JP2002285482A - インクジェット印刷用布帛複合シート - Google Patents

インクジェット印刷用布帛複合シート

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JP2002285482A
JP2002285482A JP2001086593A JP2001086593A JP2002285482A JP 2002285482 A JP2002285482 A JP 2002285482A JP 2001086593 A JP2001086593 A JP 2001086593A JP 2001086593 A JP2001086593 A JP 2001086593A JP 2002285482 A JP2002285482 A JP 2002285482A
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composite sheet
thermoplastic elastomer
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Nobuo Hatta
信雄 八田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インク吸収性、印刷加工性の優れたインクジ
ェット印刷用布帛複合シートを提供する。 【解決手段】 布帛と補助層とが、両者の間に配置され
た熱可塑性エラストマーよりなる接着性不織布によって
面接着されてなることを特徴とするインクジェット印刷
用布帛複合シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェット印刷
用布帛複合シートに関するものであり、さらに詳しく
は、インク吸収性および印刷加工性の優れたインクジェ
ット印刷用布帛複合シートに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、インクジェット方式による印刷
は、写真に匹敵する画質を再現できるレベルまできてお
り、印刷シートとして、フイルム、写真印画紙ベース、
布および不織布ベースへの開発まで広がっている。特
に、サイン・ディスプレイ業界へのインクジェット方式
の進出は目覚しく、屋外看板、屋外ディスプレイが大判
インクジェットプリンターで作製される例が多くなって
きている。最近、屋外看板や屋外ディスプレイ、中でも
特に短期展示を目的とした懸垂幕、横断幕用途として織
物などの布帛が採用されてきている。
【0003】布帛にインクジェット方式で印刷をする場
合、形態安定性を図るために他のシートを裏打ちして布
帛複合シートとして使用する。従来は、ポリエステル系
乾式不織布にポリエチレン(PE)等の樹脂をパウダー
ラミし、印刷用布帛に熱ロールにて複合して使用してい
る。当然印刷後は、この裏打ち用の不織布は必要ないた
め、剥離させて除去する。しかしながら、剥離時に布帛
にポリエチレンパウダーの溶融樹脂が残ったり、裏打ち
用の不織布が弱いため、破けてしまい剥離作業を妨げら
れるなどの問題点があった。また、このような布帛複合
シートは通気性が大きすぎて、工程中でのシートの吸引
が効かず、布帛の浮き上がりや波打ち(コックリング)
等が生じ、印刷性を損なう。また剥離後、布帛にポリエ
チレンパウダーの溶融物が残存するため、インクの吸収
性に斑が発生し、印刷斑が発生し易いなど様々な問題点
があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の問題
点を解決するものであり、優れた印刷性、印刷加工性を
併せもつインクジェット印刷用布帛複合シートを提供す
ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決すべく鋭意検討した結果、上記欠点はパウダーを用
いるといういわゆる点接着(粗い面での接着)によって
発生するものであると考えた。そこで、特定の不織布を
用いて面接着を行うことで上述の問題を解決できること
を見出し、本発明に到達した。
【0006】すなわち本発明は、布帛と補助層とが、両
者の間に配置された熱可塑性エラストマーよりなる接着
性不織布によって面接着されてなることを特徴とするイ
ンクジェット印刷用布帛複合シートである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。本発明のインクジェット印刷用布帛複合シート(以
下、単に「本発明の布帛複合シート」と称する場合があ
る)は、布帛と補助層とが、熱可塑性エラストマーから
