JP4792861B2 - 発泡壁紙 - Google Patents

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Description

本発明は、水添石油樹脂を含有する非発泡樹脂層を有する発泡壁紙に関する。
従来、発泡壁紙としては、紙質基材(裏打紙)に塩化ビニル樹脂からなる発泡樹脂層を形成したものが知られている。近年では、環境に配慮し、発泡樹脂層には、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、アクリル樹脂、オレフィン系樹脂等のハロゲンを含有しない樹脂が用いられてきている(特許文献1〜3等)。
具体的には、アクリル樹脂とエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂とを含むエマルションにマイクロカプセル型発泡剤を配合した塗料を、紙質基材上に塗工・乾燥後、表面に絵柄模様層を印刷し、次いで樹脂層を発泡後、エンボス版により凹凸模様を賦型してなる発泡壁紙が知られている。また、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂と熱分解型発泡剤とを含有する組成物からなる未発泡樹脂層を、Tダイ押出し機により紙質基材上に押出し形成後、表面に絵柄模様層を印刷し、次いで未発泡樹脂層を発泡後、エンボス版により凹凸模様を賦型してなる発泡壁紙が知られている。
ここで、上記発泡層を保護する非発泡樹脂層として、エチレン共重合体樹脂が用いられている。この中でも、エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂は耐スクラッチ性の観点で優れている。
しかしながら、エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂は、結晶性が高いため、それを用いた壁紙はカールし易いという問題が生じる。そのため、エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂を用いる場合は、その樹脂におけるメタクリル酸含有量を上げることによりカールの発生を抑制する必要がある。一方、カールの発生を抑制するためメタクリル酸含有量を上げると、耐スクラッチ性が劣ってしまうという問題が生じる。
従って、エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂を発泡樹脂層の保護層として用いた場合に、耐スクラッチ性が優れ、さらにカールの発生を抑制した発泡壁紙の開発が望まれている。
特開平6−47875号公報 特開2000−255011号公報 特開2000−347611号公報
本発明は、耐スクラッチ性が優れ、カールの発生が抑制された発泡壁紙を提供することを主目的とする。
本発明者は、従来技術の問題点に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、特定の構成を有する積層体を化粧壁紙として用いることによって上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
1. 紙質基材上に、少なくとも発泡樹脂層と非発泡樹脂層とを順に積層した発泡壁紙であって、
(1)発泡樹脂層が、発泡剤含有樹脂層を発泡させて形成した層であり、
(2)非発泡樹脂層が、エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂及び水添石油樹脂を含み、
(3)前記エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂のメタクリル酸含有量が10重量%以下であり、
(4)前記水添石油樹脂の含有量が非発泡樹脂層中5〜30重量%であり、
(5)前記発泡剤含有樹脂層が電子線照射によって架橋されている
ことを特徴とする発泡壁紙。
2. 水添石油樹脂の含有量が非発泡樹脂層中10〜20重量%である、上記項1に記載の発泡壁紙。
. 発泡剤含有樹脂層が、当該樹脂層に水素結合が含まれないようなモノマーの組み合わせから得られる樹脂を含む、上記項1又は2に記載の発泡壁紙。
. 発泡剤含有樹脂層が、エチレンとOH基又はCOOH基を有しないモノマーとの組み合わせから得られるエチレン共重合体樹脂を含む、上記項1〜のいずれかに記載の発泡壁紙。
. 発泡剤含有樹脂層が、樹脂成分としてエチレン− 酢酸ビニル共重合体樹脂を含む樹脂組成物により形成されている、上記項1〜のいずれかに記載の発泡壁紙。
. 前記発泡剤が、熱分解型発泡剤である、上記項1〜のいずれかに記載の発泡壁紙。
. 紙質基材と発泡樹脂層との間にさらに非発泡樹脂層を有する、上記項1〜のいずれかに記載の発泡壁紙。
