JP5171120B2 - 印刷用基材 - Google Patents

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本発明は、印刷用基材、特に多層構造で地合が均等化された表面を有する、細かい文字、模様などを鮮明に印刷できる印刷用基材に関する。
紙が最も広く使用されている印刷用の媒体であるが、強度、防水性、耐光性などから紙を使用できない多くの用途がある。このため、例えば、屋外の看板または旗用の印刷基材としてフイルム、不織布、織物などが開発されている。
特許文献1には、片面または両面にアンダーコート層を介し、合成樹脂を3〜20g/m2塗布してなる基材が提案されている。しかし、このような基材は塗工時の樹脂の染み込み、表面の凹凸などの問題がある。
特許文献2には、未延伸繊維を熱圧着で表面の凹凸を改善した平滑なシート
が提案されている。しかし、このようなシートは透明化し、通気性の斑があるなどの問題がある。
特許文献3には、ポリエチレン樹脂をフラッシュ紡糸した不織布やポリエステル不織布で表面粗さが0.3〜0.9の不織布が記載されている。しかし、このような不織布は、表面の凹凸は満足するものの、耐熱性、隠蔽性、インキの馴染み性などが課題となっている。
特許2619404号公報 特公平1−47588号公報 特開平8―199467号公報
本発明の課題は、上記従来技術の問題を解決し、繊維径の異なる多層構造の平坦な表面を有し、隠蔽性、耐熱性、インキの馴染み性などに優れた印刷用基材を提供することである。
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意検討した結果、繊維径の異なる特定の繊維層を多層構造にし、平滑ロールの熱圧着を行うことにより、上記基材が得られることを見出し、本発明に到達した。本願で特許請求される発明は、以下の通りである。
(1)第1層の熱可塑性合成繊維層と、第2層の極細繊維層と、第3層の熱可塑性合成繊維層とを、熱圧着で積層一体化された積層不織布からなる印刷基材であって、該積層不織布の表面層の単繊維同志が融着状態で、相互に押し潰されて表面が平滑であり、かつ該積層不織布の平均みかけ密度が0.3〜0.9g/cm3、KES表面粗さが1μm以下、厚みが0.03〜0.2mmであることを特徴とする印刷用基材。
(2)前記第1層及び第3層を構成する繊維の平均繊維径が10〜30μm、第2層の平均繊維径7μm以下であることを特徴とする(1)に記載の印刷用基材。
(3)前記第1層および第3層を構成する熱可塑性合成繊維層がポリエステル系繊維またはポリエステル系共重合体からなることを特徴とする(1)または(2)記載の印刷用基材。
(4)前記第2層の極細繊維の目付けが1g/m2以上であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の印刷用基材。
(5)前記積層不織布のJIS-L-1906の通気性が50cc/cm2/sec以下であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の印刷用基材。
(6)前記積層不織布の少なくとも片面に樹脂を1〜20g/m2塗布したことを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の印刷用基材。
本発明の印刷用基材は、繊維径の異なる多層構造で、特に表面層を形成する単繊維同志が融着状態で凹凸が小さい平滑な表面構造からなり、中間層の極細繊維層が実質的に短繊維形状が保持されている構成のため、厚薄斑が目立ちにくく、地合が均等化され、特に、隠蔽性、耐熱性、インキの馴染み性、剛性、柔軟性などに優れている。従って、看板、旗、感圧紙などの文字・模様等の印刷用基材、包装資材などに好適である。
本発明の印刷用基材は、3層からなる積層不織布から構成され、異なる繊維径を有する熱可塑性合成繊維を熱圧着で一体化され、表面層が繊維同志の融着、単繊維断面の潰れなどにより平滑化されている。さらに、中間層の極細繊維層が、繊維形状が潰れることなく、実質的に単繊維の形状を保持し、その結果、積層不織布全体として、不織布の白度を向上させ、さらに、柔軟性と剛性を兼ね備えたものとなっている。
