JP4160874B2 - 壁紙およびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は壁、天井等に貼る壁紙に関し、特には耐傷付き性、耐汚染性、汚染除去性に優れた壁紙およびその製造方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
壁紙は、紙基材の上に合成樹脂シートが表面側に貼り合わされた構造体になっているが、紙基材の上に合成樹脂シートを表面側に貼り合わせて得られる壁紙は、耐傷付き性、耐汚染性(防汚性ともいう)、汚染除去性に劣るため、これらを改良する方法が検討されている。
【0003】
特開2001−260287号公報には、発泡樹脂層にエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂フィルムが積層された壁紙が開示されているこれらの壁紙は耐汚染性等に優れるが、実用的には未だ不充分であり、更なる改良が望まれている。また、発泡樹脂層とフィルム層との接着強度についても充分とは言えず、これらの層間には接着剤が必要であった(特許文献1)。
【0004】
特開平10−278199号公報には、発泡樹脂層、非発泡の熱可塑性樹脂層および印刷層がこの順に積層されている壁紙が開示されている。しかしながら、同公報による方法においても、発泡樹脂層と非発泡の熱可塑性樹脂層の接着強度が不充分なため、その層間に接着剤等の接着層を設ける必要があり、接着剤使用による環境の汚染が懸念される。また印刷層が壁紙の表面にあるため、印刷インキの剥がれや、壁紙表面が汚れやすいといった問題点があった。(特許文献2)
【0005】
【特許文献1】
特開2001−260287号公報
【0006】
【特許文献2】
特開平10−278199号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、耐傷付き性、耐汚染性、汚染除去性に優れた壁紙について、特定の発泡樹脂層に、ポリオレフィンフィルムを積層することにより上記課題が解決し、本発明を完成するに至った。
【0008】
【問題を解決するための手段】
すなわち本発明は、
基材(A)上に、密度0.850〜0.900g/cm 、メルトフローレート0.1〜100g/10分の範囲にある少なくとも一種のエチレン・α−オレフィン共重合体50〜90重量%および密度0.910〜0.940g/cm の範囲にある少なくとも一種の高圧法低密度ポリエチレンを10〜50重量%含有するポリオレフィン樹脂(b−1)100重量部に対し難燃剤および/または無機フィラー20〜200重量部からなるポリオレフィン樹脂組成物から形成される発泡樹脂層(B)が積層された積層体の発泡樹脂層に印刷層が積層され、さらに該印刷層にポリオレフィンフィルム(C)が積層されてなることを特徴とする壁紙およびその製造方法に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明は、基材(A)上に、ポリオレフィン樹脂組成物から形成される発泡樹脂層(B)が積層された積層体の発泡樹脂層に印刷層が積層され、さらに該印刷層にポリオレフィンフィルム(C)が積層されてなることを特徴とする壁紙に関する。
【0010】
基材(A)
本発明の壁紙における基材(A)は、一般には紙基材や不織布が用いられる。紙基材としては、天然パルプや合成パルプから抄造した紙、それらに無機物を混ぜて混抄した紙など、壁紙の使用目的に沿って選択される。発泡樹脂層(B)(以下、発泡樹脂シート(層)と記載する場合もある)は、それ自身で耐水性、難燃性を有している場合は、紙基材に特にその性質を要求しなくても一般用途に使用できるが、基材(A)として無機物を含む難燃紙、例えば水酸化アルミニウム等を含む紙を使用すると一層難燃性が向上するので、安全性を高める上で好ましい。
【0011】
発泡樹脂層(B)を構成するポリオレフィン樹脂組成物
