JP2011121192A - 発泡樹脂積層シート用基材 - Google Patents

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Abstract

【課題】発泡樹脂層との一体性に優れ、強度が高いとともに剥がしやすく、加工性(すなわち合成樹脂塗工時の裏抜け防止性、並びに乾燥工程時及び発泡工程時の熱による寸法安定性)に優れ、施工後の寸法安定性に優れた発泡樹脂積層シート用基材を提供する。
【解決手段】基材と該基材上に形成された発泡樹脂層とを有する発泡樹脂積層シートを形成するために用いる該基材であって、ポリエステル系繊維を主成分とする見かけ密度0.3〜0.9g/cm3の不織布であり、該発泡樹脂層の形成面となる表面の凹凸度が、1〜150μmである発泡樹脂積層シート用基材。
【選択図】なし

Description

本発明は、例えば壁材、天井材、床材等の建築物内装材として使用される、合成樹脂発泡層を有する発泡樹脂積層シートにおいて、基材として使用できる発泡樹脂積層シート用基材に関するものである。
従来、建築用内装材としては、グラビアプリント、ロータリースクリーンプリント等の意匠表現が容易にでき、耐久性に優れ、かつ汚れ等の除去も容易に行うことのできる、塩化ビニル系樹脂等で形成された合成樹脂製の内装材が主流を占めている。このような内装材は、飲食店等の店舗や集合住宅等において持ち主の変更に伴う改装等により張り替えられる。
このような合成樹脂製の内装材では、通常紙基材が裏打材として使用されており、澱粉糊等の接着剤を介して壁の基体となる石膏ボード等に貼付けられる。しかしながら、改装の際、紙基材が裏打材として使用された内装材を剥がそうとすると、紙基材が破れやすく剥がす手間がかかるという問題点を有していた。このような問題点を解決するため、例えば特許文献1、特許文献2及び特許文献3のように、これまでは発泡樹脂積層シートの構成、紙基材に被覆層を設けること等、より層間剥離性を向上させる検討が行われてきた。
特許文献4には、特定の樹脂の基材としてポリエステル不織布が挙げられている。しかしながら、該基材の具体的な内容は示されていない。
特許第3283639号公報 特許第2891760号公報 特許第3144777号公報 特許第3949797号公報
従って、剥がしやすさという機能が得られるように基材が満足すべき特定の条件については従来考慮されていない。また、層間剥離性を改良すると、改装時の剥がしやすさは向上するものの、施工時及び使用中に接触等の衝撃が加わった際により剥がれやすくなり施工時の取り扱いが難しく、耐久性が短くなる等の問題が生じていた。更に、基材又は裏打材として紙を用いる場合、紙が長期使用において吸放湿することにより寸法変化を起こして目地に隙間が開くという問題があった。
本発明の課題は、発泡樹脂層との密着性に優れ、基材が緻密化されているために強度が高く、繊維が脱落しにくい構造を有しているため剥がしやすく、加工性(すなわち合成樹脂塗工時の裏抜け防止性、並びに乾燥工程時及び発泡工程時の熱による寸法安定性)に優れ、さらに施工後の寸法安定性にも優れた発泡樹脂積層シート用基材を提供することにある。
本発明者は、所定の条件を満足するポリエステル系不織布を発泡樹脂積層シートの基材として使用することにより、改装の際破れることなく剥がすことができるとともに施工後の環境変化による寸法変化が少ない発泡樹脂積層シートが得られることを見出し、本発明に到達した。すなわち本発明は以下の通りである。
[1] 基材と該基材上に形成された発泡樹脂層とを有する発泡樹脂積層シートを形成するために用いる該基材であって、
ポリエステル系繊維を主成分とする見かけ密度0.3〜0.9g/cm3の不織布であり、上記発泡樹脂層の形成面となる表面の凹凸度が、1〜150μmである、発泡樹脂積層シート用基材。
[2] 繊維径1〜30μmの繊維からなり、目付が30〜100g/m2であり、かつ厚みが35〜300μmである、上記[1]に記載の発泡樹脂積層シート用基材。
[3] 180℃環境下無張力で3分間保持したときの乾熱寸法変化率が、経方向0%〜−5.0%、緯方向−1.0%〜3.0%である、上記[1]又は[2]に記載の発泡樹脂積層シート用基材。
[4] 上記発泡樹脂層の形成面を与える表面層、該表面層に接する中間層及び該中間層に接する裏面層が熱圧着により一体化されている積層不織布であり、かつ下記(1)〜(3):
(1)表面層が、繊維径7〜30μmの熱可塑性樹脂長繊維からなる層を少なくとも1層有すること、
(2)中間層が、繊維径1〜5μmのメルトブロウン繊維からなる層を少なくとも1層有し、目付が1g/m2以上であり、かつ積層不織布の目付の30質量%以下を構成すること、及び
