JP2019214165A - タイル及びタイルの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
また、特許文献2には、表面に凹凸を形成することで、防滑性に加えて、意匠性も付与される旨が記載されているが、表面に凹凸を付与しただけでは、良好な意匠性を得ることはできない。したがって、従来の防滑性を備える合成樹脂製のシートは、意匠性について十分に満足ができるものではなかった。
さらに、従来の防滑性を備える合成樹脂製のシートは、シート状であるため、サイズが大きくかつ重い。そのため、運びづらく、また、作業スペースが狭い場合には使いづらい場合があった。
本発明の第一の態様に係るタイル1は、合成樹脂から形成されるベース層10と、ベース層10の表面側に位置し、合成樹脂から形成される意匠層20と、ベース層10及び意匠層20の間に配置される補強層30と、を有し、タイル1の外周縁部2に目地部2aを有し、目地部2aの幅は、1.0mm以上10.0mm以下であり、意匠層20の表面の清掃・乾燥条件におけるC.S.R値が0.4以上1.0以下であり、目地部2aは、ベース層10、補強層30及び意匠層20を熱圧着してなるものである。なお、意匠層20の表面の清掃・乾燥条件におけるC.S.R値を調整することで、タイル1は適度な防滑性を有するものとなる。
タイル1の平面形状は、正三角形状、正方形状、長方形状、菱形状、等の多角形状であってもよく、円形であってもよいが、タイル1同士を隙間なく並べられるように多角形状であることが好ましい。
また、タイル1を隙間なく並べることで、各タイル1の目地部2a同士が隣接し、目地部2aと、タイル1の中心部等の外周縁部2を除く領域と、の視覚的コントラストが高まることで、良好なタイル基調を有する床材となり、意匠性が向上する。このため、意匠性の観点からもタイル1の平面形状は、多角形状であることが好ましい。また、タイル1の平面形状が、正方形状又は長方形状であると、床の一部に本発明のタイル1を設置する際に、複数枚のタイル1を設置してタイル1が床を占める面積を容易に調整することができる。
また、さらにコンパクトにして作業性を良くするために、タイル1の平面形状が、正方形状又は長方形状である場合には、縦の長さは50mm以上900mm以下、横の長さは50mm以上900mm以下、であることがより好ましく、正三角形状である場合には、1辺の長さが50mm以上900mm以下であることがより好ましく、菱形状である場合には、各対角線の長さは50mm以上1200mm以下であることがより好ましい。
さらに、タイル1の厚みは、1.5mm以上10mm以下であり、1.5mm以上5mm以下であることが好ましく、1.5mm以上3mm以下であることがより好ましい。ここで、玄関や室内における開き戸の下面と床面との隙間は、10mm程度であるため、タイル1の厚みが大きい場合には、開き戸周辺にタイル1を設置することができなくなるが、タイル1の厚みを上記の範囲に調整することにより、開き戸の周辺にもタイル1を容易に設置することができる。
本発明の第一の態様に係るタイル1のベース層10は、合成樹脂からなり、塩化ビニル系樹脂等の熱可塑性合成樹脂を含んでなる層であることが好ましく、更に可塑剤や充填剤を含んでいることが好ましい。これにより、反りを防止することができる。
本発明の第一の態様に係るタイル1の意匠層20は、ベース層10の表面側に位置する。
意匠層20は、熱可塑性樹脂層の単層又は複数層からなる。意匠層20に使用される熱可塑性樹脂としては、塩化ビニル樹脂が好ましいものとして例示されるが、これに限定されず、一般的な製法で得られた発泡塩化ビニル樹脂、再生塩化ビニル樹脂等を使用することができる。意匠層20は、木質層であってもよい。意匠層20の厚みは、例えば1.5mm以上3.5mm以下であることが好ましい。
意匠層20の態様は特に限定されないが、例えば、表面に印刷が施された印刷層と、印刷層の上に積層される透明層と、から形成されていてもよい。また、意匠層20は、複数種の樹脂チップを熱融着させて形成したものでよく、単色の層の表面に、適宜の色彩又は模様による表面意匠を形成したものでよい。
さらに、意匠層20の表面には、防汚性を向上させるために、ワックスやウレタン塗料、UV塗料を塗布してもよい。
なお、ゴムシートの上記の硬度は、JIS K 6253−3に規定するデュロメータ硬さ試験(タイプAデュロメータ)により測定することができる。
