JP4539030B2 - 接着性フィルム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、エチレン系樹脂組成物を用いてなる接着性フィルムに関するものである。さらに本発明は、樹脂、金属及び/又はケイ素酸化物等からなる被着体と該接着性フィルムからなる積層体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリエチレン系樹脂フィルムは、低価格、成形性などに優れる理由から広い分野で使用されている。
【0003】
しかしながら、ポリエチレン系樹脂フィルムは、その非極性構造のため、樹脂、金属及び/又はケイ素酸化物等からなる被着体と接着しにくいという欠点がある。そのため、上記被着体とポリエチレン系フィルムを積層させる場合、接着剤を接着界面に塗布する方法や、予めポリエチレン系樹脂にカルボキシル基や水酸基、酸無水物基を有するモノマーを共重合した変性エチレン系共重合体を用いたフィルムを熱圧着させる方法などが提案されている。
【0004】
また、上記接着剤やポリエチレン系樹脂の共重合に用いられるモノマーとして、シランカップリング剤が知られており、これを利用した様々な提案がなされている。
【0005】
接着剤を使用する例として、珪素酸化物の薄膜とポリエチレン樹脂間にアミノ基を有するシランカップリング剤を塗布する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、本手法によれば、シランカップリング剤を塗布する設備が必要であり、設備費が負担となることや、シランカップリング剤を塗工する際に用いる有機溶剤の処理費用がかかるなどの問題点がある。
【0006】
シランカップリング剤をポリエチレン系樹脂に予め共重合した樹脂を用いた組成物としては、5〜40重量%のアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルを含む単量体成分を重合させて得られるエチレン・アクリル酸エステル共重合体又はエチレン・メタクリル酸エステル共重合体60〜99重量部およびエポキシ基を有するオレフィン系重合体のシラングラフト変性体1〜40重量部よりなることを特徴とする重合体組成物が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
しかしながら、本手法によれば、エポキシ基含有オレフィン系重合体へ不飽和基含有シラン化合物をグラフト変性させる際、有機過酸化物を用いているため、シラン化合物のグラフト反応と同時にエチレン・アクリル酸エステル共重合体又はエチレン・メタクリル酸エステル共重合体やエポキシ基含有オレフィン系重合体自体をも架橋させてしまうことにより、フィッシュアイと呼ばれるゲルを多発させ、積層体の外観を損ねるといった問題が発生する。また、エチレン・アクリル酸エステル共重合体又はエチレン・メタクリル酸エステル共重合体のコスト、及び該グラフト変性のコストが高い、といった問題もある。
【0008】
【特許文献1】
特開平5−131590号公報(2頁)
【特許文献2】
特開平1−207340号公報(3頁)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような状況を鑑みなされたものであって、接着剤が不要となり、また、シランカップリング剤を共重合する際に発生するゲルによるフィルム外観の低下、カルボキシル基や酸無水物基含有モノマー共重合体を使用することによる押出機スクリュー等の腐食といった問題を避けることが可能となり、かつグラフト変性工程を経ない低コストの接着性フィルムを提供することを目的とするものである。
【0010】
さらに、本発明は、樹脂、金属及び/又はケイ素酸化物等からなる被着体を接着させ、接着力に優れた積層体を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定のエチレン系重合体に対し、エポキシ基及びアルコキシ基を有するシランカップリング剤を、該エチレン系重合体へのグラフト変性工程を経ることなしに、特定量配合したエチレン系樹脂組成物からなるフィルムの表面を酸化した接着性フィルムが、多様な基材に対する優れた接着性を有し、且つフィルム外観、及びコストパフォーマンスに優れることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0012】
