JP2018123494A - 床材 - Google Patents

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Abstract

【課題】接着剤の種類の制限を受けることなく施工することができ、さらに可塑剤の移行が抑制され、施工時に反りや剥がれ、膨れがなく生産性のよい床材を提供する。【解決手段】床材10は、塩化ビニル樹脂による裏面層11を備えた床材10であって、裏面層11の裏面側にアクリル樹脂またはウレタン樹脂のバインダからなるプライマー層12を備えて構成される。床材10の施工の際には、プライマー層12の裏面に接着剤が塗布されて施工される。床材10は、裏面層11の表面側に、基材層16、印刷ベース層15、印刷層14、塩化ビニル樹脂の表面層13、が順に積層されて構成される。【選択図】図1

Description

本発明は、床材に関する。
塩化ビニル樹脂製の床材は、例えば、透明な塩化ビニル樹脂の表面層、印刷層、塩化ビニル樹脂の印刷ベース層、基材層、裏面層を順に積層して構成される。塩化ビニル樹脂製の床材は、安価で施工性に優れ、施工には、接着剤が用いられ、裏面層に接着剤を塗布することで簡単に施工が行われている。
塩化ビニル樹脂製の床材には、例えば裏面層を発泡塩化ビニル樹脂層とするとクッション性があることから重歩行用のクッション床材として用いられている。
塩化ビニル樹脂成分には、フタル酸エステル(DOP)などの可塑剤が含まれる。また、塩化ビニル樹脂のペースト加工を行う場合、カレンダー加工や押出加工に比べて塩化ビニル樹脂成分に前記可塑剤を多く加えて液状にする必要がある。
一方、接着剤としては、通常、ゴムラテック樹脂の接着剤やアクリルエマルジョン樹脂の接着剤が使用されている。
また、接着剤として、特許文献1には、可塑剤の移行を防止できる接着剤が開示されている。
特開2005−186617号公報
床材の施工に、通常使用されているゴムラテックス樹脂の接着剤やアクリルエマルジョン樹脂の接着剤を使用すると、経年変化により床材の裏面層の塩化ビニル樹脂層に含まれる可塑剤が移行して接着剤中に染み込んで接着剤の樹脂成分を軟化させ、接着剤の効力が失われて剥離するなどの問題がある。
そこで、接着剤として上記の通常使用されている接着剤に代えて、エポキシ樹脂の接着剤やウレタン樹脂の接着剤を用いることが行われるが、いずれの接着剤も通常のものに比べ高価であり、床材自体の改良の余地がある。
また、特許文献1に開示された接着剤では、接着剤の塗布量が500g/m2と多く、床材の施工のたびに、専用の接着剤を用意しなければならず、施工の準備が煩雑となるという新たな問題がある。
本発明は、かかる課題と現状に鑑みてなされたものであり、接着剤の種類の制限を受けることなく施工することができ、さらに可塑剤の移行が抑制され、施工時に反りや剥がれ、膨れがなく生産性のよい床材を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明にかかる床材は、
塩化ビニル樹脂による裏面層を備えた床材であって、
前記裏面層の裏面側に接着剤が塗布されるアクリル樹脂またはウレタン樹脂のバインダからなるプライマー層を備える、
ことを特徴とする。
前記プライマー層は、前記バインダにシリカが含まれている、ことが好ましい。
前記プライマー層は、凹凸が形成されている、ことが好ましい。
前記裏面層は、表面側に、基材層、印刷ベース層、印刷層、塩化ビニル樹脂の表面層、が順に積層されて構成される、ことが好ましい。
前記塩化ビニル樹脂の表面層は、表面処理が施されている、ことが好ましい。
前記塩化ビニル樹脂の表面層は、表面に凹凸が形成されている、ことが好ましい。
本発明によれば、接着剤の種類の制限を受けることなく施工することができ、さらに可塑剤の移行が抑制され、施工時に反りや剥がれ、膨れがなく、さらに生産性のよい床材を提供することができる。
本発明の床材の一実施の形態の概略断面図である。
以下、本発明の床材の一実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