(3)裏面層が、繊維径7〜30μmの熱可塑性樹脂長繊維からなる層を少なくとも1層有し、かつ目付が3〜40g/m2であること
を満足する、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の発泡樹脂積層シート用基材。
[5] カレンダー処理されている、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の発泡樹脂積層シート用基材。
本発明の発泡樹脂積層シート用基材は、加工性が良好で、発泡樹脂層を直接コーティング等により形成できるものであり、例えば紙基材等の裏打なしで、基材と発泡樹脂との密着性が良好な発泡樹脂積層シートを形成できる。すなわち、基材の見かけ密度を所定の範囲にコントロールすることにより、発泡樹脂が基材に適度にしみこみ密着して一体化し、基材が緻密化することにより繊維同士が強固に圧着され、はがれにくく、繊維くずが出にくいとともに強度が高くなる。このため、本発明の発泡樹脂積層シート用基材は強度に優れ、これを用いて形成される発泡樹脂積層シートは、例えば壁の基体となる石膏ボード等に貼り付けることができ、改装の際は、例えば紙基材を用いる場合のように破れることなく剥がすのが容易である。更に、本発明の発泡樹脂積層シート用基材は環境変化による寸法変化が少なく、施工後長期間経過しても目地が開く等の問題が生じにくいという利点を有する。
以下、本発明について詳細に説明する。
[発泡樹脂積層シート用基材]
本発明の一態様は、基材と該基材上に形成された発泡樹脂層とを有する発泡樹脂積層シートを形成するために用いる該基材であって、ポリエステル系繊維を主成分とする見かけ密度0.3〜0.9g/cm3の不織布であり、発泡樹脂層形成面となる表面の凹凸度が1〜150μmである、発泡樹脂積層シート用基材を提供する。本発明の発泡樹脂積層シート用基材(以下、基材ということもある)は、例えば建築内装材の装飾層等となる発泡樹脂層の形成のための基材として用いられ、該発泡樹脂層とともに発泡樹脂積層シート(以下、積層シートということもある)を形成できるものである。なお発泡樹脂層の詳細については後述する。本発明の発泡樹脂積層シート用基材としては、1層の不織布、又は1層以上の不織布層を含む複数の層からなる積層不織布を用いることができる。
本発明の発泡樹脂積層シート用基材は、ポリエステル系繊維を主成分とする不織布である。本明細書において、ポリエステル系繊維を主成分とする不織布とは、不織布を構成する要素のうちポリエステル系繊維の含有量(質量基準)が最も多い不織布を意味するが、特に典型的には、不織布の少なくとも70質量%をポリエステル系繊維が占めている不織布である。本発明の発泡樹脂積層シート用基材は、ポリエステル系繊維を主成分とすることによって、例えば従来の紙基材と比べて、破断強度が高く、環境条件下での長期使用時の寸法変化が少ない。よって本発明の発泡樹脂積層シート用基材を用いることにより、強度が高く剥がしやすいため施工時の取り扱い性が良好で、かつ施工後の寸法安定性が良好な発泡樹脂積層シートを得ることができる。
ポリエステル系繊維は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、及びポリトリメチレンテレフタレート(PTT)等のポリエステル単独重合体、ポリエステル系共重合体、単独重合体と共重合体との混合物等から形成できる。ポリエステル系共重合体としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタリンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、シクロヘキサンジメタノール等のジオールとが重合されたもの等が挙げられる。また、生分解性を有する樹脂、例えば、ポリ乳酸をはじめとする脂肪族ポリエステル樹脂を用いてもよい。さらに、例えばリン系有機モノマー等を共重合したポリマーを混用し難燃性を付与することもできる。ポリエステル系繊維としては、短繊維又は長繊維を単独で用いてもよく、2種以上の繊維を積層又は混合して用いてもよい。中でも、ポリエチレンテレフタレートで形成された長繊維不織布は耐熱性、強度の観点から好ましい。また、ポリエステル系繊維中に、他の成分として顔料、艶消し剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、鎖伸張剤等の各種添加剤を例えば10質量%未満混合しても差し支えない。
ポリエステル系繊維の断面形状としては、丸型断面、並びに扁平型及びT型等の異形断面等が挙げられる。
ポリエステル系繊維を主成分とする不織布は、ポリエステル系繊維以外に、バインダー繊維、接着性樹脂等を30質量%以下で含有できる。
