JP2010125799A - 印刷性機能紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐熱性、耐光性、打ち抜き加工性、通気性及び印刷適性に優れた印刷性機能紙を提供すること。
【解決手段】繊維径が1〜30μmおよび目付けが30〜100g/m2のポリエステル系不織布に、水溶性樹脂からなる第一層および第二層が設けられ、印刷面が第二層である印刷性機能紙であって、第一層および第二層の樹脂塗布量の合計が5〜150g/m2であり、厚みが0.06〜0.25mm、平均みかけ密度が0.3〜0.8g/cm3、通気性が1cc/cm2/sec以上、剛軟度が50mm以上および200℃の熱収縮率が5%未満であることを特徴とする印刷性機能紙。
【選択図】なし

Description

本発明は、レーザープリンターおよびインクジェットプリンターなど印刷機に使用できる印刷性機能紙に関し、特にレーザープリンターに好適な印刷性機能紙に関する。
紙が最も広く使用されている印刷用の媒体であるが、強度、防水性および耐光性などから紙を使用できない多くの用途がある。例えば、屋外の看板または旗用として、フィルム、不織布および織物などが開発されている。
特許文献1には、片面または両面にアンダーコート層を介し、合成樹脂を3〜20g/m2塗布された印刷用媒体が提案されている。しかし、塗工時の樹脂の染み込み、表面の凹凸などに問題がある。
特許文献2には、熱圧着によって表面の凹凸が改善された未延伸繊維からなる平滑なシートが提案されている。しかし、透明化し隠蔽性が低いこと、通気性に斑があることなどの問題がある。
特許文献3には、ポリエチレン樹脂をフラッシュ紡糸した不織布、及び表面粗さが0.3〜0.9のポリエステル不織布不織布が記載されている。表面の凹凸は満足するが、110℃以上の温度での耐熱性がないこと、穴あけ加工性が低いこと、およびインキの馴染み性が不十分なことなどに問題がある。
特許文献4には、ポリエステル繊維製基材に水溶性ポリエステル樹脂を塗布してから、ナイロン湿式塗料を塗布する印刷ラベルが提案されている。しかし、ポリエステル繊維とナイロン樹脂との接着性、および水中で凝固させる工程における生産性などに問題がある。
特許文献5には、レーザープリンターおよび熱溶融転写プリンター用の印字適性および通過適性の好適なフィルム塗被シートが開示されているが、この塗被シートはフィルムライクとなり、通気性および柔軟性に欠け、また、布ライクの触感が無いなどの問題がある。
特許2619404号公報 特公平1−47588号公報 特開平8―199467号公報 特許3151671号公報 特開平5−11486号公報
本発明の課題は、上記従来の問題を解決することを目的とし、耐熱性、耐光性、打ち抜き加工性、通気性及び印刷適性に優れた印刷性機能紙を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、ポリエステル系不織布に水溶性樹脂加工を行なった印刷性機能紙において、ポリエステル系不織布の繊維径および目付けを特定範囲にし、樹脂の塗布量および加工方法を最適化することで、ポリエステル系不織布の繊維同士の接着を強固にすると共に、繊維間隙を小さくでき、且つ表面にインキの受容層を設ける事で印刷適性が向上することを見出し、本発明に到達した。
即ち、本発明は下記の発明を提供する。
(1)繊維径が1〜30μmおよび目付けが30〜100g/m2のポリエステル系不織布に、水溶性樹脂からなる第一層および第二層が設けられ、印刷面が第二層である印刷性機能紙であって、第一層および第二層の樹脂塗布量の合計が5〜150g/m2であり、厚みが0.06〜0.25mm、平均みかけ密度が0.3〜0.8g/cm3、通気性が1cc/cm2/sec以上、剛軟度が50mm以上および200℃の熱収縮率が5%未満であることを特徴とする印刷性機能紙。
(2)ポリエステル系不織布が、カレンダー加工および/または部分熱圧着率が15〜35%のエンボス加工されている上記1項に記載の印刷性機能紙。
