JP4528391B2 - 非シリコ―ン系剥離性基材および粘着シ―ト類 - Google Patents

非シリコ―ン系剥離性基材および粘着シ―ト類 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非シリコ―ン系剥離性基材と、これを粘着シ―ト類本体の粘着面にセパレ―タとして貼り合わせてなる粘着シ―ト類とに関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリオレフイン樹脂は、物理的および化学的物性のバランスが良好で、フイルム成形性にもすぐれており、これに剥離剤を含ませて押出成形したフイルムは、粘着面に対して剥離機能を持つ、剥離性基材として、利用されている。
【0003】
ポリオレフイン樹脂に含ませる剥離剤には、シリコ―ン化合物がとくに有効なものとして知られている。しかるに、シリコ―ン化合物を用いると、これが粘着シ―ト類の粘着面に移行すると、この粘着シ―ト類を近年の高集積度の電子部品用途などに使用した場合に、電気接点不良などの弊害を生じることがある。このため、上記用途などにあつては、シリコ―ン化合物以外の剥離剤を用いた、いわゆる非シリコ―ン系剥離性基材の開発が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような非シリコ―ン系剥離性基材として、粘着面に対する剥離性能にすぐれ、しかも粘着面に対する汚染性が低く、つまり粘着面が剥離剤などの移行によつて汚染されにくく、そのため、剥離後の粘着面の残留接着力の大きい剥離性基材は、今のところ、あまり知られていない。
【0005】
本発明は、上記の事情に照らし、ポリオレフイン樹脂に含ませる非シリコ―ン系の剥離剤を探究し、粘着面に対する剥離性能にすぐれ、しかも剥離後の粘着面の残留接着力の大きい非シリコ―ン系剥離性基材と、これをセパレ―タとして粘着面に貼り合わせてなる粘着シ―ト類を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するため、鋭意検討した結果、ポリオレフイン樹脂に含ませる非シリコ―ン系の剥離剤として、炭素数12〜22の長鎖アルキル基を有する重量平均分子量5万〜50万の剥離性高分子化合物を使用すると、その使用量などを調整して、ポリオレフイン樹脂組成物の曇り度が適正範囲となるように設定することにより、その押出成形フイルムの単体またはこれと他種基材とのラミネ―ト体として、粘着面に対する剥離性能にすぐれるとともに、粘着面が上記剥離剤などの移行によつて汚染されにくく、そのため剥離後の粘着面の残留接着力の大きい非シリコ―ン系剥離性基材が得られることを見い出した。
【0007】
本発明は、このような知見をもとにして、完成されたものである。
すなわち、本発明は、密度0.920〜0.940の低密度ポリエチレンからなるポリオレフィン樹脂に、この樹脂100重量部あたり、炭素数12〜22の長鎖アルキル基を有する重量平均分子量5万〜50万の剥離性高分子化合物を0.5〜30重量部含ませた、曇り度が60〜95%であるポリオレフィン樹脂組成物の押出成形フィルムまたはこれと他種基材とのラミネート体からなることを特徴とする非シリコーン系剥離性基材(請求項1)係るものである。また、本発明は、基材の片面または両面に粘着剤層を有する粘着シート類本体の粘着面に、上記構成の非シリコーン系剥離性基材を貼り合わせてなることを特徴とする粘着シート類(請求項)、とくに、上記粘着剤層がゴム系ホットメルト粘着剤からなる粘着シート類(請求項)に係るものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる剥離剤は、炭素数12〜22の長鎖アルキル基を有し、重量平均分子量が5万〜50万、好ましくは5万〜30万の範囲にある剥離性高分子化合物である。ここで、上記の長鎖アルキル基が、押出成形フイルムに良好な剥離性を付与する成分で、この長鎖アルキル基を持つ分子全体が上記分子量範囲の高分子量体とされていることにより、ポリオレフイン樹脂と適度に相溶して、粘着面への移行が少なく、粘着面に対して低汚染性で、剥離後の粘着面の残留接着力の大きい押出成形フイルムの作製を可能とするものである。