本発明の床材10は、少なくとも塩化ビニル樹脂による裏面層11を備えた床材10であって、裏面層11の裏面側にアクリル樹脂またはウレタン樹脂のバインダからなるプライマー層12を備えて構成されている。床材10の施工の際には、プライマー層12の裏面に接着剤が塗布されて接着層が設けられ施工される。
プライマー層12によって床材10の施工に用いる接着剤の制限をなくし、通常の接着剤の使用を可能としている。
床材10は、例えばシート状やタイル状に成形され、裏面層11の表面側には、通常の床材を構成する各層が設けられるが、各層は、特に限定するものではない。
床材10は、床材10を構成する各層として、床材10の表面側から順に、例えば、塩化ビニルの表面層13と、絵柄意匠が印刷された印刷層14と、塩化ビニル樹脂の印刷ベース層15と、ガラス繊維を含む基材層16と、が順に積層されて構成される。すなわち、裏面層11の表面側には、ガラス繊維を含む基材層16と、塩化ビニル樹脂の印刷ベース層15と、絵柄意匠が印刷された印刷層14と、塩化ビニル樹脂の表面層13と、が順に積層されて構成される。
裏面層11は、塩化ビニル樹脂層とされ、例えば、塩化ビニル樹脂、可塑剤、充填材、安定剤、その他の添加剤を混合して、これをペースト状にした後、表裏反転状態の基材層16に塗布乾燥することによってシート状の塩化ビニルの裏面層11が成形される。
塩化ビニル樹脂としては、ポリ塩化ビニルに限らず、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−アクリル共重合体等のコポリマーをも使用することができる。
可塑剤としては、フタル酸ジオクチル(DOP)、フタル酸ジイソノニル(DINP)等のフタル酸系可塑剤や、アジピン酸ジイソノニル(DINA)などのアジピン酸系可塑剤等が使用でき、フタル酸系可塑剤を単独使用しても良いし、フタル酸系可塑剤とアジピン酸系可塑剤とを混合使用することもできる。
塩化ビニル樹脂をペースト加工をする場合は、ペースト加工が可能となる液状にできる量の可塑剤が添加されるため、カレンダー加工や押出加工に比べて多くの可塑剤が添加される。
充填材としては、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、タルク、シリカ、クレー、珪酸カルシウム、アルミナ等を好ましく使用でき、これらは単独で使用しても良いし、適宜の組み合わせによる複数を併用しても良い。
安定剤としては、バリウム系、カリウム系、亜鉛系等を使用することができる。
その他、顔料・染料等の着色剤、発泡剤、難燃剤、酸化防止剤など、通常の塩化ビニル樹脂に配合する一般的な添加剤が使用でき、用途に応じて適宜の量で添加することができる。
塩化ビニル樹脂をシート化する方法としては、前記材料をペースト状にし、基材に塗布後、加熱硬化(ゲル化)させてシート化する方法が採られる。
塩化ビニル樹脂ペーストによる裏面層11は、塩化ビニル樹脂ペーストに発泡剤を含有させて発泡塩化ビニル樹脂ペースト層で構成することもでき、例えばアゾジカルボンアミド(ADCA)等の一般に使われている発泡剤、発泡マイクロカプセルなどでケミカル発泡させたり、機械発泡させたペースト(メカニカルフォーム)を塗布し、ゲル化させたものであっても良い。また、カレンダー加工や、押出加工によりシートを形成しても良い。
プライマー層12は、バインダ等から構成される。バインダを有機溶剤に溶解させ塗料としたものを裏面層11に塗布し、乾燥させることでプライマー層12を形成した。
バインダとして、特に塩化ビニル樹脂との接着性の良いアクリル樹脂、ウレタン樹脂が好ましい。
さらにアクリル樹脂としては、アクリル酸、メタクリル酸、メチルメタアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレートの共重合体等が使用できる。
ウレタン樹脂としては、アクリル変性ウレタン樹脂やウレタン−セルロール系樹脂等が挙げられる。
有機溶剤としては、メチルエチルケトンやメチルイソブチルケトン等を例に挙げることができ、これらを組み合わせて用いることができる。例えば、メチルエチルケトン/メチルイソブチルケトン=1/1として用いる。
