JP2001123129A - 非シリコ―ン系剥離性基材および粘着シ―ト類 - Google Patents

非シリコ―ン系剥離性基材および粘着シ―ト類

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喜八 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粘着面に対する剥離性能にすぐれ、しかも剥
離後の粘着面の残留接着力の大きい非シリコ―ン系剥離
性基材を提供する。 【解決手段】 ポリオレフイン樹脂に炭素数12〜22
の長鎖アルキル基を有する重量平均分子量5万〜50万
の剥離性高分子化合物を含ませたポリオレフイン樹脂組
成物の押出成形フイルムまたはこれと他種基材とのラミ
ネ―ト体からなることを特徴とする非シリコ―ン系剥離
性基材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非シリコ―ン系剥
離性基材と、これを粘着シ―ト類本体の粘着面にセパレ
―タとして貼り合わせてなる粘着シ―ト類とに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリオレフイン樹脂は、物理的および化
学的物性のバランスが良好で、フイルム成形性にもすぐ
れており、これに剥離剤を含ませて押出成形したフイル
ムは、粘着面に対して剥離機能を持つ、剥離性基材とし
て、利用されている。
【0003】ポリオレフイン樹脂に含ませる剥離剤に
は、シリコ―ン化合物がとくに有効なものとして知られ
ている。しかるに、シリコ―ン化合物を用いると、これ
が粘着シ―ト類の粘着面に移行すると、この粘着シ―ト
類を近年の高集積度の電子部品用途などに使用した場合
に、電気接点不良などの弊害を生じることがある。この
ため、上記用途などにあつては、シリコ―ン化合物以外
の剥離剤を用いた、いわゆる非シリコ―ン系剥離性基材
の開発が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな非シリコ―ン系剥離性基材として、粘着面に対する
剥離性能にすぐれ、しかも粘着面に対する汚染性が低
く、つまり粘着面が剥離剤などの移行によつて汚染され
にくく、そのため、剥離後の粘着面の残留接着力の大き
い剥離性基材は、今のところ、あまり知られていない。
【0005】本発明は、上記の事情に照らし、ポリオレ
フイン樹脂に含ませる非シリコ―ン系の剥離剤を探究
し、粘着面に対する剥離性能にすぐれ、しかも剥離後の
粘着面の残留接着力の大きい非シリコ―ン系剥離性基材
と、これをセパレ―タとして粘着面に貼り合わせてなる
粘着シ―ト類を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するため、鋭意検討した結果、ポリオレフイン樹
脂に含ませる非シリコ―ン系の剥離剤として、炭素数1
2〜22の長鎖アルキル基を有する重量平均分子量5万
〜50万の剥離性高分子化合物を使用すると、その使用
量などを調整して、ポリオレフイン樹脂組成物の曇り度
が適正範囲となるように設定することにより、その押出
成形フイルムの単体またはこれと他種基材とのラミネ―
ト体として、粘着面に対する剥離性能にすぐれるととも
に、粘着面が上記剥離剤などの移行によつて汚染されに
くく、そのため剥離後の粘着面の残留接着力の大きい非
シリコ―ン系剥離性基材が得られることを見い出した。
【0007】本発明は、このような知見をもとにして、
完成されたものである。すなわち、本発明は、ポリオレ
フイン樹脂に炭素数12〜22の長鎖アルキル基を有す
る重量平均分子量5万〜50万の剥離性高分子化合物を
含ませたポリオレフイン樹脂組成物の押出成形フイルム
またはこれと他種基材とのラミネ―ト体からなることを
特徴とする非シリコ―ン系剥離性基材(請求項1)、と
くに、上記ポリオレフイン樹脂が密度0.920〜0.