すなわち、本発明は、JIS K6922−1(1998年)で測定したメルトマスフローレイトが0.1〜50g/10分、JIS K6922−1(1998年)で測定した密度が880〜960kg/m3であるエチレン系重合体98.5〜99.99重量%、及びエポキシ基及びアルコキシ基を有するシランカップリング剤0.01〜1.5重量%とからなるエチレン系樹脂組成物を用いてなるフィルムであって、そのフィルム表面の少なくとも片面が酸化処理されていることを特徴とする接着性フィルムに関するものである。
【0013】
また、本発明は、エチレン系樹脂組成物を用いてなるフィルム表面の少なくとも片面がコロナ放電処理、フレーム処理、プラズマ処理から選ばれるいずれかの方法で酸化されていることを特徴とする接着性フィルムに関するものである。
【0014】
さらに、本発明は、本発明の接着性フィルムが、(a)熱可塑性樹脂からなるフィルムもしくはシート、(b)金属板、金属箔もしくは金属及び/又は金属酸化物蒸着膜、(c)ガラス板、ガラス箔もしくはケイ素酸化物蒸着膜、及び(d)紙からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の基材を被着体とし、少なくとも1以上の被着体と少なくとも1以上の該接着性フィルムが熱圧着されてなることを特徴とする積層体に関するものである。
【0015】
以下に、本発明について詳細に説明する。
【0016】
本発明にて用いられるエチレン系重合体は、JIS K6922−1(1998年)によるMFRが0.1〜50g/10分の物性を示すものである。
【0017】
MFRが0.1g/10分未満である場合、エチレン系樹脂組成物をフィルム成形加工に供した際の押出負荷が高いことや製膜時の延展性が悪いため好ましくなく、また50g/10分を超える場合、エチレン系樹脂組成物をフィルム成形加工に供した際に必要な溶融粘度が低く、フィルム成形加工性に劣るものとなるため好ましくない。
【0018】
さらに、本発明にて用いられるエチレン系重合体は、JIS K6922−1(1998年)で測定した密度が880〜960kg/m3を示すものである。
【0019】
密度が880kg/m3未満である場合、積層体の耐熱性が劣り、50℃以上の雰囲気下での接着性が低下するため好ましくなく、960kg/m3を超える場合、被着体との接着性が劣り、好ましくない。
【0020】
本発明にて用いられるエチレン系重合体は特に限定するものではなく、エチレン単独重合体、エチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンとの共重合体、エチレンとビニルエステルとの共重合体等が例示される。さらにこれら重合体として、高圧法低密度ポリエチレン(以下、LDPEと記す。)、直鎖状低密度ポリエチレン(以下、LLDPEと記す。)、中密度ポリエチレン(以下、MDPEと記す。)、高密度ポリエチレン(以下、HDPEと記す。)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(以下、EVAと記す。)、エチレン−アクリル酸エチルエステル共重合体(以下、EEAと記す。)等が例示される。また、これらエチレン系重合体は単独で使用してもよいし、2種以上混合して使用してもよい。
【0021】
ここで、エチレン系重合体の重合方法は、特に限定するものではなく、LDPEやEVA,EEA等の場合、例えば高圧法によるラジカル重合法を挙げることができ、LLDPEやMDPE,HDPEの場合、チーグラーナッタ触媒やメタロセン触媒を用いた気相法、溶液法、高圧法等の重合法を挙げることができる。
【0022】
本発明で用いられるエポキシ基及びアルコキシ基を有するシランカップリング剤は、分子中に少なくとも1以上のエポキシ基及びアルコキシ基を有するシラン化合物を示す。
【0023】
このようなエポキシ基及びアルコキシ基を有するシランカップリング剤は特に限定されるものではなく、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等が例示される。
【0024】
また、これらエポキシ基及びアルコキシ基を有するシランカップリング剤は、単独もしくは2種以上混合して使用してもよく、さらに他のシランカップリング剤やチタン系カップリング剤と併用してもかまわない。
【0025】
