JP6414616B2 - 積層シート及び発泡積層シート原反 - Google Patents

積層シート及び発泡積層シート原反 Download PDF

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Description

本発明は、積層シート及び発泡積層シート原反に関する。積層シートは、壁紙、各種装飾材等として有用である。また、発泡積層シートは、発泡樹脂層を有しており、発泡壁紙、各種装飾材等として有用である。また、前記発泡積層シート原反は、前記発泡積層シートの発泡前の状態であり、いわゆる未発泡原反を意味する。
従来、住宅等の壁面に使用されている化粧板としては、下地ボード上に接着剤を介して壁紙が積層されたものが知られている。このような化粧板は、防火性能を有することが求められている。具体的に、化粧板が「不燃材料」であるとの認定を取得するためには、ISO5660−1に準拠する防火性能(発熱性)試験においては不燃認定取得可能要件を満たすこと、即ち、加熱開始後から20分間、以下の(i)〜(iii)の要件:
(i)総発熱量が8MJ/m2以下であること、
(ii)防火上有害な裏面まで貫通する亀裂及び穴がないこと、
(iii)最大発熱速度が「10秒以上継続(連続)して200kW/m2以上」を超えないこと、
が要求されている(日本の建築基準法第2条第9号)。また、化粧板が「準不燃材料」であるとの認定を取得するためには、加熱開始から10分間、上記3点の条件を満たすことが
要求されている。
化粧板に対して前記発熱性試験を行う場合、下地ボードとして、通常、石膏ボードが使用される。石膏ボードは石膏を芯材とした板状のボードであって、芯材の表裏を紙で挟んだ構成となっている。この石膏ボードは、12.5mm厚のものが不燃材料として市販されており、9.5mm厚のものが準不燃材料として市販されている。
前記石膏ボードの上に壁紙が積層されている化粧板に対して前記発熱性試験を行うと、最初に壁紙及び石膏ボードの表紙が燃え、数分のうちに壁紙が燃え尽きる。次いで、石膏ボードの裏面まで熱が伝わり、石膏ボードの裏紙が燃える。この裏紙の燃焼により、総発熱量は増加するとともに、石膏ボードは支えを失う。その結果、石膏ボードに亀裂や割れが発生し、石膏ボードが破壊されやすくなる。
このような問題を解決する方法として、壁紙部分の樹脂量を減らす方法が提案されている(特許文献1)。しかしながら、壁紙部分の樹脂量を減らしてしまうと、壁紙に求めら
れる不陸隠蔽性やボリューム感(延いてはエンボスを付与した際の意匠感)が低下してしまうため、好ましい解決方法とはいえない。
また、上記問題を解決する方法として、下地ボードの裏面まで熱が伝わりにくい断熱材の層を下地ボード上に設けることも考えられるが、この場合、通気性が確保されず、(1)
施工時に下地ボードに対して使用する接着剤が乾燥しにくい、(2)下地ボード裏面の湿気
が籠りやすい、(3)壁紙と下地ボードとの間に空気溜りが発生しやすい、等の問題がある
よって、壁紙に求められる不陸隠蔽性やボリューム感を有しつつ、下地ボード上に積層した場合に、下地ボードの裏面まで熱が伝わり難く、長時間加熱しても下地ボードの裏紙が燃えにくい壁紙であり、かつ通気性が確保された壁紙の開発が望まれている。
特開2006-097192号公報
本発明は、不陸隠蔽性やボリューム感を有しつつ、下地ボード上に積層した場合に、下地ボードの裏面まで熱が伝わり難く長時間加熱しても下地ボードの裏紙が燃えにくく、かつ通気性が確保された壁紙として使用できる積層シート、及び当該積層シートが発泡樹脂層を有する場合にこの積層シートの製造に有用な、発泡積層シート原反(未発泡原反)を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、積層シートに対して特定の層を特定の位置に設ける場合には、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の積層シート及び発泡積層シート原反に関する。
1. 貫通孔を有する金属箔上に、樹脂層を有する積層シートであって、
前記金属箔の裏面、又は前記金属箔と前記樹脂層との間に基材層を有し、
前記樹脂層が絵柄模様層を含む積層体であり、
前記樹脂層が貫通孔を有する、
積層シート。
2. 前記基材層が繊維質基材である、上記項1に記載の積層シート。
3. 前記樹脂層が、発泡樹脂層を更に含む、上記項1又は2に記載の積層シート。
4. 前記樹脂層が、前記発泡樹脂層の裏面、上面にそれぞれ非発泡樹脂層B、非発泡樹脂層Aを有する、上記項3に記載の積層シート。
5. 板状基材上に、接着剤を介して上記項1〜4のいずれかに記載の積層シートが積層された化粧板。
6. 前記板状基材が石膏ボードである、上記項5に記載の化粧板。
以下、本発明の積層シート及び発泡積層シート原反について詳細に説明する。
≪積層シート≫
本発明の積層シートは、貫通孔を有する金属箔上に、樹脂層を有することを特徴とする。
上記特徴を有する本発明の積層シートは、貫通孔を有する金属箔上に樹脂層を有することにより、(1)不陸隠蔽性やボリューム感を有し、(2)下地ボード上に積層した際に下地ボードの裏面まで熱が伝わり難く、長時間加熱しても下地ボードの裏紙が燃えにくく、かつ(3)通気性が確保された壁紙として使用できる。
