JP4614805B2 - 壁紙用化粧シート - Google Patents

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Description

本発明は、壁紙用化粧シートに関する。
従来、壁紙用化粧シートとしては、紙質基材(裏打紙)上に塩化ビニル樹脂の発泡樹脂層を形成したものが知られている。近年では、環境に配慮し、発泡樹脂層には、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、アクリル樹脂、オレフィン系樹脂等のハロゲンを含有しない樹脂が用いられてきている(特許文献1〜3等)。
具体的には、アクリル樹脂とエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂とを含むエマルションにマイクロカプセル型発泡剤を添加した塗料を、紙質基材に塗工・乾燥後、表面に絵柄模様層を印刷し、次いで加熱発泡させ、エンボス版により凹凸模様を形成してなる壁紙用化粧シートが知られている。また、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂に熱分解型発泡剤を添加した樹脂組成物からなる未発泡樹脂層を、Tダイ押出し機を用いて紙質基材上に形成後、表面に絵柄模様層を印刷し、次いで加熱発泡させ、エンボス版により凹凸模様を形成してなる壁紙用化粧シートが知られている。
上記のように、樹脂としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂が多用されているが、当該エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂をマトリックス樹脂とする壁紙用化粧シートは、表面の耐スクラッチ性能にさらなる改善の余地がある。
特開平6−47875号公報 特開2000−255011号公報 特開2001−347611号公報
本発明は、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂からなる最表面層を有し、耐スクラッチ性が改善した壁紙用化粧シートを提供することを主な目的とする。
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂からなる特定の最表面層を形成する場合には、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の壁紙用化粧シートに関する。
1. 紙質基材上に、発泡樹脂層と非発泡樹脂層とを順に積層した壁紙用化粧シートであって、前記非発泡樹脂層を最表面層とし、
前記樹脂層を構成する樹脂は、いずれも酢酸ビニル含有量が10〜19重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂である、
ことを特徴とする壁紙用化粧シート。
2. 前記非発泡樹脂層を構成する樹脂の酢酸ビニル含有量が10〜15重量%である、上記項1に記載の壁紙用化粧シート。
3. 紙質基材と発泡樹脂層との間に、さらに下段非発泡樹脂層を有する、上記項1又は2に記載の壁紙用化粧シート。
4. 紙質基材上に、熱分解型発泡剤を含む未発泡樹脂層、及び非発泡樹脂層を当該順且つ未発泡樹脂層が紙質基材と接触するように同時積層後、前記発泡剤を加熱することにより未発泡樹脂層を発泡樹脂層とする発泡壁紙の製造方法であって、
(1)前記樹脂層を構成する樹脂は、いずれもエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂であり、
(2)前記樹脂層を構成する樹脂の酢酸ビニル含有量は、いずれも10〜19重量%であり、
(3)前記樹脂層を構成する樹脂のメルトフローレートは、いずれも40〜75g/10分であり、
(4)前記非発泡樹脂層を最表面層とする
ことを特徴とする壁紙用化粧シートの製造方法。
5. メルトフローレートが50〜75g/10分である、上記項4に記載の製造方法。
6. 前記同時積層が、Tダイ押出し機による多層同時押出し積層である、上記項4又は5に記載の製造方法。
7. 前記発泡剤を加熱する前に、未発泡樹脂層に電子線を照射する工程をさらに有する、上記項4〜6のいずれかに記載の製造方法。
下、本発明の壁紙用化粧シートについて詳細に説明する。
1.壁紙用化粧シート
本発明の壁紙用化粧シートは、紙質基材上に少なくとも1層の樹脂層を有する壁紙用化粧シートであって、酢酸ビニル含有量が10〜19重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(以下「EVA」と略記する)からなる最表面層を有することを特徴とする。
