JP2016190358A - 発泡積層シート - Google Patents

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Abstract

【課題】表面強度だけでなく下地追従性も優れた発泡積層シートを提供すること。
【解決手段】基材上に少なくとも発泡樹脂層を2層有する発泡積層シートであって、
(1)基材側の発泡樹脂層である第1発泡樹脂層が、エチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体以外のオレフィン系樹脂を含有し、
(2)表層側の発泡樹脂層である第2発泡樹脂層が、エチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体を含有する、
発泡積層シート。
【選択図】なし

Description

本発明は、発泡積層シートに関する。
従来、発泡壁紙としては、紙質基材(例えば裏打紙)に、ハロゲンを含有しないオレフィン系樹脂を含有する発泡樹脂層を形成したものが知られている。このハロゲンを含有しないオレフィン系樹脂を含有する発泡樹脂層を形成した発泡壁紙は、塩化ビニル樹脂を含有する発泡樹脂層を有する発泡壁紙に比べて環境に配慮されている一方、表面強度が劣る。そのため、当該ハロゲンを含有しないオレフィン系樹脂を含有する発泡樹脂層を形成した発泡壁紙は、表面強度を付与するために、例えば、発泡樹脂層の発泡倍率を抑える等の手段がとられている。しかしながら、前記手段では、施工時に下地の不陸を隠蔽することができないという問題がある。
上記問題を改善し、表面強度に優れた発泡壁紙として、例えば、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)を含む樹脂組成物より形成された発泡樹脂層を有する発泡壁紙が提案されている(特許文献1)。
特開2008−156811号公報
しかしながら、特許文献1の発泡壁紙は、EMAA樹脂特有の凝集力を有するため、延性及び展性(延展性)に欠ける。そのため、発泡壁紙を施工した後での建物の経年変化、建物の揺れ等による下地のずれ、下地の開き等に対して壁紙が追従して変形することにより、表面にシワ、クラック等の外観変化を生じさせない性質(以下、「下地追従性」という)が不十分であり、クラックが生じやすいという問題がある。
よって、本発明は、表面強度だけでなく下地追従性も優れた発泡積層シートを提供することを目的とする。
本発明者は、表面強度だけでなく下地追従性も優れた発泡積層シートを開発すべく鋭意研究を重ねた結果、発泡樹脂層を少なくとも2層設け、基材側の発泡樹脂層がエチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体以外のオレフィン系樹脂を含有し、表層側の発泡樹脂層がエチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体を含有することにより上記目的を達成できることを見出した。本発明はこのような知見に基づき完成されたものである。
即ち、本発明は、下記の発泡積層シートに係る。
1. 基材上に少なくとも発泡樹脂層を2層有する発泡積層シートであって、
(1)基材側の発泡樹脂層である第1発泡樹脂層が、エチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体以外のオレフィン系樹脂を含有し、
(2)表層側の発泡樹脂層である第2発泡樹脂層が、エチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体を含有する、
発泡積層シート。
2. 前記エチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体以外のオレフィン系樹脂が、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−α,β不飽和カルボン酸エステル共重合体、及びエチレン−ビニルエステル共重合体なる群から選択される少なくとも1種である、上記項1に記載の発泡積層シート。
3. 前記エチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体以外のオレフィン系樹脂が、直鎖状低密度ポリエチレン、及びエチレン−酢酸ビニル共重合体なる群から選択される少なくとも1種である、上記項1又は2に記載の発泡積層シート。
4. 前記エチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体が、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、及びこれらのアイオノマー樹脂からなる群から選択される少なくとも1種である、上記項1〜3のいずれかに記載の発泡積層シート。
5. さらに非発泡樹脂層を有し、該非発泡樹脂層が、前記基材と前記第1発泡樹脂層との間、前記第1発泡樹脂層と前記第2発泡樹脂層との間、及び前記第2発泡樹脂層の上の1箇所以上に形成されている、上記項1〜4のいずれかに記載の発泡積層シート。
本発明の発泡積層シートは、表層側の発泡樹脂層がエチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体を含有していることにより表面強度に優れており、該表層側の発泡樹脂層と基材との間にエチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体以外のオレフィン系樹脂を含有する発泡樹脂層が存在することにより下地追従性に優れる。
