JP4707434B2 - 壁装用化粧シート - Google Patents

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Description

本発明は、壁装用化粧シートに関する。
従来、発泡壁紙等の壁装用化粧シート(発泡化粧シート)としては、紙質基材(裏打紙)に塩化ビニル樹脂の発泡樹脂層を形成したものが知られている。近年では、環境に配慮し、発泡樹脂層には、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、アクリル樹脂、オレフィン系樹脂等のハロゲンを含有しない樹脂が用いられてきている(特許文献1〜3等)。
例えば、アクリル樹脂とエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂とを含むエマルションに、マイクロカプセル型発泡剤を添加した塗料を、紙質基材に塗工・乾燥後、表面に絵柄模様を印刷し、次いで加熱発泡させ、エンボス版により凹凸模様を形成してなる発泡壁紙が知られている。また、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂に熱分解型発泡剤を添加した樹脂組成物からなる未発泡樹脂層を、Tダイ押出し機を用いて紙質基材上に形成後、表面に絵柄模様層を印刷し、次いで加熱発泡させ、エンボス版により凹凸模様を形成してなる発泡壁紙が知られている。
特開平6−47875号公報 特開2000−255011号公報 特開2001−347611号公報
しかしながら、これらの壁紙では、最表面層の耐スクラッチ性に劣るため、容易にキズが着きやすい。このため、製品としての寿命が短くなるだけでなく、施工中等にキズが着くこともあり、商品歩留まりを低下させる一因にもなっている。
従って、本発明は、優れた耐スクラッチ性を有する壁装用化粧シートを提供することを主な目的とする。
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、最表面層として特定の材料を採用することによって上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記の壁装用化粧シートに関する。
1. 紙質基材上に少なくとも熱可塑性樹脂層、装飾層、並びにウレタンアクリレート系樹脂及びシリコンビーズを含む電離放射線硬化型樹脂層順に積層され、前記電離放射線硬化型樹脂層が最表面層であって、
前記熱可塑性樹脂層が、少なくとも電子線照射により架橋された発泡剤含有樹脂層が発泡してなる発泡樹脂層を含み、
前記電離放射線硬化型樹脂層が、電子線照射により架橋硬化されている、
ことを特徴とする壁装用化粧シート。
2. 熱可塑性樹脂層が、紙質基材から第1非発泡樹脂層、発泡樹脂層及び第2非発泡樹脂層の順で積層してなる、前記項1に記載の壁装用化粧シート。
3. 最表面層からエンボス加工を施されてなる、前記項1又は2に記載の壁装用化粧シート。
4. 以下の(1)〜(3)工程を順に有する、壁装用化粧シートの製造方法:
(1) 紙質基材上に少なくとも発泡剤含有樹脂層、装飾層、並びにウレタンアクリレート系樹脂及びシリコンビーズを含む電離放射線硬化型樹脂層を順に積層することにより積層体を製造する工程、
(2) 前記積層体に電子線を照射することにより前記発泡剤含有樹脂層及び前記電離放射線硬化型樹脂層を同時に架橋させる工程、
(3) 前記発泡剤含有樹脂層を発泡させることにより発泡樹脂層を形成する工程。
本発明の壁装用化粧シートによれば、最表面層として特定の材質からなる層を使用していることから、従来の壁紙等に比して優れた耐スクラッチ性を発揮することができる。
<壁装用化粧シート>
本発明の壁装用化粧シート(本発明シート)は、紙質基材上に少なくとも熱可塑性樹脂層、装飾層及び電離放射線硬化型樹脂層を順に積層され、前記電離放射線硬化型樹脂層が最表面層であることを特徴とする。本発明の好ましい実施態様としては、例えば紙質基材上に少なくとも第1非発泡樹脂層、発泡樹脂層、第2非発泡樹脂層、装飾層及び電離放射線硬化型樹脂層を順に積層され、前記電離放射線硬化型樹脂層が最表面層である壁装用化粧シートが挙げられる。以下、このシートを代表例として説明する。
紙質基材
紙質基材の材質は、壁紙基材として適した機械強度、耐熱性等を有する限り特に限定されず、繊維質シートが一般に使用できる。
具体的には、繊維質シートの中でも、難燃紙(パルプ主体のシートをスルファミン酸グアニジン、リン酸グアジニン等の難燃剤で処理したもの);水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の無機添加剤を含む無機質紙;上質紙;薄用紙などが挙げられる。