バインダー繊維としては、公知の未延伸PET繊維、低融点ポリエステル繊維のようなポリエステル系繊維が挙げられる。また、例えば、実用的な強度に影響のない範囲において、少量のポリオレフィン等の低融点成分をポリエステル系繊維に加えて、不織布の可撓性を改質することもできる。また他の改質としては、ポリエステル系繊維を芯にポリオレフィン等を鞘に用いた芯鞘繊維とすること等が挙げられる。ポリエステル系繊維以外のバインダー繊維の不織布中の含有量としては、繊維同士の接着強度を強固にする観点から3質量%以上が好ましく、30質量%以下が好ましい。該含有量は、より好ましくは5〜20質量%である。
接着性樹脂の使用は、ポリエステル系繊維として短繊維を使用する場合に特に有用であり、不織布に優れた形態保持性を与えることができる。接着性樹脂としては、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、並びにこれらの変性体及び混合体等からなる熱可塑性樹脂等を用いることができる。接着性樹脂の不織布中の含有量としては、繊維同士の接着強度を強固にする観点から3質量%以上が好ましく、ポリエステル系繊維を70質量%以上含有させる観点から30質量%以下が好ましい。該含有量は、より好ましくは5〜20質量%である。
本発明の発泡樹脂積層シート用基材は見かけ密度が0.3〜0.9g/cm3であることが必要である。発泡樹脂積層シート用基材は見かけ密度を0.3〜0.9g/cm3にすることにより適度に発泡性樹脂が基材中に浸透し、基材と発泡樹脂層との密着性が優れ、基材が緻密化され繊維間の接着性がよいために強度が高く、繊維が脱落しにくい構造になる。それ故、剥がしやすく、同時に加工性(すなわち合成樹脂塗工時の裏抜け防止性、並びに乾燥工程時及び発泡工程時の熱による寸法安定性)にも優れる基材が得られる。見かけ密度が0.3g/cm3未満であると、発泡樹脂層形成時に樹脂の裏抜けがしやすくなり、樹脂の塗工工程での加工性が悪くなるため好ましくない。また、見かけ密度が0.9g/cm3を超えると、不織布の密度が大きくなりすぎて、基材上にコーティング等によって発泡樹脂層を形成する際に発泡性合成樹脂組成物が進入すべき空隙が少なくなるため、発泡樹脂と基材との密着性が不十分となり好ましくない。基材と発泡性樹脂との密着性は発泡性樹脂の粘度を調整することによっても調整できる。粘度を低くすれば密着性はよくなるが裏抜けしやすくなり、粘度を高くすれば密着性が低下する傾向がある。見かけ密度を0.4〜0.9g/cm3に調整すれば通常使用される任意の樹脂を使用しても裏抜けすることなく問題なく使用でき好ましい。より好ましくは0.5〜0.8g/cm3である。上記見かけ密度は、後述の方法で測定される目付及び厚みから、式:見かけ密度=(目付)/(厚み)に従って算出される。
本発明の発泡樹脂積層シート用基材は、基材の凹凸が発泡樹脂塗工時に発泡樹脂層の厚み斑につながり、発泡樹脂の発泡後に表面が凹凸になり、意匠性、柄付け性に影響を与える。それ故、基材は平滑であるほど好ましい。シート用基材においては、発泡樹脂層の形成面(例えばコーティング面)となる表面の凹凸度が、1〜150μmの範囲であれば意匠性を確保できる。表面の凹凸度が1μm未満である場合、発泡樹脂層と基材との密着性が低く、150μmを超える場合、発泡樹脂の形成(例えばコーティング)時に基材表面の凹部に厚く付着した発泡樹脂が発泡時に浮き上がるため、樹脂表面の平滑性の理由で内装材等の柄が制限される。上記凹凸度としては、1〜100μmが好ましく、1〜30μmが更に好ましい。上記凹凸度が1〜30μmの範囲である場合、発泡樹脂層の厚み及び柄に影響されず特に有利に使用できる。上記の表面の凹凸度は、非接触高速3次元形状システム(例えばコスム社製 非接触高速3次元形状システム MAP―3D)を使用し、発泡樹脂層形成面となる基材表面を上になるようスライドガラスに両面テープで固定し、20mm間を100μmピッチで表面凹凸を測定し、隣り合う山と谷間の高さを20個測定し数平均することによって求めることができる。特定の周期で凹凸を繰り返す柄(例えばエンボス)が存在する場合には、柄の凹凸の山谷間の高さを測定する。経緯20mm×20mm間をそれぞれ100μmピッチで測定したときに経方向と緯方向とで測定値が異なる場合、上記凹凸度は、より凹凸度が大きい方向での値を意味するものとする。