(3)第一層および第二層の樹脂塗布量の合計が10〜120g/m2である上記1または2項に記載の印刷性機能紙。
(4)第一層の水溶性樹脂が、アクリル酸エステル系樹脂、ポリビニールアルコール系樹脂、ウレタン系樹脂およびポリエステル系樹脂の1種または2種以上の混合物である上記1〜3項のいずれか一項に記載の印刷性機能紙。
(5)繊維径が1〜30μmおよび目付けが30〜100g/m2のポリエステル系不織布に、3〜140g/m2の水溶性樹脂からなる第一層を含浸処理で設け、次いで2〜120g/m2の水溶性樹脂からなる第二層を塗布処理で設けることからなる上記1項に記載の印刷性機能紙の製造方法。
本発明の印刷性機能紙は、耐熱性、耐光性、隠蔽性及び印刷性に優れ、レーザープリンターおよびインクジェットプリンターなどの各種印刷機に用いられる。特に、レーザープリンターおよび熱溶融転写プリンターにおいて、印字適性および通過適性が好適である。
さらに、ポリエステル系不織布の繊維径および目付けを特定範囲にし、樹脂の塗布量および被覆方法を最適化することで、ポリエステル系不織布の繊維同士の接着を強固にすると共に、繊維間隙を小さくでき、且つ表面にインキの受容層を設ける事で鮮明な印刷が可能となる。
従って、各種ラベル、各種包装資材、看板、旗および感圧紙などの印刷基材に広く用いられる。特に屋外で使用される印刷基材に好ましく利用できる。
以下本発明について詳述する。
本発明に用いられるポリエステル系不織布は、厚み、見掛け密度および平担性が特定範囲に入っているものが好ましく、且つ不織布の構成繊維間隙に樹脂が浸透し易い構造を有するものが好ましい。本発明に用いる不織布は、スパンボンド法、サーマルボンド法、スパンレース法および抄造方法などにより得られる。
本発明に用いる不織布を構成する繊維としては、繊維径が1〜30μmであることが好ましく、さらに好ましくは8〜25μmである。不織布の目付けは30〜100g/m2が好ましく、さらに好ましくは40〜80g/m2である。不織布の厚みは0.06〜0.25mmが好ましく、さらに好ましくは0.07〜0.23mmである。
ポリエステル系繊維としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートおよびポリトリメチレンテレフタレート等が挙げられる。熱可塑性ポリエステル繊維としては、エステルを形成する酸成分としてイソフタル酸やフタル酸などが重合または共重合されたポリエステル繊維であってもよい。更には、生分解性を有する繊維、例えば、ポリグリコール酸やポリ乳酸のようなポリ(α−ヒドリキシ酸)の重合体からなる繊維、または、これらを主たる繰り返し単位とする共重合体からなる繊維であっても良い。また、ポリエステル樹脂主成分に対して、0.5〜10wt%ポリマーブレンドしてなるポリエステルブレンド繊維であっても良い。
更に、芯鞘構造およびサイドバイサイド構造などの2成分からなる複合繊維、例えば、芯成分が高融点のポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートおよびポリトリメチレンテレフタレートなどであり、鞘成分が芯成分より10℃以上低い融点の共重合エステル、脂肪酸エステルおよびポリ乳酸などからなる芯鞘構造の繊維であってもよい。
本発明に用いられる不織布は部分熱圧着されていることが好ましい。部分熱圧着した後、一対の平滑ロール間で平坦化のカレンダー加工が行われているとさらに好ましい。このような操作によって、その後の水溶性樹脂層の形成が好ましく行われる。
不織布の部分熱圧着において、部分熱圧着率は10〜50%が好ましく、さらに好ましくは15〜35%である。部分熱圧着は、一対のエンボス凹凸ロールと金属性平滑ロールとの間で、熱と圧力を加え、部分的に軟化または融着することにより行なわれる。熱圧着条件、例えば、エンボスロールのエンボス模様の1個当たりの大きさ、間隔、深さおよび形状等によって、不織布の特性が大きく変わる。従って、本発明の目的を満足する嵩高性と強力を得る為には、熱圧着条件を最適化することが必要である。