紙質基材の坪量は限定的ではないが、50〜300g/m程度が好ましく、50〜80g/m程度がより好ましい。
第1非発泡樹脂層
第1非発泡樹脂層は、特に紙質基材と発泡剤含有樹脂層との接着層として機能するものであれば特に限定されない。本発明では、特に、第1非発泡樹脂層は、樹脂成分としてエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA樹脂)を含む樹脂組成物により形成されていることが好ましい。
樹脂成分としてEVA樹脂を用いる場合、EVA樹脂の酢酸ビニル含有量(共重合比率)は限定的ではないが、特に10〜30重量%程度であることが好ましく、15〜25重量%程度がより好ましい。
樹脂成分のメルトフローレート値(MFR)は特に限定されないが、5〜80g/10分程度が好ましく、20〜70g/10分程度がより好ましい。
なお、本明細書のMFRは、JIS K 7210(熱可塑性プラスチックの流れ試験方法)記載の試験方法により測定した値である。試験条件は、JIS K 6760記載の「190℃、21.18N(2.16kgf)」採用したものである。
第1非発泡樹脂層の厚みは限定的ではないが、一般的には5〜30μm程度が好ましく、10〜15μm程度がより好ましい。
また、本発明では、添加剤として、必要に応じて滑剤等も前記の樹脂組成物に配合することができる。
発泡樹脂層
発泡樹脂層は、発泡剤含有樹脂層が発泡することにより形成された層である。すなわち、発泡剤含有樹脂層は、発泡剤の作用により発泡するもの(例えば加熱された際に発泡するもの)であれば限定でない。特に、樹脂成分としてEVA樹脂を含む樹脂組成物により形成されていることが望ましい。例えば、EVA樹脂、無機充填剤、顔料、熱分解型発泡剤及びセル調整剤を含む樹脂組成物を好適に用いることができる。その他にも、安定剤、滑剤等を添加剤として用いることができる。
樹脂成分としてEVA樹脂を用いる場合、EVA樹脂の酢酸ビニル含有量は、5〜30重量%程度が好ましく、10〜20重量%程度がより好ましい。
樹脂成分のMFRは特に限定されないが、5〜75g/10分程度が好ましく、40〜70g/10分程度がより好ましい。
発泡樹脂層の発泡状態(例えば、発泡セルの大きさ、発泡セル密度等)は限定されず、発泡壁紙の種類、用途等に応じて適宜設計することができる。
発泡剤としては、熱分解型発泡剤を好適に用いることができる。熱分解型発泡剤は、公知の発泡剤から選択することができる。例えば、アゾジカルボンアミド(ADCA)、アゾビスホルムアミド等のアゾ系;オキシベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)、パラトルエンスルホニルヒドラジド等のビドラジド系などが挙げられる。熱分解型発泡剤の含有量は、発泡剤の種類、発泡倍率等に応じて適宜設定できる。発泡倍率の観点からは、1.5倍以上、好ましくは3〜7倍程度であり、熱分解型発泡剤は、樹脂成分100重量部に対して、1〜20重量部程度とすることが好ましい。
セル調整剤は、例えばステアリン酸亜鉛等の金属石鹸を使用することができる。セル調整剤の含有量は、樹脂成分100重量部に対して、0.3〜10重量部程度が好ましく、1〜5重量部程度がより好ましい。
無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、三酸化アンチモン、ホウ酸亜鉛、モリブデン化合物等が挙げられる。無機充填剤を含むことにより、目透き抑制効果、表面特性向上効果等が得られる。無機充填剤の含有量は、樹脂成分100重量部に対して0〜100重量部程度が好ましく、20〜70重量部程度がより好ましい。
顔料については、例えば酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、黒色酸化鉄、黄色酸化鉄、黄鉛、モリブデートオレンジ、カドミウムエロー、ニッケルチタンエロー、クロムチタンエロー、酸化鉄(弁柄)、カドミウムレッド、群青、紺青、コバルトブルー、酸化クロム、コバルトグリーン、アルミニウム粉、ブロンズ粉、雲母チタン、硫化亜鉛等の無機顔料;例えば、アニリンブラック、ペリレンブラック、アゾ系(アゾレーキ、不溶性アゾ、縮合アゾ)、多環式(イソインドリノン、イソインドリン、キノフタロン、ペリノン、フラバントロン、アントラピリミジン、アントラキノン、キナクリドン、ペリレン、ジケトピロロピロール、ジブロムアンザントロン、ジオキサジン、チオインジゴ、フタロシアニン、インダントロン、ハロゲン化フタロシアニン)等の有機顔料が挙げられる。顔料の含有量は、樹脂成分100重量部に対して、10〜50重量部程度が好ましく、15〜30重量部程度がより好ましい。