なる不織布により面接着されている点に特徴を有するも
のであり、かかる構成とすることにより印刷加工性が向
上し、インクのにじみのない良好な印刷が達成でき、さ
らには印刷後、印刷された布帛のみに剥離する際に容易
に剥離可能となる。
【0008】本発明を構成する布帛の種類は、インクジ
ェット印刷面となり得るものであれば特に限定されず、
織物、不織布等を用いることができるが、強度や印刷性
などの点から織物が好ましく用いられる。織物として
は、キャンバス、ポンジーなどが好ましく用いられる。
また、該布帛には、必要に応じてインク吸収性を促進す
る前処理が施されていてもよい。
【0009】本発明の布帛を構成する繊維としては、ポ
リエステル、ポリアミド等の合成繊維を用いることがで
きるが、かかる繊維を構成するポリマーとして、後述す
る熱可塑性エラストマーからなる不織布を構成するポリ
マーと非相溶性であるポリマーを用いることが好まし
い。中でも、ポリエステルを用いることが好ましく、特
にポリエチレンテレフタレートが好ましく用いられる。
なお、必要に応じて該繊維中には、紫外線吸収剤等の添
加物が含有されていてもよい。
【0010】次に、本発明の布帛複合シートを構成する
補助層について説明する。本発明にいう補助層とは、イ
ンクジェット印刷面となる布帛のいわゆる裏打ち層とし
ての役割を果たすものであり、さらには後述する熱可塑
性エラストマーからなる不織布の強伸度を調整する役割
を果たすものである。かかる補助層としては、特に限定
はされないが、コストや接着性の強弱の関係から不織布
が好ましく用いられ、特にオレフィン系不織布が好まし
く用いられる。該補助層を設けることで、インクジェッ
ト印刷面として布帛を用いる場合にも、優れた印刷工程
性が奏されるのである。
【0011】補助層として不織布を用いる場合、その製
法として、ポイントボンド法(エンボス法)、熱風法、
スパンボンド法、メルトブロー法、フラッシュ法等があ
るが、コストおよび強力の点でスパンボンド法が最も好
ましい。また目付は、10〜50g/m2が好ましく、
さらに好ましくは20〜30g/m2である。
【0012】また、本発明における補助層は、10%伸
長時の応力が1.0kg/5cm以上であることが、印
刷時の波打ち(コックリング)防止の点で好ましく、さ
らに好ましくは、1.5kg/5cm以上ある。
【0013】本発明の布帛複合シートは、該布帛と補助
層が熱可塑性エラストマーからなる不織布(以下、熱可
塑性エラストマー不織布と称する場合がある。)により
面接着されてなる点に特徴を有する。該不織布は、布帛
および補助層を構成する繊維よりも低温で溶融し得る熱
可塑性エラストマー不織布が好ましく採用され、例えば
ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン
系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラ
ストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリ
エーテル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑
性エラストマーなどが挙げられる。その中でも、布帛と
補助層との接着性のバランスを考慮するとポリスチレン
系エラストマー樹脂、またはポリスチレン系エラストマ
ー樹脂とポリオレフィン系樹脂との混合系、またはポリ
オレフィン系エラストマー樹脂を用いることが特に好ま
しい。
【0014】スチレン系エラストマー樹脂として、例え
ばスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体
(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック
共重合体(SIS)、スチレン−エチレン・ブチレン−
スチレン共重合体(SEBS;SBSの水素添加物)、
スチレン−エチレン・プロピレン−スチレン共重合体
(SEPS;SISの水素添加物)などを挙げることが
できる。該不織布は前記したポリスチレン系エラストマ
ーの一種または二種以上を用いて形成されていても、あ
るいは前記したポリスチレン系エラストマー樹脂の一種
または二種以上とポリオレフィン系樹脂の混合物を用い
て形成されていても良い。またはエチレン−オクテン−
コポリマーを代表とするポリオレフィン系エラストマー
樹脂を使用しても良い。
【0015】該不織布を構成する繊維が、ポリスチレン
系エラストマーとオレフィン系樹脂の混合物から形成さ
