JP2018044340A - 床材およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、特許文献1に開示された塩化ビニル製の床材では、表面側から透明な塩化ビニル層、印刷層を有する塩化ビニルの印刷ベース層、ガラス繊維と塩化ビニル繊維との混抄不織布層、塩化ビニルの白色層、塩化ビニルの裏打層で構成され、塩化ビニルの各層を熱ラミネートすることにより床材としている。
これにより、塩化ビニルシートの中央と両サイドの伸び縮みの違いにより絵柄が一定でなくなり、施工の際に隣接する床材同士の絵柄がずれて連続せず、柄合わせが容易に行えないという問題がある。
このため印刷層が形成された塩化ビニルシートに伸び縮みが生じても絵柄の変化がわかりにくい絵柄意匠とすることなどが行われており、塩化ビニル製の床材では、柄合わせが不要なものとして販売されているのが現状である。
透明な塩化ビニルの表面層と、
絵柄意匠が印刷された印刷層を有する印刷ベース層と、
ガラス繊維を含むガラス繊維層と、
塩化ビニルの裏面層と、が順に積層された床材であって、
前記塩化ビニルの裏面層は、ガラス短繊維を含んで構成される、
ことを特徴とする。
床材を製造する方法であって、
印刷ベース層とガラス繊維層とを積層する第1の工程と、
前記印刷ベース層に、予め、あるいは前記ガラス繊維層との積層工程中に絵柄を印刷して印刷層を形成して第1の積層体とする第2の工程と、
前記第1の積層体の表面にシート状の透明な塩化ビニルの表面層を積層するとともに、前記第1の積層体の裏面にガラス短繊維を含んだ塩化ビニルで構成された裏面層を積層して第2の積層体とする第3の工程と、
前記第2の積層体を加熱圧着して床材とする第4の工程と、からなる、
ことを特徴とする。
本発明の床材10は、例えばシート状、タイル状にラミネート成形して得られる、いわゆるラミネート床材である。
床材10は、透明な塩化ビニルの表面層11と、絵柄意匠が印刷された印刷層12を有する印刷ベース層13と、ガラス繊維を含むガラス繊維層14と、塩化ビニルの裏面層15と、が順に積層されて構成され、塩化ビニルの裏面層15は、ガラス短繊維を含んで構成されている。
すなわち、床材10では、印刷ベース層13の裏側に積層されるガラス繊維層14に加えてガラス短繊維を含んだ塩化ビニルの裏面層15を積層するようにし、これまでのガラス繊維層14だけでなく、ガラス短繊維を含ませた裏面層15によって一層の寸法安定性を確保するようにし、これにより施工時に柄合わせを可能とする。
塩化ビニル樹脂としては、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−アクリル共重合体等のコポリマーをも使用することができる。
可塑剤としては、フタル酸ジオクチル(DOP)、フタル酸ジイソノニル(DINP)等のフタル酸系可塑剤や、アジピン酸ジイソノニル(DINA)などのアジピン酸系可塑剤等が使用でき、フタル酸系可塑剤を単独使用してもよいし、フタル酸系可塑剤とアジピン酸系可塑剤とを混合使用することもできる。
充填材としては、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、タルク、シリカ、クレー、珪酸カルシウム、アルミナ等を好ましく使用でき、これらは単独で使用してもよいし、適宜の組み合わせによる複数を併用してもよい。
安定剤としては、バリウム系、カリウム系、亜鉛系等を使用することができる。
その他、顔料・染料等の着色剤、発泡剤、難燃剤、酸化防止剤など、通常の塩化ビニル系樹脂ペーストに配合する一般的な添加剤が使用でき、用途に応じて適宜の量で添加することができる。
表面層11には、床材10の絵柄模様に合わせた凹凸加工として、エンボス加工が施されたり、エンボス加工に加えて、あるいは、単独で表面処理が施される。