発泡剤含有樹脂層を発泡させる方法としては、後記の製造方法に記載された方法に従って実施すれば良い。
第2非発泡樹脂層
第2非発泡樹脂層は、主として発泡樹脂層を保護するものであり、そのような機能を有するものであれば限定されない。特に、本発明では、樹脂成分としてEVA樹脂を含む樹脂組成物により形成されていることが望ましい。添加剤として、必要に応じて滑剤等も樹脂組成物に配合することができる。
樹脂成分としてEVA樹脂を用いる場合、EVA樹脂の酢酸ビニル含有量(共重合比率)は限定的ではないが、特に5〜30重量%程度であることが好ましく、10〜20重量%程度がより好ましい。
樹脂成分のメルトフローレート値(MFR)は特に限定されないが、5〜75g/10分程度が好ましく、40〜70g/10分程度がより好ましい。
第2非発泡樹脂層の厚みは限定的ではないが、5〜30m程度が好ましく、10〜20μm程度がより好ましい。
装飾層
本発明シートは、熱可塑性樹脂層(具体的には第2非発泡樹脂層)のおもて面に装飾層(絵柄模様層)を有する。 装飾層は、シートに意匠性を付与する。装飾模様としては、例えば木目模様、石目模様、砂目模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、布目模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、抽象模様等が挙げられる。絵柄模様は、発泡壁紙の種類に応じて選択できる。
装飾層を形成する際には、必要に応じてあらかじめプライマー層を形成した後、公知の印刷方法に従って実施できる。印刷手法としては、例えばグラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷等が挙げられる。印刷インキとしては、着色剤、ビヒクル、溶剤を含む印刷インキが使用できる。これらのインキは公知又は市販のものを使用しても良い。
着色剤としては、例えば、前記の発泡剤含有樹脂層で使用されるような顔料を適宜使用することができる。
ビヒクルは、基材シートの種類に応じて設定できる。例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アルキド系樹脂、石油系樹脂、ケトン樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、繊維素誘導体、ゴム系樹脂等が挙げられる。
印刷インキに含まれる溶剤(又は分散媒)としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の石油系有機溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−2−メトキシエチル、酢酸−2−エトキシエチル等のエステル系有機溶剤;メチルアルコール、エチルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール系有機溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系有機溶剤;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系有機溶剤、;ジクロロメタン、四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等の塩素系有機溶剤;水などが挙げられる。
装飾層の厚みは、装飾の種類より異なるが、一般には0.1〜10μm程度とすることが好ましい。
電離放射線硬化型樹脂層
電離放射線硬化型樹脂層は、後記の電子線放射等により架橋して硬化するものであれば良く、特に制限されない。例えば、ウレタンアクリレート系塗料等の市販又は公知の電離放射線硬化型樹脂塗料を用いて形成することができる。
本発明では、電離放射線硬化型樹脂層がシリコンビーズを含むことが好ましい。これによっていっそう優れた耐スクラッチ性を付与することができる。シリコンビーズは、公知又は市販のものを使用することができる。用いるシリコンビーズの平均粒径は限定的ではないが、特に3〜20μmとすることが好ましく、5〜10μmとすることがより好ましい。シリコンビーズの含有量は、用いるシリコンビーズの粒径、所望の耐スクラッチ性等に応じて適宜設定することができるが、通常は電離放射線硬化型樹脂層中3〜20重量%程度とすることが望ましい。