れている場合、混合物の質量に対してポリスチレン系エ
ラストマーの割合が50質量%以上であることが、接着
性の点から好ましく、60質量%以上であることがより
好ましい。ポリスチレン系熱可塑性エラストマーと混合
して用いられるオレフィン系樹脂としては、ポリプロピ
レン、ポリエチレン、エチレン/プロピレン共重合体な
どを挙げることができ、これらオレフィン系樹脂は単独
で用いても、または2種以上を併用してもよい。
【0016】また、該不織布を構成する熱可塑性エラス
トマー繊維の形成に好ましく採用されるポリオレフィン
系熱可塑性エラストマーとしては、例えば、ハードセグ
メントとして、ポリプロピレンやポリエチレンなどのポ
リオレフィン系樹脂を用い、ソフトセグメントとしてエ
チレン/プロピレン/ジエン共重合体(EDPM)など
のオレフィン系ゴムを用いて、両者を単純に混合してな
る熱可塑性エラストマー、両者を一部結合反応させた熱
可塑性エラストマー、両者を加硫混合した熱可塑性エラ
ストマーなどを挙げることができる。
【0017】該熱可塑性エラストマー不織布の製造方法
は、スパンボンド法、フラッシュ法、メルトブローン法
等公知の方法で製造可能であるが、容易に極細で地合の
良好な不織布を製造できる点で、メルトブローン法が最
も好ましい。地合の良好な点から該不織布の平均繊維径
は、10μm以下であることが好ましく、さらに好まし
くは1〜5μmである。また、該不織布の目付は5〜5
0g/m2が好ましく、さらに好ましくは10〜30g
/m2である。
【0018】本発明において、熱可塑性エラストマー不
織布に親水性を付与することで、より印刷性を向上させ
ることが可能となる。すなわち、吸水性を付与すること
で印刷時に、布帛上でインクが幅方向に拡散するよりも
厚み方向に浸透するように働き、裏面まで明瞭な印刷に
仕上げることができる。特に、本発明の布帛複合シート
を垂れ幕等に使用する場合、裏面まで明瞭な印刷性が得
られるので好ましい。また、布帛として意匠的に目の粗
い織物を使用する場合、該不織布が余剰なインクを吸収
することで、印刷面の汚れの発生等を抑えることができ
る。
【0019】該不織布に親水性を付与する手法は、特に
限定されるものではないが、例えば、該不織布を構成す
るポリマーに親水化油剤を練り込むことによって達成さ
れる。かかる油剤としては、ポリエチレングリコール系
油剤、親水性変性シリコーン系油剤、ポリビニルアルコ
ール誘導体多価アルコールのカルボン酸誘導体系油剤、
スルフォン系油剤などが挙げられる。かかる油剤の練り
込み量は、インクのにじみ過ぎを防止する点から1〜1
0質量%が好ましく、さらに好ましくは、2〜5質量%
である。
【0020】次に、本発明のインクジェット印刷用布帛
複合シートについて説明する。本発明の布帛複合シート
の複合方法は、布帛と補助層とを熱可塑性エラストマー
不織布にて面接着し得る方法であればいずれでもよく、
カレンダー加工、プレス加工等が挙げられるが、中でも
連続生産が容易にできる点からカレンダー加工が好まし
く採用される。
【0021】本発明の布帛複合シートを得る際、複合後
における熱可塑性エラストマー不織布および補助層の幅
を布帛の幅と同じまたは、より狭くすることが重要であ
り、両端それぞれ1〜10mm狭くするのが印刷工程性
の点で好ましい。熱可塑性エラストマー不織布および補
助層の幅が、布帛の幅より広い場合は、印刷時にインク
ジェットのノズルが接触し、印刷トラブル等が発生する
場合がある。
【0022】本発明において接着成分の役割となる熱可
塑性エラストマー不織布は伸縮性があるため、複合時に
幅縮み等を起こして形態安定性に欠ける場合がある。従
って、各素材別々に供給する方法で複合化すると、幅の
制御が難しい場合がある。その場合は、必要に応じて事
前に熱可塑性エラストマー不織布と補助層とをエンボス
加工によって疑似接着しておき、所定の幅にスリットし
てから、別工程にて布帛とカレンダー処理にて複合一体
化してもよい。または、布帛を所定の幅以上のもので供
給し、一挙に複合後、布帛を熱シールカットにて幅スリ
ットすることも可能である。後者の場合は、複合した異
素材を一挙に熱シールカットすることで、トラブルが発
生する場合があるため、前者のエンボスにて疑似接着さ
せ、所定幅にスリット後別工程で布帛とカレンダー複合
化する方法がより好ましい。
【0023】本発明の布帛複合シートは、熱可塑性エラ
ストマー不織布により面接着することで、該不織布がフ
ィルム状になり布帛と補助層との接着に寄与すると同時
に通気度が低くなり、印刷工程において原反の送りが良
好となる。さらに、該熱可塑性エラストマー不織布を親