本発明の発泡積層シートの層構成の一例を示す断面模式図である。
≪発泡積層シート≫
本発明の発泡積層シートは、基材上に少なくとも発泡樹脂層を2層有する発泡積層シートであって、
(1)基材側の発泡樹脂層である第1発泡樹脂層が、エチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体以外のオレフィン樹脂を含有し、
(2)表層側の発泡樹脂層である第2発泡樹脂層が、エチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体を含有する、ことを特徴とする。
上記特徴を有する本発明の発泡積層シートは、表層側の発泡樹脂層がエチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体を含有していることにより表面強度に優れており、該表層側の発泡樹脂層と基材との間にエチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体以外のオレフィン系樹脂を含有する発泡樹脂層が存在することにより下地追従性に優れる。よって、本発明の発泡積層シートは、発泡壁紙、各種装飾材等として有用である。
以下、図1を参照しつつ、本発明の発泡積層シートについて詳細に説明する。なお、本明細書では、基材から見て発泡樹脂層が積層されている方向を「上」又は「おもて面」と称し、基材から見て発泡樹脂層が積層されている方向とは逆側を「下」又は「裏面」と称する。
図1は、本発明の発泡積層シートの層構成の一例を示すものである。図1に示される発泡積層シート(1)は、基材(2)上に、非発泡樹脂層A(3)、第1発泡樹脂層(4)、非発泡樹脂層B(5)、非発泡樹脂層C(6)、第2発泡樹脂層(7)、非発泡樹脂層D(8)、絵柄模様層(9)及び表面保護層(10)をこの順に有するものである。以下、かかる発泡積層シートの各層について説明する。
基材
基材としては限定されず、公知の繊維質シート(裏打紙)などを利用することができる。
繊維質シートとしては、具体的には、壁紙用一般紙(パルプ主体のシートを既知のサイズ剤でサイズ処理したもの);難燃紙(パルプ主体のシートをスルファミン酸グアニジン、リン酸グアジニン等の難燃剤で処理したもの);水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の無機添加剤を含む無機質紙;上質紙;薄用紙;繊維混抄紙(パルプと合成繊維とを混合して抄紙したもの)などが挙げられる。
なお、本発明に使用される繊維質シートには、分類上、不織布に該当しているものも包含される。本発明においては、樹脂層との密着性を良好とする観点から、上記で例示した繊維質シートのうち、壁紙用一般紙、難燃紙を用いることが好ましい。
繊維質シートの坪量は限定的ではないが、50〜300g/m程度が好ましく、50〜130g/m程度がより好ましい。
第1発泡樹脂層
本発明の積層シートは、基材の上に少なくとも発泡樹脂層を2層有している。発泡樹脂層は、樹脂及び発泡剤を含有する発泡剤含有樹脂層を発泡させることにより形成することができる。少なくとも2層存在する発泡樹脂層のうち、基材側の発泡樹脂層を第1発泡樹脂層といい、発泡により第1発泡樹脂層を形成する発泡剤含有樹脂層を第1発泡剤含有樹脂層という。第1発泡樹脂層は、第1発泡剤含有樹脂層を発泡させることにより形成されている。第1発泡剤含有樹脂層は、Tダイ製膜法、カレンダー製膜法等の既知の製膜法により形成することができる。
第1発泡剤含有樹脂層に含まれる樹脂成分としては、エチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体以外のオレフィン系樹脂を使用する。エチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体以外のオレフィン系樹脂として、例えば、ポリエチレン(PE)、エチレン−α,β不飽和カルボン酸エステル共重合体、及びエチレン−ビニルエステル共重合体が挙げられる。
ポリエチレン(PE)として、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)等が挙げられる。これらのポリエチレンの中で、下地追従性に対する効果の観点から、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)等が好ましく、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)がより好ましい。LLDPEは、エチレンと炭素数3〜20程度のα−オレフィンを共重合することにより得られる長鎖分岐の少ないポリエチレンである。LLDPEの合成に用いられるα−オレフィンとしては、炭素数4〜10程度のものが好ましく、具体的には1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン等が挙げられる。LLDPEの密度は通常0.850〜0.938g/cm程度であり、0.890〜0.925g/cm程度が好ましい。