表面処理は、例えば、表面層11の表面に汚れなどをつきにくくするための防汚処理や耐傷性、防滑性などを付与するための処理などがある。表面処理としては、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂などからなる塗料を塗布し、電子線や紫外線などで架橋強化された樹脂層を表面処理層として設ける。
転写印刷層12Aは、例えば、絵柄意匠が印刷された転写紙などを印刷ベース層13に重ねた後、転写紙などを剥離することで転写印刷による転写印刷層12Aが形成される。
また、直刷り印刷層12Bは、例えば、印刷ベース層13の裏面に積層されるガラス繊維層14の表面に、塩化ビニル樹脂ペーストを塗布し、加熱ゲル化し固化させて形成された塩化ビニル層を印刷ベース層13とし、この印刷ベース層13の上にグラビア印刷などで絵柄意匠を直接印刷して直刷り印刷層12Bを形成する。
ガラス繊維層14は、例えば、印刷ベース層13を形成すると同時に、印刷層12、印刷ベース層13と貼り合わせて一体化して形成される。
印刷ベース層13の作成と同時に行うガラス繊維層14としてのガラス不織布層14Aを貼り合わせる場合は、例えば、カレンダー成形で行われる。
すなわち、カレンダー成形で塩化ビニルをシート状とした後、印刷ベース層13が完全に硬化する前のまだ熱をもって軟化した状態で、エンボスロールを用いてガラス繊維層14と貼り合わせる。このとき、ガラス繊維層14とは別の面に例えば転写紙を貼り合わせれば、同時に転写印刷層12Aを形成してもよい。
本発明では、印刷ベース層13とガラス繊維層14とは、この時点では仮止め程度(完全に熱溶融した状態で貼り合わされていない)に貼り合わせた状態であってもよい。
なお、ガラス繊維層14は、ガラス不織布層14Aで構成する場合を例に説明したが、これに限らず、ガラス繊維の織布を用いたガラス繊維層14であっても良く、バインダ樹脂などを用いて平滑性があり、表裏面の印刷ベース層13や塩化ビニルの裏面層15との接着性を確保できるものであれば良い。
塩化ビニルの裏面層15に含ませるガラス短繊維は、例えば、長さが、5〜40μm程度とされ、好ましくは長さが、10〜20μmのもの、例えば13μmのものが用いられる。
ガラス短繊維の含有率は、重量比で2〜30%程度とされ、好ましくは含有率が5〜30%とされる。この範囲の短繊維の含有率であれば、寸法安定性が良好である。ガラス短繊維の含有率が2%より少なくなると、寸法安定性を確保することができず、含有率が30%より多くなると、混練の際、だま(塊)になりやすく、裏面層15としての平滑性が損なわれ表面に凹凸ができてしまう。
また、裏面層15は、ガラス短繊維とともに、塩化ビニル樹脂、可塑剤、炭酸カルシウムなどの無機充填剤を混合した後、シート状に成形される。裏面層15は、例えば、厚さが、0.3〜1.5mm程度とされ、例えば厚さを約0.9mmとしたものが用いられる。
リサイクル塩化ビニル層は、クッションフロアを構成するガラス繊維質基材と塩化ビニル素材とからなる廃材を主体とし、必要に応じて塩化ビニル樹脂、可塑剤、炭酸カルシウムなどの無機充填剤を加えて、熱をかけて混練りし、これをシート状にして得る。
通常、クッションフロアをリサイクルする場合には、粗粉砕、細粉砕、塩化ビニル樹脂分と繊維基材分とを比重分離し、塩化ビニル樹脂分を取り出して再利用し、繊維基材分は、廃棄している。また、タイルカーペットやクッションフロアの塩化ビニル樹脂分をスライサーでスライスし、塩化ビニル樹脂分とその他に分離し、分離した塩化ビニル樹脂分を粉砕チップとして再利用する。
これに対し、リサイクル塩化ビニル層は、クッションフロアを樹脂分と繊維基材分とに分別することなく、粉砕せずにシート状のまま混練り機にかけ、練り込んだものを用いてシート状にする。
混練り機で練り込まれた素材は、ミキシングロール、カレンダロールを経てリサイクルシートとされる。
