JPH11227086A - 不織布壁紙 - Google Patents

不織布壁紙

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JPH11227086A
JPH11227086A JP4636198A JP4636198A JPH11227086A JP H11227086 A JPH11227086 A JP H11227086A JP 4636198 A JP4636198 A JP 4636198A JP 4636198 A JP4636198 A JP 4636198A JP H11227086 A JPH11227086 A JP H11227086A
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wallpaper
flame
paper
polyolefin
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JP4636198A
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Inventor
Masahiro Hiroshima
政広 広島
Sadayuki Arakawa
定幸 荒川
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DuPont Asahi Flash Spun Products Co Ltd
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DuPont Asahi Flash Spun Products Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリオレフィン樹脂またはその共重合物によ
って形成される微細繊維不織布であり、その表面濡れ指
数が40〜46であって、且つ、その表面に少なくとも
印刷を含む表面処理が施された不織布と、紙料と難燃剤
とを混抄し、目付50〜150g/m2の難燃紙とを、
熱可塑性樹脂を用いて接着一体化し、上記不織布と難燃
紙とを組み合わせ複合化することによって良好な性能を
有した不織布壁紙を提供する。 【解決手段】 ポリオレフィン樹脂またはその共重合物
によって形成される微細繊維不織布であり、その表面濡
れ指数が40〜46であって、且つ、その表面に少なく
とも印刷を含む表面処理が施された不織布と、紙料と難
燃剤とを混抄し、目付50〜150g/m2の難燃紙と
を、熱可塑性樹脂を用いて接着一体化してなることを特
徴とする不織布壁紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非ハロゲン含有素
材であるポリオレフィン系不織布を用いることによって
廃棄時の環境問題を考慮し、同時に壁紙に要求されるボ
リューム感(風合い)、意匠性、防炎性、耐久性、印刷
性及び防汚性にすぐれ、施工上の作業効率をも大幅に改
善した不織布壁紙に関する。より詳しくはポリオレフィ
ン系不織布と難燃紙とを組み合せ複合化した不織布壁紙
に関する。
【0002】
【従来技術】従来、一般的に塩化ビニル素材が壁紙に使
用されている。しかし、壁紙に分子構造中に塩素を含有
する素材(特に塩化ビニル等)を使用した場合、使用時
には特に問題なくとも、廃棄時に焼却させると、条件に
よっては有害なダイオキシン類が発生する可能性が指摘
されている。このような潜在的に有害物を発生する可能
性のある素材を使用しなくなる傾向にある。このような
環境問題の観点から、日本においては、廃棄物処理は焼
却か埋め立てのいずれかが採用されているが、今後埋め
立て地の減少から、焼却処理かあるいはリサイクル(再
生処理)へと重点が移っていくと考えられる。壁紙用途
においても、素材がダイオキシン類が発生する可能性の
ある従来の塩化ビニルから非ハロゲン含有素材に変更す
る壁紙へと移っていく必要を指摘する声がある。
