JP3107598B2 - ポリオレフィン系樹脂組成物及び該組成物を用いた積層体 - Google Patents

ポリオレフィン系樹脂組成物及び該組成物を用いた積層体

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JP3107598B2 JP03198012A JP19801291A JP3107598B2 JP 3107598 B2 JP3107598 B2 JP 3107598B2 JP 03198012 A JP03198012 A JP 03198012A JP 19801291 A JP19801291 A JP 19801291A JP 3107598 B2 JP3107598 B2 JP 3107598B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主としてラベル,シー
ル等の剥離紙や、粘着テープ用の背面に形成される離型
層に好適に用いられるポリオレフィン系樹脂組成物及び
該組成物を用いた積層体に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ラベ
ル,シール等の粘着剤層を有する粘着体において、該粘
着剤層の粘着性を保護するために剥離紙が用いられる。
従来、こうした剥離紙としては、紙やプラスチック等の
基材上に離型剤として熱硬化性シリコーン,紫外線硬化
性シリコーン,長鎖アルキル基含有ポリマー等の溶液を
塗工し、焼付け等の方法で固定化し、離型性を付与した
ものが主流となっている。
【0003】しかしながら、この剥離紙は塗工,焼付,
溶剤回収等の工程にかかる手間が多く、生産効率の点で
問題があった。
【0004】そこで、このような従来技術の欠点を解決
する手段として、離型性を有する樹脂のフィルムまたは
シートを紙やプラスチック等の基材に積層することが行
われている。例えば、特公平60−5628号公報に
は、非硬化性オルガノポリシロキサンを混合してなる熱
可塑性樹脂を、基材に積層した離型性積層フィルムが示
されている。この積層フィルムは、比較的簡単な工程で
製造できるという利点を有する。
【0005】しかしながら、この積層フィルムは、上記
熱可塑性樹脂の粘着剤との接着強度が大きいため、ラベ
ル,シール等を剥離する際に、剥離抵抗が大きいという
問題を有する。また、この積層フィルムは、熱可塑性樹
脂層の表面に、上記混合されているポリシロキサンがブ
リードし易い。このようにブリードしたポリシロキサン
は、ラベル,シール等を剥離する際に、該ラベル,シー
ル等の粘着剤層に移行しその粘着性を低下させてしま
う。
【0006】そのため、特開平1−168996号公報
では、側鎖に官能基を持つポリオレフィン系樹脂と、該
ポリオレフィン系樹脂の持つ官能基と反応しうる官能基
を持つシリコーン化合物とを反応させた剥離剤をポリオ
レフィン系樹脂と混合し、これを紙やフイルム等の基材
上に押出して、加熱して積層することが行われている。
しかし、この方法により得られる剥離紙は、前記ラベ
ル,シール等を剥離する際の剥離抵抗の大きさにおい
て、未だ満足できるものではない。
【0007】こうした背景から、ラベル,シール等の粘
着剤層を有する粘着体との剥離が、小さい剥離抵抗で容
易に行え、しかも、剥離したラベル,シール等の粘着剤
層にポリシロキサンが移行して、その粘着性を低下させ
るといったことのない剥離紙の開発が強く望まれてい
た。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねてきた。その結
果、ポリシロキサンの分子鎖が結合したポリオレフィン
系樹脂と平均分子量100,000以上のポリシロキサンを含
むポリオレフィン系樹脂組成物を用いることにより、上
記の課題が解決できることを見いだし、本発明を完成す
るに至った。
【0009】即ち、本発明は、ポリシロキサンの分子鎖
が結合したポリオレフィン系樹脂95重量部〜70重量
部と下記構造式を有する平均分子量100,000以上
