JP4792861B2 - 発泡壁紙 - Google Patents
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Description
(1)発泡樹脂層が、発泡剤含有樹脂層を発泡させて形成した層であり、
(2)非発泡樹脂層が、エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂及び水添石油樹脂を含み、
(3)前記エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂のメタクリル酸含有量が10重量%以下であり、
(4)前記水添石油樹脂の含有量が非発泡樹脂層中5〜30重量%であり、
(5)前記発泡剤含有樹脂層が電子線照射によって架橋されている
ことを特徴とする発泡壁紙。
2. 水添石油樹脂の含有量が非発泡樹脂層中10〜20重量%である、上記項1に記載の発泡壁紙。
3. 発泡剤含有樹脂層が、当該樹脂層に水素結合が含まれないようなモノマーの組み合わせから得られる樹脂を含む、上記項1又は2に記載の発泡壁紙。
4. 発泡剤含有樹脂層が、エチレンとOH基又はCOOH基を有しないモノマーとの組み合わせから得られるエチレン共重合体樹脂を含む、上記項1〜3のいずれかに記載の発泡壁紙。
5. 発泡剤含有樹脂層が、樹脂成分としてエチレン− 酢酸ビニル共重合体樹脂を含む樹脂組成物により形成されている、上記項1〜4のいずれかに記載の発泡壁紙。
6. 前記発泡剤が、熱分解型発泡剤である、上記項1〜5のいずれかに記載の発泡壁紙。
7. 紙質基材と発泡樹脂層との間にさらに非発泡樹脂層を有する、上記項1〜6のいずれかに記載の発泡壁紙。
8. 非発泡樹脂層上の最表面に絵柄模様層を有する、上記項1〜7のいずれかに記載の発泡壁紙。
9. 発泡壁紙の最表面層の上からエンボス加工がなされている、上記項1〜8のいずれかに記載の発泡壁紙。
(1)発泡樹脂層が、発泡剤含有樹脂層を発泡させて形成した層であり、
(2)非発泡樹脂層が、エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂及び水添石油樹脂を含むことを特徴とする。
紙質基材の材質は、壁紙基材として適した機械強度、耐熱性等を有する限り特に限定されず、繊維質シートが一般に使用できる。
本発明では、必要に応じて紙質基材と発泡樹脂層との間に非発泡樹脂層(非発泡樹脂層B)が形成されていても良い。特に、非発泡樹脂層Bが接着剤層として形成される場合は、優れた密着性を得ることができる。非発泡樹脂層Bとしては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体等を好適に用いることができる。
発泡樹脂層は、発泡剤含有樹脂層が発泡することにより形成された層である。発泡剤含有樹脂層は、発泡剤の作用により発泡するもの(例えば加熱された際に発泡するもの)であれば限定でないが、当該樹脂層に水素結合が含まれないようなモノマーの組み合わせから得られる樹脂を用いることが好ましい。従って、例えばエチレンとOH基又はCOOH基を有しないモノマーとの組み合わせから得られるエチレン共重合体樹脂を好適に用いることができる。かかる見地より、前記エチレン共重合樹脂としては、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(以下「EVA」と略記する)、エチレン−メチルメタクリレート(EMMA)、エチレン−エチルアクリレート(EEA)、エチレン−メチルアクリレート(EMA)等を用いることができる。特に、樹脂成分としてEVA樹脂を含む樹脂組成物により形成されていることが望ましい。例えば、EVA樹脂、無機充填剤、顔料、熱分解型発泡剤及びセル調整剤を含む樹脂組成物を好適に用いることができる。その他にも、安定剤、滑剤等を添加剤として用いることができる。
非発泡樹脂層(非発泡樹脂層A)は、主として発泡樹脂層を保護するものである。本発明では、非発泡樹脂層は、エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂(以下、「EMAA」と略記する。)及び水添石油樹脂を含む。水添石油樹脂により、非発泡樹脂層は、EMAAの結晶性等に起因するカールの発生を効果的に抑制することができる。
本発明の発泡壁紙は、非発泡樹脂層Aのおもて面に、必要に応じて絵柄模様層を有してもよい。
本発明シートは、発泡エンボス模様に加えて、適宜エンボス模様を付してもよい。この場合、シート最表面層(紙質基材と反対側)の上からエンボス加工すれば良い。エンボス加工は、エンボス版等の公知の手段により実施することができる。例えば、最表面層が非発泡樹脂層Bである場合は、そのおもて面を加熱軟化後、エンボス版を押圧することにより所望のエンボス模様を賦型できる。エンボス模様としては、例えば木目板導管溝、石板表面凹凸、布表面テクスチャア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等がある。
