JP2018053447A - 床材およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
床材としての要求品質に耐摩耗性があり、通常の業務用床材では、透明な塩化ビニル表面層の厚さを0.3mm程度としているが、一般に重歩行用として使用する場合は、表面層の厚さを0.5mm以上として耐摩耗性を向上させる必要がある。
また、床材としてクッション性が要求される、いわゆるクッション床材では、塩化ビニル樹脂層を発泡させた発泡層で構成し、クッション性を付与することが行われている(例えば、特許文献1参照)。
このように表面層は、塩化ビニル樹脂ペーストをゲル化して形成することができるが、耐摩耗層を確保するためペースト加工で厚さを0.5mm以上とすると、濁った半透明層になってしまい、印刷層の視認性が劣るものであった。
一方、床材においては、透明な塩化ビニル表面層をカレンダー加工で作った場合、厚くても透明度の高いシートが得られやすいことから、予め作ったカレンダーシートを貼り合わせることで透明性を確保することが考えられ、印刷層に熱ラミネート加工で貼り合わせたり、接着剤で接着することが行われる。
これら場合には、カレンダーシートと印刷層との接着性の問題が生じたり、接着剤中の溶剤が揮発して気泡が生じカレンダーシートと印刷層間が剥離しやすくなるなどの問題がある。
また、表面層には、ケミカルエンボス法、メカニカルエンボス法など各種方法で凹凸が形成されている。メカニカルエンボス法による場合、表面を加熱軟化させて凸ロールで機械的に絞り模様を入れるが、このようなメカニカルエンボス法を可能とする表面層としては、熱で軟化しやすい比較的重合度の低い塩化ビニルのカレンダーシートが用いられるが、そうすると、発泡を伴うクッションシートの場合、発泡時の発泡剤分解ガスがカレンダーシートに混ざり込み、混ざり込んだ泡によって濁り、透明性が低下してしまう。
このため発泡に伴う泡の混ざり込みを防止できるカレンダーシートとする必要があり、使用できるカレンダーシートの塩化ビニル樹脂の重合度に制限が生じるという問題がある。すなわち、発泡後のメカニカルエンボス法による凹凸加工において、メカニカルエンボスを行い易くするためには、「比較的熱軟化しやすい重合度の低い塩化ビニル樹脂」を使うのが望ましいが、一方、メカニカルエンボス前の発泡段階においては、発泡樹脂層の塩化ビニル樹脂重合度よりも重合度の低い塩化ビニル樹脂にすると、発泡時の発泡剤分解ガスが透明樹脂に混ざり込み、透明性を損なう。発泡層に使う塩化ビニル樹脂の重合度は1000〜1500程度だが、カレンダー加工における好適正な塩化ビニル樹脂の重合度は1000程度であり、発泡層に使う樹脂重合度よりも低くなり、発泡時のガス混入による透明性の不具合が問題になる。
透明な第1の塩化ビニル樹脂のシート層と、
透明接着層と、
絵柄意匠が印刷された印刷層と、
第2の塩化ビニル樹脂層と、
基材層と、が順に積層された床材であって、
前記透明接着層は、塩化ビニル樹脂ペーストから形成されている、
ことを特徴とする。
床材を製造する方法であって、
基材層の表面に塩化ビニル樹脂ペーストを塗布し、ゲル化して第2の塩化ビニル樹脂層とする第1の工程と、
前記第1の工程でゲル化した前記第2の塩化ビニル樹脂層の表面に印刷して印刷層を形成する第2の工程と、
前記印刷層の表面に、透明接着層となる塩化ビニル樹脂ペーストを塗布し、その上に表面層となる透明な塩化ビニルシートを積層し、加熱圧着することで、前記塩化ビニル樹脂ペーストをゲル化すると同時に透明な塩化ビニルシートと固着する第3の工程と、
前記第3の工程に次いで、加熱処理して床材とする第4の工程と、を備える、
ことを特徴とする。
前記第4の工程で、前記ゲル化した塩化ビニル樹脂層に含まれる前記発泡剤を加熱分解させて塩化ビニル発泡層を形成する、ことが好ましい。