エチレン−α,β不飽和カルボン酸エステル共重合体におけるエチレンと共重合可能な不飽和カルボン酸エステル成分として、具体的には、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等が挙げられる。エチレン−α,β不飽和カルボン酸エステル共重合体として、具体的には、エチレン−メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−メチルメタクリレート共重合体(EMMA)、エチレン−エチルメタクリレート共重合体等が挙げられる。
エチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体以外のオレフィン系樹脂は、カルボキシル基を有さないため、延伸性を有する。そのため、第1発泡剤含有樹脂層にこのような樹脂成分を用いることで、発泡積層シートは下地のずれ、下地の開き等に追従することができ、クラックの発生を防ぐことができる。これらのエチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体以外のオレフィン系樹脂は単独で又は2種以上を混合して使用することができる。これらのエチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体以外のオレフィン系樹脂の中でも、下地追従性に対する効果の観点から、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、及びエチレン−酢酸ビニル共重合体が好ましい。
また、エチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体以外のオレフィン系樹脂としてコポリマーを使用する場合、エチレン以外のモノマーの含有量としては、5〜25重量%が好ましく、9〜20重量%がより好ましい。このような共重合比率を採用することにより、より下地追従性が高まる。具体例としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体は、酢酸ビニルの共重合比率(VA量)としては9〜25重量%が好ましく、9〜20重量%がより好ましい。
第1発泡剤含有樹脂層は、本発明の目的を阻害しない範囲において、樹脂成分としてエチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体以外のオレフィン系樹脂ではない他の樹脂を含むことが可能である。他の樹脂として、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリフェニレンスルファイド、ポリエーテルエーテルケトン等が挙げられる。前記他の樹脂を含む場合、エチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体以外のオレフィン系樹脂の含有量は、50重量%以上が好ましく、80重量%以上がより好ましい。
第1発泡剤含有樹脂層を形成する樹脂組成物としては、例えば、上記樹脂成分、無機充填剤、顔料、熱分解型発泡剤、発泡助剤、架橋助剤等を含む樹脂組成物を好適に使用することができる。その他にも、安定剤、滑剤等を添加剤として使用することができる。
熱分解型発泡剤としては、例えば、アゾジカルボンアミド(ADCA)、アゾビスホルムアミド等のアゾ系;オキシベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)、パラトルエンスルホニルヒドラジド等のヒドラジド系などが挙げられる。熱分解型発泡剤の含有量は、発泡剤の種類、発泡倍率等に応じて適宜設定できる。発泡倍率の観点からは、7倍以上、好ましくは7〜10倍程度であり、熱分解型発泡剤は、樹脂成分100質量部に対して、1〜20質量部程度とすることが好ましい。
発泡助剤は、金属酸化物及び/又は脂肪酸金属塩が好ましく、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、オクチル酸亜鉛、オクチル酸カルシウム、オクチル酸マグネシウム、ラウリン酸亜鉛、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム等を使用することができる。これらの発泡助剤の含有量は、樹脂成分100質量部に対して、0.3〜10質量部程度が好ましく、1〜5質量部程度がより好ましい。
無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、三酸化アンチモン、ホウ酸亜鉛、モリブデン化合物等が挙げられる。無機充填剤を含むことにより、目透き抑制効果、表面特性向上効果、燃焼時発熱抑制効果等が得られる。無機充填剤の含有量は、樹脂成分100質量部に対して0〜100質量部程度が好ましく、20〜70質量部程度がより好ましい。
顔料については、無機顔料として、例えば、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、黒色酸化鉄、黄色酸化鉄、黄鉛、モリブデートオレンジ、カドミウムイエロー、ニッケルチタンイエロー、クロムチタンイエロー、酸化鉄(弁柄)、カドミウムレッド、群青、紺青、コバルトブルー、酸化クロム、コバルトグリーン、アルミニウム粉、ブロンズ粉、雲母チタン、硫化亜鉛等が挙げられる。また、有機顔料として、例えば、アニリンブラック、ペリレンブラック、アゾ系(アゾレーキ、不溶性アゾ、縮合アゾ)、多環式(イソインドリノン、イソインドリン、キノフタロン、ペリノン、フラバントロン、アントラピリミジン、アントラキノン、キナクリドン、ペリレン、ジケトピロロピロール、ジブロムアンザントロン、ジオキサジン、チオインジゴ、フタロシアニン、インダントロン、ハロゲン化フタロシアニン)等が挙げられる。顔料の含有量は、樹脂成分100質量部に対して10〜50質量部程度が好ましく、15〜30質量部程度がより好ましい。