本発明の積層シートの層構成は、貫通孔を有する金属箔上に、樹脂層を有する層構成であれば特に限定されない。例えば、(i)貫通孔を有する金属箔上に、樹脂層が形成された
層構成、(ii)貫通孔を有する金属箔上に、基材層及び樹脂層を当該順に有する層構成、(i
ii)基材層上に、貫通孔を有する金属箔、及び樹脂層を当該順に有する層構成、等が挙げ
られ、特に(ii)又は(iii)が好ましい。以下、(ii)及び(iii)の層構成を例に挙げて各層について説明する。なお、本発明の積層シートは、樹脂層がいわゆる「おもて面」(施工後に視認される面)である。よって、本明細書では、貫通孔を有する金属箔に対して樹脂層が存在する方向を「おもて」又は「上」と称し、その反対側を「裏」又は「下」と称する。
金属箔
本発明の積層シートは、金属箔及び樹脂層を有し、前記樹脂層の裏面側に金属箔が形成されている。金属箔が樹脂層の裏面側に形成されていることにより、積層シートに断熱層(放熱層)が生じ、下地ボード裏面への伝熱が軽減する。そのため、本発明の積層シートを下地ボード上に積層した場合に、長時間加熱しても下地ボードの裏紙が燃えにくい。
金属箔の材質としては、特に限定されず、例えばアルミニウム、鉄、ステンレス、銅等が挙げられる。なかでも、軟らかさ、入手しやすさ等の観点からアルミニウム箔(アルミ箔)が好ましい。
金属箔の厚さは、積層シートを壁紙として施工する際に施工し易いという観点から、10〜50μmが好ましい。
本発明における金属箔は、貫通孔を有する。金属箔が貫通孔を有することにより、下地ボード上に積層シートを積層した場合に、下地ボードとの通気性を確保することができる。そのため、施工時に下地ボードに対して使用する接着剤の乾燥を促進することができ、下地ボード裏面の湿気が籠もることを防ぐこともできる。また、積層シートを下地ボードに貼り付ける際に、積層シートと下地ボードとの間に空気溜りが生じ難く、美しい仕上がりになるという効果が得られる。
金属箔に貫通孔を形成する穿孔加工としては、針などで突き破る方法、打ち抜き加工、レーザー光線による焼き抜き加工、等が挙げられる。針などで突き破る方法としては、例えば、針ロールでの圧着が挙げられる。打ち抜き加工としては、例えば、パンチング機による方法が挙げられる。レーザー光線による焼き抜き加工としては、例えば、レーザー光線穿孔機による方法が挙げられる。なお、貫通孔を有する金属箔は、市販品を使用してもよい。また、金属箔への貫通孔の形成は後述するように、樹脂層と積層する前であっても良く、積層した後であっても良い。
穿孔加工を施すパターンとしては、金属箔に対して格子状、千鳥状、不規則状等、必要に応じて選定することができる。
格子状の穿孔加工を施して貫通孔を形成する場合、1〜20mmピッチが好ましく、2〜10mmピッチがより好ましい。前記「ピッチ」とは、隣接する孔と孔の間隔である。
また、貫通孔の大きさとしては、目立ち難さという理由から、40〜250μm径の貫通孔が好ましく、50〜150μmの貫通孔がより好ましい。
基材層
本発明の積層シートは、基材層を有していてもよい。基材層を有する場合、当該基材層は前記金属箔の裏面、又は前記金属箔と後述する樹脂層との間に形成される。なお、基材層を有さない場合は、上記した金属箔が積層シートにおけるいわゆる基材としての機能を果たすことになる。
基材層としては限定されない。例えば、公知の繊維質基材(裏打紙)などが利用できる。
具体的には、壁紙用一般紙(パルプ主体のシートを既知のサイズ剤でサイズ処理したもの);難燃紙(パルプ主体のシートをスルファミン酸グアニジン、リン酸グアジニン等の難燃剤で処理したもの);水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の無機添加剤を含む無機質紙;上質紙;薄用紙;繊維混抄紙(パルプと合成繊維とを混合して抄紙したもの)などが挙げられる。なお、これらの繊維質基材には、分類上、不織布に該当しているものも包含される。
基材層として繊維質基材を使用する場合、当該繊維質基材自身は空隙を有するため、積層シート全体に対してさらに通気性を付与することができる。そのため、繊維質基材の使用は好ましい態様である。
基材層の坪量は限定的ではないが、50〜300 g/m2程度が好ましく、50〜120 g/m2程度がより好ましい。
基材層は、貫通孔を有していてもよい。基材層が貫通孔を有する場合、積層シート全体に対してさらに通気性を付与することができる。
貫通孔の形成方法としては、前述の金属箔に対する貫通孔の形成方法と同様である。
基材層は、接着剤を介して金属箔のおもて面又は裏面と貼り合わせることができる。当該接着剤としては、特に限定されず、壁紙用途で一般的に使用される接着剤を使用することができる。後述する樹脂層が貫通孔を有さない場合は、透湿性を有する接着剤を使用することが好ましい。透湿性を有する接着剤が金属箔の貫通孔、基材層の貫通孔、基材層が有する空隙等を埋めてしまったとしても、積層シートには通気性が確保される。
透湿性を有する接着剤としては、でん粉単独の接着剤、でん粉・ポリ酢酸ビニル含有接着剤等のでん粉系接着剤が挙げられる。
樹脂層
本発明の積層シートは、貫通孔を有する金属箔上に、樹脂層を有する。当該樹脂層は、1層単層又は2層以上の複数層から構成される。