. 非発泡樹脂層上の最表面に絵柄模様層を有する、上記項1〜のいずれかに記載の発泡壁紙。
. 発泡壁紙の最表面層の上からエンボス加工がなされている、上記項1〜のいずれかに記載の発泡壁紙。
本発明によれば、非発泡樹脂層がエチレン−メタクリル酸共重合体樹脂及び水添石油樹脂を含むことから、耐スクラッチ性が優れると同時に、カールの発生が抑制された発泡壁紙を提供することができる。
本発明の発泡壁紙は、紙質基材上に、少なくとも発泡樹脂層と非発泡樹脂層とを順に積層した発泡壁紙であって、
(1)発泡樹脂層が、発泡剤含有樹脂層を発泡させて形成した層であり、
(2)非発泡樹脂層が、エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂及び水添石油樹脂を含むことを特徴とする。
紙質基材
紙質基材の材質は、壁紙基材として適した機械強度、耐熱性等を有する限り特に限定されず、繊維質シートが一般に使用できる。
具体的には、繊維質シートの中でも、難燃紙(パルプ主体のシートをスルファミン酸グアニジン、リン酸グアジニン等の難燃剤で処理したもの);水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の無機添加剤を含む無機質紙;上質紙;薄用紙などが挙げられる。
紙質基材の坪量は限定的ではないが、50〜300g/m程度が好ましく、50〜80g/m程度がより好ましい。
非発泡樹脂層B
本発明では、必要に応じて紙質基材と発泡樹脂層との間に非発泡樹脂層(非発泡樹脂層B)が形成されていても良い。特に、非発泡樹脂層Bが接着剤層として形成される場合は、優れた密着性を得ることができる。非発泡樹脂層Bとしては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体等を好適に用いることができる。
発泡樹脂層
発泡樹脂層は、発泡剤含有樹脂層が発泡することにより形成された層である。発泡剤含有樹脂層は、発泡剤の作用により発泡するもの(例えば加熱された際に発泡するもの)であれば限定でないが、当該樹脂層に水素結合が含まれないようなモノマーの組み合わせから得られる樹脂を用いることが好ましい。従って、例えばエチレンとOH基又はCOOH基を有しないモノマーとの組み合わせから得られるエチレン共重合体樹脂を好適に用いることができる。かかる見地より、前記エチレン共重合樹脂としては、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(以下「EVA」と略記する)、エチレン−メチルメタクリレート(EMMA)、エチレン−エチルアクリレート(EEA)、エチレン−メチルアクリレート(EMA)等を用いることができる。特に、樹脂成分としてEVA樹脂を含む樹脂組成物により形成されていることが望ましい。例えば、EVA樹脂、無機充填剤、顔料、熱分解型発泡剤及びセル調整剤を含む樹脂組成物を好適に用いることができる。その他にも、安定剤、滑剤等を添加剤として用いることができる。
樹脂成分としてEVA樹脂を用いる場合、EVA樹脂の酢酸ビニル含有量(共重合比率)は限定的ではないが、特に5〜30重量%程度であることが好ましく、10〜20重量%程度がより好ましい。
樹脂成分のメルトフローレート値(MFR)は特に限定されないが、5〜75g/10分程度が好ましく、40〜70g/10分程度がより好ましい。
発泡樹脂層の発泡状態(例えば、発泡セルの大きさ、発泡セル密度等)は限定されず、発泡壁紙の種類、用途等に応じて適宜設計することができる。
熱分解型発泡剤としては公知の発泡剤から選択することができる。例えば、アゾジカルボンアミド(ADCA)、アゾビスホルムアミド等のアゾ系;オキシベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)、パラトルエンスルホニルヒドラジド等のビドラジド系などが挙げられる。熱分解型発泡剤の含有量は、発泡剤の種類、発泡倍率等に応じて適宜設定できる。発泡倍率の観点からは、1.5倍以上、好ましくは3〜7倍程度であり、熱分解型発泡剤は、樹脂成分100重量部に対して、1〜20重量部程度とすることが好ましい。
セル調整剤は、例えばステアリン酸亜鉛等の金属石鹸等を使用することができる。セル調整剤の含有量は、樹脂成分100重量部に対して、0.3〜10重量部程度が好ましく、1〜5重量部程度がより好ましい。
無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、三酸化アンチモン、ホウ酸亜鉛、モリブデン化合物等が挙げられる。無機充填剤を含むことにより、目透き抑制効果、表面特性向上効果等が得られる。無機充填剤の含有量は、樹脂成分100重量部に対して0〜100重量部程度が好ましく、20〜70重量部程度がより好ましい。