上記基材(A)に積層して本発明の壁紙を構成する発泡樹脂層(B)は、ポリオレフィン樹脂組成物から形成される。ポリオレフィン樹脂組成物は、ポリオレフィン樹脂(b−1)100重量部に対し難燃剤および/または無機フィラー20〜200重量部からなるポリオレフィン樹脂組成物から形成される。
【0012】
ポリオレフィン樹脂(b−1)としては好ましくは、エチレン系(共)重合体である。エチレン系(共)重合体の具体例としては、高密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、エチレンと炭素数3〜20までのα−オレフィンとの共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体等、またはこれらの混合物を挙げることができる。
【0013】
エチレン系(共)重合体の密度は0.850〜0.990g/cm3、メルトフローレート(ASTM D1238、190℃、2.16kg荷重、以下MFRと略記する)が0.1〜100g/分の範囲のものが使用される。
【0014】
本発明におけるポリオレフィン樹脂(b−1)としては、密度0.850〜0.900g/cm、MFRが0.1〜100g/10分の範囲にある少なくとも一種のエチレン・α−オレフィン共重合体50〜90重量%および密度0.910〜0.940g/cm、MFRが0.1〜50g/10分の範囲にある少なくとも一種の高圧法低密度ポリエチレン10〜50重量%からなる組成物であることを要する
【0015】
エチレン・α−オレフィン共重合体中のα−オレフィンとしては、炭素数3〜20までのα−オレフィンが挙げられ、好ましくは、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンであり、さらに好ましくは1−ブテンである。エチレン・α−オレフィン共重合体中のα−オレフィン含量は5〜40モル%、好ましくは10〜30モル%である。
【0016】
このような好ましいポリオレフィン樹脂組成物を使用して発泡シート層とすることで、成形性、発泡性、柔軟性、基材(A)との接着強度、印刷層およびポリオレフィンフィルム(C)との接着強度に優れた壁紙を得ることができる。
【0017】
粘着付与剤
発泡樹脂層(B)を構成するポリオレフィン樹脂組成物は粘着付与剤(b−2)を含んでいてもよい。粘着付与剤(b−2)としては、ガラス転移点が20から140℃、好ましくは40〜120℃の範囲にあり、数平均分子量が1200以下、好ましくは600〜1000である炭化水素樹脂である。ガラス転移点が140℃より高いと得られる発泡樹脂シートの剛性が高く、柔軟性が損なわれるため好ましくない。ガラス転移点が20℃より低いと発泡樹脂シート表面がべたつくため好ましくない。具体的には、上記ガラス転移点と分子量を有するアルキルフェノール樹脂、アルキルフェノール−アセチレン樹脂、キシレン樹脂、石油樹脂、クロマン−インデン樹脂、テルペン樹脂、ロジンなどが使用できる。さらに耐熱性、耐候性の点で上記各樹脂を水素添加処理(水添)した脂環族飽和炭化水素が好ましく、水添された石油樹脂が特に好ましい。
【0018】
発泡樹脂層(B)を構成するポリオレフィン樹脂組成物が粘着付与剤(b−2)を含む場合、前記ポリオレフィン樹脂(b−1)と粘着付与剤(b−2)との混合割合は(b−1)が99.8〜50重量%、好ましくは99.7〜20重量%、(b−2)が0.2〜50重量%、好ましくは0.3〜20重量%である。ポリオレフィン樹脂組成物が粘着付与剤を含むとポリオレフィンフィルム(C)との接着強度がさらに高くなり好ましい。
【0019】
難燃剤および/または無機フィラー
難燃剤としては水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の金属水和酸化物を挙げることができる。無機フィラーとしては、炭酸カルシウム、タルク、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム等を挙げることができる。前記ポリオレフィン樹脂(b−1)および粘着付与剤(b−2)に対する難燃剤および/または無機フィラーの添加量としては、(b−1)および(b−2)の合計100重量部当たり難燃剤および/または無機フィラーを20〜200重量部、好ましくは30〜150重量部、さらに好ましくは40〜90重量部配合することができる。難燃剤および/または無機フィラーの添加量が200重量部を超えると発泡樹脂層の成形性や発泡性が劣ったり、ポリオレフィンフィルム(C)との接着強度が充分ではなく、また20重量部未満では難燃性が不足するため好ましくない。
