JP2006306069A - 壁装用化粧シート原反及び壁装用化粧シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】紙質基材上に少なくとも非発泡樹脂層、発泡樹脂層及び非発泡樹脂層が順に形成されている壁装用化粧シートであって、(1)前記紙質基材が、動的浸透性試験における最大透過時間が700〜1500msであり、(2)発泡樹脂層が、発泡剤含有樹脂層を発泡させて形成された層である、ことを特徴とする壁装用化粧シートに係る。
【選択図】なし
Description
1. 紙質基材上に1又は2以上の樹脂層を積層してなる壁装用化粧シート原反であって、前記紙質基材が、動的浸透性試験における最大透過時間が700〜1500msであることを特徴とする壁装用化粧シート原反。
2. 前記樹脂層として、少なくとも発泡剤含有樹脂層を含む、前記1に記載の壁装用化粧シート原反。
3. 前記樹脂層として、紙質基材上に少なくとも非発泡樹脂層、発泡剤含有樹脂層及び非発泡樹脂層が順に形成されている、前記項1又は2に記載の壁装用化粧シート原反。
4. 各樹脂層が、樹脂成分としてエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂を含む樹脂組成物により形成されている、前記項1〜3のいずれかに記載の壁装用化粧シート原反。
5. 前記発泡剤が、熱分解型発泡剤である、前記項2に記載の壁装用化粧シート原反。
6. 前記発泡剤含有樹脂層が、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、無機充填剤、顔料、熱分解型発泡剤及びセル調整剤を含む樹脂組成物により形成されている、前記項2に記載の壁装用化粧シート原反。
7. 前記樹脂層が電子線照射により架橋されている、前記項1〜6のいずれかに記載の壁装用化粧シート原反。
8. 紙質基材上に少なくとも非発泡樹脂層、発泡樹脂層及び非発泡樹脂層が順に形成されている壁装用化粧シートであって、
(1)前記紙質基材が、動的浸透性試験における最大透過時間が700〜1500msであり、
(2)発泡樹脂層が、発泡剤含有樹脂層を発泡させて形成された層である、
ことを特徴とする壁装用化粧シート。
9. 各樹脂層が、樹脂成分としてエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂を含む樹脂組成物により形成されている、前記項8に記載の壁装用化粧シート。
10. 前記発泡剤が、熱分解型発泡剤である、前記項8又は9に記載の壁装用化粧シート。
11. 前記発泡剤含有樹脂層が、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、無機充填剤、顔料、熱分解型発泡剤及びセル調整剤を含む樹脂組成物により形成されている、前記項8〜10のいずれかに記載の壁装用化粧シート。
12. 前記樹脂層が電子線照射により架橋されている、前記項8〜11のいずれかに記載の壁装用化粧シート。
13. シート最表面層の上からエンボス加工がなされている、前記項8〜12のいずれかに記載の壁装用化粧シート。
本発明の壁装用化粧シート原反(本発明シート原反)は、紙質基材上に、1又は2以上の樹脂層を積層してなる壁装用化粧シートであって、前記紙質基材が、動的浸透性試験における最大透過時間が700〜1500msであることを特徴とする。
紙質基材の材質は、壁紙基材として適した機械強度、耐熱性等を有する限り特に限定されず、繊維質シートが一般に使用できる。
非発泡樹脂層Aは、特に紙質基材と発泡剤含有樹脂層との接着層として機能するものであれば特に限定されない。本発明では、特に、非発泡樹脂層Aは、樹脂成分としてエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA樹脂)を含む樹脂組成物により形成されていることが好ましい。
発泡剤含有樹脂層は、発泡剤の作用により発泡するもの(例えば加熱された際に発泡するもの)であれば限定でない。特に、樹脂成分としてEVA樹脂を含む樹脂組成物により形成されていることが望ましい。例えば、EVA樹脂、無機充填剤、顔料、熱分解型発泡剤及びセル調整剤を含む樹脂組成物を好適に用いることができる。その他にも、安定剤、滑剤等を添加剤として用いることができる。
