JP2006321164A - ポリプロピレン系多層フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】離型剤溶液の塗布工程を必要とせず、ポリプロピレン系フィルム表面からのポリジメチルシロキサンの脱離が少なく、かつ粘着剤との離型性に優れたポリプロピレン系多層フィルムを提供する。
【解決手段】(A)プロピレン系重合体を用いてなる層と、(B)オレフィン系重合体95〜99.99重量%、官能基当量が500g/mol以上50000g/mol以下であるエポキシ基及び/又はアミノ基を有するポリジメチルシロキサン0.01〜5重量%からなる離型性樹脂組成物を用いてなる層、とよりなるポリプロピレン系多層フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明はポリプロピレン系多層フィルムに関するものである。更に詳しくは、有機溶剤を大量に使用する離型剤の塗布工程を経ることなく、粘着剤などに対する優れた離型性を発現し、かつ離型剤の脱離が少ないポリプロピレン系多層フィルムに関するものである。
ポリプロピレン系フィルムは、包装用などの粘着テープを構成する基材として広く用いられている。ポリプロピレン系粘着テープの一般的な構成は、離型剤層、ポリプロピレン系フィルム、粘着剤層の順に積層してなるものである。離型剤としては、熱硬化性シリコーン,紫外線硬化性シリコーン,長鎖アルキル基含有ポリマー等が挙げられ、これらを有機溶剤に希釈した溶液をポリプロピレン系フィルム表面にコーティングし、焼付等の方法で固定化するコーティング方式が主流となっている(例えば、特許文献1、2参照)。しかしながらこの方法では、離型剤を均一に塗布するため有機溶剤が大量に用いられることや、離型剤を硬化させる工程が生産性を悪化させるなどといった問題が生じていた。
また、有機溶剤を用いない方法として、ジメチルポリシロキサン等のポリシロキサンによって架橋されたポリオレフィン系樹脂とポリプロピレンとが積層されてなる積層体(例えば、特許文献3参照)や、ポリオレフィン系樹脂とポリシロキサンからなるポリオレフィン系樹脂組成物を熱可塑性樹脂に積層し、ポリオレフィン系樹脂組成物からなる層にコロナ放電処理を施すことを特徴とする積層体の製造方法(例えば、特許文献4参照)が提案されている。しかしながら、ポリシロキサン架橋ポリオレフィン樹脂を用いる方法は、架橋工程を含むことやポリシロキサンを大量に添加しなければ離型性が得られないため、コストパフォーマンスに劣る。また、ポリシロキサンを含むポリオレフィン系樹脂組成物からなる層にコロナ放電処理する方法においては、離型性が不十分であるとともに、ポリオレフィン樹脂とポリシロキサンの密着が不十分であるためポリオレフィン樹脂からポリシロキサンが脱離してしまい、粘着性を低下させるため、改善が望まれていた。
特許公開平9−87594号公報 特許公開平9−87595号公報 特許公開平7−17001号公報 特許公開平5−131958号公報
本発明は、上記のような状況を鑑みなされたものであって、離型剤溶液の塗布工程を必要とせず、ポリプロピレン系フィルム表面からのポリジメチルシロキサンの脱離が少なく、かつ、粘着剤との離型性に優れたポリプロピレン系多層フィルムの提供を目的とするものである。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、プロピレン系重合体を用いてなる層と、オレフィン系重合体に特定のポリジメチルシロキサンを配合した樹脂組成物を用いてなる層とよりなるポリプロピレン系多層フィルムが、離型剤溶液の塗布工程を必要とせず、ポリプロピレン系フィルム表面からのポリジメチルシロキサンの脱離を改善し、かつ粘着剤との離型性に優れることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、(A)プロピレン系重合体を用いてなる層と、(B)オレフィン系重合体95〜99.99重量%、官能基当量が500g/mol以上50000g/mol以下であるエポキシ基及び/又はアミノ基を有するポリジメチルシロキサン0.01〜5重量%からなる離型性樹脂組成物を用いてなる層、とよりなることを特徴とするポリプロピレン系多層フィルムに関するものである。
以下に、本発明について詳細に説明する。
本発明の(A)層を構成するプロピレン系重合体は、プロピレンの単独重合体、若しくはプロピレンと少量のエチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン等のα―オレフィンとの共重合体である。これらのプロピレン系重合体は、1種単独又は2種以上の組み合わせで用いてもよい。