【0003】一方、塩化ビニルからなる壁紙には、適度
なボリューム感、意匠性、低価格について大きいメリッ
トがあり、したがって、その壁紙は現在広範囲に使われ
ている。これに対し、上記の環境問題から脱塩ビを標榜
する壁紙製造業者においては従来の塩化ビニルに代わる
非ハロゲン素材を壁紙として投入する動きが見られる。
よって、従来の塩化ビニル素材に代わる壁紙用素材とし
て、例えば紙、織物或いは不織布が考えられている。
【0004】(1) 特開平7−18600号公報には、
セルロース系不織布の表面に熱可塑性樹脂によるラミネ
ートを行い、反対側に紙を裏打ちした壁紙が開示されて
いる。ここに記載されている壁紙は、特にリフォーム時
の取り扱い性の改善、すなわちセルロース系不織布と裏
打ち紙とが剥離しやすい特性を利用し、貼り替え時に剥
がし易い点に特徴がある。ところが、このようなセルロ
ース系不織布を用いた壁紙は耐久性に問題があり、また
表面が熱可塑性樹脂皮膜のため印刷適性に劣る欠点があ
る。
【0005】(2) 特開平3−19999号公報は、天
然、合成繊維よりなる不織布、織物、編み物、糸が接着
層を介して裏打ち紙と結合してなる織物壁紙が開示され
ている。これは、用いる接着剤層に特徴があり、特定の
エマルジョンを用いて壁紙の透湿性を適度にし施工時の
接着糊の乾燥性を制御するものである。これによって、
裏面に糊付けし壁張り迄の可使時間を充分に確保でき、
かつ柔軟な壁紙を提供することができる。これら従来技
術から、不織布(その他の織布又は繊物等)と裏打ち紙
とを接着剤によって張り合わせ壁紙を構成することは公
知である。
【0006】また、一般的壁紙施工において、水性の接
着糊を用いるために、糊の乾燥は必須であり、施工上は
裏打ち紙がある方が好ましい場合が多い事は認識されて
いる。一方、今後上記のように環境問題、特に焼却時の
ダイオキシン類対策として、非ハロゲン系素材を用いた
壁紙が望ましく、その場合、塩ビ(塩化ビニル樹脂)素
材を使用した場合と同等のボリューム感、意匠性、防炎
性を持つことが熱望されている。また、壁紙に難燃紙を
単独で使用した場合、ボリューム感、意匠性、耐久性、
防汚性に問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、特に熱可塑性
樹脂を用いた不織布、編織物を壁紙に使用されることが
予測されるが、壁紙としての防炎性及び防汚性とボリュ
ーム感、意匠性、耐久性を兼ね備えて持つ壁紙は皆無と
いえる状況であった。本発明の課題は、ボリューム感、
意匠性、防炎性、防汚性に優れ、かつ防湿性及び透湿性
の機能も具備する等総合的特性を有する、新規な複合化
不織布壁紙を提供することにある。
【0008】
【課題を解決する為の手段】本発明者は、上記状況に鑑
み上述の課題を解決するため鋭意検討した結果、ポリオ
レフィン樹脂またはその共重合物によって形成される微
細繊維不織布であり、その表面濡れ指数が40〜46で
あって、且つ、その表面に少なくとも印刷を含む表面処
理が施された不織布と、紙料と難燃剤とを混抄し、目付
50〜150g/m2の難燃紙とを、熱可塑性樹脂を用
いて接着一体化してなる不織布壁紙を構成することで、
上記不織布と難燃紙とを組み合せ複合化することによっ
て良好な総合的性能を有し、上記の課題を解決できたこ
とを見出し、本発明に到達した。
【0009】すなわち、本願の第1の発明に従う不織布
壁紙は、ポリオレフィン樹脂またはその共重合物によっ
て形成される微細繊維不織布であり、その表面濡れ指数
が40〜46であって、且つ、その表面に少なくとも印
刷を含む表面処理が施された不織布と、紙料と難燃剤と
を混抄し、目付50〜150g/m2の難燃紙とを、熱
可塑性樹脂を用いて接着一体化してなることを特徴とす
る。
【0010】本願の第2の発明に従う不織布壁紙は、上
述の第1の発明に従う不織布壁紙において、前記不織布
がスパンボンド紡糸法不織布またはメルトブロー紡糸法
不織布であることを特徴とする。本願の第3の発明に従