本発明の発泡樹脂積層シート用基材は、繊維径1〜30μmの繊維からなることが好ましい。該基材は、平均繊維径が好ましくは7〜30μmの単層不織布で形成できるが、この場合、平均繊維径1〜5μmの極細繊維を混在させるか又は積層することにより、より緻密化されやすく好ましい。繊維径が1μm未満の場合、基材の生産性が低下する傾向がある。また、繊維径が30μmを超える場合、表面の平滑性が低下するとともに発泡性合成樹脂の裏抜け防止性が低下する傾向がある。上記繊維径は、裏抜け防止性を高めるメルトブロウン層を形成するのに適正な範囲は1〜5μmであり、長繊維不織布、短繊維不織布を形成するのに好ましい範囲は7〜30μmである。上記繊維径は、マイクロスコープにより繊維の直径(異型断面の場合には外接円の直径)を測定したときの、例えば30点の数平均値として算出される値である。
本発明の発泡樹脂積層シート用基材の目付は30〜100g/m2であることが好ましい。目付が30g/m2未満の場合、発泡樹脂形成時に樹脂が裏抜けしやすくなる傾向がある。また、目付が100g/m2を超える場合、発泡樹脂積層シートを内装材等として用いる場合に、発泡樹脂積層シート自体の単位面積当たりの重量が増加し、施工性が低下する傾向がある。目付は、より好ましくは40〜80g/m2である。上記目付は、JIS−L−1906に準拠して求めることができる。
本発明の発泡樹脂積層シート用基材の厚みは35〜300μmであることが好ましい。厚みが35μm未満の場合は、見かけ密度を高くしても樹脂の裏抜け防止性が低い傾向がある。また厚みが300μmを超える場合は、基材が厚くなりすぎ、壁面角部の施工性が低下する傾向がある。厚みは、より好ましくは45〜200μm、更に好ましくは45〜110μm、特に好ましくは60〜100μmの範囲である。上記厚みは、厚み計(例えばPEACOCK製No.207)を用い、JIS−L−1906に準拠して求めることができる。
本発明の発泡樹脂積層シート用基材をスパンボンド法で製造し、エンボスロールで部分熱圧着する場合には、エンボス深さの小さい柄を用いることが基材の平滑性の観点でより好ましい。例えばエンボス深さは1mm以下が好ましく、0.5mm以下が更に好ましい。また、より平滑性を向上させるにはさらにカレンダー加工を施すことが好ましい。カレンダー加工により見かけ密度も向上させることができる。エンボスロール面ではなく、フラットロール面を発泡樹脂層の形成面とすることにより、エンボスロール面に発泡樹脂層を形成するのと比べてより平滑に樹脂を発泡させることができる。
本発明の発泡樹脂積層シート用基材は、180℃環境下無張力で3分間保持したときの乾熱寸法変化率が、経方向0%〜−5.0%、緯方向−1.0%〜3.0%であることが好ましい。本発明の発泡樹脂積層シート用基材に発泡樹脂層を形成する際には、例えば発泡性合成樹脂組成物の塗工後、乾燥工程及び樹脂発泡工程という高温処理工程を通る。この場合、基材の乾熱処理での寸法変化が大きいと、製品幅が短くなること、皺が入って製品品位が低下すること等が問題になる。特に、通常、基材上に発泡樹脂層を形成する際、MD(経)方向はロールにより固定されているが、CD(緯)方向は固定されていない場合が多く、CD(緯)方向は特に収縮しやすい。基材を180℃環境下無張力で3分間保持したときの乾熱寸法変化率がMD(経)方向0%〜―5.0%、CD(緯)方向−1%〜3.0%の範囲内にコントロールしている場合、製品品位が良好な発泡樹脂積層シートを製造できる点で有利である。上記乾熱寸法変化率は、MD方向では0%〜−3.5%がより好ましく、CD方向では0%〜3.0%がより好ましい。上記乾熱寸法変化率は、温度180℃の乾燥機中で基材を3分間熱処理し、熱処理前後の寸法から、下記式に従って算出する。
MD方向の乾熱寸法変化率={(熱処理後のMD寸法)−(熱処理前のMD寸法)}/(熱処理前のMD寸法)
CD方向の乾熱寸法変化率={(熱処理後のCD寸法)−(熱処理前のCD寸法)}/(熱処理前のCD寸法)
ポリエステル系繊維の融点は、200℃以上であることが好ましい。本発明の発泡樹脂積層シート用基材の上に発泡樹脂層を形成する際、通常発泡工程は発泡樹脂面側から加熱し、180℃〜230℃前後で行うため、基材の温度も150℃〜170℃近辺まで上昇すると考えられる。ポリエステル系繊維の融点が200℃以上であれば発泡工程でも基材が断布することなく生産することができる。ポリエステル系繊維の融点は、より好ましくは210〜280℃、更に好ましくは210〜270℃である。なお上記融点は、示差走査熱量計(例えばSIIナノテクノロジー社製のDSC210)を使用し、測定雰囲気:窒素ガス50mL/分 昇温速度:10℃/分で測定を行い、融解ピークの導入部分における変曲点の漸近線とTgより高い温度領域でのベースラインとが交わる温度として求められる値である。