のポリシロキサンを5重量部〜30重量部を含むことを
特徴とするポリオレフィン系樹脂組成物である。
【化1】 (式中R及びR’はC1〜C18のアルキル基、フェニ
ル基、ビニル基、フルオロアルキル基、水素原子又は水
酸基を表す。mは200以上の数を表す。)
【0010】また、本発明は、上記ポリオレフィン系樹
脂組成物と熱可塑性樹脂とが積層されてなる積層体も、
提供するものである。
【0011】本発明において、ポリシロキサンの分子鎖
が結合したポリオレフィン系樹脂は、オレフィンの単独
重合体または共重合体にポリシロキサンの分子鎖が結合
したものである限り特に制限されない。このようなポリ
オレフィン系樹脂としては、ポリシロキサンの分子鎖が
側鎖および/または架橋部位となって、オレフィンの単
独重合体または共重合体に結合しているもの等が挙げら
れる。
【0012】ここで、オレフィンの単独重合体として
は、エチレン,プロピレン,ブテン−1,ペンテン−
1,ヘキセン−1,オクテン−1,4−メチルペンテン
−1,3−メチルブテン−1等のα−オレフィンの単独
重合体を挙げることができる。また、オレフィンの共重
合体としては、上記したα−オレフィン同士の共重合体
の他、α−オレフィンと共重合可能な他の単量体とα−
オレフィンとの共重合体を挙げることができる。
【0013】上記のα−オレフィンと共重合可能な他の
単量体としては、酢酸ビニル;アクリル酸メチル,アク
リル酸エチル,メタクリル酸メチル,メタクリル酸エチ
ル等のアクリル酸またはメタクリル酸のエステルを挙げ
ることができる。
【0014】また、α−オレフィンと共重合可能な他の
単量体は、反応性基を有する単量体であってもよい。上
記の反応性基は、本発明におけるポリオレフィン系樹脂
組成物の後述する製造方法において、ポリオレフィン系
樹脂とこれに結合するポリシロキサンとの反応に使用し
得る。反応性基としては具体的には、カルボキシル基,
ヒドロキシ基,エポキシ基等を挙げることができる。
【0015】上記の反応性基を有する単量体としては、
例えば、アクリル酸,メタクリル酸,マレイン酸,イタ
コン酸,シトラコン酸,無水マレイン酸,無水イタコン
酸,無水シトラコン酸等のカルボキシル基またはその無
水物基を有する単量体;ビニルアルコール、2−ヒドロ
キシエチルメタクリレート,2−ヒドロキシプロピルメ
タクリレート等のヒドロキシ基を有する単量体;グリシ
ジルメタクリレート等のエポキシ基を有する単量体を挙
げることができる。
【0016】前記のα−オレフィンと共重合可能な他の
単量体とα−オレフィンとの共重合体中に占める他の単
量体の割合は、0.01重量%〜20重量%の範囲であ
ることが好ましい。特に他の単量体が反応性基を有する
単量体である場合にはポリシロキサンの導入量に応じて
他の単量体の割合を決定すればよく、通常は0.05重
量%〜10重量%の範囲から、好ましくは0.1重量%
〜5重量%の範囲から選択される。
【0017】次に、ポリオレフィン系樹脂に結合するポ
リシロキサンは特に制限されるものではないが、好適な
ものとして下記の構造式のものを挙げることができる。
【0018】 (式中、R及びR’は、有機基、例えばC1〜C18
アルキル基,フェニル基,ビニル基,フルオロアルキル
基等;水素;水酸基等を示し、nは、5〜1,200の数字を
示す)具体的には、ポリジメチルシロキサン,ポリジエ
チルシロキサン,ポリメチルフェニルシロキサン,ポリ
ジフェニルシロキサン,ポリメチルハイドロジェンシロ
キサン等の公知のものが挙げられる。
【0019】該ポリシロキサンの平均分子量は、特に制
限されるものではないが、十分な離型性能を発揮するた
めに、3,000〜90,000、特に3,000〜60,000であることが
好ましい。なお、本発明におけるポリシロキサンの分子
鎖が結合したポリオレフィン系樹脂を希釈する目的で、
前記したオレフィンの単独重合体または共重合体を上記
のポリシロキサンの分子鎖が結合したポリオレフィン系
樹脂に混合することができる。