非発泡樹脂層Bは、主として発泡剤含有樹脂層を保護するものであり、そのような機能を有するものであれば限定されない。特に、本発明では、樹脂成分としてEVA樹脂を含む樹脂組成物により形成されていることが望ましい。添加剤として、必要に応じて滑剤等も樹脂組成物に配合することができる。
本発明シート原反の製造方法は特に限定されない。例えば、Tダイ押出し機による同時押出しが好適である。すなわち、3つの層に対応する溶融樹脂を同時に押出すことにより3層の同時成膜が可能なマルチマニホールドタイプのTダイを用いる。この場合、非発泡樹脂層Aを形成するための樹脂組成物、発泡剤含有樹脂層を形成するための樹脂組成物、及び非発泡樹脂層を形成するための樹脂組成物をそれぞれ別個のシリンダー中に入れ、3種3層を同時に押出し成膜・積層すれば良い。この方法では、同時押出し積層体は、紙質基材上に同時積層(成膜)する。紙質基材上に押出しと同時に積層された樹脂層は、熱溶融により接着性を有するため紙質基材と接着される。
本発明の壁装用化粧シート(本発明シート)は、紙質基材上に少なくとも非発泡樹脂層(非発泡樹脂層A)、発泡樹脂層及び非発泡樹脂層(非発泡樹脂層B)が順に形成されている壁装用化粧シートであって、
(1)前記紙質基材が、動的浸透性試験における最大透過時間が700〜1500msであり、
(2)発泡樹脂層が、発泡剤含有樹脂層を発泡させて形成された層である、
ことを特徴とする。
紙質基材の材質は、壁紙基材として適した機械強度、耐熱性等を有する限り特に限定されず、繊維質シートが一般に使用できる。
非発泡樹脂層Aは、特に紙質基材と発泡剤含有樹脂層との接着層として機能するものであれば特に限定されない。本発明では、特に、非発泡樹脂層Aは、樹脂成分としてエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA樹脂)を含む樹脂組成物により形成されていることが好ましい。
発泡樹脂層は、発泡剤含有樹脂層が加熱されることにより発泡形成された層である。
非発泡樹脂層Bは、主として発泡剤含有樹脂層を保護するものであり、そのような機能を有するものであれば限定されない。特に、本発明では、樹脂成分としてEVA樹脂を含む樹脂組成物により形成されていることが望ましい。添加剤として、必要に応じて滑剤等も樹脂組成物に配合することができる。
本発明の発泡壁紙は、非発泡樹脂層Bのおもて面等に、必要に応じて絵柄模様層を有しても良い。
本発明シートは、発泡エンボス模様に加えて、適宜エンボス模様を付しても良い。この場合、シート最表面層(紙質基材と反対側)の上からエンボス加工すれば良い。エンボス加工は、エンボス版等の公知の手段により実施することができる。例えば、最表面層が非発泡樹脂層Bである場合は、そのおもて面を加熱軟化後、エンボス版を押圧することにより所望のエンボス模様を賦型できる。エンボス模様としては、例えば木目板導管溝、石板表面凹凸、布表面テクスチャア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等がある。
本発明シートの製造方法は特に限定されない。例えば、Tダイ押出し機による同時押出しが好適である。すなわち、3つの層に対応する溶融樹脂を同時に押出すことにより3層の同時成膜が可能なマルチマニホールドタイプのTダイを用いる。この場合、非発泡樹脂層Aを形成するための樹脂組成物、発泡剤含有樹脂層を形成するための樹脂組成物、及び非発泡樹脂層を形成するための樹脂組成物をそれぞれ別個のシリンダー中に入れ、3種3層を同時に押出し成膜・積層すれば良い。この方法では、同時押出し積層体は、紙質基材上に同時積層(成膜)する。紙質基材上に押出しと同時に積層された樹脂層は、熱溶融により接着性を有するため紙質基材と接着される。