樹脂層の層構成は、各層が樹脂を含有すれば特に限定されない。例えば、樹脂層として発泡樹脂層単層、発泡樹脂層を含む積層体等が挙げられる。発泡樹脂層を含む積層体の層構成としては、非発泡樹脂層Bの上に、発泡樹脂層、及び非発泡樹脂層Aを当該順に有する層構成が挙げられる。以下、この非発泡樹脂層B、発泡樹脂層及び非発泡樹脂層Aが順に積層された積層体を例に挙げて、各層について説明する。なお、本明細書において、樹脂層が発泡樹脂層又は発泡樹脂層を含む積層体である場合の積層シートを、便宜的に「発泡積層シート」ともいう。本発明の積層シートは、前記発泡積層シートを包含する。
(発泡樹脂層)
本発明における樹脂層は、発泡樹脂層を有していてもよい。
発泡樹脂層に含まれる樹脂成分としては、1)ポリエチレン及び2)エチレンとエチレン以外の成分とをモノマーとするエチレン共重合体(以下、「エチレン共重合体」と略記する)の少なくとも1種が好ましい。
ポリエチレンは、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)等が広く使用できるが、こ
の中でも低密度ポリエチレンが好ましい。
エチレン共重合体は融点及びMFRの観点で押出し製膜に適している。エチレン共重合体
としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸共重
合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−メチルメタクリレー
ト共重合体(EMMA)、エチレン−メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレン−エチ
ルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−αオレフィン共重合体等が挙げられる。
また、発泡樹脂層は、樹脂成分として上記エチレン系樹脂と他の樹脂を併用してもよい。併用する場合のエチレン系樹脂の含有量は、70質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましい。
また、上記エチレン共重合体におけるエチレン以外のモノマーの含有量は、共重合する成分によって適切な共重合比率を採用することにより、押出し製膜性がより高まる。具体的には、エチレン−酢酸ビニル共重合体の場合、酢酸ビニルの共重合比率(VA量)は5〜40質量%が好ましく、10〜30質量%がより好ましい。エチレン−アクリル酸共重合体の場
合、アクリル酸の共重合比率(AA量)として2〜15質量%が好ましく、5〜11質量%がより好ましい。また、エチレン−メタクリル酸共重合体の場合、メタクリル酸の共重合比率(MAA量)として2〜15質量%が好ましく、5〜11質量%がより好ましい。また、エチレン−α
オレフィン共重合体の場合、αオレフィンの共重合比率として0.5〜50質量%が好ましい
本発明では、発泡樹脂層に含まれる樹脂成分は、JIS K 6922に記載の190℃、荷重21.18Nの条件で測定したMFR(メルトフローレート)が10〜35g/10minであることが好ましい。MFRが上記範囲内の場合には、後述する発泡剤含有樹脂層を押出し製膜により形成する際の温度上昇が少なく、非発泡状態で製膜できるため、後に絵柄模様層を形成する場合には、平滑な面に印刷処理をすることができて柄抜け等が少ない。MFRが大きすぎる場合は、樹
脂が軟らかすぎることにより、形成される発泡樹脂層の耐傷性が不十分となるおそれがある。
本発明における発泡樹脂層は、発泡剤含有樹脂層を発泡させることにより得られる。つまり、前記発泡積層シートは、金属箔上に発泡剤含有樹脂層又は発泡剤含有樹脂層を含む積層体を有する発泡積層シート中間体の前記発泡剤含有樹脂層を、発泡させることにより得られる。本明細書において、前記発泡積層シート中間体を、発泡積層シート原反という。
発泡剤含有樹脂層を形成する樹脂組成物としては、例えば、上記樹脂成分、無機充填剤、顔料、熱分解型発泡剤、発泡助剤、架橋助剤等を含む樹脂組成物を好適に使用できる。その他にも、安定剤、滑剤等を添加剤として使用できる。
熱分解型発泡剤としては、例えば、アゾジカルボンアミド(ADCA)、アゾビスホルムアミド等のアゾ系;オキシベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)、パラトルエンスルホニルヒドラジド等のヒドラジド系などが挙げられる。熱分解型発泡剤の含有量は、発泡剤の種類、発泡倍率等に応じて適宜設定できる。発泡倍率の観点からは、7倍以上、好ましく
は7〜10倍程度であり、熱分解型発泡剤は、樹脂成分100質量部に対して、1〜20質量部程
度とすることが好ましい。
発泡助剤は、金属酸化物及び/又は脂肪酸金属塩が好ましく、例えば、ステアリン酸亜
鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、オクチル酸亜鉛、オクチル酸カルシウム、オクチル酸マグネシウム、ラウリン酸亜鉛、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム等を使用することができる。これらの発泡助剤の含有量は、樹脂成分100質量部に対して、0.3〜10質量部程度が好ましく、1〜5質量部程度がより好ましい。