本発明シートの製造方法は特に限定されない。例えば、Tダイ押出し機による同時押出しが好適である。2つの層に対応する溶融樹脂を同時に押出すことにより2層の同時成膜が可能なマルチマニホールドタイプのTダイを用いることができる。この場合、発泡剤含有樹脂層を形成するための樹脂組成物及び非発泡樹脂層を形成するための樹脂組成物をそれぞれ別個のシリンダー中に入れ、2種2層を同時に押出し成膜・積層すればよい。この方法では、同時押出し積層体は、紙質基材上に同時積層(成膜)する。紙質基材上に押出しと同時に積層された樹脂層は、熱溶融により接着性を有するため紙質基材と接着される。
3種3層マルチマニホールドTダイ押出し機を用い、i)非発泡樹脂層/ii)発泡剤含有樹脂層/iii)非発泡樹脂層の順に厚み15μm/100μm/10μmになるように製膜し、前記iii)層の面に裏打紙を積層した。このときの押し出し条件は、前記i)層の樹脂はシリンダー温度160℃とし、前記ii)層の樹脂はシリンダー温度120℃とし、前記iii)層の樹脂はシリンダー温度100℃とした。いずれも、ダイス温度は120℃とした。次に、前記i)層上から電子線(175KV 3Mrad)を照射して、前記ii)層を樹脂架橋させた後、i)層上にコロナ放電処理を行った。さらにグラビア印刷機によりプライマー処理としてEVA系水性エマルジョンを2g/m2コートし、その上に絵柄印刷として水性インキ「ハイドリック(大日精化工業製)」を用いて布目絵柄を印刷した。次に、ギアオーブンにて加熱(220℃×30秒)し、発泡剤含有樹脂層に含有する発泡剤を発泡させた。さらに、その発泡体に対して布目パターンの凹凸エンボスを施し、所望の壁紙を得た。
前記i)層の形成にエチレン−メタクリル酸共重合体「ニュクレルN410(MFR=25,MA=9%):三井・デュポン ポリケミカル製」を用いたほかは、実施例1と同様にして壁紙を作製した。
前記i)層の形成にエチレン−メタクリル酸共重合体「ニュクレルN410(MFR=25,MA=9%):三井・デュポン ポリケミカル製」60重量部及び水添石油樹脂「アルコンP−115:荒川化学工業製」40重量部を含む樹脂組成物を用いたほかは、実施例1と同様にして壁紙を作製した。
実施例及び比較例で作製した発泡壁紙に対して、耐スクラッチ試験を行った。
5℃雰囲気下で、壁紙の裏面(紙質基材)全面に澱粉糊を塗布して10分放置した後、シート端部を持ち上げることにより、カールの状態を確認した。
Claims (9)
- 紙質基材上に、少なくとも発泡樹脂層と非発泡樹脂層とを順に積層した発泡壁紙であって、
(1)発泡樹脂層が、発泡剤含有樹脂層を発泡させて形成した層であり、
(2)非発泡樹脂層が、エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂及び水添石油樹脂を含み、
(3)前記エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂のメタクリル酸含有量が10重量%以下であり、
(4)前記水添石油樹脂の含有量が非発泡樹脂層中5〜30重量%であり、
(5)前記発泡剤含有樹脂層が電子線照射によって架橋されている
ことを特徴とする発泡壁紙。 - 水添石油樹脂の含有量が非発泡樹脂層中10〜20重量%である、請求項1に記載の発泡壁紙。
- 発泡剤含有樹脂層が、当該樹脂層に水素結合が含まれないようなモノマーの組み合わせから得られる樹脂を含む、請求項1又は2に記載の発泡壁紙。
- 発泡剤含有樹脂層が、エチレンとOH基又はCOOH基を有しないモノマーとの組み合わせから得られるエチレン共重合体樹脂を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の発泡壁紙。
- 発泡剤含有樹脂層が、樹脂成分としてエチレン− 酢酸ビニル共重合体樹脂を含む樹脂組成物により形成されている、請求項1〜4のいずれかに記載の発泡壁紙。
- 前記発泡剤が、熱分解型発泡剤である、請求項1〜5のいずれかに記載の発泡壁紙。
- 紙質基材と発泡樹脂層との間にさらに非発泡樹脂層を有する、請求項1〜6のいずれかに記載の発泡壁紙。
- 非発泡樹脂層上の最表面に絵柄模様層を有する、請求項1〜7のいずれかに記載の発泡壁紙。
- 発泡壁紙の最表面層の上からエンボス加工がなされている、請求項1〜8のいずれかに記載の発泡壁紙。
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