JP2000325218A - 防音床用マット - Google Patents

防音床用マット

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JP2000325218A
JP2000325218A JP11140037A JP14003799A JP2000325218A JP 2000325218 A JP2000325218 A JP 2000325218A JP 11140037 A JP11140037 A JP 11140037A JP 14003799 A JP14003799 A JP 14003799A JP 2000325218 A JP2000325218 A JP 2000325218A
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JP
Japan
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resin
thermoplastic resin
mat
foam
weight
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JP11140037A
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English (en)
Inventor
Kenji Iuchi
謙治 居内
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い防音性能、良好な歩行感を両立すること
ができ、かつ耐水、耐久性を有し、さらにリサイクル可
能で、焼却時に有害ガスの発生しない防音床用マットを
提供する。 【解決手段】 無架橋ポリエチレン系樹脂と、無架橋ポ
リプロピレン系樹脂と、架橋性シラン変性ポリプロピレ
ン系樹脂と、発泡剤とからなる樹脂組成物を架橋し、発
泡してなる発泡体と、目付量10〜300g/m2 の不
織布とが積層され、上記不織布が、太さが10〜100
デニールの糸が50重量%以上含有されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防音床用マットに
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、集合住宅の床材としては、カーペ
ット、ジュウタン等がよく用いられていた。しかし、カ
ーペットやジュウタンは、カビやダニが発生しやすく、
かつ汚れ易い事から、近年、掃除がし易く、衛生的な硬
質板状体を用いた床材の要望が高まっている。しかしな
がら、硬質板状体を用いた床材は、衝撃による音が発生
しやすく、階下への生活音つまり歩行音や物の落下音が
伝わりやすいという問題点を有していた。
【0003】上記のような問題点を解消する方法として
硬質板状体裏面に発泡体や、不織布等の多孔体を緩衝層
として積層した床材が数多く提案されている。
【0004】例えば、実開昭56ー3945号公報に
は、厚さ0.3〜15mmの硬質板状体の裏面に20〜
100mmの発泡体を積層した床材が提案されている。
しかしながら、通常使用される均質な発泡体は、厚み方
向に一定の発泡倍率となされており、、沈み込みを小さ
くするために高い圧縮弾性率を付与すると、曲げ弾性率
がおのずと高くなり、高い防音性は期待できない。
【0005】そこで、異なる発泡倍率の発泡体を複数
枚、硬質板状体の裏面に積層した床材も提案されてい
る。例えば、 1)硬質板状体の裏面に、発泡倍率3〜10倍の軟質高
発泡体および1.5〜3倍未満の軟質低発泡体を順次形
