JP5837966B2 - 粘着テープ - Google Patents
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Description
本願発明者は、粘着剤層のポリカーボネート板及びアクリル板に対する密着性又は粘着力を高めることにより、ポリカーボネート板又はアクリル板との界面における気泡の成長を妨げることができ、その結果、浮き剥がれを抑制できるのではないかと考えた。そして鋭意検討の結果、分子内にビシクロ環構造と1つのオレフィン性二重結合とを有するモノマーに由来する構成単位と、特定の構造を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーに由来する構成単位とを有する共重合体を含有する粘着剤組成物を用いることにより、ポリカーボネート板及びアクリル板に対する粘着力が劇的に改善された粘着剤層を形成することができることを見出した。このような粘着剤組成物からなる粘着剤層を有し、所定範囲の全光線透過率及びヘーズ値を有する粘着テープは、透明性が高く、高温条件下でもポリカーボネート板又はアクリル板との界面に生じる浮き剥がれを抑制できた。
即ち、粘着テープを用いて保護板とディスプレイパネル又はタッチパネルとを貼り合わせる場合には、予め粘着テープを保護板の形にあわせて成型しておく必要がある。このような粘着テープの成型には打ち抜き装置が用いられることが一般的であるが、上記粘着剤層を有する粘着テープを打ち抜き装置を用いて打ち抜いて成型しようとすると、打ち抜き刃に粘着剤が付着してしまい、連続して成型工程を行うことができない。また、打ち抜き後の粘着テープの端部から粘着剤が滲み出してしまい、周囲を汚染してしまうこともあった。
以下に本発明を詳述する。
上記共重合体は、分子内にビシクロ環構造と1つのオレフィン性二重結合とを有するモノマーに由来する構成単位を有する。上記共重合体が上記分子内にビシクロ環構造と1つのオレフィン性二重結合とを有するモノマーに由来する構成単位を有することにより、本発明の粘着テープは、ポリカーボネート板及びアクリル板に対する粘着力が大きく向上する。
また、上記オレフィン性二重結合は特に限定されず、上記オレフィン性二重結合を有する官能基として、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等が挙げられる。これらのオレフィン性二重結合を有する官能基のなかでも、(メタ)アクリロイル基が好ましい。なお、(メタ)アクリロイルとは、アクリロイル又はメタクリロイルを意味する。
上記分子内にビシクロ環構造と1つのオレフィン性二重結合とを有するモノマーは特に限定されないが、イソボルニル基と(メタ)アクリロイル基とを有するイソボルニル(メタ)アクリレートがより好ましい。なお、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
上記共重合体100重量部に占める上記分子内にビシクロ環構造と1つのオレフィン性二重結合とを有するモノマーに由来する構成単位の割合は、15〜55重量部であることが好ましく、20〜50重量部であることがより好ましい。
上記R2のアルキル基の炭素数が2以下又は15以上であると、得られる共重合体のガラス転移温度が上がり、該共重合体を用いて製造される粘着テープは、粘着剤層の初期のぬれ性が低下し、ポリカーボネート板及びアクリル板に対する密着性が低下して、高温条件下、ポリカーボネート板又はアクリル板との界面における気泡の成長を充分に妨げることができない。上記R2のアルキル基の炭素数は4〜12であることが好ましい。
また、上記R2のアルキル基の水素原子はシクロアルキル基に置換されていてもよい。上記シクロアルキル基は特に限定されず、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等が挙げられる。
上記共重合体100重量部に占める上記一般式(1)で表される構造を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーの割合は、50〜85重量部であることが好ましい。
なお、共重合体のガラス転移温度の算出方法としてはFoxの式が知られている。Foxの式を用いて逆算することにより、得られる共重合体のガラス転移温度を0〜25℃の範囲となるように調整できる上記単独重合体のガラス転移温度が60℃以上である高ガラス転移温度モノマーの種類や割合を概算できる。ただし、Foxの式から算出される共重合体のガラス転移温度には誤差があるので、実際には示差熱分析(DSC)等によりガラス転移温度を実測して、確認と微調整とを行うことが好ましい。
上記共重合体が、上記一般式(2)で表される構造を有するポリエチレンオキサイド鎖を有するモノマーに由来する構成単位を有することにより、このような白化を防止することができる。これは、上記共重合体を構成するモノマーに高親水性モノマーを用いることにより、高温高湿下に曝された後室温に戻された場合に水を微分散させ、その結果、白化を抑制することができるためと考えられる。
なお、上記エチレンオキサイドの繰り返し数は、上記一般式(2)においてはnで表される。