ポリエステル系繊維等の熱可塑性樹脂は、ガラス転移点以上の温度で軟化する。ポリエステル系繊維を主成分とする不織布は、湿潤時に強度が低下しない点で紙基材よりも有利である。しかし、ポリエステル系繊維を主成分とする不織布もガラス転移点以上の温度がかかる環境下で張力がかかると伸びる傾向があるため、発泡樹脂塗工後の乾燥時や発泡の際のロール間張力を、例えば従来の紙基材を使用する場合と比べて低張力に設定することは、品位のよい発泡樹脂積層シートが得られやすい点で好ましい。しかしながら、発泡性樹脂の発泡工程時には基材も150℃〜170℃あたりまで昇温すると考えられるため、ポリエステル系繊維を主成分とする不織布の150℃環境下の熱時破断強度が例えば150N/5cm以上である場合には、特に張力の調整を行わなくても従来の設備を問題なく使用することができ好ましい。なお上記熱時破断強度は、150℃に設定した加熱炉に不織布試験片をセットし、庫内の温度が上記所定の温度に達した時点で破断強度を測定する方法で測定される値である。
本発明の発泡樹脂積層シート用基材は、目付が30〜100g/m2の範囲において細い繊維と太い繊維を混用して形成することが好ましい。この場合、より基材を緻密化し、より好ましい壁紙基材が得られやすい。その混用例を説明する。発泡樹脂層の形成面を与える表面層、該表面層に接する中間層及び該中間層に接する裏面層が熱圧着により一体化されている積層不織布であり、かつ下記(1)〜(3):
(1)表面層が、繊維径7〜30μmの熱可塑性樹脂長繊維からなる層を少なくとも1層有すること、
(2)中間層が、繊維径1〜5μmのメルトブロウン繊維からなる層を少なくとも1層有し、目付が1g/m2以上であり、かつ積層不織布の目付の30質量%以下を構成すること、及び
(3)裏面層が、繊維径7〜30μmの熱可塑性樹脂長繊維からなる層を少なくとも1層有し、かつ目付が3〜40g/m2であること
を満足する基材は、より好ましく発泡樹脂積層シートを製造することができる。本発明の基材が、表面層、中間層及び裏面層が熱圧着により一体化されている積層不織布である場合、基材の均一性が高く、中間層であるメルトブロウン層が発泡樹脂層形成時の樹脂の裏抜けを防止するためいっそう好ましい。
表面層には、平滑でかつ発泡性樹脂が適度にしみこみ発泡性樹脂と基材を密着させる機能が必要である。繊維径が7〜30μmであれば表面の平滑性を維持し、基材を密着させる見かけ密度にコントロールしやすい。このうち基材の最表面をなす層は、上記ポリエステル系繊維から選択される長繊維からなり、繊維径は、好ましくは7〜30μm、より好ましくは7〜20μmの範囲である。上記繊維径が7μm未満では、カレンダー加工時に圧着が効きすぎフィルム化しやすくなるため生産条件のコントロールが難しくなり、発泡性樹脂との密着性が低下しやすくなる。30μmを超えると表面の平滑性が低下する傾向がある。
中間層のうち少なくとも1つの層は、例えば上記ポリエステル系繊維等から選択されるメルトブロウン繊維からなり、繊維径は、好ましくは1〜5μm、より好ましくは1〜3μmの範囲である。中間層の極細繊維層はより緻密な層を形成し、発泡樹脂の更なるしみこみ(裏抜け)を防止する働きをする。上記繊維径が1μm未満では基材の生産性が低下する傾向があり、5μmを超えると繊維間隙が大きくなりすぎ、発泡樹脂のコーティング時の裏抜け防止性が十分発揮できない傾向がある。
この中間層に使用されるメルトブロウン繊維はバインダー繊維の働きも有し、裏面層と表面層とを強固に接着し層間剥離や繊維の脱落の防止を助ける機能を有する。中間層の目付が1g/m2未満では発泡樹脂の裏抜け防止機能や繊維間の接着機能が低下する傾向がある。
中間層の目付は、発泡樹脂の裏抜け防止性の観点から好ましくは1g/m2以上であり、より好ましくは3g/m2〜25g/m2である。また中間層は、積層不織布の目付に対して30質量%以下を構成することが好ましい。30質量%を超えると基材の見かけ密度が高くなりすぎる傾向にある。中間層は、積層不織布の目付の1.5質量%〜30質量%を構成することがより好ましく、3質量%〜25質量%を構成することが更に好ましい。
裏面層のうちの少なくとも1つの層、好ましくは基材の最裏面をなす層は、例えば表面層において前述したのと同様のものから選択できる熱可塑性樹脂の長繊維からなり、繊維径は、好ましくは7〜30μm、より好ましくは7〜20μmの範囲である。該基材を生産する際、通常は、裏面層を形成した上に引き続き中間層を形成する方法をとっている。これにより、中間層は裏面層の繊維間に絡まるように形成され、裏面層により固定される。このため、裏面層の繊維径が30μmを超えると長繊維同士の繊維間隙が広くなりすぎ、メルトブロウン繊維を十分に固定することができなくなり、発泡樹脂層の形成(例えばコーティング)時に生じる圧力によりメルトブロウン繊維が移動して中間層の繊維間隙が大きくなるため、結果的に裏抜け防止性が十分発揮できない傾向がある。一方、上記繊維径が7μm未満では繊維間隙がメルトブロウン層(中間層)に近くなり、メルトブロウン層に滞留している発泡性樹脂(例えばコーティング樹脂)を毛細管力により吸引する力が強くなるため、十分な裏抜け防止性が発揮できない傾向がある。