【0020】ポリシロキサンの分子鎖が結合したポリオ
レフィン系樹脂中のポリシロキサンの占める割合、ある
いは上記のようにポリシロキサンの分子鎖が結合したポ
リオレフィン系樹脂にオレフィンの単独重合体または共
重合体を混合した場合には該混合物中のポリシロキサン
の占める割合は、特に制限されるものではなく広い範囲
から選択されるが、一般には1重量%以上であることが
好ましい。好適には、1重量%〜50重量%から選択さ
れ、特に本発明においてはポリシロキサンの占める割合
が比較的少量、例えば、1重量%〜15重量%の場合に
おいても、良好な離型性が発揮される。
【0021】本発明において使用される上記ポリシロキ
サンの分子鎖が結合したポリオレフィン系樹脂の製法
は、特に制限されるものではないが、次に述べる反応性
基を有するオレフィンの共重合体と、該反応性基と反応
する基を有するポリシロキサンとの反応による方法が製
造容易であるために好ましく採用される。
【0022】反応性基を有するオレフィンの共重合体と
しては、前記したα−オレフィンと反応性基を有する単
量体との共重合体が用いられる。
【0023】また、ポリオレフィン系樹脂として、α−
オレフィンの単独重合体、またはα−オレフィンと共重
合可能な反応性基を有しない単量体とα−オレフィンと
の共重合体を採用した場合は、ポリシロキサンとの反応
が可能な反応性基を別途導入する必要がある。この場合
は、一般にマレイン酸もしくは無水マレイン酸等のカル
ボキシル基またはその無水物基を有する単量体によって
変性する公知の方法が採用される。
【0024】カルボキシル基またはその無水物基を有す
る単量体による変性量は、ポリシロキサンの導入量に応
じて決定され、通常は、前記したα−オレフィンと共重
合可能な反応性基を有する単量体とα−オレフィンとの
共重合体中に占める、該反応性基を有する単量体の割合
と同じ範囲から選択される。
【0025】上記の反応性基を有するオレフィンの共重
合体を具体的に例示すると、エチレン−アクリル酸共重
合体,エチレン−メタクリル酸共重合体,エチレン−ビ
ニルアルコール共重合体,エチレン−グリシジルメタク
リレート共重合体,エチレン−2−ヒドロキシエチルメ
タクリレート共重合体,無水マレイン酸変性ポリエチレ
ン,無水マレイン酸変性ポリプロピレン等を挙げること
ができる。
【0026】他方、オレフィンの共重合体の反応性基と
反応する基を有するポリシロキサンとしては、珪素原子
に結合する基の一部が、アミノアルキル基,エポキシ
基,ヒドロキシアルキル基,メルカプトアルキル基,ハ
ロゲン化アルキル基,カルボキシ基含有アルキル基,ビ
ニル基,水素等の反応性基であるものが挙げられる。具
体的には、ヒドロキシル基変性ポリジメチルシロキサ
ン,アミノ基変性ポリジメチルシロキサン,エポキシ基
変性ポリジメチルシロキサン,メルカプト基変性ポリジ
メチルシロキサン等を挙げることができる。これらのポ
リシロキサンは、1種を単独で用いても、また、2種以
上を混合して用いても良い。
【0027】なお、該ポリシロキサンの反応性基の位置
は主鎖の末端,側鎖のいずれでも、もしくは両方でも良
い。また、該ポリシロキサン1分子中の反応性基の数
は、前述した反応性基を有するオレフィンの共重合体と
の反応により架橋反応が過度に進行して加工性が悪くな
らない限りなんら制限を受けるものではないが、1ない
し2であることが架橋反応を必要最小限に抑えるという
意味で効果的である。
【0028】上記した2種のポリマーを、反応性基の反
応が生じる温度、一般には100℃〜280℃の温度に
加熱することによって、本発明におけるポリシロキサン
の分子鎖が結合したポリオレフィン系樹脂を得ることが
できる。加熱に際しては押出機等により十分に混練する
ことが反応を進行させる上で好ましい。さらに、反応進
行のために触媒を添加してもよい。
【0029】本発明において、上記のポリシロキサンの
分子鎖が結合したポリオレフィン系樹脂は、平均分子量
100,000以上のポリシロキサンと混合される。こ
のポリシロキサンは、平均分子量100,000以上の