水化処理した場合には、印刷時、インクが布帛に到達し
た後、余剰のインクが該エラストマー不織布層に吸収さ
れるため、インク吸収性が良好となり、インクのにじみ
のない印刷性のより優れた布帛シートが得られるのであ
る。
【0024】本発明の布帛複合シートは、複合後、イン
クジェットプリンターにて印刷を行い、印刷後、印刷さ
れた複合シートから熱可塑性エラストマー不織布および
補助層を剥離し、印刷物として布帛を得る。本発明で
は、熱可塑性エラストマー不織布と補助層は強固に接着
されているが、印刷された布帛と熱可塑性エラストマー
不織布は容易に剥離できる点にも特徴を有するものであ
る。
【0025】印刷後の剥離作業において、従来の布帛複
合シートは、裏打ち層である不織布等にポリエチレンパ
ウダーなどの樹脂を散布させて印刷用布帛シートと熱処
理にて複合させていた。この場合、剥離時に布帛にポリ
エチレン等の接着性の溶融樹脂が残り、裏面の印刷面が
見えなくなったり、印刷に欠点が生じたように観察され
ていた。しかしながら、本発明では、特定の熱可塑性エ
ラストマー不織布を用いて面接着を行うことで上述の問
題が解決することができる。
【0026】特に、熱可塑性エラストマー不織布が補助
層との相溶性、接着性に富んでいるが、布帛とは接着性
はあるが非相溶性である場合、一層本発明の効果が得ら
れるのである。さらに補助層として、該熱可塑性エラス
トマー不織布との相溶性に優れたポリオレフィン系不織
布を使用することによって、布帛と熱可塑性エラストマ
ー不織布の剥離性、および工程通過性をさらに向上させ
ることが可能となる。すなわち、接着強力に歴然とした
差があるため、剥離させた時、布帛に熱可塑性エラスト
マー樹脂が残ることはない。接着成分として、エラスト
マー樹脂を用いているため、剥離作業の時、伸びが発生
し易いが、補助層を複合しているため、伸びが抑えら
れ、剥離作業を容易にできるのである。
【0027】かかる剥離性を得るためには、該複合シー
トの剥離強力は、0.5〜4.0kg/5cmであるこ
とが好ましく、さらに好ましくは、1.0〜3.0kg
/5cmである。剥離強力が、0.5kg/5cm未満
であると、印刷工程中にガイドやロールにて剥離し易く
なり印刷工程性が悪くなる場合がある。一方、剥離強力
が4.0kg/5cmを超えると人手による剥離作業が
困難となる場合がある。
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明は何らこれらに限定されるものではない。なお、実
施例中の各物性は以下の方法により求めた。 (1)伸長時応力 試料を幅5cm×20cm採取し、JIS L1096
に準じて強伸度を測定し、そのチャートより10%伸長
時の強力を読み取った。 (2)通気度 JIS L1096に準拠、フラジール法にて測定を行
った。 (3)印刷性評価 得られた布帛複合シートに印刷を行い、印刷後における
にじみ性、印刷鮮明性について肉眼で評価を行った。な
お、評価基準は以下のとおりである。にじみ性; ◎:印字周辺部にほとんどにじみが見られず極めて良好
である。 〇:印字周辺部にわずかなにじみが見られるが良好であ
る。 △:印字周辺部にかなりのにじみが見られる。 ×:印字周辺部のにじみがひどく不良である。 印刷鮮明性; 〇:裏面まで鮮明に印刷がされており良好である。 △:裏面にわずかに印刷斑が見られる。 ×:裏面における印刷斑が多く不良である。 (4)剥離強力 試料を幅5cm×20cm採取し、その切れ端を揉んで
剥離個所を作り、手である程度剥離させ、引張試験機の
チャックに把持し、ヘッドスピード30mm/分でT型
剥離を行った。測定チャートを読み取り、その平均値を
剥離強力とし、さらにチャート内における剥離強力の最
大値(Max)と最小値(min)の差(Max−mi
n)を求めた。
【0028】(実施例1)インクジェット印刷用布帛と
して経密度88本/インチ、緯密度76本/インチのP
ET織物(組織ポンジー、目付60g/m2、厚み0.
12mm、通気度50cc/cm2・s)を準備した。
ポリスチレン系エラストマー樹脂(商品名:セプトン、
株式会社クラレ製)60質量部とポリプロピレン樹脂
(MFR=200g/10min)40質量部の混合物
を用いて、メルトブローン法によって平均繊維径3.5
μmである不織布(目付20g/m2、通気度150c
c/cm2・s)を得た。該不織布のタテ伸度は350
%であった。補助層としてポリプロピレンスパンボンド
不織布20g/m2(出光ユニテック社製)を選択し
た。該スパンボンド不織布の10%伸長時の応力は1.