プライマー層12に用いる塗料としては、塗料の固形分比が15〜30%であると塗料の流動性がよい。塗料の塗布量は5〜25g/mが良く、5g/m未満では、プライマー層12が薄いため、可塑剤が接着材側に移行する可能性がある。一方、塗布量が25g/mより多いと、可塑剤の移行は防げるもののプライマー層12自体が硬くなる。
このようなプライマー層12を設けることで、裏面層11に含まれる可塑剤が接着剤側に染み出すことが防止される。すなわち、プライマー層12のバインダによって可塑剤の移行が防止され、また。架橋したバインダでも可塑剤の移行を防止することができる。
プライマー層12は、バインダにシリカが含まれていることが好ましい。
アクリル樹脂またはウレタン樹脂は、その樹脂特性により塩化ビニル樹脂と比較して、べたつきがある。そのため、プライマー層12にアクリル樹脂またはウレタン樹脂を使用するとプライマー層表面がべたつく。その結果、床材10の搬送中にシワになり、搬送ロールに床材10が引っかかるため生産性に課題が残る。プライマー層12にシリカが含まれることで、プライマー層表面にシリカの一部が飛び出し、極めて小さい凹凸が形成されるため、プライマー層表面のべたつきがなくなり、床材10にシワが発生せず、搬送ロールに引っかかることがなくなり生産性が向上する。
また、プライマー層12の表面が平滑であると、床材10の作製後に巻き取って保管する際や重ねて保管する際などに、床材10同士の重ね合わされた部分が密着し、ブロッキングが生じてしまうことがある。プライマー層12中にシリカが含まれることで、プライマー層表面にシリカによる極めて小さい凹凸をつくることで、剥がれやすくする。
また、シリカの吸水作用によってプライマー層12が親水性となり、疎水性の可塑剤を弾くようにして入り難くし、プライマー層12への可塑剤の移行を防止することが期待できる。
シリカの添加量は、プライマー層12に用いる塗料を100重量部とした際に、5〜10重量部が望ましく、5重量部未満では、シリカによるプライマー層表面の凹凸がまばらになり、床材10の搬送中にシワが入り、また保管する際にブロッキングしてしまう。さらに可塑剤の移行防止が十分ではない。10重量部より多いと、床材10の搬送中にシワが入らず、また、ブロッキング防止ができ、可塑剤の移行防止はできるが、プライマー層の強度が弱くなる。プライマー層12にシリカを含有させる場合には、プライマー層12の塗料の塗布量が5〜25g/mと接着層の塗布量より薄いので、わずかなシリカの添加量で十分な効果を得ることができる。
プライマー層12は、エンボス加工による凹凸が施されることが好ましい。このエンボス加工が接着剤施工時の接着剤硬化過程で発生する水分(或いは溶剤分)ガスの抜け道となり、接着剤乾燥時のガスによる床材の膨れを防止する。また、床材10の作製後に床材10同士を重ね合わせて保管する際に、プライマー層12のべたつきにより、床材10が密着し剥がれにくくなるブロッキングを抑制する。
床材10の各層を構成する床材10の最表面の塩化ビニル樹脂の表面層13は、床材10として使用する場合の耐摩耗性を確保するための耐摩耗層の働きを有する。表面層13は、厚さが0.2〜0.6mm程度とされ、例えば厚さが0.4mmとされて絵柄が透過して視認できるように、例えば、透明の塩化ビニルシートで構成される。また、表面層13は、裏面層11と同様に、塩化ビニル樹脂層で構成され、例えば発泡剤を含有した透明な塩化ビニル樹脂ペーストを、後述する印刷層14に塗布ゲル化し、その後加熱発泡させて所定の厚さにするようにしても良い。
表面層13には、床材10の絵柄模様に合わせた凹凸加工として、エンボス加工を施したり、エンボス加工に加えて、あるいは、単独で表面処理が施される。
表面処理は、例えば、表面層13の表面に汚れなどをつきにくくするための防汚処理や耐傷性、防滑性などを付与するための処理などがある。表面処理としては、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等からなる塗料を塗布し、電子線や紫外線などで架橋強化された樹脂層を表面処理層17として設ける。