電離放射線硬化型樹脂層の厚みは、所望の耐スクラッチ性等に応じて適宜設定することができるが、通常は2〜15μm、特に3〜10μmとすることが好ましい。
エンボス
本発明シートは、発泡エンボス模様に加えて、適宜エンボス模様を付しても良い。この場合、シート最表面層(紙質基材と反対側)の上からエンボス加工すれば良い。エンボス加工は、エンボス版等の公知の手段により実施することができる。例えば、最表面層が非発泡樹脂層Bである場合は、そのおもて面を加熱軟化後、エンボス版を押圧することにより所望のエンボス模様を賦型できる。エンボス模様としては、例えば木目板導管溝、石板表面凹凸、布表面テクスチャア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等がある。
<壁装用化粧シートの製造方法>
本発明シートの製造方法は、前記のような層構成を形成できる限り特に限定されない。例えば、まず紙質基材上に熱可塑性樹脂層を積層した後、装飾層等を形成すれば良い。
熱可塑性樹脂層の形成は、特に、Tダイ押出し機による同時押出しが好適である。例えば、3つの層に対応する溶融樹脂を同時に押出すことにより3層の同時成膜が可能なマルチマニホールドタイプのTダイを用いることができる。第1非発泡樹脂層を形成するための樹脂組成物、発泡剤含有樹脂層を形成するための樹脂組成物及び第2非発泡樹脂層を形成するための樹脂組成物をそれぞれ別個のシリンダー中に入れ、3種3層を同時に押出し成膜・積層すれば良い。この方法では、同時押出し積層体は、紙質基材上に同時積層(成膜)する。紙質基材上に押出しと同時に積層された樹脂層は、熱溶融により接着性を有するため紙質基材と接着される。
なお、予め3種3層を同時成膜した積層体用意して、それを紙質基材上に載せて、熱ラミネートすることにより紙質基材と接着しても良い。
次いで、装飾層を形成する。具体的には、第2非発泡樹脂層のおもて面に装飾層を形成する。装飾層の形成方法は、前記のように印刷等により実施すれば良い。
さらに、装飾層上に電離放射線硬化型樹脂層を形成する。これは、例えばウレタンアクリレート系塗料等を用いて塗布又は印刷した後、電子線照射を行うことにより形成することができる。電子線照射により各層に含まれる樹脂成分(EVA樹脂)を架橋できるため、発泡壁紙の表面強度、発泡程度等を制御することができる。電子線のエネルギーは、150〜250kV程度が好ましい。照射量は、1〜7Mrad程度が好ましい。電子線源としては、公知の電子線照射装置が使用できる。
電子線照射を行う場合には、架橋助剤を含有させても良い。架橋助剤としては、電子線照射による架橋を促進するものであれば良い。例えば、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等の多官能性モノマー、オリゴマーなどが挙げられる。架橋助剤は、樹脂成分100重量部に対して、0〜10重量部程度とすることが好ましく、特に1〜4重量部とすることがより好ましい。
次に、発泡剤含有樹脂層を発泡させることより発泡樹脂層を形成する。発泡は、通常は加熱により行えば良い。加熱条件は、熱分解型発泡剤の分解により発泡樹脂層が形成される条件ならば限定されない。加熱温度は210〜240℃程度が好ましい。また、加熱時間は20〜80秒程度が好ましい。
さらに、本発明では、必要に応じて最表面層上からエンボス加工を施すこともできる。エンボス加工の方法は、前記に示した方法に従えば良い。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明をより具体的に説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。
実施例1
3種3層マルチマニホールドTダイ押出し機を用い、シリンダー温度130℃、ダイス温度130℃にてi)非発泡樹脂層/ii)発泡剤含有樹脂層/iii)非発泡樹脂層の順に厚み15μ/100μ/10μになるように製膜し、裏打紙面上に前記iii)層が配置されるように積層した。次に、前記i)層上にコロナ放電処理を行い、さらにグラビア印刷機によりプライマー処理としてEVA系水性エマルジョンを2g/mコートし、その上に絵柄印刷として水性インキ「ハイドリック(大日精化工業製)」を用いて布目絵柄を印刷した。さらに、絵柄層上に電離放射線硬化型樹脂塗料「セイカビーム(大日精化工業製)」に平均粒径10μmのシリコンビーズを10重量%含有させたコート剤をグラビアコートにて5g/m(dry)塗工し、塗工面上から電子線(175KV 5Mrad)を照射し、最表面層と熱可塑性樹脂層を同時に架橋させた。次いで、ギアオーブンにて加熱(220℃×30秒)し、発泡剤含有樹脂層に含有する発泡剤を発泡させ、その発泡体に対して布目パターンの凹凸エンボスを施し、所望の壁紙を得た。