本発明の床材10は、透明な第1の塩化ビニル樹脂のシート層11と、透明接着層12と、絵柄意匠が印刷された印刷層13と、第2の塩化ビニル樹脂層14と、基材層15と、が順に積層された床材であって、透明接着層12は、塩化ビニル樹脂ペーストから形成されて構成されている。また、床材10を、クッション性を備えたクッション床材10Aとする場合には、第2の塩化ビニル樹脂層14は、発泡層14Aで構成される。
すなわち、床材10では、印刷層13の表面に塩化ビニル樹脂ペーストからなる透明接着層12を介して透明な第1の塩化ビニル樹脂のシート層11を積層して構成され、第1の塩化ビニル樹脂のシート層11で必要な耐摩耗性を備える厚さとすることができ、透明性も確保して透明接着層12で接着性も確保することができる。
また、クッション床材10Aでは、クッション性を付与する場合、透明接着層12で発泡剤の分解ガスの影響を留めることができるため、第1の塩化ビニル樹脂シートに発泡後のメカニカルエンボスに有効な重合度の低い塩化ビニル樹脂シートを使うことができる。その結果、メカニカルエンボスによる好適な絞加工ができ、かつ第1の塩化ビニル樹脂のシート層11で必要な耐摩耗性を備える厚さとすることができ、透明性も確保して透明接着層12で接着性も確保することができる。
なお、以下の実施形態では、主としてクッション床材10Aを例に説明する。
通常、シート層11は、厚さが0.2〜0.4mm程度とされ、通常の業務用クッションフロアでは、厚さが0.3mm程度とされるが、重歩行用として使用する場合の耐摩耗層では、シート層11の厚さが0.5mm以上とされ、高耐久な耐摩耗性が得られるとともに、絵柄が透過して視認できるように透明な塩化ビニル樹脂のカレンダーシートで構成される。
第1の塩化ビニル樹脂のシート層11は、これまでのクッション床材10Aでは、発泡層14Aの発泡に伴う発泡剤の分解ガスによる気泡の混入を防止する必要から塩化ビニル樹脂の重合度の制限を受けていたが、本願では、後述するように、透明接着層12を介在させることで、重合度の制限を受けず、一般にカレンダーシートとして使用される重合度の範囲の塩化ビニル樹脂が使用できる(例えば、重合度が1000程度)。
シート層11には、クッション床材10Aの絵柄模様などに合わせた凹凸加工などとして、メカニカルエンボス加工が施されたり、メカニカルエンボス加工に加えて、あるいは、単独で表面処理が施される。
表面処理は、例えば、シート層11の表面に汚れなどをつきにくくするための防汚処理や耐傷性、防滑性などを付与するための処理などがある。表面処理としては、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂などからなる塗料を塗布し、電子線や紫外線などで架橋強化された樹脂層を表面処理層として設ける。
透明な塩化ビニル樹脂ペーストとは、塩化ビニル樹脂、可塑剤、安定剤、その他の添加剤を混合してペースト状にしたものである。
塩化ビニル樹脂としては、塩化ビニル樹脂単独でもよく、或いは塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−アクリル共重合体等のコポリマーをも使用することができる。
可塑剤としては、フタル酸ジオクチル(DOP)、フタル酸ジイソノニル(DINP)等のフタル酸系可塑剤や、アジピン酸ジイソノニル(DINA)などのアジピン酸系可塑剤等が使用でき、フタル酸系可塑剤を単独使用してもよいし、フタル酸系可塑剤とアジピン酸系可塑剤とを混合使用することもできる。
安定剤としては、バリウム系、カリウム系、亜鉛系等を使用することができる。
その他、必要に応じて難燃剤、酸化防止剤など、通常の塩化ビニル系樹脂ペーストに配合する一般的な添加剤を添加することができる。