印刷層14は、絵柄意匠を印刷することで形成されるものであり、後述する印刷ベース層15に転写印刷による転写印刷層やグラビア印刷などで直刷り印刷する直刷り印刷層として構成される。印刷層14は、印刷ベース層15の形成と同時に転写印刷したり、印刷ベース層15の形成後に転写印刷や直刷り印刷で形成される。
転写印刷層は、例えば、絵柄意匠が印刷された転写紙などを印刷ベース層15に重ねた後、転写紙などを剥離することで転写印刷される。
また、直刷り印刷層は、例えば、印刷ベース層の裏面に積層されるガラス繊維の基材層16の表面に、印刷ベース層15を形成する塩化ビニル樹脂ペーストを塗布し、加熱ゲル化し固化させて形成された塩化ビニル樹脂ペースト層を印刷ベース層とし、この印刷ベース層の上にグラビア印刷などで絵柄意匠を直接印刷して形成する。
印刷ベース層15は、印刷層14を印刷するための隠蔽性のある塩化ビニル樹脂ペースト層で構成され、例えば白色の塩化ビニル樹脂ペースト層で構成される。印刷ベース層15は、厚さが0.4〜0.6mm程度とされ、例えば厚さが0.5mmの白色の塩化ビニル樹脂ペースト層とされる。印刷ベース層15は、塩化ビニル樹脂ペーストを塗布し、加熱ゲル化して固化させることで構成される。
印刷ベース層15は、非発泡の塩化ビニル樹脂ペースト層とする場合に限らず、既に説明した裏面層11と同様に、発泡塩化ビニル樹脂ペースト層としても良い。
なお、印刷ベース層15は、塩化ビニル樹脂ペースト層で構成される場合のほか、塩化ビニルシ−トで構成するようにしても良い。
基材層16は、例えばガラス繊維層で構成され、床材10の寸法安定性を確保するためのものである。基材層16は、例えば、ガラス不織布とバインダとからなるガラス不織布層で構成される。ガラス不織布の基材層16は、秤量が10〜150g/m2 、望ましくは秤量が40〜100g/m2 とされ、バインダがボンディングされて構成される。バインダとしては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂などが使用でき、1種又は1種以上をブレンドして用いてもよく、特に塩化ビニル樹脂との接着性の良いものが好ましい。
なお、基材層16は、ガラス不織布層で構成する場合のほか、ガラス繊維の織布を用いたガラス繊維層であっても良く、バインダ等を用いて平滑性があり、印刷ベース層15や塩化ビニル樹脂層である裏面層11との接着性を確保できるものであれば良い。
次に、床材10の製造について、説明する。
床材10の製造は、床材10の表裏面を二工程に分けて製造する場合と、表裏面を連続して一工程で製造する場合とがある。
床材10を表裏面に分けて二工程で製造する場合には、ロール状に巻かれているガラス繊維の基材層16を巻き戻し、基材層16の表面側(床材10の表面側)に、印刷ベース層15とする発泡剤含有の塩化ビニル樹脂ペーストを、例えば、スポンジ塗布などで厚さを0.3mm程度として塗布し、加熱ゲル化する。
加熱ゲル化して固化した印刷ベース層15にグラビア印刷などで絵柄層を直接印刷して印刷ベース層15の表面側に印刷層14を形成する。
印刷層14の表面側に、塩化ビニル樹脂の表面層13とする透明な発泡剤を含有する塩化ビニル樹脂ペーストを、厚さを0.3mm程度として上引き塗布し、加熱ゲル化して表面層13とする。
この後、加熱発泡して所定の厚さ、例えば1.5mm程度に仕上げる。
さらに、必要に応じてメカニカルエンボス加工により表面意匠を形成したり、これに加えて最表面にUV硬化塗料にて表面処理を施す。
こうして床材10の表面側の製造が完了した1次品を巻き取って第1の工程が終了する。
次に、床材10の裏面側の製造を行う第2の工程は、巻き取った1次品の表裏を反転して基材層16の裏面側(床材10の裏面側)を上側にして巻き戻し、裏面層11とする発泡剤を含有しない塩化ビニル樹脂ペーストを、例えば厚さを0.5mm程度として塗布し、加熱ゲル化する。
加熱ゲル化して固化した裏面層11に、グラビア印刷装置などでプライマー層12とするシリカを含有した有機溶剤塗料を塗布乾燥し、裏面層11およびプライマー層12にエンボス加工による凹凸を形成する。
