JP6331569B2 - 積層シート及び発泡積層シート並びにそれらの製造方法 - Google Patents
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Description
1. 基材上に少なくとも発泡剤含有樹脂層を有する積層シートであって、
(1) 前記発泡剤含有樹脂層は、樹脂成分及び炭酸カルシウムを含有し、
(2) 前記樹脂成分がポリエチレン系樹脂を含み、
(3) 前記炭酸カルシウムは、脂肪酸処理されており、
(4) 前記炭酸カルシウムの平均粒径が1〜10μmであり、
(5) 前記発泡剤含有樹脂層は、当該層を形成するための樹脂組成物の130℃におけるメルトボリュームフローレートが15〜30cm3/10分である、
ことを特徴とする、積層シート。
2. 前記ポリエチレン系樹脂が、低密度ポリエチレン樹脂とエチレン−αオレフィン共重合体とを混合した樹脂である、上記項1に記載の積層シート。
3. 前記低密度ポリエチレン樹脂と前記エチレン−αオレフィン共重合体との質量比率が、前記低密度ポリエチレン樹脂:前記エチレン−αオレフィン共重合体=10:90〜29:71である、上記項2に記載の積層シート。
4. 前記発泡剤含有樹脂層は、片面又は両面に非発泡樹脂層を有する、上記項1〜3のいずれかに記載の積層シート。
5. 最表面に表面保護層を有する、上記項1〜4のいずれかに記載の積層シート。
6. 基材上に少なくとも発泡剤含有樹脂層を積層する工程を有する積層シートの製造方法であって、
(1) 前記発泡剤含有樹脂層は、樹脂成分及び炭酸カルシウムを含有し、
(2) 前記樹脂成分がポリエチレン系樹脂を含み、
(3) 前記炭酸カルシウムは、脂肪酸処理されており、
(4) 前記炭酸カルシウムの平均粒径が1〜10μmであり、
(5) 前記発泡剤含有樹脂層は、当該層を形成するための樹脂組成物の130℃におけるメルトボリュームフローレートが15〜30cm3/10分である、
ことを特徴とする、積層シートの製造方法。
7. 前記発泡剤含有樹脂層を押出し製膜により積層する、上記項6に記載の製造方法。
8. 前記発泡剤含有樹脂層及びその片面又は両面に積層される非発泡樹脂層を押出し製膜により積層する、上記項6に記載の製造方法。
9. 上記項1〜5のいずれかに記載の積層シートの発泡剤含有樹脂層を発泡させることにより得られる発泡積層シート。
10. 上記項1〜5のいずれかに記載の積層シートの発泡剤含有樹脂層を加熱により発泡させることを特徴とする発泡積層シートの製造方法。
11. おもて面にエンボス凹凸模様を有する、上記項9に記載の発泡積層シート。
本発明の積層シートは、基材上に少なくとも発泡剤含有樹脂層を有する積層シートであって、
(1) 前記発泡剤含有樹脂層は、樹脂成分及び炭酸カルシウムを含有し、
(2) 前記樹脂成分がポリエチレン系樹脂を含み、
(3) 前記炭酸カルシウムは、脂肪酸処理されており、
(4) 前記炭酸カルシウムの平均粒径が1〜10μmであり、
(5) 前記発泡剤含有樹脂層は、当該層を形成するための樹脂組成物の130℃におけるメルトボリュームフローレートが15〜30cm3/10分である、
ことを特徴とする。
基材としては限定されず、公知の繊維質シート(裏打紙)などが利用できる。
本発明の積層シートは、基材上に少なくとも発泡剤含有樹脂層を有する。当該発泡剤含有樹脂層は樹脂成分を含有し、当該樹脂成分はポリエチレン系樹脂(PE系樹脂)を含む。発泡剤含有樹脂層の樹脂成分がポリエチレン系樹脂を含むため、発泡積層シートとしての良好な耐傷性(例:耐スクラッチ性)が得られる。
(i)脂肪酸処理される炭酸カルシウムが乾燥状態である場合、まず、上記脂肪酸処理剤を乾燥した炭酸カルシウムに加える。次に、当該脂肪酸処理剤と炭酸カルシウムとを加熱しながら撹拌混合及び/又は粉砕混合する。これにより、脂肪酸処理された炭酸カルシウムが得られる。