なお、上記ポリエチレンオキサイド鎖の末端基は、上記一般式(2)においてはR4で表される。
上記共重合体が上記他のモノマーに由来する構成単位を有することにより、得られる共重合体の分子間相互作用が増大し、該共重合体を用いて製造される粘着テープは、粘着剤層の凝集力が高まる。更に、上記他のモノマーが極性基を有する場合には、該極性基とポリカーボネート板又はアクリル板の表面とが相互作用を起こすことにより、得られる粘着テープは、粘着剤層の界面接着力が高まる。
また、上記共重合体は、上記分子内にカルボキシル基と1つのオレフィン性二重結合とを有するモノマーに由来する構成単位を有していなくてもよい。
これに対し、本発明の粘着テープにおいては、上記共重合体が上記分子内にビシクロ環構造と1つのオレフィン性二重結合とを有するモノマーに由来する構成単位と、上記一般式(1)で表される構造を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーに由来する構成単位とを有することで、上記共重合体が酸成分を含まない場合であっても、粘着剤層が粘着力、凝集力、初期接着性、密着性等に優れ、高温条件下でも信頼性が高い。従って、本発明の粘着テープは、高温条件下でも高い信頼性を維持し、かつ、ITO等の金属又は金属酸化物を含有する金属薄膜の劣化を抑制することができる。
なお、本明細書において重量平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により、ポリスチレン換算により測定した値を意味する。具体的には、例えば、上記共重合体をテトラヒドロフラン(THF)により100倍に希釈して得られた希釈液をフィルターで濾過し、得られた濾液をカラム(例えば、Waters社製の商品名「2690 Separations Model」等)を用いてGPC法により測定することができる。
上記溶液重合に用いる溶媒は特に限定されず、例えば、酢酸エチル、トルエン、ジメチルスルホキシド、エタノール、アセトン、ジエチルエーテル等が挙げられる。
上記過硫酸塩は特に限定されず、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等が挙げられる。上記有機過酸化物は特に限定されず、例えば、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、ラウロイルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート等が挙げられる。上記アゾ化合物は特に限定されず、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル等が挙げられる。
これらの重合開始剤は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記架橋剤を含有することにより、上記共重合体に架橋構造を形成することができる。また、上記架橋剤の種類や量を適宜調整することによって、得られる粘着テープの粘着剤層のゲル分率を調整することができる。
上記エポキシ系架橋剤は特に限定されないが、脂肪族エポキシ系架橋剤が好ましい。上記脂肪族エポキシ系架橋剤のうち、市販品として、例えば、デナコールEX212、デナコールEX214(いずれもナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記粘着付与樹脂は特に限定されず、例えば、キシレン樹脂、フェノール樹脂、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂等が挙げられる。これらの粘着付与樹脂は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なかでも、キシレン樹脂が好適であり、キシレン樹脂のアルキルフェノール反応物がより好適である。また、上記粘着付与樹脂として水素添加された樹脂を用いることが好ましく、このような樹脂を用いることにより、粘着テープの透明性を高めることができる。
上記シランカップリング剤は特に限定されず、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメチルメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、メルカプトブチルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
上記添加剤は、得られる粘着テープの透明性を損なわない限り特に限定されず、例えば、充てん剤、老化防止剤等が挙げられる。
上記粘着剤層は、測定周波数10Hzにおける剪断貯蔵弾性率(G’)が20℃で1.2×105〜8×106Pa、85℃で3.2×104〜9×104Paであることがより好ましく、20℃で1.4×105〜6×106Pa、85℃で3.4×104〜8×104Paであることが更に好ましい。
