JP2010229774A - 発泡壁紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱分解型発泡剤を含有する発泡剤含有樹脂層を形成し、更に発泡剤含有樹脂層を発泡させて発泡樹脂層を形成することにより得られる発泡壁紙であって、発泡後の発泡樹脂層の経時変色が抑制された発泡壁紙を提供する。
【解決手段】紙質基材上に少なくとも発泡樹脂層を有する発泡壁紙であって、
(1)前記発泡樹脂層は、熱分解型発泡剤を含有する発泡剤含有樹脂層を発泡させることにより形成され、
(2)前記発泡剤含有樹脂層は、ペンタエリスリトールを含有する樹脂組成物を製膜することにより形成され、
(3)発泡樹脂層のおもて面に更に、メタクリル酸を共重合体成分として有しないエチレン系重合体又は共重合体からなる非発泡樹脂層Aが形成される、
ことを特徴とする発泡壁紙。
【選択図】なし

Description

本発明は、発泡後の発泡樹脂層の経時変色(耐候変色)が抑制された発泡壁紙に関する。
従来、発泡壁紙(発泡化粧シート)としては、紙質基材(裏打紙)に塩化ビニル樹脂の発泡樹脂層を形成したものが知られている。近年では、環境に配慮して発泡樹脂層には、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)、アクリル樹脂、オレフィン系樹脂などの、ハロゲンを含有しない樹脂が用いられてきている(特許文献1〜3等)。
発泡壁紙の層構成としては、発泡樹脂層のおもて面に、非発泡樹脂層を積層したものが知られている。このような発泡壁紙は、例えば、発泡剤含有樹脂層及び非発泡樹脂層を同時溶融押出しにより紙質基材上に積層後、発泡剤含有樹脂層を発泡させることにより作製する。
発泡壁紙には表面強度(特に耐スクラッチ性)が要求される。そのため、非発泡樹脂層としては、表面強度の発現に有利なエチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)を樹脂成分とすることが知られている。
しかしながら、この非発泡樹脂層は、樹脂成分であるメタクリル酸と発泡樹脂層中の金属イオンとの反応を引き起こすという問題がある。その結果、発泡後の発泡樹脂層が経時的に変色しやすいという問題がある。
従って、発泡後の発泡樹脂層の経時変色が抑制された発泡壁紙の開発が望まれている。
特開平6−47875号公報 特開2000−255011号公報 特開2001−347611号公報
本発明は、熱分解型発泡剤を含有する発泡剤含有樹脂層を形成し、更に発泡剤含有樹脂層を発泡させて発泡樹脂層を形成することにより得られる発泡壁紙であって、発泡後の発泡樹脂層の経時変色が抑制された発泡壁紙を提供する。
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、発泡樹脂層に特定の化合物を含み、さらに特定の樹脂成分を含む樹脂組成物により形成された層を非発泡樹脂層とする場合には、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の発泡壁紙に関する。
1. 紙質基材上に少なくとも発泡樹脂層を有する発泡壁紙であって、
(1)前記発泡樹脂層は、熱分解型発泡剤を含有する発泡剤含有樹脂層を発泡させることにより形成され、
(2)前記発泡剤含有樹脂層は、ペンタエリスリトールを含有する樹脂組成物を製膜することにより形成され、
(3)発泡樹脂層のおもて面に更に、メタクリル酸を共重合体成分として有しないエチレン系重合体又は共重合体からなる非発泡樹脂層Aが形成される、
ことを特徴とする発泡壁紙。
2. 前記非発泡樹脂層Aを構成するエチレン系重合体又は共重合体は、ポリエチレン、炭素数が4以上のαオレフィンの共重合体(線状低密度ポリエチレン)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物ないしはアイオノマーからなる群から選ばれる少なくとも1種である、上記項1に記載の発泡壁紙。