裏面層の目付は、中間層であるメルトブロウン繊維を固定し、発泡性樹脂の裏抜けを防止する観点から好ましくは3〜40g/m2である。
発泡樹脂積層シート用基材として、メルトブロウン繊維を積層した不織布を用いる場合、フラットロールにて熱圧着する場合には一般的に表面層を樹脂形成(塗工)面とするが、裏面層を樹脂塗工面に用いても何ら差し支えない。また、エンボスロールにて熱圧着する場合には、フラットロール面(裏面層)を樹脂塗工層とすることが平滑性の観点でより望ましい。しかしカレンダー加工を行う場合はこの限りではない。
[発泡樹脂積層シート用基材の製造]
本発明の発泡樹脂積層シート用基材となる不織布は、従来公知のスパンボンド(SB)法、フラッシュ紡糸法、スパンレース法、ニードルパンチ法、抄造法等で製造できる。特にスパンボンド法から得られる長繊維不織布は好ましい。なお基材が積層構造を有する場合には各層を互いに同じ又は異なる方法で形成できる。
発泡樹脂積層シート用基材の製造においては、通常熱圧着工程を行う。熱圧着は、ポリエステル系繊維の融点よりも例えば50℃から120℃低い温度で、線圧100〜1000N/cmでフラットロール又はエンボスロールを用いて繊維間(積層構造においては繊維間及び層間)を接合できる。本発明の基材はカレンダー処理されていることがより好ましい。カレンダー処理されることにより、基材表面がより平滑になり、発泡性樹脂発泡後の表面品位がよくなる。また、基材の繊維間の接着強度が増し、繊維くずが脱落しにくくなる他、基材の強度アップにもつながる。この場合、上記の熱圧着後に、例えば熱圧着温度よりも10℃以上高く且つポリエステル系繊維の融点より10〜100℃低い温度で線圧100〜1000N/cmでカレンダー処理することにより、良好な強度が得られ、見かけ密度を制御することができる。カレンダー処理における温度が、ポリエステル系繊維の融点より低く、その温度差が10℃未満である場合には、見かけ密度が高くなりすぎる場合があり、一方その温度差が100℃を超える場合には、乾熱寸法変化率を所定の範囲内に制御することができず、強度が低くなる場合がある。
熱圧着工程及びカレンダー処理における線圧が100N/cm未満であると良好な接着が得られにくく、良好な強度が発現されにくい傾向がある。また線圧が1000N/cmを超えると繊維の変形が大きくなりすぎ、見かけ密度が高くなりすぎて本発明の範囲内とすることが難しい傾向がある。
本発明の発泡樹脂積層シート用基材には後加工により難燃性を付与することができる。例えば燃焼カロリーを低下させるために水酸化アルミニウム等が好ましく用いられる。
[発泡樹脂積層シート]
本発明の発泡樹脂積層シート用基材は、発泡樹脂積層シート用基材と、該発泡樹脂積層シート用基材上に形成された発泡樹脂層とを有し、該発泡樹脂層が、発泡剤を含む発泡性合成樹脂組成物の加熱発泡により形成されている、発泡樹脂積層シートを提供するために使用できる。
発泡樹脂層は合成樹脂(通常は軟質樹脂)から形成される。軟質樹脂としては、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、EVA、ポリオレフィン樹脂等を使用できる。
発泡剤としては、一般的に使用されているアゾジカルボアミドの他、オキシビスベンゼンスルフォニルヒドラジド、ベンゼンスルフォニルヒドラジド、p−トルエンスルフォニルヒドラジド、ジアゾアミノベンゼン、アゾビスイソブチロニトリル等の熱分解型有機系発泡剤が使用できる。これらの発泡剤は2種以上併用することができる。また発泡剤の添加量は所望の発泡倍率、使用する発泡剤の種類等により適宜添加することができる。
発泡剤を含む発泡性合成樹脂組成物は、上述の合成樹脂、上述の発泡剤、及び可塑剤、更に任意に安定剤、充填剤、顔料等からなる。好ましい発泡性合成樹脂組成物の組成としては、例えば、合成樹脂が塩化ビニル系樹脂である場合は、塩化ビニル樹脂単独又は塩化ビニルと酢酸ビニル、エチレン、プロピレン、マレイン酸エステル、メタクリル酸エステル等との共重合体から選択される1種以上の合成樹脂100質量部に対して、1種以上の発泡剤を0.5〜10質量部、及び可塑剤を50〜100質量部、更に任意成分として、安定剤、充填剤及び顔料を含有させたものが挙げられる。
上述のような発泡性合成樹脂組成物を基材上にナイフコーター等により塗工し、樹脂の仕様に応じた発泡条件を適宜選択して加熱発泡させることにより、基材上に発泡樹脂層を形成できる。発泡樹脂層には、発泡後常套の方法による模様付け又はエンボス等の表面処理が施されていてもよい。