本発明の壁紙用化粧シートは、特に酢酸ビニル含有量が10〜19重量%のEVAからなる最表面層を有することにより、耐スクラッチ性が良好である。
本発明の壁紙用化粧シートは、酢酸ビニル含有量10〜19重量%のEVAからなる最表面層を有する限り特に限定されない。
例えば、紙質基材上に、発泡樹脂層と非発泡樹脂層とを順に積層した壁紙用化粧シートであって、前記樹脂層を構成する樹脂が、ともに酢酸ビニル含有量が10〜19重量%のEVAであるものが挙げられる。以下、この構造を例に挙げて各層を説明する。
紙質基材
紙質基材は、壁紙基材として適した機械強度、耐熱性等を有する限り特に限定されず、繊維質シートが一般に使用できる。
具体的には、繊維質シートの中でも、難燃紙(パルプ主体のシートをスルファミン酸グアニジン、リン酸グアジニン等の難燃剤で処理したもの);水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の無機添加剤を含む無機質紙;上質紙;薄用紙などが挙げられる。
紙質基材の坪量は限定的ではないが、50〜300g/m2程度が好ましく、50〜80g/m2程度がより好ましい。
発泡樹脂層
発泡樹脂層は、紙質基材に接触する状態で形成されている。
発泡樹脂層は、酢酸ビニル含有量が10〜19重量%のEVAから構成される。酢酸ビニル含有量は、10〜15重量%程度が好ましい。
発泡樹脂層の発泡状態(例えば、発泡セルの大きさ、発泡セル密度等)は限定されず、発泡壁紙の種類に応じて適宜設定できる。
発泡樹脂層は、無機充填剤、顔料、難燃剤、熱安定剤等の添加剤を含んでもよい。
上記のうち、無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、三酸化アンチモン、ホウ酸亜鉛、モリブデン化合物等が挙げられる。無機充填剤を含むことにより、目透き抑制効果、表面特性向上効果等が得られる。無機充填剤の含有量は、発泡樹脂層を構成するEVA100重量部に対して、0〜100重量部程度が好ましく、20〜70重量部程度がより好ましい。
顔料については、次のものが挙げられる。無機顔料としては、例えば、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、黒色酸化鉄、黄色酸化鉄、黄鉛、モリブデートオレンジ、カドミウムエロー、ニッケルチタンエロー、クロムチタンエロー、酸化鉄(弁柄)、カドミウムレッド、群青、紺青、コバルトブルー、酸化クロム、コバルトグリーン、アルミニウム粉、ブロンズ粉、雲母チタン、硫化亜鉛等が挙げられる。有機顔料としては、例えば、アニリンブラック、ペリレンブラック、アゾ系(アゾレーキ、不溶性アゾ、縮合アゾ)、多環式(イソインドリノン、イソインドリン、キノフタロン、ペリノン、フラバントロン、アントラピリミジン、アントラキノン、キナクリドン、ペリレン、ジケトピロロピロール、ジブロムアンザントロン、ジオキサジン、チオインジゴ、フタロシアニン、インダントロン、ハロゲン化フタロシアニン)等が挙げられる。
添加剤としては、上記のものに限定されず、他の公知の添加剤も使用できる。添加量は、発泡壁紙の種類に応じて幅広い範囲から選択できる。
発泡樹脂層の厚みは限定的ではないが、400〜800μm程度が好ましく、500〜700μm程度がより好ましい。
非発泡樹脂層
非発泡樹脂層は、発泡樹脂層に接触する状態で形成されている。
非発泡樹脂層は、酢酸ビニル含有量が10〜19重量%のEVAから構成される。酢酸ビニル含有量は、10〜15重量%程度が好ましい。
非発泡樹脂層の厚みは限定的ではないが、5〜30μm程度が好ましく、10〜20μm程度がより好ましい。
下段非発泡樹脂層
紙質基材と発泡樹脂層との間には、下段非発泡樹脂層を形成してもよい。
下段非発泡樹脂層を形成した場合には、発泡樹脂等と紙質基材との密着性を向上できる。
下段非発泡樹脂層の樹脂の種類は限定的ではないが、発泡樹脂層との密着性の観点から、EVAが好ましい。EVAの酢酸ビニル含有量は限定的ではないが、10〜30重量%程度が好ましく、20〜30重量%程度がより好ましい。
下段非発泡樹脂層の厚みは限定的ではないが、5〜20μm程度が好ましく、10〜15μm程度がより好ましい。
絵柄模様層
発泡樹脂層のおもて面には、絵柄模様層を形成してもよい。
絵柄模様層は、発泡壁紙に意匠性を付与する。絵柄模様としては、例えば、木目模様、石目模様、砂目模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、布目模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、抽象模様等が挙げられる。絵柄模様は、発泡壁紙の種類に応じて選択できる。