これにより、透明な第1の塩化ビニル樹脂のシート層11、透明接着層12、印刷層13、塩化ビニル樹脂層14、基材15が積層された状態で接着される。透明接着層12は、表面の透明な第1の塩化ビニル樹脂のシート層11と同一素材の塩化ビニル樹脂ペーストを用いることで、熱ラミネートなどでの接着性を確保すると同時に、積層し加熱圧着することで、ゲル化し境界のない一体状態にすることができる。また、透明接着層12を用いることで、表面の透明な第1の塩化ビニル樹脂のシート層11を重歩行のために厚さが0.5mm以上であっても透明性を確保でき、高耐久な耐摩耗性を有するカレンダーシートを使用することができる。
なお、透明接着層12は、その表面の透明な第1の塩化ビニル樹脂のシート層11の塩化ビニル樹脂の重合度(例えば、重合度が1000程度)に対し、何ら制限はないが、後述する発泡層14Aの塩化ビニル樹脂の重合度に対しては制限があり、透明接着層12の塩化ビニル樹脂の重合度が発泡層14Aの塩化ビニル樹脂の重合度よりも大きくなるようにする。こうすることで、発泡層14Aの発泡により発生する発泡剤の分解ガスが気泡となって透明接着層12に混入し、透明接着層12の塩化ビニル樹脂が白濁することを防止し、透明性を確保する。
床材10やクッション床材10Aでは、例えば第2の塩化ビニル樹脂層14や発泡層14Aを構成する、例えば白色の塩化ビニル樹脂ペーストを基材層15の表面に塗布し、ゲル化して固化した後、グラビア印刷などで直刷り印刷して形成される。
第2の塩化ビニル樹脂層14を発泡層14Aとし、印刷層13を、発泡を抑制したり、逆に発泡を促進する成分を含むインキで形成することで、ケミカルエンボス加工を行うことができる。
第2の塩化ビニル樹脂層14は、塩化ビニル樹脂ペーストを用いて形成できる。塩化ビニルペーストとしては、透明接着剤層と同様であるが、さらに充填材として炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、タルク、シリカ、クレー、珪酸カルシウム、アルミナ等を好ましく使用でき、これらは単独で使用してもよいし、適宜の組み合わせによる複数を併用してもよい。
発泡剤としては、熱分解型のものが使用でき、例えばアゾジカルボンアミド(ADCA)、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゼンスルホニルホドラジド、パラトルエンスルホニルヒドラジド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン等を挙げることができる。
すなわち、基材層15の表面に、発泡剤を含んだ塩化ビニル樹脂ペーストを塗布し、ゲル化する。このゲル化状態では、未発泡の状態である。次いで、ゲル化した発泡剤を含んだ塩化ビニル樹脂層14の表面に、印刷を施して印刷層13を形成する。さらに印刷層13の表面に、透明接着層12が設けられ、第1の塩化ビニル樹脂のシート層11が積層される。最後に、積層された各層11〜15を加熱圧着して一体化した後、加熱処理(キュア)することがおこなわれる。この最後の加熱処理工程で、ゲル化した発泡剤を含んだ塩化ビニル樹脂層14の発泡剤を加熱分解しガス化させ、発泡した塩化ビニル樹脂の発泡層14Aが得られる。
この発泡層14Aの表面に透明接着層12を介さずに、第1の塩化ビニル樹脂のシート層11を積層する場合には、発泡に伴う発泡剤の分解ガスの気泡が第1の塩化ビニル樹脂のシート層11に混じり込む。
このため、気泡が混じり込まないようにするためには、第1の塩化ビニル樹脂のシート層11の塩化ビニル樹脂の重合度を発泡層14Aの重合度より大きくしなければならない。しかし、一般的なカレンダー加工に使われる塩化ビニル樹脂の重合度は1000程度で、それ以上の重合度とすると溶融粘度が高くなって加工性が低下してしまう。しかも、第1の塩化ビニル樹脂のシート層11にメカニカルエンボス加工を施し凹凸形成する場合にも、塩化ビニル樹脂の重合度が大きすぎると、軟化しにくくなり、凹凸形成が困難となる。