本発明の第一の態様に係るタイル1の補強層30は、ベース層10と意匠層20の間に配置される。ここで、タイル1を屋外に設置すると外気温の影響を受けることで、経時的に、寸法が変化しやすく、また、外周縁部2の捲れが発生しやすくなる。また、ベース層10と意匠層20に用いる合成樹脂が異なる場合には、加工時の伸びも異なるため寸法安定性が低下する。このように、寸法や形状が安定しない場合には、タイルを床材として用いた場合の意匠性は著しく低下するものになる。そのため、本発明では、補強層30を設けることで、寸法や形状の変化を抑えることができ、寸法安定性や形状安定性が良好なタイル1を得ることができる。
本発明の第一の態様に係るタイル1は、図2に示すように、タイル1の外周縁部2に、幅が1.0mm以上10.0mm以下の目地部2aを有し、目地部2aは、ベース層10、補強層30及び意匠層20を熱圧着して形成される。これにより外周縁部2や側面の接着性及び耐久性に優れたタイル1とすることができる。
本発明のタイル1では、タイル1の外周縁部2に上記範囲の幅を有する目地部2aを備え、目地部2aは後述するように押圧されることで形成されるため、目地部2aは鏡面的な表面を有することになる。そのため、タイル1同士を複数枚隙間なく並べることで、各タイル1の目地部2a同士が隣接し、目地部2aと、タイル1の中心部等の外周縁部2を除く領域との視覚的コントラストが高まることで、良好なタイル基調を有する床材となり、従来の防滑性を有する合成樹脂製のシートに比べて格段に意匠性が向上する。視覚的コントラストのバランスの観点から、目地部2aの幅は、2.0mm以上8.0mm以下であることが好ましく、2.0mm以上5.0mm以下であることがより好ましい。また、目地部2aは平面視において直線状でもよく、または、ランダムに蛇行した曲線形状であってもよい。
なお、タイル1における外周縁部2の目地部2aの内側に、タイル1の表面に至るまで、曲がり部を有していてもよく、曲がり部は直角であってもよく、斜面形状、R面形状等であってもよい。
目地部2aとタイル1の中心部表面との輝度比が、0.20以上である。
タイル1の中心部表面の輝度に対する目地部2aの輝度を上記の範囲に調整することにより、目地部2aと、タイル1の中心部等の外周縁部2を除く領域と、の視覚的コントラストがより効果的に高まることで、意匠性が更に向上する。
また、目地部2aとタイル1の中心部表面との輝度比が、0.50以上10.0以下であるであることが好ましい。
なお、輝度は市販の色彩輝度計、例えばコニカミノルタジャパン会社製の色彩輝度計CS−200を用いて測定することができ、上記の輝度比は、タイル1の中心部表面の輝度/目地部2aの輝度の式で算出される絶対値である。
また、意匠層20の表面に適度な防滑性を付与するために、意匠層20表面の動摩擦係数は、0.40以上0.95以下であることが好ましい。上記の動摩擦係数は、摩擦摩耗試験機TYPE40(新東科学株式会社製)を使用し、(測定温度23℃、湿度50%、荷重100g、速度100mm/min、移動距離20mm)の条件にて、意匠層20表面の硬底紳士靴すべり片用の硬度80のクロロプレンゴムシート(一辺30mmの正方形)に対する動摩擦係数を測定した数値である。なお、クロロプレンゴムシートの硬度は、JIS K 6253−3に規定するデュロメータ硬さ試験(タイプAデュロメータ)により測定した値である。
本発明の第二の態様は、本発明の第一の態様に係るタイル1を製造する方法であって、ベース層10、補強層30及び意匠層20を積層して積層体1aを形成する積層体形成工程と、意匠層20の表面に防滑性を付与する防滑性付与工程と、積層体1aを表面側から熱圧着して、タイル1の外周縁部2に対応する押圧部2bを形成する押圧部形成工程と、押圧部2bの形状を維持しながら冷却をすることで押圧部2bを硬化させて形状固定する冷却工程と、積層体1aの押圧部2bを切断し、目地部2aを形成し、目地部2aの幅を1.0mm以上10.0mm以下とする目地部形成工程と、を有するタイル1の製造方法である。
本発明の第二の態様に係るタイル1の製造方法は、図3(1)に示すように、ベース層10、補強層30及び意匠層20を積層して積層体1aを形成する積層体形成工程を有する。これにより、積層体1aの層間の接着強度が良好なタイル1とすることができる。
本発明の第二の態様に係るタイル1の製造方法は、意匠層20の表面に防滑性を付与する防滑性付与工程を有する。これによりタイル1が適度な防滑性を有するものとなる。
意匠層20の表面に防滑性を付与する方法としては、意匠層20の表面にエンボスロールによりエンボス加工を施す方法、又は、意匠層20の表面にアルミナ、シリカ、炭酸カルシウム等の防滑性を有する無機粒子を表面に散布する方法が挙げられる。
本発明の第二の態様に係るタイル1の製造方法は、図3(2)に示すように、タイル1の外周縁部2に対応する部分を表面側から熱圧着して、押圧部2bを形成する押圧部形成工程を有する。これにより、タイル1の外周縁部2において、積層体1aを良好に接着することができ、外周縁部2や側面の接着性及び耐久性に優れたタイル1とすることができる。