う不織布壁紙は、上述の第2の発明に従う不織布壁紙に
おいて、前記不織布がフラッシュ紡糸法ポリオレフィン
系不織布であることを特徴とする。
【0011】本願の第4の発明に従う不織布壁紙は、上
述の第1〜第3の発明に従う不織布壁紙において、前記
不織布及び難燃紙とを付着量5〜20gの熱可塑性樹脂
を用いて接着一体化することを特徴とする。本願の第5
の発明に従う不織布壁紙は、上述の第1〜第4の発明に
従う不織布壁紙において、前記不織布の表面処理にエン
ボス加工を含むことを特徴とする。
【0012】すなわち、本発明の主要な技術思想は、そ
の表面において、特定の表面濡れ指数を有し、且つ少な
くとも印刷を含む表面処理されたポリオレフィン系不織
布と、特定の目付を有する難燃性紙とを、熱可塑性樹脂
を用いて接合、一体化した複合化不織布によって壁紙を
形成することによって、使用後の廃棄時の環境問題を解
決でき、同時に壁紙に要求されるボリューム感、意匠
性、印刷性、耐久性、防炎性及び防汚性、更に防湿性及
び透湿性を具備した壁紙を得ることである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。A.不織布 本発明に用いられるポリオレフィン系不織布は、ポリオ
レフィンまたはその共重合物から形成される微細繊維か
らなる不織布であればよく、特に限定されるものではな
い。このような不織布は、スパンボンド法不織布、例え
ばフラッシュ紡糸法不織布またはメルトブロー紡糸法不
織布であってよい。メルトブロー紡糸法とは、熱可塑性
重合体を溶融して紡口から押し出し、高速の気体流にて
牽引・細化し平均直径が10μm以下の微細繊維となし
た後、シート状に捕集して製造するものであればよく、
その詳細は特に限定されるものではない。メルトブロー
紡糸法による不織布は、熱可塑性樹脂を用いた、スパン
ボンド法不織布と比較して、繊維径が小さい、すなわち
微細繊維で構成されるため出来る繊維間の隙間、すなわ
ち空孔サイズが小さく、かつ熱接合後は比較的平滑な表
面を形成する特徴がある。メルトブロー紡糸法による不
織布の構成繊維を形成する熱可塑性樹脂は、融点が12
0℃〜300℃の熱可塑性樹脂であり、紡糸性及び熱接
着性などから、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリ
オレフィンであることが重要である。メルトブロー法不
織布は目付量として20〜50g/m2のものが使用可
能である。
【0014】本発明に用いるフラッシュ紡糸法不織布
は、公知の方法で製造できる。例えば特公昭44−21
817号公報にフラッシュ紡糸法不織布の製造法の例
が、また特開昭61−160469号公報にポリプロピ
レンの製造方法の例が開示されている。その一例を示す
とポリオレフィン系ポリマーを高温高圧下でハロゲン化
炭化水素中に溶解・撹拌し、紡糸ノズルから吐出させ、
ポリマーに配向を与えると共に三次元網状繊維を形成せ
しめ、ネットコンベア上に堆積した後、適当な温度と圧
力を保ったロール或いはフェルトカレンダーにより部分
或いは全面圧着し、シート状に製造された不織布であれ
ばよい。この不織布は、極めて微細、かつ複雑な断面形
状を有する繊維からなる特徴を有し、白色度・不透明性
に優れる。このフラッシュ紡糸法による不織布の構成繊
維を形成する樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピ
レン等のポリオレフィンが用いられる。
【0015】本発明に用いるフラッシュ紡糸法不織布の
目付量は20〜105g/m2、好ましくは40〜60
g/m2である。メルトブロー法不織布は微細繊維の配
向に劣るため不織布としての引張強さに欠ける傾向があ
り、フラッシュ紡糸不織布は特に繊維の配向がかかる製
造法のため、得られる不織布の引張強さ及び引裂強さが
大きく、丈夫な不織布が得られる。本発明に用いる不織
布は、壁紙として使用するための印刷処理を施す必要か
ら、優れた表面平滑性を有するフラッシュ紡糸法不織布