成した床材(実公昭52ー30125号公報)、 2)硬質板状体の裏面に隣接する上下の緩衝層の発泡倍
率を相互に異ならせたものであり、この緩衝層が10〜
50倍の高発泡層と5〜20倍の低発泡層とからなる床
材(実公平3ー21395号公報)、 等が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】衝撃力を受けた場合、
これらの緩衝層は変形し、衝撃作用時間が延長すること
により、衝撃力のピーク値や衝撃固有周波数を低下さ
せ、衝撃による音や振動の伝搬を防止し、防音性を向上
させるものであるが、硬質板状体の剛性が大きいため、
高い防音性を発現するためには緩衝層を厚くする必要が
ある。したがって、防音性の高い床材は荷重に対する沈
み込みが大きくなり、床材上面の歩行時に「船酔い現
象」と称される違和感を覚えるという新しい問題が発生
した。
【0007】本発明は上記の課題を解決し、高い防音性
能、良好な歩行感を両立することができ、かつ耐水、耐
久性を有し、さらにリサイクル可能で、焼却時に有害ガ
スの発生しない防音床用マットを提供することを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明(以
下、「本発明」という)の防音床用マットは、無架橋ポ
リエチレン系樹脂と、無架橋ポリプロピレン系樹脂と、
架橋性シラン変性ポリプロピレン系樹脂と、発泡剤とか
らなる樹脂組成物を架橋し、発泡してなる発泡体と、目
付量10〜300g/m2 の不織布とが積層され、上記
不織布が、太さが10〜100デニールの糸が50重量
%以上含有されているものである。
【0009】上記無架橋ポリエチレン系樹脂としては、
例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直
鎖状低密度ポリエチレン又はこれらの混合物などがあげ
られる。上記無架橋ポリプロピレン系樹脂としては、例
えば、ランダムポリプロピレン、ホモポリプロピレン、
ブロック状ポリプロピレン、又はこれらの混合物などが
挙げられる。
【0010】上記無架橋ポリエチレン系樹脂と、無架橋
ポリプロピレン系樹脂との構成比率は、無架橋ポリエチ
レン系樹脂が少なすぎると発泡倍率が十分得られず、逆
に高すぎると得られる発泡体の耐熱性が不足するので2
〜8:8〜2が好ましい。
【0011】上記架橋性シラン変性ポリプロピレン系樹
脂とは、ポリプロピレン系樹脂を不飽和シラン化合物で
グラフト変性したものをいう。このような樹脂としては
例えば、三菱化学社製、品番「XPM800HM」など
が挙げられる。架橋性シラン変性ポリプロピレン系樹脂
の添加量は、多すぎると架橋がかかりすぎ、得られる熱
可塑性樹脂発泡体の発泡倍率が低下し、また、少なすぎ
ると、セルが破泡し、均一な発泡セルが得られなくなる
ので、シラングラフト重合体の添加量は、熱可塑性樹脂
中5〜50重量%が好ましく、10〜35重量%がさら
に好ましい。
【0012】上記架橋性シラン変性ポリプロピレン系樹
脂を用いてシラン架橋する場合には、必要に応じてシラ
ン架橋触媒を用いてもよい。シラン架橋触媒は、シラン
グラフト重合体同士の架橋反応を促進するものであれ
ば、特に限定されず、例えば、ジブチル錫ジアセテー
ト、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレー
ト、オクタン酸錫、オレイン酸錫、オクタン錫鉛、2−
エチルヘキサン酸亜鉛、オクタン酸コバルト、ナフテン
酸鉛、カブリル酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛等が挙げられ
る。
【0013】上記シラン架橋触媒の添加量が多くなる