エンボスロール温度は、用いたポリエステル系樹脂の融点(例えば、ポリエチレンテレフタレートの場合265℃)より20〜60℃低い温度が好ましく、さらに好ましくは35〜55℃低い温度である。圧力は10〜700kPa/cmが好ましく、さらに好ましくは50〜500kPa/cmである。
不織布の繊維結合部の面積が全体の10〜50%であり、熱圧着温度が融点近くの温度では、繊維同士が融着により強固な接着となり、繊維が固定化されて、引裂強力が低下する。従って、融点より20〜60℃低い温度で圧着させることで、繊維同士の接着ができ、張力などの力がかかっても、圧着部周辺に穴などが生じない。更に、温度と圧力を低くすることで、嵩高性と引裂強力を高く保持することができる。
また、エンボスロールのエンボス模様は、丸状、楕円状、菱形状、円柱状および四角状などで、平行均等配置および千鳥状配置などの均等配置とすることが好ましい。エンボス模様一個の面積は0.3〜10mm2が好ましく、さらに好ましくは0.5〜6mm2であり、エンボス模様の深さは0.1〜0.7mmが好ましく、さらに好ましくは0.1〜0.5mmであり、エンボス模様の間隔は0.5〜10mmが好ましく、さらに好ましくは0.8〜6mmで、均等配置していることが好ましい。特にエンボス模様の深さが小さく、表面の凹凸が小さいことが好ましい。
上述のエンボス模様が本発明に用いられる不織布の見かけ密度および繊維間隙を特定範囲にし、好適な繊維間の接着力および表面摩擦強度を得るに好ましい。
不織布のカレンダー加工は、水溶性樹脂層の形成の前または後に行なわれる。カレンダー加工によって不織布表面が平坦化され、表面の凹凸が小さくなり、印字性が向上する。さらに、印刷機の給紙又は排紙工程での紙の表面滑りが良好になる。不織布のカレンダー加工は一対の平滑ロールの組み合わせで行われる。例えば、一対の金属ロール、金属ロール/弾性ロール、金属ロール/ペーパーロールおよび金属ロール/樹脂ロールなどを用いて、表面温度が20〜230℃、圧力が10〜700Pa、好ましくは20〜500Paの範囲で行なうことができる。
カレンダー加工に際し、不織布の厚みを前述の如く0.06mm以上0.25mm以下に保持する事が好ましい。従って、ロールの組み合わせ、温度および圧力は不織布の厚みがこの範囲になるように選定する事が重要である。
不織布の樹脂加工は、第1層及び第2層の2段に分けて行う事が好ましい。つまり、1段目の加工(第一層の形成)は、不織布の構成繊維全体に樹脂を付着させ、繊維同士の接着を強固にし、構成繊維の固定化を図ることである。2段目の加工(第二層の形成)は、少なくとも片面表面にインキ受理性の良い樹脂を塗布し、表面層にインキ受理層を設けることが主たる目的である。
従って、1段目および2段目でそれぞれ効率的な塗布を行うことが重要である。例えば、1段目で不織布の構成繊維の接着及び不織布の白度向上を主に行い、2段目でインキ受理性を向上させる。または、1段目で不織布の構成繊維の接着を主に行い、2段目で白度向上とインキ受理性の向上を行なうなどの2段階に分けて行われる。
1段目の樹脂加工の条件は不織布の構成繊維の接着を主目的に選定される。水溶性樹脂としては、例えば、水溶性アクリル酸エステル樹脂、水溶性ウレタン樹脂、水溶性ポリビニールアルコール樹脂、水溶性ポリエステル樹脂、水溶性メラミン樹脂、水溶性合成ゴム樹脂および水溶性酢酸ビニール樹脂等の1種又は2種以上の混合樹脂を用いることができる。
加工方法としては、含浸処理、例えば、浸漬−脱水−乾燥の加工工程を経る方式で行うことが好ましい。具体的事例としては、粘度が50〜500mPa・s/25℃、温度が15〜30℃、濃度が3〜50%の樹脂水溶液をステンレス製の貯蔵容器に入れ、樹脂水溶液に不織布を浸漬させ、一対の合成ゴムロール、金属ロール/合成ゴムロールまたはバキューム装置などの連続脱水装置で脱水させてから、ピンテンターまたはクリップテンターなどの乾燥装置を用いて、温度100〜200℃の条件で乾燥させて、不織布の全面に樹脂を均等に付着させる。その他の方法として、不織布の上に樹脂を塗布させ、一対の合成ゴムロールまたは金属ロール/合成ゴムロール間で樹脂塗布量を調節するロールコーター方式などでも行うことが出来る。