【0020】
このような樹脂組成物を発泡樹脂層とすることで、後述のポリオレフィンフィルムとの接着強度が向上する。このような樹脂組成物には、本発明の壁紙としての性能を損なわない範囲で、必要に応じて他の合成樹脂やゴム、または酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、結晶核剤等、塩酸吸収剤等の添加物を含んでいてもよい。
【0021】
また、前記ポリオレフィン樹脂組成物の各成分および必要に応じて各種添加剤を、例えばヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、タンブラーミキサー、ロールや押出機等の混合機でブレンドした後、カレンダー成形、T−ダイ成形等の公知のシート成形機に供し、シートとすることが可能である。
【0022】
このような樹脂層に発泡剤を添加し、発泡温度および圧力条件下におくことによって発泡させることで、発泡樹脂層となる。発泡樹脂層の製造方法としては、予め発泡剤を添加した樹脂組成物から一旦未発泡シートを成形し、その後温度を上げて発泡樹脂シートへと変える方法を採用してもよく、または発泡剤を添加した樹脂組成物から直接発泡樹脂シートを得る方法であってもよい。
【0023】
発泡剤
使用可能な発泡剤としては、発泡樹脂シートの成形方法および成形温度を基準にして、化学発泡剤およびガス発泡剤(物理発泡剤)の中から適宜選ばれる。
【0024】
化学発泡剤としては、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物、ベンゾスルホニルヒドラジド、トルエンスルホニルヒドラジド、p,p‘−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)等のヒドラジド化合物、ジニトロソペンタメチレンテトラミン等のニトロソ化合物、またはこれらの混合物等を例示することができ、これらは成形条件でそれ自身が分解して発泡成形用にガスを発生するものである。また、必要に応じてこれらの発泡剤とともに発泡助剤を使用してもよい。発泡助剤としては、酸化亜鉛、ステアリン酸亜鉛等の亜鉛化合物、サリチル酸、フタル酸、しゅう酸等の有機酸などが挙げられる。
【0025】
ガス発泡剤(物理発泡剤)としては、炭酸ガス、ジフルオロジクロロメタンのようなハロゲン化炭化水素、ブタン、ペンタン、ヘキサン、シクロブタン、シクロヘキサン等の炭化水素を例示することができ、これらは成形条件下でそれ自身がガスとなり、発泡成形に寄与するものである。ガス発泡剤(物理発泡剤)としては炭酸ガス、ブタンガス、フロンガスなどが適切である。発泡剤は、一種類を使用しても、あるいは複数種を併用してもかまわない。
【0026】
発泡樹脂層(B)
発泡シートの成形に際して、発泡剤を添加した樹脂組成物から一旦未発泡樹脂シートをロールまたはT−ダイを用いて成形し、その後その樹脂シートを発泡成形条件下に移すことによって発泡樹脂シートを製造する方法の場合には、ガス発泡剤よりも化学発泡剤の使用が好ましい。発泡成形については、エアーオーブンや加熱ロールの使用によって行うことができる。
【0027】
一方、樹脂組成物を押出機へ供給するとともに発泡剤を押出機の別の供給口から圧入して、ダイから直接発泡樹脂シートを成形する場合には、一般にガス発泡剤(物理発泡剤)が使用される。また、予め化学発泡剤を添加した樹脂組成物を押出機に供給し、同様にダイから直接発泡樹脂シートを引き取ることもできる。公知の発泡剤を添加し、発泡させることにより本発明の壁紙の発泡樹脂層(B)となる。発泡樹脂層(B)の厚みとしては、通常0.1〜2mm、好ましくは0.2〜1mmである。