が好ましい。
【0016】B.印刷 壁紙用不織布の表面にはいろいろな柄及び色を印刷する
必要があり、一般的な印刷方法が用いられる。本発明に
おいては、例えば、オフセット印刷、グラビア印刷、フ
レキソ印刷、スクリーン印刷、活版印刷、転写印刷、局
面印刷などが用いられ、特に限定されるものではない
が、インクの速乾性、大量印刷性及びエンドレス印刷が
可能であることから、特にグラビア印刷が好ましい。グ
ラビア印刷は凹版印刷であり、腐蝕または刻印でできた
セルに溜まったインクを転写する印刷方法であり、印刷
される不織布の表面平滑性によって影響される。グラビ
ア印刷は、メルトブロー紡糸法不織布及びフラッシュ紡
糸法不織布ともに適用される。印刷柄については各種可
能であるが、不織布の表面が壁紙として室内側に露出す
るため、飽きのこない、高級感のあるものが好ましい。
【0017】C.エンボス加工 本発明における壁紙用不織布は、印刷後、主に凹凸模様
を与える目的でエンボス加工が施されることがある。こ
の不織布に対するエンボス加工には、凹凸を有する金属
ロールで押さえ込む通常のロールエンボス加工のほか
に、平板エンボス加工、高周波エンボス加工、超音波エ
ンボス加工、柄出しパンチ加工等が用いられ、特に、サ
ーマルボンド法のロールエンボスは、不織布表面に凹凸
模様を付与するとともに加熱したロールを用いて圧着す
ることができ好ましい。この際使用するエンボス機は特
別に制限されるものではなく、例えば、金属ロールを片
側に、ペーパー又は樹脂ロール或いは金属ロールをもう
片側に対をなしたものを使用する。通常は凹凸を有する
金属ロールとペーパーロールとの組み合わせが多い。金
属ロールの加熱(表面)温度は、使用する繊維の融点未
満の温度とすることが好ましく、100〜200℃程度
の範囲が一般的であるが、本発明においてはスパンボン
ド紡糸法またはメルトブロー紡糸法によるポリオレフィ
ン系不織布を使用し、その熱収縮が大きいため、40〜
80℃程度の加熱温度が好ましい。
【0018】D.不織布の表面濡れ指数 本発明に用いるポリオレフィン系不織布の表面濡れ指数
は40〜46で有ることが必要である。表面濡れ指数は
一般的に試薬会社から販売されている濡れ指数試薬を用
いて判断する。例えば、表面濡れ指数が40未満の場
合、特に印刷時にインキをはじいたり、インキの固着が
不良となる傾向がある。また表面濡れ指数が46を超え
るとインキとの親和性が良好すぎるため濃淡の発現が不
良となったりして、いずれも意匠性の良好な印刷に仕上
がらないため好ましくない。
【0019】E.難燃紙 本発明に用いる難燃紙は目付50〜150g/m2が必
要である。張り合わせに用いる紙はもちろん一般紙でも
よいが、本発明の場合、ポリオレフィン不織布との張り
合わせを行い、且つ壁紙としての防炎性を発現できる必
要がある。難燃紙とは通常のパルプに特定の難燃剤を混
抄して製造され、特に非ハロゲン系難燃剤を用いるのが
好ましい。目付が50g/m2未満の場合、ポリオレフ
ィン不織布と張り合わせた場合に防炎性を発現しづら
く、150g/m2を超えると出来上がる壁紙の厚みが
あまりにも大きくなりすぎ好ましくない。難燃紙に用い
る難燃剤は公知のものが使用可能であるが、特に硫黄
系、リン系、アルミナ系の非ハロゲン系難燃剤を10〜
30%程度混抄して製造することが可能である。
【0020】F.接着・一体化処理 本発明による不織布壁紙は上記印刷・エンボス加工した
ポリオレフィン不織布と難燃紙とを張り合わせることに
特徴がある。張り合わせには通常のPVA(熱可塑性樹
脂、ポリ酢酸ビニル)系または酢酸ビニル系エマルジョ
ンを用いることも可能であるが、乾燥工程を必要とし製
造時間が多く必要となる。本発明においては、熱可塑性
樹脂を用いて上記ポリオレフィン不織布と難燃紙とを接
合・一体化するものであり、通常の低密度ポリエチレ
ン、エチレンビニルアルコール系樹脂等の熱可塑性樹
脂、エチレン酢酸ビニル共重合体系、エチレンビニルア
セテート系共重合体、合成ゴム系等のホットメルト剤が