尚、不織布への浸透性を向上させる浸透剤、熱硬化型の樹脂および架橋剤、顔料、熱安定剤、静電防止剤および難燃剤などを、本発明の目的を損ねない程度で添加することができる。
2段目の樹脂加工の条件は、インキ吸収性が良好なインク受理層の形成を主目的に選定される。
従って、水溶性樹脂としては、水溶性アクリル酸エステル共重合樹脂、カルボン酸、スルホン酸、スルホン酸塩およびリン酸エステル塩などの親水性成分を有する水溶性ポリエステル樹脂、および水溶性ウレタン樹脂などが好ましく用いられる。
加工方法としては、例えば、粘度50〜10000mPa/s/25℃、温度15〜30℃に上記樹脂を調整し、バーコーター、ロールコーター、グラビアコーター、ナイフコーター、エアーナイフコーター、コンマコーターなどの塗工機を用いて塗布して、温度100〜200℃のピンテンター、クリップテンターなどの乾燥機で乾燥する。
尚、上記樹脂調整の際に目的に応じて下記の添加物が用いられる。酸化チタン、シリカ、クレーおよびタルクなどの無機系または有機系の粉体が、白度、及び、インキ吸着性向上の目的で添加できる。さらに、樹脂水溶液の増粘を目的とする増粘剤、顔料、浸透剤、平滑剤および架橋剤などを、本発明の目的を損ねない程度で添加することができる。
水溶性樹脂の塗布量としては、1段目の塗布量は3〜140g/m2が好ましく、さらに好ましくは5〜120g/m2であり、2段目の塗布量は2〜120g/m2が好ましく、さらに好ましくは3〜110g/m2である。
1段目および2段目の樹脂塗布量の合計は5〜150g/m2が好ましく、さらに好ましくは10〜120g/m2である。樹脂塗布量の合計が5g/m2未満の場合は、不織布の柔軟性が保持されたままで、剛性および印刷性などが向上しない。一方、120g/m2を越えると、表面の平滑性が良く、高い剛性が得られるが、折れシワが生じ易くなり、価格が高いなどの問題が生じる。
本発明における樹脂加工は、できるだけ少ない樹脂量で印刷適性の向上ができることであり、2段の工程に分けることで効率的に行なうことができる。
本発明の印刷性機能紙の厚みは0.06〜0.25mmが好ましく、さらに好ましくは0.07〜0.23mmであり、平均見掛け密度は0.3〜0.8g/cm3が好ましく、さらに好ましくは0.35〜0.75g/cm3である。厚みが0.06mm未満で、平均見掛け密度が0.3g/cm3未満の場合は、粗な繊維間隙となり、剛性が低く、パンチ抜き性が低下し、印刷適性が低下する。一方、厚みが0.25mm超え、平均見掛け密度が0.8g/cm3を超えると、密な構成となり、高い剛性が得られ、高い表面平坦性も得られて、印刷適性も向上するが、折れシワが生じ易くなり、高い加工コストとなるなどの問題が生じる。
本発明の印刷性機能紙の通気性は1cc/cm2/sec以上が好ましく、さらに好ましくは3〜100cc/cm2/secである。通気性が1cc/cm2/sec未満では、乾燥工程に時間が掛かるなど、加工性が低下し、また、雨および風などによる抵抗が大きくなる。一方、100cc/cm2/secを超えると、雨および風などによる抵抗は小さくなるが、剛性が低くなり、給紙性が低下するなどの問題が生じる。
本発明の印刷性機能紙の剛軟度は50mm以上が好ましく、さらに好ましくは60mm〜150mmである。剛軟度が50mm未満では、剛性が低く、給紙工程で問題が生じやすくなる。印刷機で連続印刷を行う場合は、1枚ずつ連続給紙でき、且つ、1枚ずつ排紙できることが必要で、剛軟度は上記範囲が好ましい。
本発明の印刷性機能紙を200℃に昇温した場合の寸法変化は5%未満が好ましく、さらに好ましくは0〜3%未満である。200℃の寸法変化が5%未満であることは、高温下での耐熱性があり、寸法変化が少ないこと、つまり、印刷機の熱ロールでの熱収縮、変形、変色およびシワなどが生じないことを意味する。
