JP2005089910A - ラミネート紙 - Google Patents

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Hiroshi Iwakawa
熙 岩川
Minoru Niina
實 新名
Yoshikatsu Noda
良勝 野田
Kimihisa Nishino
公久 西野
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Abstract

【課題】 包装材や養生紙として使用した後、破棄するに際して、紙基材と合成樹脂材とに剥離して分別処理することが可能な防湿、防水性を有するラミネート紙を提供することを課題とする。
【解決手段】 紙製の基材1と合成樹脂フィルム2とがラミネート層3を介して貼着されたラミネート紙において、前記ラミネート層3が線状に形成されているとともに、前記基材1と合成樹脂フィルム2との間に複数条介装され、しかも前記ラミネート層3の幅が0.15mm〜0.6mm に形成されていることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ラミネート紙、さらに詳しくは、金属等の重量物の運搬や保管に用いられる防湿、防水性を有する包装材や、住宅等の建築現場において保護用として使用される養生紙等として使用されるラミネート紙に関する。
一般に、金属等の重量物を運搬若しくは保管等する際には、防湿、防水性を有するシートで被覆すること等により、錆び等から保護している。
このような防湿、防水性シートとして、従来では、図2に示すように、基材1aとしてクラフト紙を用い、これにラミネート加工により形成されたラミネート層3aを介してポリプロピレンフィルム等の合成樹脂フィルム2aを積層させたものが使用されている。
しかし、このような従来の防湿、防水性シートは、基材であるクラフトと合成樹脂フィルムとを分離して破棄することが難しく、リサイクルに不適となっていた。
一方、住宅等の建築現場において、床、廊下等の保護用として使用される養生紙としては、図3に示すように、基材1aであるクラフト紙にラミネート加工により形成されたラミネート層3aを介してポリプロピレンフィルム等の合成樹脂フィルム2aを積層させた積層体と、ダンボール紙6とを貼り合わせたものが使用されている。
このような養生紙の場合も、合成樹脂フィルムと紙類とを分離して破棄することが難しく、リサイクルに不適である。
そこで、このような点に鑑み、クラフト紙とラミネート層の接着性を適当な領域にしてクラフト紙と合成樹脂フィルムとを容易に剥離する方法も案出されている。
たとえば、下記特許文献1では、ラミネート層の樹脂温度を約200 ℃と低く設定して、適当な仮接着性を持たせようとしている。
しかし、このような特許文献1の方法では、紙基材と合成樹脂フィルムとの間の疑似接着性が不安定であり、目的とする領域を確保することが困難である。疑似接着性が低すぎる場合には、被包装材包装する段階において、包装材に部分的な剥離現象が発生する。
一方、疑似接着性が高すぎる場合には、紙基材と合成樹脂フィルムとを剥離分別できない状況が発生する。
実開平6−255045号公報
本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、包装材や養生紙として使用した後、破棄するに際して、紙基材と合成樹脂材(フィルム)とに剥離して分別処理することが可能な防湿、防水性を有するラミネート紙を提供することを課題とする。
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、その課題を解決するための請求項1記載の発明は、紙製の基材1と合成樹脂フィルム2とがラミネート層3を介して貼着されたラミネート紙において、前記ラミネート層3が線状に形成されているとともに、前記基材1と合成樹脂フィルム2との間に複数条介装され、しかも前記ラミネート層3の幅が0.15mm〜0.6mm に形成されていることを特徴とする。
また、請求項2記載の発明は、上記のような請求項1記載の発明において、ラミネート層3の幅を0.2mm 〜0.5mm に形成したことを特徴とする。
さらに、請求項3記載の発明は、上記のような請求項1又は請求項2記載の発明において、複数条のラミネート層3が基材1と合成樹脂フィルム2との間で略等間隔に介装されているとともに、各ラミネート層3間のピッチが2.0mm 〜10.0mmに形成されていることを特徴とする。
本発明のラミネート紙は、上述のように紙基材と合成樹脂フィルムとのラミネート層を0.15mm〜0.6mm の線状に形成したため、紙基材と合成樹脂フィルムとの分別に必要な剥離が好適に生じる一方で、分別の作業を行なう以外の場合に不用意に剥離することもない。
一実施形態のラミネート紙は、紙製の基材と、ポリオレフィン樹脂等の合成樹脂製フィルムとを、線状のラミネート層を介してラミネートされて構成されたものである。
基材を構成する紙としては、たとえばクラフト紙のようなものが用いられるが、その材質はクラフト紙に限らず、クレープ紙等のようなものを用いることも可能である。また、それ以外の材質のものを用いることも可能であり、その材質は問わないものである。
また、合成樹脂製フィルムの材質も、ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィン樹脂の他、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂を用いることも可能であり、その材質は問わないものである。
