JP2009241487A - 表面保護フィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】 光学用樹脂板、光学樹脂シート、合成樹脂板等への被保護表面に貼り付けて、その表面を傷、埃、汚れ等から保護することを目的とした初期粘着性能、耐熱性及び切断、打ち抜き加工性に優れた表面保護フィルムの提供。
【解決手段】 高密度ポリエチレン(a)と低密度ポリエチレン(b)との混合物から形成した基材フィルム(A)の片面にエチレン−酢酸ビニル共重合体からなる粘着層(B)を設けてなる特定の物性を満たす表面保護フィルムによる。
【選択図】なし
【解決手段】 高密度ポリエチレン(a)と低密度ポリエチレン(b)との混合物から形成した基材フィルム(A)の片面にエチレン−酢酸ビニル共重合体からなる粘着層(B)を設けてなる特定の物性を満たす表面保護フィルムによる。
【選択図】なし
Description
本発明は、表面保護フィルムに関し、詳しくは、光学用樹脂板、光学樹脂シート、合成樹脂板等への被保護表面に貼り付けて、その表面を傷、埃、汚れ等から保護することを目的とした初期粘着性能、耐熱性及び切断、打ち抜き加工性に優れた表面保護フィルムに関するものである。
従来光学用樹脂板、光学樹脂シート、合成樹脂板等の被保護物の輸送、保管において、表面の汚れ、傷、埃等を防止するために、輸送、保管前に被保護物表面に保護を目的に表面保護フィルムを貼り付けている。また、被保護物の切断等の加工を行うとき、表面への汚れ、傷を防止するため、被保護物表面に表面保護フィルムを貼り付けて加工し、加工後表面保護フィルムは剥離、廃棄されている。
例えば、液晶ディスプレイは、偏光板、位相差板、プリズムシート等、多くの光学機能シートから構成されているが、これらの光学機能シートの製造には、工程中や出荷時における汚れ、傷を防止するための表面保護や、打ち抜き加工時における保持搬送等に表面保護フィルムが使用される。
これらの表面保護フィルムに要求される特性として、打ち抜き加工をしてもフィルムの伸び、毛羽立ち、切断面の剥離がない等の打ち抜き加工性が優れること、被保護物に容易に張り付き工程中で浮きがない等の初期粘着性能に優れること、表面保護フィルムを貼着して保存しても粘着力の上昇がないといった耐熱性に優れること及び剥離時に容易に剥離できるといった剥離性に優れること等が挙げられ、これらの特性を同時に満たす表面保護フィルムが求められている。
これらの表面保護フィルムに要求される特性として、打ち抜き加工をしてもフィルムの伸び、毛羽立ち、切断面の剥離がない等の打ち抜き加工性が優れること、被保護物に容易に張り付き工程中で浮きがない等の初期粘着性能に優れること、表面保護フィルムを貼着して保存しても粘着力の上昇がないといった耐熱性に優れること及び剥離時に容易に剥離できるといった剥離性に優れること等が挙げられ、これらの特性を同時に満たす表面保護フィルムが求められている。
被保護物に表面保護フィルムを貼り付けたまま輸送、保管する場合、輸送コンテナ内部の温度上昇による粘着力の上昇量が少ない優れた耐熱性が必要であるとの問題に対しては、次のような耐熱性に優れた表面保護フィルムが提案されている。
例えば、特許文献1に記載されるようなポリオレフィン基材に特定のゴム系樹脂成分を主体とする粘着層を積層したものや、3〜15%酢酸ビニルを含有したエチレン−酢酸ビニル共重合体に常温で液状の粘着付与剤を添加するものや、特許文献2に記載されるような熱可塑性樹脂からなる基材フィルムの片面にエチレン−酢酸ビニル共重合体と特定のポリエチレン樹脂の混合物を積層させた表面保護フィルムが提案されている。
例えば、特許文献1に記載されるようなポリオレフィン基材に特定のゴム系樹脂成分を主体とする粘着層を積層したものや、3〜15%酢酸ビニルを含有したエチレン−酢酸ビニル共重合体に常温で液状の粘着付与剤を添加するものや、特許文献2に記載されるような熱可塑性樹脂からなる基材フィルムの片面にエチレン−酢酸ビニル共重合体と特定のポリエチレン樹脂の混合物を積層させた表面保護フィルムが提案されている。
しかしながら、これら従来の表面保護フィルムを被保護物の表面に貼り付けたまま、切断、打ち抜き加工をすると、フィルムが伸びてしまいロールからシート状への加工ができない、切断端面で被保護物から表面保護フィルムが剥がれてしまう等のカッティング不良が問題となっている。