【0009】
このような剥離性高分子化合物としては、たとえば、▲1▼所定分子量の天然または合成の非シリコ―ン系高分子化合物を炭素数12〜22の長鎖アルキル基を有する化合物で化学変成したもの、▲2▼炭素数12〜22の長鎖アルキル基を有するラジカル重合性の不飽和基単量体と他の各種単量体とを所定分子量となるように共重合させた共重合体などを挙げることができる。
【0010】
上記▲1▼の剥離性高分子化合物としては、ポリビニルアルコ―ル、ポリ酢酸ビニルの部分ケン化物、セルロ―ス、ポリエチレンイミン、ポリビニルアセタ―ル、エチレン−ビニルアルコ―ル共重合体、無水マレイン酸−酢酸ビニル共重合体,塩素化ポリプロピレンなどに、ラウリルイソシアネ―ト、オクタデシルイソシアネ―ト、ララリン酸クロライド、ステアリン酸クロライド、オクタデシルアミン、オクタデシルエチレンイミンなどを反応させたものが挙げられる。上記▲2▼の剥離性高分子化合物としては、オクタデシル(メタ)アクリレ―ト、オクタデシルビニルエ―テルなどとアクリル酸、無水マレイン酸、アクリロニトリル、酢酸ビニル、メチルアクリレ―トなどとの共重合体が挙げられる。
【0011】
本発明においては、上記の剥離性高分子化合物をポリオレフイン樹脂に含ませて、ポリオレフイン樹脂組成物を調製する。ここで、上記の剥離性高分子化合物の使用量としては、ポリオレフイン樹脂100重量部あたり、通常0.5〜30重量部、好ましくは1〜10重量部とするのがよい。0.5重量部未満では、剥離性の改善効果に乏しく、また上限の30重量部で剥離性が飽和に達し、それを超えて使用することは経済的に望ましくなく、また粘着面の汚染性やこれに伴う剥離後の粘着面の残留接着力の面でも好結果が得られない。
【0012】
本発明に用いられるポリオレフイン樹脂には、ポリエチレン、ポリプロピレン、これらの共重合体、これらと他のα−オレフインとの共重合体などがあるが、物理的および化学的物性のバランスの良さ、フイルム成形性、他種基材との接着性の点より、ポリエチレン、とくに低密度ポリエチレンが好ましく用いられる。また、この低密度ポリエチレンの中でも、各種の粘着剤に対し剥離力が安定し、耐熱性も良いことから、密度が0.920〜0.940の低密度ポリエチレンが最も好ましく用いられる。密度が0.940を超えるポリエチレンでは、粘着剤選択性があり、0.920未満のポリエチレンでは、剥離性高分子化合物との相溶性の点で問題を生じ、いずれも、粘着面に対する剥離性能に劣つたり、粘着面の低汚染性ひいては剥離後の粘着面の残留接着力を満足させにくい。
【0013】
このように調製されるポリオレフイン樹脂組成物は、曇り度が60〜95%、好ましくは65〜85%であるのがよい。この曇り度は、ポリオレフイン樹脂と剥離性高分子化合物との相溶性の指標となり、この値が小さいほど上記相溶性が悪いことを意味する。本発明の剥離性基材としては、上記範囲の曇り度を有しているのが望ましく、曇り度が小さすぎたり大きすぎたりすると、粘着面に対する剥離性能に劣つたり、粘着面の低汚染性ひいては剥離後の粘着面の残留接着力を満足させにくい。上記範囲の曇り度は、ポリオレフイン樹脂の種類に応じて、剥離性高分子化合物の種類(組成、分子量など)や使用量を適宜選択することで、容易に設定できるものである。
【0014】
なお、本発明において、上記の曇り度は、ポリオレフイン樹脂組成物を加熱プラストミルにより160℃でよく混合し、加熱プレスにより140℃で2分間の条件で厚さが0.8mmの板状に成形し、この成形品を測定用試料として、日本電色工業(株)のデジタル曇り度計により測定される値を意味する。
【0015】