【0028】
積層
このようにして得られる発泡樹脂シートは、前述の紙等の基材(A)と積層することによって本発明の構成の一部である積層体となる。
【0029】
基材(A)と発泡樹脂層(B)との積層体の製造は、例えば紙基材の上に予め発泡成形させた樹脂シートを重ね、両層間を接着剤を使用して積層してもよく、あるいは溶融ポリエチレン樹脂等を層間に押出すことによって圧着積層することもできる。また、別の方法として、紙基材の上に予め成形された未発泡の樹脂シートを積層接着しておき、あるいは紙基材上へ未発泡樹脂シートをラミネートして、その後この積層体を加熱炉や加熱ロールに通す等の発泡条件下におくことによって発泡させ、紙基材上に発泡樹脂シートが積層した積層体を得ることができる。その他に、紙基材上に、発泡剤を添加した樹脂組成物を押出機またはカレンダーロールから直接ラミネートして積層することもできる。
【0030】
このようにして得られる基材(A)と発泡樹脂層(B)の積層体の発泡樹脂層(B)表面に印刷層を設け、さらに該印刷層にポリオレフィンフィルム(C)を積層して壁紙とする方法としては、基材(A)/発泡樹脂層(B)/印刷層/ポリオレフィンフィルム(C)がこの順になる方法であれば特に制限はないが、具体的には以下のような方法が挙げられる。
<1>基材(A)と発泡樹脂層(B)の積層体の発泡樹脂層(B)表面に印刷が施され、さらにはエンボス加工またはシボ加工した後、後述のポリオレフィンフィルム(C)と積層する方法。<2>基材(A)と発泡樹脂層(B)の積層体の発泡樹脂層(B)表面に印刷が施され、該印刷層に後述のポリオレフィンフィルム(C)を積層した後、エンボス加工またはシボ加工する方法。<3>基材(A)と発泡樹脂層(B)の積層体にエンボス加工またはシボ加工した後、印刷が施されたポリオレフィンフィルム(C)を発泡樹脂層(B)表面に積層する方法。<4>基材(A)と発泡樹脂層(B)の積層体の発泡樹脂層(B)表面に、印刷が施されたポリオレフィンフィルム(C)を積層した後、エンボス加工またはシボ加工する方法。
ポリオレフィンフィルム(C)
本発明においては、発泡樹脂層(B)に印刷を施した後に後述のポリオレフィンフィルムとを積層する方法が好ましい。そうすることで、印刷面の保護性が向上し、印刷インキの剥がれ等が防止できる。
【0031】
本発明における壁紙は、前記積層体の発泡樹脂層(B)に、さらにポリオレフィンフィルム(C)を積層することによって得られる。ポリオレフィンフィルム(C)の具体例としては、ポリエチレンフィルム(例えば、高密度ポリエチレンフィルム、低密度ポリエチレンフィルム等)、ポリプロピレンフィルム(例えば、二軸延伸ポリプロピレンフィルムや無延伸ポリプロピレンフィルム等)、エチレンと不飽和カルボン酸エステルとの共重合体(例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体等)から形成されるフィルム、エチレンと不飽和カルボン酸との共重合体(例えば、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体等)から形成されるフィルム、アイオノマー樹脂から形成されるフィルム等を挙げることができる。
【0032】
また、本発明においては、ポリオレフィンフィルム(C)として、ポリオレフィンおよび粘着付与剤からなる樹脂組成物から形成されるフィルムも好ましく使用できる。ポリオレフィンの具体例としては、ポリプロピレンやエチレン系(共)重合体を挙げることができる。好ましくはエチレン系(共)重合体である。エチレン系(共)重合体の具体例としては、高密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、エチレンと炭素数3〜20までのα−オレフィンとの共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体等のエチレンと不飽和カルボン酸エステル共重合体、またはこれらの混合物を挙げることができる。