なお、これらの発泡助剤とEMAAのような分子中にカルボキシル基を有する共重合体とADCA発泡剤とを組み合わせて用いる場合には、発泡工程において、前記共重合体のアクリル酸部分と発泡助剤が反応することにより本来の発泡助剤の効果が損なわれるという問題がある。そのため、EMAAのような分子中にカルボキシル基を有する共重合体とADCA発泡剤とを組み合わせて用いる場合には、日本公開公報特開2009-197219号公報に説明されている
通り、発泡助剤としてカルボン酸ヒドラジド化合物を用いることが好ましい。このとき、カルボン酸ヒドラジド化合物はADCA発泡剤1質量部に対して0.2〜1質量部程度用いること
が好ましい。
無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、三酸化アンチモン、ホウ酸亜鉛、モリブデン化合物、タルク等が挙げられる。無機充填剤を含むことにより、目透き抑制効果、表面特性向上効果等が得られる。無機充填剤の含有量は、樹脂成分100質量部に対して0〜100質量部程度が好ましく、20〜70質量部程
度がより好ましい。
顔料については、無機顔料として、例えば、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、黒色酸化鉄、黄色酸化鉄、黄鉛、モリブデートオレンジ、カドミウムイエロー、ニッケルチタンイエロー、クロムチタンイエロー、酸化鉄(弁柄)、カドミウムレッド、群青、紺青、コバルトブルー、酸化クロム、コバルトグリーン、アルミニウム粉、ブロンズ粉、雲母チタン、硫化亜鉛等が挙げられる。また、有機顔料として、例えば、アニリンブラック、ペリレンブラック、アゾ系(アゾレーキ、不溶性アゾ、縮合アゾ)、多環式(イソインドリノン、イソインドリン、キノフタロン、ペリノン、フラバントロン、アントラピリミジン、アントラキノン、キナクリドン、ペリレン、ジケトピロロピロール、ジブロムアンザントロン、ジオキサジン、チオインジゴ、フタロシアニン、インダントロン、ハロゲン化フタロシアニン)等が挙げられる。顔料の含有量は、樹脂成分100質量部に対して5〜50質量部程度が好ましく、15〜30質量部程度がより好ましい。
本発明では、発泡剤含有樹脂層は電子線照射により樹脂架橋されていてもよい。発泡剤含有樹脂層に電子線を照射する方法及び発泡させる方法としては、後記の製造方法に記載された方法に従って実施すればよい。なお、発泡剤含有樹脂層の厚さは40〜100μm程度が好ましく、発泡後の発泡樹脂層の厚さは300〜700μm程度が好ましい。
(非発泡樹脂層A及びB)
本発明における樹脂層は、非発泡樹脂層を有していてもよい。
例えば、発泡樹脂層の裏面(基材層又は金属箔が積層される面)には、基材層又は金属箔との接着力を向上させる目的で非発泡樹脂層B(接着樹脂層)を有してもよい。
接着樹脂層の樹脂成分としては、特に限定はないが、基材層と積層される場合にはエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)が好ましく、金属箔と積層される場合にはエチレン−
アクリル酸(EAA)及び/又はエチレン−メタクリル酸(EMAA)が好ましい。EVAは公知又は市販のものを使用することができる。特に、酢酸ビニル成分(VA成分)が10〜46質量%であるものが好ましく、15〜41質量%であるものがより好ましい。EAAやEMAAについても
公知又は市販のものを使用することができる。特に、アクリル酸又はメタクリル酸成分(
AA成分、MAA成分)が4〜15質量%であるものが好ましく、9〜15質量%であるものがより好
ましい。
接着樹脂層の厚さは限定的ではないが、5〜50μm程度が好ましい。
発泡樹脂層の上面には、絵柄模様層を形成する際の絵柄模様を鮮明にしたり発泡樹脂層の耐傷性を向上させたりする目的で非発泡樹脂層Aを有してもよい。
非発泡樹脂層Aの樹脂成分としては、ポリオレフィン系樹脂、メタクリル系樹脂、熱可
塑性ポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられ、その中でもポリオレフィン系樹脂が好ましい。
ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリイソプレン等の樹脂単体、エチレンと炭素数が4以上のαオレフ
ィンの共重合体(線状低密度ポリエチレン)、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)等のエチレン−(メタ)アクリル酸系共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、アイオノマー等の少
なくとも1種が挙げられる。なお、「(メタ)アクリル」は、アクリル又はメタクリルを
意味し、他の類似する部分についても同様である。
非発泡樹脂層Aの厚さは限定的ではないが、5〜50μm程度が好ましい。
(絵柄模様層)
本発明における樹脂層は、絵柄模様層を有していてもよい。絵柄模様層は、例えば、非発泡樹脂層A上に形成することができる。
