JP2013023782A - 発泡壁紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】容易に再生することが可能であり、また発泡樹脂層の表面平滑性に優れ、さらに樹脂層を連続操業で形成することができる壁紙を提供する。
【解決手段】基材と発泡樹脂層とを含む発泡壁紙であり、基材は不織布層とフィルム層とを含み、不織布層とフィルム層とはいずれも、融点が250℃以上のポリエチレンテレフタレートによって構成され、発泡樹脂層が基材のフィルム層上に形成されていることを特徴とする発泡壁紙。
【選択図】なし

Description

本発明は、建築物の壁面内装等に用いられる壁紙に関し、リサイクル可能な発泡壁紙に関するものである。
従来、建築物の壁面内装に用いられる発泡壁紙としては、不燃紙、難燃紙等の通常壁紙用裏打紙といわれるものを基材として用い、該基材上に、(1)意匠性や耐久性に優れ、燃えにくく、施工も容易な塩化ビニル樹脂からなる発泡樹脂層を設けたもの、あるいは、(2)前記発泡樹脂層上に絵柄層を設けたもの、あるいは、(3)前記絵柄層上に表面保護層を設けたもの、あるいは、前記(1)、(2)、(3)に凹凸模様を設けたものなどが一般的である(例えば、特許文献1参照)。
壁紙は、必要に応じて、新しい壁紙と貼り替えられる。貼り替え時に発生した古い壁紙、すなわち剥がされた壁紙は、上記のように樹脂と紙(パルプ)との複合材であるので、再利用することが難しく、大半が焼却処分されるか、あるいは、埋め立て処分されている。したがって、省資源あるいは環境保護等の観点から、リサイクルすることができる発泡壁紙が要望されるようになってきた。
近年、古い壁紙を、セメント原料や活性炭化物などへ利用することが試みられるようになっているが、強固に接着された塩化ビニル樹脂からなる層とパルプからなる基材とを分離することが難しく、特にマテリアルリサイクルについてはなかなか有効な手法が確立されていない。
一方、塩化ビニル樹脂を使用した建設部材のうち、タイルカーペットについては、リサイクルシステムが既に確立されている。このシステムでは、カーペットの裏打ち面を削り取り、塩化ビニル樹脂の粉体と繊維層とを分離して、塩化ビニル樹脂の粉体が、再生塩化ビニル樹脂コンパウンドとして再利用されている。
しかし、壁紙は、上記タイルカーペットに比べて軽くて薄く、また塩化ビニル樹脂層とパルプ層との界面が非常に強固に接着しているため、現状では、壁紙のリサイクルにこのリサイクルシステムを適用しても、壁紙の塩化ビニル樹脂層とパルプ層とを分離することが困難である。
また、発泡ポリ塩化ビニル壁紙のリサイクル技術の一つとして、遠心叩解分離技術による再資源化技術が開発されている。この技術は、叩解用工具をもつドラムを高速回転させ、叩解力で微粉化し、塩化ビニル樹脂層と紙(繊維)との接着界面を破壊(離解)した後、比重分離で、塩化ビニル樹脂と紙(繊維)とを分離回収する技術である。しかし、本技術は未だコストが高く、まだ数%程度と広く普及には至っていない。
特開2009−51042号公報
本発明者等は、容易にリサイクル可能な壁紙を提供する方法を考えた。このとき、壁紙の基材の素材に着目した。そして、壁紙の基材として、汎用されているパルプなどセルロース系物質ではなく、合成樹脂素材を使用した壁紙であれば、基材を分離せずに細かく粉砕することにより、カーペットの塩化ビニルバッキング剤の一部などとして再利用することが可能となると考えた。
しかしながら、合成樹脂素材を使用した基材として、例えば、コストメリットを有するスパンボンド不織布を用いた場合、通常のスパンボンド不織布にはエンボス模様(凹凸)があるので、この不織布上に形成された樹脂層は、発泡後にエンボス模様が浮き出るために、得られる発泡壁紙は、表面平滑性に劣るものであった。