こうして床材10の裏面側の製造が完了した製品床材10を巻き取って第2の工程が終了し、例えば厚さが2.0mmの床材10の製造が完了する。
表裏面を連続して一工程で製造する場合は前記1次品の表面層13を形成した後、基材層16の裏面側に裏面層11とする発泡剤を含有しない塩化ビニル樹脂ペーストを、例えば厚さを0.5mm程度として塗布し、加熱ゲル化・発泡する。
加熱ゲル化して固化した裏面層11に、グラビア印刷装置などでプライマー層12とするシリカを含有した有機溶剤塗料を塗布乾燥し、裏面層11およびプライマー層12にエンボス加工による凹凸を形成する。
さらに、必要に応じてメカニカルエンボス加工により表面意匠を形成したり、これに加えて最表面にUV硬化塗料にて表面処理を施す。
こうして床材10の表裏面の製造が完了した製品床材10を巻き取って、例えば厚さが2.0mmの床材10の製造が完了する。
このような床材10によれば、裏面層11を塩化ビニル樹脂ペースト層として可塑剤をペースト加工が可能となるように添加しても、裏面層11の裏面側にアクリル樹脂またはウレタン樹脂のバインダからなるプライマー層12を設けているので、プライマー層12の裏面側に接着剤を塗布しても、裏面層11の可塑剤が接着剤に染み出すことで接着剤が軟化することが防止され、接着剤の接着効果が失われて床材10が剥離することがなくなる。
また、接着剤として専用のものを用意したり、可塑剤の影響を受けない高価な接着剤を用いる必要がなく、接着剤の種類の制限を受けることなく床材10を施工できる。
床材10の裏面層11の可塑剤が染み出して移行することが防止されるので、裏面層11自体の品質変化がなく、硬くなってクッション性が低下することが防止できる。
また、裏面層11の可塑剤の接着剤への染み出し対策を、プライマー層12で行うことで、接着剤による接着層に比べ層の厚さが薄いので、わずかな量のバインダやシリカなどの添加で十分な効果を得ることができる。
さらに、床材10として裏面層11の表面側に、基材層16、印刷ベース層15、印刷層14、塩化ビニル樹脂の表面層13、が順に積層されて構成されることで、床材として必要な機能を付加することができ、重歩行用のクッション床材とすることもできる。
また、塩化ビニルの表面層13に表面処理を施して表面処理層17を設けることで、床材10として表面処理の内容に応じた機能を一層高めることができる。
また、塩化ビニル樹脂の表面層13の表面に凹凸が形成されることで、床材10の意匠性を高めることができる。
次に、本発明の床材10の実施例について比較例とともに説明する。
(実施例1)
ガラス繊維を含む基材層16の表面側(床材10の表面側)に、印刷ベース層15とする発泡剤含有の塩化ビニル樹脂ペーストを厚さ0.3mm塗布し、加熱ゲル化した。加熱ゲル化した印刷ベース層15の表面に、グラビア印刷で絵柄層を直接印刷して印刷層14を形成した。その後、印刷層14の表面に、表面層13とする透明な発泡剤を含有する塩化ビニル樹脂ペーストを、厚さ0.3mm塗布し、加熱ゲル化して表面層13とした。この後、加熱発泡して厚さ1.2mmに仕上げた。
さらに、メカニカルエンボス加工により表面意匠を形成し、これに加えて最表面にUV硬化塗料にて表面処理層17を形成した。
次に、反転して基材層16の裏面側(床材10の裏面側)に、裏面層11とする発泡剤を含有しない塩化ビニル樹脂ペーストを、厚さを0.8mmとして塗布し、加熱ゲル化して塩化ビニル樹脂ペースト層とした。この塩化ビニル樹脂ペーストは、ポリ塩化ビニル(PVC):100重量部、可塑剤(DOP):60重量部、安定剤:3重量部からなるものを用いた。
次いで、裏面層11の裏面側に、グラビア印刷にてメチルエチルケトン/メチルイソブチルケトン=1/1の有機溶剤にアクリル樹脂を溶解させた固形分20%の溶剤塗料を15g/mで塗布・乾燥し、プライマー層12を備える厚さが2.0mmの床材10を製造した。
製造した床材10を施工するため、下地材として合板を用意し、下地材に接着剤として、ゴムラテックスの床接着剤を300g/m床用くし目こてで、塗工接着して接着層とし、床材10を接着して施工した。