940の低密度ポリエチレンである非シリコ―ン系剥離
性基材(請求項2)、上記ポリオレフイン樹脂組成物が
ポリオレフイン樹脂100重量部あたり剥離性高分子化
合物を0.5〜30重量部含んでなる非シリコ―ン系剥
離性基材(請求項3)、上記ポリオレフイン樹脂組成物
の曇り度が60〜95%である非シリコ―ン系剥離性基
材(請求項4)に係るものである。また、本発明は、基
材の片面または両面に粘着剤層を有する粘着シ―ト類本
体の粘着面に、上記各構成の非シリコ―ン系剥離性基材
を貼り合わせてなることを特徴とする粘着シ―ト類(請
求項5)、とくに、上記粘着剤層がゴム系ホツトメルト
粘着剤からなる粘着シ―ト類(請求項6)に係るもので
ある。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる剥離剤は、炭
素数12〜22の長鎖アルキル基を有し、重量平均分子
量が5万〜50万、好ましくは5万〜30万の範囲にあ
る剥離性高分子化合物である。ここで、上記の長鎖アル
キル基が、押出成形フイルムに良好な剥離性を付与する
成分で、この長鎖アルキル基を持つ分子全体が上記分子
量範囲の高分子量体とされていることにより、ポリオレ
フイン樹脂と適度に相溶して、粘着面への移行が少な
く、粘着面に対して低汚染性で、剥離後の粘着面の残留
接着力の大きい押出成形フイルムの作製を可能とするも
のである。
【0009】このような剥離性高分子化合物としては、
たとえば、所定分子量の天然または合成の非シリコ―
ン系高分子化合物を炭素数12〜22の長鎖アルキル基
を有する化合物で化学変成したもの、炭素数12〜2
2の長鎖アルキル基を有するラジカル重合性の不飽和基
単量体と他の各種単量体とを所定分子量となるように共
重合させた共重合体などを挙げることができる。
【0010】上記の剥離性高分子化合物としては、ポ
リビニルアルコ―ル、ポリ酢酸ビニルの部分ケン化物、
セルロ―ス、ポリエチレンイミン、ポリビニルアセタ―
ル、エチレン−ビニルアルコ―ル共重合体、無水マレイ
ン酸−酢酸ビニル共重合体,塩素化ポリプロピレンなど
に、ラウリルイソシアネ―ト、オクタデシルイソシアネ
―ト、ララリン酸クロライド、ステアリン酸クロライ
ド、オクタデシルアミン、オクタデシルエチレンイミン
などを反応させたものが挙げられる。上記の剥離性高
分子化合物としては、オクタデシル(メタ)アクリレ―
ト、オクタデシルビニルエ―テルなどとアクリル酸、無
水マレイン酸、アクリロニトリル、酢酸ビニル、メチル
アクリレ―トなどとの共重合体が挙げられる。
【0011】本発明においては、上記の剥離性高分子化
合物をポリオレフイン樹脂に含ませて、ポリオレフイン
樹脂組成物を調製する。ここで、上記の剥離性高分子化
合物の使用量としては、ポリオレフイン樹脂100重量
部あたり、通常0.5〜30重量部、好ましくは1〜1
0重量部とするのがよい。0.5重量部未満では、剥離
性の改善効果に乏しく、また上限の30重量部で剥離性
が飽和に達し、それを超えて使用することは経済的に望
ましくなく、また粘着面の汚染性やこれに伴う剥離後の
粘着面の残留接着力の面でも好結果が得られない。
【0012】本発明に用いられるポリオレフイン樹脂に
は、ポリエチレン、ポリプロピレン、これらの共重合
体、これらと他のα−オレフインとの共重合体などがあ
るが、物理的および化学的物性のバランスの良さ、フイ
ルム成形性、他種基材との接着性の点より、ポリエチレ
ン、とくに低密度ポリエチレンが好ましく用いられる。
また、この低密度ポリエチレンの中でも、各種の粘着剤
に対し剥離力が安定し、耐熱性も良いことから、密度が