【0033】
エチレン系(共)重合体の密度は、エチレンとα−オレフィンとの共重合体の場合、0.880〜0.960g/cm3、さらに0.890〜0.950g/cm3が好ましい。エチレンと不飽和カルボン酸エステル共重合体の場合、0.910〜0.980g/cm3、さらに0.920〜0.970g/cm3が好ましい。またエチレン系(共)重合体の分子量MFR(ASTM D1238、190℃、2.16kg荷重)は0.5〜70g/10分、さらに1〜50g/10分が好ましい。
【0034】
ポリオレフィンフィルム(C)は粘着付与剤を含んでいてもよい。ポリオレフィンフィルム(C)に粘着付与剤が含まれると発泡樹脂層(B)との接着性に優れるので好ましい。ここで粘着付与剤と前述の粘着付与剤(b−2)と同じ意味で用いられる。
【0035】
粘着付与剤としては、ガラス転移点が20から140℃、好ましくは40〜120℃の範囲にあり、数平均分子量が1200以下、好ましくは600〜1000である炭化水素樹脂である。ガラス転移点が140℃より高いと得られるフィルムの剛性が高く、柔軟性が損なわれるため好ましくない。ガラス転移点が20℃より低いとフィルム表面がべたつくため好ましくない。具体的には、上記ガラス転移点と分子量を有するアルキルフェノール樹脂、アルキルフェノール−アセチレン樹脂、キシレン樹脂、石油樹脂、クロマン−インデン樹脂、テルペン樹脂、ロジンなどが使用できる。さらに耐熱性、耐候性の点で上記各樹脂を水素添加処理(水添)した脂環族飽和炭化水素が好ましく、水添された石油樹脂が特に好ましい。
【0036】
ポリオレフィンフィルム(C)が粘着付与剤を含む場合、ポリオレフィンおよび粘着付与剤の混合割合は、ポリオレフィンが50〜99.8重量%、好ましくは60〜99.7重量%、さらに好ましくは70〜99.5重量%の範囲、粘着付与剤としては0.2〜50重量%、好ましくは0.3〜40重量%、さらに好ましくは0.5〜30重量%の範囲である。該樹脂組成物中には、必要に応じて他の合成樹脂やゴム、または酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、塩酸吸収剤、結晶核剤等、顔料、無機フィラー等の添加物を含んでいてもよい。特には、埃付着防止の目的で、帯電防止剤を添加したり、表面光沢を改良する目的で顔料や無機フィラーを添加することもできる。
【0037】
ポリオレフィンフィルム(C)を前記発泡樹脂層へ積層する方法としては、ポリオレフィンフィルムおよび/または発泡樹脂層を加熱ロール等で加熱圧着して熱により積層する方法、またはポリオレフィンフィルムの原料樹脂または樹脂組成物をダイスより押出し、溶融樹脂の状態にて発泡樹脂層と積層する押出ラミネーション法が使用できる。これらの中で、積層後の壁紙においてもカールが少なく、また接着強度も高いことから押出ラミネーション法が好ましく使用できる。本発明においては、2種以上のポリオレフィンフィルムを積層して用いることもできる。
【0038】
ポリオレフィンフィルム(C)層の厚みは1〜30μm、好ましくは2〜20μmである。
【0039】
本発明の特徴としては、前記特定の樹脂組成物を発泡樹脂層(B)とし、ポリオレフィンフィルム(C)との間に印刷層を設けて積層することで、発泡樹脂層(B)と印刷層との間(発泡樹脂層(B)/印刷層)、もしくは印刷層とポリオレフィンフィルムとの間(印刷層/ポリオレフィンフィルム)に接着剤を用いることなく、発泡樹脂層(B)/印刷層または印刷層/ポリオレフィンフィルム(C)または発泡樹脂層(B)/ポリオレフィンフィルム(C)の各層間での接着強度が充分な壁紙が得られることである。さらに本発明においては、印刷が施された発泡樹脂層(B)を使用しても接着剤を用いることなく、ポリオレフィンフィルム(C)との接着強度が充分な壁紙が得られる。一般に、印刷が施され樹脂成形体にポリオレフィンフィルムを積層する場合、その接着強度が充分でなく、接着剤が必要である。本発明の方法では、接着剤を必要としないことから、残留有機溶剤等に起因する揮発成分も少ない。また、基材(A)/発泡樹脂層(B)/印刷層/ポリオレフィンフィルム(C)の層構造とすることで印刷層がポリオレフィンフィルム(C)で保護されるため、印刷インキの剥がれが無く、壁紙表面が汚れにくい(防汚性)ことや、付着した汚れを落としやすい(汚染除去性)といった利点がある。