と、得られる熱可塑性樹脂発泡体の発泡倍率が低下し、
また、少なくなると、架橋反応速度が低下し、架橋に時
間を要するので、上記全熱可塑性樹脂100重量部に対
して、シラン架橋触媒の添加量は、0.001〜10重
量部の範囲が好ましく、0.01〜0.1重量部がより
好ましい。
【0014】本発明において使用される発泡剤として
は、通常、熱分解型発泡剤が使用される。上記熱分解型
発泡剤としては、用いられる熱可塑性樹脂の溶融温度よ
り高い分解温度を有するものであれば、特に限定され
ず、例えば、重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、重
炭酸アンモニウム、アジド化合物、ほう水素化ナトリウ
ム等の無機系熱分解型発泡剤;アゾジカルボンアミド、
アゾビスホルムアミド、アゾビスイソブチロニトリル、
アゾジカルボン酸バリウム、ジアゾアミノベンゼン、
N,N´−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、P−
トルエンスルホニルヒドラジド、P,P´−オキシビス
ベンゼンスルホニルヒドラジド、トリヒドラジノトリア
ジン等が挙げられ、熱可塑性樹脂としてポリオレフィン
系エチレン樹脂を用いる場合は、分解温度や分解速度の
調整が容易でガス発生量が多く、衛生上優れているアゾ
ジカルボンアミドが好ましい。
【0015】上記熱分解型発泡剤の添加量が多すぎる
と、破泡し、均一なセルが形成されず、逆に少なすぎる
と十分に発泡しなくなることがあるため、熱分解型発泡
剤は、熱可塑性樹脂100重量部に対し、1〜25重量
部の割合で含有させることが好ましい。
【0016】上記熱可塑性樹脂組成物には、必要に応じ
て、床材の剛性を高めるために、ガラス短繊維、炭素短
繊維、ポリエステル短繊維等の補強材;炭酸カルシウ
ム、水酸化アルミニウム、ガラスパウダー等の充填材等
を添加してもよい。
【0017】上記樹脂組成物は、無架橋ポリエチレン系
樹脂と、無架橋ポリプロピレン系樹脂と、架橋性シラン
変性ポリプロピレン系樹脂、発泡剤、及び、必要に応
じ、シラン架橋触媒、補強材、充填材等を溶融混練した
ものである。溶融混練する方法は、均一に混合し得る方
法であれば、特に限定されず、例えば、熱可塑性樹脂及
びシラングラフト重合体を1軸または2軸押出機に供給
し、溶融混練する方法、ロールを用いて溶融混練する方
法、ニーダーを用いて溶融混練する方法等が挙げられ
る。
【0018】上記樹脂組成物は、請求項2に示すよう
に、発泡性熱可塑性樹脂粒状体が平面的に略均一に配置
されており、かつ前記発泡性熱可塑性樹脂粒状体が発泡
性熱可塑性樹脂薄膜を介して一体的に連結されている発
泡性熱可塑性樹脂シート状体を形成しているのが好まし
い。
【0019】発泡性熱可塑性樹脂粒状体の大きさは特に
限定されないが、直径1〜10mm、好ましくは2〜8
mm程度、高さ1〜20mm、好ましくは2〜10mm
程度の円柱状をなしていることが好ましい。発泡性熱可
塑性樹脂粒状体の大きさが小さすぎても大きすぎても、
発泡が均一に行うことが困難になる。
【0020】上記発泡性熱可塑性樹脂粒状体の間隔とし
ては特に限定されないが、粒状体の大きさに応じて設定
を行う。具体的には、粒状体の直径の2〜5倍程度に設
定することが好ましい。間隔が狭すぎると発泡の際に横
方向への粒状体の膨張が制限されるために高倍率品が得
られず、逆に広すぎると得られる発泡体の圧縮強度が不
足し、歩行時の沈み量が大きくなる。
【0021】発泡性熱可塑性樹脂薄膜の厚みとしては、
薄すぎると、得られる床材が歩行時及び重量物を載置し
たときに破壊しやすくなり、厚すぎると相対的に熱可塑
性樹脂発泡体中に占める割合が増え、床材の軽量化が困