本発明の目的は、上記記載の問題点に鑑み、光学用樹脂板、光学樹脂シート、合成樹脂板等への被保護表面に貼り付けて、その表面を傷、埃、汚れ等から保護することを目的とした初期粘着性能、耐熱性及び切断、打ち抜き加工性に優れた表面保護フィルムを提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、基材フィルムの片面にエチレン−酢酸ビニル共重合体からなる粘着層を設けてなる表面保護フィルムにおいて、熱可塑性樹脂が高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンとの混合物からなり、流れ方向での降伏点応力、破断強度及び破断伸びの各物性が特定の値である表面保護フィルムが、初期粘着性能に優れ且つ、耐熱性及び切断、打ち抜き加工性に優れた表面保護フィルムになり得ることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、基材フィルム(A)の片面に、エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる粘着層(B)を設けてなる表面保護フィルムにおいて、
基材フィルム(A)は、高密度ポリエチレン(a)と低密度ポリエチレン(b)との混合物から形成させるとともに、
JIS K7128に準拠する方法で流れ方向を測定したとき、下記の(i)〜(iii)に規定する物性値を示すことを特徴とする表面保護フィルムが提供される。
(i)降伏点応力:160MPa以上
(ii)破断強度:120MPa以上
(iii)破断伸び:300%以下
基材フィルム(A)は、高密度ポリエチレン(a)と低密度ポリエチレン(b)との混合物から形成させるとともに、
JIS K7128に準拠する方法で流れ方向を測定したとき、下記の(i)〜(iii)に規定する物性値を示すことを特徴とする表面保護フィルムが提供される。
(i)降伏点応力:160MPa以上
(ii)破断強度:120MPa以上
(iii)破断伸び:300%以下
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、基材フィルム(A)を形成する高密度ポリエチレン(a)と低密度ポリエチレン(b)との混合比は、体積比で30:70〜70:30であることを特徴とする表面保護フィルムが提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1の発明において、粘着層(B)を形成するエチレン−酢酸ビニル共重合体は、酢酸ビニル含有量が5〜10%であることを特徴とする表面保護フィルムが提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第1〜3のいずれかの発明において、基材フィルム(A)と粘着層(B)とは、共押出により形成されることを特徴とする表面保護フィルムが提供される。
また、本発明の第5の発明によれば、第1〜4のいずれかの発明において、JIS K6850に準拠して、1mm厚のポリカーボネート板に粘着層を貼り付け後、23℃50%RH30分後に剥離速度30m/minで剥離したとき、剥離強度が、0.1〜0.2N/50mmであることを特徴とする表面保護フィルムが提供される。
本発明の表面保護フィルムによれば、第1の発明においては、高密度ポリエチレン(a)と低密度ポリエチレン(b)との混合物からなる熱可塑性樹脂から形成される基材フィルム(A)の片面にエチレン−酢酸ビニル共重合体からなる粘着層(B)を設けてなる、特定の物性を満たす表面保護フィルムであることにより、初期粘着性能、耐熱性及び切断、打ち抜き加工性に優れた表面保護フィルムであるという効果があるので、特に、光学用樹脂板、光学樹脂シート、合成樹脂板等の光学機能シートの保護に好適に用いられる。
また、第2の発明においては、前記高密度ポリエチレン(a)と低密度ポリエチレン(b)との混合物における混合比が、体積比で30:70〜70:30であると限定しているので、前記特定の物性を満たす基材フィルム(A)となることにより、打ち抜き加工時にフィルムが伸びてカッティングが困難になることがない表面保護フィルムであるという効果がある。
また、第3の発明においては、前記粘着層(B)を形成するエチレン−酢酸ビニル共重合体は、酢酸ビニル含有量が5〜10%であると限定しているので、初期粘着性能、耐熱性及び切断、打ち抜き加工性に優れた表面保護フィルムであるという効果がある。したがって、特に、光学用樹脂板、光学樹脂シート、合成樹脂板等の光学機能シートの保護に好適に用いられる。