得られた床材10について次の項目について評価した。
1)接着層への可塑剤の移行性(反り・剥がれ)
接着層への可塑剤の移行性(反り・剥がれ)を経時で評価した。
経時の接着層への可塑剤の移行性(反り・剥がれ)の評価は、合板と床材10をゴムラテックスの接着剤を300g/m床用くし目こてで塗工接着したものを温度70℃、湿度95%の湿温条件下で、1000時間経過後に、床材10の反りを観察するとともに、試験片を25mm幅として90°ピール剥離試験で15Nの剥離強度で床材10が剥がれるか試験した。
その結果を反り・剥がれの有無で評価し、反り・剥がれなしを○、反り・剥がれありを×とした。
2)接着層への可塑剤の移行性(硬さ変化)
経時の接着層への可塑剤の移行性(硬さ変化)の評価は、合板と床材10をゴムラテックスの接着剤を300g/m床用くし目こてで塗工接着したものを温度70℃、湿度95%の湿温条件下で、1000時間経過後に接着剤の硬さの変化を、床材10を剥離させた後、剥離した接着剤の外観状態を観察して評価した。
接着剤が軟化していれば、凝集状態から軟化状態に変化するので、評価することができ、軟化なしを○、軟化ありを×とした。
3)施工性(表面形状による)
表面形状による施工性の評価は、試験施工を行い、接着剤乾燥硬化時のガスによる膨れがあるかないかを評価した。全面に膨れがなく施工できた場合を◎とし、僅かに膨れがあるが使用に問題ない場合は、○、膨れがあり、使用しにくい場合を△とした。
4)生産性(表面のべたつきによる)
生産時において、床材10の搬送性について評価した。床材10裏面側のべたつきがなく、床材が搬送できる場合は◎、床材裏面はべたつくが、シートが搬送できる場合は○、床材表面のべたつきによりシワが入り加工しにくい場合を△とした。
以上の、評価基準に基づき、評価した結果を表1に示した。
実施例1の床材10では、表1に示したように、接着層への可塑剤の移行性(反り・はがれ)、接着層への可塑剤の移行性(硬さ変化)、施工性(表面形状による)のいずれについても○であった。生産性(表面べたつきによる)については△であった。
Figure 2018123494
(実施例2)
溶剤塗料をメチルエチルケトン/メチルイソブチルケトン=1/1の有機溶剤にウレタン樹脂を溶解させ固形分20%としてプライマー層に使用した以外は、実施例1と同一の条件で床材10を製造した。
実施例2の床材10では、表1に示したように、接着層への可塑剤の移行性(反り・はがれ)、接着層への可塑剤の移行性(硬さ変化)、施工性(表面形状による)のいずれについても○であった。生産性(表面べたつきによる)については△であった。
(実施例3)
溶剤塗料をメチルエチルケトン/メチルイソブチルケトン=1/1の有機溶剤にアクリル樹脂を固形分20%、シリカを固形分10%としてプライマー層12に使用した以外は、実施例1と同一の条件で床材10を製造した。
実施例2の床材10では、表1に示したように、接着層への可塑剤の移行性(反り・剥がれ)、接着層への可塑剤の移行性(硬さ変化)、施工性(表面形状による)のいずれについても○であった。生産性(表面べたつきによる)については◎であった。
(実施例4)
床材10を構成するプライマー層12に加熱処理を行い、エンボス加工を施した以外は、実施例3と同一の条件で床材10を製造した。
実施例3の床材10では、表1に示したように、接着層への可塑剤の移行性(反り・剥がれ)、可塑剤の移行性(硬さ変化)のいずれについても○であった。施工性(表面形状による)、生産性(表面べたつきによる)については◎であった。
(比較例1)
床材10を構成するプライマー層12を設けなかった以外は、実施例1と同一の条件で床材10を製造した。
比較例1の床材では、表1に示したように、接着層への可塑剤の移行性(反り・剥がれ)、可塑剤の移行性(硬さ変化)のいずれについても×であった。施工性(表面形状による)については△であった。生産性(表面べたつきによる)については○であった。