該プロピレン系重合体のメルトマスフローレート(JIS K7210 荷重2160g、温度230℃、以下、MFR−Pと記す場合がある)は特に限定はされないが、通常0.5〜50g/10分、好ましくは2〜30g/10分の範囲にあるとフィルム成形性に優れるため好ましい。
また、(A)層を構成するプロピレン系重合体は、その他のオレフィン系重合体を含んでいてもよい。ポリオレフィン樹脂と称されているものでよく、このようなポリオレフィン樹脂とは、エチレン、プロピレン、1−ブテンなど炭素数2〜12のα−オレフィンの単独重合体もしくは共重合体を示す。例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・1−へキセン共重合体、エチレン・1−オクテン共重合体、エチレン・4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、エチレン・メタクリル酸エステル共重合体等のエチレン系重合体、ポリプロピレン、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合体などのプロピレン系重合体、ポリ1−ブテン、ポリ1−ヘキセン、ポリ4−メチル−1−ペンテン等が挙げられ、これらポリオレフィン樹脂は、1種単独又は2種以上の組み合わせで用いてもよい。
また、本発明に用いる該プロピレン系重合体は、必要に応じて酸化防止剤、滑剤、中和剤、ブロッキング防止剤、界面活性剤、スリップ剤等、通常ポリオレフィン系樹脂に使用される添加剤を添加したものでもかまわない。
本発明の(A)層の厚みは、本発明の目的が達成される限りにおいて特に限定はなく、柔軟性に優れ、破損などの問題が小さいことから、1μm〜5mmの厚みであることが好ましく、経済性の観点から、5μm〜100μmの範囲が最も好適である。
本発明の(B)層を構成するオレフィン系重合体は、一般的にポリオレフィン系樹脂と称されているものでよく、このようなポリオレフィン系樹脂とは、エチレン、プロピレン、1−ブテンなど炭素数2〜12のα−オレフィンの単独重合体もしくは共重合体を示す。例えば、高圧法低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、エチレン・α−オレフィン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、エチレン・メタクリル酸エステル共重合体等のエチレン系重合体、ポリプロピレン、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合体、ポリ1−ブテン、ポリ1−ヘキセン、ポリ4−メチル−1−ペンテン等が挙げられ、これらオレフィン系重合体は、1種単独又は2種以上の組み合わせで用いてもよい。このようなオレフィン系重合体は、市販されているものから選択することができる。
これらの中では高圧法低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、エチレン・α−オレフィン共重合体がコストパフォーマンス、離型性に優れるため好ましく、特にエチレン・α−オレフィン共重合体が好適である。
該エチレン・α−オレフィン共重合体は、50mol%以上のエチレンとαーオレフィンとの共重合体のことを示す。α−オレフィンの炭素数は、3〜12が経済的であるため好ましく、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ブテン、1−デセン等を例示することができる。α−オレフィンは1種単独又は2種以上の組み合わせで用いてもよい。
該エチレン・α−オレフィン共重合体は、JIS K6922−1(1997年)による密度が860kg/m未満であるとフィルム成形性が悪化することがあり、930kg/mを超えると(A)層との接着性が悪化する場合があるため、860〜930kg/mの範囲にあることが好ましい。
また、該エチレン・α−オレフィン共重合体のMFR−Eが0.1〜100g/10分の範囲にあるとフィルム成形性に優れるため好ましい。
さらに、前記エチレン・α−オレフィン共重合体は、ゲル浸透クロマトグラフィを用いて、以下に示す条件下で測定し、単分散ポリスチレンでユニバーサルな検量線を測定し、直鎖のポリエチレンの分子量として計算した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が3以下であると、(A)層を構成するプロピレン系重合体との接着性に優れるため、さらに好ましい。