3. 前記発泡剤含有樹脂層を構成する樹脂組成物は、樹脂成分100重量部に対して、ペンタエリスリトールを0.01〜10重量部含有する、上記項1又は2に記載の発泡壁紙。
4. 前記発泡剤含有樹脂層を構成する樹脂組成物は、熱分解型発泡剤として、アゾジカルボンアミド系発泡剤を含有する上記項1〜3のいずれかに記載の発泡壁紙。
5. 紙質基材と発泡樹脂層との間に更に非発泡樹脂層Bが形成されている、上記項1〜4のいずれかに記載の発泡壁紙。
6. 発泡壁紙の最表面層の上からエンボス加工が施されている、上記項1〜5のいずれかに記載の発泡壁紙。
以下、本発明の発泡壁紙について詳細に説明する。
1.発泡壁紙
本発明の発泡壁紙は、紙質基材上に少なくとも発泡樹脂層を有する発泡壁紙であって、
(1)前記発泡樹脂層は、熱分解型発泡剤を含有する発泡剤含有樹脂層を発泡させることにより形成され、
(2)前記発泡剤含有樹脂層は、ペンタエリスリトールを含有する樹脂組成物を製膜することにより形成され、
(3)発泡樹脂層のおもて面に更に、メタクリル酸を共重合体成分として有しないエチレン系重合体又は共重合体からなる非発泡樹脂層Aが形成されることを特徴とする。
上記特徴を有する本発明の発泡壁紙は、発泡樹脂層に添加剤としてペンタエリスリトールを使用する。また、本発明の発泡壁紙は、メタクリル酸を共重合体成分として有しないエチレン系重合体又は共重合体を、樹脂成分として含む樹脂組成物により形成された層を非発泡樹脂層とする。そのため、本発明の発泡壁紙は、発泡後の発泡樹脂層の経時変色(耐候変色)が抑制される。
紙質基材
紙質基材の材質は、壁紙基材として適した機械強度、耐熱性等を有する限り特に限定されず、繊維質シートが一般に使用できる。
具体的には、繊維質シートの中でも、難燃紙(パルプ主体のシートをスルファミン酸グアニジン、リン酸グアジニン等の難燃剤で処理したもの);水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の無機添加剤を含む無機質紙;上質紙;薄用紙などが挙げられる。
紙質基材の坪量は限定的ではないが、50〜300g/m程度が好ましく、50〜80g/m程度がより好ましい。
非発泡樹脂層B
本発明では、必要に応じて紙質基材と発泡樹脂層との間に非発泡樹脂層(非発泡樹脂層B)が形成されていてもよい。特に、非発泡樹脂層Bが接着剤層として形成される場合は、紙質基材と発泡樹脂層との優れた密着性が得られる。
非発泡樹脂層Bとしては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等を好適に用いることができる。非発泡樹脂層Bは樹脂成分以外に公知の添加剤を含んでもよいが、樹脂成分の含有量が70〜100重量%となるように配合することが好ましい。
非発泡樹脂層Bの厚みは限定的ではないが、5〜50μm程度が好ましく、特に8〜20μm程度がより好ましい。
発泡樹脂層
発泡樹脂層は、一般に発泡剤含有樹脂層を発泡させることにより形成される。
発泡剤含有樹脂層は、発泡剤の作用により発泡するもの(例えば加熱された際に発泡するもの)であれば限定されないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン系共重合体、ナイロン、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂等の熱可塑性樹脂単体及び共重合体、あるいは、これらの混合樹脂を挙げることができる。なかでも、環境保護の観点から、ポリオレフィン系樹脂が好ましく、なかでもエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)が好ましい。例えば、EVA樹脂、無機充填剤、顔料、熱分解型発泡剤及び発泡助剤を含む樹脂組成物を好適に使用できる。その他、安定剤、滑剤等を添加剤として用いることができる。