絵柄模様層は、積層シートに意匠性を付与する。絵柄模様としては、例えば木目模様、石目模様、砂目模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、布目模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、抽象模様等が挙げられる。絵柄模様は、積層シートの種類に応じて選択できる。
絵柄模様層は、例えば、絵柄模様を印刷することで形成できる。印刷手法としては、グラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷等が挙げられる。印刷インキとしては、着色剤、結着材樹脂、溶剤を含む印刷インキが使用できる。これらのインキは公知又は市販のものを使用してもよい。
着色剤としては、例えば、前記の発泡剤含有樹脂層で使用されるような顔料を適宜使用することができる。
結着材樹脂は、非発泡樹脂層Aの種類に応じて設定できる。例えば、アクリル系樹脂、
スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アルキド系樹脂、石油系樹脂、ケトン樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、繊維素誘導体、ゴム系樹脂等が挙げられる。
溶剤(又は分散媒)としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の石油系有機溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−2−メトキシエチル、酢酸−2−エトキシエチル等のエステル系有機溶剤;メチルアルコール、エチルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、
イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール系有機溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系有機溶剤;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系有機溶剤;ジクロロメタン、四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等の塩素系有機溶剤;水などが挙げられる。これらの溶剤(又は分散媒)は、単独又は混合物の状態で使用できる。
絵柄模様層の厚みは、絵柄模様の種類より異なるが、一般には0.1〜10μm程度とすることが好ましい。
(保護層)
本発明における樹脂層は、保護層を有してもよい。保護層は、例えば、非発泡樹脂層A
(又は絵柄模様層)の表面に形成することができる。保護層は、積層シート又は前記の発泡積層シート原反表面の艶を調整したり、表面に強度や耐汚染性を付与するために形成される層である。また、積層シート又は発泡積層シート原反に絵柄模様層を設ける場合には、保護層は前記絵柄模様層を保護するために必要に応じて前記絵柄模様層の上に形成される層である。
保護層の形成に使用される樹脂成分としては、熱可塑性樹脂や硬化性樹脂等の公知の樹脂成分の中から適宜選定すればよい。
保護層の形成に使用される熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂の中でも、好ましくは、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体等のエチレン(メタ)アクリル酸系共重合体樹脂;エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA);エチレン−酢酸ビニル共重合体樹
脂ケン化物;アイオノマー;エチレン−オレフィン共重合体等のエチレン共重合体;ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、1種単独又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、保護層の形成にエチレン共重合体のような架橋可能な熱可塑性樹脂を使用する場合には、必要に応じて、前記熱可塑性樹脂に架橋処理を行ってもよい。
また、保護層の形成に使用される硬化性樹脂としては、特に制限されず、例えば、常温硬化性樹脂、加熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂、1液反応硬化性樹脂、2液反応硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂等のいずれであってもよいが、好ましくは1液反応硬化性
樹脂が挙げられる。これらの硬化性樹脂の中でも、好ましくは、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂等が挙げられ、更に好ましくは1液反応硬化性アクリル系樹脂が挙げられる。こ
れらの硬化性樹脂は、1種単独又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、保護層の形成に硬化性樹脂を使用する場合、必要に応じて、硬化反応を進行させるために、架橋剤、重合開始剤、重合促進剤等を用いてもよい。