ポリシロキサンであり、下記の構造式のものが用いられ
る。
【0030】 (式中、R及びR’は、有機基、例えばC1〜C18
アルキル基,フェニル基,ビニル基,フルオロアルキル
基等;水素;水酸基等を示し、mは、200以上好ましく
は200〜70,000の数字を示す。)具体的には、ポリジメ
チルシロキサン,ポリメチルプロピルシロキサン,ポリ
ジプロピルシロキサン,ポリメチルオクチルシロキサ
ン,ポリジオクチルシロキサン,ポリメチルフェニルシ
ロキサン,ポリジフェニルシロキサン等のポリシロキサ
ンが好ましく用いられる。これらのポリシロキサンは、
1種を単独で用いても、また、2種以上を混合して用い
ても良い。
【0031】また、上記の平均分子量100,000以上のポ
リシロキサンの配合量は、ポリシロキサンの分子鎖が結
合したポリオレフィン系樹脂95重量部〜70重量部に
対し5重量部〜30重量部、好ましくは、上記ポリオレ
フィン系樹脂95重量部〜75重量部に対して5重量部
〜25重量部である。5重量部より少ないと離型性が不
十分であり、30重量部より多いと平均分子量100,000
以上のポリシロキサンのブリードが実質的に起き、粘着
剤層にポリシロキサンが移行するため好ましくない。
【0032】さらに、上記のポリシロキサンの平均分子
量は、100,000以上であることが重要であるが、本発明
のポリオレフィン系樹脂組成物の混合を十分に行うた
め、また、十分な離型性を発揮するために、好ましくは
100,000〜5,000,000、より好ましくは500,000〜2,000,0
00の範囲のものが使用される。平均分子量が100,000未
満であるとポリシロキサンのブリードが実質的に起き、
粘着剤層にポリシロキサンが移行するため好ましくない
ほか、造粒上及び成形加工上の問題からも好ましくな
い。
【0033】本発明において使用されるポリオレフィン
系樹脂組成物の製法は特に制限されるものではなく、前
記した反応性基を有するオレフィンの共重合体と、該反
応性基と反応する基を有するポリシロキサンとの反応に
よりポリシロキサンの分子鎖が結合したポリオレフィン
系樹脂を製造する際に、平均分子量100,000以上のポリ
シロキサンを混合してもよく、また、上記ポリオレフィ
ン系樹脂の製造後に、平均分子量100,000以上のポリシ
ロキサンを押出機等により混合しても良い。
【0034】本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は、
該組成物単独で射出成形や押出成形し、たとえばシー
ト,無延伸フィルム及び延伸フイルムとして、使用する
ことも可能であるが、好適には、熱可塑性樹脂に積層し
て積層体として使用することが好ましい。
【0035】本発明の積層体の素材として用いられる熱
可塑性樹脂としては公知の物がなんら制限なく採用され
る。例えばポリスチレン;ポリエチレン,ポリプロピレ
ン等のポリオレフィン;ポリアミド;ポリカーボネート
等の熱可塑性樹脂を挙げることができる。
【0036】本発明の積層体において、上記の熱可塑性
樹脂により形成される熱可塑性樹脂層(以下、A層とい
う)は、特に制限されるものではないが、該熱可塑性樹
脂が公知の方法により少なくとも一軸方向に延伸された
ものであることが好ましい。その場合、延伸倍率は一般
には、一軸延伸の場合は1.1〜8倍、二軸延伸の場合
は一軸延伸の方向と直角方向にさらに3〜12倍延伸す
るのが好適である。A層の厚みは、本発明の積層体の機
械的強度,剛性を高め、しかも粘着剤塗工工程上での作
業性を良好にするために、20〜100μmの範囲とす
ることが好ましい。
【0037】上記した熱可塑性樹脂層の少なくとも一面
には、前記のポリオレフィン系樹脂組成物により形成さ
れるポリオレフィン系樹脂組成物層(以下、B層とい
う)が積層される。B層は無延伸でも、あるいは公知の
方法により少なくとも一軸に延伸されていても良い。延
伸したときの延伸倍率は、上記A層と同様である。B層
の厚みは特に制限をうけるものではないが、一般には