このようなガラス短繊維を含んだ塩化ビニルの裏面層15をガラス繊維層14の裏面に設けることで、寸法安定性に優れた床材10とすることができ、床材10を施工する際に絵柄意匠を連続させて柄合わせをすることができる。
また、塩化ビニルの裏面層15としてクッションフロアをリサイクルして利用することで、繊維基材分を分離して廃棄する必要がなく、廃棄するゴミの削減を図ることができると同時に、混練り機で混練りするだけで良く、効率よくリサイクルすることができる。
第2の裏面層16は、床材10を施工する場合の空気抜きとして溝を付けるエンボス加工が施される。第2の裏面層16へのエンボス加工は、塩化ビニルの裏面層15に貼り合わせた後、別工程でエンボス加工を施すようにする一般的な方法のほか、予め塩化ビニルシートにエンボス加工を施しておき、エンボス加工済みの第2の裏面層16を貼り合わせるようにすることもできる。
本実施の形態の床材10では、透明な塩化ビニルの表面層11、絵柄意匠が印刷された印刷層12を有する印刷ベース層13、ガラス繊維を含むガラス繊維層14と、ガラス短繊維を含んだ塩化ビニルの裏面層15、第2の裏面層16の全ての層を積層した状態で、1回の加熱圧着でラミネート圧着することが行われる。これにより、加熱圧着回数を極力減らすことで、印刷層12が形成された印刷ベース層13の寸法安定性を確保することができる。
このラミネート圧着の際、表面層11にラミネートと同時に木目エンボスを施すエンボス加工を行うことから、第2の裏面層16へのエンボス加工は、同時に行わずに、予めエンボス加工された塩化ビニルの第2の裏面層16を貼り合わせている。
床材10の製造方法は、印刷ベース層13とガラス繊維層14とを積層する第1の工程と、印刷ベース層13に、予め、あるいはガラス繊維層14との積層工程中に絵柄を印刷して印刷層12を形成し第1の積層体21とする第2の工程と、第1の積層体21の表面にシート状の透明な塩化ビニルの表面層11を積層するとともに、第1の積層体21の裏面にガラス短繊維を含んだ塩化ビニルで構成された裏面層15を積層して第2の積層体22とする第3の工程と、第2の積層体22を加熱圧着して床材10とする第4の工程と、から構成される。
なお、図示省略したが、第2の積層体22の裏面に塩化ビニルの第2の裏面層16を積層する場合にも、積層後全層11〜16が圧着ローラ36と熱ドラム37によって1回の加熱圧着により熱ラミネートがなされ、巻取りロール38で製品としての床材10が巻取られる。また、第2の裏面層16は、11〜15を熱ラミネートした後で貼り合わせてもよい。印刷層12、印刷ベース層13、ガラス繊維層14は、表面層11と裏面層15とで挟んだ状態で熱ラミネートされているため、その後に熱を加えても熱収縮を生じにくくなり、絵柄意匠のずれを抑えることができる。
印刷ベース層13とガラス繊維層14とを積層する工程である。
印刷ベース層13として、カレンダロールから塩化ビニルシートを巻出し、塩化ビニルシートの印刷ベース層13の裏面にガラス繊維層14を貼り合わせる。ここでは、ガラス繊維層14として、例えば、ガラス不織布層14Aが用いられ印刷ベース層13に貼り合わせる。この印刷ベース層13とガラス繊維層14との貼り合わせは、加熱圧着による熱ラミネートではなく、塩化ビニルシートが軟化した状態で積層することで、ガラス繊維層14に含まれるバインダ樹脂による接着性で積層状態を保持するようにする。バインダ樹脂による接着性は、例えば、ポリビニルアルコールと酢酸ビニルとによるバインダ樹脂に比べ、アクリルとポリビニルアルコールとによるバインダ樹脂を用いる方が塩化ビニルシートとの接着性に優れ、好ましい。
(2)第2の工程
印刷ベース層13に、予め、あるいはガラス繊維層14との積層工程中に絵柄を印刷して印刷層12を形成し第1の積層体21とする工程である。
すなわち、第2の工程は、印刷層12を印刷ベース層13に印刷する工程である。第1の工程で印刷ベース層13とガラス繊維層14とを積層する工程中に印刷ベース層13の表面に絵柄を印刷して印刷層12を形成する。