顔料については、例えば酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、黒色酸化鉄、黄色酸化鉄、黄鉛、モリブデートオレンジ、カドミウムエロー、ニッケルチタンエロー、クロムチタンエロー、酸化鉄(弁柄)、カドミウムレッド、群青、紺青、コバルトブルー、酸化クロム、コバルトグリーン、アルミニウム粉、ブロンズ粉、雲母チタン、硫化亜鉛等の無機顔料;例えば、アニリンブラック、ペリレンブラック、アゾ系(アゾレーキ、不溶性アゾ、縮合アゾ)、多環式(イソインドリノン、イソインドリン、キノフタロン、ペリノン、フラバントロン、アントラピリミジン、アントラキノン、キナクリドン、ペリレン、ジケトピロロピロール、ジブロムアンザントロン、ジオキサジン、チオインジゴ、フタロシアニン、インダントロン、ハロゲン化フタロシアニン)等の有機顔料が挙げられる。顔料の含有量は、樹脂成分100重量部に対して10〜50重量部程度が好ましく、15〜30重量部程度がより好ましい。
発泡剤含有樹脂層を発泡させる方法としては、後記の製造方法に記載された方法に従って実施すれば良い。
非発泡樹脂層
非発泡樹脂層(非発泡樹脂層A)は、主として発泡樹脂層を保護するものである。本発明では、非発泡樹脂層は、エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂(以下、「EMAA」と略記する。)及び水添石油樹脂を含む。水添石油樹脂により、非発泡樹脂層は、EMAAの結晶性等に起因するカールの発生を効果的に抑制することができる。
水添石油樹脂は、石油樹脂を水素化することにより得られるものであり、公知又は市販のものを使用することができる。例えば、水素化脂肪族系石油樹脂、水素化芳香族系石油樹脂、水素化共重合系石油樹脂、水素化脂環族系石油樹脂、水素化テルペン系樹脂などが挙げられる。
非発泡樹脂層の水添石油樹脂含有量は、非発泡樹脂層の樹脂成分、水添石油樹脂の種類等に応じて適宜設定できるが、特に5〜30重量%程度、さらには10〜20重量%程度とすることが望ましい。また、非発泡樹脂層のEMAAの含有量は、通常70〜95重量%程度である。
また、EMAAのメタクリル酸含有量は限定的でないが、特に本発明ではメタクリル酸含有量が10重量%以下のEMMAであっても、カールの発生を抑制しつつ、優れた耐スクラッチ性を得ることができるという点で有利である。もちろん、メタクリル酸含有量が10重量%を超える場合は、より優れた効果が得られる。
また、非発泡樹脂層には、本発明の効果を阻害しない程度に、その他の樹脂、顔料等の添加剤を含んでいてもよい。
非発泡樹脂層の厚みは限定的ではないが、5〜30μm程度が好ましく、10〜20μm程度がより好ましい。
絵柄模様層
本発明の発泡壁紙は、非発泡樹脂層Aのおもて面に、必要に応じて絵柄模様層を有してもよい。
絵柄模様層は、発泡壁紙に意匠性を付与する。絵柄模様としては、例えば木目模様、石目模様、砂目模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、布目模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、抽象模様等が挙げられる。絵柄模様は、発泡壁紙の種類に応じて選択できる。
絵柄模様層は、例えば、基材シートのおもて面に絵柄模様を印刷することで形成できる。なお、絵柄模様層を形成する際には、必要に応じてあらかじめプライマー層を形成しても良い。印刷手法としては、例えば、グラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷等が挙げられる。印刷インキとしては、着色剤、ビヒクル、溶剤を含む印刷インキが使用できる。これらのインキは公知又は市販のものを使用しても良い。
着色剤としては、例えば、前記の発泡剤含有樹脂層で使用されるような顔料を適宜使用することができる。
ビヒクルは、基材シートの種類に応じて設定できる。例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アルキド系樹脂、石油系樹脂、ケトン樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、繊維素誘導体、ゴム系樹脂等が挙げられる。