0.5μm〜20μmの範囲であることが好ましい。
【0038】本発明の積層体は一般に次のような方法に
よって製造することができる。まず、A層となる熱可塑
性樹脂を押出し成形によりシートとしこれを一軸方向に
1.1〜8倍に延伸して一軸延伸シートを得る。次い
で、B層を形成するためにポリオレフィン系樹脂組成物
をシート状に押出し、これを上記の一軸延伸シート上に
積層する。あるいは、積層したシートをさらに一軸延伸
の方向とほぼ直角方向に3〜12倍延伸することにより
本発明の積層体を得ることができる。なお、A層とB層
とを同時に押出して積層し、これを上記と同様の方法に
て一軸または二軸に延伸することも可能である。また、
これらの方法により得られる本発明の積層体は、コロナ
処理を施すのが好ましい。
【0039】本発明の積層体のA層及びB層には、熱可
塑性樹脂に通常添加することが知られている種々の添加
剤、例えば、熱安定剤,酸化防止剤,結晶核剤,帯電防
止剤,滑剤,ブロッキング防止剤等を添加しても良い。
【0040】
【効果】本発明のポリオレフィン系樹脂組成物を離型面
とする剥離紙は、ラベル,シール等の粘着剤層を有する
粘着体からの剥離を、小さい剥離抵抗で容易に行え、し
かも、剥離した上記ラベル、シール等の粘着剤層にポリ
シロキサンが移行して、その粘着性を低下させることが
ない。また、本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は、
比較的容易に且つ経済的に製造でき加工性,ラミネート
性も良好である。従って、本発明のポリオレフィン系樹
脂組成物は、ラベル,シール等の剥離紙や、粘着テープ
の背面に形成される離型層に好適に用いることができ
る。
【0041】
【実施例】以下、本発明を実施例に基いて具体的に説明
する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
【0042】ポリシロキサンの移行性,剥離力,粘着力
及びタックの測定方法は次の通りである。
【0043】(ポリシロキサンの移行性)積層体の10
枚を、熱可塑性樹脂層とポリオレフィン系樹脂組成物層
とが接するようにかさねあわせ、2kgの荷重をかけて
24時間放置する。次いで、積層体の各々を剥離し、上
記ポリオレフィン系樹脂組成物層と接していた熱可塑性
樹脂層の表面が、油性マジックインキでぬれるか否かを
調べる。ポリシロキサンの熱可塑性樹脂層への移行が実
質的になく、インキでぬれるものを○とし、ポリシロキ
サンの熱可塑性樹脂層への移行が激しく、インキを弾い
てしまうものを×とする。
【0044】(剥離力)以下の条件にて、積層体のポリ
オレフィン系樹脂組成物層への、粘着剤の塗工を行な
う。
【0045】コーティングマシーン:HIRANO MODEL-200 粘着剤:主剤 綜研化学 SKダイン1425 硬化剤 綜研化学 TD−75 粘着剤の厚み:20μm 次いで、塗工された粘着剤上に、コロナ処理した 二軸
延伸ポリプロピレンフィルムを貼り、23℃,湿度50
%の条件で10日間放置する。
【0046】こうして得られる、粘着剤を介して二軸延
伸ポリプロピレンフィルムが貼り合わされた積層体を、
幅25mmでサンプリングし、引張試験機を使用して3
00mm/分の速度で、積層体と二軸延伸ポリプロピレ
ンフィルムとの180゜剥離を行なう。
【0047】(粘着力)上記剥離力の測定方法に従って
剥離された二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、積層体
に面していた側に、該積層体に塗工されていた粘着剤が
剥離して転移している。この二軸延伸ポリプロピレンフ
ィルムの粘着剤面をガラス板に、2Kgのゴムロールで
300mm/分の速度で一往復することにより圧着す
る。次いで、23℃,湿度50%で24時間放置後、引
張試験機を使用して300mm/分の速度で、二軸延伸
ポリプロピレンフィルムとガラス板との180゜剥離を
行なう。
【0048】(タック)上記剥離力の測定方法に従って