詳しくは、前記特定の粘着剤からなる粘着層(B)であることより、上記光学機能シートのうちでも、被貼着面に凹凸があり、初期粘着性能と剥離性との両立が困難なプリズムシートの保護において、本発明の表面保護フィルムは初期粘着性能に優れ、貼り付け後比較的高温にさらされる等の温度変化があっても耐熱性により粘着性の上昇がないため剥離時にプリズムシートに無理な力がかからず、被保護物であるプリズムシートに悪影響を及ぼさないという効果がある。しかも、切断、打ち抜き加工の際に基材フィルム(A)及び粘着層(B)のバランスが優れるため、フィルムの伸びがなくカッティング性能に優れるとの効果がある。したがって、特にプリズムシートの表面保護フィルムとして好適である。
詳しくは、前記特定の粘着剤からなる粘着層(B)であることより、上記光学機能シートのうちでも、被貼着面に凹凸があり、初期粘着性能と剥離性との両立が困難なプリズムシートの保護において、本発明の表面保護フィルムは初期粘着性能に優れ、貼り付け後比較的高温にさらされる等の温度変化があっても耐熱性により粘着性の上昇がないため剥離時にプリズムシートに無理な力がかからず、被保護物であるプリズムシートに悪影響を及ぼさないという効果がある。しかも、切断、打ち抜き加工の際に基材フィルム(A)及び粘着層(B)のバランスが優れるため、フィルムの伸びがなくカッティング性能に優れるとの効果がある。したがって、特にプリズムシートの表面保護フィルムとして好適である。
また、第4の発明においては、基材フィルム(A)と粘着層(B)とは、共押出により形成されると限定しているので、粘着剤表面が平滑で、異物の混入や外観欠陥が少なく、効率的に製造される表面保護フィルムであるという効果がある。したがって、特に、光学機能シートの表面保護フィルムとして好適である。
また、第5の発明においては、表面保護フィルムがさらに特定の剥離強度を満たすものである表面保護フィルムであると限定しているので、初期粘着性能が高いという効果がある。したがって、特に、凹凸表面を持つプリズムシート等の保護に好適である。
本発明は、熱可塑性樹脂から形成される基材フィルム(A)の片面にエチレン−酢酸ビニル共重合体からなる粘着層(B)を設けてなる表面保護フィルムであって、
該熱可塑性樹脂が、高密度ポリエチレン(a)と低密度ポリエチレン(b)との混合物からなり、
表面保護フィルムが、JIS K7128に準拠する方法で測定した(i)流れ方向での降伏点応力が160MPa以上、(ii)破断強度が120MPa以上及び(iii)破断伸びが300%以下との要件をすべて満たすものであることを特徴とする表面保護フィルムである。以下、本発明を詳細に説明する。
該熱可塑性樹脂が、高密度ポリエチレン(a)と低密度ポリエチレン(b)との混合物からなり、
表面保護フィルムが、JIS K7128に準拠する方法で測定した(i)流れ方向での降伏点応力が160MPa以上、(ii)破断強度が120MPa以上及び(iii)破断伸びが300%以下との要件をすべて満たすものであることを特徴とする表面保護フィルムである。以下、本発明を詳細に説明する。
1.基材フィルム(A)
本発明の表面保護フィルムの基材フィルム(A)に用いられる樹脂としては、高密度ポリエチレン(a)と低密度ポリエチレン(b)との混合物からなる熱可塑性樹脂であることが必要である。基材層の組成が、上記樹脂単体もしくは直鎖状低密度ポリエチレンを使うと打ち抜き加工時、フィルムが伸びてしまい、カッティングが困難である。
高密度ポリエチレン(a)としては、メタロセン触媒、Ziegler触媒、Phillips触媒等等により重合されたもののいずれであっても良いが、一般的に、密度は、0.941〜0.965g/cm3であるものが挙げられる。
また、低密度ポリエチレン(b)としては、メタロセン触媒、Ziegler触媒、Phillips触媒等により重合されたもののいずれであっても良いが、直鎖状低密度ポリエチレン以外の低密度ポリエチレン、長鎖分岐を持つ低密度ポリエチレンであることが好ましい。一般的に、密度は、0.910〜0.925g/cm3であるものが挙げられる。
なお、本発明において、密度は、JIS K6922−2に基づいて測定する値である。
本発明の表面保護フィルムの基材フィルム(A)に用いられる樹脂としては、高密度ポリエチレン(a)と低密度ポリエチレン(b)との混合物からなる熱可塑性樹脂であることが必要である。基材層の組成が、上記樹脂単体もしくは直鎖状低密度ポリエチレンを使うと打ち抜き加工時、フィルムが伸びてしまい、カッティングが困難である。
高密度ポリエチレン(a)としては、メタロセン触媒、Ziegler触媒、Phillips触媒等等により重合されたもののいずれであっても良いが、一般的に、密度は、0.941〜0.965g/cm3であるものが挙げられる。