本発明では、このようなポリオレフイン樹脂組成物を、常法により熱可塑性樹脂としての通常の成形条件で押出成形して、厚さが5〜100μmの押出成形フイルムとする。本発明の非シリコ―ン系剥離性基材は、この押出成形フイルムの単体からなるもののほか、上記押出成形フイルムと他種基材とのラミネ―ト体とされたものであつてもよい。他種基材は、とくに限定されないが、たとえば、クラフト紙、上質紙、グラミン紙などの紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレ―ト、ポリアミドなどのプラスチツクフイルム、不織布、織布などを使用することができる。また、これらの他種基材としては、その材質や性状などに応じて、公知の種々の厚さで使用できるものである。
【0016】
本発明の粘着シ―ト類は、基材の片面または両面に粘着剤層を有する粘着シ―ト類本体の粘着面に、この粘着面の保護および取り扱い性を良くするため、上記の非シリコ―ン系剥離性基材をセパレ―タとして貼り合わせてなるものである。この粘着シ―ト類は、使用に際し、上記セパレ―タを剥離して被着体に貼り付け使用するが、その際、上記セパレ―タの剥離が容易であるとともに、このセパレ―タによる粘着面の汚染性が低いため、剥離後の粘着面の残留接着力が大きく、粘着シ―ト類本来の性能を十分に発揮させることができる。
【0017】
上記の粘着シ―ト類本体において、基材には、従来公知の種々の基材、具体的には、非シリコ―ン系剥離性基材を構成させるための前記した他種基材と同様のものを使用できる。また、この基材の片面または両面に設ける粘着剤層についても、アクリル系やゴム系などの種々の粘着剤を使用できるが、本発明の非シリコ―ン系剥離性基材からなるセパレ―タの剥離性および粘着面の低汚染性の点で、ゴム系ホツトメルト粘着剤、たとえば、ポリスチレンブロツク/ポリエチレン・ポリブチレンブロツク/ポリスチレンブロツクなどのゴム質ポリマ―を主剤成分としたホツトメルト粘着剤などがとくに好ましく用いられる。
【0018】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を記載して、より具体的に説明する。なお、実施例および比較例で用いた剥離性高分子化合物(1) 〜(5) は、下記の製造例1〜4および比較製造例1により、製造したものである。また、以下の実施例および比較例において、部とあるのは重量部を意味するものとする。
【0019】
製造例1
メカニカルスタ―ラ、冷却管、ラバ―セプタムを備えた4つ口フラスコに、ポリ酢酸ビニルのケン化物(ケン化度92モル%、重合度1,000)30gを入れ、これにジメチルスルホキサイド330gを加えて加熱し、均一に溶解した。ついで、系内を90℃に加熱し、これにオクタデシルイソシアネ―ト189gを4時間かけて滴下して反応させ、さらに4時間の加熱を行い、反応を完結した。得られた反応生成物を、メタノ―ル中に投入して沈殿させ、これをろ過して、上記ポリ酢酸ビニルのケン化物の変成物からなる、長鎖アルキル基としてオクタデシル基を有する重量平均分子量32万の剥離性高分子化合物(1) を得た。
【0020】
製造例2
メカニカルスタ―ラ、冷却管、ラバ―セプタムを備えた4つ口フラスコに、エチレン−ビニルアルコ―ル共重合体(ビニルアルコ―ル含量55モル%、重合度1,500)30gを入れ、これにジメチルスルホキサイド264gを加えて加熱し、均一に溶解した。ついで、系内を90℃に加熱し、これにオクタデシルイソシアネ―ト145gを4時間かけて滴下して反応させ、さらに4時間の加熱を行つて、反応を完結した。得られた反応生成物を、メタノ―ル中に投入して沈殿させ、これをろ過して、上記エチレン−ビニルアルコ―ル共重合体の変成物からなる、長鎖アルキル基としてオクタデシル基を有する重量平均分子量25万の剥離性高分子化合物(2) を得た。
【0021】
製造例3
ポリ酢酸ビニルのケン化物(ケン化度92モル%、重合度1,000)30gに代え、ポリ酢酸ビニルのケン化物(ケン化度92モル%,重合度500)30gを使用した以外は、製造例1と同様にして、上記ポリ酢酸ビニルのケン化物の変成物からなる、長鎖アルキル基としてオクタデシル基を有する重量平均分子量14万の剥離性高分子化合物(3) を得た。