本発明では、第1発泡剤含有樹脂層は電子線照射により樹脂架橋されていてもよい。第1発泡剤含有樹脂層に電子線を照射する方法及び発泡させる方法としては、後記の製造方法に記載された方法に従って実施すればよい。
なお、第1発泡剤含有樹脂層の厚みは30〜50μm程度が好ましく、発泡後の第1発泡樹脂層の厚みは300〜500μm程度が好ましい。
第2発泡樹脂層
本発明の積層シートが有する少なくとも2層の発泡樹脂層のうち、表層側の発泡樹脂層を第2発泡樹脂層といい、発泡により第2発泡樹脂層を形成する発泡剤含有樹脂層を第2発泡剤含有樹脂層という。第2発泡剤含有樹脂層も、第1発泡剤含有樹脂層と同様に、Tダイ製膜法、カレンダー製膜法等の既知の製膜法により形成することができる。
第2発泡剤含有樹脂層に含まれる樹脂成分として、エチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体を使用する。エチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体として、例えば、アクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも1種のモノマーとエチレンとの組み合わせにより得られる共重合体が挙げられる。エチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体として、より具体的には、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)及びこれらのアイオノマー樹脂の少なくとも1種を用いることが好ましく、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)がより好ましい。ここで、EMAA又はEAAのアイオノマー樹脂とは、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)又はエチレン−アクリル酸共重合体(EAA)に金属カチオンを加えて分子間結合させることにより製造される樹脂である。第2発泡樹脂層にこのようなカルボキシル基を有する樹脂成分を用いることで、特に樹脂中の水素結合等に起因する強固な層を形成することができるので、優れた耐スクラッチ性、耐摩耗性等を得ることができる。これらは公知又は市販のものを使用することができる。
前記重合体におけるアクリル酸又はメタクリル酸の含有量は5〜25重量%程度であることが好ましく、9〜15重量%がより好ましい。このような樹脂も市販品を使用することができる。
第2発泡剤含有樹脂層は、本発明の目的を阻害しない範囲において、樹脂成分としてエチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体以外の他の樹脂を含むことが可能である。他の樹脂として、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリフェニレンスルファイド、ポリエーテルエーテルケトン等が挙げられる。前記他の樹脂を含む場合、エチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体の含有量は、50重量%以上が好ましく、80重量%以上がより好ましい。
第2発泡剤含有樹脂層を形成する樹脂組成物としては、例えば、上記樹脂成分、無機充填剤、顔料、熱分解型発泡剤、発泡助剤、架橋助剤等を含む樹脂組成物を好適に使用することができる。その他にも、安定剤、滑剤等を添加剤として使用することができる。無機充填剤、顔料、熱分解型発泡剤、発泡助剤、架橋助剤等は、上記第1発泡剤含有樹脂層で挙げられたものと同様のもの使用することができる。
ただし、発泡助剤(金属酸化物及び/又は脂肪酸金属塩)とエチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)とアゾジカルボンアミド(ADCA)発泡剤とを組み合わせて用いる場合には、発泡工程において、EMAAのアクリル酸部と金属系発泡助剤との反応により、発泡助剤としての効果が損なわれるという問題がある。そのため、EMAAとADCA発泡剤とを組み合わせて用いる場合には、特開2009−197219号公報に説明されている通り、発泡助剤としてカルボン酸ヒドラジド化合物を用いることが好ましい。このとき、カルボン酸ヒドラジド化合物はADCA発泡剤1質量部に対して0.2〜1質量部程度用いることが好ましい。
第2発泡剤含有樹脂層も、第1発泡剤含有樹脂層と同様に、電子線照射により樹脂架橋されていてもよい。第2発泡剤含有樹脂層に電子線を照射する方法及び発泡させる方法としては、後記の製造方法に記載された方法に従って実施すればよい。
なお、第2発泡剤含有樹脂層の厚みは30〜50μm程度が好ましく、発泡後の第2発泡樹脂層の厚みは200〜300μm程度が好ましい。
本発明の積層シートが、発泡樹脂層を3層以上有する場合、最も基材側の発泡樹脂層が第1発泡樹脂層であり、最も表層側の発泡樹脂層が第2発泡樹脂層である。第1発泡樹脂層と第2発泡樹脂層との間にある発泡樹脂層は、第1発泡樹脂層又は第2発泡樹脂層のいずれかと同じでもよいし、従来の発泡樹脂層に広く使用される他の樹脂成分を含む層とすることもできる。
非発泡樹脂層
第1発泡樹脂層及び第2発泡樹脂層は、その片面又は両面に非発泡樹脂層を有していてもよい。