樹脂成分としてEVA樹脂を用いる場合、EVA樹脂の酢酸ビニル含有量(共重合比率)は限定的ではないが、特に5〜30重量%程度であることが好ましく、10〜20重量%程度がより好ましい。
樹脂成分のメルトフローレート値(MFR)は特に限定されないが、5〜75g/10分程度が好ましく、10〜30g/10分程度がより好ましい。
なお、本明細書のMFRは、JIS K 7210(熱可塑性プラスチックの流れ試験方法)記載の試験方法により測定した値である。試験条件は、JIS K 6760記載の「190℃、21.18N(2.16kgf)」を採用したものである。
発泡樹脂層の発泡状態(例えば、発泡セルの大きさ、発泡セル密度等)は限定されず、発泡壁紙の種類、用途等に応じて適宜設計することができる。
熱分解型発泡剤としては公知の発泡剤から選択することができる。例えば、アゾジカルボンアミド(ADCA)、アゾビスホルムアミド等のアゾ系;オキシベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)、パラトルエンスルホニルヒドラジド等のビドラジド系などが挙げられる。熱分解型発泡剤の含有量は、発泡剤の種類、発泡倍率等に応じて適宜設定できる。発泡倍率の観点からは、1.5倍以上、好ましくは3〜7倍程度であり、熱分解型発泡剤は、樹脂成分100重量部に対して、1〜20重量部程度とすることが好ましい。
本発明では、発泡樹脂層にペンタエリスリトールを含有する。ペンタエリスリトールを含有することによって、発泡後の発泡樹脂層の黄変色が低減され、経時変色が抑制された発泡壁紙を提供することができる。ペンタエリスリトールの含有量は、樹脂組成物に含まれる樹脂成分100重量部に対して0.01〜10重量部が好ましく、0.05〜3重量部がより好ましい。
発泡助剤としては、亜鉛系発泡助剤を用いることが好ましい。亜鉛系発泡助剤は、上記ADCA系発泡剤の発泡温度の低下に寄与し、発泡温度を有意に低減することができる。このことは、発泡壁紙の生産性向上に寄与する。発泡助剤の含有量は限定的ではないが、樹脂成分100重量部に対して1〜10重量部程度が好ましく、3〜8重量部程度がより好ましい。
無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、三酸化アンチモン、ホウ酸亜鉛、モリブデン化合物等が挙げられる。無機充填剤を含むことにより、目透き抑制効果、表面特性向上効果等が得られる。無機充填剤の含有量は、樹脂成分100重量部に対して0〜100重量部程度が好ましく、20〜70重量部程度がより好ましい。
顔料については、例えば酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、黒色酸化鉄、黄色酸化鉄、黄鉛、モリブデートオレンジ、カドミウムイエロー、ニッケルチタンイエロー、クロムチタンイエロー、酸化鉄(弁柄)、カドミウムレッド、群青、紺青、コバルトブルー、酸化クロム、コバルトグリーン、アルミニウム粉、ブロンズ粉、雲母チタン、硫化亜鉛等の無機顔料;例えば、アニリンブラック、ペリレンブラック、アゾ系(アゾレーキ、不溶性アゾ、縮合アゾ)、多環式(イソインドリノン、イソインドリン、キノフタロン、ペリノン、フラバントロン、アントラピリミジン、アントラキノン、キナクリドン、ペリレン、ジケトピロロピロール、ジブロムアンザントロン、ジオキサジン、チオインジゴ、フタロシアニン、インダントロン、ハロゲン化フタロシアニン)等の有機顔料が挙げられる。顔料の含有量は、樹脂成分100重量部に対して10〜50重量部程度が好ましく、15〜30重量部程度がより好ましい。
発泡剤含有樹脂層を発泡させる方法としては、後記の製造方法に記載された方法に従って実施すれば良い。
非発泡樹脂層A
発泡樹脂層のおもて面には、非発泡樹脂層Aを形成する。