(ii)脂肪酸処理される炭酸カルシウムがスラリー状態(水、有機溶媒等の懸濁液)である場合、まず、当該スラリーに上記脂肪酸処理剤を加える。次に、当該スラリーを撹拌して炭酸カルシウム表面に脂肪酸処理の被覆層を形成する。ここで、撹拌に際しては、必要に応じて加熱してもよい。次に、当該スラリーを遠心脱水機、フィルタープレス等の機械を用いて脱水(又は脱溶媒)する。次に、脱水して得られた濾過ケーキを熱風にさらして当該濾過ケーキを乾燥する。これにより、脂肪酸処理された炭酸カルシウムが得られる。ここで、乾燥機としては、乾燥機としては熱風箱型乾燥機、バンド乾燥機、スプレードライヤー等が挙げられる。また、得られた脂肪酸処理された炭酸カルシウムは、必要に応じて粉砕してもよい。なお、脂肪酸処理剤として脂肪酸アルカリ金属塩を使用する場合は、当該スラリーに当該脂肪酸アルカリ金属塩の水溶液を添加して撹拌させることで、脂肪酸処理された炭酸カルシウムが得られる。
なお、上記(i)、(ii)のいずれの場合も脂肪酸処理剤の使用量は特に限定されず、必要に応じて適宜設定することができる。
発泡剤含有樹脂層は、その片面又は両面に非発泡樹脂層を有していてもよい。
本発明の積層シートは、樹脂層(発泡剤含有樹脂層、非発泡樹脂層A等)又は後述のプライマー層の上には、必要に応じて絵柄模様層を形成してもよい。
樹脂層(発泡剤含有樹脂層、非発泡樹脂層A等)又は絵柄模様層の上には、必要に応じてプライマー層を形成してもよい。
樹脂層(発泡剤含有樹脂層、非発泡樹脂層A等)、絵柄模様層又はプライマー層の表面には艶調整及び/又は絵柄模様層の保護を意図して表面保護層を有してもよい。
積層シート又は発泡積層シートのおもて面にはエンボス模様を付してもよい。この場合、最表面層(繊維質シートと反対側)の上からエンボス加工すれば良い。エンボス加工は、エンボス版の押圧等、公知の手段により実施することができる。例えば、最表面層が表面保護層である場合は、そのおもて面を加熱軟化後、エンボス版を押圧することにより所望のエンボス模様を賦型できる。エンボス模様としては、例えば木目板導管溝、石板表面凹凸、布表面テクスチャア、梨地、砂目、ヘアライン、幾何学模様、万線条溝、輪郭模様等がある。
本発明の発泡積層シートは、上記積層シートの発泡剤含有樹脂層を発泡させることにより得られる。
積層シートの製造方法としては、例えば、基材上に少なくとも前記発泡剤含有樹脂層を積層する製造方法が挙げられる。
≪発泡剤を含む樹脂組成物の調製≫
下記表1に示す7種類の樹脂組成物を混練により調製した。
各樹脂組成物を3種3層の製膜可能なTダイ押し出し機を用いて、非発泡樹脂A、発泡剤含有樹脂及び非発泡樹脂Bの順序で5μm、80μm及び5μmの厚さになるように押出し製膜した。押出しシリンダー温度:130℃、Tダイ温度130℃にて製膜した。65g/m2の裏打紙(WK-665 KJ特殊紙製)上に非発泡樹脂層Bがくるように積層して、3種3層の樹脂層を有する積層シートを得た。
非発泡樹脂B:エバフレックスEV150:EVA(三井デュポンポリケミカル製)
更に、積層シートを220℃で30秒間加熱して、発泡剤含有樹脂層を発泡させて発泡積層シートを得た。
各実施例及び比較例で用いた、発泡剤を含有する樹脂組成物のMVR(130℃)を表2に示すとともに、各樹脂組成物に関する押出し製膜性、並びに各発泡積層シートに関する発泡倍率、発泡セル形状、発泡体表面及び耐スクラッチ性の評価結果を表2に示した。
各実施例及び比較例ごとに、上記所定の厚みになるように押出し機のスクリュー回転数を設定して上記3種3層の樹脂層を押出し製膜し、その回転数を固定したまま引取速度を変化させ、引き取れる速度で評価した。評価基準は以下の通りとした。
○:引取速度30m/min以上。
△:引取速度20m/min以上30m/min未満。
×:引取速度20m/min未満。
発泡樹脂層の断面を肉眼観察した。評価基準は以下の通りとした。