以下、実施例を用いて本発明を更に具体的に説明するが本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。本発明の特性は、下記の方法で測定した。
(1) 目付(g/m2
縦20cm×横25cmの試料を3カ所切り取り、質量を測定し、その数平均値を単位面積当たりの質量に換算して求めた(JIS−L−1906に準拠)。
(2) 厚み(μm)
接圧荷重100g/cm2にて幅方向に10箇所測定し、その数平均値を厚みとした。厚み計は、PEACOCK製No.207を用いた。最小目盛が0.01であるため、小数点第3位まで読み取って平均した後、有効数字を2桁としてμmに換算した(JIS−L−1906に準拠)。
(3) 見かけ密度(g/cm3
上記(1)にて測定した目付(g/m2)、及び上記(2)にて測定した厚み(μm)を用い、以下の式により算出した。
見かけ密度=(目付)/(厚み)
(4) 平均繊維径(μm)
試料(不織布)の両端部10cmを除いて、試料の幅20cm毎の区域から、それぞれ1cm角の試験片を切り取った。各試験片について、マイクロスコープで繊維の直径を30点測定して、測定値の数平均値(小数点第2位を四捨五入)を算出し、試料を構成する繊維の平均繊維径とした。
(5) 破断強度(引張強力)(N/5cm)
試料の両端部10cmを除き、幅5cm×長さ20cmの試験片を切り取った。以下の条件で測定したときの試験片の最大荷重時の強さの5箇所での数平均値をMD(経方向)で求めた。
把持長:10cm 引張速度:10cm/分
(6) 熱時破断強度(熱時引張強力)(N/5cm)
上記(5)と同様形状に作製した試料を、所定の温度(150℃)に設定した加熱炉にセットし、庫内の温度が上記所定の温度に達した時点で(5)と同様の条件で試料を伸張して破断強度を求めた。
(7) 乾熱寸法変化率
サンプルを30cm×30cmにサンプリングし、経緯それぞれ20cm間隔で5箇所印をつけた。この試料を3枚準備し、温度180℃で3分間、乾燥機で熱処理し、熱処理前後の印間寸法から、下記式に従って算出した。
MD方向の乾熱寸法変化率={(熱処理後のMD寸法)−(熱処理前のMD寸法)}/(熱処理前のMD寸法)
CD方向の乾熱寸法変化率={(熱処理後のCD寸法)−(熱処理前のCD寸法)}/(熱処理前のCD寸法)
(8) 表面の凹凸度(μm)
コスム社製 非接触高速3次元形状システム MAP―3Dを使用し、発泡樹脂層のコーティング面となる基材表面の凹凸度を測定した。試料をスライドガラスに両面テープで固定し、20mm間について100μmピッチで表面凹凸を測定した。隣り合う山と谷間の高さを20個測定し数平均した。特定の周期で凹凸を繰り返す柄(たとえばエンボス)が存在する場合には柄の凹凸の山谷間の高さを測定した。この数値が小さいほど表面の平滑性に優れる。
(9) 樹脂裏抜け防止性
ステンレス板上に固定した基材の上に、下記配合からなる塩化ビニル樹脂組成物を0.2mmの厚さにナイフコーターでコーティングしたのち、ステンレス板上の樹脂汚れの発生の有無を確認した。
評価は下記の基準で行った。
良好:ステンレス板上に樹脂の付着が見られないもの
不良:ステンレス板上に樹脂が付着しているもの。
塩化ビニル樹脂組成物配合
ペースト塩化ビニル樹脂 43質量%
ジオクチルフタレート 20質量%
重質炭酸カルシウム 35質量%
発泡剤(アゾジカルボンアミド) 2質量%
[実施例1〜7]
裏面層としてPET長繊維ウェブを形成した。汎用PET(ポリエチレンテレフタレート)を、スパンボンド法により、紡糸温度300℃で、フィラメント群を移動する捕集ネット面に向けて押し出し、紡糸速度3500m/分で紡糸し、コロナ帯電で3μC/g程度帯電させて十分に開繊させ、PET長繊維ウェブを捕集ネット上に調整した。繊維径の調整は、吐出量を変えることにより行った。
次いで、中間層としてメルトブロウン繊維からなる層を形成した。PET(溶液粘度:ηsp/c=0.5)を、紡糸温度300℃、加熱空気1000Nm3/hr/mの条件下で、メルトブロウン法により紡糸して、上記のPET長繊維ウェブ上に吹き付けた。この際、メルトブロウンノズルから長繊維ウェブまでの距離を100mmとし、メルトブロウンノズル直下の捕集面における吸引力を0.2kPa、風速を7m/秒に設定した。繊維径の調整は、吐出量を変えることにより行った。
更に、上記で得た裏面層と中間層とからなる積層ウェブの中間層側に直接、裏面層のPET長繊維ウェブと同様の方法で、表面層としてPET長繊維を所定の繊維径及び繊維量(目付)になるように積層した。上記により、表面層:PET長繊維(S1)/中間層:メルトブロウン繊維(M)/裏面層:PET長繊維(S2)からなる積層ウェブを得た。得られた積層ウェブを、フラットロールにて熱圧着した後、カレンダーロールにて厚み調整を行い、表1に示す見かけ密度の積層不織布を得た。