非発泡樹脂層(非発泡樹脂層A)は、主として発泡樹脂層を保護するものである。本発明では、メタクリル酸を共重合体成分として有しないエチレン系重合体又は共重合体を、樹脂成分として含む樹脂組成物により形成された層を非発泡樹脂層とする。非発泡樹脂層には、メタクリル酸を共重合成分として含まれていないため、発泡樹脂層中の金属イオンとの反応しなくなる。よって、発泡後の発泡樹脂層の経時変色が抑制された発泡壁紙を提供することができる。
前記樹脂成分としては、例えば、ポリエチレン、炭素数が4以上のαオレフィンの共重合体(線状低密度ポリエチレン)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物ないしはアイオノマーからなる群から選ばれる少なくとも1種を樹脂成分として好適に用いることができる。特に、ポリエチレン重合体であることが好ましい。このような樹脂も市販品を使用することができる。前記樹脂組成物には、公知の添加剤を配合することもできる。
非発泡樹脂層の厚みは限定的ではないが、5〜50μm程度が好ましく、特に8〜20μm程度がより好ましい。
また、樹脂組成物中の前記樹脂成分の含有量は限定的ではないが、通常70〜100重量%の範囲内で適宜設定することが好ましい。
絵柄模様層
本発明では、非発泡樹脂層Aのおもて面に必要に応じて絵柄模様層を有してもよい。
絵柄模様層は、発泡壁紙に意匠性を付与する。絵柄模様としては、例えば木目模様、石目模様、砂目模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、布目模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、抽象模様等が挙げられる。絵柄模様は、発泡壁紙の種類に応じて選択できる。
絵柄模様層は、例えば、非発泡樹脂層Aのおもて面に絵柄模様を印刷することで形成できる。なお、絵柄模様層を形成する際には、必要に応じてあらかじめプライマー層を形成しても良い。印刷手法としては、例えば、グラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷等が挙げられる。印刷インキとしては、着色剤、結着材樹脂、溶剤(又は分散媒)を含む印刷インキが使用できる。これらのインキは公知又は市販のものを使用しても良い。
着色剤としては、例えば、前記の発泡剤含有樹脂層で使用されるような顔料を適宜使用することができる。
結着材樹脂は、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アルキド系樹脂、石油系樹脂、ケトン樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、繊維素誘導体、ゴム系樹脂等が挙げられる。
溶剤(又は分散媒)としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の石油系有機溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−2−メトキシエチル、酢酸−2−エトキシエチル等のエステル系有機溶剤;メチルアルコール、エチルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール系有機溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系有機溶剤;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系有機溶剤、;ジクロロメタン、四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等の塩素系有機溶剤;水などが挙げられる。
絵柄模様層の厚みは、絵柄模様の種類より異なるが、一般には0.1〜10μm程度とすることが好ましい。
表面保護層(オーバーコート層)