難になり、防音性能が低下するので、100μm〜5m
mが好ましく、さらに好ましくは300μm〜3mmで
あり、500μm〜2mmが特に好ましい。なお、薄膜
の厚みは、均一である必要はなく、不均一であっても良
い。また、薄膜は、完全な平板である必要はなく、多少
の凹凸があってもよい。ここで、薄膜の厚みとは、熱可
塑性樹脂発泡体の厚さ方向に平行な断面の平均厚さをい
う。
【0022】上記高発泡体の発泡倍率は、低すぎると、
床材の軽量化が困難になり、且つ弾性率が増大するた
め、防音性能が低下し、高すぎると床材の沈み込み量が
増加し、又、歩行時及び重量物を載置したときに破壊し
やすくなるので、2〜100倍が好ましく、さらに好ま
しくは5〜50倍であり、10〜35倍が特に好まし
い。
【0023】上記高発泡体の大きさは、小さすぎると床
材の軽量化が困難になり、大きすぎると得られる床材が
歩行時及び重量物を載置したときに破壊しやすくなるの
で3〜50mmが好ましく、さらに好ましくは5〜30
mmである。なお、高発泡部の大きさは、均一である必
要はなく、不均一であってもよい。ここで、高発泡部の
大きさとは、熱可塑性樹脂発泡体の厚さ方向に平行な断
面の大きさの最大値をいう。
【0024】上記低発泡薄膜の発泡倍率は、低すぎる
と、床材の軽量化が困難になり、且つ弾性率が増大する
ため、防音性能が低下し、高すぎると床材の沈み込み量
が増加し、又、歩行時及び重量物を載置したときに破壊
しやすくなるので、1.1〜10倍が好ましく、さらに
好ましくは1.2〜7倍であり、1.2〜5倍が特に好
ましい。
【0025】上記低発泡薄膜の厚みは、薄すぎると高発
泡体部分が相対的に大きくなり、得られる床材の圧縮強
度が低下し、厚すぎると防音性能が低下するので、30
〜500μmが好ましく、さらに好ましくは40〜40
0μmであり、50〜400μmが特に好ましい。な
お、低発泡薄膜の厚みは、均一である必要はなく、不均
一であってもよい。ここで、低発泡薄膜の厚みとは、熱
可塑性樹脂発泡体の熱可塑性樹脂発泡体の厚さ方向に平
行な断面の平均厚さをいう。
【0026】上記樹脂組成物を架橋するには、通常水処
理による。上記水処理方法は、水中に浸漬する方法のほ
か、水蒸気にさらす方法も含まれ、かかる場合、100
℃より高い温度で処理する場合には、加圧下において行
えばよい。
【0027】上記水処理の際の水及び水蒸気の温度が低
いと、架橋反応速度が低下し、また、高すぎると発泡性
熱可塑性樹脂が熱で融着してしまうことがあるので、5
0〜130℃が好ましく、90〜120℃が特に好まし
い。
【0028】また、水処理する際の時間が短いと、架橋
反応が完全に進行しない場合があるので、水処理時間は
0.5〜12時間の範囲とすることが好ましい。架橋性
シラン変性ポリプロピレン系樹脂シラングラフト重合体
の添加量が多すぎると、架橋がかかりすぎ、得られる熱
可塑性樹脂発泡体の発泡倍率が低下し、また、少なすぎ
ると、セルが破泡し、均一な発泡セルが得られなくなる
ので、シラングラフト重合体の添加量は、全熱可塑性樹
脂中5〜50重量%が好ましく、10〜35重量%が特
に好ましい。
【0029】架橋された樹脂組成物は、発泡剤の分解温
度以上に加熱され、発泡体が得られる。
【0030】上記熱可塑性樹脂発泡体は、好ましくは上
記発泡性熱可塑性樹脂シート状体を、上記発泡剤の分解
温度以上に加熱し発泡させ、得られた発泡体を冷却する
ことにより、製造することができる。
【0031】例えば、上記発泡性熱可塑性樹脂シート状
体を発泡させると、発泡性熱可塑性樹脂粒状体の部分が
発泡するが、このとき、発泡性粒状体の外表面は発泡に
より生じる気泡を保持し難いため内部に比べ発泡倍率が