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
本発明における各特性値の測定方法は以下のとおりである。
(1)目付(g/m2):縦20cm×横25cmの試料を3カ所切り取り、重量を測定し、その平均値を単位当たりの質量に換算して求めた(JIS−L−1906)。
(2)平均繊維径(μm):顕微鏡で500倍の拡大写真を取り、任意の10本の直径を測定し、平均値で示した。
(3)通気性:JIS−L−1906(フラジュール法)に準じて、測定した。
(4)厚み(mm):荷重10kPa下で任意に10箇所測定し、その平均で示した。
(5)平均見掛け密度(g/cm3):上記の目付と厚みから単位容積当たりの重量を計算で求めた。
(6)耐光性:フエードメーターを用いて、温度65℃で100時間照射後の状態を目視観察し、下記基準によって評価した。
○:変色がない。
△:変色が僅かにあるが目立たない。
×:変色が甚だしい。
(7)剛軟度(mm):JIS−L−1096A法(カンチレバー法)に準じて測定した。
(8)引張強力(N/5cm):定長引張試験機を用いて測定した。幅5cm長さ30cmの試料を縦方向および横方向3本ずつ切り取り、つかみ間隔20cmおよび引張速度10cm/minで、引張強度を測定し、3本平均して縦方向の破断強度および横方向の破断強度を求め、(縦方向の破断強度+横方向の破断強度)/2で示した。尚、本明細書では生産機械の流れ方向を縦方向とし、それに直角の方向を横方向とした。
(9)摩擦強度(級):学振型摩擦試験機を用いて測定した。幅2cm長さ30cmの試料を縦方向で切り取り、測定機に試料を取り付け、摩擦子にも同じ試料を取り付け、荷重250gで30回往復摩擦した後、表面状態を目視観察し、下記基準で評価した。
5級:表面に繊維の浮きがない。
4級:表面の繊維の浮き、毛羽立ちがほとんどない。
3級:表面の繊維の浮き、毛羽立ちが少しあるが目立たない
2級:表面の繊維の浮き、毛羽立ちがやや目立つ。
1級:表面の繊維の浮き、毛羽立ちがはなはだしい。
(10)隠蔽性:試料を印刷品の上に重ね、試料を通して観察した鮮明度を下記基準で評価した。
○:見えにくく、鮮明でない。
△:見えて、やや鮮明である。
×:鮮明で良く見える。
(11)印刷性:バーコード印刷し、目視観察で、滲み、かすれ、および飛びの状態を下記基準で評価した。
○:滲み、かすれ、飛びがなく、読み取りできる。
△:滲み、かすれ、飛びがあるが、読み取りできる。
×:滲み、かすれ、飛びがあり、読み取りできない。
(12)耐熱性:温度200℃で3分間熱処理した後、寸法変化を測定し、表面状態を観察して、下記基準で評価した。
○:寸法変化が1%未満であり、カール、湾曲などがない。
△:寸法変化が3%未満であり、カール、湾曲などあるが目立たない。
×:寸法変化が5%以上で、カール、湾曲など目立つ。
(実施例1)
ポリエチレンテレフタレート(PET、融点265℃)をスパンボンド用紡糸口金から紡糸温度300℃で紡糸し、平均繊径が12μm、目付けが45g/m2の熱可塑性繊維ウェブを得た。得られたウェブを、一対の凹凸エンボスロールと平滑金属ロール間で、線圧が350N/cm、上下温度が225℃/220℃の条件下で熱圧着し、部分熱圧着率が25%のポリエステル不織布を得た。
次いで、得られたポリエステル不織布に2段階の樹脂加工を行った。1段目は、ポリビニールアルコール樹脂5重量部(日本合成化学工業(株)製NM−11)、メラミン樹脂2重量部(DIC(株)製ベッカミンMA)、触媒(キャタリスト)0.2重量部、浸透剤(日華化学(株)製SN−10)2重量部、水90.8重量部を混合し(粘度700mPa・s/25℃)、温度25℃に調整した混合溶液を用いて、浸漬処理、脱水および乾燥の加工工程を得て、塗布量が5g/m2となるように処理した。