また、樹脂層を形成するために、不織布上に塩化ビニル樹脂ペーストを塗布した際には、樹脂の浸み出しが発生しやすく、製造工程中のガイドローラー等を汚染することがあり、連続操業性を低下させることがあった。不織布への両面平滑カレンダー処理により、さらには扁平糸の採用により、樹脂の浸み出しを防ぐ効果が多少見込まれるが、目付厚薄の薄いところ、すなわち、部分的に繊維量が少ないところなどでは、塩化ビニル樹脂ペーストを塗布する際の圧力加減では樹脂抜けが起こるため、樹脂の浸み出しを完全に防ぐことができないものであった。
本発明の目的は、容易に再生することが可能であり、また発泡樹脂層の表面平滑性に優れ、さらに樹脂層を連続操業で形成することができる壁紙を提供することである。
本発明者らは、発泡樹脂層を有する壁紙の基材(裏打紙)について鋭意検討した結果、壁紙の基材として、融点が250℃以上のポリエチレンテレフタレートによって構成される不織布層とフィルム層とを含む基材を用い、発泡樹脂層をフィルム層上に設けることにより、上記課題が解決できることを見出し、本発明に到達した。すなわち本発明の要旨は下記のとおりである。
(1)基材と発泡樹脂層とを含む発泡壁紙であり、基材は不織布層とフィルム層とを含み、不織布層とフィルム層とはいずれも、融点が250℃以上のポリエチレンテレフタレートによって構成され、発泡樹脂層が基材のフィルム層上に形成されていることを特徴とする発泡壁紙。
(2)発泡樹脂層が、フィルム層上に形成された発泡剤含有樹脂層を発泡させて形成された層であることを特徴とする(1)記載の発泡壁紙。
(3)不織布層が、表裏両面がカレンダー処理されてなるスパンボンド不織布層であることを特徴とする(1)または(2)記載の発泡壁紙。
本発明の発泡壁紙は、基材が、パルプなどセルロース系物質ではなく、ポリエチレンテレフタレートによって構成されるため、基材を分離せずに壁紙を細かく粉砕することによって、カーペットの塩化ビニルバッキング剤の一部などとして再利用することが可能となる。
また、本発明の発泡壁紙は、基材の一部にフィルム層を用い、このフィルム層上に発泡樹脂層を形成するため、発泡樹脂層の表面は平滑性に優れる。また、塩化ビニル樹脂ペーストをフィルム層上に塗布する際に、樹脂の裏抜けが起こらないため、壁紙の製造工程中ガイドローラー等への汚染を防止することができ、連続操業性に優れる。
また、本発明の発泡壁紙の基材が、合成樹脂から構成されるため、基材がセルロース系のパルプを含む紙である場合の問題、すなわち、水を吸い込みやすいため、結露などによる壁紙の劣化や、カビの発生、さらにはこれらに伴って壁紙表面が汚染するなどの問題や、壁紙に水がしみ込んだ場合に壁紙が膨潤して内壁からの剥がれが起きやすいという問題を解消することができる。また、公定水分率が低いポリエチレンテレフタレートからなる不織布とフィルムとを基材に含むことで、水分や湿気による寸法変化が小さいため、壁紙を施工した後の壁紙間の隙間が生じにくい。
さらに、本発明の発泡壁紙の不織布層を壁側に配することで、不織布層に塗布された糊材は不織布の繊維間中に浸透して繊維層内面まで染み込むため、壁との剥離強度が増し、使用中の剥がれが生じにくい。また、通気性が低く乾燥を遅らせることができるフィルム層が不織布層に積層されていることで、一時に多量の糊材を不織布層に塗布してから貼り付けることが可能である。また、貼り付けた後においても、乾燥が遅く、すぐには下地に接着しないため、壁紙を一旦、重ねて貼り付けた後に、裁断することにより綺麗に仕上げる仕上げ作業が容易である。
以下、本発明の発泡壁紙について説明する。
本発明の発泡壁紙は、基材と発泡樹脂層とを含むものであり、前記基材は不織布層とフィルム層とを含み、不織布層とフィルム層とは、融点が250℃以上のポリエチレンテレフタレートによって構成される。
本発明に用いる不織布は、ポリエチレンテレフタレート繊維を、熱的、機械的または化学的な作用によって、接着または絡み合わせることでシート状にしたものであり、不織布としては、短繊維不織布や抄紙、スパンボンド法による、いわゆるスパンボンド不織布が挙げられ、コストの面でスパンボンド不織布を使用することが好ましい。