絵柄模様層は、例えば、基材シートのおもて面に絵柄模様を印刷することで形成できる。印刷手法としては、例えば、グラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷等が挙げられる。印刷インキとしては、着色剤、ビヒクル、溶剤を含む公知の印刷インキが使用できる。
着色剤としては、前記顔料が使用できる。
ビヒクルは、基材シートの種類に応じて設定できるが、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アルキド系樹脂、石油系樹脂、ケトン樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、繊維素誘導体、ゴム系樹脂等が挙げられる。
印刷インキに含まれる溶剤(又は分散媒)としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の石油系有機溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−2−メトキシエチル、酢酸−2−エトキシエチル等のエステル系有機溶剤;メチルアルコール、エチルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール系有機溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系有機溶剤;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系有機溶剤、;ジクロロメタン、四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等の塩素系有機溶剤;水などが挙げられる。
絵柄模様層の厚みは絵柄模様の種類より異なるが、0.1〜10μm程度が好ましい。
エンボス
壁紙用化粧シートのおもて面には、エンボス模様を付してもよい。
エンボス模様は、例えば、公知のエンボス版により付与できる。例えば、発泡樹脂層のおもて面を加熱軟化後、エンボス版を押圧することにより所望のエンボス模様を賦型できる。エンボス模様としては、木目板導管溝、石板表面凹凸、布表面テクスチャア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等がある。
2.壁紙用化粧シートの製造方法
本発明の壁紙用化粧シートの製造方法は特に限定されないが、紙質基材上に発泡樹脂層及び非発泡樹脂層を順に積層した構造の壁紙用化粧シートを作製する場合には、例えば、次の製造方法が好適である。
即ち、紙質基材上に、熱分解型発泡剤を含む未発泡樹脂層及び熱分解型発泡剤を含まない非発泡樹脂層を当該順且つ未発泡樹脂層が紙質基材と接触するように同時積層後、前記発泡剤を加熱することにより未発泡樹脂層を発泡樹脂層とする発泡壁紙の製造方法であって、
(1)前記樹脂層を構成する樹脂は、いずれもエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂であり、
(2)前記樹脂層を構成する樹脂の酢酸ビニル含有量は、いずれも10〜19重量%であり、
(3)前記樹脂層を構成する樹脂のメルトフローレート(以下「MFR」と略記する)は、いずれも40〜75g/10分である、ことを特徴とする壁紙用化粧シートの製造方法である。
上記製造方法において、MFRが40〜75g/10分のEVAを用いることにより、良好な押出し性能が得られる。
なお、前記MFRは、JIS K 7210(熱可塑性プラスチックの流れ試験方法)記載の試験方法により測定した値である。試験条件は、JIS K 6760記載の「190℃、21.18N(2.16kgf)」採用したものである。
前記同時積層には、例えば、Tダイ押出し機による多層同時押出しが好適に利用できる。当該製造方法では、例えば、2種の溶融樹脂を同時に押出すことにより2層の同時成膜が可能なマルチマニホールドタイプのTダイが好適に使用できる。
具体的には、未発泡樹脂層を形成するための組成物、及び非発泡樹脂層を形成するための組成物を各々別個のシリンダー中に入れて、2種2層を同時に押出し成膜・積層すればよい。
未発泡樹脂層形成用組成物は、前記発泡樹脂層を構成するEVAの溶融物と熱分解型発泡剤との混合物である。EVAの種類は前記の通りである。なお、MFRが40〜75g/10分、好ましくは50〜60g/10分のものを用いる。