本発明に用いられるエポキシ基及びアルコキシ基を有するシランカップリング剤は公知のものを使用することができる(例えば、チッソ株式会社製、商品名:サイラエースS510、S520,S530、信越化学工業株式会社製、商品名:信越シリコーンKBM303,KBM403,KBE402,KBE403)。
【0026】
本発明におけるエチレン系重合体とエポキシ基及びアルコキシ基を有するシランカップリング剤からなる樹脂組成物におけるエチレン系重合体とエポキシ基及びアルコキシ基を有するシランカップリング剤の配合割合は、エチレン系重合体が98.5〜99.99重量%、エポキシ基及びアルコキシ基を有するシランカップリング剤が0.01〜1.5重量%である。
【0027】
エポキシ基及びアルコキシ基を有するシランカップリング剤の配合割合が0.01重量%未満の場合は、該シランカップリング剤のフィルム表面への滲出量が少なく、接着性フィルムを被着体に熱接着することにより得られる積層体の接着性が劣り好ましくない。特に被着体がガラス等の珪素酸化物の場合の接着性、及び被着体がアルミニウム等の金属の場合における高湿度雰囲気下での接着性が劣り好ましくない。また、1.5重量%を超える場合は、該シランカップリング剤のフィルム表面への滲出量が過剰となり接着性フィルムを被着体に熱圧着することにより得られる積層体の接着性が劣り、またコストパフォーマンスも悪化するため好ましくない。
【0028】
さらに、本発明におけるエチレン系樹脂組成物の製造方法は特に限定するものではなく、エチレン系重合体とエポキシ基及びアルコキシ基を有するシランカップリング剤とを押出機等で溶融混合する方法、エチレン系重合体ペレットと、エポキシ基及びアルコキシ基を有するシランカップリング剤を予めポリオレフィン樹脂に練り込んだマスターバッチとをドライブレンドする方法等が例示される。
【0029】
また、係るエチレン系樹脂組成物は、必要に応じて酸化防止剤、滑剤、中和剤、ブロッキング防止剤、界面活性剤、スリップ剤等、通常エチレン系樹脂に使用される添加剤を添加したものでもかまわない。
【0030】
本発明におけるエチレン系樹脂組成物を用いてなるフィルムの製造方法は特に限定するものではなく、インフレーション成形機、Tダイキャスト成形機、カレンダー成形機、プレス成形機等を用いて得ることが可能である。さらに、インフレーション成形やTダイキャスト成形においては共押出法により多層フィルムを得ることも可能である。
【0031】
本発明の接着性フィルムは、フィルム表面の接着性を発現させるために、その表面の少なくとも片面が酸化処理されているものである。該酸化処理による接着性効果の発現機構は明確ではないが、エチレン系樹脂組成物を用いてなるフィルム表面上に酸化処理により形成したカルボキシル基と、シランカップリング剤のエポキシ基が反応することにより、シランカップリング剤がフィルム表面に固定化し、その後のアルコキシ基の加水分解により生成するシラノール基が接着性を発現させるものと考えられる。
【0032】
フィルム表面を酸化する際の酸化処理方法としては特に限定はなく、クロム酸処理、硫酸処理、空気酸化、オゾン処理、コロナ放電処理、フレーム処理、プラズマ処理等が例示される。中でも、エチレン系樹脂組成物を用いてなるフィルム表面上に酸化物を効果的に形成させる上で、コロナ放電処理、フレーム処理、プラズマ処理から選ばれる、少なくとも1種以上の酸化方法が特に好ましい。
【0033】
コロナ放電処理は、プラスチックフィルムやシート表面の連続処理技術として広く使用されているものであり、コロナ放電処理機により発生したコロナ雰囲気にフィルムを通過させることにより行われる。本発明においては、コロナ放電密度1〜100W・分/m2の放電処理を施すことが、被着体との接着性に優れた接着性フィルムを得る上で好ましい。
【0034】
フレーム処理は、天然ガスやプロパン等を燃焼させたときに生じる火炎にフィルム表面を接することで処理が行われる。
【0035】
プラズマ処理は、アルゴン、ヘリウム、ネオン、水素、酸素、空気等の単体又は混合気体をプラズマジェットで電子的に励起せしめた後、帯電粒子を除去し、電気的に中性とした励起不活性ガスをフィルム表面に吹き付けることにより行われる。
【0036】
本発明においては、酸化処理されたフィルム表面のJIS K6768(1998年)で測定される濡れ指数が330〜700μN/cm、特に370〜600μN/cmとなる酸化処理を施すことが、被着体との接着性に優れた接着性フィルムを得る上で好ましい。
【0037】