例えば、第1発泡樹脂層の裏面(基材が積層される面)には、基材との接着力を向上させる目的で非発泡樹脂層A(接着樹脂層)を有してもよい。
非発泡樹脂層Aの樹脂成分としては、特に限定はないが、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)が好ましい。EVAは公知又は市販のものを使用することができる。特に、酢酸ビニル成分(VA成分)が10〜46質量%であるものが好ましく、15〜41質量%であるものがより好ましい。
また、第1発泡樹脂層の上面、及び第2発泡樹脂層の裏面には、第1発泡樹脂層と第2発泡樹脂層との接着性を向上させる目的で、それぞれ非発泡樹脂層B、及び非発泡樹脂層Cを有していてもよい。
非発泡樹脂層B及び非発泡樹脂層Cの樹脂成分としては、ポリオレフィン系樹脂、メタクリル系樹脂、熱可塑性ポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられ、その中でもポリオレフィン系樹脂が好ましい。
ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリイソプレン等の樹脂単体;エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体等のエチレン−(メタ)アクリル酸系共重合体;エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体、アイオノマー等の少なくとも1種が挙げられる。なお、「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸又はメタクリル酸を意味し、他の(メタ)と記載された部分についても同様である。
非発泡樹脂層B及び非発泡樹脂層Cの樹脂成分としては、両層の接着性を良好とする観点から、極性を有する樹脂同士の組み合わせ、又は無極性の樹脂同士の組み合わせとすることが好ましく、極性を有する樹脂同士の組み合わせとすることが特に好ましい。極性を有する樹脂としては、上記した樹脂のうち、エチレン−(メタ)アクリル酸系共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー等が挙げられる。また、無極性の樹脂としては、上記した樹脂のうち、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリイソプレン等が挙げられる。
また、第2発泡樹脂層の上面には、絵柄模様層を形成する際の絵柄模様を鮮明にしたり発泡樹脂層の耐傷性を向上させたりする目的で非発泡樹脂層Dを形成してもよい。
非発泡樹脂層Dの樹脂成分としては、非発泡樹脂層B及び非発泡樹脂層Cで挙げたものと同様のものが挙げられる。耐傷性を良好とする観点からは、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、アイオノマー等が特に好ましい。
非発泡樹脂層A、B、C及びDの厚みは限定的ではないが、それぞれ2〜50μm程度が好ましく、5〜20μm程度がより好ましい。
本発明では、後記製造上の観点からも、非発泡樹脂層A、第1発泡樹脂層及び非発泡樹脂層B、並びに非発泡樹脂層C、第2発泡樹脂層及び非発泡樹脂層Dが順に形成された態様が好ましい。
絵柄模様層
本発明の積層シートは、第2発泡樹脂層、非発泡樹脂層D、又は後述のプライマー層の上には、必要に応じて絵柄模様層を形成してもよい。
絵柄模様層は、積層シート及び発泡積層シートに意匠性を付与する。絵柄模様としては、例えば木目模様、石目模様、砂目模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、布目模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、抽象模様、草花模様等が挙げられ、目的に応じて選択できる。
絵柄模様層は、例えば、絵柄模様を印刷することで形成できる。印刷手法としては、グラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷等が挙げられる。印刷インキとしては、着色剤、結着材樹脂、溶剤を含む印刷インキが使用できる。これらのインキは公知又は市販のものを使用してもよい。
着色剤としては、例えば、前記の発泡剤含有樹脂層で使用されるような顔料を適宜使用することができる。
結着材樹脂は、絵柄模様層を形成する下地の種類に応じて設定できる。例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アルキド系樹脂、石油系樹脂、ケトン樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、繊維素誘導体、ゴム系樹脂等が挙げられる。
溶剤(又は分散媒)としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の石油系有機溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−2−メトキシエチル、酢酸−2−エトキシエチル等のエステル系有機溶剤;メチルアルコール、エチルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール系有機溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系有機溶剤;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系有機溶剤;ジクロロメタン、四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等の塩素系有機溶剤;水などが挙げられる。これらの溶剤(又は分散媒)は、単独又は混合物の状態で使用できる。