【0022】
製造例4
メカニカルスタ―ラ、冷却管、窒素導入管、ラバ―セプタムを備えた4つ口フラスコに、オクタデシルアクリレ―ト159gとアクリル酸141gとを入れ、これにトルエン700gを加えたのち、70℃まで加熱した。窒素導入管より、窒素気流を系内に入れ、30分間窒素置換を行つた。その後、重合開始剤として過酸化ベンゾイル1.2gを加えて反応を開始し、さらにオクタデシルアクリレ―ト88gとアクリル酸79gをラバ―セプタムより徐々に滴下して、10時間の重合反応を行い、滴下終了後、さらに70℃で4時間の加熱を行い、重合反応を完結した。このようにして、オクタデシルアクリレ―ト・アクリル酸共重合体からなる、長鎖アルキル基としてオクタデシル基を有する重量平均分子量6万の剥離性高分子化合物(4) を得た。
【0023】
比較製造例1
ポリ酢酸ビニルのケン化物(ケン化度92モル%、重合度1,000)30gに代え、ポリ酢酸ビニルのケン化物(ケン化度92モル%,重合度2,000)30gを使用した以外は、製造例1と同様にして、上記ポリ酢酸ビニルのケン化物の変成物からなる、長鎖アルキル基としてオクタデシル基を有する重量平均分子量56万の剥離性高分子化合物(5) を得た。
【0024】
実施例1
低密度ポリエチレンA〔密度0.930 MFR(Melt Flow Rate)4.0g/10分〕100部に、剥離性高分子化合物(1) を3部加え、加熱プラストミル(160℃)でよく混合し、ポリエチレン樹脂組成物を調製した。これを、Tダイを装備した押出機により押出成形して、厚さが50μmのフイルムを得た。この押出成形フイルムをそのまま非シリコ―ン系剥離性基材とした。
【0025】
実施例2
低密度ポリエチレンB(密度0.940、MFR2.1g/10分〕100部に、剥離性高分子化合物(2) を5部加え、加熱プラストミル(160℃)でよく混合し、ポリエチレン樹脂組成物を調製した。これを、Tダイを装備した押出機により押出成形して、厚さが25μmのフイルムを得た。この押出成形フイルムに、他種基材としてクラフト紙(坪量80g/m2 )を積層して、ラミネ―ト体とし、非シリコ―ン系剥離性基材とした。
【0026】
実施例3〜9
表1に記載のポリエチレン100部に、同表に記載の剥離性高分子化合物を同表に記載の配合部数で加え、加熱プラストミル(160℃)でよく混合し、7種のポリエチレン樹脂組成物を調製した。この各組成物を、Tダイを装備した押出機により押出成形して、所定厚さのフイルムを得、またこの押出成形フイルムに同表に記載の他種基材を積層してラミネ―ト体とし、7種の非シリコ―ン系剥離性基材を作製した。なお、押出成形フイルムの厚さは、他種基材を積層しないときは50μm、他種基材を積層するときは25μmとした。
【0027】
また、表1中、ポリエチレンの欄における「PE−A」は実施例1で用いた低密度ポリエチレンA、同「PE−B」は実施例2で用いた低密度ポリエチレンBである。また、他種基材の欄における「クラフト紙」は坪量80g/m2 のもの、同「上質紙」は坪量70g/m2 のものである。
【0028】
Figure 0004528391
【0029】
比較例1
低密度ポリエチレンA(密度0.930 MFR4.0g/10分)100部に、剥離性高分子化合物(5) を3部加えて、加熱プラストミル(160℃)でよく混合し、ポリエチレン樹脂組成物を調製した。これを、Tダイを装備した押出機により押出成形して、厚さが50μmのフイルムを得た。この押出成形フイルムをそのまま非シリコ―ン系剥離性基材とした。
【0030】
上記の実施例1〜9および比較例1の各非シリコ―ン系剥離性基材について、ポリエチレン樹脂組成物の曇り度を測定するとともに、下記の方法により、粘着面に対する剥離性試験および剥離後の残留接着力試験(粘着面の非汚染性試験)を行つた。これらの試験結果は、後記の表2に示されるとおりであつた。