剥離された二軸延伸ポリプロピレンフィルムを、粘着剤
面が外側になる状態でループ状とし、標線を合わせ引張
試験機に固定する。粘着剤面を被着体に25mm×約5
0mm接触させた後、直ちにチャックを逆方向に動かし
引き離すのに要した最大値を求める。
【0049】サイズ:幅25mm,標線間隔200mm 被着体:ステンレス板 チャック移動速度:300mm/分 実施例 1 無水マレイン酸変性量0.6重量%の無水マレイン酸変
性ポリプロピレン20重量部と、平均分子量3,800の片
末端アミノ変性ポリジメチルシロキサン5重量部,メル
トフローインデックス(MI)=8.0g/10分のエ
チレン・プロピレン共重合体62重量部及び平均分子量
1,000,000のポリジメチルシロキサン13重量部の混合
物を二軸押出機により210℃〜240℃で押出し、ペ
レット化してポリオレフィン系樹脂組成物を得た。この
ものは、赤外分光測定により片末端アミノ変性ポリジメ
チルシロキサンが反応していることを確認した。また、
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより、未反
応の片末端アミノ変性ポリジメチルシロキサンがほとん
ど存在しないことを確認した。
【0050】MI=1.8g/10分のポリプロピレン
をTダイ押出機を用いて240℃の樹脂温度でシート状
に押出し、40℃に維持されたチルロールにより冷却固
化し、厚み1.9mmのポリプロピレンシートを作成し
た。
【0051】次に、このシートを加熱ロール延伸機によ
り150℃で4.8倍延伸し、390μmの一軸延伸シ
ートを得た。先のポリオレフィン系樹脂組成物をTダイ
押出機を用いて230℃の樹脂温度で厚み10μmとな
るようにシート状に押出し、一軸延伸シートと70℃に
保ったロール上で貼り合わせ400μmの二層シートを
得た。
【0052】ひき続き、この二層シートを横延伸機を用
いて、160℃において10倍延伸し、ポリプロピレン
樹脂層39μm,ポリオレフィン系樹脂組成物層1μm
で全体の厚みが40μmの積層体を得た。得られた積層
体について、ポリシロキサンの移行性,剥離力,粘着
力,タックを測定し、その結果を表1に示した。
【0053】実施例 2 実施例1と同様にしてポリオレフィン系樹脂組成物を得
た。
【0054】このものを、厚み30μmの二軸延伸ポリ
プロピレンフイルム上に230℃の樹脂温度で厚み10
μmとなるように押出し、70℃に保ったロール上で貼
り合わせ全体の厚みが40μmの積層体を得た。得られ
た積層体について、ポリシロキサンの移行性,剥離力,
粘着力,タックを測定し、その結果を表1に示した。
【0055】実施例 3 無水マレイン酸変性量0.6重量%の無水マレイン酸変
性ポリプロピレン55重量部と平均分子量3,800の片末
端アミノ変性ポリジメチルシロキサン5重量部,平均分
子量5,400の両末端アミノ変性ポリジメチルシロキサン
5重量部,MI=8.0g/10分のエチレン・プロピ
レン共重合体10重量部及び平均分子量1,000,000のポ
リジメチルシロキサン25重量部を各々用いた他は実施
例1と同様にして積層体を得た。得られた積層体につい
て、ポリシロキサンの移行性,剥離力,粘着力,タック
を測定し、その結果を表1に示した。
【0056】実施例 4 平均分子量700,000のポリジメチルシロキサン13重量
部を用いた他は実施例1と同様にして積層体を得た。得
られた積層体について、ポリシロキサンの移行性,剥離
力,粘着力,タックを測定し、その結果を表1に示し
た。
【0057】実施例 5 無水マレイン酸変性量0.6重量%の無水マレイン酸変
性ポリプロピレン40重量部と平均分子量3,800の片末
端アミノ変性ポリジメチルシロキサン10重量部,MI
=8.0g/10分のエチレン・プロピレン共重合体4
3重量部及び平均分子量1,000,000のポリジメチルシロ
キサン7重量部を各々用いた他は実施例1と同様にして
積層体を得た。得られた積層体について、ポリシロキサ