また、低密度ポリエチレン(b)としては、メタロセン触媒、Ziegler触媒、Phillips触媒等により重合されたもののいずれであっても良いが、直鎖状低密度ポリエチレン以外の低密度ポリエチレン、長鎖分岐を持つ低密度ポリエチレンであることが好ましい。一般的に、密度は、0.910〜0.925g/cm3であるものが挙げられる。
なお、本発明において、密度は、JIS K6922−2に基づいて測定する値である。
基材フィルムに用いる高密度ポリエチレン(a)と低密度ポリエチレン(b)の混合比は、体積比で30:70〜70:30であることが望ましい。比率が30:70乃至70:30の範囲を超える場合、打ち抜き加工時フィルムが伸びてしまい、カッティングが困難である。
また、目的、用途によっては、基材フィルム(A)は2層以上で構成されても構わない。
また、目的、用途によっては、基材フィルム(A)は2層以上で構成されても構わない。
2.粘着層(B)
粘着層(B)を形成する粘着剤は、目的、用途により適宜選択可能であるが、初期粘着性能、耐熱性及び切断、打ち抜き加工性に優れた表面保護フィルムとしては、基材フィルム(A)とのバランス等の理由から、酢酸ビニル含有量が5〜10%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体(以下、「EVA」ともいう。)を含有する組成物からなることが好ましい。酢酸ビニル含有量が10%を超える場合、高温環境下に放置後、被保護物表面から剥離した時の粘着力が大きく上昇する傾向にある。逆に5%を下回る場合は、表面保護フィルムを貼り付ける際の初期粘着力が低く、被保護物に貼り付かないもしくは打ち抜き加工するとき、切断端部の剥がれが発生する傾向にある。
粘着層(B)を形成する粘着剤は、目的、用途により適宜選択可能であるが、初期粘着性能、耐熱性及び切断、打ち抜き加工性に優れた表面保護フィルムとしては、基材フィルム(A)とのバランス等の理由から、酢酸ビニル含有量が5〜10%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体(以下、「EVA」ともいう。)を含有する組成物からなることが好ましい。酢酸ビニル含有量が10%を超える場合、高温環境下に放置後、被保護物表面から剥離した時の粘着力が大きく上昇する傾向にある。逆に5%を下回る場合は、表面保護フィルムを貼り付ける際の初期粘着力が低く、被保護物に貼り付かないもしくは打ち抜き加工するとき、切断端部の剥がれが発生する傾向にある。
粘着剤組成物は、EVAの他に、必要に応じて、粘着性能を阻害しない範囲内で、粘着付与剤、酸化防止剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、接着昂進防止剤などが添加されてもよい。
また、粘着剤のJIS K6922−2に準拠する方法で測定したMI値は、5〜12g/cm3であることが好ましい。12g/cm3を超える場合は、高温環境下に放置後、被保護物表面から剥離した時の粘着力が大きく上昇する傾向にある。逆に5g/cm3を下回る場合、表面保護フィルムを貼り付ける際の初期粘着力が低く、被保護物に貼り付かないもしくは打ち抜き加工するとき、切断端部の剥がれが発生する傾向にある。
3.表面保護フィルム
本発明の表面保護フィルムは、いずれもJIS K7128に準拠する方法で測定した流れ方向での値において、下記の要件(i)〜(iii)を満たす必要がある。
(i)降伏点応力が160MPa以上である。
(ii)破断強度が120MPa以上である。
(iii)破断伸びが300%以下である。
本発明の表面保護フィルムは、いずれもJIS K7128に準拠する方法で測定した流れ方向での値において、下記の要件(i)〜(iii)を満たす必要がある。
(i)降伏点応力が160MPa以上である。
(ii)破断強度が120MPa以上である。
(iii)破断伸びが300%以下である。
要件(i)である、流れ方向での降伏点応力とは、JIS K7128に準拠する方法で測定した流れ方向での値であり、本発明においては160Mpa以上であることが必要である。160MPaより小さい値の場合は、打ち抜き加工時フィルムが伸びてしまいカッティングが困難である。
また、要件(ii)である破断強度とは、JIS K7128に準拠する方法で測定した流れ方向での値であり、本発明においては120Mpa以上であることが必要である。120MPaより小さい値の場合は、打ち抜き加工時、フィルムが伸びてしまい、カッティングが困難である。