熱分解型発泡剤は、例えば、アゾジカルボンアミド(ADCA)、アゾビスホルムアミド等のアゾ系;オキシベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)、パラトルエンスルホニルヒドラジド等のビドラジド系などが挙げられる。熱分解型発泡剤の含有量は、発泡剤の種類、発泡倍率等に応じて適宜設定できる。発泡倍率の観点からは、1.5倍以上、好ましくは3〜7倍程度であり、熱分解型発泡剤は、発泡樹脂層形成用組成物中のEVA100重量部に対して、1〜20重量部程度が好ましい。
未発泡樹脂層形成用組成物は、無機充填剤を含有してもよい。無機充填剤については前記の通りである。その他、発泡セル調整剤、熱安定剤、難燃剤等を配合できる。これらの配合量については、発泡壁紙の種類に応じて適宜設定できる。
非発泡樹脂層形成用組成物は、前記非発泡樹脂層を構成するEVAの溶融物である。EVAの種類は前記の通りである。なお、MFRが40〜75g/10分、好ましくは50〜75g/10分のものを用いる。
組成物に添加剤を含める場合の添加剤の種類及び添加量については前記の通りである。
同時押出し時の溶融樹脂温度は、90〜120℃程度が好ましい。
当該製造方法では、同時押出し積層体は、紙質基材上に同時積層(成膜)する。紙質基材上に押出しと同時に積層された樹脂層は、熱溶融により接着性を有するため紙質基材と接着される。
なお、予め2種2層を同時成膜した積層体用意して、それを紙質基材上に載せて、熱ラミネートすることにより紙質基材と接着してもよい。
紙質基材上に同時積層後は、前記発泡剤を加熱することにより未発泡樹脂層を発泡樹脂層とする。加熱条件は、熱分解型発泡剤の分解により発泡樹脂層が形成される条件ならば限定されない。加熱温度は210〜240℃程度が好ましく、加熱時間は20〜90秒程度が好ましい。
前記加熱処理の前に、未発泡樹脂層に電子線照射を行ってもよい。これにより、各層に含まれるEVAを架橋できるため、発泡壁紙の表面強度、発泡程度等を制御することができる。電子線のエネルギーは、150〜250kV程度が好ましい。照射量は、1〜7Mrad程度が好ましい。電子線源としては、公知の電子線照射装置が使用できる。
電子線照射を行う場合には、前記組成物中に架橋助剤を含有してもよい。
架橋助剤としては、電子線照射による架橋を促進するものであればよく、例えば、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等の多官能性モノマー、オリゴマーなどが挙げられる。架橋助剤は、EVA100重量部に対して、0〜10重量部程度が好ましく、1〜4重量部がより好ましい。
絵柄模様層を有する発泡壁紙を製造する場合には、上記加熱処理前に発泡樹脂層Bの表面に絵柄模様層を形成することが好ましい。絵柄模様層の形成方法は、前記の通りである。
発泡樹脂層と紙質基材との間に、下段非発泡樹脂層をさらに形成する場合には、3種3層同時押出しすればよい。この場合は、下段非発泡樹脂層を構成するEVAも、MFRが40〜75g/10分のものを用いることが好ましい。
本発明の壁紙用化粧シートは、特に酢酸ビニル含有量が10〜19重量%のEVAからなる最表面層を有することにより、耐スクラッチ性が良好である。また、当該最表面層は、壁紙用化粧シートに良好な難燃性も付与する。
本発明の壁紙用化粧シートの製造方法は、MFRが40〜75g/10分のEVAを用いることにより、良好な押出し性能が得られる。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明をより具体的に説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。
実施例1
非発泡樹脂層Aを形成するために、EVA(製品名「エバテートCV5053」、MFR:70g/10分、酢酸ビニル含有量:20重量%、住友化学製)を用意した。
非発泡樹脂層Bを形成するために、EVA(製品名「エバテートD5020」、MFR:75g/10分、酢酸ビニル含有量:10重量%、住友化学製)を用意した。
未発泡樹脂層を形成するために、下記表1に記載の成分を含む組成物を用意した。
Figure 0004614805
上記樹脂及び樹脂含有組成物を溶融し、3種3層マルチマニホールドTダイ押出し機を用いて厚み110μmの紙質基材(坪量70g)上に3層同時押出し積層した。Tダイ押出し機は、シリンダー温度100℃、ダイス温度100℃とした。
同時押出し積層は、紙質基材と非発泡樹脂層Aとを接触させて、非発泡樹脂層A/未発泡樹脂層/非発泡樹脂層Bの順に積層した。各層の厚みは、前記の順に15μm/100μm/10μmとした。