本発明において、不織布を構成する樹脂は、耐熱性とコストの面から、融点が250℃以上のポリエチレンテレフタレート樹脂である。基材を構成する不織布において、融点が250℃以上のポリエチレンテレフタレートを用いる理由は、基材上に溶融押出して樹脂層を形成する際の160℃程度の加熱や、さらには、樹脂層を発泡する際の210〜240℃程度の加熱に対して、十分な耐熱性を有するためである。
本発明に用いる不織布は、表裏両面がカレンダー処理されてなるスパンボンド不織布であることが好ましい。不織布の表裏両面がカレンダー処理されることにより、表面の凹凸が小さく平滑となる。したがって表面に凹凸が現れにくいという効果がある。
基材における不織布層の厚さは、特に制限はないが、壁紙全体の重量も考慮すると、目付量が10〜70g/mであることが好ましい。特に、壁紙施工時の下地の凹凸を吸収し、いわゆる不陸が目立たなくするには、20g/m以上であることが好ましい。
ポリエチレンテレフタレートによって構成されるスパンボンド不織布は、市販品として入手可能であり、例えば、ユニチカ社製の「70281/WTO」(融点:256℃、目付量:28g/m)が挙げられる。
本発明の発泡壁紙の基材は、上記スパンボンド不織布層に加えて、フィルム層を含むことが必要である。そして、フィルム層を構成する樹脂は、上記不織布層と同様に、耐熱性とコストの面から、融点が250℃以上のポリエチレンテレフタレートである。
ポリエチレンテレフタレートは、エチレングリコールとテレフタル酸とを重縮合反応にすることによって得られる結晶性の熱可塑性樹脂であり、通常、樹脂を成膜後にシートの長さ方向とそれに垂直な方向の2軸方向に延伸(2軸延伸)して分子を配向させることで結晶化され、得られるフィルムは、強度と耐熱性に優れる。
フィルム層の厚さは、10〜40μmであることが好ましい。フィルム層の厚さが10μm未満では、積層する不織布表面の細かな凹凸に追随してしまい、フィルム上に形成される発泡樹脂層の表面は平滑性に劣ることがあり、また壁紙に意匠性を付与するための押圧エンボス加工時に破れ易くなることがある。一方、フィルム層の厚さが40μmを超えると、得られる壁紙自体が硬くなり、壁面施工下地の入隅や出隅、あるいは、起伏に合わせて施工し難くなり、コスト面でも高くなる傾向にある。
フィルム層に適度に孔を設け、適度な透気性を付与すると、壁紙層と住宅壁面層との間の内装結露を防止することができ、壁紙の劣化(腐食)や、カビの発生、これらに伴った壁紙表面の汚染などの問題を防止できることが期待できる。
本発明に用いるフィルム層は、上記理由から、貫通孔を有することが好ましく、孔の数は、1〜1000個/mであることが好ましい。また、孔径は、0.01〜1mmであることが好ましい。フィルムの孔の数が1個/m未満であり、発泡樹脂層が不透湿性である場合、壁紙は通気性に劣り、内部結露が起きたときに、壁紙の劣化や、カビの発生が起きる場合がある。逆にフィルムの孔の数が1000個/m超えると、壁紙を施工時に塗布する施工糊の水分が表側から蒸発し易くなり、壁面に接着施工するまでのオープンタイムが短くなるため、施工し難くなる。
後述するように、発泡樹脂層のセルパンクの回避の手段として、無数の針が設けられたロールに通すことで、発泡樹脂層に孔をあける加工がなされる。その際に、針先がフィルム層まで到達させることで、フィルム層に貫通孔を形成させることができる。
本発明において、不織布層とフィルム層とを含む基材は、目付量が50〜100g/mであることが好ましい。基材の目付量が50g/m以上であれば、施工時の下地隠蔽性に優れており、目付量が100g/m以下であれば、壁紙自体が硬くないことと、壁紙自体の重量が軽いため壁紙施工時の作業性に優れ、コストの面でも好ましい。特に、フィルム層の目付量が55g/m以下(すなわち、フィルムの厚さ40μm以下(ポリエチレンテレフタレートの密度=1.36g/cmで換算))であることが、上記理由から好ましい。