さらに、ラミネート層を構成する樹脂としては、ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィン樹脂を用いることができ、これ以外にもポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂を用いることができる。基材と合成樹脂フィルムとの不用意な剥離を防止するためには、合成樹脂フィルムを構成する樹脂とラミネート層を構成する樹脂とは同じ材質のものを用いるのが好ましい。
ラミネート層は、上述のように線状に形成されたものであるが、その幅は0.15mm〜0.6mm に形成される。0.15mm未満であると、分別回収時以外の作業時においても、基材と合成樹脂フィルムとが不用意に剥離するおそれがあり、また0.6mmを超えると、分別回収時に基材と合成樹脂フィルムとの剥離が困難になる場合もあり、強制的に剥離すると基材を構成している紙が合成樹脂フィルム側に移行して付着するおそれがあるからである。
この観点からは、ラミネート層の幅は0.2mm 〜0.5mm に形成されることがより好ましい。
また、線状に配置された複数のラミネート層のピッチは、2.0mm 〜10.0mmとされることが好ましい。2.0mm 未満であると分別回収時に基材と合成樹脂フィルムとの剥離が困難になるおそれがある一方で、10.0mmを超えると分別回収時以外の作業時において、基材と合成樹脂フィルムとが不用意に剥離するおそれがあるからである。
上述のようなラミネート層は、たとえば細い金属ノズルから溶融樹脂を基材上に所定間隔ごとに吐出することによって形成される。そして、溶融樹脂が乾燥,硬化する前に合成樹脂フィルムが貼り合わせられることとなる。
以下、本発明の実施例について説明する。
一実施例のラミネート紙5は、図1に示すように、クラフト紙からなる基材1と、ポリプロピレンからなる合成樹脂フィルム2とが、線状のラミネート層3を介して貼着されて構成されている。
このラミネート層3は、本実施例ではポリプロピレンで構成されており、その幅は0.3mm に形成されている。また、ラミネート層3は複数等間隔に配置されており、そのピッチは本実施例では6.0mm に形成されている。そして、このようなラミネート層3が複数等間隔に配置されている結果、そのラミネート層3,3間は、空間部4として形成されている。
このような構成からなるラミネート紙5は、たとえば金属等の重量物を運搬或いは保管するための包装材として使用される。この際、ラミネート紙5は合成樹脂フィルム2を具備しているので、全体として防湿,防水性が生じる。従って被包装物である金属に錆等が生ずるおそれもないのである。
そして、このような包装材としての使用後においては、基材1と合成樹脂フィルム2とが剥離され、それぞれが分別されて回収され、廃棄処理されることとなる。この場合において、基材1と合成樹脂フィルム2との間に設けられているラミネート層3は、所定幅である0.3mm に形成されているので、分別回収時に強制的に外力を付加することによって、基材1と合成樹脂フィルム2とを好適に剥離することができ、またラミネート層3が0.3mm の幅に形成されている結果、包装材としての使用中において強制的な力を付加しない限り、基材1と合成樹脂フィルム2が不用意に剥離することがない。
さらに、ラミネート層3,3間のピッチが6.0mm に形成されていることも、分別回収時に強制的な力の付加により基材1と合成樹脂フィルム2とを好適に剥離できる一方で、包装材としての使用中等、強制的な力を付加しない場合に、基材1と合成樹脂フィルム2との不用意な剥離を生じさせないことの要因となる。
尚、上記実施例では、金属等の包装材として使用する場合について説明したが、建築現場等における養生紙として使用することも可能である。この場合には、上記クラフト紙等の基材の他に、ダンボール紙等が必要に応じて具備される。
またラミネート層3は、上記実施例の0.3mm に限らず、要は0.15mm〜0.6mm に形成されていればよい。ラミネート層3のピッチも上記実施例の6.0mm に限定されず、そのピッチは問わない。ただし、2.0mm 〜10.0mmとされることが好ましい。
さらに合成樹脂フィルム2の材質やラミネート層3の材質も、該実施例のポリプロピレに限定されず、その材質は問わない。また基材1の材質も上記実施例のクラフト紙に限定されず、そのその材質は問わない。
本発明のラミネート紙は、金属等の重量物の運搬や保管に用いられる防湿、防水性を有する包装材や、住宅等の建築現場において保護用として用いられる養生紙等に適用されるものである。
一実施例のラミネート紙の要部拡大断面図。 従来のラミネート紙の要部拡大断面図。 他の従来のラミネート紙の要部拡大断面図。
符号の説明
1…基材 2…合成樹脂フィルム
3…ラミネート層 5…ラミネート紙

Claims (3)

  1. 紙製の基材(1) と合成樹脂フィルム(2) とがラミネート層(3) を介して貼着されたラミネート紙において、前記ラミネート層(3) が線状に形成されているとともに、前記基材(1) と合成樹脂フィルム(2) との間に複数条介装され、しかも前記ラミネート層(3) の幅が0.15mm〜0.6mm に形成されていることを特徴とするラミネート紙。
  2. ラミネート層(3) の幅が0.2mm 〜0.5mm に形成されている請求項1記載のラミネート紙。
  3. 複数条のラミネート層(3) が基材(1) と合成樹脂フィルム(2) との間で略等間隔に介装されているとともに、各ラミネート層(3) 間のピッチが2.0mm 〜10.0mmに形成されている請求項1又は2記載のラミネート紙。
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