【0031】
<粘着面に対する剥離性試験>
非シリコ―ン系剥離性基材を幅40mm、長さ120mmに切断し、これに幅20mmの粘着テ―プ(低密度ポリエチレンからなる基材上にポリスチレンブロツク/ポリエチレン・ポリブチレンブロツク/ポリスチレンブロツクからなるゴム質ポリマ―を主剤成分とした厚さが15μmのゴム系ホツトメルト粘着剤層を設けてなる粘着テ―プ)を、重さ2Kgのゴムロ―ラを1往復させて圧着したのち、この粘着テ―プ上に10g/cm2 の荷重をかけた状態で、50℃で3日間放置した。その後、荷重を解き、室温に戻し、引張り試験機により、300mm/分の速度で粘着テ―プを180°剥離し、その剥離に要する力を測定した。
【0032】
<剥離後の残留接着力試験>
ステンレス(SUS−304)板を耐水研磨紙(280番)で十分に研磨し、洗浄した。この研磨洗浄面に、上記の剥離性試験を行つたのちの粘着テ―プを、重さ2Kgのゴムロ―ラを1往復させて圧着した。室温で30分間放置したのち、300mm/分の速度で180°剥離し、その剥離に要する力を測定し、これを接着力Srとした。また、これとは別に、上記剥離性試験を行う前の粘着テ―プをそのまま使用して、上記同様にして、接着力Soを測定した。これらの測定値より、剥離後の残留接着力を、〔Sr/So〕×100(%)として求めた。この値が大きいほど、粘着面の非シリコ―ン系剥離性基材による汚染性が低くて、粘着面の残留接着力が大きいことを示している。
【0033】
Figure 0004528391
【0034】
上記の表2の結果から明らかなように、実施例1〜9の非シリコ―ン系剥離性基材は、いずれも、粘着面に対する剥離性能にすぐれ、しかも剥離後の粘着面の残留接着力が大きいことがわかる。これに対し、低密度ポリエチレンに本発明のものとは異なる剥離性高分子化合物を含ませた比較例1の非シリコ―ン系剥離性基材は、上記の両特性にともに劣つていることがわかる。
【0035】
なお、本発明において、ポリオレフイン樹脂には低密度ポリエチレンが好ましく用いられるが、ポリエチレンの密度があまりに低すぎると、押出成形フイルムの曇り度が小さくなり、残留接着力の低下が起こりやすい。たとえば、実施例1において密度0.905、MFR2.2g/10分の低密度ポリエチレンを用いると、上記曇り度が14、剥離性試験で25g/20mm幅、残留接着力試験で40%となる。この結果などから、低密度ポリエチレンの中でも、密度が0.920〜0.940のものがとくに好ましいことがわかつた。
【0036】
【発明の効果】
以上のように、本発明においては、ポリオレフイン樹脂に含ませる非シリコ―ン系の剥離剤として、炭素数12〜22の長鎖アルキル基を有する重量平均分子量5万〜50万の剥離性高分子化合物を用いたことにより、その押出成形フイルムの単体またはこれと他種基材とのラミネ―ト体として、粘着面に対する剥離性能にすぐれ、かつ剥離後の粘着面の残留接着力の大きい非シリコ―ン系剥離性基材を提供することができる。また、本発明では、上記非シリコ―ン系剥離性基材をセパレ―タとした粘着シ―ト類を提供することができる。

Claims (3)

  1. 密度0.920〜0.940の低密度ポリエチレンからなるポリオレフィン樹脂に、この樹脂100重量部あたり、炭素数12〜22の長鎖アルキル基を有する重量平均分子量5万〜50万の剥離性高分子化合物を0.5〜30重量部含ませた、曇り度が60〜95%であるポリオレフィン樹脂組成物の押出成形フィルムまたはこれと他種基材とのラミネート体からなることを特徴とする非シリコーン系剥離性基材。
  2. 基材の片面または両面に粘着剤層を有する粘着シート類本体の粘着面に、請求項1に記載の非シリコーン系剥離性基材を貼り合わせてなることを特徴とする粘着シート類。
  3. 粘着シート類本体において、粘着剤層がゴム系ホットメルト粘着剤からなる請求項に記載の粘着シート類。
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