使用可能である。いずれを使用する場合でも、溶融熱可
塑性樹脂を熱ラミネート法、筋ラミネート法、メルトブ
ロー法等の散布方法により難燃紙に塗布し速やかにポリ
オレフィン系不織布とを張り合わせ一体化するものであ
る。
【0021】押出ラミネーションの一種である熱ラミ法
とは熱可塑性樹脂を押し出し機等を用いて溶融し、T−
ダイ法で溶融膜状に薄く押し出し、難燃紙上に製膜さ
せ、その上からポリオレフィン不織布を供給し金属ロー
ル等で押さえることにより一体化する方法である。この
方法では熱ラミする樹脂は無孔の均一な膜を難燃紙上に
形成しその反対側をポリオレフィン不織布で張り合わせ
て、ポリオレフィン不織布・熱可塑性樹脂薄膜・難燃紙
の3層構造で構成されている。中間部に熱可塑性樹脂薄
膜が一層入っており、この膜は無孔性の為、本発明の壁
紙を通して水蒸気はほとんど通過できず、防湿性に優れ
た壁紙が得られる。用いる樹脂量は5〜20g/m2
あり、好ましくは10〜15g/m2である。樹脂量が
5g/m2を下回ると熱可塑性樹脂膜が均一には広がら
ず部分的に厚薄が目立つため好ましくないことが多い。
樹脂量が20g/m2を超えると張り合わせそのものは
問題ないが積層体として防炎性に劣る傾向にあるため好
ましくない。
【0022】同じ押出ラミネーションである筋ラミ法は
上記熱ラミ法と基本的に同じであり、T−ダイ法で溶融
膜状に押し出す際、部分的に熱可塑性樹脂が出ない(目
詰め状態になる)部分を周期的に設けることによって熱
可塑性樹脂が筋状に形成し、この筋状に形成された樹脂
によってポリオレフィン不織布と難燃紙とを接合・一体
化するものである。筋ラミ法の場合、熱可塑性樹脂があ
る部分とない部分がポリオレフィン不織布の幅方向に周
期的に形成され、熱可塑性樹脂のない部分はポリオレフ
ィン不織布の状態のため、その部分を通じて水蒸気が透
過するため壁紙としては透湿性となる。筋ラミ法の場
合、用いる熱可塑性樹脂量は5〜15g/m2であり、
更に好ましくは7〜10g/m2である。この場合であ
ってもやはり熱可塑性樹脂量の上限を決めるものは防炎
性であり、15g/m2を超えると防炎性が劣る傾向に
あるため好ましくない。
【0023】本発明において使用できる接合方法にホッ
トメルト系樹脂を用いたメルトブロー法がある。この方
法はホットメルト剤を溶融し、ノズルから押し出し、両
側からホットエアー等を用いて牽引細化することにより
樹脂の微細繊維を形成し、それを難燃紙側に付着させ
る。ホットメルト剤の場合、ホットタック性があるた
め、溶融状態から固化するまでの間に難燃紙に付着、ポ
リオレフィン不織布と接合・一体化するものである。こ
の場合樹脂量は5〜15g/m2が好ましく、更に好ま
しくは7〜10g/m2である。ホットメルト樹脂の場
合、樹脂量は5〜30g/m2程度であっても接合時の
接着性は大差なく、樹脂量が少ない方が防炎性から見て
好ましい。
【0024】いずれの方法であってもポリオレフィン不
織布は防炎性に乏しく、難燃紙と張り合わせる事により
防炎性を発現するものであり、そのための接合・一体化
の役割を担う熱可塑性樹脂の量が少なければ防炎性に好
ましいと考えられる。本発明によるポリオレフィン不織
布壁紙は表側、すなわち室内側が不織布であり、裏側す
なわち壁側が難燃紙である構成であるため、不織布側は
ポリオレフィン層であるため耐水性が良好であり、防汚
性に優れかつ万一汚れが目立った場合にも拭き取りなど
の作業でクリーニングが可能であるとの特徴を有する。
【0025】防炎性に関してはJIS L−1091 D
法で燃焼が見られず、また壁紙防火材料認定試験におい
て防炎性1〜4級に相当する結果が得られる。防炎性に
関しては、ポリオレフィン不織布の目付が小さいほど、
難燃紙の目付が小さいほど、中間の熱可塑性樹脂の目付
が小さいほど良好な結果が得られる。壁紙として施工す
る場合の接着糊は通常の糊が使用可能である。例えばヤ
ヨイ化学の酢酸ビニル・スターチ系のルーマイルド、エ