各層は、それぞれ以下の成分を用いて形成した。
非発泡樹脂層i)は、EVA樹脂「エバテートD5020(MFR=75,VA=10%):住友化学製」により形成した。
発泡樹脂層ii)は、EVA樹脂「エバテートCV5053(MFR=70,VA=20%):住友化学製」100重量部、炭酸カルシウム「ホワイトンH:東洋ファインケミカル製」30重量部、二酸化チタン「R−108:デュポン製」25重量部、発泡剤「ビニホールAC#3:永和化成工業製」3.2重量部、発泡剤「ネオセルボンN#5000:永和化成工業製」0.8重量部及び安定剤「アデカスタブOF−102:旭電化工業製」5重量部を含む樹脂組成物により形成した。
非発泡樹脂層iii)は、EVA樹脂「エバテートCV5053(MFR=70,VA=20%):住友化学製」により形成した。
実施例2
絵柄層上に、電離放射線硬化型樹脂塗料「セイカビーム(大日精化工業製)」をグラビアコートにて5g/m(dry)塗工したほかは、実施例1と同様にして壁紙を作製した。
実施例3
絵柄層上に、電離放射線硬化型樹脂塗料「セイカビーム(大日精化工業製)」にフッ素樹脂を10重量%分散させたコート剤をグラビアコートにて5g/m(dry)塗工したほかは、実施例1と同様にして壁紙を作製した。
比較例1
絵柄層上に、水性アクリルエマルジョン樹脂塗料「CRW(松井色素社製)」に平均粒径10μmのシリコンビーズ10重量%分散させたコート剤をグラビアコートにて5g/m(dry)塗工したほかは、実施例1と同様にして壁紙を作製した。
比較例2
絵柄層上に、フッ素樹脂含有水性アクリルエマルジョン樹脂塗料「CRWD(松井色素社製)」をグラビアコートにて5g/m(dry)塗工したほかは、実施例1と同様にして壁紙を作製した。
試験例1
各実施例及び比較例で得られたシートについて、耐スクラッチ性(コインスクラッチ)、摩耗性(テーバー摩耗試験)及び耐汚染性を調べた。その結果を表1に示す。
Figure 0004707434
表1中の各物性は、以下の方法により測定・評価した。
(1)耐スクラッチ性(コインスクラッチ)
「水平な面に試験片を置き、10円硬貨を用い、45°の角度で試験片上を荷重100gで引き掻き、表面を観察する。」という測定方法により測定した。試験表面に傷がない場合は「◎」、僅かに傷ついた場合は「○」、明らかに傷ついた場合は「×」と評価した。
(2)摩耗性(テーバー摩耗試験)
JIS K6902の耐摩耗試験に規定された摩耗試験機を用い、軟質摩耗輪:CS−17 荷重:1kg 回転数:200回転の条件で試験後の試験片の表面を観察した。表面のケバ立ちのない場合は「○」、表面がケバ立つ場合は「×」と評価した。
(3)耐汚染性
日本ビニル工業会ビニル建装部会制定の「汚れ防止壁紙性能規定」に準拠して行った。汚染物(コーヒー、醤油、水性サインペン、赤クレヨン)を試験片表面に付着させ24時間放置後に拭取り、汚れの残り具合を目視にて確認し、汚れがほとんど残らないもの場合は「○」、かなり汚れが残るものの場合は「×」と評価した。

Claims (4)

  1. 紙質基材上に少なくとも熱可塑性樹脂層、装飾層、並びにウレタンアクリレート系樹脂及びシリコンビーズを含む電離放射線硬化型樹脂層順に積層され、前記電離放射線硬化型樹脂層が最表面層であって、
    前記熱可塑性樹脂層が、少なくとも電子線照射により架橋された発泡剤含有樹脂層が発泡してなる発泡樹脂層を含み、
    前記電離放射線硬化型樹脂層が、電子線照射により架橋硬化されている、
    ことを特徴とする壁装用化粧シート。
  2. 熱可塑性樹脂層が、紙質基材から第1非発泡樹脂層、発泡樹脂層及び第2非発泡樹脂層の順で積層してなる、請求項1に記載の壁装用化粧シート。
  3. 最表面層からエンボス加工を施されてなる、請求項1又は2に記載の壁装用化粧シート。
  4. 以下の(1)〜(3)工程を順に有する、壁装用化粧シートの製造方法:
    (1) 紙質基材上に少なくとも発泡剤含有樹脂層、装飾層、並びにウレタンアクリレート系樹脂及びシリコンビーズを含む電離放射線硬化型樹脂層を順に積層することにより積層体を製造する工程、
    (2) 前記積層体に電子線を照射することにより前記発泡剤含有樹脂層及び前記電離放射線硬化型樹脂層を同時に架橋させる工程、
    (3) 前記発泡剤含有樹脂層を発泡させることにより発泡樹脂層を形成する工程。
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