印刷インキに含まれる溶剤(又は分散媒)としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の石油系有機溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−2−メトキシエチル、酢酸−2−エトキシエチル等のエステル系有機溶剤;メチルアルコール、エチルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール系有機溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系有機溶剤;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系有機溶剤、;ジクロロメタン、四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等の塩素系有機溶剤;水などが挙げられる。
絵柄模様層の厚みは、絵柄模様の種類より異なるが、一般には0.1〜10μm程度とすることが好ましい。
エンボス
本発明シートは、発泡エンボス模様に加えて、適宜エンボス模様を付してもよい。この場合、シート最表面層(紙質基材と反対側)の上からエンボス加工すれば良い。エンボス加工は、エンボス版等の公知の手段により実施することができる。例えば、最表面層が非発泡樹脂層Bである場合は、そのおもて面を加熱軟化後、エンボス版を押圧することにより所望のエンボス模様を賦型できる。エンボス模様としては、例えば木目板導管溝、石板表面凹凸、布表面テクスチャア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等がある。
<壁装用化粧シートの製造方法>
本発明シートの製造方法は特に限定されない。例えば、Tダイ押出し機による同時押出しが好適である。2つの層に対応する溶融樹脂を同時に押出すことにより2層の同時成膜が可能なマルチマニホールドタイプのTダイを用いることができる。この場合、発泡剤含有樹脂層を形成するための樹脂組成物及び非発泡樹脂層を形成するための樹脂組成物をそれぞれ別個のシリンダー中に入れ、2種2層を同時に押出し成膜・積層すればよい。この方法では、同時押出し積層体は、紙質基材上に同時積層(成膜)する。紙質基材上に押出しと同時に積層された樹脂層は、熱溶融により接着性を有するため紙質基材と接着される。
なお、予め2種2層を同時成膜した積層体用意して、それを紙質基材上に載せて、熱ラミネートすることにより紙質基材と接着してもよい。
紙質基材上に同時積層後は、発泡剤含有樹脂層を加熱することにより発泡樹脂層を形成する。加熱条件は、熱分解型発泡剤の分解により発泡樹脂層が形成される条件ならば限定されない。加熱温度は210〜240℃程度が好ましく、加熱時間は20〜80秒程度が好ましい。
前記加熱処理の前に、電子線照射を行ってもよい。これにより樹脂成分を架橋できるため、発泡壁紙の表面強度、発泡程度等を制御することができる。電子線のエネルギーは、150〜250kV程度が好ましい。照射量は、1〜7Mrad程度が好ましい。電子線源としては、公知の電子線照射装置が使用できる。なお、架橋は、化学架橋剤(架橋剤又は架橋助剤ともいう。)を用いて実施することもできる。
電子線照射を行う場合には、前記組成物中に架橋剤を含有してもよい。架橋剤としては、電子線照射による架橋を促進するものであればよい。例えば、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等の多官能性モノマー、オリゴマーなどが挙げられる。架橋剤は、樹脂成分100重量部に対して0〜10重量部程度とすることが好ましく、特に1〜4重量部とすることがより好ましい。
絵柄模様層を有する発泡壁紙を製造する場合には、上記加熱処理前に非発泡樹脂層の表面に絵柄模様層を形成することが好ましい。絵柄模様層の形成方法は、前記の通りとすれば良い。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明をより具体的に説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。
実施例1
3種3層マルチマニホールドTダイ押出し機を用い、i)非発泡樹脂層/ii)発泡剤含有樹脂層/iii)非発泡樹脂層の順に厚み15μm/100μm/10μmになるように製膜し、前記iii)層の面に裏打紙を積層した。このときの押し出し条件は、前記i)層の樹脂はシリンダー温度160℃とし、前記ii)層の樹脂はシリンダー温度120℃とし、前記iii)層の樹脂はシリンダー温度100℃とした。いずれも、ダイス温度は120℃とした。次に、前記i)層上から電子線(175KV 3Mrad)を照射して、前記ii)層を樹脂架橋させた後、i)層上にコロナ放電処理を行った。さらにグラビア印刷機によりプライマー処理としてEVA系水性エマルジョンを2g/mコートし、その上に絵柄印刷として水性インキ「ハイドリック(大日精化工業製)」を用いて布目絵柄を印刷した。次に、ギアオーブンにて加熱(220℃×30秒)し、発泡剤含有樹脂層に含有する発泡剤を発泡させた。さらに、その発泡体に対して布目パターンの凹凸エンボスを施し、所望の壁紙を得た。