押圧部2bの形状を維持しながら冷却をすることで押圧部2bを硬化させて形状固定する冷却工程を有する。これにより、押圧部2bにおける積層体1aの接着強度をより良好なものとすることができる。生産性及びコストの観点から自然放冷により冷却することが好ましい。また、図3(2)の拡大図である図3(3)に示すように、目地部2aに相当する部分である押圧部2bの厚みを、タイル1の中心部の厚みに対して、30%以上70%以下とすることができる。これにより、目地部2aと目地部2a以外の領域との間に適度な高低差が生じ、目地部2aと、タイル1の中心部等の外周縁部2を除く領域と、の視覚的コントラストがより効果的に高まることで、意匠性が更に向上する。
本発明の第二の態様に係るタイル1の製造方法は、図3(4)に示すように、押圧部2bを切断刃101で切断し、目地部2aを形成し、目地部2aの幅を1.0mm以上10.0mm以下とする目地部形成工程を有する。また、このときの目地部2aの幅は2.0mm以上5.0mm以下であることが好ましい。
タイル1の外周縁部2に上記範囲の幅を有する目地部2aを備えるため、タイル1同士を隙間なく並べることで、各タイル1の目地部2a同士が隣接し、目地部2aと、タイル1の中心部等の外周縁部2を除く領域と、の視覚的コントラストが高まることで、良好なタイル基調を有する床材となり、従来の防滑性を有する合成樹脂製のシートに比べて格段に意匠性が向上する。さらに、外周縁部2や側面の接着性及び耐久性に優れたタイル1とすることができる。
ベース層として、ポリ塩化ビニルが100重量部と、ジオクチルフタレート(可塑剤)が80重量部と、炭酸カルシウム(充填剤)が260重量部であり、厚みが2.5mmのベース層を作製した。
目地部の幅を8.0mmとした点以外は、実施例1と同様の方法により、タイルを作製した。
目地部の幅を5.0mmとした点以外は、実施例1と同様の方法により、タイルを作製した。
目地部の幅を0.8mmとした点以外は、実施例1と同様の方法により、タイルを作製した。
目地部の幅を12.0mm、目地部の厚みを4.0mmとした点以外は、実施例1と同様の方法により、タイルを作製した。
各実施例及び各比較例で得られたタイルを縦3枚×横3枚となるように計9枚並べて床材を形成した。その後、各モニター20人が、意匠性について、「優れる」又は「劣る」を選択する方式で行った。評価基準は以下のとおりである。◎及び○を合格とした。
◎:「優れる」が16人以上20人以下のとき
○:「優れる」が11人以上15人以下のとき
△:「優れる」が6人以上10人以下のとき
×:「優れる」が、いないか、1人以上5人以下のとき
1a 積層体
2 外周縁部
2a 目地部
2b 押圧部
10 ベース層
20 意匠層
30 補強層
100 押圧刃
101 切断刃
Claims (6)
- 合成樹脂から形成されるベース層と、ベース層の表面側に位置し、合成樹脂から形成される意匠層と、前記ベース層及び前記意匠層の間に配置される補強層と、を有するタイルであって、
前記タイルは、前記タイルの外周縁部に目地部を有し、
前記目地部の幅は、1.0mm以上10.0mm以下であり、
前記意匠層表面の清掃・乾燥条件におけるC.S.R値が0.4以上1.0以下であり、
前記目地部は、前記ベース層、前記補強層及び前記意匠層を熱圧着してなる、タイル。 - 前記意匠層表面の水・ダスト条件におけるC.S.R値が0.4以上1.0以下である、請求項1に記載のタイル。
- 前記目地部の厚みは、前記タイルの中心部の厚みに対して、30%以上70%以下である、請求項1又は2に記載のタイル。
- 前記目地部と前記タイルの中心部表面との輝度比が、0.20以上である、請求項1から3のいずれかに記載のタイル。
- 請求項1から4のいずれかに記載のタイルを製造する方法であって、
ベース層、補強層及び意匠層を積層して積層体を形成する積層体形成工程と、
前記意匠層の表面に防滑性を付与する防滑性付与工程と、
前記積層体を表面側から熱圧着して、タイルの外周縁部に対応する押圧部を形成する押圧部形成工程と、
前記押圧部の形状を維持しながら冷却をすることで押圧部を硬化させて形状固定する冷却工程と、
積層体の押圧部を切断し、目地部を形成し、目地部の幅を1.0mm以上10.0mm以下とする目地部形成工程と、を有するタイルの製造方法。 - 前記押圧部形成工程及び前記目地部形成工程において、前記熱圧着及び前記切断をそれぞれ押圧切断刃で行い、
前記押圧部形成工程における加熱において、高周波誘導加熱を行う、請求項5に記載のタイルの製造方法。
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