○:発泡セルが均一で細かく、厚み方向に複数のセルが存在する。
△:発泡セルの厚み方向に複数のセルが存在しないが、セル自体が細かい。
×:発泡セルが連結して大きな空洞となり、厚み方向に複数のセルが存在しない。
発泡樹脂層の表面を肉眼観察した。評価基準は以下の通りとした。
○:表面が平坦で、発泡セルの破泡による穴がない。
×:発泡セルの破泡による穴がある。
実施例及び比較例で作製した各発泡積層シートについて、壁紙工業会制定の表面強化壁紙の性能評価方法に準じて試験を行い、下記評価基準に基づいて評価した。
○:表面に僅な変化が認められる。
△:表層が僅かに破れて発泡樹脂層まで達した。
×:表層が大きく破れ発泡樹脂層まで傷付いた。
2. 非発泡樹脂層B
3. 発泡剤含有樹脂層
4. 非発泡樹脂層A
5. 絵柄模様層
6. プライマー層
7. 表面保護層
Claims (13)
- 基材上に少なくとも発泡剤含有樹脂層を有する積層シートであって、
(1) 前記発泡剤含有樹脂層は、樹脂成分及び炭酸カルシウムを含有し、
(2) 前記樹脂成分がポリエチレン系樹脂を含み、
(3) 前記炭酸カルシウムは、脂肪酸処理されており、
(4) 前記炭酸カルシウムの平均粒径が1〜10μmであり、
(5) 前記発泡剤含有樹脂層は、当該層を形成するための樹脂組成物の130℃におけるメルトボリュームフローレートが15〜30cm3/10分である、
ことを特徴とする、積層シート。 - 前記ポリエチレン系樹脂が、低密度ポリエチレン樹脂とエチレン−αオレフィン共重合体とを混合した樹脂である、請求項1に記載の積層シート。
- 前記低密度ポリエチレン樹脂と前記エチレン−αオレフィン共重合体との質量比率が、前記低密度ポリエチレン樹脂:前記エチレン−αオレフィン共重合体=10:90〜29:71である、請求項2に記載の積層シート。
- 前記発泡剤含有樹脂層は、片面又は両面に非発泡樹脂層を有する、請求項1〜3のいずれかに記載の積層シート。
- 最表面に表面保護層を有する、請求項1〜4のいずれかに記載の積層シート。
- 前記発泡剤含有樹脂層は、当該層を形成するための樹脂組成物の130℃におけるメルトボリュームフローレートが17〜26cm 3 /10分である、請求項1〜5のいずれかに記載の積層シート。
- 基材上に少なくとも発泡剤含有樹脂層を積層する工程を有する積層シートの製造方法であって、
(1) 前記発泡剤含有樹脂層は、樹脂成分及び炭酸カルシウムを含有し、
(2) 前記樹脂成分がポリエチレン系樹脂を含み、
(3) 前記炭酸カルシウムは、脂肪酸処理されており、
(4) 前記炭酸カルシウムの平均粒径が1〜10μmであり、
(5) 前記発泡剤含有樹脂層は、当該層を形成するための樹脂組成物の130℃におけるメルトボリュームフローレートが15〜30cm3/10分である、
ことを特徴とする、積層シートの製造方法。 - 前記発泡剤含有樹脂層を押出し製膜により積層する、請求項7に記載の製造方法。
- 前記発泡剤含有樹脂層及びその片面又は両面に積層される非発泡樹脂層を押出し製膜により積層する、請求項7に記載の製造方法。
- 前記発泡剤含有樹脂層は、当該層を形成するための樹脂組成物の130℃におけるメルトボリュームフローレートが17〜26cm 3 /10分である、
ことを特徴とする、請求項7又は8に記載の製造方法。 - 請求項1〜6のいずれかに記載の積層シートの発泡剤含有樹脂層を発泡させることにより得られる発泡積層シート。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の積層シートの発泡剤含有樹脂層を加熱により発泡させることを特徴とする発泡積層シートの製造方法。
- おもて面にエンボス凹凸模様を有する、請求項11に記載の発泡積層シート。
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