すなわち、本発明の第一の特徴は、比較的繊維径の大きい熱可塑性合成繊維層と中間層として極細繊維層を配置した3層積層不織布において、表面層の繊維は潰れた形状を有するが、中間層の極細繊維の単繊維形状は、潰れることなく、実質的に繊維形状を保持されている点である。即ち、表面層の熱可塑性合成繊維層の単繊維同志が融着状態で平坦化されているため、繊維の分散斑から生じる目付け斑や厚薄斑が目立ちにくく、地合が均等化され(地合指数が小さくなり)、繊維分散の均等な外観品位を有する。
第二の特徴は、3層構造の熱圧着において、中間層に極細繊維層を配置することにより、やや低い軟化点、及び融点を示すために、中間層の極細繊維が、接着剤としての作用をし、他層繊維との接着力を向上させることである。従って、3層構造ではあるが、層間の剥離し難い積層不織布となる。
第三の特徴は、素材、繊維径、目付けなどの組み合わせができる3層構造であることから、構成繊維の異なる軟化点及び融点の違いで、層間の接着性を向上させることができることである。また比較的繊維径の小さい、極細繊維層を重ねることにより、分散性、目付け斑が極端に小さくでき、均等化が可能であり、更に、各層の繊維量を変えることにより、厚み、強度、剛性、柔軟性などの特徴を変えることができる。
本発明に用いる第1層、第3層の熱可塑性合成繊維層は、通常、繊維径が10〜30μm、好ましくは12〜25μmの太い繊維からなる。このような繊維径をとることにより、不織布の強度、通気性に優れ、磨耗強度を大きくすることができる。このような構成繊維としては、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、共重合ポリエチレン、共重合ポリプロピレンなどのオレフイン系繊維、ナイロン6、ナイロン66、共重合ポリアミド繊維などのポリアミド系繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、共重合ポリエステル、脂肪族ポリエステルなどのポリエステル系繊維などがあり、更に、芯鞘構造、サイドバイサイドなどの2成分からなる複合繊維、例えば、芯が高融点で鞘が低融点の複合繊維で、具体的には、芯がポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、共重合ポリエステル、ナイロン6、ナイロン66、共重合ポリアミドなどの高融点繊維、鞘が低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、共重合ポリエチレン、共重合ポリプロピレン、共重合ポリエステル、脂肪族ポリエステルなどの低融点繊維が好ましい。特に、耐熱性などから、ポリエステル系繊維が好ましい。更に、紡糸性の問題のない範囲で、艶消し剤、顔料などを添加してもよい。
本発明の第2層の極細繊維の繊維径は好ましくは7μm以下、より好ましくは1〜5μmである。このような繊維径をとることにより、繊維分散の斑などが目立ちにくくでき、地合の均一化された外観品位となり、地合指数が低くできる。繊維径が大きすぎると繊維間隙の被覆効果が低下する。更に、極細繊維層は生産性の点から、2層以上の多層に積層してもよい。
極細繊維層の目付けは、好ましくは1g/m2以上、より好ましくは1.5〜15g/m2、さらに好ましくは2〜10g/m2である。極細繊維の目付けが小さすぎると、基材の隠蔽性が低下し、極細繊維層の分散性が不充分となる。
積層不織布全体に対する第2層の極細繊維の含有比率は、通常、5〜50重量%、好ましくは7〜30重量%である。極細繊維としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系繊維、ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド系繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、共重合ポリエステル、脂肪族ポリエステルなどである。