これにより、印刷層12、印刷ベース層13およびガラス繊維層14が積層された第1の積層体21が形成される。
印刷層12は、例えば転写印刷層12Aとされ、印刷ベース層13の表面に絵柄が印刷された転写紙を重ね、ガラス繊維層14とともに積層して第1の積層体21とする。
また、印刷層12を、直刷り印刷層12Bとする場合には、ガラス繊維層14の表面に塩化ビニル樹脂ペーストを塗布し、加熱ゲル化し固化して印刷ベース層13とし、固化した印刷ベース層13の表面にグラビア印刷により絵柄を印刷して印刷層12とすることで、ガラス繊維層14の表面に印刷層12が設けられた印刷ベース層13が積層され、第1の積層体21となる。
第1の積層体21の表面にシート状の透明な塩化ビニルの表面層11を積層するとともに、第1の積層体21の裏面にガラス短繊維を含んだ塩化ビニルで構成された裏面層15を積層して第2の積層体22とする工程である。
すなわち、第3の工程では、第1の積層体21の表面に、透明な塩化ビニルの表面層11を積層し、第1の積層体21の裏面に、ガラス短繊維を含んだ塩化ビニルの裏面層15を積層することで、第2の積層体22とする。これにより、第2の積層体22は、第1の積層体21の表裏面が塩化ビニル樹脂シートで挟まれた状態となり、第1の積層体21との接着性を確保する。また、表面層11で床材10の表面の耐摩耗性を確保すると同時に、ガラス短繊維を含んだ裏面層15により、床材10の一層の寸法安定性を確保する。
また、第2の積層体22の裏面、すなわち、ガラス短繊維を含む塩化ビニルの裏面層15の裏面に、さらに塩化ビニルの第2の裏面層16を積層しても良い。
この第2の裏面層16は、既に説明したように、エンボス加工により、溝を形成することで、床材10として施工する際の空気抜きを円滑に行うことができる。また、第2の裏面層16により、ガラス短繊維を含む塩化ビニルの裏面層15が熱ラミネートの際に熱軟化して切断し易くなっても安定して製造(連続熱ラミネート)することができる。
なお、第2の裏面層16へのエンボス加工は、既に説明したように、予めエンボス加工を施した塩化ビニルシートを積層することが表面層11のエンボス加工と工程が重複せずに好ましい。
(4)第4の工程
第2の積層体22を加熱圧着して床材10とする工程である。
第2の積層体22は、表面層11、印刷層12、印刷ベース層13、ガラス繊維層14、ガラス短繊維を含んだ裏面層15が表側から順に積層されており、この第2の積層体22を加熱圧着して熱ラミネートされる。これにより、1回の加熱圧着で、床材10を構成する各層11〜15が加熱圧着されて接着した状態となり、製品としての床材10が得られる。
また、第4の工程では、透明な塩化ビニルの表面層11に、加熱圧着による熱ラミネートと同時に、エンボス加工を施すこともできる。
表面層11のエンボス加工により、印刷された絵柄意匠に合わせた凹凸を形成することで、意匠性を向上することができ、しかも床材10の各層11〜15の加熱圧着と同時に行うことで、工程の増大を招くことなく、効率的に製造することができる。
また、第2の積層体22の裏面に、塩化ビニルの第2の裏面層16を積層した場合にも第4の工程において第2の積層体22および第2の裏面層16が加熱圧着され熱ラミネートされた床材10が製造される。
以下の実施例では、主としてガラス短繊維を含む塩化ビニルの裏面層15のガラス短繊維の含有率を変えてその寸法安定性について評価し、その結果を表1に示した。なお、表中の短繊維含有率は重量比で示している。
(実施例1)
1)透明な塩化ビニルの表面層(表中、透明層と略記)11として、塩化ビニル樹脂(PVC):100重量部、可塑剤(DOP):35重量部、安定剤:5重量部からなる厚さ0.3mmの透明な塩化ビニルシートを用いた。
2)印刷層12として、転写紙による転写印刷層12Aを用いた。