また、保護層は、単層からなるものであってもよく、同一の又は異なる2以上の層が積
層されているものであってもよい。例えば、最表面に硬化性樹脂で形成した層が形成され、その下層に熱可塑性樹脂で形成した層が積層されている2層構造であってもよい。
保護層の厚さは、特に限定されないが、例えば1〜20μmが好ましく、1〜15μmがより好ましい。
保護層の形成は、使用する樹脂成分の種類に応じた方法を採用すればよい。例えば、熱
可塑性樹脂を用いて保護層を形成する場合であれば、予め作製された熱可塑性樹脂フィルムを絵柄模様層の表面に貼り付けることにより保護層を形成してもよく、また、絵柄模様層の表面に熱可塑性樹脂を押出して製膜することにより保護層を形成してもよい。
また、硬化性樹脂を用いて保護層を形成する場合であれば、例えば、硬化性樹脂に必要に応じて各種添加剤を含有する樹脂組成物を、グラビアコート、バーコート、ロールコート、リバースロールコート、コンマコート等の方法で非発泡樹脂層A、又は絵柄模様層に
塗工した後に、必要に応じて加熱等により前記樹脂組成物を乾燥及び硬化させることによって行われる。
また、保護層を形成する前には、接着性を考慮して、非発泡樹脂層A、又は絵柄模様層
の表面にコロナ処理やプラズマ処理などの表面処理や、プライマー層を設けても良い。
プライマー層に含有される樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、ポリウレタン、塩素化ポリプロピレン、塩素化ポリエチレン等を使用することができるが、特にアクリル樹脂、塩素化ポリプロピレン等が望ましい。
プライマー層の厚さは限定的ではないが、0.1〜10μm程度が好ましく、0.1〜5μm程度
がより好ましい。
また、保護層が熱可塑性樹脂で成形されている場合、保護層の接着性を考慮して、保護層と非発泡樹脂層A又は絵柄模様層との間に接着性樹脂層を形成してもよい。接着性樹脂
層に含有される樹脂としては、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリオレフィンに無水マレイン酸、アクリル酸等の極性基を重合した樹脂等が挙げられ、貼り合せる層によって適宜選定される。
接着性樹脂層の厚さは、1〜10μm程度が好ましく、3〜5μm程度がより好ましい。
樹脂層は、貫通孔を有していてもよい。樹脂層が貫通孔を有する場合、積層シート全体に対してさらに通気性を付与することができる。
貫通孔の形成方法としては、前述の金属箔に対する貫通孔の形成方法と同様である。
樹脂層が有する貫通孔は、金属箔が有する貫通孔と連結する(同調する)ように形成されていることが好ましい。この場合、下地ボードから金属箔(及び基材層)を経て樹脂層のおもて面までの通気性を確保することができる。なお、金属箔(及び基材層)が有する貫通孔と連結するように樹脂層に貫通孔を形成する場合、その形成方法は、金属箔(及び基材層)並びに樹脂層を積層した積層体に対して、前述の穿孔加工を行えばよい。
樹脂層全体の厚さは、300〜700μmであることが好ましい。樹脂層全体の厚さが上記範
囲内であることにより、優れた不陸隠蔽性やボリューム感を有しながら、長時間加熱しても下地ボードの裏紙が燃えにくい積層シートが得られる。
本発明における積層シートは、最表面層の上からエンボス加工が施されていてもよい。エンボス加工は、エンボス版等の公知の手段により実施することができる。例えば、最表面層が上記保護層である場合に、保護層を加熱軟化後、エンボス版を押圧することにより所望のエンボス模様を賦型できる。エンボス模様としては、例えば、木目板導管溝、石板表面凹凸、布表面テクスチャア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等がある。
≪発泡積層シート≫
発泡積層シートは、上述の通り、樹脂層が発泡樹脂層又は発泡樹脂層を含む積層体である場合の積層シートを意味するものであり、発泡積層シート原反の発泡剤含有樹脂層を発泡することにより得られる。発泡時の加熱条件は、熱分解型発泡剤の分解により発泡樹脂層が形成される条件ならば限定されない。加熱温度は210〜240℃程度が好ましく、加熱時間は20〜80秒程度が好ましい。
≪積層シートの製造方法≫
積層シートの製造方法としては、特に限定されず、(1)金属箔上に樹脂層を積層した後
、少なくとも金属箔に対して貫通孔を形成する方法、(2)貫通孔を有する金属箔を予め用
意し、当該金属箔上に樹脂層を積層する方法、等が挙げられる。また、発泡積層シート(樹脂層が発泡樹脂層又は発泡樹脂層を含む積層体である場合の積層シート)の製造方法としては、例えば、(1)金属箔及び発泡剤含有樹脂層上に絵柄模様層を形成後、絵柄模様層
上に保護層を形成して発泡積層シート原反とし、次いで熱処理することにより発泡剤含有樹脂層を発泡樹脂層にした後、さらに少なくとも金属箔に対して貫通孔を形成する方法、(2)貫通孔を有する金属箔を予め用意し、当該金属箔上に発泡剤含有樹脂層及び絵柄模様
層を積層した後、絵柄模様層上に保護層を形成して発泡積層シート原反とし、次いで熱処理することにより発泡剤含有樹脂層を発泡樹脂層にする方法、等が挙げられる。