機種:ウォーターズ 150C ALC/GPC
溶媒:1,2,4−トリクロロベンゼン
流速:1mL/min
温度:140℃
測定濃度:30mg/30mL
注入量:100μL
カラム:東ソー製 TSKgel GMH HR−H 3本
本発明に用いられるポリジメチルシロキサンは、エポキシ基及び/又はアミノ基当量が500g/mol以上50000g/mol以下を示すものである。エポキシ基及び/又はアミノ基当量が500g/mol未満の場合、離型フィルムの離型性が劣り好ましくなく、エポキシ基及び/又はアミノ基当量が50000g/molを超える場合、ポリジメチルシロキサンとオレフィン系重合体の密着が不十分となり、剥離層のラブ・オフ(Rub off)が生じるため好ましくない。
本発明に用いられるエポキシ基及び/又はアミノ基当量が500g/mol以上50000g/mol以下であるポリジメチルシロキサンは、25℃における粘度が50cSt以上を示すものが押出成形時の減量が少なく好ましい。
本発明に用いられるエポキシ基当量が500g/mol以上50000g/mol以下であるポリジメチルシロキサンは、例えば信越化学工業株式会社から商品名信越シリコーンKF−1001、KF−102、等が市販されている。
また、本発明に用いられるアミノ基当量が500g/mol以上50000g/mol以下であるポリジメチルシロキサンは、例えば東レ・ダウ・コーニング・シリコーン株式会社からSF8417等が市販されている。
本発明にて用いられるポリジメチルシロキサンは、オレフィン系重合体95〜99.99重量%に対し、0.01〜5重量%配合する。好ましくは0.01〜4重量%、さらに好ましくは0.03〜3重量%配合される。ポリジメチルシロキサンの配合割合が0.01重量%未満の場合は、該ポリジメチルシロキサンの積層体表面への滲出量が少なく、積層体の離型性が劣り好ましくない。また5重量%を超える場合は該ポリジメチルシロキサンの積層体表面への滲出量が過剰となり、積層体に粘着させた粘着剤の再粘着性を損なうため好ましくない。また押出機内において樹脂が滑り、押出ラミネート成形を行なうことができない場合がある。
また、本発明に用いる(B)層を構成する離型性樹脂組成物は、必要に応じて酸化防止剤、滑剤、中和剤、ブロッキング防止剤、界面活性剤、スリップ剤等、通常ポリオレフィン系樹脂に使用される添加剤を添加したものでもかまわない。
本発明に用いる(B)層を構成する離型性樹脂組成物は、通常用いられる樹脂の混合装置により製造することができる。例えば、単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、加圧ニーダ−、回転ロールなどの溶融混練装置、ヘンシェルミキサー、Vブレンダー、リボンブレンダー、タンブラーなどが挙げられる。溶融混練装置を用いる場合、溶融温度はオレフィン系重合体の融点〜350℃程度が好ましい。
本発明を構成する(B)層を構成する離型性樹脂組成物を用いてなる層の厚みは、本発明の目的が達成される限りにおいて特に限定はなく、柔軟性に優れ、破損などの問題が小さいことから、0.1μm〜5mmの厚みであることが好ましく、経済性の観点から、1μm〜100μmの範囲が最も好適である。
本発明のポリプロピレン系多層フィルムの製造方法としては、(A)層及び(B)層をそれぞれ単独でフィルム状とした後貼り合わせる方法や(A)層及び(B)層を共押出成形によりダイ内で積層した後フィルム状とする方法等が挙げられる。フィルム成形方法としては、Tダイキャストフィルム成形法、インフレーションフィルム成形法を挙げることができる。貼り合わせ方法としては、押出ラミネート成形法、サーマルラミネート成形法、ドライラミネート法などを例示することができる。また、共押出成形としては、共押出Tダイキャストフィルム成形法、共押出インフレーションフィルム成形法、共押出ラミネート法などを例示することができる。
(A)層を構成するプロピレン系重合体及び(B)層を構成する離型性樹脂組成物をフィルム状とする際の押出温度は、成形性や離型性、経済性の観点から180℃〜350℃が好ましい。
また、本発明のポリプロピレン系多層フィルムは、その少なくとも1層が延伸されていると離型性に優れるため好ましく、(A)層、(B)層とも延伸するとさらに好ましい。延伸方法としては、テンター等による一軸延伸法、同時ニ軸延伸法、逐次ニ軸延伸法などの公知の方法が挙げられる。この場合、延伸温度は120℃〜200℃、延伸倍率は、縦横各方向とも2〜15倍の範囲が好ましい。