0.920〜0.940の低密度ポリエチレンが最も好
ましく用いられる。密度が0.940を超えるポリエチ
レンでは、粘着剤選択性があり、0.920未満のポリ
エチレンでは、剥離性高分子化合物との相溶性の点で問
題を生じ、いずれも、粘着面に対する剥離性能に劣つた
り、粘着面の低汚染性ひいては剥離後の粘着面の残留接
着力を満足させにくい。
【0013】このように調製されるポリオレフイン樹脂
組成物は、曇り度が60〜95%、好ましくは65〜8
5%であるのがよい。この曇り度は、ポリオレフイン樹
脂と剥離性高分子化合物との相溶性の指標となり、この
値が小さいほど上記相溶性が悪いことを意味する。本発
明の剥離性基材としては、上記範囲の曇り度を有してい
るのが望ましく、曇り度が小さすぎたり大きすぎたりす
ると、粘着面に対する剥離性能に劣つたり、粘着面の低
汚染性ひいては剥離後の粘着面の残留接着力を満足させ
にくい。上記範囲の曇り度は、ポリオレフイン樹脂の種
類に応じて、剥離性高分子化合物の種類(組成、分子量
など)や使用量を適宜選択することで、容易に設定でき
るものである。
【0014】なお、本発明において、上記の曇り度は、
ポリオレフイン樹脂組成物を加熱プラストミルにより1
60℃でよく混合し、加熱プレスにより140℃で2分
間の条件で厚さが0.8mmの板状に成形し、この成形品
を測定用試料として、日本電色工業(株)のデジタル曇
り度計により測定される値を意味する。
【0015】本発明では、このようなポリオレフイン樹
脂組成物を、常法により熱可塑性樹脂としての通常の成
形条件で押出成形して、厚さが5〜100μmの押出成
形フイルムとする。本発明の非シリコ―ン系剥離性基材
は、この押出成形フイルムの単体からなるもののほか、
上記押出成形フイルムと他種基材とのラミネ―ト体とさ
れたものであつてもよい。他種基材は、とくに限定され
ないが、たとえば、クラフト紙、上質紙、グラミン紙な
どの紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン
テレフタレ―ト、ポリアミドなどのプラスチツクフイル
ム、不織布、織布などを使用することができる。また、
これらの他種基材としては、その材質や性状などに応じ
て、公知の種々の厚さで使用できるものである。
【0016】本発明の粘着シ―ト類は、基材の片面また
は両面に粘着剤層を有する粘着シ―ト類本体の粘着面
に、この粘着面の保護および取り扱い性を良くするた
め、上記の非シリコ―ン系剥離性基材をセパレ―タとし
て貼り合わせてなるものである。この粘着シ―ト類は、
使用に際し、上記セパレ―タを剥離して被着体に貼り付
け使用するが、その際、上記セパレ―タの剥離が容易で
あるとともに、このセパレ―タによる粘着面の汚染性が
低いため、剥離後の粘着面の残留接着力が大きく、粘着
シ―ト類本来の性能を十分に発揮させることができる。
【0017】上記の粘着シ―ト類本体において、基材に
は、従来公知の種々の基材、具体的には、非シリコ―ン
系剥離性基材を構成させるための前記した他種基材と同
様のものを使用できる。また、この基材の片面または両
面に設ける粘着剤層についても、アクリル系やゴム系な
どの種々の粘着剤を使用できるが、本発明の非シリコ―
ン系剥離性基材からなるセパレ―タの剥離性および粘着
面の低汚染性の点で、ゴム系ホツトメルト粘着剤、たと
えば、ポリスチレンブロツク/ポリエチレン・ポリブチ
レンブロツク/ポリスチレンブロツクなどのゴム質ポリ
マ―を主剤成分としたホツトメルト粘着剤などがとくに
好ましく用いられる。
【0018】