5kg/5cmであった。得られた熱可塑性エラストマ
ー不織布と補助層とを熱エンボス(圧着面積3.5%)
で、ロール温度100℃、線圧30kg/cmL、速度
30m/分の条件にて複合品(通気度100cc/cm
2・s)を得た。その複合品を所定の幅にスリットし、
PET織物とカレンダー加工を実施、面接着を行いイン
クジェット印刷用布帛複合シートを得た。カレンダー条
件はロール温度140℃、線圧60kg/cmL、速度
10m/分とした。得られたインクジェット印刷用布帛
複合シートの通気度は2.5cc/cm2・sであっ
た。
【0029】(実施例2)実施例1の熱可塑性エラスト
マー不織布として20質量%の親水性油剤を練り込んだ
ポリプロピレン樹脂のマスターバッチを使用して、ポリ
スチレン系エラストマー樹脂60質量部、ポリプロピレ
ン樹脂20質量部、前記マスターバッチ20質量部の三
成分混合物を用いて、メルトブロー法によって不織布2
0g/m2を得た。該熱可塑性エラストマー不織布を用
いたこと以外は、実施例1と同様にして印刷用複合シー
トを得た。
【0030】(比較例1)実施例1で得た熱可塑性エラ
ストマー不織布とPET織物とをPET織物がカレンダ
ー処理の時熱ロールに位置するようにして複合化処理を
実施した。すなわち、実施例1の補助層の不織布を使用
しないで複合処理を実施した。
【0031】(比較例2)印刷用布帛として実施例1で
使用したPET織物と同じものを使用した。補助層とし
てPET繊維を使用した芯地(目付45g/m2、PE
パウダー処理品)を使用した。布帛と補助層をロール温
度120℃、線圧10kg/cmL、速度10m/分の
条件にてカレンダー処理し、インクジェット印刷用布帛
複合シートを得た。
【0032】これら実施例および比較例で得られたイン
クジェット印刷用布帛複合シートをローランドプロッタ
ー(ハイファイジェット)720dpiを使用してイン
クロードテストを実施した。結果を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】印刷後の布帛複合シートについて、該複合
シートから補助層を取り除くべく人手で剥離作業を行っ
た。剥離作業において実施例1、2の複合シートは共に
スムーズな剥離が行えた。しかし、比較例1の複合シー
トは剥離作業時に、熱可塑性エラストマー不織布が伸び
てしまい、スムーズな剥離作業ができなかった。また、
早く作業を行おうとすると、ゴムが切れたように該不織
布が破断した。比較例2は遅い剥離作業であれば剥離可
能であるが、すばやく作業しようとすると不織布が破け
た。また、剥離した個所を観察すると部分的にPEパウ
ダーの溶融物が付着しており、印刷の斑も観察された。
結果を表2に示す。
【0035】
【表2】
【0036】表2の結果からも明らかなように、実施例
における複合シートは、適度な剥離強力を有するととも
に、剥離強力において変動の少ないものであるためスム
ーズに剥離作業を行うことができた。一方、比較例の複
合シートは、剥離強力が大きく、さらに剥離強力の変動
が大きいために剥離作業は困難を極めるものであった。
【0037】また剥離後の熱可塑性エラストマー不織布
と補助層との複合品の通気度は12cc/cm2・sで
あり、エンボス複合品が100cc/cm2・sからカ
レンダー複合することで熱可塑性エラストマー不織布が
フィルム状となり、接着に寄与するとともに通気度を低
下させることが証明されている。また布帛単独の剛性
(JIS L1096:カンチレバー法での評価)は3
7〜42mmであり、ドレープ性に富んで扱い難いが、
複合シートでは76〜82mmとなり、扱い易くなっ
た。印刷、剥離作業後、懸垂幕等の使用時には布帛シー
トのみになるから、元のドレープ性は維持できる。
【0038】
【発明の効果】本発明のインクジェット印刷用布帛複合
シートを用いることで、鮮明な印刷に仕上がると共に印
刷工程のトラブルも防止できる。さらに、印刷後の工程
で布帛シートのみにする剥離工程ではスムーズな剥離作
業であり、裏面の印刷も良好である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AK01B AK03C AK07 AK12 AK41A AS00C DG11A DG12A DG15B EJ19 GB90 JB05C JB16B JN30 YY00C 4H057 AA01 CA13 CA19 CB08 CC01 DA01 DA17 DA34 FA17 GA06 HA01 JA10 JB01 4L032 AA05 AA07 AB02 AB04 AC02 AC04 BD01 BD03 CA03 DA00 EA00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 布帛と補助層とが、両者の間に配置され
    た熱可塑性エラストマーからなる不織布によって面接着
    されてなることを特徴とするインクジェット印刷用布帛
    複合シート。
  2. 【請求項2】 該布帛がポリエステルからなる織物であ
    る請求項1に記載のインクジェット印刷用布帛複合シー
    ト。
  3. 【請求項3】 熱可塑性エラストマーからなる不織布が
    メルトブローン不織布である請求項1または2に記載の
    インクジェット印刷用布帛複合シート。
  4. 【請求項4】 該補助層が、オレフィン系スパンボンド
    不織布からなり、10%伸長時の応力が1.0kg/5
    cm以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載のイ
    ンクジェット印刷用布帛複合シート。
  5. 【請求項5】 熱可塑性エラストマーからなる不織布が
    親水化処理されている不織布である請求項1〜4のいず
    れか1項に記載のインクジェット印刷用布帛複合シー
    ト。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009000844A (ja) * 2007-06-20 2009-01-08 Asahi Kasei Fibers Corp 印刷用基材

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009000844A (ja) * 2007-06-20 2009-01-08 Asahi Kasei Fibers Corp 印刷用基材

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