ンの移行性,剥離力,粘着力,タックを測定し、その結
果を表1に示した。
【0058】実施例 6 エチレン・無水マレイン酸共重合体樹脂(無水マレイン
酸の単量体単位が2重量%)50重量部に平均分子量3,
800の片末端アミノ変性ポリジメチルシロキサン50重
量部を反応器に仕込み150℃で5時間付加反応させ
た。反応生成物はp−キシレンに溶解し、n−ヘキサン
にて再沈澱させて精製した。ポリシロキサンの含有率
は、41重量%であった。このものを10重量部,MI
=8.0g/10分のエチレン・プロピレン共重合体8
0重量部及び平均分子量1,000,000のポリジメチルシロ
キサン10重量部の混合物を二軸押出機により210℃
〜240℃で押出し、ペレット化してポリオレフィン系
樹脂組成物を得た。
【0059】このものを用い実施例1と同様にして積層
体を得た。得られた積層体について、ポリシロキサンの
移行性,剥離力,粘着力,タックを測定し、その結果を
表1に示した。
【0060】比較例 1 MI=8.0g/10分のエチレン・プロピレン共重合
体87重量部と平均分子量1,000,000のポリジメチルシ
ロキサン13重量部の混合物を二軸押出機により210
℃〜240℃で造粒を行った。このものを本発明のポリ
オレフィン系樹脂組成物のかわりに用いた他は、実施例
2と同様にして積層体を得た。得られた積層体につい
て、ポリシロキサンの移行性,剥離力,粘着力,タック
を測定し、その結果を表1に示した。
【0061】比較例 2 無水マレイン酸変性量0.6重量%の無水マレイン酸変
性ポリプロピレン20重量部と平均分子量3,800の片末
端アミノ変性ポリジメチルシロキサン5重量部,MI=
8.0g/10分のエチレン・プロピレン共重合体62
重量部及び平均分子量60,000のポリジメチルシロキサン
13重量部の混合物を二軸押出機により210℃〜24
0℃で造粒を行った。
【0062】しかし、スクリューの空回りが起き造粒困
難であった。
【0063】比較例 3 無水マレイン酸変性量0.6重量%の無水マレイン酸変
性ポリプロピレン20重量部と平均分子量3,800の片末
端アミノ変性ポリジメチルシロキサン5重量部,MI=
8.0g/10分のエチレン・プロピレン共重合体25
重量部及び平均分子量1,000,000のポリジメチルシロキ
サン50重量部を各々用いた他は実施例2と同様にして
積層体を得た。得られた積層体について、ポリシロキサ
ンの移行性,剥離力,粘着力,タックを測定し、その結
果を表1に示した。
【0064】比較例 4 無水マレイン酸変性量0.6重量%の無水マレイン酸変
性ポリプロピレン20重量部と平均分子量3,800の片末
端アミノ変性ポリジメチルシロキサン5重量部,MI=
8.0g/10分のエチレン・プロピレン共重合体75
重量部の混合物を二軸押出機により210℃〜240℃
で造粒を行った。このものを実施例2と同様にして積層
体を得た。得られた積層体について、ポリシロキサンの
移行性,剥離力,粘着力,タックを測定し、その結果を
表1に示した。
【0065】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C09J 7/02 C09J 7/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリシロキサンの分子鎖が結合したポリオ
    レフィン系樹脂95重量部〜70重量部と下記構造式を
    有する平均分子量100,000以上のポリシロキサン
    を5重量部〜30重量部を含むことを特徴とするポリオ
    レフィン系樹脂組成物。 【化1】 (式中R及びR’はC1〜C18のアルキル基、フェニ
    ル基、ビニル基、フルオロアルキル基、水素原子又は水
    酸基を表す。mは200以上の数を表す。)
  2. 【請求項2】請求項1記載のポリオレフィン系樹脂組成
    物と熱可塑性成樹脂とが積層されてなる積層体。
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