例えば、上記粘着剤層が上記温度領域において上記散逸率(tanδ)に極大点を有さず、上記粘着剤層の上記散逸率(tanδ)が25℃を超える場合、粘着テープは、粘着剤層の初期のぬれ性が低下し、ポリカーボネート板又はアクリル板に対する密着性が低下して、高温条件下、ポリカーボネート板又はアクリル板との界面に発生する浮き剥がれを抑制できないことがある。また、例えば、上記粘着剤層が上記温度領域において上記散逸率(tanδ)に極大点を有さず、上記粘着剤層の上記散逸率(tanδ)が−25℃未満である場合、粘着剤層が柔らかくなり、粘着テープの切断加工性が低下して、切断端部の粘着剤が切断刃に付着して加工を妨げることがある。
まず、本発明の粘着テープを50mm×25mmの平面長方形状に切断して試験片を作製する。得られた試験片を酢酸エチル中に23℃にて24時間浸漬した後、200メッシュのステンレスメッシュを介して試験片を酢酸エチルから取り出して、110℃の条件下で1時間乾燥させる。そして、乾燥後の試験片の重量を測定し、下記式を用いてゲル分率を算出する。なお、試験片に用いた粘着テープには、離型紙又は離型フィルムは積層されていない。
ゲル分率(重量%)=100×(W2−W0)/(W1−W0)
式中、W0は基材の重量を表し、W1は浸漬前の試験片の重量を表し、W2は浸漬し乾燥した後の試験片の重量を表す。粘着テープが基材を有さない場合はW0=0である。
上記基材は、透明性を有する基材であれば特に限定されず、例えば、アクリル樹脂、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、アクリロ二トリルブタジエンスチレン(ABS)樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン、ポリウレタン、ポリイミド等の透明な樹脂からなるシート、網目状の構造を有するシート、孔が開けられたシート等が挙げられる。
上記離型紙又は離型フィルムは特に限定されず、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ナイロン等からなる合成樹脂フィルムに離型処理を施して得られる離型フィルム、上質紙やグラシン紙等の表面平滑性の高い原紙に剥離層を形成して得られる離型紙等が挙げられる。
なお、0.3mm/分という剥離速度は、ポリカーボネート板又はアクリル板を被着体としたときの浮き剥がれが進行する現象を評価する際に適した速度であると、本発明者らは考えている。
まず、粘着テープを25mm×100mmの平面形状を有するように裁断する。裁断された粘着テープの一方の離型ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、粘着剤層を露出させる。次いで、粘着テープの露出した面に厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを貼り合わせる。更に、粘着テープのもう一方の離型ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、粘着剤層を露出させ、ポリカーボネート板又はアクリル板上に粘着テープの露出した面を2.0kgのゴムローラを300mm/分の速度で一往復させることにより、ポリカーボネート板又はアクリル板と粘着テープとを貼り合わせ、23℃で24時間放置し、試験サンプルを用意する。
得られた試験サンプルについて、剥離速度0.3mm/分で180°方向の引張試験を行い、得られる値を剥離速度0.3mm/分におけるポリカーボネート板又はアクリル板に対する180°剥離力(N/25mm)とする。
本発明の粘着テープは透明性が高く、ディスプレイパネル又はタッチパネルへの貼り合わせ等の高い透明性が要求される光学用途にも好適に適用することができる。また、ポリカーボネート板及びアクリル板は水分を吸収しやすいことから、高温条件下で生じるアウトガスが原因となって粘着剤層との界面に浮き剥がれが生じやすいが、本発明の粘着テープを用いることによってこのような浮き剥がれを効果的に抑制することができる。
上記ポリカーボネート板又はアクリル板は特に限定されないが、例えば、画像表示装置等に用いられるポリカーボネート板又はアクリル板であることが好ましく、画像表示装置等の表面を保護するための保護板として用いられるポリカーボネート板又はアクリル板であることが好ましい。
上記透明電極として、例えば、ITO電極等が挙げられる。
本発明の積層体を有する画像表示装置もまた、本発明の1つである。
上記抵抗膜式タッチパネルは、例えば、ポリカーボネート板又はアクリル板からなる保護板、上部透明電極、スペーサ、及び、下部透明電極を有する支持体をこの順で有する。このような抵抗膜式タッチパネルの一例を、図1に示す。
図1に示す抵抗膜式タッチパネルにおいては、本発明の粘着テープ2を介して、ポリカーボネート板又はアクリル板からなる保護板1と上部透明電極3とが貼り合わされている。また、本発明の粘着テープ6を介して、支持体7と下部透明電極5とが貼り合わされている。支持体7と下部透明電極5とは、本発明の粘着テープにより貼り合わせられていても、本発明の粘着テープ以外の粘着テープにより貼り合わせられていてもよい。また、支持体7と下部透明電極5とは、粘着テープ以外の方法により積層されていてもよい。なお、図3に示す抵抗膜式タッチパネルにおいて、本発明の粘着テープは両面粘着テープである。