発泡剤含有樹脂層の形成方法としては、特に限定されず、押出し成形、カレンダー成形、塗布成形(樹脂エマルション含有樹脂組成物の塗布)等が挙げられる。発泡剤含有樹脂層がその片面又は両面に非発泡樹脂層(非発泡樹脂層A及び/又はB)を有する場合には、Tダイ押出し機による同時押出し製膜が好適である。例えば、両面に非発泡樹脂層を有する場合には、3つの層に対応する溶融樹脂を同時に押出すことにより3層の同時成膜が可能なマルチマニホールドタイプのTダイや、フィードブロックを有するTダイを用いることができる。
なお、発泡剤含有樹脂層を形成する樹脂組成物に無機充填剤が含まれる場合であって、発泡剤含有樹脂層を押出し製膜により形成する場合には、押出し機の押出し口(いわゆるダイス)に無機充填剤の残渣(いわゆる目やに)が発生し易く、これが発泡剤含有樹脂層表面の異物となり易い。そのため、発泡剤含有樹脂層を形成する樹脂組成物に無機充填剤が含まれる場合には、上記のように3層同時押出し製膜することが好ましい。即ち、発泡
剤含有樹脂層を非発泡樹脂層によって挟み込んだ態様で同時押出し製膜することにより、前記目やにの発生を抑制することができる。
発泡剤含有樹脂層を製膜後は、必要に応じて電子線照射を行う。これにより樹脂成分を架橋して発泡樹脂層の表面強度、発泡特性等を調整することができる。電子線のエネルギーは、150〜250kV程度が好ましく、175〜200kV程度がより好ましい。照射量は、10〜100kGy程度が好ましく、10〜50kGy程度がより好ましい。電子線源としては、公知の電子線照
射装置が使用できる。なお、この電子線照射は、絵柄模様層や表面保護層を形成した後でもよい。
発泡剤含有樹脂層上には、必要に応じて、絵柄模様層、及び保護層を順次積層する。この際、印刷、塗布などのコーティング、押出し製膜等を組み合わせることにより積層することができる。印刷、塗布等のコーティングは常法に従って行うことができる。
次いで、発泡剤含有樹脂層を加熱することにより発泡樹脂層を形成する。加熱条件は、熱分解型発泡剤の分解により発泡樹脂層が形成される条件ならば限定されない。加熱温度は210〜240℃程度が好ましく、加熱時間は20〜80秒程度が好ましい。
≪化粧板≫
本発明の積層シートは、各種板状基材と接合することにより、化粧板とすることができる。
板状基材は、石膏ボード(主原料の半水石膏と少量の軽量骨材などの混合物を芯とし、その両面を厚紙で被覆して板状に成形したもの)が好ましい。板状基材が石膏ボードである場合、当該化粧板は、優れた不陸隠蔽性及びボリューム感を有しながら、長時間加熱しても石膏ボードの裏紙が燃えにくい。
本発明の積層シートと板状基材とを接合させる方法としては、接着剤を使用する方法が挙げられる。前記接着剤としては、カビの発生源となる湿気が板状基材又はその付近に籠もるのを防ぐという観点から、透湿性を有する接着剤が好ましい。
透湿性を有する接着剤としては、でん粉単独の接着剤、でん粉・ポリ酢酸ビニル含有接着剤等のでん粉系接着剤が挙げられる。
本発明の積層シートは、特に貫通孔を有する金属箔上に樹脂層を有することにより、不陸隠蔽性やボリューム感を有し、下地ボード上に積層した際に下地ボードの裏面まで熱が伝わり難く、長時間加熱しても下地ボードの裏紙が燃えにくい壁紙であり、かつ通気性が確保された壁紙として使用できる。
本発明の実施例1及び比較例1の化粧板、並びに参考例の石膏ボードに対する発熱性評価試験の結果を示す。x軸:加熱時間(分)であり、y軸:発熱量(積算)(MJ/m2)である。 本発明の積層シートの一態様における断面の模式図を示す。 本発明の積層シートの他の態様における断面の模式図を示す。 本願明細書における実施例1の積層シートの断面の模式図を示す。 本願明細書における実施例2の積層シートの断面の模式図を示す。
以下に実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。
実施例1
3種3層Tダイ押出し機を用いて、非発泡樹脂層A/発泡剤含有樹脂層/非発泡樹脂層Bの
順に厚み5μm/50μm/5μmになるように、3層同時押出し製膜をした。これにより、非発泡樹脂層A/発泡剤含有樹脂層/非発泡樹脂層Bが順に積層された樹脂層(坪量:69 g/m2
)を得た。なお、前記各層の組成は、以下の表1に示す。
次に、繊維質基材(裏打紙)(WK−665、KJ特殊紙株式会社製、坪量:65 g/m2)を120
℃となるように加熱し、前記樹脂層の非発泡樹脂層B側に積層した。積層は、ラミネート
ロールを用いて熱圧着させた。これにより、裏打紙及び前記樹脂層からなる発泡積層シート原反(坪量:134 g/m2)を得た。
次に、前記原反の樹脂面側(非発泡樹脂層A側)から電子線照射(200kV 30kGy)を行った。その後、220℃で35秒間加熱して、発泡剤含有樹脂層を発泡樹脂層とした。
次に、裏打紙の裏面に、でんぷん・ポリ酢酸ビニル含有接着剤(パラダイン8020 矢沢
化学工業株式会社製)を介して、厚み11μmのアルミ箔を貼り合わせた。なお、前記接着
剤の塗布量を76 g/m2とした。
次に、非発泡樹脂層A上から2mmピッチの針ロールを用いて穿孔加工を行うことにより、非発泡樹脂層A表面からアルミ箔に至る貫通孔を形成した。これにより、積層シート(発
泡積層シート)を得た。
Figure 0006414616
実施例2