本発明では、絵柄模様層の表面に艶調整及び/又は絵柄模様層の保護を意図して表面保護層を有してもよい。表面保護層の種類は限定的ではない。艶調整を目的とする表面保護層であれば、例えば、シリカなどの既知フィラーを含む表面保護層がある。表面保護層の形成方法としては、グラビア印刷などの公知の方法が採用できる。なお、絵柄模様層と表面保護層との密着性が十分に得られない場合には、絵柄模様層の表面を易接着処理(プライマー処理)した後に表面保護層を設けることもできる。
発泡壁紙の表面強度(耐スクラッチ性など)、耐汚染性、絵柄模様層の保護等を目的として表面保護層を形成する場合には、電離放射線硬化型樹脂を樹脂成分として含有するものが好適である。電離放射線硬化型樹脂としては、電子線照射によってラジカル重合(硬化)するものが好ましい。
表面保護層の厚みは限定的ではないが、0.1〜15μm程度が好ましい。
エンボス
本発明では、適宜エンボス模様を付してもよい。この場合、発泡壁紙の最表面層(紙質基材と反対側)の上からエンボス加工すれば良い。エンボス加工は、エンボス版の押圧等、公知の手段により実施することができる。例えば、最表面層が表面保護層である場合は、そのおもて面を加熱軟化後、エンボス版を押圧することにより所望のエンボス模様を賦型できる。エンボス模様としては、例えば木目板導管溝、石板表面凹凸、布表面テクスチャア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等がある。
2.発泡壁紙の製造方法
発泡壁紙の製造方法は特に限定されない。例えば、紙質基材上に発泡樹脂層と非発泡樹脂層Aとを有する発泡壁紙は、紙質基材上に発泡剤含有樹脂層と非発泡樹脂層Aとを同時溶融押出しにより製膜後、加熱により発泡剤含有樹脂層を発泡樹脂層とすることにより得られる。
同時溶融押出しには、2層の同時成膜が可能なマルチマニホールドタイプのTダイを用いることができる。この場合、発泡剤含有樹脂層を形成するための樹脂組成物及び非発泡樹脂層を形成するための樹脂組成物をそれぞれ別個のシリンダー中に入れ、2種2層を同時に押出し成膜・積層すればよい。この方法では、同時押出し積層体は、紙質基材上に同時積層(成膜)する。紙質基材上に押出しと同時に積層された樹脂層は、熱溶融により接着性を有するため紙質基材と接着される。
なお、予め2種2層を同時成膜した積層体を用意して、それを紙質基材上に載せて、熱ラミネートすることにより紙質基材と接着してもよい。
なお、発泡剤含有樹脂層を形成する樹脂組成物に無機充填剤が含まれる場合であって、発泡剤含有樹脂層を押出し成形により形成する場合には、押出し成形機の押出し口(いわゆるダイス)に無機充填剤の残渣(いわゆる目やに)が発生し易く、これがシート表面の異物となり易い。そのため、発泡剤含有樹脂層を形成する樹脂組成物に無機充填剤が含まれる場合には、上記非発泡樹脂層A及び非発泡樹脂層Bを、発泡剤含有樹脂層とともに同時押出し成形することが好ましい。同時押出し成形は、例えば、マルチマニホールドタイプのTダイを用いることにより行える。このように発泡剤含有樹脂層を非発泡樹脂層によって挟み込んだ態様で同時押出し成形することにより、前記目やにの発生を抑制することができる。
紙質基材上に同時積層後は、発泡剤含有樹脂層を加熱することにより発泡樹脂層を形成する。加熱条件は、発泡剤の分解により発泡樹脂層が形成される条件ならば限定されない。加熱温度は200〜220℃程度、加熱時間は30〜45秒程度である。
前記加熱処理の前に、電子線照射を行ってもよい。これにより樹脂成分を架橋できるため、発泡壁紙の表面強度、発泡程度等を制御することができる。電子線のエネルギーは、150〜250kV程度が好ましい。照射量は、1〜7Mrad程度が好ましい。電子線源としては、公知の電子線照射装置が使用できる。なお、架橋は、化学架橋剤(架橋剤又は架橋助剤ともいう。)を用いて実施することもできる。
電子線照射を行う場合には、前記組成物中に架橋剤を含有してもよい。架橋剤としては、電子線照射による架橋を促進するものであればよい。例えば、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等の多官能性モノマー、オリゴマーなどが挙げられる。架橋剤は、樹脂成分100重量部に対して0〜10重量部程度とすることが好ましく、特に1〜4重量部とすることがより好ましい。