絵柄模様層の厚みは、絵柄模様の種類より異なるが、一般には0.1〜10μm程度とすることが好ましい。
プライマー層
第2発泡樹脂層、非発泡樹脂層D、又は絵柄模様層の上には、必要に応じてプライマー層を形成してもよい。
プライマー層に含有される樹脂としては、例えば、アクリル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、ポリウレタン、塩素化ポリプロピレン、塩素化ポリエチレン等を使用することができるが、特にアクリル、塩素化ポリプロピレン等が望ましい。
アクリルとしては、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸プロピル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、(メタ)アクリル酸エチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体等の(メタ)アクリル酸エステルを含む単独又は共重合体からなるアクリル樹脂が挙げられる。
ポリウレタンとはポリオール(多価アルコール)を主剤とし、イソシアネートを架橋剤(硬化剤)とする組成物である。
ポリオールとしては、分子中に2個以上の水酸基を有するもので、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール等が用いられる。
また、イソシアネートとしては、分子中に2個以上のイソシアネート基を有する多価イソシアネートが用いられる。例えば、2−4トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、4−4ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、或いはヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族(又は脂環族)イソシアネートが用いられる。
プライマー層の厚さは限定的ではないが、0.1〜10μm程度が好ましく、0.1〜5μm程度がより好ましい。
表面保護層
第2発泡樹脂層、非発泡樹脂層D、絵柄模様層又はプライマー層の表面には艶調整及び/又は絵柄模様層の保護を意図して表面保護層を有してもよい。
表面保護層の種類は限定的ではない。艶調整を目的とする表面保護層であれば、例えば、シリカなどの既知フィラーを含む表面保護層がある。表面保護層の形成方法としては、グラビア印刷などの公知の方法が採用できる。
積層シートの表面強度(耐スクラッチ性など)、耐汚染性、絵柄模様層の保護等を目的として表面保護層を形成する場合には、電離放射線硬化型樹脂を樹脂成分として含有するものが好適である。電離放射線硬化型樹脂としては、電子線照射によってラジカル重合(硬化)するものが好ましい。
エンボス
発泡積層シートのおもて面にはエンボス模様を付してもよい。この場合、最表面層(繊維質シートと反対側)の上からエンボス加工すれば良い。エンボス加工は、エンボス版の押圧等、公知の手段により実施することができる。例えば、最表面層が表面保護層である場合は、そのおもて面を加熱軟化後、エンボス版を押圧することにより所望のエンボス模様を賦型できる。エンボス模様としては、例えば木目板導管溝、石板表面凹凸、布表面テクスチャア、梨地、砂目、ヘアライン、幾何学模様、万線条溝、輪郭模様等がある。
≪発泡積層シートの製造方法≫
本発明の発泡積層シートの製造方法は限定的ではないが、例えば、基材、第1発泡剤含有樹脂層及び第2発泡剤含有樹脂層の上に絵柄模様層を形成した後、絵柄模様層の上に表面保護層を形成して積層シートとし、次いで熱処理することにより第1発泡剤含有樹脂層及び第2発泡剤含有樹脂層を発泡させてそれぞれ第1発泡樹脂層及び第2発泡樹脂層にすることにより製造することができる。
第1発泡剤含有樹脂層及び第2発泡剤含有樹脂層の片面又は両面に非発泡樹脂層を有する場合には、発泡剤含有樹脂層と非発泡樹脂層とを、押出し製膜により形成してもよいし、各フィルムを熱ラミネートすることにより形成してもよいが、Tダイ押出し機による同時押出し製膜が好適である。例えば、第1発泡剤含有樹脂層の両面に非発泡樹脂層を有する場合には、3つの層に対応する溶融樹脂を同時に押出すことにより3層の同時製膜が可能なマルチマニホールドタイプのTダイを用いることで、非発泡樹脂層A/第1発泡剤含有樹脂層/非発泡樹脂層Bの3層からなる積層体を同時に製膜することができる。さらに、非発泡樹脂層C/第2発泡剤含有樹脂層/非発泡樹脂層Dの3層からなる積層体についても同様の手段により製膜し、非発泡樹脂層Bと非発泡樹脂層Cとが接するようにして2つの積層体を熱ラミネート等の手段により積層することで、第1発泡剤含有樹脂層と第2発泡剤含有樹脂層とを含有する積層体を得ることができる。