これに対し、本願では、発泡剤を含んだ塩化ビニル樹脂の発泡層14Aの表面に透明接着層12を介して第1の塩化ビニル樹脂のシート層11を積層してあり、発泡層14Aと接する層は、透明接着層12となる。
したがって、透明接着層12を塩化ビニル樹脂ペーストとし、その塩化ビニル樹脂の重合度を、発泡層14Aを構成する塩化ビニル樹脂の重合度1200〜1500より大きくしても加工性の問題はなく、透明接着層12への気泡の混入も防止でき、しかも第1の塩化ビニル樹脂のシート層11の重合度は、何ら制限を受けることがない。
これにより、発泡層14Aでの発泡に伴う発泡ガスが透明接着層12で遮られ、第1の塩化ビニル樹脂のシート層11まで届いて混じり込むことがなく、気泡による透明性の低下を防止し、透明性を確保することができる。
また、透明接着層12と透明な第1の塩化ビニル樹脂のシート層11は、製品であるクッション床材10,10Aでは、境界のない一体状態となり、シート層11による耐摩耗性を確保し、しかも透明性も確保できる。
なお、ガラス繊維質の基材層15は、ガラス不織布を用いて構成する場合に限らず、ガラス繊維の織布を用いたガラス繊維質の基材層15であっても良く、バインダー樹脂などを用いて平滑性があり、表面に積層される第2の塩化ビニル樹脂層14や必要に応じて裏面に積層される塩化ビニルの裏面層との接着性を確保できるものであれば良い。
床材10の製造方法は、基材層15の表面に塩化ビニル樹脂ペーストを塗布し、ゲル化して第2の塩化ビニル樹脂層14とする第1の工程21と、第1の工程21でゲル化した第2の塩化ビニル樹脂層14の表面に印刷して印刷層13を形成する第2の工程22と、印刷層13の表面に、透明接着層12となる塩化ビニル樹脂ペーストを塗布し、その上に表面層となる透明な塩化ビニル樹脂のシート(シート層11)を積層し、積層された各層11〜15を加熱圧着することで、塩化ビニル樹脂ペースト(透明接着層12)をゲル化すると同時に透明な塩化ビニル樹脂シート(シート層11)と固着する第3の工程23と、第3の工程23に次いで、加熱処理して床材10とする第4の工程24と、を備えて構成される。
床材10の製造方法には、例えば連続ラミネート装置30が用いられ、加熱圧着により熱ラミネートがなされ、巻取りロールで製品としてのクッション床材10Aが巻取られる。
基材層15の表面に塩化ビニル樹脂ペーストを塗布し、ゲル化して第2の塩化ビニル樹脂層14を積層する工程21である。
すなわち、基材(基材層15)を巻出し(21−1)ガラス繊維質基材層15の上に、第2の塩化ビニル樹脂層14とする発泡剤を含んだ塩化ビニル樹脂ペースト(発泡層14A)を塗布し(21−2)、ゲル化する。このゲル化状態では、未発泡の状態である。第2の塩化ビニル樹脂層14(発泡層14A)は、塩化ビニル樹脂の重合度は、1200〜1500とされる。
第1の工程21でゲル化した第2の塩化ビニル樹脂層14(発泡層14A)の表面に印刷して印刷層13を形成する工程22である。
発泡前のゲル化して固化された発泡剤を含んだ塩化ビニル樹脂層の表面に、グラビア印刷機で印刷を施して絵柄意匠が印刷された印刷層13を形成する(22)。
印刷層13の表面に、透明接着層12となる塩化ビニル樹脂ペーストを塗布し(23−1)、その上に表面層となる透明な塩化ビニル樹脂のシート(シート層11)を積層し(23−2)、積層された各層11〜15を加熱圧着することで、透明接着層12の塩化ビニル樹脂ペーストをゲル化すると同時に透明な塩化ビニル樹脂シート(シート層11)と固着させる工程23である。