また、要件(iii)である破断伸びとは、JIS K7128に準拠する方法で測定した流れ方向での値であり、本発明においては300%以下であることが必要である。破断強度は、120MPa以上であることが望ましい。300%より大きい値の場合は、打ち抜き加工時、フィルムが伸びてしまい、カッティングが困難である。
また、要件(ii)である破断強度とは、JIS K7128に準拠する方法で測定した流れ方向での値であり、本発明においては120Mpa以上であることが必要である。120MPaより小さい値の場合は、打ち抜き加工時、フィルムが伸びてしまい、カッティングが困難である。
また、要件(iii)である破断伸びとは、JIS K7128に準拠する方法で測定した流れ方向での値であり、本発明においては300%以下であることが必要である。破断強度は、120MPa以上であることが望ましい。300%より大きい値の場合は、打ち抜き加工時、フィルムが伸びてしまい、カッティングが困難である。
本発明の表面保護フィルムの製造方法としては、本発明の要件を満たす表面保護フィルムとなるものであれば、特に限定されるものではないが、例えば、上記基材フィルム(A)を形成する樹脂及び粘着剤組成物を単軸押出機もしくは2軸押出機を用いて各々溶融混練し、Tダイもしくはサーキュラーダイを用いて、基材フィルム層(A)と粘着層(B)を二層もしくは三層以上の共押出法でフィルム状に成型する方法、基材フィルム(A)の片面に、上記粘着剤組成物を押出ラミネーション法によって粘着層(B)を積層する方法、或いは、基材フィルム(A)の片面に、上記粘着剤組成物の有機溶剤溶液を塗布、乾燥して粘着層(B)を形成する方法等が挙げられる。
製造後、ロール状に巻き取られ保存されるが、粘着剤層にセパレータを使用して巻き取ることもできる。
製造後、ロール状に巻き取られ保存されるが、粘着剤層にセパレータを使用して巻き取ることもできる。
本発明の表面保護フィルムの厚さは、被保護物を傷、汚れ、埃等から防止する機能を果たす厚さであれば特に限定されるものではないが、総厚さ50〜70μmが好ましく、粘着層の厚さは5〜20μmが望ましい。
また、本発明の表面保護フィルムは、さらに、JIS K6850に準拠して、1mm厚のポリカーボネート板に粘着層を貼り付け後、23℃50%RH30分後に剥離速度30m/minで剥離したとき、剥離強度が、0.1〜0.2N/50mmであることが好ましい。
剥離強度が0.2N/50mmを超える場合、高温環境下に放置後、被保護物表面から剥離した時の粘着力が大きく上昇する傾向にある。逆に0.1N/50mmを下回る場合は、打ち抜き加工時、切断端部の剥がれが発生する傾向にある。上記範囲であると、初期粘着性能及び切断、打ち抜き加工性に優れるため好ましい。
剥離強度が0.2N/50mmを超える場合、高温環境下に放置後、被保護物表面から剥離した時の粘着力が大きく上昇する傾向にある。逆に0.1N/50mmを下回る場合は、打ち抜き加工時、切断端部の剥がれが発生する傾向にある。上記範囲であると、初期粘着性能及び切断、打ち抜き加工性に優れるため好ましい。
本発明の表面保護フィルムは、初期粘着性能、耐熱性及び切断、打ち抜き加工性に優れた表面保護フィルムであるため、光学用樹脂板、光学樹脂シート、合成樹脂板等への被保護表面に貼り付けて、その表面を傷、埃、汚れ等から保護する目的の用途に好適である。
例えば、偏光板や位相差板などの液晶ディスプレイの構成部材である光学機能シートの保護用に特に好適に用いることができる。中でも、本発明の表面保護フィルムは、光学機能シートのうちでも、シートに複数のプリズムが固定されており表面に細かな凹凸があるプリズムシートのフラット面に容易に貼り付き、切断、打ち抜き加工する時は、カッティング特性に優れ、使用後、被保護物から剥す時は、剥離不良や被保護表面への糊残りを発生させない、カッティング性、耐熱性に優れた表面保護フィルムである。したがって、特にプリズムシートの表面保護フィルムとして、好適に用いることができる。
例えば、偏光板や位相差板などの液晶ディスプレイの構成部材である光学機能シートの保護用に特に好適に用いることができる。中でも、本発明の表面保護フィルムは、光学機能シートのうちでも、シートに複数のプリズムが固定されており表面に細かな凹凸があるプリズムシートのフラット面に容易に貼り付き、切断、打ち抜き加工する時は、カッティング特性に優れ、使用後、被保護物から剥す時は、剥離不良や被保護表面への糊残りを発生させない、カッティング性、耐熱性に優れた表面保護フィルムである。したがって、特にプリズムシートの表面保護フィルムとして、好適に用いることができる。