3種3層マルチマニホールドTダイ押出し機を用い、シリンダー温度130℃、ダイス温度130℃にてi)非発泡樹脂層/ii)発泡剤含有樹脂層/iii)非発泡樹脂層の順に厚み15μ/100μ/10μになるように製膜し、動的浸透性試験の最大透過時間1000msである裏打紙面上に前記iii)層が配置されるように積層した。得られた積層シート断面を見るとiii)層が裏打紙中に入り込んで、見掛け上i)非発泡樹脂層/ii)発泡剤含有樹脂層の順に厚み15μ/100μになっていた。次にi)層上から電子線(175KV 5Mrad)を照射して、樹脂架橋させた後、i)層上にコロナ放電処理を行い、さらにグラビア印刷機によりプライマー処理としてEVA系水性エマルジョンを2g/m2コートし、その上に絵柄印刷として水性インキ「ハイドリック(大日精化工業製)」を用いて布目絵柄を印刷した。次に、ギアオーブンにて加熱(220℃×30秒)し、発泡剤含有樹脂層に含有する発泡剤を発泡させ、樹脂層を15μ/500μとした(発泡剤含有樹脂層の発泡倍率5倍)。さらに、その発泡体に対して布目パターンの凹凸エンボスを施し、所望の壁紙を得た。
3種3層マルチマニホールドTダイ押出し機を用いて、シリンダー温度130℃、ダイス温度130℃にてi)非発泡樹脂層/ii)発泡剤含有樹脂層/iii)非発泡樹脂層の順に厚み15μ/100μ/10μになるように製膜し、動的浸透性試験の最大透過時間600ms以下である裏打紙面上に前記iii)層が配置されるように積層した。得られた積層シート断面を見るとiii)層が裏打紙中に入り込んで、見掛け上i)非発泡樹脂層/ii)発泡剤含有樹脂層の順に厚み15μ/70μになっていた。次に前記i)層上から電子線(175KV 5Mrad)を照射して、樹脂架橋させた後、前記i)層上にコロナ放電処理を行い、さらにグラビア印刷機によりプライマー処理としてEVA系水性エマルジョンを2g/m2コートし、その上に絵柄印刷として水性インキ「ハイドリック(大日精化工業製)」を用いて布目絵柄を印刷した。次に、ギアオーブンにて加熱(220℃×30秒)し、発泡剤含有樹脂層に含有する発泡剤を発泡させ、樹脂層を15μ/350μとした(発泡剤含有樹脂層の発泡倍率5倍)。さらに、その発泡体に対して布目パターンの凹凸エンボスを施し、壁紙を得た。なお、各層の配合は実施例1と同じとした。
3種3層マルチマニホールドTダイ押出し機を用いて、シリンダー温度130℃、ダイス温度130℃にてi)非発泡樹脂層/ii)発泡剤含有樹脂層/iii)非発泡樹脂層の順に厚み15μ/100μ/10μになるように製膜し、動的浸透性試験の最大透過時間1600ms以上である裏打紙面上に前記iii)層が配置されるように積層した。得られた積層シート断面を見るとiii)層が裏打紙中に入り込まず、見掛け上i)非発泡樹脂層/ii)発泡剤含有樹脂層/iii)非発泡樹脂層の順に厚み15μ/100μ/10μになっていた。次にi)層上から電子線(175KV 5Mrad)を照射して、樹脂架橋させた後、前記i)層上にコロナ放電処理を行い、さらにグラビア印刷機によりプライマー処理としてEVA系水性エマルジョンを2g/m2コートし、その上に絵柄印刷として水性インキ「ハイドリック(大日精化工業製)」を用いて布目絵柄を印刷した。次に、ギアオーブンにて加熱(220℃×30秒)し、発泡剤含有樹脂層に含有する発泡剤を発泡させ、樹脂層を15μ/500μ/10μとした(発泡剤含有樹脂層の発泡倍率5倍)。さらに、その発泡体に対して布目パターンの凹凸エンボスを施し、壁紙を得た。なお、各層の配合は実施例1と同じとした。
3種3層マルチマニホールドTダイ押出し機を用いて、シリンダー温度130℃、ダイス温度130℃にてi)非発泡樹脂層/ii)発泡剤含有樹脂層/iii)非発泡樹脂層の順に厚み15μ/120μ/10μになるように製膜し、動的浸透性試験の最大透過時間600ms以下である裏打紙面上に前記iii)層が配置されるように積層した。得られた積層シート断面を見るとiii)層とii)層の一部が裏打紙中に入り込んで、見掛け上i)非発泡樹脂層/ii)発泡剤含有樹脂層の順に厚み15μ/100μになっていた。次に前記i)層上から電子線(175KV 5Mrad)を照射して、樹脂架橋させた後、i)層上にコロナ放電処理を行い、さらにグラビア印刷機によりプライマー処理としてEVA系水性エマルジョンを2g/m2コートし、その上に絵柄印刷として水性インキ「ハイドリック(大日精化工業製)」を用いて布目絵柄を印刷した。次に、ギアオーブンにて加熱(220℃×30秒)し、発泡剤含有樹脂層に含有する発泡剤を発泡させ、樹脂層を15μ/500μとした(発泡剤含有樹脂層の発泡倍率5倍)。さらに、その発泡体に対して布目パターンの凹凸エンボスを施し、壁紙を得た。なお、各層の配合は実施例1と同じとした。
