、ダイス通過時の温度)により本来意図しない異常発泡が若干生じることを意味する。この微発泡はムラ状の欠点となる。
(耐傷性)
日本ビニル工業会建装部会制定「表面強化商品性能表示規定」に準拠して評価し、4級以上のものを○と評価し、3級を△と評価し、2級以下を×と評価した。
(耐へこみ性)
発泡壁紙の表面に50g/cm2の荷重をかけて40℃で24時間放置した後、荷重を取り去り、25℃で24時間経過後の発泡樹脂層の厚さをシックネスゲージで測定し、初期厚さに対して80%以上復元したものを○と評価し、80%未満60%以上を△評価し、60%以下を×と評価した。
(カール性)
10cm角のサンプルを10分間水中に浸漬して取り出した後、表面の水分を拭き取り5分放置し、角部の浮き上がりが1cm以下のものを○と評価し、1〜2cmのものを△と評価し、2cm以上のものを×と評価した。
(耐侯変色)
JIS L 0842に準拠し、FOM(フェードメーター)を用いて40時間投入前後の色差(ΔE)を測定し、ΔEが1.5以下のものを○と評価し、1.5〜2のものを△と評価し、2以上を×と評価した。
2.非発泡樹脂層B
3.発泡樹脂層
4.非発泡樹脂層A
Claims (10)
- 基材上に少なくとも発泡樹脂層と非発泡樹脂層Aとを順に有する発泡壁紙であって、
前記発泡樹脂層は、発泡剤含有樹脂層を8倍以上に発泡させることにより形成され、
前記発泡剤含有樹脂層は、樹脂成分が、密度が0.88〜0.93g/cm3であり、融点が80〜110℃であるエチレン−αオレフィン共重合体からなり、
前記非発泡樹脂層Aは、樹脂成分が、密度が0.88〜0.93g/cm3であり、融点が80〜110℃であるエチレン−αオレフィン共重合体からなる
ことを特徴とする発泡壁紙。 - 前記エチレン−αオレフィン共重合体は、メタロセン触媒を用いて重合された、請求項1に記載の発泡壁紙。
- 前記エチレン−αオレフィン共重合体は、メルトフローレートが10〜50g/10分である、請求項1又は2に記載の発泡壁紙。
- 前記発泡樹脂層は、見かけ比重が0.05〜0.2g/cm3である、請求項1〜3のいずれかに記載の発泡壁紙。
- 前記発泡樹脂層は、電子線照射により樹脂架橋されている、請求項1〜4のいずれかに記載の発泡壁紙。
- 前記発泡剤含有樹脂層は架橋剤を含有する、請求項1〜5のいずれかに記載の発泡壁紙。
- 前記基材と前記発泡樹脂層との間に更に非発泡樹脂層Bが形成されている、請求項1〜6のいずれかに記載の発泡壁紙。
- 最表面層の上からエンボス加工が施されている、請求項1〜7のいずれかに記載の発泡壁紙。
- 基材上に少なくとも発泡剤含有樹脂層と非発泡樹脂層Aとを順に有する、発泡壁紙の発泡前の積層体であって、
前記発泡剤含有樹脂層は、樹脂成分が、密度が0.88〜0.93g/cm3であり、融点が80〜110℃であるエチレン−αオレフィン共重合体からなり、且つ、8倍以上に発泡させることにより発泡樹脂層を形成するための発泡剤含有樹脂層であり、
前記非発泡樹脂層Aは、樹脂成分が、密度が0.88〜0.93g/cm3であり、融点が80〜110℃であるエチレン−αオレフィン共重合体からなる
ことを特徴とする発泡壁紙の発泡前の積層体。 - 前記発泡剤含有樹脂層は、電子線照射により樹脂架橋されている、請求項9に記載の発泡壁紙の発泡前の積層体。
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