【0040】
【実施例】
次に実施例によって本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0041】
【実施例1】
MFR(190℃)が3.6g/10分、密度が0.860g/cm3のエチレン・1−ブテンランダム共重合体(1−ブテン含量19モル%)70重量%、MFR(190℃)が9.5g/10分、密度が0.917g/cm3の高圧法低密度ポリエチレン30重量%、これら100重量部に対して、平均粒子径が0.8μmである水酸化マグネシウム70重量部、さらに発泡剤としてアゾジカルボンアミド5重量部を加え、40mmφの押出機を兼備えたT−ダイ成形機にて、ダイス温度140℃で厚み130μmの未発泡樹脂シートを得た。得られた未発泡樹脂シートを目付量65g/m2の紙基材(普通紙)に140℃に加熱して貼り合わせた。さらにこれを210℃に設定した連続発泡炉に2分間通すことにより、発泡樹脂層の発泡倍率が4.5倍の積層体を得た。
【0042】
さらに、得られた積層体の発泡樹脂層面にプライマー処理、グラビア印刷を施した。
【0043】
次に、65mmφの押出機を兼備えたダイ幅500mmの押出ラミネート加工機にて、密度0.946g/cm3、MFR(190℃)が9g/10分の低密度ポリエチレンを使用し、樹脂温290℃、速度80m/minにて前記得られた積層体の印刷面に押出ラミネートを行い、壁紙を得た。積層されたポリオレフィンフィルム厚みは10μmとした。得られた壁紙を用いて以下の評価を行った。結果を表−1に示す。
【0044】
耐傷つき性 : 壁紙の裏と表とを擦り合わせ、ポリオレフィンフィルム面を観察し、傷付き性評価とした。
【0045】
接着強度 : 壁紙サンプルを15mmの短冊状にし、ポリオレフィンフィルムと発泡樹脂層との層間を180度方向に300mm/分の速度で剥離させ、その時の剥離強度を測定し、接着強度とした。
【0046】
カール : 壁紙サンプルのTD方向における反り具合を観察し、カールの評価とした。
【0047】
【実施例2】
ポリオレフィンフィルムの厚みを20μmとした以外は実施例1と同様にして壁紙を得た。得られた壁紙の評価結果を表−1に示す。
【0048】
【比較例1】
実施例1において、ポリオレフィンフィルムをラミネートする前の積層体を用いて傷付き性評価を実施したところ、発泡樹脂層に傷付きが見られた。
【0049】
【実施例3】
フィルム用ポリオレフィンとして、密度0.940g/cm3、MFR(190℃)が5g/10分、アクリル酸エチル含量が19wt%のエチレン−アクリル酸エチル共重合体を使用したこと以外、実施例1と同様にして壁紙を得た。
得られた壁紙の評価結果を表−1に示す。
【0050】
【実施例4】
ポリオレフィンフィルムの厚みを20μmとした以外は実施例3と同様にして壁紙を得た。得られた壁紙の評価結果を表−1に示す。
【0051】
【実施例5】
フィルム用ポリオレフィンとして、密度0.930g/cm3、MFR(190℃)が8g/10分、メタクリル酸含量が9wt%のエチレン−メタクリル酸共重合体を使用したこと以外、実施例1と同様にして壁紙を得た。
得られた壁紙の評価結果を表−1に示す。
【0052】
【実施例6】
ポリオレフィンフィルムの厚みを20μmとした以外は実施例5と同様にして壁紙を得た。得られた壁紙の評価結果を表−1に示す。
【0053】
【実施例7】
フィルム用ポリオレフィンとして、密度0.930g/cm3、MFR(190℃)が15g/10分、酢酸ビニル含量が14wt%のエチレン−酢酸ビニル共重合体を使用、樹脂温を230℃したこと以外、実施例1と同様にして壁紙を得た。
得られた壁紙の評価結果を表−1に示す。
【0054】