前記積層不織布の熱圧着は、一段で熱圧着してもよく、またはやや低い温度で仮圧着してから、本圧着する多段圧着してもよい。
熱圧着は、例えば、金属平滑ロール、凹凸エンボスロール、樹脂ロール、ペーパーロール、耐熱繊維ロールなどの組み合わせで行うことができる。一段での熱圧着条件としては、ロール表面温度を、構成繊維融点から-60℃〜-20℃の温度範囲が好ましい。二段での熱圧着では、仮圧着条件としては、取り扱いできる状態で熱履歴を少なくする低温での圧着が次の工程の熱圧着を好ましくできる。例えば、仮接着温度は、構成繊維の融点より60〜150℃低くすることが好ましい。更に、多層構造の素材によるが、上下ロールに温度差を設けることも、繊維の劣化、繊維のロールの融着、フイルム化などの影響を小さくできる点で好ましい。圧力としては、10〜1000kPa/cm、好ましくは50〜700kPaである。
前記積層不織布は、構成する単繊維同志が密着状態で緻密化され、厚みが0.03〜0.2mm、平均みかけ密度が0.3〜0.9g/cm3、好ましくは、厚みが0.05〜0.15mm、平均みかけ密度が、0.35〜0.8g/cm3である。厚みが大きすぎたり、平均みかけ密度が小さすぎると、構成する単繊維の密着が低下して、単繊維が動き易くなり、摩擦などの毛羽強度が低下する。一方、厚みが小さすぎたり、平均みかけ密度が大きすぎると、構成繊維間隙が殆どなく、樹脂化して物性が低下する。
前記積層不織布の目付けは、10〜150g/m2、好ましくは15〜130g/m2であり、より好ましくは、20〜100g/m2である。目付けが小さすぎると、構成する単繊維同志の間隙があり、表面の平滑性が低下する。一方、大きすぎると、圧着が低下して、構成繊維の密着が低下し、強度、毛羽強度などが低下する。
前記積層不織布の通気性は、フラジュール試験機で50cc/cm2/sec以下、好ましくは、0.5〜40cc/cm2/secである(ガーレ透気度は1〜1000秒/100cc、好ましくは5〜500秒/100ccである)。通気性が大きすぎると、繊維間隙が大きく、インキの染み込みし易いが、表面の平坦度が低下する。
前記積層不織布のKES表面粗さは、カトーテック製KES−FB4試験機を用いて測定した値であるが、1μm以下、好ましくは、0.2〜0.8μm、より好ましくは、0.3〜0.7μmである。表面粗さが大きすぎると、凹凸があり、印刷時のかすれ、飛びなどが発生し易くなる。
前記積層不織布の繊維分散状態、つまり、地合状態は、照明ランプの光透過光をCCDカメラで測定、画像処理して、目視観察の厚薄斑を指数化して測定した。地合指数が小さい程地合の均等化されたものを示す。本発明の積層不織布の地合指数は200以下、好ましくは、30〜180、より好ましくは、50〜150である。
本発明の印刷用基材は、印刷加工時のインキの密着性、馴染み性などの向上させるため、前記積層不織布の表面の濡れ性などを改善する樹脂加工を行うことができる。加工剤としては、例えば、バインダー樹脂に界面活性剤、滑り剤、無機粒子、顔料などを添加して用いることができる。バインダー樹脂としては、メチルセルロース、酢酸セルロースなどのセルロース系樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニルなどのビニル系樹脂、スチレンーブタジエンラテックス、エステル樹脂、ウレタン樹脂などの水溶性樹脂が好ましく用いられる。添加物としては、酸化チタン、タルク、カオリン、クレーなどの微粉末を用いられる。塗布方法としては、ロールコーテイング法、グラビヤコーテング法、リバースコーテング法、スプレーコーテング法、ドクターナイフコーテング法、コンマカーテイング法などで、塗布量を0.5〜10g/m2、好ましくは、1〜6g/m2になるように調整して、塗布、乾燥して表面のインキ受理層を形成する。この時、樹脂の密着性を向上させる目的で、コロナ処理の前処理、更に、塗布した樹脂の硬化処理として、電子線照射、紫外線照射などを行うこともできる。