各層は、それぞれ以下の成分を用いて形成した。
非発泡樹脂層i)は、エチレン−メタクリル酸共重合体「ニュクレルN410(MFR=25,MA=9%):三井・デュポン ポリケミカル製」90重量部及び水添石油樹脂「アルコンP−115:荒川化学工業製」10重量部を含む樹脂組成物により形成した。
発泡樹脂層ii)は、EVA樹脂「エバテートCV5053(MFR=70,VA=20%):住友化学製」100重量部、炭酸カルシウム「ホワイトンH:東洋ファインケミカル製」30重量部、二酸化チタン「R−108:デュポン製」25重量部、発泡剤「ビニホールAC#3:永和化成工業製」4重量部、安定剤「アデカスタブOF−102:旭電化工業製」5重量部及び架橋剤「オプスターJUA−702:JSR製」1重量部を含む樹脂組成物により形成した。
非発泡樹脂層iii)は、EVA樹脂「エバテートCV5053(MFR=70,VA=20%):住友化学製」により形成した。
比較例1
前記i)層の形成にエチレン−メタクリル酸共重合体「ニュクレルN410(MFR=25,MA=9%):三井・デュポン ポリケミカル製」を用いたほかは、実施例1と同様にして壁紙を作製した。
比較例2
前記i)層の形成にエチレン−メタクリル酸共重合体「ニュクレルN410(MFR=25,MA=9%):三井・デュポン ポリケミカル製」60重量部及び水添石油樹脂「アルコンP−115:荒川化学工業製」40重量部を含む樹脂組成物を用いたほかは、実施例1と同様にして壁紙を作製した。
試験例1(耐スクラッチ性)
実施例及び比較例で作製した発泡壁紙に対して、耐スクラッチ試験を行った。
耐スクラッチ試験は、日本ビニル工業会建築部会制定の「表面強化商品性能表示規定」に準拠して行った。即ち、次の手順によって試験を行った。
先ず、学振摩耗試験機(JIS L0849 摩耗試験機II型)に試験片(発泡壁紙)を取り付けた。試験機の摩擦子として同部会指定の金属製爪を取り付け、金属爪先端に200g荷重をかけて試験片上を5往復させた。その後、試験片の表面状態(傷付き程度)を肉眼で確認することにより、耐スクラッチ性を評価した。良好を「○」、不良を「×」とした。これを下記の表1に示す。
試験例2(耐カール性)
5℃雰囲気下で、壁紙の裏面(紙質基材)全面に澱粉糊を塗布して10分放置した後、シート端部を持ち上げることにより、カールの状態を確認した。
糊を塗布した面が、絵柄模様層表面に接触しなかった場合を「○」、接触した場合を「×」と評価した。これを下記の表1に示す。
Figure 0004792861

Claims (9)

  1. 紙質基材上に、少なくとも発泡樹脂層と非発泡樹脂層とを順に積層した発泡壁紙であって、
    (1)発泡樹脂層が、発泡剤含有樹脂層を発泡させて形成した層であり、
    (2)非発泡樹脂層が、エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂及び水添石油樹脂を含み、
    (3)前記エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂のメタクリル酸含有量が10重量%以下であり、
    (4)前記水添石油樹脂の含有量が非発泡樹脂層中5〜30重量%であり、
    (5)前記発泡剤含有樹脂層が電子線照射によって架橋されている
    ことを特徴とする発泡壁紙。
  2. 水添石油樹脂の含有量が非発泡樹脂層中10〜20重量%である、請求項1に記載の発泡壁紙。
  3. 発泡剤含有樹脂層が、当該樹脂層に水素結合が含まれないようなモノマーの組み合わせから得られる樹脂を含む、請求項1又は2に記載の発泡壁紙。
  4. 発泡剤含有樹脂層が、エチレンとOH基又はCOOH基を有しないモノマーとの組み合わせから得られるエチレン共重合体樹脂を含む、請求項1〜のいずれかに記載の発泡壁紙。
  5. 発泡剤含有樹脂層が、樹脂成分としてエチレン− 酢酸ビニル共重合体樹脂を含む樹脂組成物により形成されている、請求項1〜のいずれかに記載の発泡壁紙。
  6. 前記発泡剤が、熱分解型発泡剤である、請求項1〜のいずれかに記載の発泡壁紙。
  7. 紙質基材と発泡樹脂層との間にさらに非発泡樹脂層を有する、請求項1〜のいずれかに記載の発泡壁紙。
  8. 非発泡樹脂層上の最表面に絵柄模様層を有する、請求項1〜のいずれかに記載の発泡壁紙。
  9. 発泡壁紙の最表面層の上からエンボス加工がなされている、請求項1〜のいずれかに記載の発泡壁紙。
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