電離放射線硬化型樹脂を含有する表面保護層を形成した場合には、電子線照射によって表面保護層を硬化させることができる。このような電子線照射は、発泡剤含有樹脂層に含まれる樹脂を架橋させるために行う電子線照射と同時(同処理)とできる。つまり、発泡剤含有樹脂層、非発泡樹脂層、絵柄模様層及び電離放射線硬化型樹脂を含有する表面保護層を順に形成後、電子線照射を行って、発泡剤含有樹脂層に含まれる樹脂を架橋するとともに表面保護層に含まれる樹脂を硬化させることができる。
絵柄模様層を有する発泡壁紙を製造する場合には、上記加熱処理前に非発泡樹脂層の表面に絵柄模様層を形成することが好ましい。絵柄模様層の形成方法は、前記の通りとすれば良い。
本発明の発泡壁紙は、発泡樹脂層に添加剤としてペンタエリスリトールを使用する。また、本発明の発泡壁紙は、メタクリル酸を共重合体成分として有しないエチレン系重合体又は共重合体を、樹脂成分として含む樹脂組成物により形成された層を非発泡樹脂層とする。そのため、本発明の発泡壁紙は、発泡後の発泡樹脂層の経時変色(耐候変色)が抑制される。
本発明の発泡壁紙の層構成を例示する模式図である。
以下に実施例及び比較例を示して本発明をより詳しく説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。
実施例1
3種3層マルチマニホールドTダイ押出し機を用いて、非発泡樹脂層A/発泡剤含有樹脂層/非発泡樹脂層Bの順に厚み10μm/60μm/10μmになるように裏打紙に押出し製膜した。これにより、非発泡樹脂層A/発泡剤含有樹脂層/非発泡樹脂層B/裏打紙からなる積層体を得た。
裏打紙としては、「WK−665DO(興人製)」を用意し、これを90℃に加熱した後、上記3層を押出し製膜した。
押出し条件は、非発泡樹脂層Aを形成するための樹脂を収容したシリンダー温度は115℃とし、発泡剤含有樹脂層を形成するための樹脂組成物を収容したシリンダー温度は110℃とし、非発泡樹脂層Bを形成するための樹脂を収容したシリンダー温度は100℃とした。また、ダイス温度はいずれも110℃とした。
上記積層体に対して、非発泡樹脂層Aの側から電子線(200KV,30kGy)を照射して特に発泡剤含有樹脂層と非発泡樹脂層Aとを樹脂架橋した。また、非発泡樹脂層A上にコロナ放電処理を行った。更に水性インキ「ハイドリック」(大日精化工業製)により布目絵柄を印刷した。
次に、布目絵柄を印刷した積層体をギアオーブンで加熱(220℃×35秒)し、発泡剤含有樹脂層を発泡させた。
最後に、上記発泡体に対して布目パターンの凹凸エンボスを施して発泡壁紙を得た。
各層は、それぞれ以下の成分を用いて形成した。
非発泡樹脂層Aは、ポリエチレン樹脂「ペトロセン350、東ソー製」により形成した。
発泡剤含有樹脂層は、EVA樹脂「V406、三井・デュポン ポリケミカル製」100重量部、二酸化チタン「CR63、石原産業製」30重量部、ADCA発泡剤「AZ3050I、大塚化学製」6重量部、発泡助剤「MFX50J−3、大協化成製」5.3重量部及びペンタエリスリトール0.4重量部からなる樹脂組成物により形成した。
非発泡樹脂層Bは、EVA「エバフレックスEV150、三井・デュポン ポリケミカル製」により形成した。
実施例2
非発泡樹脂層をポリエチレン樹脂「ペトロセン349、東ソー製」とした以外は、実施例1と同様にして発泡壁紙を得た。
比較例1
非発泡樹脂層をEMAA樹脂「N1035、三井・デュポン ポリケミカル製」とした以外は、実施例1と同様にして発泡壁紙を得た。
比較例2
非発泡樹脂層をEMAA樹脂「N1035、三井・デュポン ポリケミカル製」とし、発泡剤含有樹脂層にペンタエリスリトールを使用しない以外は、実施例1と同様にして発泡壁紙を得た。
比較例3