以下に実施例および比較例を示すことにより、本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例のみに限定されるものではない。なお、実施例で用いた試験方法、粘着層に用いた樹脂組成物は以下の通りである。
1.試験方法
(1)MI:JIS K6922−2に準拠して測定した。
(2)密度:JIS K6922−2に準拠して測定した。
(3)降伏点応力:JIS K7128に準拠して測定した。
(4)破断強度:JIS K7128に準拠して測定した。
(5)破断伸び:JIS K7128に準拠して測定した。
(6)剥離強度:JIS JIS K6850に準拠して次のように測定した。表面保護フィルムを厚さ1mmのポリカーボネート(PC)板に23℃、50RHの雰囲気下でラミネーターにて貼り付け、23℃で30分放置後、剥離幅100mmでPC板から180°をなす方向に剥離速度30m/分で剥離した際の180°剥離力を測定した。なお、PC板に貼り付かなかったものを「×」とした。
(7)打抜加工性:厚さ100μのポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)に貼着して50mm角の正方形でかつ刃の角度が40°であるポンチで打ち抜き、目視にて、フィルムの伸び等がなくきれいに打ち抜かれていたものを○、フィルムの伸び等が見られたものを×とした。
(8)耐熱性:70℃で30分加熱処理後の粘着力:表面保護フィルムを厚さ1mmのPC板に23℃、50RHの雰囲気下でラミネーターにて貼り付け、70℃にあらかじめ予熱しておいた熱循環式オーブン中に30分放置後取り出し、常温になるまで放冷し、剥離幅25mmでPC板から180°をなす方向に剥離速度30m/分で剥離した際の粘着力を測定した。なお、PC板に貼り付かなかったものを「×」とした。
(1)MI:JIS K6922−2に準拠して測定した。
(2)密度:JIS K6922−2に準拠して測定した。
(3)降伏点応力:JIS K7128に準拠して測定した。
(4)破断強度:JIS K7128に準拠して測定した。
(5)破断伸び:JIS K7128に準拠して測定した。
(6)剥離強度:JIS JIS K6850に準拠して次のように測定した。表面保護フィルムを厚さ1mmのポリカーボネート(PC)板に23℃、50RHの雰囲気下でラミネーターにて貼り付け、23℃で30分放置後、剥離幅100mmでPC板から180°をなす方向に剥離速度30m/分で剥離した際の180°剥離力を測定した。なお、PC板に貼り付かなかったものを「×」とした。
(7)打抜加工性:厚さ100μのポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)に貼着して50mm角の正方形でかつ刃の角度が40°であるポンチで打ち抜き、目視にて、フィルムの伸び等がなくきれいに打ち抜かれていたものを○、フィルムの伸び等が見られたものを×とした。
(8)耐熱性:70℃で30分加熱処理後の粘着力:表面保護フィルムを厚さ1mmのPC板に23℃、50RHの雰囲気下でラミネーターにて貼り付け、70℃にあらかじめ予熱しておいた熱循環式オーブン中に30分放置後取り出し、常温になるまで放冷し、剥離幅25mmでPC板から180°をなす方向に剥離速度30m/分で剥離した際の粘着力を測定した。なお、PC板に貼り付かなかったものを「×」とした。
2.基材フィルム及び粘着層に用いた樹脂
表1に示す樹脂を用いた。
表1に示す樹脂を用いた。
3.実施例及び比較例
(実施例1〜4)
基材層、粘着層を形成する材料として表1に示す各種ポリマーを用いて、Tダイを用いた2層共押出法により表面保護フィルムをそれぞれ厚さ50μmになるように製造した。得られた表面保護フィルムを下記に示す如き方法により、引張強度、伸度、剥離強度等を測定した。また、結果を表2に示す。
(実施例1〜4)
基材層、粘着層を形成する材料として表1に示す各種ポリマーを用いて、Tダイを用いた2層共押出法により表面保護フィルムをそれぞれ厚さ50μmになるように製造した。得られた表面保護フィルムを下記に示す如き方法により、引張強度、伸度、剥離強度等を測定した。また、結果を表2に示す。
(比較例1〜8)
表に示される配合組成に従って、高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンの配合部数を変更、もしくは粘着剤を変更する以外は、実施例と同様の方法によって表面保護フィルムを得た。
使用した樹脂を表1に示す。得られた表面保護フィルムについては、実施例1と同様の測定を行った。測定結果を表3に示す。