3)印刷ベース層13として、再生塩化ビニル樹脂(PVC):100重量部、可塑剤(DOP):60重量部、安定剤:5重量部、炭酸カルシウム:150重量部、白色の顔料:3重量部からなる厚さ約0.5mmの白色の塩化ビニルシートを用いた。
4)ガラス繊維層14(表中、基材層と略記)として、ガラス不織布:秤量が60g/m2 のガラス不織布と、バインダ樹脂としてアクリル樹脂でボンディングされたガラス不織布層14Aを用いた。
5)ガラス短繊維を含む塩化ビニルの裏面層(表中、塩ビ裏面層と略記)15として、次のものを用いた。
クッションフロア廃材とバージン材料を混練り機に投入後、5分間混練りし、カレンダロールでシート厚み:0.9mmのガラス短繊維:8重量%の裏面層15を得た。なお、クッションフロア廃材中に、ガラス繊維は重量比で15%含まれており、バージン材料としては、塩化ビニル樹脂、可塑剤(DOP)、炭酸カルシウムを混練したものであり、ガラス短繊維が特定の重量比となるよう、適宜配合量を調整した。
6)第2の塩化ビニルの裏面層(表中、バッカー層と略記)16として、厚さ0.3mmの塩化ビニルシートを用いた(実施例7以外)。
これらの各層11〜16を積層した後、1回の加熱圧着で熱ラミネートして床材10を得た(実施例7以外)。
以下に具体的な製造工程(第1〜第4の工程)を示す。
印刷べース層13とガラス繊維層14とを積層した後(第1の工程)、印刷ベース層13に、転写紙を用いて転写印刷層12Aを形成し、第1の積層体を得た(第2の工程)。次いで、第1の積層体の表面にシート状の透明な塩化ビニルの表面層11を積層するとともに、第1の積層体の裏面にガラス短繊維を含んだ塩化ビニルで構成された裏面層15を積層し、さらにその裏面に第2の塩化ビニルの裏面層16を積層し、第2の積層体を得た(第3の工程)。そして、第2の積層体を加熱圧着して床材10を得た(第4の工程)。
1)生産時の安定性
幅収縮、流れ方向に伸びが発生しないかどうかを第4工程の直後にJIS規定の金尺(JIS A1454)で計測した。
◎:極めて安定で、寸法変化がない ○:条件によっては変化がある △:加工安定性がない ×:加工できない、の4段階で評価した。
2)製品の長さ挙動の安定性
JIS A5705(ビニル系床材)、JIS A1454(高分子系張り床材試験方法)に準拠して、加熱による長さ及び幅変化試験を行い、変化率の測定を行った。なお、規格値は−2%以上、2%以下である。
◎:長さ挙動が安定 ○:やや長さ変化がある △:長さ変化がある(規格値を満足しない場合がある) ×:長さ変化が大きい(規格値を満足しない)、の4段階で評価した。
3)施工時の柄合わせ
◎:施工がしやすい ○:施工が何なくできる △:施工が困難 ×:施工ができない、の4段階で評価した。床材10を施工した場合に隣接する床材10同士の絵柄意匠に連続性があるかを評価する。
4)平滑性
◎:塩化ビニルの裏面層が平滑 ○:微小な凹凸有り ×:大きな凹凸あり、の3段階で評価した。平滑性は、ガラス短繊維を含んだ塩化ビニルの裏面層15の平滑性について評価したもので、ガラス短繊維の含有率によって平滑性が変化する。
5)生産時の簡易性
◎:加工が簡便 ○:やや加工が複雑 △:加工が複雑、の3段階で評価したもので、印刷層12の形成において、転写印刷の場合と直刷りとの違いを評価したもの。
以上の、評価基準に基づき、評価した結果を表1に示した。
実施例1の床材10では、表1から明らかなように、生産時の安定性、製品の長さ挙動の安定性および施工時の柄合わせのいずれについても◎と優れたものであった。また、床材10の平滑性については、○であった。
床材10を構成する印刷層12を直刷りとした以外は、実施例1と同一の条件で床材10を得た。
すなわち、印刷ベース層13を、ガラス繊維層14の表面に塩化ビニル樹脂ペーストを塗布し、加熱ゲル化して形成した。この印刷ベース層13の上に直刷り印刷層12Bを形成した。