低くなり、低発泡薄膜となる。このような低発泡薄膜
は、粒状体の内部の発泡により、隣接する粒状体の低発
泡薄膜と近接し熱融着する。この結果、発泡性粒状体の
内部の高い発泡倍率の高発泡体の外表面を低発泡薄膜が
被覆した状態となり、かつ複数の高発泡体が互いに低発
泡薄膜を介して熱融着されている状態となる。上記高発
泡部は連続発泡体の片面上に配置されることが一般的で
あるが、両面に配置されても良い。
【0032】上記高発泡体の発泡倍率は、低すぎると、
床材の軽量化が困難になり、且つ弾性率が増大するた
め、防音性能が低下し、高すぎると床材の沈み込み量が
増加し、又、歩行時及び重量物を載置したときに破壊し
やすくなるので、2〜100倍が好ましく、さらに好ま
しくは5〜50倍であり、10〜35倍が特に好まし
い。
【0033】上記高発泡体の大きさは、小さすぎると床
材の軽量化が困難になり、大きすぎると得られる床材が
歩行時及び重量物を載置したときに破壊しやすくなるの
で3〜50mmが好ましく、さらに好しくは5〜30m
mである。なお、高発泡部の大きさは、均一である必要
はなく、不均一であってもよい。ここで、高発泡部の大
きさとは、熱可塑性樹脂発泡体の厚さ方向に平行な断面
の大きさの最大値をいう。
【0034】上記低発泡薄膜の発泡倍率は、低すぎる
と、床材の軽量化が困難になり、且つ弾性率が増大する
ため、防音性能が低下し、高すぎると床材の沈み込み量
が増加し、又、歩行時及び重量物を載置したときに破壊
しやすくなるので、1.1〜10倍が好ましく、さらに
好ましくは1.2〜7倍であり、1.2〜5倍が特に好
ましい。
【0035】上記低発泡薄膜の厚みは、薄すぎると高発
泡体部分が相対的に大きくなり、得られる床材の圧縮強
度が低下し、厚すぎると防音性能が低下するので、30
〜500μmが好ましく、さらに好ましくは40〜40
0μmであり、50〜400μmが特に好ましい。な
お、低発泡薄膜の厚みは、均一である必要はなく、不均
一であってもよい。ここで、低発泡薄膜の厚みとは、熱
可塑性樹脂発泡体の熱可塑性樹脂発泡体の厚さ方向に平
行な断面の平均厚さをいう。ここで、低発泡薄膜の厚み
とは、熱可塑性樹脂発泡体の熱可塑性樹脂発泡体の厚さ
方向に平行な断面の平均厚さをいう。
【0036】前記高発泡部は連続発泡体の片面上に配置
されることが一般的であるが、両面に配置されても良
い。
【0037】本発明においては、上記のようにして得ら
れた発泡体に、不織布を積層する。不織布の積層位置
は、マットの上面下面何れでもよい。
【0038】上記不織布の糸太さは細すぎると不織布内
の空隙が不足し、良好な防音性能が得られず、逆に太す
ぎると目が粗すぎて不織布を形成することが困難になる
ので、太さが10〜100デニールの糸が50重量%以
上含有されていることが必要であり、好ましくは80重
量%以上である。
【0039】上記不織布の目付量は、少なすぎると良好
な防音性能が得られず、多すぎると歩行時の沈み込み量
が大きくなり歩行感が不良になるため、10〜300g
/m 2 に限定される。
【0040】不織布の素材としてはオレフィン系の材料
をものを用いることが好ましい。オレフィン系素材から
なる不織布は高い防音性能を有し、かつ上記マットと同
じ素材からなるため、耐水性、耐久性にすぐれ、かつ一
括してリサイクルして利用することが可能であるといっ
た特徴を有する。
【0041】上記オレフィン系素材とは、超低密度ポリ
エチレン、直鎖状超低密度ポリエチレン、低密度ポリエ
チレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレ
ン、高密度ポリエチレン、超高密度ポリエチレン、エチ