チレン酢酸ビニル系のプラゾールS等がそのまま使用可
能である。
【0026】
【実施例】以下、本発明について実施例を挙げて説明す
る。尚、これらは本発明の内容を何ら限定するものでは
ない。 (実施例1)ポリエチレン三次元網状繊維からなるウェ
ブを熱接合した高密度ポリエチレンからなる不織布(イ
ー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパ
ニー「タイベック」(登録商標)1056D、目付55
g/m2、厚さ約0.16mm)を用い、表面印刷し、エン
ボス加工した後、市販の低密度ポリエチレン樹脂を押出
機を用いてT−ダイ押し出しを行い、難燃紙(巴川製紙
所 TFC−110、目付110g/m2)とを、低密度
ポリエチレンを15g/m2(計算値)塗布して張り合
わせ不織布壁紙を作成した。
【0027】(実施例2)上記実施例1において、ポリ
エチレン三次元網状繊維からなるウェブを熱接合した高
密度ポリエチレンからなる不織布(イー・アイ・デュポ
ン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー「タイベッ
ク」(登録商標)1025D、目付43g/m2)を用
い、目付70g/m2の難燃紙(巴川製紙所)とをメル
トブロー法にてホットメルト剤(ヒロダイン 750
0)を用いて一体化し、不織布壁紙を作成した。
【0028】(比較例1)上記実施例1において不織布
と難燃紙とを接合する際に使用する低密度ポリエチレン
の塗布量を30g/m2にした以外は同一の処理によっ
て不織布壁紙を作成した。 (比較例2)実施例2において不織布と難燃紙との接合
に使用したホットメルト剤を30g/m2にした以外は
同様に不織布壁紙を作成した。
【0029】これら実施例及び比較例について、上記の
防湿性、透湿性、耐久性、防汚性及び不織布特有の特性
に加え、防炎性の試験、評価を行った結果、実施例1及
び2は1級を示し、充分な防炎性を有することが、比較
例1及び2は防炎性が不足し、いずれも4級に入るレベ
ルでしかないことが判明した。壁紙の施工性について
は、複数のパネラー(施工者)による官能評価で、壁紙
として貼った場合、ヤヨイ化学のルーアマイルドとの組
み合わせにおいて十分満足のできる施工性を示した。
【0030】
【発明の効果】本発明によるポリオレフィン不織布と難
燃紙とを張り合わせた壁紙は防炎性、意匠性、ボリュー
ム感に優れ、かつ従来品と同等の充分な施工性を示す上
に、廃棄時に有害なダイオキシン類を発生しにくい壁紙
を提供する事が出来る。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン樹脂またはその共重合物
    によって形成される微細繊維不織布であり、その表面濡
    れ指数が40〜46であって、且つ、その表面に少なく
    とも印刷を含む表面処理が施された不織布と、紙料と難
    燃剤とを混抄し、目付50〜150g/m2の難燃紙と
    を、熱可塑性樹脂を用いて接着一体化してなることを特
    徴とする不織布壁紙。
  2. 【請求項2】 前記不織布がスパンボンド紡糸法不織布
    またはメルトブロー紡糸法不織布であることを特徴とす
    る請求項1記載の不織布壁紙。
  3. 【請求項3】 前記不織布がフラッシュ紡糸法ポリオレ
    フィン系不織布であることを特徴とする請求項2記載の
    不織布壁紙。
  4. 【請求項4】 前記不織布及び難燃紙とを付着量5〜2
    0gの熱可塑性樹脂を用いて接着一体化することを特徴
    とする請求項1ないし3のいずれかに記載の不織布壁
    紙。
  5. 【請求項5】 前記不織布の表面処理にエンボス加工を
    含むことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記
    載の不織布壁紙。
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