図2に示す静電容量式タッチパネルにおいては、本発明の粘着テープ9を介して、ポリカーボネート板又はアクリル板からなる保護板8と、表裏にITO膜10及び12が成膜されたガラス板11とが貼り合わされている。また、本発明の粘着テープ13を介して、支持体14と、表裏にITO膜が成膜されたガラス板(反対面)とが貼り合わされている。支持体14と、表裏にITO膜が成膜されたガラス板とは、本発明の粘着テープにより貼り合わせられていても、本発明の粘着テープ以外の粘着テープにより貼り合わせられていてもよい。また、支持体14と、表裏にITO膜が成膜されたガラス板とは、粘着テープ以外の方法により積層されていてもよい。なお、図2に示す静電容量式タッチパネルにおいて、本発明の粘着テープは両面粘着テープである。
温度計、攪拌機、冷却管を備えた反応器内に、2−エチルヘキシルアクリレート62.8重量部と、イソボルニルアクリレート35重量部と、アクリル酸2重量部と、2−ヒドロキシメタクリレート0.2重量部と、これらモノマー100重量部に対して酢酸エチル100重量部とを加え、窒素置換した後、反応器を加熱して還流を開始した。次いで、モノマー100重量部に対して0.2重量部の重合開始剤としてのt−ヘキシルパーオキシピバレートを、5重量部の酢酸エチルで希釈し、得られた重合開始剤溶液を上記反応器内に2時間かけて滴下添加した。その後、70℃にて、重合開始剤の添加開始から8時間還流させて、固形分50%のアクリル共重合体溶液を得た。
また、得られたアクリル共重合体について、カラムとしてWaters社製「2690 Separations Model」を用いてGPC法によって測定したポリスチレン換算による重量平均分子量は約50万であった。
なお、動的粘弾性測定装置(アイティー計測制御社製、DVA−200)を用いて、−25〜25℃において周波数10Hz、昇温速度5℃/分にて剪断損失弾性率(G’’)及び剪断貯蔵弾性率(G’)を測定し、横軸を温度、縦軸を散逸率(tanδ)としてグラフを作成したとき、極大点を有する点をガラス転移温度とした。
アクリル共重合体のモノマー組成を変更することにより、表1に示した構成単位の割合(重量%)を有するアクリル共重合体を得たこと以外は、実施例1と同様にして両面粘着テープを作製した。
実施例及び比較例で得られた両面粘着テープについて、以下の方法により評価を行った。
結果を表1に示した。
両面粘着テープをスライドガラス(商品名「S−1214」、MATSUNAMI社製)に貼り合わせて、粘着剤層/スライドガラスの層構造を有する試験片を作製し、該試験片の可視光波長領域における全光線透過率及びヘーズ値(%)を、ヘーズメーター(全自動ヘーズメーター「TC−HIIIDPK」、東京電色社製)を用いて測定した。
両面粘着テープを25mm×100mmの平面形状を有するように裁断した。裁断された両面粘着テープの一方の離型ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、粘着剤層を露出させた。次いで、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に、両面粘着テープの露出した面を貼り合わせた。更に、両面粘着テープのもう一方の離型ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、粘着剤層を露出させ、ポリカーボネート板(PC板)上に両面粘着テープの露出した面を貼り合わせることにより、ポリカーボネート板(PC板)上に、両面粘着テープとポリエチレンテレフタレートフィルムとがこの順で積層されている積層サンプルを得た。その後、得られた積層サンプルのポリエチレンテレフタレートフィルム上に2.0kgのゴムローラを載せて、300mm/分の速度でゴムローラを一往復させることにより、ポリカーボネート板(PC板)と両面粘着テープとを貼り合わせ、23℃で20分間放置し、試験サンプルを用意した。
また、上記ポリカーボネート板(PC板)板の代わりにアクリル板を用いて、同様に試験サンプルを用意した。
得られた試験サンプルについて、JIS Z0237に準じて、剥離速度300mm/分で180°方向の引張試験を行い、粘着力(N/25mm)を測定した。
両面粘着テープを45mm×60mmの平面形状を有するように裁断した。裁断された両面粘着テープの一方の離型ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、粘着剤層を露出させた。次いで、厚みが0.05mmであるポリエチレンテレフタレートフィルム上に、両面粘着テープの露出した面を貼り合わせた。更に、両面粘着テープのもう一方の離型ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、粘着剤層を露出させ、厚みが2.0mmの平面形状を有するポリカーボネート板(PC板)上に両面粘着テープの露出した面を貼り合わせることにより、ポリカーボネート板(PC板)上に、両面粘着テープとポリエチレンテレフタレートフィルムとがこの順で積層されている積層サンプルを得た。その後、得られた積層サンプルを温度85℃の条件、又は、温度60℃かつ相対湿度(RH)90%の条件で500時間静置し、試験サンプルを得た。得られた試験サンプルの接着界面における気泡発生状態を目視により観察した。