なお、第1発泡剤含有樹脂層及び第2発泡剤含有樹脂層を形成する樹脂組成物に無機充填剤が含まれる場合であって、第1発泡剤含有樹脂層及び第2発泡剤含有樹脂層を押出し製膜により形成する場合には、押出し機の押出し口(いわゆるダイス)に無機充填剤の残渣(いわゆる目やに)が発生し易く、これが第1発泡剤含有樹脂層及び第2発泡剤含有樹脂層の表面の異物となり易い。そのため、第1発泡剤含有樹脂層及び第2発泡剤含有樹脂層を形成する樹脂組成物に無機充填剤が含まれる場合には、上記のように3層同時押出し製膜することが好ましい。即ち、第1発泡剤含有樹脂層又は第2発泡剤含有樹脂層を非発泡樹脂層によって挟み込んだ態様で同時押出し製膜することにより、前記目やにの発生を抑制することができる。
第1発泡剤含有樹脂層及び第2発泡剤含有樹脂層を製膜した後は、電子線照射を行ってもよい。これにより樹脂成分を架橋して発泡樹脂層の表面強度、発泡特性等を調整することができる。電子線のエネルギーは、150〜250kV程度が好ましく、175〜200kV程度がより好ましい。照射量は、10〜100kGy程度が好ましく、10〜50kGy程度がより好ましい。電子線源としては、公知の電子線照射装置が使用できる。この電子線照射は、絵柄模様層又は表面保護層を形成した後に行ってもよい。
第2発泡剤含有樹脂層の上には、必要に応じて、絵柄模様層及びプライマー層を任意の順序で形成した後、必要に応じて、表面保護層を形成して積層シートとし、次に熱処理して第1発泡剤含有樹脂層及び第2発泡剤含有樹脂層を第1発泡樹脂層及び第2発泡樹脂層にすることで発泡積層シートが得られる。
熱処理条件は、熱分解型発泡剤の分解により発泡樹脂層が形成される条件であればよく、加熱温度は210〜240℃程度が好ましく、加熱時間は25〜80秒程度が好ましい。また、エンボス模様を付す場合には、エンボス版の押圧等、公知の手段により実施する。
≪発泡積層シートの施工方法≫
本発明の発泡積層シートは、被施工面に接着剤を塗工した後、当該被施工面に貼着することで施工することができる。本発明の発泡積層シートが適用される被施工面としては特に限定されず、装飾が要求される各種の用途が適用でき、被施工面として壁面及び/又は天井が好適に挙げられる。即ち、本発明の発泡積層シートは、壁紙及び/又は天井材として特に有用である。
本発明の発泡積層シートの施工に用いる接着剤としては特に限定されず、デンプン系接着剤(デンプン糊、デンプン糊に合成樹脂を添加したもの等)、メチルセルロース系接着剤などの慣用の接着剤を、被施工面の種類に応じて選択して使用することができる。
なお、本発明の発泡積層シートの施工方法は、上記の施工方法に限定されず、発泡積層シートの裏側(基材の裏側)に接着剤を塗工後、被施工面に貼着する、一般的な方法により施工することも可能である。
以下に実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。
実施例1
3種3層マルチホールドTダイ押し出し機を用い、非発泡樹脂層A/第1発泡剤含有樹脂層/非発泡樹脂層Bの順に厚み5μm/50μm/5μmになるように押出量を調整し、3層構造の樹脂シート1を形成した。押し出し条件は、シリンダー温度はいずれも120℃とし、ダイス温度もいずれも120℃とした。得られた樹脂シート中の発泡剤含有樹脂層は未発泡の状態を維持していた。得られた樹脂層の両端をスリットして960mm巾にした。
次いで、巾970mmの紙パルプからなる壁紙用紙(WK−665:KJ特殊紙株式会社製)の紙面を120℃となるように加熱して、前記樹脂シート1の非発泡樹脂層Aが壁紙用紙と接するように積層させて、ラミネートロールに通して壁紙用紙と樹脂シート1とを熱圧着させて積層体を得た。このとき、樹脂シート1は壁紙用紙の中央に配置して積層させ、壁紙用紙の両端部の5mmは樹脂シート1が積層されていない状態にした。
その後、上記と同様にして、非発泡樹脂層C/第2発泡剤含有樹脂層/非発泡樹脂層Dの順に厚み5μm/30μm/5μmになるように押出量を調整し、3層構造の樹脂シート2を形成した。得られた樹脂シート中の発泡剤含有樹脂層は未発泡の状態を維持していた。得られた樹脂層の両端をスリットして960mm巾にした。
次いで、上記積層体の紙面を120℃となるように加熱して、前記樹脂シート2の非発泡樹脂層Cが積層体の非発泡樹脂層Bと接するように積層させて、ラミネートロールに通して壁紙用紙/樹脂シート1/樹脂シート2の積層体を得た。
その後、得られた積層体の樹脂シート面に電子線を加速電圧195kV、照射線量30kGyの条件で照射することにより、樹脂シート中の発泡剤含有樹脂層に対して架橋処理を行った。
次いで、積層体の表面(非発泡樹脂層D)に対してコロナ放電処理した後、グラビア印刷機により絵柄印刷として水性インキ(ハイドリック:大日精化工業株式会社製)を用いて布目絵柄を印刷し、絵柄模様層(厚み2μm程度)を形成した。
その後、グラビア印刷機により、絵柄模様層上に、水性インキ(ALTOP−402B:大日精化工業株式会社製、アクリル系1液硬化型樹脂)を印刷して、表面保護層(厚み2μm程度)を形成した。
次に、得られた積層体をオーブンにて加熱(220℃で35秒間)しながら、発泡剤含有樹脂層を発泡させて発泡樹脂層を形成するとともに、表面保護層上に織物調パターンを有する金属ロールを押し付けて型押しすることにより、発泡積層シート(発泡壁紙)を得た。
各層は、それぞれ以下の成分を用いて形成した。
第1発泡剤含有樹脂層は、以下の成分からなる樹脂組成物1により形成した。
(樹脂組成物1)
エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)「EV450:三井・デュポンポリケミカル株式会社製」:100重量部
炭酸カルシウム「ホワイトンH:白石工業株式会社製」:30重量部