【実施例】以下に、本発明の実施例を記載して、より具
体的に説明する。なお、実施例および比較例で用いた剥
離性高分子化合物(1) 〜(5) は、下記の製造例1〜4お
よび比較製造例1により、製造したものである。また、
以下の実施例および比較例において、部とあるのは重量
部を意味するものとする。
【0019】製造例1 メカニカルスタ―ラ、冷却管、ラバ―セプタムを備えた
4つ口フラスコに、ポリ酢酸ビニルのケン化物(ケン化
度92モル%、重合度1,000)30gを入れ、これ
にジメチルスルホキサイド330gを加えて加熱し、均
一に溶解した。ついで、系内を90℃に加熱し、これに
オクタデシルイソシアネ―ト189gを4時間かけて滴
下して反応させ、さらに4時間の加熱を行い、反応を完
結した。得られた反応生成物を、メタノ―ル中に投入し
て沈殿させ、これをろ過して、上記ポリ酢酸ビニルのケ
ン化物の変成物からなる、長鎖アルキル基としてオクタ
デシル基を有する重量平均分子量32万の剥離性高分子
化合物(1) を得た。
【0020】製造例2 メカニカルスタ―ラ、冷却管、ラバ―セプタムを備えた
4つ口フラスコに、エチレン−ビニルアルコ―ル共重合
体(ビニルアルコ―ル含量55モル%、重合度1,50
0)30gを入れ、これにジメチルスルホキサイド26
4gを加えて加熱し、均一に溶解した。ついで、系内を
90℃に加熱し、これにオクタデシルイソシアネ―ト1
45gを4時間かけて滴下して反応させ、さらに4時間
の加熱を行つて、反応を完結した。得られた反応生成物
を、メタノ―ル中に投入して沈殿させ、これをろ過し
て、上記エチレン−ビニルアルコ―ル共重合体の変成物
からなる、長鎖アルキル基としてオクタデシル基を有す
る重量平均分子量25万の剥離性高分子化合物(2) を得
た。
【0021】製造例3 ポリ酢酸ビニルのケン化物(ケン化度92モル%、重合
度1,000)30gに代え、ポリ酢酸ビニルのケン化
物(ケン化度92モル%,重合度500)30gを使用
した以外は、製造例1と同様にして、上記ポリ酢酸ビニ
ルのケン化物の変成物からなる、長鎖アルキル基として
オクタデシル基を有する重量平均分子量14万の剥離性
高分子化合物(3) を得た。
【0022】製造例4 メカニカルスタ―ラ、冷却管、窒素導入管、ラバ―セプ
タムを備えた4つ口フラスコに、オクタデシルアクリレ
―ト159gとアクリル酸141gとを入れ、これにト
ルエン700gを加えたのち、70℃まで加熱した。窒
素導入管より、窒素気流を系内に入れ、30分間窒素置
換を行つた。その後、重合開始剤として過酸化ベンゾイ
ル1.2gを加えて反応を開始し、さらにオクタデシル
アクリレ―ト88gとアクリル酸79gをラバ―セプタ
ムより徐々に滴下して、10時間の重合反応を行い、滴
下終了後、さらに70℃で4時間の加熱を行い、重合反
応を完結した。このようにして、オクタデシルアクリレ
―ト・アクリル酸共重合体からなる、長鎖アルキル基と
してオクタデシル基を有する重量平均分子量6万の剥離
性高分子化合物(4) を得た。
【0023】比較製造例1 ポリ酢酸ビニルのケン化物(ケン化度92モル%、重合
度1,000)30gに代え、ポリ酢酸ビニルのケン化
物(ケン化度92モル%,重合度2,000)30gを
使用した以外は、製造例1と同様にして、上記ポリ酢酸
ビニルのケン化物の変成物からなる、長鎖アルキル基と
してオクタデシル基を有する重量平均分子量56万の剥
離性高分子化合物(5) を得た。
【0024】実施例1 低密度ポリエチレンA〔密度0.930 MFR(Melt
Flow Rate)4.0g/10分〕100部に、剥離性高