本発明の接着性フィルムの厚みは、本発明の目的が達成される限りにおいて特に限定はなく、柔軟性に優れ、破損などの問題が小さいことから、1μm〜5mmの厚みであることが好ましい。
【0038】
本発明の積層体は、(a)熱可塑性樹脂からなるフィルムもしくはシート、(b)金属板、金属箔もしくは金属及び/又は金属酸化物蒸着膜、(c)ガラス板、ガラス箔もしくはケイ素酸化物蒸着膜、(d)紙からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の基材を被着体とし、少なくとも1以上の被着体と少なくとも1以上の該接着性フィルムの酸化処理面とを熱圧着することにより得ることができる。
【0039】
本発明の積層体を構成する被着体として用いる熱可塑性樹脂からなるフィルムもしくはシートに特に限定はなく、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアミド、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成高分子重合体からなるフィルム又はシート等が例示される。また、これら高分子重合体フィルム又はシートがウレタン系インキ等を用い印刷されたものも例示される。中でも、ポリエステル、ポリアミド、エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物及びポリビニルアルコールからなるフィルム又はシートは、得られた積層体の接着強度が高く、好ましい。
【0040】
本発明の積層体を構成する被着体として用いる金属板、金属箔もしくは金属及び/又は金属酸化物蒸着膜に特に限定はなく、鋼鈑としては鉄鋼鈑、銅鈑等が、金属箔としてはアルミ箔、銅箔等が、金属及び/又は金属酸化物蒸着膜としては高分子重合体フィルム又はシートにアルミ蒸着及び/又はアルミナ蒸着されたもの等が例示できる。
【0041】
本発明の積層体を構成する被着体として用いるガラス板、ガラス箔もしくはケイ素酸化物蒸着膜に特に限定はなく、さらにケイ素酸化物蒸着膜としては高分子重合体フィルム又はシートに二酸化珪素等を蒸着したもの等が例示できる。
【0042】
本発明の積層体を構成する被着体として用いる紙に特に限定はなく、クラフト紙、上質紙、グラシン紙等が例示できる。
【0043】
熱圧着の方法としては、公知の方法を用いることができ、特に限定はない。例えば、サーマルラミネート法、ヒートシール等の方法を挙げることができる。また、上記加工により得られた積層体は、接着性を向上させるため、30℃以上の温度で10時間以上熱処理すると、さらに接着強度が上昇し好ましい。
【0044】
さらに、被着体と接着性フィルムとの接着性を高めるため、被着体の接着面に対してコロナ処理、フレーム処理、プラズマ処理などの表面処理を施してもよい。また、もし必要であれば被着体の接着面に接着剤を塗布してもよい。
【0045】
本発明に係る積層体の積層状態は、少なくとも1以上の被着体と少なくとも1以上の接着性フィルムを組合せて熱圧着されていればよく、特に制限はない。例えば積層状態の組合せとして、1枚の被着体と1枚の接着性フィルムの組合せ、2枚の被着体の間に1枚の接着性フィルムを挟んだ組合せ、また、被着体及び/又は接着性フィルムが複数の場合はそれらが異なる被着体及び/又は接着性フィルムである組合せ等が挙げられる。
【0046】
本発明の接着性フィルムは、家電製品や自動車、その他建材用シートに用いられる樹脂被覆又は積層鋼鈑、合わせガラス等、広範囲にわたる産業用資材を供するための接着性フィルムとして極めて有用である。
【0047】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0048】
以下に、物性、加工性の測定方法と評価方法を示す。
【0049】
(1)メルトマスフローレート(MFR)
JIS K6922−1(1998年)に準拠。
【0050】
(2)密度
JIS K6922−1(1998年)に準拠。
【0051】
(3)被着体との接着性
ヒートシーラー(東洋精機(株)製)を用い、温度150℃、時間3秒、圧力2MPaの条件で、被着体と接着性フィルムを熱圧着させた。被着体には、アルミニウム板(東洋アルミニウム(株)製 商品名:A1N30H−H18)、及びガラス板(北陸板硝子製)の2種類を用いた。
【0052】
剥離試験は、引張試験機(島津製作所(株)製、商品名:オートグラフDCS500)を用い、サンプル巾15mm、剥離速度300mm/分の条件で被着体と接着性フィルム層間を180°剥離した際の剥離強度を測定し、該剥離強度を接着強度とした。