各実施例及び比較例で得られたシートについて、発泡剤含有樹脂層の厚み、ラミネート密着性及び発熱性を調べた。その結果を表1に示す。
(1)発泡層厚み(エンボス賦形性)
凹凸差が800μmあるパターンを表面に持つ金属性のロールを用いて壁紙の製造方法で記載されている方法でエンボス加工を行い、パターンの深さ方向の賦型率を測定した。賦型率60%以上の場合は「○」、59〜40%の場合は「△」、40%未満の場合は「×」と評価した。
(2)ラミネート密着性
未発泡状態での試験片(25mm×100mm)を採取し、裏打紙から樹脂層を剥離し、裏打紙と樹脂層の剥離界面を目視にて観察した。裏打紙紙間層が樹脂層にとられている場合は「○」、裏打紙紙間層が樹脂層にとられていない場合は「×」と評価した。
(3)発熱性試験
発熱性試験は、建築基準法施工令第1条第5号の準不燃材料の発熱性試験に記載の方法に従った。試験片をコーンカロリーメーターで加熱し、試験片の発熱量を測定し、総発熱量が8MJ/m2以下であり、200KW/m2超過継続時間が10秒を超えないものを「○」、そうでないものを「×」と評価した。
Claims (13)
- 紙質基材上に1又は2以上の樹脂層を積層してなる壁装用化粧シート原反であって、前記紙質基材が、動的浸透性試験における最大透過時間が700〜1500msであることを特徴とする壁装用化粧シート原反。
- 前記樹脂層として、少なくとも発泡剤含有樹脂層を含む、請求項1に記載の壁装用化粧シート原反。
- 前記樹脂層として、紙質基材上に少なくとも非発泡樹脂層、発泡剤含有樹脂層及び非発泡樹脂層が順に形成されている、請求項1又は2に記載の壁装用化粧シート原反。
- 各樹脂層が、樹脂成分としてエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂を含む樹脂組成物により形成されている、請求項1〜3のいずれかに記載の壁装用化粧シート原反。
- 前記発泡剤が、熱分解型発泡剤である、請求項2に記載の壁装用化粧シート原反。
- 前記発泡剤含有樹脂層が、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、無機充填剤、顔料、熱分解型発泡剤及びセル調整剤を含む樹脂組成物により形成されている、請求項2に記載の壁装用化粧シート原反。
- 前記樹脂層が電子線照射により架橋されている、請求項1〜6のいずれかに記載の壁装用化粧シート原反。
- 紙質基材上に少なくとも非発泡樹脂層、発泡樹脂層及び非発泡樹脂層が順に形成されている壁装用化粧シートであって、
(1)前記紙質基材が、動的浸透性試験における最大透過時間が700〜1500msであり、
(2)発泡樹脂層が、発泡剤含有樹脂層を発泡させて形成された層である、
ことを特徴とする壁装用化粧シート。 - 各樹脂層が、樹脂成分としてエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂を含む樹脂組成物により形成されている、請求項8に記載の壁装用化粧シート。
- 前記発泡剤が、熱分解型発泡剤である、請求項8又は9に記載の壁装用化粧シート。
- 前記発泡剤含有樹脂層が、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、無機充填剤、顔料、熱分解型発泡剤及びセル調整剤を含む樹脂組成物により形成されている、請求項8〜10のいずれかに記載の壁装用化粧シート。
- 前記樹脂層が電子線照射により架橋されている、請求項8〜11のいずれかに記載の壁装用化粧シート。
- シート最表面層の上からエンボス加工がなされている、請求項8〜12のいずれかに記載の壁装用化粧シート。
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