分子化合物(1) を3部加え、加熱プラストミル(160
℃)でよく混合し、ポリエチレン樹脂組成物を調製し
た。これを、Tダイを装備した押出機により押出成形し
て、厚さが50μmのフイルムを得た。この押出成形フ
イルムをそのまま非シリコ―ン系剥離性基材とした。
【0025】実施例2 低密度ポリエチレンB(密度0.940、MFR2.1
g/10分〕100部に、剥離性高分子化合物(2) を5
部加え、加熱プラストミル(160℃)でよく混合し、
ポリエチレン樹脂組成物を調製した。これを、Tダイを
装備した押出機により押出成形して、厚さが25μmの
フイルムを得た。この押出成形フイルムに、他種基材と
してクラフト紙(坪量80g/m2 )を積層して、ラミ
ネ―ト体とし、非シリコ―ン系剥離性基材とした。
【0026】実施例3〜9 表1に記載のポリエチレン100部に、同表に記載の剥
離性高分子化合物を同表に記載の配合部数で加え、加熱
プラストミル(160℃)でよく混合し、7種のポリエ
チレン樹脂組成物を調製した。この各組成物を、Tダイ
を装備した押出機により押出成形して、所定厚さのフイ
ルムを得、またこの押出成形フイルムに同表に記載の他
種基材を積層してラミネ―ト体とし、7種の非シリコ―
ン系剥離性基材を作製した。なお、押出成形フイルムの
厚さは、他種基材を積層しないときは50μm、他種基
材を積層するときは25μmとした。
【0027】また、表1中、ポリエチレンの欄における
「PE−A」は実施例1で用いた低密度ポリエチレン
A、同「PE−B」は実施例2で用いた低密度ポリエチ
レンBである。また、他種基材の欄における「クラフト
紙」は坪量80g/m2 のもの、同「上質紙」は坪量7
0g/m2 のものである。
【0028】
【0029】比較例1 低密度ポリエチレンA(密度0.930 MFR4.0
g/10分)100部に、剥離性高分子化合物(5) を3
部加えて、加熱プラストミル(160℃)でよく混合
し、ポリエチレン樹脂組成物を調製した。これを、Tダ
イを装備した押出機により押出成形して、厚さが50μ
mのフイルムを得た。この押出成形フイルムをそのまま
非シリコ―ン系剥離性基材とした。
【0030】上記の実施例1〜9および比較例1の各非
シリコ―ン系剥離性基材について、ポリエチレン樹脂組
成物の曇り度を測定するとともに、下記の方法により、
粘着面に対する剥離性試験および剥離後の残留接着力試
験(粘着面の非汚染性試験)を行つた。これらの試験結
果は、後記の表2に示されるとおりであつた。
【0031】<粘着面に対する剥離性試験>非シリコ―
ン系剥離性基材を幅40mm、長さ120mmに切断し、こ
れに幅20mmの粘着テ―プ(低密度ポリエチレンからな
る基材上にポリスチレンブロツク/ポリエチレン・ポリ
ブチレンブロツク/ポリスチレンブロツクからなるゴム
質ポリマ―を主剤成分とした厚さが15μmのゴム系ホ
ツトメルト粘着剤層を設けてなる粘着テ―プ)を、重さ
2Kgのゴムロ―ラを1往復させて圧着したのち、この粘
着テ―プ上に10g/cm2 の荷重をかけた状態で、50
℃で3日間放置した。その後、荷重を解き、室温に戻
し、引張り試験機により、300mm/分の速度で粘着テ
―プを180°剥離し、その剥離に要する力を測定し
た。
【0032】<剥離後の残留接着力試験>ステンレス
(SUS−304)板を耐水研磨紙(280番)で十分
に研磨し、洗浄した。この研磨洗浄面に、上記の剥離性
試験を行つたのちの粘着テ―プを、重さ2Kgのゴムロ―
ラを1往復させて圧着した。室温で30分間放置したの
ち、300mm/分の速度で180°剥離し、その剥離に
要する力を測定し、これを接着力Srとした。また、こ