非発泡樹脂層をポリエチレン樹脂「ペトロセン349、東ソー製」とし、発泡剤含有樹脂層にペンタエリスリトールを使用しない以外は、実施例1と同様にして発泡壁紙を得た。
試験例1
実施例及び比較例で作製した発泡壁紙に関して、1)発泡化粧シートの黄変色、2)発泡化粧シートの耐候変色を評価した。結果を下記表1に示す。
1)発泡化粧シートの黄変色は次の基準で評価した。即ち、測色装置「色彩色差計CR−300、コニカミノルタ製」により発泡樹脂層を測色した。
2)耐候変色は次の基準で評価した。先ず、フェードメーター「紫外線フェードメーターU48AU、スガ試験機製」により加速試験(40時間)を行った。次に発泡樹脂層の変色の程度を測色装置「色彩色差計CR−300、コニカミノルタ製」により測定した。変色の程度(△E)が△E≦1.9のものを○、△E>1.9のものを×と評価した。
Figure 2010229774
表1から明らかなように、発泡含有樹脂層中にペンタエリスリトールが存在し、非発泡樹脂層Aにメタクリル酸を含有しないポリエチレンを用いるとb値が低減、すなわち発泡後の黄変色が低減され、耐候性を向上できる(実施例1あるいは2と比較例2あるいは3の比較)。
これは発泡助剤の添加成分であるペンタエリスリトールがb値を低減、すなわち発泡後の黄変色が低減され、経時変色の抑制に効果を発揮しており、また非発泡層にメタクリル酸を含有しないポリエチレンを使用しているため、金属イオンとの反応が起きず、黄変色を低減し、経時変色の抑制をより効果的にしているためである。
一般的には発泡後のb値が低い、すなわち発泡後に黄変色しにくいものほど経時変化も起こりにくい。しかしながら、発泡含有樹脂層にペンタエリスリトールを添加するだけでは経時変化の抑制は不十分である(実施例1あるいは2と比較例1の比較)。同様に非発泡樹脂層Aにメタクリル酸を含有しないポリエチレンを用いるだけでは不十分である(実施例2と比較例3の比較)。したがって、発泡層にペンタエリスリトールを添加し、且つ非発泡層にメタクリル酸を含有しないポリエチレンを使用することで耐候性を向上することができる。
1.裏打紙
2.非発泡樹脂層B
3.発泡樹脂層
4.非発泡樹脂層A
5.絵柄模様層

Claims (6)

  1. 紙質基材上に少なくとも発泡樹脂層を有する発泡壁紙であって、
    (1)前記発泡樹脂層は、熱分解型発泡剤を含有する発泡剤含有樹脂層を発泡させることにより形成され、
    (2)前記発泡剤含有樹脂層は、ペンタエリスリトールを含有する樹脂組成物を製膜することにより形成され、
    (3)発泡樹脂層のおもて面に更に、メタクリル酸を共重合体成分として有しないエチレン系重合体又は共重合体からなる非発泡樹脂層Aが形成される、
    ことを特徴とする発泡壁紙。
  2. 前記非発泡樹脂層Aを構成するエチレン系重合体又は共重合体は、ポリエチレン、炭素数が4以上のαオレフィンの共重合体(線状低密度ポリエチレン)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物ないしはアイオノマーからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載の発泡壁紙。
  3. 前記発泡剤含有樹脂層を構成する樹脂組成物は、樹脂成分100重量部に対して、ペンタエリスリトールを0.01〜10重量部含有する、請求項1又は2に記載の発泡壁紙。
  4. 前記発泡剤含有樹脂層を構成する樹脂組成物は、熱分解型発泡剤として、アゾジカルボンアミド系発泡剤を含有する請求項1〜3のいずれかに記載の発泡壁紙。
  5. 紙質基材と発泡樹脂層との間に更に非発泡樹脂層Bが形成されている、請求項1〜4のいずれかに記載の発泡壁紙。
  6. 発泡壁紙の最表面層の上からエンボス加工が施されている、請求項1〜5のいずれかに記載の発泡壁紙。
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