レン−プロピレンランダム共重合体、エチレン−プロピ
レンブロック共重合体、プロピレン単独重合体等が挙げ
られ、これらは、単独で用いても2種類以上併用して用
いても良い。
【0042】不織布の製造方法としては特に限定されな
いが、例えば、以下のような方法が例示される。繊維を
紡績用の開綿機や混綿機にかけた後、ソ綿機あるいはガ
ーネット機にかけてウェブ(薄綿)状にし、これを平行
または交差させて積み重ねるか、あるいは空気流利用の
Rando-Webberなどによって得られた不規則な配列のウェ
ブを用い、これをガイドスクリーンで送りながら接着剤
液に浸漬、またはスプレーしてマングルで絞り、乾燥及
び熱処理を行う乾式法を用いる。接着剤は天然、合成ラ
テックス、またはこれと尿素、メラミン樹脂剤との併用
が多く、合成ラテックスではアクリロニトリル−ブタジ
エン系やアクリロニトリル系のものを一般的に用いる。
【0043】不織布と発泡体の接着方法としては特に限
定されないが、接着剤による接着の他、熱可塑性樹脂で
形成されていることから、熱融着による方法を用いても
良い。
【0044】不織布の下部には接着剤の含浸を防ぐ目的
で、止水層を設けてもよい。具体的には、各種フィル
ム、不織布、発泡体等が好ましく用いられる。これらは
厚すぎると沈み込みが大きくなるので50μm〜1mm
程度の薄いものが好ましい。
【0045】(作用)本発明の防音床用マットは、無架
橋ポリエチレン系樹脂と、無架橋ポリプロピレン系樹脂
と、架橋性シラン変性ポリプロピレン系樹脂と、発泡剤
とからなる樹脂組成物を架橋し、発泡してなる発泡体
と、目付量10〜300g/m2 の不織布とが積層さ
れ、上記不織布が、太さが10〜100デニールの糸が
50重量%以上含有されているから、得られた床材は、
良好な防音性能と歩行感を両立することができる。
【0046】また、上記樹脂組成物が、発泡性熱可塑性
樹脂粒状体が平面的に略均一に配置されており、かつ前
記発泡性熱可塑性樹脂粒状体が発泡性熱可塑性樹脂薄膜
を介して一体的に連結されている発泡性熱可塑性樹脂シ
ート状体を形成していると、このシート状体を架橋、発
泡して得られた発泡体を用いることにより、さらに良好
な防音性能と歩行感を両立することができる。
【0047】さらに、上記不織布が、オレフィン系樹脂
からなると、耐水性、耐久性を有しており、集合住宅用
として適した材料であるとともに、回収リサイクルして
使用することも可能であり、かつ、焼却処理時に有害ガ
スの発生もない。
【0048】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0049】(実施例1)高密度ポリエチレン(三菱化
学社製、商品名HY340、密度0.952g/cm
3、MI=1.5、融点133℃)25重量部、高密度
ポリエチレン(三菱化学社製、商品名HJ381P、密
度0.951g/cm3、MI=9.0、融点132
℃)25重量部、ポリプロピレン(三菱化学社製、商品
名MA3、密度0.900g/cm3、MI=11、融
点151℃)29重量部、シラン架橋性ポリプロピレン
(三菱化学社製、商品名XPM800HM)21重量
部、シラン架橋触媒(三菱化学社製、商品名PZ−10
S)1重量部、熱分解型発泡剤(大塚化学社製、商品名
アゾジカルボンアミドSO−20)9重量部の混合物
を、2軸押出機(径44mm)にて180℃で溶融混練
し、面長300mm、リップ1.5mmのTダイにより
軟化状態のシート状発泡性熱可塑性樹脂を押出した。
【0050】さらに、高さ5mm、直径4mmの凹部が
千鳥状に配置された賦型ロール(径250mm、面長3
00mm)、及び、円筒状賦型ロール(径250mm、