【0053】
(4)濡れ指数
JIS K6768(1998年)に準拠。
【0054】
実施例1
エチレン系重合体として、MFRが8g/10分、密度が918kg/m3であるLDPE(東ソー(株)製 商品名:ペトロセン213)99.5重量%、エポキシ基及びアルコキシ基を有するシランカップリング剤として、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業(株)製 商品名:信越シリコーンKBE403)を0.5重量%になるよう配合し、単軸押出機にて溶融混練しペレットを得た。
【0055】
得られたペレットを25mmΦのスクリューを有するキャストフィルム成形機の押出機へ供給し、280℃の温度でTダイよりフィルム厚みが30μmになるよう押出した後、該フィルムの片面を50W・分/m2の条件でコロナ放電処理し接着性フィルムを得た。
【0056】
その後、厚み25μmのニ軸延伸ポリエステルフィルム(東洋紡績(株)製 商品名:東洋紡エステルフィルムE5100、以下「PET」と記す。)を基材として用い、その片面にコロナ処理を施した。該PETフィルムのコロナ処理面にアンカーコート剤(日本曹達(株)製 商品名:チタボンドT−120)を塗布した面と上記の接着性フィルムの非コロナ処理面とを、低密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名:ペトロセン203)を用いサンドイッチラミネ−ションし、接着性評価用の接着性フィルム支持体を得た。なお、係るサンドイッチラミネ−ションは、25mmφの押出機を有する押出ラミネーターを用い、押出温度300℃、低密度ポリエチレン厚み25μmにて行った。得られた接着性評価用の接着性フィルム支持体(厚み0.08mm、長さ10cm、巾10cm)の構成は以下の通りであり、接着性フィルムのコロナ放電処理面が表面となる様に構成した。
【0057】
(接着性評価用の接着性フィルム支持体の構成)
[PET(基材)/低密度ポリエチレン/接着性フィルム(コロナ放電処理面)]
得られた接着性評価用の接着性フィルム支持体を温度23℃、相対湿度(以下、「RH」と記す。)50%の環境に3日間放置した。
【0058】
その後、接着性フィルム支持体の接着性フィルム面、即ちコロナ放電処理面と、被着体、即ちアルミニウム板(厚み0.1mm、長さ10cm、巾10cm)及びガラス板(厚み0.1mm、長さ10cm、巾10cm)とを、ヒートシーラーを用いて上記の被着体接着性評価条件にて熱接着させ積層体を得た。
【0059】
係る積層体を、その後、温度23℃、湿度50%RHの環境、及び温度40℃、湿度90%RHの環境に7日間放置し、接着性を評価した。その評価結果を表1に示した。
【0060】
実施例2
エチレン系重合体として、LDPEを99.5重量%、エポキシ基及びアルコキシ基を有するシランカップリング剤として、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランを0.5重量部の代わりに、LDPE(東ソー(株)製 商品名:ペトロセン213)99重量%、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業(株)製 商品名:信越シリコーンKBE403)を1重量%とした以外は実施例1と同様にして接着性フィルム及び積層体を得た。評価結果は表1に示した。
【0061】
実施例3
接着性フィルム表面のコロナ放電処理条件が50W・分/m2である代わりに、100W・分/m2とした以外は実施例1と同様にして接着性フィルム及び積層体を得た。評価結果は表1に示した。
【0062】
実施例4
エチレン系重合体として、LDPEを99.5重量%、エポキシ基及びアルコキシ基を有するシランカップリング剤として、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランを0.5重量部の代わりに、LDPE(東ソー(株)製 商品名:ペトロセン213)99.5重量%、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製 商品名:信越シリコーンKBM403)を0.5重量%とした以外は実施例1と同様にして積層体を得た。評価結果は表1に示した。
【0063】
実施例5