印刷層13の表面に、透明接着層12となる塩化ビニル樹脂ペーストが0.1mmの厚さで塗布され、ゲル化固化前に、第1の塩化ビニル樹脂のシート層11となるカレンダーシートが積層される。第1の塩化ビニル樹脂のシート層11となるカレンダーシートの重合度は、例えば1000とされ、厚さは、必要な耐摩耗性を確保できる0.5mm以上とする。
また、透明接着層12の塩化ビニル樹脂の重合度は、第2の塩化ビニル樹脂層14の塩化ビニル樹脂の重合度1200〜1500より大きな重合度(例えば重合度を1600)とする。
第3の工程23に次いで、加熱処理して床材10を得る工程24である。
また、クッション床材10Aでは、ゲル化した第2の塩化ビニル樹脂層14(発泡層14A)の発泡剤を加熱分解させ(24−1)、発泡した発泡層14Aとし、巻き取って(24−2)、クッション床材10Aを得る。
なお、第4の工程24の後、透明な第1の塩化ビニル樹脂のシート層11に、メカニカルエンボス加工を施すこともできる。表面のシート層11のエンボス加工により、印刷された絵柄意匠に合わせた凹凸を形成することで、意匠性を向上することができ、しかも床材10の各層11〜15の加熱圧着と同時に行うことで、工程の増大を招くことなく、効率的に製造することができる。
なお、第4の工程の加熱処理(キュアー:発泡工程)は、加熱オーブンで行われる。その後、一旦冷却された後、表面だけをヒーターで加熱軟化させてメカニカルエンボスを施すことが行われる。
以下の実施例では、クッション床材10Aを構成する透明接着層12による接着性と、透明性について主として評価し、その結果を表1に示した。
(実施例1)
1)透明な塩化ビニル樹脂のシート層(表中、透明層と略記)11として、重合度が1000の塩化ビニル樹脂(PVC):100重量部、可塑剤(DOP):35重量部、安定剤:5重量部からなる厚さ0.5mmの透明な塩化ビニルのカレンダーシート(表中、カレンダーと略記)を用いた。
2)透明接着層(表中、接着層と略記)12として重合度が1600の塩化ビニル樹脂:100重量部、可塑剤(DOP):45重量部、安定剤:2重量部を混合した塩化ビニル樹脂ペースト(表中塩ビペーストと略記)を用い、厚さを0.1mmとして塗布した。
3)印刷層13として、グラビア印刷機で印刷して印刷層13とした。
4)第2の塩化ビニル樹脂層14として発泡剤を含む塩化ビニル樹脂ペーストを用いて発泡層14Aとした。第2の塩化ビニル樹脂ペーストとしては、重合度が1400の塩化ビニル樹脂:100重量部、可塑剤(DOP):50重量部、安定剤:2重量部、炭酸カルシウム:50重量部を混合してペースト状としたものを使用し、発泡剤としては、ADCA(アゾジカルボンアミド):2.5重量部を用いた。
5)基材層15として、ガラス不織布:秤量が60g/m2のガラス不織布として、バインダー樹脂がアクリル樹脂でボンディングされたガラス不織布を用いた。
これらの材料を用い、クッション床材10Aの製造方法として説明した第1の工程21〜第4の工程24によりクッション床材10Aを製造した。
得られたクッション床材10Aについて次の項目について評価した。
1)透明な塩化ビニルのシート層11と透明接着剤層12間の接着強度と外観について評価した。
JIS A1454に準拠し、層間剥離強度試験を行い、剥離の位置(どの界面で剥離するのか)を確認した。
接着強度については、○:剥離せず ×:界面剥離、の2段階で評価した。
外観については、目視によって○:気泡含まず △:部分的に気泡あり ×:気泡多数(表中、該当なし)、の3段階で評価した。
2)透明性について評価した。
外観については、目視によって○:意匠阻害なし △:白濁あり ×:透明性なし、の3段階で評価した。
透明性については、ヘイズ値(装置:分光光度計、メーカー:日本分光社製)を測定し、評価した。