本発明において、不織布層とフィルム層とを含む基材は、不織布層とフィルム層とを貼り合わせて製造することができる。貼り合わせ方法としては、ドライラミネート法、押出しラミネート法、ホットメルトラミネート法、熱ラミネート法等が挙げられる。不織布面とフィルム面との接着強度を高めるため、あらかじめ両方の接着面に、コロナ処理やプラズマ処理による表面改質を行うことが好ましい。
本発明においては、耐熱性の面からドライラミネート法が好ましい。この方法では、接着剤を有機溶剤で適当な粘度に希釈して一方の層に塗布し、乾燥後、もう一方の層と圧着して貼り合わせる。接着剤を塗布する面はとくに限定されない。
接着剤としては、ポリエステル系接着剤、ポリエーテル系接着剤が、耐熱性の点で、他の接着素材に比べ優れている。本発明では、不織布層とフィルム層が、ポリエチレンテレフタレートによって構成されることから、接着剤成分もポリエステル系であることが好ましい。基材をすべて同じ系統(ポリエステル系)の材料で構成することにより、樹脂層を塗布する工程以前の製造工程内で発生した欠陥品等のインダストリアルスクラップはリサイクル性に優れるものとなり、この基材は環境配慮したものとなる。
次に、発泡樹脂層について説明する。
本発明の発泡壁紙は、発泡樹脂層を含む壁紙である。発泡樹脂層を構成する樹脂として塩化ビニル系樹脂等の公知の樹脂を使用することができる。
通常、塩化ビニル系樹脂からなる発泡層は、ペースト用塩化ビニル系樹脂(粉末状)の他に、充填剤、可塑剤、安定剤、発泡剤、顔料等を含有するプラチスチゾル、あるいはこれに有機溶剤を加えたオルガノゾルを、難燃紙等の基材上に塗布し、これを発泡剤の分解温度以上に加熱することにより形成される。また、サスペンジョン樹脂と称される汎用の塩化ビニル系樹脂と発泡剤等を含有した樹脂組成物を用いて、カレンダー成形することによりシートを得、これを加熱により発泡させても形成される。本発明における発泡樹脂層はこれらの方法に準じて形成することができる。以下、プラチスチゾルやオルガノゾルを塗布して発泡層を形成する方法について説明する。
ペースト用塩化ビニル系樹脂としては、例えば塩化ビニルの単独重合体、塩化ビニルと共重合し得る他の単量体との共重合体、これらの混合物等が挙げられる。共重合し得る他の単量体としては、例えば酢酸ビニル、アクリル酸メチル等で代表されるアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチルに代表されるメタクリル酸エステル類等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
充填剤としては、塩化ビニル系樹脂の加工に一般的に用いられているもの、例えば炭酸カルシウム、タルク、水酸化アルミニウム、酸化チタン、三酸化アンチモン、クレー等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよいし、二種以上混合して用いることもできる。
また可塑剤としては、例えばフタレート系、アジペート系、ポリエステル系、エポキシ系、リン酸エステル系、これらの混合物等が用いられるが、好ましくは、フタレート系のジ−イソノニルフタレート、ジオクチルフタレートなどが挙げられる。
安定剤としては、バリウム−亜鉛系、スズ系、カルシウム−亜鉛系、亜鉛系、これらの混合物等が用いられる。
発泡剤としては、例えばアゾ系、スルホヒドラジド系、ニトロソ系等の化合物が用いられる。
プラスチゾル、オルガノゾルは、上記のような各成分を含有するものであるが、これらの他に、希釈剤、減粘剤等の種々の配合剤も含有することもできる。その他、必要に応じて、発泡セル調整剤、顔料、帯電防止剤、紫外線吸収剤、消臭剤、防カビ剤、抗菌剤、防虫剤等の薬剤を添加することができる。これらの成分を含有するプラスチゾル、オルガノゾルを調製する方法としては、例えば、ミキサー、らいかい(擂潰)機等による混練方法が通常用いられる。