表に示される配合組成に従って、高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンの配合部数を変更、もしくは粘着剤を変更する以外は、実施例と同様の方法によって表面保護フィルムを得た。
使用した樹脂を表1に示す。得られた表面保護フィルムについては、実施例1と同様の測定を行った。測定結果を表3に示す。
4.評価
表2、3からも明らかなごとく、本発明の実施例1〜4は、いずれも良好な打ち抜き加工性がある。また、PC板表面に表面保護フィルムを貼り付けた状態で加熱処理を行っても粘着力が、大きく上昇することが無く表面保護フィルムを容易に剥離することが出来る。
表2、3からも明らかなごとく、本発明の実施例1〜4は、いずれも良好な打ち抜き加工性がある。また、PC板表面に表面保護フィルムを貼り付けた状態で加熱処理を行っても粘着力が、大きく上昇することが無く表面保護フィルムを容易に剥離することが出来る。
本発明の表面保護フィルムは、上記の如き構成とされており、光学用樹脂板、光学樹脂シート、合成樹脂板等への被保護表面に貼り付けて、その表面を傷、埃、汚れ等から保護することを目的とした初期粘着性能、耐熱性及び切断、打ち抜き加工性に優れた表面保護フィルムとして用いることが出来る。したがって、特に、光学用樹脂板、光学樹脂シート、合成樹脂板等の光学機能シートの保護に好適に用いられる。なかでも、全面に凹凸があり、初期粘着性能と剥離性との両立が困難なプリズムシートの表面保護フィルムとして特に好適である。
Claims (5)
- 基材フィルム(A)の片面に、エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる粘着層(B)を設けてなる表面保護フィルムにおいて、
基材フィルム(A)は、高密度ポリエチレン(a)と低密度ポリエチレン(b)との混合物から形成させるとともに、
JIS K7128に準拠する方法で流れ方向を測定したとき、下記の(i)〜(iii)に規定する物性値を示すことを特徴とする表面保護フィルム。
(i)降伏点応力:160MPa以上
(ii)破断強度:120MPa以上
(iii)破断伸び:300%以下 - 基材フィルム(A)を形成する高密度ポリエチレン(a)と低密度ポリエチレン(b)との混合比は、体積比で30:70〜70:30であることを特徴とする請求項1に記載の表面保護フィルム。
- 粘着層(B)を形成するエチレン−酢酸ビニル共重合体は、酢酸ビニル含有量が5〜10%であることを特徴とする請求項1に記載の表面保護フィルム。
- 基材フィルム(A)と粘着層(B)とは、共押出により形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の表面保護フィルム。
- JIS K6850に準拠して、1mm厚のポリカーボネート板に粘着層を貼り付け後、23℃50%RH30分後に剥離速度30m/minで剥離したとき、剥離強度が、0.1〜0.2N/50mmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の表面保護フィルム。
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JP2008092640A JP2009241487A (ja) | 2008-03-31 | 2008-03-31 | 表面保護フィルム |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012219188A (ja) * | 2011-04-08 | 2012-11-12 | Asahi Kasei Chemicals Corp | 表面保護フィルム |
JP2012255138A (ja) * | 2011-05-16 | 2012-12-27 | Asahi Kasei Chemicals Corp | 表面保護フィルム用ポリエチレン樹脂組成物 |
JP2016080993A (ja) * | 2014-10-21 | 2016-05-16 | パナック株式会社 | 光学部材用保護フィルム、及び光学部材の検査方法 |
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2008
- 2008-03-31 JP JP2008092640A patent/JP2009241487A/ja active Pending
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