前記積層不織布の摩擦強度は、往復摩擦運動での毛羽立ち状態を観察して目視し、5段階判定して、3級〜5級である。つまり、表面の単繊維の接合状態で、3級未満では、単繊維の接合状態が低下して、毛羽立ちが発生する。
前記積層不織布の剛性としては、カンチレバー法で30mm以上、好ましくは、35〜150mmである。この範囲では、腰、剛性があり、印刷加工で、走行し易く、折れ曲がり、シワなどが入り難くなる。
本発明の印刷基材は、例えば、インクジェット印刷、レーザー印刷、フレキソ印刷、凸版印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、感熱転写印刷などの商業印刷用基材に用いられる。特に、強度が高く、耐熱性、耐水性を必要とする分野に広く用いられる。
本発明を実施例に基づいて説明する。実施例中の測定方法は以下のとおりである。
(1)目付(g/m2):縦20cm×横25cmの試料を3カ所切り取り、重量を測定し、その平均値を単位当たりの質量に換算して求める。(JIS-L-1906)
(2)平均繊維径(μm):顕微鏡で500倍の拡大写真を取り、10本の平均値で求める。
(3)通気性:JIS-L-1906フラジュール法に準拠した。
(4)厚み(mm):荷重10kPaで10箇所測定し、その平均で示す。
(5)平均みかけ密度(g/cm3):目付と荷重10kPaの厚みから単位容積当たりの重量を求め3個所の平均して求める。
(6)表面粗さ:試料20cm角を切り取り、カトーテック社製KES-FB4表面試験機を用いる。試料を試験機に400gの荷重をかけてセットし、10g加重をかけた表面粗さ検出用接触子を試料に接触させて、タテ、ヨコ方向を3回測定し、その平均で示す。
(7)摩擦強度(級):学振型摩擦試験機を用いて、試料を幅2cm、長さ30cmのヨコ方向を3枚切り取り、摩擦子に同一試料を取り付け、荷重250g、30回往復摩擦して、表面状態を目視観察の5段階判定基準でみる。
5級:表面に繊維の浮きがない。
4級:表面の繊維の浮き、毛羽立ちがほとんどない。
3級:表面の繊維の浮き、毛羽立ちが少しあるが目立たない
2級:表面の繊維の浮き、毛羽立ちがやや目立つ。
1級:表面の繊維の浮き、毛羽立ちがはなはだしい。
(8)引張強力(N/5cm):定長引張試験機を用い、試料幅5cm長さ30cmを切り取り、つかみ間隔20cm、引張速度10cm/minで、引張強度をタテ、ヨコ各々3カ所測定し、最大強度(タテ+ヨコ)/2の平均値で示す。
(9)剛軟度(cm):JIS-L-1096A法に(カンチレバー法)準ずる。
(10)隠蔽性:印刷品の上に重ね、試料から観察した鮮明度を3段階判定。
○:みえにくく、鮮明でない。 △:みえるがやや鮮明である。
×:鮮明で良く見える。
(11)印刷性:文字、模様の印刷を行い、かすれ、飛びの状態で判断。
○:文字、模様のかすれ、飛びがない。
△:文字、模様のかすれ、飛びがあるが、目立たない程度である。
×:文字、模様のかすれ、飛びがあり、目立つ。
(12)耐熱性:温度150℃、時間10分の熱処理で、寸法変化、表面状態を観察して判定。
○:寸法変化が1%未満であり、カール、湾曲などがない。
△:寸法変化が1%未満であり、カール、湾曲などあるが目立たない。
×:寸法変化が1%以上で、カール、湾曲など目立つ。
(13)地合指数:野村商事社製(フオーメーションテスター FMT-MIII)測定器サンプルを試料台の上に置き、二次元CCDカメラで照射ランプの透過像を捕らえ、320×320画素に分解し、それぞれの画素が受ける光の強さを測定する。次いで画素それぞれに対する透過率(t)を下記の式で計算する。絶対透過率(t%)=(Vt−Vr)/(V100−V0)×100%
V100:照射ランプ点灯の光度 V0:照射ランプの消灯の光度
Vt:試料をのせ、照射ランプ点灯の光度
Vr:試料をのせ、照射ランプ消灯の光度
絶対透過率(t%)は、E=2−logt に吸光度に換算され、
地合指数=吸光度の変動係数×10 から求められる。
[実施例1]