積層後、非発泡樹脂層Bの上から電子線(175kV、5Mrad)を照射して、樹脂架橋後、非発泡樹脂層Bの表面にコロナ放電処理を行った。
次いで、グラビア印刷により、非発泡樹脂層Bの表面にEVA系水性エマルションを2g/m2塗布することによりプライマー処理を行った。さらに、その上に水性インキ(製品名「ハイドリック」大日精化工業製)を用いて布目模様(絵柄印刷層)を印刷した。
次いで、当該積層体をギアオーブン中、220℃で30秒間加熱した。これにより、熱分解型発泡剤が分解し、未発泡樹脂層を発泡樹脂層とした。発泡倍率は5倍であり、発泡樹脂層の厚みは500μmであった。
次いで、発泡体のおもて側にエンボス加工を施して、布目模様パターンを賦型した。
以上の過程を経て、壁紙用化粧シートを作製した。
比較例1
発泡樹脂層を構成する樹脂をEVA(MFR:70g/10分、酢酸ビニル含有量:20重量%)にした以外は、実施例1と同様にして壁紙用化粧シートを作製した。
比較例2
発泡樹脂層を構成する樹脂をEVA(MFR:10g/10分、酢酸ビニル含有量:10重量%)にした以外は、実施例1と同様にして壁紙用化粧シートを作製した。
比較例3
発泡樹脂層を構成する樹脂をEVA(MFR:20g/10分、酢酸ビニル含有量:4.5重量%)にした以外は、実施例1と同様にして壁紙用化粧シートを作製した。
試験例1(耐スクラッチ性)
実施例及び比較例で作製した壁紙用化粧シートに対して、耐スクラッチ試験を行った。
耐スクラッチ試験は、日本ビニル工業会建築部会制定の「表面強化商品性能表示規定」に準拠して行った。即ち、次の手順によって試験を行った。
先ず、学振摩耗試験機(JIS L0849 摩耗試験機II型)に試験片(壁紙用化粧シート)を取り付けた。試験機の摩擦子として同部会指定の金属製爪を取り付け、金属爪先端に200g荷重をかけて試験片上を5往復させた。その後、試験片の表面状態(傷付き程度)を肉眼で確認することにより、耐スクラッチ性(良好/不良)を評価した。
試験例2(押出し加工適性)
実施例及び比較例において、樹脂層を3層同時押出し時の加工特性(良好/不良)を評価した。
試験例3(難燃性)
実施例及び比較例で作製した壁紙用化粧シートに対して、難燃性試験を行った。
難燃性試験は、建築基準法施工令第1条第5号の準不燃材料の発熱性試験に記載の方法に従った。
試験片をコーンカロリーメーターで加熱し、試験片の総発熱量が8MJ/m2以下であり、200KW/m2超過継続時間が10秒を超えないものを良好と評価した。それ以外のものを不良と評価した。
上記試験の結果を下記表2に示す。
Figure 0004614805

Claims (7)

  1. 紙質基材上に、発泡樹脂層と非発泡樹脂層とを順に積層した壁紙用化粧シートであって、前記非発泡樹脂層を最表面層とし、
    前記樹脂層を構成する樹脂は、いずれも酢酸ビニル含有量が10〜19重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂である、
    ことを特徴とする壁紙用化粧シート。
  2. 前記非発泡樹脂層を構成する樹脂の酢酸ビニル含有量が10〜15重量%である、請求項1に記載の壁紙用化粧シート。
  3. 紙質基材と発泡樹脂層との間に、さらに下段非発泡樹脂層を有する、請求項1又は2に記載の壁紙用化粧シート。
  4. 紙質基材上に、熱分解型発泡剤を含む未発泡樹脂層、及び非発泡樹脂層を当該順且つ未発泡樹脂層が紙質基材と接触するように同時積層後、前記発泡剤を加熱することにより未発泡樹脂層を発泡樹脂層とする発泡壁紙の製造方法であって、
    (1)前記樹脂層を構成する樹脂は、いずれもエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂であり、
    (2)前記樹脂層を構成する樹脂の酢酸ビニル含有量は、いずれも10〜19重量%であり、
    (3)前記樹脂層を構成する樹脂のメルトフローレートは、いずれも40〜75g/10分であり、
    (4)前記非発泡樹脂層を最表面層とする
    ことを特徴とする壁紙用化粧シートの製造方法。
  5. メルトフローレートが50〜75g/10分である、請求項に記載の製造方法。
  6. 前記同時積層が、Tダイ押出し機による多層同時押出し積層である、請求項又はに記載の製造方法。
  7. 前記発泡剤を加熱する前に、未発泡樹脂層に電子線を照射する工程をさらに有する、請求項のいずれかに記載の製造方法。
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