2段目は、アクリル酸エステル共重合樹脂(高松油脂(株)製BC−310CM)50重量部、白顔料((株)松井色素化学工業所製R−2)15重量部および水35重量部を混合してから、混合液の粘度を調整する増粘剤(センカ(株)製NS10)を用いて25℃における粘度が2500mPa・sになるように調整し、塗布用の加工剤とした。塗工機としてナイフコーターを用い、樹脂加工速度が20m/min、乾燥温度が120℃の条件下で、塗布量が35g/m2になるように塗布し、本発明の印刷性機能紙を得た。
得られた印刷性機能紙の特性を表1に示した。本発明の印刷性機能紙は、剛性、印刷性、抜き加工性、隠蔽性、耐熱性および強度などに優れている。
Figure 2010125799
(実施例2)
ポリエチレンテレフタレート(PET、融点265℃)をスパンボンド用紡糸口金から紡糸温度300℃で紡糸し、平均繊径が17μm、目付けが60g/m2の熱可塑性繊維ウェブを得た。得られたウェブを、一対の凹凸エンボスロールと平滑金属ロール間で、線圧が350N/cm、上下温度が225℃/220℃の条件下で熱圧着し、部分熱圧着率が25%のポリエステル不織布を得た。得られた不織布を、更に平坦化させる目的で、平滑金属ロールとペーパーロール間で、線圧が150N/cm、温度が20℃の条件下でカレンダー加工した。
次いで、実施例1と同様に樹脂加工を行って、本発明の印刷性機能紙を得た。
得られた印刷性機能紙の特性を表1に示した。剛性、印刷性、抜き加工性、隠蔽性、耐熱性および強度などに優れていた。
(実施例3)
実施例1で得られたポリエステル不織布用いて、2段階の樹脂加工を行った。
1段目の加工は、ポリエステル樹脂(高松油脂(株)製ベスレジンA−610)40重量部、白顔料20重量部、浸透剤3重量部および水37重量部を混合した溶液(粘度500mPa・s/25℃)を用いて、浸漬処理、脱水、温度160℃の乾燥の各工程を経て、塗布量が30g/m2になるように処理した。2段目の加工は、変性アクリル樹脂20重量部および水80重量部を混合した溶液(粘度250mPa・s/25℃)をグラビアコーター機で塗布加工してから、温度130℃で乾燥し、塗布量が5g/m2の印刷性機能紙を得た。
得られた印刷性機能紙の特性を表1に示した。剛性、印刷性、抜き加工性、隠蔽性、耐熱性および強度などに優れている。
(実施例4)
実施例2で得られたポリエステル不織布を用いて、実施例3と同様に2段階の樹脂加工を行った。得られた印刷性機能紙の特性を表1に示した。剛性、印刷性、抜き加工性、隠蔽性、耐熱性および強度などに優れている。
(実施例5)
実施例2で得られたポリエステル不織布を用いて、下記の2段階の樹脂加工を行った。
1段目の加工は、ポリエステル樹脂(高松油脂(株)製ベスレジンA−610)30重量部、白顔料10重量部、浸透剤3重量部および水57重量部を混合し(粘度600mPa・s/25℃)、温度15℃に調整した混合溶液を用いて、浸漬処理、脱水、温度160℃の乾燥の各工程を経て、塗布量が15g/m2になるように処理した。2段目の加工は、変性アクリル樹脂20重量部および水80重量部を混合した溶液(粘度250mPa・s/25℃)をグラビアコーター機で塗布加工してから、温度130℃で乾燥し、塗布量が6g/m2の印刷性機能紙を得た。
得られた印刷性機能紙の特性を表1に示した。剛性、印刷性、抜き加工性、隠蔽性、耐熱性および強度などに優れている。
(実施例6)
ポリエチレンテレフタレート(PET、融点265℃)をスパンボンド用紡糸口金から紡糸温度300℃で紡糸し、平均繊径が17μm、目付けが25g/m2の熱可塑性繊維ウェブを作成した。次いで、その上に、ポリエチレンテレフタレート(溶液粘度(ηsp/c)0.50)をメルトブロー用噴射口金から紡糸温度300℃で320℃、1000Nm3/hrの加熱エアを用いて紡糸し、平均繊径が2μm、目付けが10g/m2の極細繊維ウエブを積層した。更に、その上、ポリエチレンテレフタレート(PET、融点265℃)をスパンボンド用紡糸口金から紡糸温度300℃で紡糸し、平均繊径が17μm、目付けが25g/m2の熱可塑性繊維ウェブを積層し、3層構成の繊維ウエブを得た。得られた積層ウェブを、一対の凹凸エンボスロールと平滑金属ロール間で、線圧が350N/cm、上下温度が215℃/210℃の条件下で熱圧着し、部分熱圧着率が25%のポリエステル不織布を得た。