本発明の第3層が、ポリエチレンテレフタレート(PET、融点265℃)をスパンボンド用紡糸口金から、紡糸温度300℃で平均繊径12μm、目付け12g/m2の熱可塑性繊維ウェブに、第2層のポリエチレンテレフタレート(PET、融点260℃)を用いメルトブロー用噴射口金から、紡糸温度300℃、加熱エアは320℃で1000Nm3/hrで、平均繊径2μm、目付け6g/m2の極細繊維ウェブを吐出して積層し、その上に第1層のポリエチレンテレフタレート(PET、融点265℃)をスパンボンド用紡糸口金から、紡糸温度300℃で平均繊径12μm、目付け12g/m2の熱可塑性繊維ウェブを捕集ネット上に積層繊維ウェブとして積層し、一対の平滑金属ロール間で、線圧350N/cm、上下温度を210℃/220℃で熱圧着して実施例1の印刷基材(目付け30g/m2)を得た。
[実施例2]
実施例1の積層不織布を温度180℃(上ロール)/190℃(下ロール)の一対の平滑金属ロール間で仮圧着してから、更に、2段目の熱圧着を平滑金属ロールとペーパーロール間で、線圧350N/cm、温度を230℃で熱圧着して実施例2の印刷基材(目付け30g/m2)を得た。
[実施例3]
本発明の第3層が、ポリエチレンテレフタレート(PET、融点265℃)をスパンボンド用紡糸口金から、紡糸温度300℃で平均繊径14μm、目付け30g/m2の熱可塑性繊維ウェブに、第2層のポリエチレンテレフタレート(PET、融点260℃)を用いメルトブロー用噴射口金から、紡糸温度300℃、加熱エアは320℃で1000Nm3/hrで、平均繊径3μm、目付け10g/m2の極細繊維ウェブを吐出して積層し、その上にポリエチレンテレフタレート(PET)をスパンボンド用紡糸口金から、紡糸温度300℃で平均繊径14μm、目付け30g/m2の熱可塑性繊維ウェブを捕集ネット上に積層繊維ウェブとして積層し、一対の平滑金属ロール間で、線圧300N/cm、上下温度を185℃/190℃で熱圧着し、更に、2段目の熱圧着を平滑金属ロールとペーパーロール間で、線圧350N/cm、温度を230℃で熱圧着して実施例2の印刷基材(目付け70g/m2)を得た。
[実施例4]
本発明の第3層が、共重合ポリエステル(Co-PET、融点230℃)をスパンボンド用紡糸口金から、紡糸温度260℃で平均繊径14μm、目付け30g/m2の熱可塑性繊維ウェブに、第2層のポリエチレンテレフタレート(PET、融点260℃)を用いメルトブロー用噴射口金から、紡糸温度300℃、加熱エアは320℃で1000Nm3/hrで、平均繊径3μm、目付け10g/m2の極細繊維ウェブを吐出して積層し、その上に鞘が共重合ポリエステル(Co-PET、融点210℃)、芯がポリエチレンテレフタレート(PET、融点265℃)をスパンボンド用紡糸口金から、紡糸温度260℃で平均繊径14μm、目付け30g/m2の熱可塑性繊維ウェブを捕集ネット上に積層繊維ウェブとして積層し、一対の平滑金属ロール間で、線圧300N/cm、上下温度を130℃/145℃で熱圧着し、更に、2段目の熱圧着を平滑金属ロールとペーパーロール間で、線圧350N/cm、温度を160℃で熱圧着して実施例2の印刷基材(目付け70g/m2)を得た。
[実施例5]
本発明の第3層が、ナイロンー6(PA、融点223℃)をスパンボンド用紡糸口金から、紡糸温度280℃で平均繊径15μm、目付け15g/m2の熱可塑性繊維ウェブに、第2層のナイロンー6(PA、融点220℃)を用いメルトブロー用噴射口金から、紡糸温度280℃、加熱エアは280℃で1000Nm3/hrで、平均繊径3μm、目付け10g/m2の極細繊維ウェブを吐出して積層し、その上にナイロンー6(PA,融点223℃)をスパンボンド用紡糸口金から、紡糸温度280℃で平均繊径15μm、目付け15g/m2の熱可塑性繊維ウェブを捕集ネット上に積層繊維ウェブとして積層し、一対の平滑金属ロール間で、線圧300N/cm、上下温度を145℃/150℃で熱圧着し、更に、2段目の熱圧着を平滑金属ロールとペーパーロール間で、線圧350N/cm、温度を190℃で熱圧着して実施例2の印刷基材(目付け40g/m2)を得た。