れとは別に、上記剥離性試験を行う前の粘着テ―プをそ
のまま使用して、上記同様にして、接着力Soを測定し
た。これらの測定値より、剥離後の残留接着力を、〔S
r/So〕×100(%)として求めた。この値が大き
いほど、粘着面の非シリコ―ン系剥離性基材による汚染
性が低くて、粘着面の残留接着力が大きいことを示して
いる。
【0033】
【0034】上記の表2の結果から明らかなように、実
施例1〜9の非シリコ―ン系剥離性基材は、いずれも、
粘着面に対する剥離性能にすぐれ、しかも剥離後の粘着
面の残留接着力が大きいことがわかる。これに対し、低
密度ポリエチレンに本発明のものとは異なる剥離性高分
子化合物を含ませた比較例1の非シリコ―ン系剥離性基
材は、上記の両特性にともに劣つていることがわかる。
【0035】なお、本発明において、ポリオレフイン樹
脂には低密度ポリエチレンが好ましく用いられるが、ポ
リエチレンの密度があまりに低すぎると、押出成形フイ
ルムの曇り度が小さくなり、残留接着力の低下が起こり
やすい。たとえば、実施例1において密度0.905、
MFR2.2g/10分の低密度ポリエチレンを用いる
と、上記曇り度が14、剥離性試験で25g/20mm幅、
残留接着力試験で40%となる。この結果などから、低
密度ポリエチレンの中でも、密度が0.920〜0.9
40のものがとくに好ましいことがわかつた。
【0036】
【発明の効果】以上のように、本発明においては、ポリ
オレフイン樹脂に含ませる非シリコ―ン系の剥離剤とし
て、炭素数12〜22の長鎖アルキル基を有する重量平
均分子量5万〜50万の剥離性高分子化合物を用いたこ
とにより、その押出成形フイルムの単体またはこれと他
種基材とのラミネ―ト体として、粘着面に対する剥離性
能にすぐれ、かつ剥離後の粘着面の残留接着力の大きい
非シリコ―ン系剥離性基材を提供することができる。ま
た、本発明では、上記非シリコ―ン系剥離性基材をセパ
レ―タとした粘着シ―ト類を提供することができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフイン樹脂に炭素数12〜22
    の長鎖アルキル基を有する重量平均分子量5万〜50万
    の剥離性高分子化合物を含ませたポリオレフイン樹脂組
    成物の押出成形フイルムまたはこれと他種基材とのラミ
    ネ―ト体からなることを特徴とする非シリコ―ン系剥離
    性基材。
  2. 【請求項2】 ポリオレフイン樹脂は、密度0.920
    〜0.940の低密度ポリエチレンである請求項1に記
    載の非シリコ―ン系剥離性基材。
  3. 【請求項3】 ポリオレフイン樹脂組成物は、ポリオレ
    フイン樹脂100重量部あたり、剥離性高分子化合物を
    0.5〜30重量部含んでなる請求項1または2に記載
    の非シリコ―ン系剥離性基材。
  4. 【請求項4】 ポリオレフイン樹脂組成物は、曇り度が
    60〜95%である請求項1〜3のいずれかに記載の非
    シリコ―ン系剥離性基材。
  5. 【請求項5】 基材の片面または両面に粘着剤層を有す
    る粘着シ―ト類本体の粘着面に、請求項1〜4のいずれ
    かに記載の非シリコ―ン系剥離性基材を貼り合わせてな
    ることを特徴とする粘着シ―ト類。
  6. 【請求項6】 粘着シ―ト類本体において、粘着剤層が
    ゴム系ホツトメルト粘着剤からなる請求項5に記載の粘
    着シ―ト類。
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