実施例2の床材10では、表1から明らかなように、生産時の安定性、製品の長さ挙動の安定性および施工時の柄合わせのいずれについても◎と優れたものであった。また、床材10の平滑性については、○であった。
床材10を構成するガラス短繊維を含んだ塩化ビニルの裏面層15のガラス短繊維の含有率を2重量%とした以外は、実施例1と同一の条件で床材10を得た。
すなわち、バージン材料に対するクッションフロア廃材の配合比を小さくすることで、シート厚み:0.9mmで、ガラス短繊維:2重量%の裏面層15を用いて床材10を製造した。
実施例3の床材10では、表1から明らかなように、生産時の安定性、製品の長さ挙動の安定性および施工時の柄合わせのいずれについても○であり、実施例1に比べるとやや劣るもののこれまでの床材10に比べれば柄合わせもでき、優れたものであった。また、床材10の平滑性については、◎と優れたものであった。
床材10を構成するガラス短繊維を含んだ塩化ビニルの裏面層15のガラス短繊維の含有率を5重量%とした以外は、実施例1と同一の条件で床材10を得た。
すなわち、バージン材料に対するクッションフロア廃材の配合比を実施例1に比べて小さくすることで、シート厚み:0.9mmで、ガラス短繊維:5重量%の裏面層15を用いて床材10を製造した。
実施例4の床材10では、表1から明らかなように、生産時の安定性、製品の長さ挙動の安定性および施工時の柄合わせのいずれについても◎と優れたものであった。また、床材10の平滑性については、○であった。
床材10を構成するガラス短繊維を含んだ塩化ビニルの裏面層15のガラス短繊維の含有率を30重量%とした以外は、実施例1と同一の条件で床材10を得た。
すなわち、バージン材料に対するクッションフロア廃材の配合比を実施例1に比べて大きくすることで、シート厚み:0.9mmで、ガラス短繊維:30重量%の裏面層15を用いて床材10を製造した。
実施例5の床材10では、表1から明らかなように、生産時の安定性、製品の長さ挙動の安定性および施工時の柄合わせのいずれについても◎と優れたものであった。また、床材10の平滑性については、○であった。
床材10を構成するガラス短繊維を含んだ塩化ビニルの裏面層15のガラス短繊維の含有率を35重量%とした以外は、実施例1と同一の条件で床材10を得た。
すなわち、バージン材料に対するクッションフロア廃材の配合比を実施例1に比べて大きくすることで、シート厚み:0.9mmで、ガラス短繊維:35重量%の裏面層15を用いて床材10を製造した。
実施例6の床材10では、表1から明らかなように、生産時の安定性、製品の長さ挙動の安定性および施工時の柄合わせのいずれについても◎と優れたものであった。また、床材10の平滑性については、×であった。
床材10を構成する第2の裏面層16をバッカー層として積層しなかった以外は、実施例1と同一の条件で床材10を得た。
すなわち、表面層11、印刷層12、印刷ベース層13、ガラス繊維層14、ガラス短繊維を含んだ裏面層15を積層後、1回の加熱圧着で熱ラミネートして床材10を得た。
実施例7の床材10では、表1から明らかなように、生産時の安定性、製品の長さ挙動の安定性および施工時の柄合わせのいずれについても◎と優れたものであった。また、床材10の平滑性については、○であった。
床材(10)を構成するガラス繊維層(14)をガラス不織布に代えて寒冷紗(織布)とし、ガラス短繊維を含んだ裏面層(15)および第2の裏面材(16)を積層しなかった以外は、実施例1と同一の条件で床材(10)を得た。
すなわち、表面層11、印刷層12、印刷ベース層13、寒冷紗による基材層を積層し、加熱圧着で熱ラミネートして床材(10)を得た。
比較例1の床材では、表1から明らかなように、生産時の安定性は、○であったが、製品の長さ挙動の安定性は、△であり、施工時の柄合わせは、×であった。