次いで、実施例1と同様の2段階樹脂加工を行った。
得られた印刷性機能紙の特性を表2に示した。剛性、印刷性、抜き加工性、隠蔽性、耐熱性および強度などに優れている。
Figure 2010125799
(実施例7)
ポリエチレンテレフタレート(PET、融点265℃)をスパンボンド用紡糸口金から紡糸温度300℃で紡糸し、平均繊径が17μm、目付けが20g/m2の熱可塑性繊維ウェブを作成した。その上に、ポリエチレンテレフタレート(溶液粘度(ηsp/c)0.50)をメルトブロー用噴射口金から紡糸温度300℃で320℃、1000Nm3/hrの加熱エアを用いて紡糸し、平均繊径が2μm、目付けが5g/m2の極細繊維ウエブを積層した。更に、その上に、ポリエチレンテレフタレート(PET、融点265℃)をスパンボンド用紡糸口金から紡糸温度300℃で紡糸し、平均繊径が17μm、目付けが20g/m2の熱可塑性繊維ウェブを積層し、3層構成の繊維ウエブを得た。得られた積層ウェブを、一対の凹凸エンボスロールと平滑金属ロール間で、線圧が350N/cm、上下温度が210℃/205℃の条件下で熱圧着し、部分熱圧着率が25%のポリエステル不織布を得た。
次いで、実施例5と同様の2段階樹脂加工を行った。
得られた印刷性機能紙の特性を表2に示した。剛性、印刷性、抜き加工性、隠蔽性、耐熱性および強度などに優れている。
(比較例1)ポリエステル不織布
実施例1で得られたポリエステル不織布だけの特性を測定し、表2に示した。剛性、印刷性、抜き加工性、隠蔽性および表面摩擦強度などの特性が不十分であった。
(比較例2)
実施例1で得られた1段目の樹脂加工品の特性を測定し、表2に示した。剛性、印刷性、抜き加工性、隠蔽性および表面摩擦強度などの特性が不十分であった。
(比較例3)
実施例2で得られた1段目の樹脂加工品の特性を測定し、表2に示した。剛性、印刷性、抜き加工性、隠蔽性および表面摩擦強度などの特性が不十分であった。
本発明の印刷性機能紙は、耐熱性、耐光性、隠蔽性、及び印刷性に優れ、レーザープリンター、インクジェットプリンターなどの各種印刷機に用いられる。従って、各種ラベル、各種包装資材、看板、旗、感圧紙などの印刷基材などに広く用いられる。特に屋外で使用される印刷基材に好ましく利用できる。

Claims (5)

  1. 繊維径が1〜30μmおよび目付けが30〜100g/m2のポリエステル系不織布に、水溶性樹脂からなる第一層および第二層が設けられ、印刷面が第二層である印刷性機能紙であって、第一層および第二層の樹脂塗布量の合計が5〜150g/m2であり、厚みが0.06〜0.25mm、平均みかけ密度が0.3〜0.8g/cm3、通気性が1cc/cm2/sec以上、剛軟度が50mm以上および200℃の熱収縮率が5%未満であることを特徴とする印刷性機能紙。
  2. ポリエステル系不織布が、カレンダー加工および/または部分熱圧着率が15〜35%のエンボス加工されている請求項1に記載の印刷性機能紙。
  3. 第一層および第二層の樹脂塗布量の合計が10〜120g/m2である請求項1または2に記載の印刷性機能紙。
  4. 第一層の水溶性樹脂が、アクリル酸エステル系樹脂、ポリビニールアルコール系樹脂、ウレタン系樹脂およびポリエステル系樹脂の1種または2種以上の混合物である請求項1〜3のいずれか一項に記載の印刷性機能紙。
  5. 繊維径が1〜30μmおよび目付けが30〜100g/m2のポリエステル系不織布に、3〜140g/m2の水溶性樹脂からなる第一層を含浸処理で設け、次いで2〜120g/m2の水溶性樹脂からなる第二層を塗布処理で設けることからなる請求項1に記載の印刷性機能紙の製造方法。
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