面長300mm)間に該発泡性熱可塑性樹脂シート状体
を賦型しつつ冷却し、上記のようにして得た、発泡性熱
可塑性樹脂シート状体では、上記賦型ロールの凹部に対
応する部分において発泡性熱可塑性樹脂粒状体が構成さ
れており、該発泡性熱可塑性樹脂粒状体がその端部にて
厚み0.4mmの発泡性熱可塑性樹脂薄膜により連結さ
れて、全体として発泡性熱可塑性樹脂シート状体が構成
されていた。さらに発泡性熱可塑性シート状体を98℃
の熱水中に2時間浸漬した後乾燥させ、架橋された発泡
性熱可塑性樹脂シート状体(架橋度15%)を得た。
【0051】上記架橋された発泡性熱可塑性樹脂シート
状体を、ポリテトラフルオロエチレンシート上に配置
し、一対の無端ベルト間に供給し、発泡体を得た。な
お、発泡性熱可塑性樹脂シート状体の送り速度は0.5
mm/min、加熱装置は長さ5mm、温度210℃、
冷却装置は長さ5mm、温度30℃であった。
【0052】得られた発泡体(発泡倍率 倍、厚み8
mm)の下面に、エチレン−プロピレンランダム共重合
体を芯材とし、低密度ポリエチレンで被覆された形状の
糸からなる不織布(太さ80デニールの糸が80重量%
と5デニールの糸が20重量%の混合物、目付量100
g/m2 )を赤外線ヒーターを用いて接着させ、さら
に、その下面には、架橋ポリエチレンフォーム(積水化
学工業社製、倍率30倍、厚み1mm)を同じく赤外線
ヒーターを用いて接着させた防音床用マットを得た。
【0053】(実施例2)不織布として、太さ80デニ
ールの糸が80重量%と5デニールの糸が20重量%の
混合物、目付量30g/m2 のものを用いたこと以外
は、実施例1と同様にして、防音床用マットを得た。
【0054】(実施例3)不織布として、太さ80デニ
ールの糸が80重量%と5デニールの糸が20重量%の
混合物、目付量250g/m2 のものを用いたこと以外
は、実施例1と同様にして、防音床用マットを得た。
【0055】(実施例4)不織布として、太さ50デニ
ールの糸が90重量%と5デニールの糸が10重量%の
混合物、目付量100g/m2 のものを用いたこと以外
は、実施例1と同様にして、防音床用マットを得た。
【0056】(比較例1)不織布として、太さ5デニー
ルの糸が100重量%、目付量100g/m2 のものを
用いたこと以外は、実施例1と同様にして、防音床用マ
ットを得た。
【0057】(比較例2)不織布として、太さ130デ
ニールの糸が100重量%、目付量100g/m 2 のも
のを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、防音床
用マットを得た。
【0058】(比較例3)不織布として、太さ80デニ
ールの糸が80重量%と5デニールの糸が20重量%の
混合物、目付量5g/m2 のものを用いたこと以外は、
実施例1と同様にして、防音床用マットを得た。
【0059】(比較例4)不織布として、太さ80デニ
ールの糸が80重量%と5デニールの糸が20重量%の
混合物、目付量350g/m2 のものを用いたこと以外
は、実施例1と同様にして、防音床用マットを得た。
【0060】(比較例5)発泡体として、ポリスチレン
発泡体(ダウ加工社製、商品名「スタイロフォームRB
−GK」、厚み12mm、発泡倍率15倍)を用いたこ
と以外は、実施例1と同様にして、防音床用マットを得
た。
【0061】(比較例6)不織布として、軟質連続気泡
ウレタンフォーム(倍率50倍、厚み3.5mm)を用
いたこと以外は、実施例1と同様にして、防音床用マッ
トを得た。
【0062】実施例1〜4、比較例1〜6で得られた防
音床用マットを、以下の評価に供した。
【0063】<防音性能>ラワン合板表面に、厚み0.