本発明のポリプロピレン系多層フィルムにおいて、(B)層を構成する離型性樹脂組成物を用いてなる層の表面は、テープやラベルの粘着剤表面へ離型剤が転写するのを抑制するため、酸化されているものが好ましい。さらに該酸化により剥離強度が低下し離型性を向上させることができる。
(B)層を構成する離型性樹脂組成物を用いてなる層の表面を酸化する際の酸化処理方法としては、クロム酸処理、硫酸処理、空気酸化、オゾン処理、コロナ放電処理、フレーム処理、プラズマ処理等が挙げられ、酸化物を効果的に形成させるためコロナ放電処理、フレーム処理、プラズマ処理が特に好ましい。
コロナ放電処理は、プラスチックフィルムやシート表面の連続処理技術として広く使用されているものであり、コロナ放電処理機により発生したコロナ雰囲気に積層体を通過させることにより行われる。コロナ放電密度として、1〜100W・分/mであることが粘着剤の再粘着性に優れ好ましい。
フレーム処理は、天然ガスやプロパン等を燃焼させたときに生じる火炎にフィルム表面を接することで処理が行われる。
プラズマ処理は、アルゴン、ヘリウム、ネオン、水素、酸素、空気等の単体又は混合気体をプラズマジェットで電子的に励起せしめた後、帯電粒子を除去し、電気的に中性とした励起不活性ガスをフィルム表面に吹き付けることにより行われる。
このようにして得られるポリプロピレン系多層フィルムは、粘着テープ基材、ラベルの離型紙、工程シートなどに用いることができる。
粘着テープやラベルに用いられる粘着剤粘着剤としては、例えば、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤などの公知乃至慣用の粘着剤を適宜選択して用いることができる。粘着剤は単独又は2種以上組み合わせて使用することができ、ゴム系粘着剤が離型性の観点から最も好適である。
このようなゴム系粘着剤として、天然ゴム系粘着剤、合成ゴム系粘着剤などがあり、合成ゴム系粘着剤としては、例えば、ブチルゴム(IIR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム(IR)、ネオプレン、ポリイソブチレン(PIB)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−エチレン−ブタジエンブロック共重合体(SEBS)、再生ゴムなどが挙げられる。
本発明のポリプロピレン系多層フィルムは、ラベル、シール用の剥離紙やテープ等、広範囲にわたる産業用資材及びその製造方法として極めて有用である。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
以下に、物性、加工性の測定方法と評価方法を示す。
(1)メルトマスフローレート(MFR)
プロピレン系重合体のMFR−Pは、JIS K7210(1999年)に準拠して測定した。オレフィン系重合体のMFRは、JIS K6922−1(1997年)に準拠して測定した。
(2)密度
オレフィン系重合体の密度は、JIS K6922−1(1997年)に準拠して測定した。
(3)離型性
実施例により得られた積層体の(B)層表面に布粘着テープ(ニチバン(株)製 商品名布粘着テープ102N)を貼付し、線圧5kg/cm、速度5m/分の条件でゴムロール間を通過させた後、40℃の雰囲気で7日間放置した。その後、布粘着テープと(B)層との接着強度を引張試験機(島津製作所製 オートグラフDCS−100)にて測定した。剥離速度は300mm/分、試験片の巾は15mmである。
(4)粘着テープの再粘着性
離型性試験により剥離した布粘着テープをアルミニウム板(東洋アルミニウム(株)製 商品名A1N30H−H18、厚み0.1mm)に5kg/cmの線圧で貼付した。23℃の雰囲気にて1日放置した後、布粘着テープとアルミニウム板の接着強度を引張試験機(島津製作所製 オートグラフDCS−100)にて測定した。剥離速度は300mm/分、試験片の巾は15mmである。粘着テープの粘着剤表面が(B)層を構成する材料により汚染された場合、粘着テープの再粘着性が低下し、粘着テープとしての性能を損なう。すなわち、再粘着強度は高い方が好ましい。
(5)(A)層と(B)層の接着性
実施例により得られたポリプロピレン系多層フィルムの(A)層と(B)層間の接着強度を引張試験機(島津製作所(株)社製、商品名オートグラフDCS−100)にて測定した。剥離速度は300mm/分、試験片の巾は15mmである。