上記発泡剤を含有する上記プラスチゾルあるいはオルガノゾルを、基材のフィルム面に塗布することにより、発泡剤含有樹脂層が形成される。塗布する方法としては、ナイフコーターを用いる方法が挙げられる。
次いで、基材のフィルム面に形成された発泡剤含有樹脂層を、発泡剤の分解温度以上に加熱することにより、発泡樹脂層を形成することができる。一般に、発泡剤の分解温度は200℃以上なので、熱処理は200℃以上の高温下で行うために、基材には高温下で寸法変化が生じない耐熱性が要求されるが、本発明はポリエチレンテレフタレートを使用しているため、耐熱性を有する。
発泡樹脂層の発泡状態、例えば、発泡セルの大きさ、発泡セル密度等は限定されず、発泡壁紙の種類、用途等に応じて適宜設計することができる。熱処理時間や温度も発泡剤の種類等に応じて適宜設計することができる。
発泡樹脂層の目付量は、要求性能、意匠性に応じて適宜選択する。
本発明の発泡壁紙は、発泡樹脂層の表面に、絵柄模様層を形成してもよい。絵柄模様層を形成することにより、発泡壁紙に意匠性を付与することができる。絵柄模様としては、例えば、木目模様、石目模様、砂目模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、布目模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、抽象模様等が挙げられる。絵柄模様は、発泡壁紙の種類に応じて選択できる。
絵柄模様層は、発泡樹脂層の表面に、例えば印刷することで形成することができる。なお、絵柄模様層を形成する際には、予め、発泡樹脂層の表面に非発泡樹脂層を形成しておいてもよい。絵柄模様の印刷手法としては、例えば、グラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷等が挙げられる。印刷インキとしては、着色剤、ビヒクル、溶剤を含む印刷インキが使用できる。これらのインキは公知又は市販のものを使用してもよい。着色剤としては、例えば、前記の発泡剤含有樹脂層で使用されるような顔料を適宜使用することができる。
本発明の発泡壁紙には、発泡エンボス模様として、適宜エンボス模様を付してもよい。エンボス加工は、基材上からではなく、その反対側の最表面層の上からエンボス加工すればよい。エンボス加工は、エンボス版等の公知の手段により実施することができる。例えば、最表面層が非発泡樹脂層である場合は、その表面を加熱軟化後、エンボス版を押圧することにより所望のエンボス模様を賦型することができる。エンボス模様としては、例えば、木目板導管溝、石板表面凹凸、布表面テクスチャア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等が挙げられる。
エンボス加工するに先立って、基材側より針を刺して、フィルム層に孔を開けるとともに、樹脂発泡体層(表面までは貫通させず)に孔を開けておくことが好ましい。樹脂発泡体層に開ける孔の数や径は、前述したフィルム層に貫通させた孔の数や径と同程度でよい。通常、発泡樹脂層にエンボスロールを用いて凹凸模様を転写する場合、凹凸模様の高低差が小さいと、発泡樹脂層がエンボスロール全面で押されるような状態になるため、エンボスロールとバックアップロールの間に空気溜まりが生成し、これが成長して、ついには破裂(セルパンク)して製品表面に皺模様として残り、製品の意匠性を著しく損ねるという問題がある。そこで、セルパンクによる皺模様生成を防止する方法として、エンボス加工工程前に、針エンボス設備を設け、樹脂発泡層に細い針で孔を開け、予めガス抜きをすることが好ましい。
本発明の発泡壁紙は、基材が、パルプなどセルロース系物質ではなく、ポリエチレンテレフタレートにより構成されるため、壁紙から基材を分離することなく、壁紙を細かく粉砕することによって、カーペットの塩化ビニルバッキング剤の一部などとして再利用することが可能である。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1