以上、実施の形態および実施例とともに、具体的に説明したように、本発明の床材10によれば、塩化ビニル樹脂による裏面層11を備えた床材10であって、裏面層11の裏面側に接着剤が塗布されるアクリル樹脂またはウレタン樹脂のバインダからなるプライマー層12を備えているので、裏面層11に添加された可塑剤がプライマー層12によって接着剤に染み出し移行することが防止される。
これにより、床材10の施工に用いる接着剤を可塑剤の染み出し移行を考慮したものを必要とせず、接着剤の種類の制限を受けることなく通常の接着剤で施工することができる。また、接着剤の可塑剤による品質変化を抑えることができるので、床材10の剥離などの問題を解消できる。裏面層11は、可塑剤の染み出し移行がないので、床材10自体が硬くなるなどの問題を解消することもできる。
本発明の床材10によれば、プライマー層12は、バインダにシリカが含まれているので、シリカによりプライマー層12の表面に細かな凹凸を形成することができ、床材10同士を重ねた場合のブロッキングを抑えて剥がれやすくすることができ、保管の際や施工の際の床材10の取り扱いが容易となる。また、シリカによる吸水性により、疎水性の可塑剤の染み出し移行をより確実に抑えることができる。さらにプライマー層表面のべたつきがなくなり、床材10にシワが発生せず、搬送ロールに引っかかることがなくなり生産性が向上する。
本発明の床材10によれば、プライマー層12は、凹凸が形成されているので、接着剤施工時の接着剤硬化過程で発生する水分(或いは溶剤分)ガスの抜け道となり、接着剤乾燥時のガスによる床材の膨れを防止する。また、床材10同士を重ねた場合のブロッキングを抑えて剥がれやすくすることができる。
本発明の床材10によれば、裏面層11は、表面側に、基材層16、印刷ベース層15、印刷層14、塩化ビニル樹脂の表面層13、が順に積層されて構成されているので、裏面層11の表面側に積層する各層によって床材10として必要な品質を確保することができ、重歩行用クッション材とすることもできる。
本発明の床材10によれば、塩化ビニル樹脂の表面層13は、表面処理が施されているので、表面処理により表面層13の品質向上を図ることができ、床材10の品質向上を図ることができる。
本発明の床材10によれば、塩化ビニル樹脂の表面層13は、表面に凹凸が形成されているので、凹凸による意匠性や耐摩耗性などの品質を向上することができる。
なお、上記の実施の形態では、床材10を構成する裏面層11の表面側に配置積層する各層については、上記のものに限らず、床材10として必要なクッション性等の特性に応じたものとすることもでき、何ら限定するものでない。
また、本発明は、上記実施の形態および実施例に何ら限定するものでない。
10 床材
11 裏面層
12 プライマー層
13 表面層
14 印刷層
15 印刷ベース層
16 基材層
17 表面処理層

Claims (6)

  1. 塩化ビニル樹脂による裏面層を備えた床材であって、
    前記裏面層の裏面側に接着剤が塗布されるアクリル樹脂またはウレタン樹脂のバインダからなるプライマー層を備える、
    ことを特徴とする床材。
  2. 前記プライマー層は、前記バインダにシリカが含まれている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の床材。
  3. 前記プライマー層は、凹凸が形成されている、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の床材。
  4. 前記裏面層は、表面側に、基材層、印刷ベース層、印刷層、塩化ビニル樹脂の表面層、が順に積層されて構成される、
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の床材。
  5. 前記塩化ビニル樹脂の表面層は、表面処理が施されている、
    ことを特徴とする請求項4に記載の床材。
  6. 前記塩化ビニル樹脂の表面層は、表面に凹凸が形成されている、
    ことを特徴とする請求項4または5に記載の床材。
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