実施例1
オレフィン系重合体として、MFRが20g/10分、密度が890kg/mであるエチレン・1−ブテン共重合体(三井化学(株)製 商品名タフマーA20090、Mw/Mn=2、以下PE−Aと記す場合がある)60重量%、MFRが3.7g/10分、密度が922kg/mである高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ペトロセン310、以下PE−Bと記す場合がある)を39重量%、エポキシ基及び/又はアミノ基を有するポリジメチルシロキサンとして、エポキシ当量3500g/mol、粘度17000cStであるエポキシ変性ポリジメチルシロキサン(信越化学工業(株)製 商品名信越シリコーンKF−1001、以下、S−1と記す場合がある)を1重量%となるよう配合し、単軸押出機(プラコー(株)製 口径50mm)を用い温度150℃にて溶融混練し(B)層に用いる離型性樹脂組成物のペレットを得た。
得られたペレットを25mmΦのスクリューを有する押出ラミネート装置の押出機へ供給し、320℃の温度でTダイより押出し、(A)層を構成するニ軸延伸ポリプロピレンフィルム(東洋紡績(株)製 商品名パイロンP−2161、厚み20μm、以下OPPと記す場合がある)の非コロナ処理面に、離型性樹脂組成物が15μmの厚さになるようラミネートした後、離型性用樹脂組成物表面に30W・分/mの条件でコロナ処理を施し、ポリプロピレン系多層フィルムを得た。
得られたポリプロピレン系多層フィルムを20時間40℃に保温されたオーブン中に保管した後、離型性、再粘着性、基材との接着性を測定し、その測定結果を表1に示した。
Figure 2006321164
実施例2
オレフィン系重合体として、PE−Aを60重量%、PE−Bを39.5重量%、エポキシ基及び/又はアミノ基を有するポリジメチルシロキサンとして、エポキシ変性ポリジメチルシロキサンS−1を0.5重量%とした以外は実施例1と同様にしてポリプロピレン系多層フィルムを得た。評価結果を表1に示した。
実施例3
オレフィン系重合体として、PE−Aを60重量%、PE−Bを38重量%、エポキシ基及び/又はアミノ基を有するポリジメチルシロキサンとして、エポキシ変性ポリジメチルシロキサンS−1を2重量%とした以外は実施例1と同様にしてポリプロピレン系多層フィルムを得た。評価結果を表1に示した。
実施例4
オレフィン系重合体として、PE−Aを60重量%、PE−Bを39重量%、エポキシ基及び/又はアミノ基を有するポリジメチルシロキサンとして、アミノ基当量が1800g/mol、粘度1200cStであるアミノ変性ポリジメチルシロキサン(東レダウコーニング(株)製 商品名SF8417、以下S−2と記す場合がある)を1重量%とした以外は実施例1と同様にしてポリプロピレン系多層フィルムを得た。評価結果を表1に示した。
実施例5
オレフィン系重合体として、MFRが8g/10分、密度が919kg/mである高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ペトロセン203、Mw/Mn=7.5、以下PE−Cと記す場合がある)を99重量%、PE−Aを99重量%、エポキシ基及び/又はアミノ基を有するポリジメチルシロキサンとして、エポキシ変性ポリジメチルシロキサンS−1を1重量%とした以外は実施例1と同様にしてポリプロピレン系多層フィルムを得た。評価結果を表1に示した。
実施例6
オレフィン系重合体として、PE−Aを80重量%、PE−Bを19重量%、エポキシ基及び/又はアミノ基を有するポリジメチルシロキサンとして、エポキシ変性ポリジメチルシロキサンS−1を1重量%とした以外は実施例1と同様にしてポリプロピレン系多層フィルムを得た。評価結果を表1に示した。
実施例7
オレフィン系重合体として、MFRが7.5g/10分、密度が902kg/mであるエチレン・1−オクテン共重合体(ダウケミカル製 商品名アフィニティPT1450、Mw/Mn=2.1、以下PE−Dと記す場合がある)99重量%、エポキシ基及び/又はアミノ基を有するポリジメチルシロキサンとして、S−1を1重量%となるよう配合し、単軸押出機(プラコー(株)製 口径50mm)を用い温度150℃にて溶融混練し(B)層に用いる離型性樹脂組成物のペレットを得た。