二酸化チタン「R101:デュポン株式会社製」:30重量部
発泡剤「ビニホールAC#3:永和化成工業株式会社製」:4重量部
発泡助剤「ジンクステアレートGP:日油株式会社製」:2重量部
第2発泡剤含有樹脂層は、以下の成分からなる樹脂組成物2により形成した。
(樹脂組成物2)
エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂(EMAA)「N1110H:三井・デュポンポリケミカル株式会社製」:100重量部
炭酸カルシウム「ホワイトンH:白石工業株式会社製」:30重量部
二酸化チタン「R101:デュポン株式会社製」:30重量部
発泡剤「ビニホールAC#3:永和化成工業株式会社製」:4重量部
発泡助剤「ADHS:大塚化学株式会社製」:2重量部
非発泡樹脂層A及び非発泡樹脂層Cは、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)「ウルトラセン750:東ソー株式会社製」により形成した。
非発泡樹脂層B及び非発泡樹脂層Dは、エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂「ニュクレルN1560:三井・デュポンポリケミカル株式会社製」により形成した。
実施例2
第1発泡剤含有樹脂層を形成する樹脂組成物1に含まれる樹脂EVAに代えて、LLDPE「カーネルKC570S:日本ポリエチレン株式会社製」を使用する以外は、実施例1と同様にして発泡積層シートを得た。
比較例1
2回目に積層する樹脂シート2の第2発泡剤含有樹脂層を樹脂組成物1により形成したこと以外は、実施例1と同様にして発泡積層シートを得た。
比較例2
1回目に積層する樹脂シート1の第1発泡剤含有樹脂層を樹脂組成物2により形成したこと以外は、実施例1と同様にして発泡積層シートを得た。
比較例3
1回目に積層する樹脂シート1の第1発泡剤含有樹脂層を樹脂組成物2により形成し、2回目に積層する樹脂シート2の第2発泡剤含有樹脂層を樹脂組成物1により形成したこと以外は、実施例1と同様にして発泡積層シートを得た。
試験例1
実施例1−2及び比較例1−3で作製した発泡積層シートの耐傷性及び下地追従性を調べた。各試験方法及びその評価基準は以下の通りである。
(耐傷性)
表面強化性能試験(日本ビニル工業会)の結果、引掻き跡の樹脂の毛羽立ちがない又は僅かにあるものを○、引掻き跡が毛羽立つものを×と評価した。
(下地追従性)
発泡積層シートの裏打紙側に2枚のボード紙を貼り付け、引っ張り試験機(RTC−1250A、株式会社オリエンテック製)を用いて壁紙巾方向に3.0mm/minの速度で3.0mm変位させたときの発泡積層シートの外観を観察した。ここで、「巾方向」とは、流れ方向(シート原反の巻き取り方向(長手方向))の直角方向である。クラック(穴開き)が生じなかったものを○、クラック(穴開き)が生じたものを×と評価した。
結果を以下の表1に示す。
Figure 2016190358
1. 発泡積層シート
2. 基材
3. 非発泡樹脂層A
4. 第1発泡樹脂層
5. 非発泡樹脂層B
6. 非発泡樹脂層C
7. 第2発泡樹脂層
8. 非発泡樹脂層D
9. 絵柄模様層
10.表面保護層

Claims (5)

  1. 基材上に少なくとも発泡樹脂層を2層有する発泡積層シートであって、
    (1)基材側の発泡樹脂層である第1発泡樹脂層が、エチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体以外のオレフィン系樹脂を含有し、
    (2)表層側の発泡樹脂層である第2発泡樹脂層が、エチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体を含有する、
    発泡積層シート。
  2. 前記エチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体以外のオレフィン系樹脂が、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−α,β不飽和カルボン酸エステル共重合体、及びエチレン−ビニルエステル共重合体なる群から選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の発泡積層シート。
  3. 前記エチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体以外のオレフィン系樹脂が、直鎖状低密度ポリエチレン、及びエチレン−酢酸ビニル共重合体なる群から選択される少なくとも1種である、請求項1又は2に記載の発泡積層シート。
  4. 前記エチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体が、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、及びこれらのアイオノマー樹脂からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれかに記載の発泡積層シート。
  5. さらに非発泡樹脂層を有し、該非発泡樹脂層が、前記基材と前記第1発泡樹脂層との間、前記第1発泡樹脂層と前記第2発泡樹脂層との間、及び前記第2発泡樹脂層の上の1箇所以上に形成されている、請求項1〜4のいずれかに記載の発泡積層シート。
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