熱圧着条件:線圧265N/cm ロール温度 表面側/裏面側(180℃/180℃)
カレンダー条件:線圧663N/cm ロール温度 表面側/裏面側(236℃/231℃)
[実施例8]
上記の汎用PETに代えて融点205℃の共重合PETを用い、紡糸温度を280℃にした以外は、実施例1と同様の方法で長繊維不織布を得た。更にカレンダーロールにて厚み調整した。カレンダー条件は実施例1と同様の条件とした。
[実施例9]
実施例1と同様の方法で得られた積層ウェブ(S1)/(M)/(S2)をエンボス比率14%の格子柄エンボスロールにて熱圧着し、表2に示す見かけ密度の積層不織布を得た。
[実施例10]
実施例9で得られた積層不織布(S1)/(M)/(S2)をさらにカレンダーロールにて厚み調整した。カレンダー条件は実施例1と同様の条件とした。
[実施例11]
実施例1の裏面層と表面層とを表中に示す所定の繊維径及び繊維量(目付)になるように積層して、表面層:PET長繊維(S1)/裏面層:PET長繊維(S2)からなる積層ウェブを得た。得られた積層ウェブをエンボス比率14%の格子柄エンボスロールにて熱圧着し、表2に示す見かけ密度の積層不織布を得た。
[実施例12]
繊維径7μm、繊維長5mm、酸化チタン含有率0.5質量%の延伸短繊維ポリエチレンテレフタレートと繊維径11μm、繊維長5mm、酸化チタン含有率0.5質量%の未延伸短繊維ポリエチレンテレフタレートとを7:3(質量比)の割合で混綿し、抄造法にてネット上に捕集し、120℃で乾燥した後70g/m2の短繊維ウェブを得た。得られたウェブを線圧663N/cm、ロール温度235℃でカレンダー加工した。
[比較例1]
興人社製 WK−70NTS難燃裏打紙(目付 70g/m2)を使用した。
[比較例2]
実施例11と同様の方法で得られた積層ウェブをエンボス比率11%の矩形柄エンボスロールにて熱圧着し、表2に示す見かけ密度の積層不織布を得た。
[比較例3]
実施例11と同様の方法で得られた積層ウェブをエンボス比率11%の矩形柄エンボスロールにて熱圧着し、表2に示す見かけ密度の積層不織布を得た。
Figure 2011121192
Figure 2011121192
本発明の発泡樹脂積層シート用基材は、樹脂との密着性がよく直接発泡樹脂層をコーティング等により形成でき、強度が高く、改装時に剥がす際破れたりすることなくきれいに剥がすことができるため施工作業の効率を向上させることができる。また、該基材を用いて形成した内装材は寸法安定性がよく、長期間の使用時に目地が開く等の不具合が生じにくいという利点を有する。

Claims (5)

  1. 基材と該基材上に形成された発泡樹脂層とを有する発泡樹脂積層シートを形成するために用いる該基材であって、
    ポリエステル系繊維を主成分とする見かけ密度0.3〜0.9g/cm3の不織布であり、前記発泡樹脂層の形成面となる表面の凹凸度が、1〜150μmである発泡樹脂積層シート用基材。
  2. 繊維径1〜30μmの繊維からなり、目付が30〜100g/m2であり、かつ厚みが35〜300μmである、請求項1に記載の発泡樹脂積層シート用基材。
  3. 180℃環境下無張力で3分間保持したときの乾熱寸法変化率が、経方向0%〜−5.0%、緯方向−1.0%〜3.0%である、請求項1又は2に記載の発泡樹脂積層シート用基材。
  4. 前記発泡樹脂層の形成面を与える表面層、該表面層に接する中間層及び該中間層に接する裏面層が熱圧着により一体化されている積層不織布であり、かつ下記(1)〜(3):
    (1)表面層が、繊維径7〜30μmの熱可塑性樹脂長繊維からなる層を少なくとも1層有すること、
    (2)中間層が、繊維径1〜5μmのメルトブロウン繊維からなる層を少なくとも1層有し、目付が1g/m2以上であり、かつ積層不織布の目付の30質量%以下を構成すること、及び
    (3)裏面層が、繊維径7〜30μmの熱可塑性樹脂長繊維からなる層を少なくとも1層有し、かつ目付が3〜40g/m2であること
    を満足する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の発泡樹脂積層シート用基材。
  5. カレンダー処理されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の発泡樹脂積層シート用基材。
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