フィルム成形は、3種3層共押出キャストフィルム成形機を用いた。一方の表面層(B層)を構成する押出機に離型性樹脂組成物ペレットを、もう一方の表面層(A1層)を構成する押出機と中間層を構成する押出機(A2層)にはプロピレン系重合体(日本ポリプロ製 FW4BT)のペレットを供給し、220℃の温度でTダイより押出し、(A1)層/(A2)層/(B)層からなる多層フィルムを得た。各層の厚みは53μmであった。得られた多層フィルムを120℃の温度において縦方向に4倍延伸した後、離型性用樹脂組成物表面に30W・分/mの条件でコロナ処理を施し、ポリプロピレン系延伸多層フィルムを得た。評価結果を表1に示した。
実施例8
オレフィン系重合体として、MFR−Pが6.5g/10分、密度が900kg/mであるプロピレン系重合体(日本ポリプロ製、商品名FW4BT)を用いた以外は実施例7と同様にしてポリプロピレン系多層フィルムを得た。評価結果を表1に示した。
比較例1
オレフィン系重合体として、PE−Aを60重量%、PE−Bを40重量%とし、エポキシ基及び/又はアミノ基を有するポリジメチルシロキサンを添加しない樹脂組成物を用い、かつ(B)層表面にコロナ処理を施さなかったこと以外は実施例1と同様にしてポリプロピレン系多層フィルムを得た。評価結果を表2に示すが、剥離強度が高く離型性に劣っていた。
Figure 2006321164
比較例2
オレフィン系重合体として、PE−Aを60重量%、PE−Bを34重量%、エポキシ基及び/又はアミノ基を有するポリジメチルシロキサンとして、エポキシ変性ポリジメチルシロキサンS−1を6重量%とした以外は実施例1と同様にしてポリプロピレン系多層フィルムの製造を試みたが、押出機内で離型性樹脂組成物が滑り、ポリプロピレン系多層フィルムを得ることができなかった。
比較例3
オレフィン系重合体として、PE−Aを60重量%、PE−Bを39重量%、エポキシ基及び/又はアミノ基を有するポリジメチルシロキサンとして、エポキシ基当量が350g/mol、粘度が4000cStであるエポキシ変性ポリジメチルシロキサン(信越化学工業(株)製 商品名KF−101、以下S−3と記す場合がある)を1重量%とした以外は実施例1と同様にしてポリプロピレン系多層フィルムを得た。評価結果を表2に示すが、剥離強度が高く、離型性に劣っていた。
比較例4
オレフィン系重合体として、PE−Aを60重量%、PE−Bを39重量%、エポキシ基及びアミノ基を有さないポリジメチルシロキサン(東レダウコーニング(株)製 商品名SH200オイル 粘度=10000cSt、以下S−4と記す場合がある)を1重量%とした以外は実施例1と同様にしてポリプロピレン系多層フィルムを得た。評価結果を表2に示すが、粘着テープの再粘着性に劣っていた。

Claims (6)

  1. (A)プロピレン系重合体を用いてなる層と、(B)オレフィン系重合体95〜99.99重量%、官能基当量が500g/mol以上50000g/mol以下であるエポキシ基及び/又はアミノ基を有するポリジメチルシロキサン0.01〜5重量%からなる離型性樹脂組成物を用いてなる層、とよりなることを特徴とするポリプロピレン系多層フィルム。
  2. オレフィン系重合体が、以下(a)及び(b)に示す要件を満足するエチレン・α−オレフィン共重合体を10重量%以上含むことを特徴とする請求項1に記載のポリプロピレン系多層フィルム。
    (a)JIS K6922−1(1997年)による密度が860〜930kg/m
    (b)JIS K6922−1(1997年)によるメルトマスフローレートが0.1〜100g/10分
  3. エチレン・α−オレフィン共重合体が、ゲル浸透クロマトグラフィを用いて測定された重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が3以下であることを特徴とする請求項2に記載のポリプロピレン系多層フィルム。
  4. (B)層の表面が、酸化されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のポリプロピレン系多層フィルム。
  5. (B)層の表面の酸化処理が、コロナ放電処理、フレーム処理、プラズマ処理からなる群から選ばれる少なくとも1種以上の方法であることを特徴とする請求項4に記載のポリプロピレン系多層フィルム。
  6. ポリプロピレン系多層フィルムの少なくとも一層が、二軸延伸されていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載のポリプロピレン系多層フィルム。
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