得られた印刷用基材の特性を表1に示す。表1の結果から、実施例1〜5では、熱圧着の1段目または2段目の印刷基材でも、表面粗さが小さく、平坦化されている。特に2段加工では、表面が平滑になると共に、表面の摩擦強度が向上できる。従って、強度、地合指数が小さく、目付け斑の均等化され外観品位の良好であり、隠蔽性、耐熱性、印刷性に優れた印刷基材であった。
[比較例1]
ポリエチレンテレフタレートを用い、実施例1と同じスパンボンド法で、紡糸温度300℃で平均化繊維径14μm、目付け30g/m2の熱可塑性繊維ウェブを捕集ネット上に作成し、圧着面積率が12%エンボスロールで、線圧350N/cm、上下温度を230℃/235℃で熱圧着して不織布を得た。
得られた不織布は表1に示すように表面粗さが大きくエンボス模様の凹凸があり、文字、模様などの部分かすれ、飛びが発生した。
[比較例2]
比較例1を更に、2段目の熱圧着を平滑金属ロールとペーパーロール間で、線圧350N/cm、温度を180℃で熱圧着して不織布(目付け30g/m2)を得た。
得られた不織布は表1に示すように表面粗さが大きくエンボス模様の凹凸があり、文字、模様などの部分かすれ、飛びが発生した。
Figure 0005171120
[実施例6]
実施例1の印刷基材に片面の表面に印字密着性の向上させる、樹脂塗布を行った。樹脂としては、スチレンーブタジエンラテックス(大日本インキ工業社製DS-610)をリバースコーテイング法で塗布し、付着量1.5g/m2の印刷基材を得た。樹脂の塗布加工時に樹脂裏抜けが生じなかく、得られた印刷基材は、グラビア印刷加工で、インキの密着性が向上できた。
[比較例3]
比較例2の基材を実施例6と同様に樹脂加工したが、樹脂の裏抜けが生じて、ガイドロール汚れが発生した。更に、表面の凹凸があり、グラビア印刷の文字、模様などの部分かすれ、飛びが発生した。
本発明の印刷基材は、比較的太い繊維層の表面層を形成する繊維が、熱圧着で単繊維同志が面接触融着状態で凹凸が小さい平滑な表面構造からなり、中間層の極細繊維層が実質的に短繊維形状が保持されているため、隠蔽性が得られ、且つ、表面でのインキの馴染みが良く、インキの裏抜けが少なくでき、多層間の接着が良く層間剥離が生じがたい。更に、多層構造を有することから、腰があり、且つ、剛性と柔軟性を有している。従って、看板、旗、感圧紙など文字・模様等の商業用の印刷用基材、包装資材などに広く用いられる。

Claims (5)

  1. 平均繊維径が10〜30μmの熱可塑性合成繊維からなる第1層、平均繊維径が7μm以下の極細繊維からなる第2及び平均繊維径が10〜30μmの熱可塑性合成繊維からなる第3層を熱圧着で積層一体化した積層不織布並びに該積層不織布の少なくとも片面に形成されたインキ受理層からなる印刷基材であって、上記積層不織布の表面層の単繊維同志が融着状態で、相互に押し潰されて表面が平滑であり、かつ、上記積層不織布の目付が20〜100g/m 、平均みかけ密度が0.3〜0.9g/cmKES−FB4表面試験機の表面粗さが1μm以下、厚みが0.03〜0.2mmであることを特徴とする印刷用基材。
  2. 前記第1層及び第3層熱可塑性合成繊維からなる層が、ポリエステル系繊維又はポリエステル系共重合体系繊維からなることを特徴とする請求項に記載の印刷用基材。
  3. 前記極細繊維からなる第2層の目付けが、1g/m以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷用基材。
  4. 前記積層不織布のJIS−L−1906に基づく通気性が50cc/cm/sec以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の印刷用基材。
  5. 前記インキ受理層の塗布量が、0.5〜10g/mであることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の印刷用基材。
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