【実施例8】
ポリオレフィンフィルムの厚みを20μmとした以外は実施例7と同様にして壁紙を得た。得られた壁紙の評価結果を表−1に示す。
【0055】
【実施例9】
フィルム用ポリオレフィンとして、密度0.940g/cm3、MFR(190℃)が5g/10分、亜鉛イオンタイプのアイオノマー樹脂(三井・デュポンポリケミカル社製 商品名ハイミラン1652)を使用したこと以外、実施例1と同様にして壁紙を得た。
得られた壁紙の評価結果を表−1に示す。
【0056】
【実施例10】
ポリオレフィンフィルムの厚みを20μmとした以外は実施例9と同様にして壁紙を得た。得られた壁紙の評価結果を表−1に示す。
【0057】
【実施例11】
65mmφの押出機を兼備えたダイ幅500mmの押出ラミネート加工機にて、密度0.946g/cm3、MFR(190℃)が9g/10分のポリエチレン93重量%および粘着付与剤(荒川化学製アルコンP−125(数平均分子量820、ガラス転移点80℃))7重量%からなる樹脂組成物を使用し、樹脂温290℃、引取速度80m/minにて前記得られた積層体の印刷面に押出ラミネートを行い、壁紙を得た。積層されたポリオレフィンフィルム厚みは8μmとした。
得られた壁紙の評価結果を表−1に示す。
【0058】
【比較例2】
水酸化マグネシウムの添加量を120重量部とした以外は実施例1と同様にして、壁紙を得た。得られた壁紙の評価結果を表−1に示す。
【0059】
【表1】
Figure 0004160874

Claims (6)

  1. 基材(A)上に、密度0.850〜0.900g/cm 、メルトフローレート0.1〜100g/10分の範囲にある少なくとも一種のエチレン・α−オレフィン共重合体50〜90重量%および密度0.910〜0.940g/cm の範囲にある少なくとも一種の高圧法低密度ポリエチレンを10〜50重量%含有するポリオレフィン樹脂(b−1)100重量部に対し難燃剤および/または無機フィラー20〜200重量部からなるポリオレフィン樹脂組成物から形成される発泡樹脂層(B)が積層された積層体の発泡樹脂層(B)に印刷層が積層され、さらに該印刷層にポリオレフィンフィルム(C)が積層されてなることを特徴とする壁紙。
  2. ポリオレフィン樹脂(b−1)がメルトフローレート0.1〜100g/10分の範囲にあるエチレン系(共)重合体であることを特徴とする請求項1記載の壁紙。
  3. ポリオレフィンフィルム(C)が、ポリエチレンフィルムであることを特徴とする請求項1又は2記載の壁紙。
  4. ポリオレフィンフィルム(C)が、エチレンと不飽和カルボン酸との共重合体、エチレンと不飽和カルボン酸エステルとの共重合体またはアイオノマー樹脂から選ばれる少なくとも一種から形成されるフィルムであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の壁紙。
  5. 発泡樹脂層(B)を構成するポリオレフィン樹脂組成物またはポリオレフィンフィルム(C)の少なくとも一方に粘着付与剤を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の壁紙。
  6. 基材(A)上に、密度0.850〜0.900g/cm 、メルトフローレート0.1〜100g/10分の範囲にある少なくとも一種のエチレン・α−オレフィン共重合体50〜90重量%および密度0.910〜0.940g/cm の範囲にある少なくとも一種の高圧法低密度ポリエチレンを10〜50重量%含有するポリオレフィン樹脂(b−1)100重量部に対し難燃剤および/または無機フィラー20〜200重量部からなるポリオレフィン樹脂組成物から形成される発泡樹脂層(B)が積層された積層体にポリオレフィンフィルム(C)を押出ラミネート法によって積層することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の壁紙の製造方法。
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