融点が256℃であるポリエチレンテレフタレートからなる表裏面が熱カレンダー加工が施されてなるスパンボンド不織布(ユニチカ社製「70281/WTO」、目付28g/m)と、融点が256℃であるポリエチレンテレフタレートからなるフィルム(厚み12μm)とを、ポリエステル系の接着剤でドライラミネート法により積層し、目付5g/mの基材を作成した。
塩ビペースト樹脂100質量部と、酸化チタン粉末17質量部と、炭酸カルシウム100質量部と、可塑剤としてジオクチルフタレートを55質量部と、熱感知型発泡剤3質量部と、安定剤3質量部と、セル調整剤1質量部とを混練することにより、プチスチゾルを得た。
次いで、得られたプチスチゾルを、テスト用ナイフコーターを用いて、上記で得られた基材のフィルム層側に塗布し、乾燥、発泡後の厚さが3mmになるように展延した後、160℃の乾燥炉にて熱処理して、塗布面が半ゲル状態の発泡剤含有樹脂層を得た。冷却後、225℃に設定したオーブン中で60秒間熱処理することにより、発泡剤含有樹脂層を発泡させ、発泡樹脂層が基材上に形成された発泡壁紙を得た。
得られた発泡樹脂層の基材側より針を刺してフィルム層を貫通させて発泡樹脂層まで貫通する孔(ただし、発泡樹脂層表面までは貫通させない)を多数設けた後、エンボスユニットを用いて220℃で10秒再加熱して、布目パターンの凹凸エンボス加工を施すことにより、所望の発泡壁紙を得た。
得られた発泡壁紙は、基材を構成する素材がポリエチレンテレフタレートであるので、廃棄時に細かく粉砕して、カーペットの塩化ビニル樹脂バッキング剤の一部(再生塩ビコンパウンド)として再利用が可能であった。
比較例1
実施例1で作成した、スパンボンド不織布層とフィルム層とからなる基材の代わりに、パルプ質からなる難燃紙を用いたこと以外は実施例1と同様に行って発泡壁紙を得た。
得られた発泡壁紙は、基材としての難燃紙がパルプ質であるため、カーペットバッキング層へのリサイクル使用は困難であり、大部分が埋め立てあるいは焼却処分しなければならないものであった。
比較例2
基材としてカレンダー加工が施されていないポリエチレンテレフタレート製のスパンボンド不織布(ユニチカ社製「70700/WTO」、目付70g/m)単体を用いた以外は実施例1と同様に行って発泡壁紙を得た。
得られた壁紙は、塩化ビニル発泡樹脂層の裏抜けが認められ、製造工程中のガイドローラー等への汚染が発生し、連続操業性に難があった。加えて、塩化ビニル樹脂塗布表面は、スパンボンド不織布のエンボス由来の凹凸により、表面平滑性に乏しいものであった。
比較例3
基材として、両面に平滑カレンダー処理を施したスパンボンド不織布(ユニチカ社製「70701/WTO」、目付70g/m)単体を用いた以外は実施例1と同様に行って発泡壁紙を得た。
得られた壁紙は、塩化ビニル発泡樹脂層の裏抜けが、比較例2よりも少なかったが、認められた。また、得られた壁紙の塩化ビニル樹脂塗布表面は、表面平滑性に乏しく、不織布を予め平滑カレンダー処理しておいても、樹脂塗布表面の平滑性を改善する効果は不十分であった。
また、発泡樹脂層表面に、実施例1と同様にしてエンボスロールで意匠性の付与を試みたが、表面平滑性に劣り面荒れが存在する発泡樹脂層表面には、意図する模様を形成することが困難であった。

Claims (3)

  1. 基材と発泡樹脂層とを含む発泡壁紙であり、基材は不織布層とフィルム層とを含み、不織布層とフィルム層とはいずれも、融点が250℃以上のポリエチレンテレフタレートによって構成され、発泡樹脂層が基材のフィルム層上に形成されていることを特徴とする発泡壁紙。
  2. 発泡樹脂層が、フィルム層上に形成された発泡剤含有樹脂層を発泡させて形成された層であることを特徴とする請求項1記載の発泡壁紙。
  3. 不織布層が、表裏両面がカレンダー処理されてなるスパンボンド不織布層であることを特徴とする請求項1または2記載の発泡壁紙。
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