床材(10)として、印刷ベース層(13)と、ガラス繊維層(14)をガラス不織布に代えて寒冷紗(織り布)とし、これら2層を積層して無地の床材(10)を得た。
比較例2の床材では、表1から明らかなように、生産時の安定性は、◎であったが、製品の長さ挙動の安定性は、△であった。施工時の柄合わせは、無地であり不要であった。
床材(10)を構成するガラス短繊維を含んだ裏面層15および第2の裏面層16を積層しなかった以外は、実施例1と同一の条件で床材(10)を得た。
すなわち、表面層11、印刷層12,印刷ベース層13、ガラス繊維層14、を積層後、加熱圧着で熱ラミネートして床材(10)を得た。
比較例3の床材(10)では、表1から明らかなように、生産時の安定性は、◎であったが、製品とならないことから製品の長さ挙動の安定性は、評価できず、施工時の柄合わせは、×であった。
床材(10)を構成するガラス短繊維を含んだ裏面層15に代えてガラス短繊維を含まない塩化ビニルの裏面層(15)を用いた以外は、実施例1と同一の条件で床材(10)を得た。
比較例4の床材(10)では、表1から明らかなように、生産時の安定性は、◎であったが、製品の長さ挙動の安定性は、△〜○であり、施工時の柄合わせは、×であった。
また、本発明は、上記実施の形態および実施例に何ら限定するものでない。
11 表面層
12 印刷層
12A 転写印刷層
12B 直刷り印刷層
13 印刷ベース層
14 ガラス繊維層
14A ガラス不織布層
15 裏面層
16 第2の裏面層
21 第1の積層体
22 第2の積層体
30 連続ラミネート装置
31〜35 巻出しロール
36 圧着ローラ
37 熱ドラム
38 巻取りロール
Claims (8)
- 透明な塩化ビニルの表面層と、
絵柄意匠が印刷された印刷層を有する印刷ベース層と、
ガラス繊維を含むガラス繊維層と、
塩化ビニルの裏面層と、が順に積層された床材であって、
前記塩化ビニルの裏面層は、ガラス短繊維を含んで構成される、
ことを特徴とする床材。 - 前記塩化ビニルの裏面層は、ガラス短繊維基材と塩化ビニル素材とからなる廃材を含んだリサイクルシート層で構成される、
ことを特徴とする請求項1に記載の床材。 - 前記塩化ビニルの裏面層は、裏面側に塩化ビニルの第2の裏面層が積層されている、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の床材。 - 前記透明な塩化ビニルの表面層は、表面処理が施されている、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずかに記載の床材。 - 前記透明な塩化ビニルの表面層は、表面に凹凸が形成されている、
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の床材。 - 請求項1〜5のいずれかに記載の床材を製造する方法であって、
印刷べース層とガラス繊維層とを積層する第1の工程と、
前記印刷ベース層に、予め、あるいは前記ガラス繊維層との積層工程中に絵柄を印刷して印刷層を形成し第1の積層体とする第2の工程と、
前記第1の積層体の表面にシート状の透明な塩化ビニルの表面層を積層するとともに、前記第1の積層体の裏面にガラス短繊維を含んだ塩化ビニルで構成された裏面層を積層して第2の積層体とする第3の工程と、
前記第2の積層体を加熱圧着して床材とする第4の工程と、からなる、
ことを特徴とする床材の製造方法。 - 前記第4の工程において、前記透明な塩化ビニルの表面層にエンボス加工を施す、
ことを特徴とする請求項6に記載の床材の製造方法。 - 前記第3の工程において、前記塩化ビニルの裏面層の裏面にエンボス加工を施した塩化ビニルの第2の裏面層を積層する、
ことを特徴とする請求項6または7に記載の床材の製造方法。
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