0.01mm以上の大きさの気泡が全く観察されなかった場合を「○」と、0.01mm以上の大きさの気泡が1つの試験サンプル当たり1〜5個観察された場合を「△」と、0.01mm以上の大きさの気泡が1つの試験サンプル当たり6個以上観察された場合を「×」として、気泡発生状態を評価した。
両面粘着テープを25mm×75mmの平面形状を有するように切断した。切断された両面テープ粘着テープの一方の離型ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、粘着剤層を露出させた。次いで、2mm厚のポリカーボネート板(タキロン社製)上に、両面粘着テープの露出した面を貼り合わせた。更に、両面粘着テープのもう一方の離型ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、粘着剤層を露出させた。暴露した粘着面に10mm角の金属片を接触させ、その時の抵抗力(N/10mm□)をストログラフにより測定して、これをプローブタックとした。
両面粘着テープを20mm×40mmの平面形状を有するように切断した。次いで、厚みが0.05mmであるポリエチレンテレフタレートフィルム上に、両面粘着テープの露出した面を貼り合わせた。更に、両面粘着テープのもう一方の離型ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、粘着剤層を露出させ、凝集力試験機の所定の場所に貼り付けた。
その後、一方に50gの荷重をかけから3分後のずれ長(μm)を測定した。
両面粘着テープについて、カッター刃を用いて打ち抜き作業を連続して50回行い、カッター刃に粘着剤が付着することにより発生する刃汚れ性、及び、端部における粘着剤の滲み出し状態を評価した。
刃汚れ性について、目視にて糊の付着性を確認し、刃への付着が全くなく上述の切断ができた場合を「◎」、刃への付着がほとんどなく上述の切断ができた場合を「○」、上述の切断を実施した後に刃に一部付着が認められた場合を「△」、刃に粘着剤が付着し切断ができなかった場合を「×」と評価した。
また、端部における粘着剤の滲み出し状態について、切断面に直接触したときに、糸引きもなく糊の染み出しもなかった場合を「◎」、糊の染み出しがなかった場合を「○」、糊の染み出しが激しく、端部を汚染した場合を「×」と評価した。
得られた両面粘着テープをスライドガラス(商品名「S−1214」、MATSUNAMI社製)に貼り合わせて、粘着剤層/スライドガラスの層構造を有する試験片を作製した。この試験片を80℃85%RHの高温高湿下に放置し、放置開始の0時間後及び24時間後の試験片のヘーズ値(%)を、ヘーズメーター(全自動ヘーズメーター「TC−HIIIDPK」、東京電色社製)を用いて測定し、下記式によりΔヘーズ値を算出した。
Δヘーズ値(%)={24時間後のヘーズ値(%)}−{0時間のヘーズ値(%)}
2 粘着テープ
3 上部透明電極
4 スペーサ
5 下部透明電極
6 粘着テープ
7 支持体
8 保護板
9 粘着テープ
10 ITO膜
11 ガラス板
12 ITO膜
13 粘着テープ
14 支持体
15 保護板
16 粘着テープ
17 画像表示装置
Claims (4)
- 共重合体を含有する粘着剤組成物からなる粘着剤層を有する粘着テープであって、
前記共重合体は、分子内にビシクロ環構造と1つのオレフィン性二重結合とを有するモノマーに由来する構成単位と、下記一般式(1)で表される構造を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーに由来する構成単位と、単独重合体のガラス転移温度が60℃以上である高ガラス転移温度モノマーに由来する構成単位とを有し、
前記単独重合体のガラス転移温度が60℃以上である高ガラス転移温度モノマーが、シクロヘキシルメタクリレート及び/又はメチルメタクリレートを含み、
前記共重合体100重量部に占める前記分子内にビシクロ環構造と1つのオレフィン性二重結合とを有するモノマーに由来する構成単位の割合は、10〜60重量部であり、
前記共重合体100重量部に占める前記一般式(1)で表される構造を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーに由来する構成単位の割合は、30〜90重量部であり、
前記共重合体のガラス転移温度が0〜25℃である
ことを特徴とする粘着テープ。
- ビシクロ環構造は、イソボルニル基のビシクロ環構造であることを特徴とする請求項1記載の粘着テープ。
- オレフィン性二重結合は、(メタ)アクリロイル基のオレフィン性二重結合であることを特徴とする請求項1又は2記載の粘着テープ。
- 一般式(1)で表される構造を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーは、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート及びブチル(メタ)アクリレートからなる群より選択される少なくとも1つの(メタ)アクリル酸エステルモノマーを含有することを特徴とする請求項1、2又は3記載の粘着テープ。
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