3mmの突き板(北三社製、商品名「ホワイトオー
ク」)を水性ビニルウレタン樹脂(光陽産業社製、商品
名「KR120」で接着し、得られた厚み9.0mmの
床板の裏面に、得られた防音床用マットの発泡体側をア
クリル系粘着剤(積水化学工業社製、商品名「#578
2」)を用いて接着したものを、JIS A1418に
準拠して軽量床衝撃レベルLL値を測定した。
【0064】<歩行感>上記床板の裏面に、得られた防
音床用マットの発泡体側をアクリル系粘着剤(積水化学
工業社製、商品名「#5782」)を用いて接着したも
のを、直径50mmの円盤(鋼鉄製)を硬質板状体側に
80kgfの力で押し付け、沈み込み量を測定した。通
常2mm前後、具体的には1.4〜2.6mmが良好と
されている。4mm以上では歩行時にフカフカした不快
感が生じ、0mmではコンクリートの上を歩くように足
の裏が痛くなる。
【0065】<耐侯性>JIS A1415に準拠して
促進暴露試験を行った。試験装置はWS形、試験時間は
72時間とし、外観の変化がなければ○、著しい厚みの
変化、着色等が生じれば×とした。
【0066】<リサイクル性評価>発泡体の下面に、エ
チレン−プロピレンランダム共重合体を芯材とし、低密
度ポリエチレンで被覆された形状の糸からなる不織布
(太さ80デニールが80重量%と5デニールが20重
量%の混合物、目付量100g/m2 )を赤外線ヒータ
ーを用いて接着させたものを、再び発泡体を作成する原
料として20重量%含有させて用いた場合、良好な発泡
体が得られるものを○、そうでないものを×とした。以
上の結果を表1にまとめて示した。
【0067】
【表1】
【0068】
【発明の効果】本発明の防音床用マット防音性温水暖房
床は、上述の如き構成とされているので、防音性能を有
し、かつ歩行感の良好なものとなる。さらに、不織布を
オレフィン系樹脂で構成することにより、回収リサイク
ルして使用することも可能であり、かつ、焼却処理時に
有害ガスの発生もないものとなる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08J 9/06 CES C08J 9/06 CES C08L 23/04 C08L 23/04 23/10 23/10 23/26 23/26 E04F 15/04 601 E04F 15/04 601A 15/18 601 15/18 601F 15/20 15/20 Fターム(参考) 3B120 AB06 BA21 BA38 EB11 EB16 EB30 3D023 BA01 BA02 BA03 BB12 BC01 BD04 BE04 BE06 BE31 4F074 AA17 AA24 BA02 BA04 BA06 BA12 BA13 BA14 BA15 BA16 BA18 BB03 CA23 CC22X CC28Z CC32X CC42 DA57 DA58 4F100 AH03 AH03H AK03B AK04A AK05 AK06 AK07A AK64 AL05A AL08A BA02 BA03 BA07 CA01A DE01A DG15B DJ01A EJ02A EJ05A GB08 JA13B JA20B JB16A JH01 YY00B 4J002 BB02W BB11X BB20Y DF006 DK006 EP016 EQ026 ES006 ET006 FD326 GL00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無架橋ポリエチレン系樹脂と、無架橋ポ
    リプロピレン系樹脂と、架橋性シラン変性ポリプロピレ
    ン系樹脂と、発泡剤とからなる樹脂組成物を架橋し、発
    泡してなる発泡体と、目付量10〜300g/m2 の不
    織布とが積層され、上記不織布が、太さが10〜100
    デニールの糸が50重量%以上含有されていることを特
    徴とする防音床用マット。
  2. 【請求項2】 上記樹脂組成物が、発泡性熱可塑性樹脂
    粒状体が平面的に略均一に配置されており、かつ前記発
    泡性熱可塑性樹脂粒状体が発泡性熱可塑性樹脂薄膜を介
    して一体的に連結されている発泡性熱可塑性樹脂シート
    状体を形成していることを特徴とする請求項1記載の防
    音床用マット。
  3. 【請求項3】 上記不織布が、オレフィン系樹脂からな
    ることを特徴とする請求項1又は2記載の防音床用マッ
    ト。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007021879A (ja) * 2005-07-15 2007-02-01 Sekisui Chem Co Ltd 複合樹脂発泡体およびそれを用いた建築用材料
JP2007514471A (ja) * 2003-11-20 2007-06-07 シャウ インダストリーズ グループ, インコーポレイテッド 熱可塑性樹脂発泡体裏張りを備えるカーペット構造
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