エチレン系重合体として、LDPEを99.5重量%、エポキシ基及びアルコキシ基を有するシランカップリング剤として、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランを0.5重量部の代わりに、MFRが10g/10分、密度が913kg/m3であるLLDPE(東ソー(株)製 商品名:ニポロン−Z TZ420)99.5重量%、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業(株)製 商品名:信越シリコーンKBE403)を0.5重量%とした以外は実施例1と同様にして積層体を得た。評価結果は表1に示した。
【0064】
【表1】
Figure 0004539030
比較例1
エチレン系重合体として、LDPE(東ソー(株)製 商品名:ペトロセン213)を99.5重量%、エポキシ基及びアルコキシ基を有するシランカップリング剤として、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業(株)製 商品名:信越シリコーンKBE403)を0.5重量部の代わりに、LDPE(東ソー(株)製 商品名:ペトロセン213)100重量%とし、エポキシ基を有するシランカップリング剤を用いなかったこと以外は実施例1と同様にして積層体を得た。評価結果は表2に示したが、アルミニウム板に対する高湿度雰囲気での接着性、及びガラス板に対する接着性が劣っていた。
【0065】
比較例2
接着性フィルム表面のコロナ放電処理条件が50W・分/m2である代わりに、コロナ放電処理を施さなかったこと以外は実施例1と同様にして接着性フィルム及び積層体を得た。評価結果は表2に示したが、アルミニウム板及びガラス板への接着性が劣っていた。
【0066】
比較例3
エチレン系重合体として、LDPEを99.5重量%、エポキシ基及びアルコキシ基を有するシランカップリング剤として、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランを0.5重量部の代わりに、LDPE(東ソー(株)製 商品名:ペトロセン213)95.0重量%、エポキシ基及びアルコキシ基を有するシランカップリング剤として、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業(株)製 商品名:信越シリコーンKBE403)を5.0重量%とした以外は実施例1と同様にしてフィルム成形加工を試みたが、押出機内において樹脂が滑り、フィルム化することができなかった。評価結果は表2に示した。
【0067】
【表2】
Figure 0004539030
【発明の効果】
本発明は、接着剤が不要であり、フィルム外観及びコストパーフォーマンスに優れる接着性フィルムを提供する。
【0068】
さらに、本発明は、樹脂、金属及び/又はケイ素酸化物等からなる被着体を接着させ、接着力に優れた積層体を提供する。

Claims (4)

  1. JIS K6922−1(1998年)で測定したメルトマスフローレイトが0.1〜50g/10分、JIS K6922−1(1998年)で測定した密度が880〜960kg/mである高圧法低密度ポリエチレン又は直鎖状低密度ポリエチレン98.5〜99.99重量%、及びエポキシ基及びアルコキシ基を有するシランカップリング剤0.01〜1.5重量%とからなるエチレン系樹脂組成物を用いてなるフィルムであって、そのフィルム表面の少なくとも片面が酸化処理されていることを特徴とする接着性フィルム。
  2. 請求項1に記載の酸化処理が、コロナ放電処理、フレーム処理、プラズマ処理から選ばれる少なくとも1種以上の酸化方法であることを特徴とする接着性フィルム。
  3. (a)熱可塑性樹脂からなるフィルムもしくはシート、
    (b)金属板、金属箔もしくは金属及び/又は金属酸化物蒸着膜、
    (c)ガラス板、ガラス箔もしくはケイ素酸化物蒸着膜、
    (d)紙
    からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の基材を被着体とし、少なくとも1以上の被着体と請求項1又は2に記載の少なくとも1以上の該接着性フィルムの酸化処理面が熱圧着されてなることを特徴とする積層体。
  4. 請求項に記載の積層体において、被着体がアルミニウム板及び/又はガラス板であることを特徴とする積層体。
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