非発泡樹脂層Bの樹脂成分を、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)に代えて、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA、製品名:ニュクレルN1560、三井デュポンポリケミカル(株)製)を使用する以外は、実施例1と同様にして、非発泡樹脂層B、発泡樹脂層及び非発
泡樹脂層Aが順に積層された樹脂層(坪量:69 g/m2)を得た。
次に、厚み11μmのアルミ箔を、前記樹脂層の非発泡樹脂層B側に積層した。積層は、ラミネートロールを用いて熱圧着させた。
次に、前記アルミ箔の裏面に、でんぷん・ポリ酢酸ビニル含有接着剤(パラダイン8020
矢沢化学工業株式会社製)を介して、繊維質基材(裏打紙)(WK−665、KJ特殊紙株式
会社製、坪量:65 g/m2)を貼り合わせた。なお、前記接着剤の塗布量を76 g/m2とした。
次に、非発泡樹脂層A上から2mmピッチの針ロールを用いて穿孔加工を行うことにより、非発泡樹脂層A表面から裏打紙に至る貫通孔を形成した。これにより、積層シートを得た
。なお、前記穿孔加工により、前記アルミ箔にも貫通孔が形成されている。
比較例1
接着剤を介したアルミ箔の貼り合わせを行わない以外は、実施例1と同様にして積層シ
ートを得た。
比較例2
穿孔加工を行わない以外は、実施例1と同様にして積層シートを得た。
評価試験1:発熱性評価試験
厚み12.5mmの不燃石膏ボード(タイガーボード、吉野石膏株式会社製)の上に、でんぷん・ポリ酢酸ビニル含有接着剤(パラダイン8020 矢沢化学工業株式会社製)を介して、実施例1及び比較例1の積層シートを貼り合わせて、実施例1及び比較例1の化粧板を得た。不燃石膏ボードと積層シートとの貼り合わせは、不燃石膏ボードとアルミ箔とを接着させるようにして行われた。
なお、実施例1の化粧板における不燃石膏ボードと積層シートとの間の前記接着剤の塗
布量を76g/m2とした。これにより、実施例1の化粧板全体における接着剤の塗布量は154 g/m2となった。一方、比較例1の化粧板における前記接着剤の塗布量を151 g/m2とした。
次に、実施例1及び比較例1の化粧板を、24時間連続して質量変化が無くなるまで乾燥させた。
次に、実施例1及び比較例1の化粧板に対して、ISO5660-1コーンカロリーメーター法に
準拠し、20分間の試験を行った。なお、発熱性評価試験において、株式会社東洋精機製作所製コーンカロリーメーターを使用し、輻射熱は50 KW/m2とした。
結果を以下の図1に示す。なお、不燃石膏ボード(タイガーボード、吉野石膏株式会社
製)に対して上記試験を行った結果を、参考例として併せて図1に示す。
≪考察≫
図1に示す通り、実施例1及び比較例1の化粧板は、いずれも化粧板の壁紙部分が燃えるため、発熱量が一気に立ち上がる。
アルミ箔を有していない比較例1の化粧板は、加熱時間が12〜14分後くらいから不燃石
膏ボードの裏面の紙が焼け始めるので、その際に発熱量が急激に立ち上がる。そして、加熱時間が20分後には、総発熱量が8MJ/m2を超えてしまう。
これに対して、アルミ箔を有している実施例1の化粧板は、不燃石膏ボードへの熱の伝
わり方が緩やかであるため、加熱時間が20分後においても総発熱量が8MJ/m2を超えない
評価試験2:透気抵抗度評価試験
JIS P8117.6に記載の王研式試験機法に基づいて、実施例1及び比較例2の積層シートの
透気抵抗度を測定した。
具体的には、紙の一方の面から他方の面に空気が抜ける速さ(空気の透過速度)によって決まる圧力を測定し、ISO透気度及び透気抵抗度を求めることができる。ISO透気度と王研式透気度試験機による透気抵抗度指示値の平均値(s)との関係式は、以下の式:
P=127/tk
(なお、PはISO透気度[μm/(Pa・s)]であり、tkは王研式透気度試験機による透気
抵抗度指示値の平均値(s)である)で示される。
測定装置としては、JIS P 8117:2009 紙及び板紙−透気度及び透気抵抗度試験方法(中間領域)−ガーレー法 6 王研式試験機法 を使用することができる。
その結果、実施例1の積層シートは20秒であり、比較例2の積層シートは22000秒であっ
た。
1. 金属箔
2. 貫通孔
3. 接着剤
4. 基材層
5. 非発泡樹脂層B
6. 発泡樹脂層
7. 非発泡樹脂層A
8. 樹脂層

Claims (6)

  1. 貫通孔を有する金属箔上に、樹脂層を有する積層シートであって、
    前記金属箔の裏面、又は前記金属箔と前記樹脂層との間に基材層を有し、
    前記樹脂層が絵柄模様層を含む積層体であり、
    前記樹脂層が貫通孔を有する、
    積層シート。
  2. 前記基材層が繊維質基材である、請求項1に記載の積層シート。
  3. 前記樹脂層が、発泡樹脂層を更に含む、請求項1又は2に記載の積層シート。
  4. 前記樹脂層が、前記発泡樹脂層の裏面、上面にそれぞれ非発泡樹脂層B、非発泡樹脂層Aを有する、請求項3に記載の積層シート。
  5. 板状基材上に、接着剤を介して請求項1〜4のいずれかに記載の積層シートが積層された化粧板。
  6. 前記板状基材が石膏ボードである、請求項5に記載の化粧板。
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