なお、ヘイズ値は、透明層と接着層を重ねたフィルムのみで測定した。
以上の、評価基準に基づき、評価した結果を表1に示した。
実施例1のクッション床材10Aでは、表1から明らかなように、接着強度と外観および透明性については、いずれについても○と優れたものであった。また、透明度については、ヘイズ値が15〜25と透明性が確保できるものであった。
クッション床材10Aを構成する透明な第1の塩化ビニル樹脂のシート層11をカレンダーシートの代え、重合度が3000の塩化ビニル樹脂を含むペースト(表中、ペーストと略記)による厚さ0.5mmの透明層とし、透明接着層12を使用しなかった以外は、実施例1と同一の条件でクッション床材10Aを得た。
比較例1のクッション床材10Aでは、表1から明らかなように、接着強度と外観については、いずれも○であったが、透明性の外観では、半白濁して△であり、透明度は、ヘイズ値が45〜60と透明性が低いものであった。
クッション床材10Aを構成する透明接着層12を使用しなかった以外は、実施例1と同一の条件でクッション床材10Aを得た。
比較例2のクッション床材10Aでは、表1から明らかなように、接着強度は、×で界面剥離が生じ、外観は、△で部分的に気泡があった。透明性の外観は、×で気泡により透明性がなく、透明度は、測定不能であった。
クッション床材10Aを構成する透明接着層12の塩化ビニル樹脂ペーストに代え、アクリル系の透明接着剤を使用した以外は、実施例1と同一の条件でクッション床材10Aを得た。
比較例3のクッション床材10Aでは、表1から明らかなように、接着性の強度は、×で界面剥離が生じ、外観は、△で気泡があった。透明性の外観は、×で気泡により透明性がなく、透明度は、測定不能であった。
10A クッション床材
11 シート層
12 透明接着層
13 印刷層
14 塩化ビニル樹脂層
14A 発泡層
15 基材層
21 第1の工程
22 第2の工程
23 第3の工程
24 第4の工程
Claims (5)
- 透明な第1の塩化ビニル樹脂のシート層と、
透明接着層と、
絵柄意匠が印刷された印刷層と、
第2の塩化ビニル樹脂層と、
基材層と、が順に積層された床材であって、
前記透明接着層は、塩化ビニル樹脂ペーストから形成されている、
ことを特徴とする床材。 - 前記第2の塩化ビニル樹脂層は、発泡層で構成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の床材。 - 前記透明接着層を形成する塩化ビニル樹脂の重合度は、前記第2の塩化ビニル樹脂層の塩化ビニル樹脂の重合度よりも大きい、
ことを特徴とする請求項2に記載の床材。 - 床材を製造する方法であって、
基材層の表面に塩化ビニル樹脂ペーストを塗布し、ゲル化して第2の塩化ビニル樹脂層とする第1の工程と、
前記第1の工程でゲル化した前記第2の塩化ビニル樹脂層の表面に印刷して印刷層を形成する第2の工程と、
前記印刷層の表面に、透明接着層となる塩化ビニル樹脂ペーストを塗布し、その上に表面層となる透明な塩化ビニルシートを積層し、加熱圧着することで、前記塩化ビニル樹脂ペーストをゲル化すると同時に透明な塩化ビニル樹脂シートと固着する第3の工程と、
前記第3の工程に次いで、加熱処理して床材とする第4の工程と、を備える、
ことを特徴とする床材の製造方法。 - 前記第2の塩化ビニル樹脂層は、発泡剤を含んだ塩化ビニル樹脂ペーストを塗布して構成されて前記第1の工程でゲル化され、
前記第4の工程で、前記ゲル化した塩化ビニル樹脂層に含まれる前記発泡剤を加熱分解させて塩化ビニル発泡層を形成する、
ことを特徴とする請求項4に記載の床材の製造方法。
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